JP4156165B2 - タンクローリー車の荷受け・荷卸しシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンクローリー車のタンク部に各種石油製品を供給して荷受けし、荷受けされた石油製品を給油所まで搬送してタンク部内に収容された石油製品を荷卸しするタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、給油所の地下タンクへガソリンなどの石油製品を搬入させるには、油槽所で油種毎にタンクローリー車の各ハッチ部に所定量の石油製品を給油して荷受けを行い、タンクローリー車を荷卸し先の給油所まで運転して輸送し、各ハッチ部内の石油製品を給油所の地下タンクへ油種毎に荷卸ししている。この荷卸しの際には、タンクローリー車のタンク部の吐出口と給油所の地下タンクの給油口との間にホースを接続し、ハッチ部単位で石油製品を給油口を介して給油所の地下タンクに油種毎に給油している。
【0003】
ところで、給油所で取り扱われる石油製品は、例えば高オクタン価ガソリンやレギュラーガソリン、軽油、灯油など複数種類あり、これらの石油製品は各油種毎に地下タンク内に貯蔵される。また、タンクローリー車も同様に、各油種毎のハッチ部を有した構成とされている。
【0004】
したがって、タンクローリー車から給油所のタンクへ各種石油製品を搬入させる際には、互いの油種が異なることのないように確認作業が必要となる。
【0005】
そこで、従来は、上記確認作業として、一部の荷卸し先に設置された計装システムによる荷卸し制御を除き、タンクローリー車の運転作業者と、給油所の担当作業者が、互いに指差呼称等を行い、タンクローリー車の荷卸しホースを給油所の給油口に接続させ、同一油種の石油製品を荷卸しする作業を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなタンクローリー車の運転作業者と、給油所の担当作業者との確認作業は、非常に煩雑なものであり、互いの指差呼称作業にミスが発生した場合には、以下に説明するような様々な問題が生じ、その後の復旧作業に多大な時間を要する。
【0007】
特に、荷卸し時にハッチ部から地下タンクに給油される石油製品の容量は、作業者がメーターの値を確認しながら行うため、その確認作業を怠ったまま給油が続行されると、地下タンクがオーバーフローし、内部から石油製品が溢れ出すという問題がある。
【0008】
また、積み荷を所定の位置に荷卸しする作業は、通常の荷であれば、電気的なセンサなどの検出装置を設けることにより二重、三重のチェックを行うことができ、上記のような異種混入などのミスが発生することが極めて少ない。
【0009】
しかしながら、取り扱われる荷は、火気厳禁で爆発性を有する危険物である石油製品なので、取り扱いを慎重に行わなければならず、電気系統の構成をタンクローリー車のハッチ部付近、吐出口付近や給油所の給油口付近などに配置することが不可能であり、このことからも荷卸し作業に煩わしさが生じるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、指定先の給油所の地下タンクをオーバーフローさせることなく、しかも石油製品の油種を誤ることなく荷卸しを行うことができるタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、油槽所でタンクローリー車のタンク部の所定のハッチ部に所定量の石油製品を油種毎に荷受けし、この荷受けした石油製品を油種毎に給油所の地下タンクに給油して荷卸しするタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステムにおいて、
前記油槽所には、前記ハッチ部毎に荷受けした石油製品の油種および油量の情報が書き込まれたハッチ管理カードを発行するハッチ管理システムが設置されており、
前記給油所には、当該給油所での前記石油製品の荷卸し時に前記地下タンク毎の油種および空き容量の情報を前記ハッチ管理カードに書き込み制御する制御装置が設置されており、
前記給油所での前記石油製品の荷卸し時に、荷卸しするハッチ部とその荷卸し量を設定するとともに、前記地下タンク毎の油種および空き容量の情報が書き込まれた前記ハッチ管理カードから情報を読み取り、前記設定された荷卸しするハッチ部とその荷卸し量および前記ハッチ管理カードから読み取った情報に基づいて、前記荷卸しする側のハッチ部の油種と荷卸しされる側の地下タンクの油種とを比較して両者が一致し、前記荷卸しする側のハッチ部の荷卸し量と荷卸しされる側の地下タンクの空き容量とを比較して前記地下タンクの空き容量が前記荷卸しする側のハッチ部の荷卸し量よりも大きく該地下タンクに空き容量が有ると判別したときのみ前記地下タンクに石油製品を荷卸し制御する制御装置が前記タンクローリー車に搭載されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1のタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステムにおいて、
前記給油所に設置される制御装置の本体には電気錠により施解錠される扉が設けられ、該扉の外側には前記ハッチ管理カードが挿入されるカード挿入口を有しており、
前記制御装置は、前記カード挿入口に挿入される前記ハッチ管理カードの情報が登録情報と一致したときのみ前記扉を解錠制御し、前記扉の内側に設けられた別のカード挿入口に前記ハッチ管理カードが挿入されたときに前記地下タンク毎の油種および空き容量の情報を前記ハッチ管理カードに書き込み制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステムにおいて油槽所に設置されるハッチ管理システムのブロック図、図2は同システムにおいてタンクローリー車が装備する構成のブロック図、図3は同システムにおいて給油所(サービスステーション:SS)に設置される構成のブロック図、図4は同システムの荷受け作業状態を示す図、図5は同システムの荷卸し作業状態を示す図である。
【0014】
以下に説明する荷受け・荷卸しシステムは、図4および図5に示すように、油槽所1に貯蔵された各種石油製品を、その油種毎にタンクローリー車2のタンク部3の所定のハッチ部4内に供給して荷受けを行い、タンクローリー車2を指定先の給油所5まで運転して搬送し、荷受けしたタンク部3のハッチ部4内の石油製品を各油種毎に給油所5の地下タンク6に荷卸しするものである。
【0015】
油槽所1には、輸送対象物である石油製品が種類毎(例えばレギュラーガソリン、高オクタン価ガソリン、軽油、灯油など)に不図示のタンクに貯蔵されている。各タンクは、ローディング・アームに取り付けられたホース(供給手段)7を装備している。このホース7をタンクローリー車1のタンク部3の所定のハッチ部4に接続することにより、タンク内に貯蔵された石油製品がハッチ部4に供給される。その際、ハッチ部4に接続されるホース7のローディング・アームによって現在ハッチ部4に荷受けしている石油製品の油種が決定される。このときの油種情報は後述するハッチ管理カード発行装置14に入力される。
【0016】
油槽所1にはハッチ管理システム11が設置されている。ハッチ管理システム11は、図1に示すように、油量センサー12、荷受けハッチ識別装置13、ハッチ管理カード発行装置14を備えて構成される。
【0017】
油量センサー12は、タンクローリー車2のハッチ部4に現在に荷受けしている石油製品の油量を検出しており、このときの検出信号(油量情報)はハッチ管理カード発行装置14に入力される。
【0018】
荷受けハッチ識別装置13は、タンクローリー車2の現在荷受けしているハッチ部4がどのハッチ部4かを識別しており、その識別情報(ハッチ情報)はハッチ管理カード発行装置14に入力される。
【0019】
ハッチ管理カード発行装置14は、制御回路14aとハッチ管理カード発行回路(以下、カード発行回路と略称する)14bを備えて構成される。制御回路14aは、例えばパーソナルコンピュータ等の端末装置で構成される。この制御回路14aには、ハッチ部4に石油製品を荷受けする毎に、油種情報、油量センサー12からの油量情報および荷受けハッチ識別装置13からのハッチ情報が入力される。
【0020】
カード発行回路14bは、制御回路14aの制御により、逐次入力される油種情報、油量情報およびハッチ情報に基づいて荷受けしたハッチ部4毎の油種および油量の情報をハッチ管理カード17に書き込んで発行を行っている。この発行されたハッチ管理カード17は、装置本体のカード発行口から排出される。なお、発行されるハッチ管理カード17としては、給油所5で荷卸し作業を行う作業者を特定する情報として、例えばIDとしての暗証番号、運転者の個人情報、その運転者の所属などの各種情報が予め記録された磁気カードなどの記録媒体が用いられる。
【0021】
タンクローリー車2のタンク部3は、石油製品の種類(レギュラーガソリン、高オクタン価ガソリン、軽油、灯油など)に応じて、何れかの石油製品が所定単位量積載される複数のハッチ部4で構成される。
【0022】
図示はしないが、タンク部3の各ハッチ部4の底面には、収容された石油製品を取り出すためのハッチ底弁が設けられている。これらハッチ底弁は、共通配管部を介して吐出口8と接続されている。ハッチ底弁としては、例えばエアー式のものが用いられる。これらハッチ底弁は、後述する電磁弁制御装置22からのエアー信号により駆動され、荷受け時には全てのハッチ底弁が閉じており、荷卸しが許可されたときに指定箇所のハッチ部4のハッチ底弁のみが開くようになっている。
【0023】
吐出口8は、ハッチ部4に収容された石油製品を荷卸しする際に手動により開操作されるハンドルを有している。吐出口8は、ハッチ底弁と同様に、後述する電磁弁制御装置22からのエアー信号により駆動され、通常状態(荷受け時又は荷卸しをしない状態)ではハンドルがロックされており、荷卸しが許可されたときにロックが解除されるようになっている。
【0024】
タンクローリー車2には荷卸し制御装置21が設けられている。図2に示すように、荷卸し制御ボックス21は、荷卸し操作表示部21a、空電変換装置21b、ハッチカード読取回路21c、荷卸し制御回路21dを備えて構成される。また、荷卸し制御装置21は、各ハッチ部4毎の油種および油量の情報と荷卸し先の各地下タンク6の油種および空き容量の情報が書き込まれたハッチ管理カード17が挿入されるカード挿入口21Aを有している。
【0025】
荷卸し操作表示部21aは、操作部21aaと表示部21abを一体に備えた操作パネルからなる。操作部21aaは、ハッチ部4単位での荷卸しの開始指示、ハッチ部4単位での荷卸しの停止指示、荷卸し量の設定、荷受けされている油種表示の指示、荷卸しの強制停止の指示などを行うためのスイッチやキーなどを有しており、この操作部21aaからの操作信号は荷卸し制御回路21dに入力される。
【0026】
表示部21abは、例えばLEDランプなどで構成され、点灯・消灯の切り替えによりハッチ部4のハッチナンバーに合わせて残油の有無、ガス抜きの有無、荷卸し可能か否かを表示したり、荷卸し量の表示などを行っている。
【0027】
空電変換装置21bには、各ハッチ部4のハッチ底弁および吐出口8からの開閉検出信号(エアー信号)が入力している。空電変換装置21bは、入力される開閉検出信号(エアー信号)を電気信号に変換して荷卸し制御回路21dに入力している。
【0028】
ハッチカード読取回路21cは、荷卸し時にカード挿入口21Aに挿入されたハッチ管理カード17内の情報(荷卸しする石油製品の油種および油量情報)を読み取り、この読み取った情報を荷卸し制御回路21dに入力している。
【0029】
荷卸し制御回路21dは、荷卸し操作表示部21aの操作部21aaからの入力情報、空電変換装置21bからのハッチ開閉検出信号、ハッチカード読取回路21cからの荷卸し情報に基づいて一連の荷卸し動作を制御している。
【0030】
特に、本例における荷卸し制御回路21dの処理としては、荷卸し操作表示部21aの操作部21aaにより荷卸しする側のハッチ部4のハッチ番号および荷卸し量が設定されると、ハッチカード読取回路21cからの荷卸し情報により、そのハッチ番号のハッチ部4の油種と、荷卸し先の地下タンク6の油種を比較し、油種が一致しているか否かを判別している。油種が一致している場合には、さらに操作部21aaからの操作情報およびハッチカード読取回路21cからの荷卸し情報により、荷卸し先の地下タンク6の空き容量と荷卸し量を比較し、地下タンク6に空きが有るか否かを判別している。
【0031】
そして、荷卸しする側のハッチ部4の油種と荷卸しされる側の地下タンク6の油種が不一致であると判断した場合、又は荷卸し先の地下タンク6に空き容量が無いと判断した場合には、荷卸しを禁止している。これに対し、荷卸しする側のハッチ部4の油種と荷卸しされる側の地下タンク6の油種が一致し、荷卸し先の地下タンク6に空き容量が有ると判断した場合には、荷卸しを行うべく、荷卸しする側のハッチ部4のハッチ底弁および吐出口8を開く旨の制御信号を後述する電磁弁制御装置22に出力している。
【0032】
荷卸し制御装置21には、各ハッチ部4のハッチ底弁および吐出口8の開閉を制御するための電磁弁制御装置22が通信線23を介して接続されている。電磁弁制御装置22は、電空変換装置22aとエアー弁制御部22bを備えて構成される。電空変換装置22aは、荷卸し制御装置21から入力される制御信号をエアー信号に変換してエアー弁制御部22bに入力している。エアー弁制御部22bは、電空変換装置22aからのエアー信号により各ハッチ部4のハッチ底弁の開閉および吐出口8のハンドルのロック・ロック解除を制御している。
【0033】
給油所5は、石油製品の種類毎に地下タンク6を備えている。例えば取り扱われる石油製品の種類がレギュラーガソリン、高オクタン価ガソリン、軽油、灯油の4種類であれば、最低4つ備えている。なお、図5の例では、地下タンク6を1つのみ図示している。
【0034】
給油所5には、油量計31と地下タンク油量データ制御装置(以下、制御装置と略称する)32が設置されている。
【0035】
油量計31は、図3に示すように、油量制御回路31aと通信回路31bを備えて構成され、油量制御回路31aには油量センサー33が接続されている。制御装置32は、カード読取手段としてのカードリーダー32a、カード読取書込手段としてのリーダーライター32b、制御回路32c、通信回路32dを備えて構成される。なお、通信回路32dは、油量計31の通信回路31bと通信線34を介して接続されている。
【0036】
制御装置32は、本体が一体化された2つの筐体32A,32Bからなり、図5に示すように、上部の筐体32Aには、カードリーダー32aのカード挿入口32aaが外部に露出して設けられている。下部の筐体32Bには、リーダーライター32bのカード挿入口32baが設けられ、このカード挿入口32baの前面側には電気錠によって施解錠制御される扉32Baが設けられている。
【0037】
油量センサー33としては、例えば1本の光ファイバ芯線を中央で折曲して折曲部分の先端を検出部とし、折曲部分をポリカーボネートなどの光透過性を有するチューブで覆ってステンレス製の金属管に挿通し、検出部を除く金属管の周囲をテフロンなどのチューブで更に覆い、二股に分かれた一方を光源からの光が入射される光入力部とし、他方を反射光を出力する光出力部とした光センサーが用いられる。
【0038】
上記光センサーは、地下タンク6内の油量の満タン位置に検出部が位置して地下タンク6毎に設けられる。光センサーは、地下タンク6内の油量が満タン位置に達しておらず、検出部が油面に浸っていなければ、光入力部に入射された光が検出部から出射されて周囲に拡散され、検出部を介して光ファイバ芯線に戻る反射光がほとんどない。これに対し、地下タンク6内の油量が満タン位置に達し、光センサの検出部が油面に浸ったときには、光入射部に入射された光が検出部から出射され、その光が油(油面)で反射されて検出部を介して光ファイバ芯線に戻る。このときの光信号は電気信号に変換された後、油量検出信号として油量計31の油量制御回路31aに例えば通信線や無線を介して入力される。
【0039】
なお、油量センサー33としては、上述した光センサーに限定されるものではなく、通常のフロートタイプのものを用いることも可能である。フロートタイプの場合には、地下タンク6内に支柱を立設してフロートを上下動自在に取り付け、油面の変化に連動して上下するフロートの移動量を空気圧の変化として捉えて地下タンク6の天井面から油面までの距離を測定し、その結果が電気信号に変換された後に油量計31の油量制御回路31aに入力されることになる。
【0040】
油量制御回路31aは、油量センサー33からの油量検出信号に基づいて各地下タンク6毎の空き容量を演算し、制御回路32cから地下タンク6の油量情報を転送する旨の指令が入力されたときに、各地下タンク6毎の油種および空き容量の情報を通信回路31bおよび通信線34を介して制御装置32の通信回路32dに伝送している。
【0041】
制御回路32cは、制御装置32の筐体32Aのカード挿入口32aaにセットされたハッチ管理カード17の情報が読み込まれると、ハッチ管理カード17の情報を予め記憶されている登録情報(例えばID情報)と照合し、その内容が適合していれば、筐体32Bの扉32Baを解錠制御している。なお、ハッチ管理カード17の情報が適合しなければ、筐体32Bの扉32Baは施錠されたままとなり、ハッチ管理カード17はカード挿入口32aaから排出される。
【0042】
また、制御回路32cは、扉32Baが解錠された筐体32Bのカード挿入口32baにハッチ管理カード17が挿入されたときに、地下タンク6の油量情報を転送する旨の指令を油量制御回路31aに出力し、通信回線31bおよび通信回路32dを介して各地下タンク6の油量および空き容量の情報を取り込んでいる。そして、このときの情報は、リーダーライター32bによりハッチ管理カード17に書き込まれる。
【0043】
次に、上記荷受け・荷卸しシステムによる荷受け・荷卸し作業手順について図6および図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0044】
・油槽所での荷受け作業…図6のフローチャート
油槽所1で石油製品を荷受けする際、タンクローリー車2の各ハッチ部4のハッチ底弁は全て閉じており、吐出口8のハンドルはロックされている。この状態で、作業者はローディング・アームのホース7を荷受けするハッチ部4に接続して石油製品を荷受けする(ST1)。そして、ハッチ部4に対する石油製品の荷受け作業が完了すると、ハッチ管理システム11によってハッチ管理カード17が発行される(ST2)。このハッチ管理カード17には、ハッチ部4毎の石油製品の油種および油量の情報が書き込まれる。作業者は、このとき発行されたハッチ管理カード17を受け取り、タンクローリー車2を運転して荷卸し先の給油所5まで荷受けした石油製品を輸送する。
【0045】
・給油所での荷卸し作業…図7のフローチャート
作業者は、指定先の給油所5に到着すると、その給油所5に設置してある制御装置32の筐体32Aのカード挿入口32aaにハッチ管理カード17を挿入してセットする(ST11)。そして、ハッチ管理カード17に記録された情報(例えばID情報)が登録情報と適合すると、筐体32Bの扉32Baが解錠し(ST12)、扉32Baを開くことができる。続いて、作業者は、解錠された扉32Baを開き、筐体32Bのカード挿入口32baにハッチ管理カード17を挿入してセットする(ST13)。この状態で、地下タンク6毎の油量データ(油種および空き容量の情報)がハッチ管理カード17に書き込まれる(ST14)。
【0046】
次に、作業者は、地下タンク6毎の油種および空き容量の情報が書き込まれたハッチ管理カード17を持ってタンクローリー車2に戻り、ハッチ管理カード17を荷卸し制御装置21のカード挿入口21Aに挿入してセットする(ST15)。その後、タンクローリー車2の吐出口8と地下タンク6の給油口に荷卸し用ホース41を繋ぎ、荷卸し操作を行う(ST16)。すなわち荷卸しするハッチ部4とその荷卸し量を設定する。
【0047】
上記設定動作にほぼ並行して、荷卸し制御装置21にセットされたハッチ管理カード17内の情報が読み込まれ、この情報に基づいて荷卸し用ホース41の接続された地下タンク6と荷卸しするハッチ部4の油種を比較する(ST17)。ここで、地下タンク6とハッチ部4の油種が不一致と判断されると、荷卸しを禁止する(ST18)。
【0048】
これに対し、荷卸し用ホース41の接続された地下タンク6と荷卸しするハッチ部4の油種が一致と判断されたときには、その地下タンク6の空き容量と荷卸しするハッチ部4の荷卸し量をハッチ管理カード17の情報に基づいて比較する(ST19)。ここで、地下タンク6の空き容量が荷卸しするハッチ部4の荷卸し量よりも小さく、地下タンク6に空き無しと判断されると、荷卸しを禁止する(ST20)。
【0049】
これに対し、地下タンク6の空き容量が荷卸しするハッチ部4の荷卸し量よりも大きく、地下タンク6に空き有りを判断されたときには、荷卸し開始操作を行う(ST21)。これにより、荷卸しが開始される(ST22)。すなわち、荷卸しされるハッチ部4のハッチ底弁のみが開き、吐出口8のハンドルのロックが解除され、作業者は吐出口8のハンドルを操作して吐出口8を開くことにより、ハッチ部4から地下タンク6に給油される。そして、ハッチ部4から荷卸し量の石油製品が地下タンク6に給油されると、荷卸し終了操作を行い(ST23)、荷卸しを停止させることにより荷卸し作業が終了する。
【0050】
なお、図7のフローチャートにおけるST11およびST12の処理は、ハッチ管理カード17を所持する作業者のみが制御装置32を操作でき、第三者によって不用意に制御装置32が操作されるのを防止するために行われるものであるが、このST11およびST12の処理を削減することも可能である。この場合には、図3の制御装置32におけるカードリーダー32a、図5における筐体32A、カード挿入口32aa、筐体32Bの扉32Baを省いて構成の簡略化を図ることができる。
【0051】
ところで、DCD(Driver Controlled Deliveries)免許を受けた施設の場合には、図8に示す給油所管理システム51に図3に示す制御装置32の機能を持たせ、タンクローリー車2の運転手が単独で荷卸しを行うことも可能である。
【0052】
以下、給油所管理システム51の構成を図8に基づいて簡単に説明する。給油所管理システム51は、図3に示す制御装置32の機能を含むものであり、方形箱形状のシステムボックス52内の上段に設けられた管理制御部53と収納部54を備えて概略構成される。
【0053】
システムボックス52は、給油所5の敷地内の所定の位置、好ましくは火気厳禁エリア外に設置され、上段部52Aと下段部52Bからなる。上段部52Aには管理制御部53が設けられ、下段部52Bには防災具55が収納される収納部54が設けられている。
【0054】
上下両段部52A,52Bには、開閉自在な観音開きの外扉56が前面にそれぞれ配設されている。各ボックス内の上部には、外扉56の開閉に連動して点灯・消灯する内部照明装置57が取り付けられている。上段部52Aの外扉56の扉の内面には、給油所管理システム51が設置される給油取扱所内の見取図、例えば、タンクローリー車の停車位置や給油口の位置、通気管の位置、建物の位置などを記載した見取図が貼設されている。
【0055】
防災具55は、消火器55a、オイル吸収マット55b、砂袋55cで構成され、収納部54にそれぞれ複数収納される。消火器55aは、油火災用消火器であり、例えばハロン消火器や粉末消火器などである。オイル吸収マット55bは、織布や不織布よりなり、乾燥した状態で例えば多重に折り畳まれて収容されている。砂袋55cは、乾燥した砂が、1袋あたり25Kg以上とされて収納されている。
【0056】
管理制御部53は、ボックス内の右部に配置された緊急連絡先などの外部(例えば消防署や管理会社など)への連絡が可能な非常電話61、カードリーダー(図3のカードリーダー32aに相当)62、ボックス内の左部に配置される制御盤63、カードリーダー62及び制御盤63を制御する制御手段(図3の制御回路32cの機能を兼ねる)を備えて構成される。
【0057】
制御盤63には、上段部52Aの外扉56とは別体に構成される内扉65が配設され、制御盤63の前面を覆っている。この内扉65は、通常施錠されており、カードリーダー62に挿入されたハッチ管理カード17の情報(例えばID情報)が登録情報と一致したときのみ解錠されるものである。
【0058】
内扉65で覆われる制御盤63上には、制御盤63への電源供給・停止や給油所5における各部の電源供給・停止を行うための電源スイッチ71、給油所5内の照明装置の点灯・消灯を行うための照明スイッチ72、給油所5を囲繞するフェンスの鍵や各地下タンク6毎のそれぞれの給油口に対する施解錠を施す鍵などの複数本の鍵73を収納保管鍵収納ボックス74、プリンター75、現在荷卸しされているハッチ部4のハッチ番号及び石油製品の油量を数値表示する表示操作パネル部76が配設されている。なお、図示はしないが、制御盤63には、図3の制御装置32のカードリーダー32aに相当するカードリーダー62、制御回路32cの機能を兼ねる制御手段の他、リーダーライター32b、通信回路32dが設けられる。
【0059】
そして、上記給油所管理システム51が設置された給油所5で荷卸しを行う場合には、システムボックス52の外扉56を開き、カードリーダー62にハッチ管理カード17を挿入し、ハッチ管理カード17の情報(例えばID情報)が登録情報と適合すると、内扉65が解錠される。そして、内扉65が解錠された後、制御盤63上の不図示のリーダーライター32bにハッチ管理カード17の情報を読み込ませ、前述した実施の形態と略同様の手順で荷卸し作業を行う。
【0060】
このように、本実施の形態によれば、油槽所1では荷受けした各ハッチ部4の油種および油量の情報がハッチ管理カード17に書き込まれて発行され、給油所5では地下タンク6毎の油種および空き容量の情報がハッチ管理カード17に書き込まれ、荷卸し時には操作部21aaからの操作情報やハッチ管理カード17の情報に基づいて荷卸しする側のハッチ部4と荷卸しされる側の地下タンク6の油種の一致・不一致、および地下タンクの空き容量の有無を判別して荷卸しの許可又は禁止を判断しており、荷卸しする側のハッチ部4の油種と荷卸しされる側の地下タンク6の油種が一致し、かつ地下タンク6に空き容量が有ると判断したときのみ荷卸しを許可している。
【0061】
したがって、異なる油種の石油製品が混ざって地下タンク6に荷卸しされるようなことがなく、誤って異なる油種の石油製品を地下タンク6に荷卸しするのを防止することができる。しかも、地下タンク6の内部から石油製品が溢れ出すようなこともなく、地下タンク6のオーバーフローを確実に防止することができる。
【0062】
また、給油所5に設置される制御装置32は、筐体32Aのカード挿入口32aaにハッチ管理カード17が挿入されたとき、この挿入されたハッチ管理カード17の情報が登録情報と適合しなければ、筐体32Bの扉32Baの電気錠が解錠されず、次の処理として、ハッチ管理カード17に地下タンク6毎の油種および空き容量の情報を書き込むための処理に移行することができないようになっている。
【0063】
したがって、ハッチ管理カード17を所持する作業者のみが制御装置32を操作でき、第三者によって不用意に制御装置32が操作されるのを防止することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、石油製品の油種が荷卸し対象となるハッチ部と地下タンクとの間で一致し、かつ地下タンクに空き容量が有るときのみ荷卸しを許可するので、異なる油種の石油製品が混ざって地下タンクに荷卸しされることがなく、誤って異なる油種の石油製品を地下タンクに荷卸しするのを防止することができる。しかも、地下タンクの内部から石油製品が溢れ出すようなこともなく、地下タンクのオーバーフローを確実に防止することができる。
【0065】
請求項2の発明によれば、ハッチ管理カードを所持する作業者のみが給油所に設置された制御装置を操作でき、第三者によって不用意に制御装置が操作されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステムにおいて油槽所に設置されるハッチ管理システムのブロック図
【図2】同システムにおいてタンクローリー車が装備する構成のブロック図
【図3】同システムにおいて給油所(サービスステーション:SS)に設置される構成のブロック図
【図4】同システムにおける油槽所での荷受け作業の概略を示す図
【図5】同システムにおける給油所での荷卸し作業の概略を示す図
【図6】同システムにおける荷受け作業のフローチャート
【図7】同システムにおける荷卸し作業のフローチャート
【図8】給油所管理システムの構成図
【符号の説明】
1…油槽所、2…タンクローリー車、3…タンク部、4…ハッチ部、5…給油所、6…地下タンク、11…ハッチ管理システム、17…ハッチ管理カード、21…荷卸し制御装置、32…制御装置。
Claims (2)
- 油槽所でタンクローリー車のタンク部の所定のハッチ部に所定量の石油製品を油種毎に荷受けし、この荷受けした石油製品を油種毎に給油所の地下タンクに給油して荷卸しするタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステムにおいて、
前記油槽所には、前記ハッチ部毎に荷受けした石油製品の油種および油量の情報が書き込まれたハッチ管理カードを発行するハッチ管理システムが設置されており、
前記給油所には、当該給油所での前記石油製品の荷卸し時に前記地下タンク毎の油種および空き容量の情報を前記ハッチ管理カードに書き込み制御する制御装置が設置されており、
前記給油所での前記石油製品の荷卸し時に、荷卸しするハッチ部とその荷卸し量を設定するとともに、前記地下タンク毎の油種および空き容量の情報が書き込まれた前記ハッチ管理カードから情報を読み取り、前記設定された荷卸しするハッチ部とその荷卸し量および前記ハッチ管理カードから読み取った情報に基づいて、前記荷卸しする側のハッチ部の油種と荷卸しされる側の地下タンクの油種とを比較して両者が一致し、前記荷卸しする側のハッチ部の荷卸し量と荷卸しされる側の地下タンクの空き容量とを比較して前記地下タンクの空き容量が前記荷卸しする側のハッチ部の荷卸し量よりも大きく該地下タンクに空き容量が有ると判別したときのみ前記地下タンクに石油製品を荷卸し制御する制御装置が前記タンクローリー車に搭載されていることを特徴とするタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステム。 - 前記給油所に設置される制御装置の本体には電気錠により施解錠される扉が設けられ、該扉の外側には前記ハッチ管理カードが挿入されるカード挿入口を有しており、
前記制御装置は、前記カード挿入口に挿入される前記ハッチ管理カードの情報が登録情報と一致したときのみ前記扉を解錠制御し、前記扉の内側に設けられた別のカード挿入口に前記ハッチ管理カードが挿入されたときに前記地下タンク毎の油種および空き容量の情報を前記ハッチ管理カードに書き込み制御することを特徴とする請求項1記載のタンクローリー車の荷受け・荷卸しシステム。
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