JP3280194B2 - タンクローリ車の混油防止装置 - Google Patents

タンクローリ車の混油防止装置

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JP3280194B2
JP3280194B2 JP16007095A JP16007095A JP3280194B2 JP 3280194 B2 JP3280194 B2 JP 3280194B2 JP 16007095 A JP16007095 A JP 16007095A JP 16007095 A JP16007095 A JP 16007095A JP 3280194 B2 JP3280194 B2 JP 3280194B2
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倫生 東中川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タンクローリ車に搭
載された油液を、給油所の貯蔵タンクに注入する際に、
当該貯蔵タンクに割り当てられた油液に、種類の異なる
油液が混入するのを防止する混油防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、タンクローリ車のタンクは、レギュラーガソリン、
ハイオクタンガソリン、灯油、軽油等の種類の異なる油
液を個別に収容できるように、複数の区画室に区画され
ている。この複数の区画室のそれぞれの底部には、油液
を荷下ろしするための底弁が設けられている。この底弁
は、エアにて作動するものであり、車体の側面等に設け
られたコントロールボックス内の底弁操作スイッチを手
動操作することにより、開閉駆動することができる。即
ち、上記底弁操作スイッチは、手動開閉弁によって構成
されているとともに、エアタンクと各底弁とを個別に連
通する各エア配管の途中部に介在されており、その操作
つまみを回動操作して、当該底弁操作スイッチを開放操
作することにより、エアタンクのエアを底弁に供給する
ことができ、これによって底弁を開放させて、区画室に
収容された油液を、給油所の地下等に設けられた貯蔵タ
ンクに注入することができる。また、上記底弁操作スイ
ッチを閉鎖操作することにより、底弁に対するエアの供
給を遮断して、当該底弁を閉鎖させることができる。
【0003】ところが、上記タンクローリ車によれば、
コントロールボックス内の底弁操作スイッチを誤って開
閉操作すると、所望の油液と異なる油液が貯蔵タンクに
混入してしまうという問題があった。この発明は上記問
題点に鑑みてなされたものであり、貯蔵タンクに割り当
てられた油液に、種類の異なる油液が混入するのを防止
することができるタンクローリ車の混油防止装置を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するためのこの発明のタンクローリ車の混油防止装置
は、タンクローリ車のタンクの各区画室に収容された油
液の少なくとも油種及びその区画室の油液容量を、各区
画室に対応して記憶する記憶手段と、給油所の各貯蔵タ
ンク毎に備え付けられ、それぞれの貯蔵タンクに割り当
てられた油液の少なくとも油種を記録する記録手段と、
上記記憶手段に記憶された油種と、当該タンクローリ車
の荷下ろしホースが接続される貯蔵タンクに備えられた
記録手段に記録された油種とを照合して、相互に一致す
る油種を判別する照合判別手段と、上記照合判別手段が
判別した油種の油液を収容した区画室を報知する報知手
段と、上記照合判別手段が判別した油種の油液を収容し
た区画室の油液容量を表示する表示手段と、各区画室毎
に設けられたエア作動式の底弁の開放を個別に規制する
ロック手段と、荷下ろしすべき区画室を手動操作にて選
択するものであって、各区画室に対応した点灯表示機能
を備え、上記照合判別手段が判別した油種の油液を収容
した区画室を上記報知手段により点灯表示を行う荷下ろ
し選択スイッチと、上記照合判別手段が判別した油種の
油液が収容された区画室と、荷下ろし選択スイッチによ
って選択した区画室とが一致している場合に、当該区画
室の底弁の開放を許容するロック解除手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0005】上記の構成のタンクローリ車の混油防止装
置によれば、例えば油槽所において、タンクローリ車の
タンクの各区画室に収容された油液の少なくとも油種
を、当該各区画室に対応させて記憶手段に記憶してお
き、給油所において、照合判別手段によって、上記記憶
手段に記憶された油種と、油液を注入しようとする貯蔵
タンクに備え付けられた記録手段に記録された油種とを
照合させて、相互に一致する油種を判別させる。この
際、ロック手段によって各区画室毎に設けられた底弁の
開放を規制しておく。
【0006】次いで、荷下ろし選択スイッチを手動操作
して、荷下ろしすべき区画室を選択すると、ロック解除
手段が、上記照合判別手段が判別した油種の油液が収容
された区画室と、荷下ろし選択スイッチによって選択し
た区画室とが一致している場合にのみ、当該区画室の底
弁の開放を許容する。従って、貯蔵タンクに割り当てら
れた油液と異なる種類の油液が、タンクローリ車から当
該貯蔵タンクに荷下ろしされるのを防止することができ
る。
【0007】また、上記混油防止装置は、荷下ろし選択
スイッチによって、照合判別手段が判別した油種の油液
を収容した区画室を表示することができるので、選択す
べき区画室を容易に認識することができる。
【0008】また、上記混油防止装置は、表示手段によ
って、上記照合判別手段が判別した油種の油液を収容し
た区画室が複数ある場合に、貯蔵タンクへの注油量との
関係で、何れの区画室の油液を荷下ろしすべきかを、容
易に判断することができる。
【0009】また、この発明の混油防止装置は、上記記
憶手段に記憶された油種と、記録手段に記録された油種
とが、相互に一致しない場合に、警報を発する警報手段
を備えるものであってもよく(請求項)、この場合に
は、上記警報手段の警報によって、貯蔵タンクに割り当
てられた油液の油種と、当該貯蔵タンクに荷下ろししよ
うとする油液の油種とが相違することを、即座に認識す
ることができる。
【0010】さらに、この発明の混油防止装置は、上記
記憶手段に記憶された少なくとも油種に関する情報を、
上記照合判別手段に伝送する伝送手段を備えるものであ
ってもよく(請求項)、この場合には、記憶手段に記
憶された少なくとも油種に関する情報を、上記伝送手段
によって、照合判別手段に容易に入力することができ
る。
【0011】また、上記伝送手段を備える場合には、記
憶手段を、貯蔵タンクの注油口の近傍に設けられ、少な
くとも油種を磁気的に記憶するハッチセンサで構成し、
伝送手段を、上記ハッチセンサに着脱自在なハッチコネ
クタを備えるケーブルで構成するのが好ましく(請求項
)、この場合には、上記ハッチセンサに対してハッチ
コネクタを接続するだけで、貯蔵タンクに割り当てられ
た油種に関する情報を、照合判別手段に伝送することが
できる。このため、上記油種に関する情報を、照合判別
手段に容易且つ迅速に入力することができる。
【0012】この発明の混油防止装置は、ロック解除手
段によって開放が許容された底弁を、手動操作にて開閉
可能な底弁操作スイッチをさらに備えるものであっても
よく(請求項)、この場合には、ロック解除手段が、
荷下ろしすべき区画室の底弁の開放を許容している場合
でも、上記底弁操作スイッチの操作によって、底弁をを
任意に開閉することができる。このため、荷下ろし選択
スイッチを操作した後であっても、荷下ろしの開始タイ
ミングを任意選択することができるとともに、荷下ろし
作業を任意に中断することができる。
【0013】
【実施例】以下この発明の実施例について、添付図面を
参照しながら詳述する 図1はこの発明のタンクローリ車の混油防止装置の一実
施例を示す概略図である。同図において、符号1はタン
クローリ車であり、その車体1aには、タンク2が搭載
されている。このタンク2の内部は、レギュラーガソリ
ン、ハイオクタンガソリン、灯油、軽油等の種類の異な
る油液を個別に収容できるように、仕切り板2aによっ
て複数の区画室2bに仕切られている。また、各区画室
2bのそれぞれの頂部には、各区画室2bに油液を注入
するためのマンホールと、このマンホールを開放可能に
閉塞するマンホール蓋とが設けられている。
【0014】上記タンク2の各区画室2bの底部には、
収容された油液を荷下ろしするための底弁3が設けられ
ている。各底弁3は、エアタンクATからエアを供給す
ると、ピストンが上昇して油液の排出を許容し、上記エ
アの供給を停止させると、バネ力にて上記ピストンが下
降して、油液の排出を規制するエア作動方式(パイロッ
ト方式)のものである(例えば実開平6−10192号
公報参照)。また、各底弁3の排出ポートB(図2参
照)は、集中配管P1に連通されており、各区画室2b
から排出された油液は、上記集中配管P1及びその端部
に接続された荷下ろしホースHを通して、給油所の地下
等に設けられた複数の貯蔵タンクTに選択的に注入され
る。なお、上記集中配管P1の端部には、手動開閉弁V
が設けられている。
【0015】さらに、各底弁3とエアタンクATとを個
別に連通するエア配管P2のそれぞれの途中部には、各
底弁3が開放されるのを規制するロック手段としての電
磁開閉弁8が介在されている。この電磁開閉弁8は、図
2に示すように、3ポート2位置切換弁からなり、通常
はバネ力にて左位置に保持されて、上記エア配管P2を
通してエアが各底弁3に供給されるのを規制している。
【0016】上記タンク2の各区画室2bには、識別用
の室番号が付与されており、各区画室2bに収容された
油液の油種は、油槽所において、記憶手段としてのIC
カードXに、各区画室2bに対応させて、つまり上記室
番号と対をなして、それぞれ記憶される。このICカー
ドXには、上記油種のほか、配送先の給油所名、及び各
区画室2b毎の油液容量等の情報も併せて記憶される。
一方、給油所の各貯蔵タンクTのそれぞれの注油口T1
の近傍には、記録手段としてのハッチセンサYが備え付
けられている。このハッチセンサYは、複数の永久磁石
の埋め込みパターンを変えることにより、所望の情報を
記録するものであり、この実施例においては、各貯蔵タ
ンクTに割り当てられた油種の他、給油所名や当該貯蔵
タンクTに設定された識別番号等が記録されている。
【0017】上記車体1aの側面には、コントロールボ
ックスCが設けられており、このコントロールボックス
Cには、上記ICカードXに記憶された情報を磁気的に
読み取るカードリーダ5、このカードリーダ5によって
読み取った情報を処理するマイクロコンピュータ6、並
びに上記ICカードX及びハッチセンサYの情報を表示
する表示手段としてのモニタ7等が設けられている。
【0018】上記マイクロコンピュータ6には、ハッチ
センサYに記憶された情報が、伝送手段11を介して入
力されるようになっている。この伝送手段11は、ハッ
チセンサYに着脱自在に接続されるハッチコネクタ11
aと、一端が入力インターフェース回路を介して上記マ
イクロコンピュータ6に接続され、他端が上記ハッチコ
ネクタ11aに接続されたケーブル11bとによって構
成されている。上記ハッチコネクタ11aは、ハッチセ
ンサYに接続された状態で、当該センサYの磁力を電気
信号に変換する機能を有するものである。また、上記ケ
ーブル11bの先端側(ハッチコネクタ11a側)は、
荷下ろしホースHに螺旋状に埋設された状態で、当該荷
下ろしホースHの先端部に導かれており、その最先端部
が、荷下ろしホースHから露出している(図5参照)。
このケーブル11bの最先端部の露出長さは、荷下ろし
ホースHを接続を注油口T1に接続した状態で、当該注
油口T1の近傍に設けられたハッチセンサYにのみ、ハ
ッチコネクタ11aを接続できる範囲に設定されてお
り、これによって、上記注油口T1に隣設する注油口T
1のハッチセンサYに対して、ハッチコネクタ11aが
誤って接続されるのを防止している。
【0019】上記マイクロコンピュータ6は、図3に示
すように、上記ICカードXに記憶された油種と、ハッ
チセンサYに記録された油種とを照合して、相互に一致
する油種を判別する照合判別手段6aと、この照合判別
手段6aの判別結果に基づいて、タンクローリ車1の各
区画室2bのうちから、照合判別手段6aが判別した油
種の油液を収容している区画室2bを報知する報知手段
6bとを含んでいる。
【0020】上記報知手段6bは、後述する荷下ろし選
択スイッチ4を点灯させることによって、上記荷下ろし
可能な区画室2bを報知する。この際、報知すべき区画
室2bが複数ある場合には、これに対応させて複数の荷
下ろし選択スイッチ4を点灯させる。また、上記モニタ
7には、上記ICカードXに記憶された油種と、ハッチ
センサYに記録された油種とが一致した場合にのみ、上
記ICカードXに記憶された油種や油液容量等のタンク
ローリ車1側の積荷情報、及びハッチセンサYに記録さ
れた油種等の貯蔵タンクT側の情報が表示される。な
お、上記ICカードXに記憶された情報は、上記荷下ろ
し可能な区画室2bに関する情報に限定して表示するよ
うにしてもよい。
【0021】上記コントロールボックスCには、荷下ろ
しすべき区画室2bを選択するための、つまり開放操作
すべき底弁3を選択するための、荷下ろし選択スイッチ
4が設けられている。この荷下ろし選択スイッチ4は、
各区画室2bに対応させて複数個設けられており、それ
ぞれ上記報知手段6bからの信号に基づいて点灯される
押しボタンスイッチによって構成されている。また、各
荷下ろし選択スイッチ4には、タンク2の各区画室2b
に付与された識別用の室番号が表示されている。なお、
上記荷下ろし選択スイッチ4が複数点灯している場合の
荷下ろしすべき区画室2bの選択は、モニタ7に表示さ
れた当該区画室2bの油液容量と、貯蔵タンクTへの注
油量との関係を考慮して行われる。
【0022】さらに、上記コントロールボックスCに
は、ICカードXに記憶された油種と、ハッチセンサY
に記録された油種とが、相互に一致しない場合に、警報
音を発生させるためのスピーカ10が設けられている。
このスピーカ10による警報音の発生は、上記照合判別
手段6aからの信号に基づいて、警報制御手段6cによ
り行わせる。なお、上記コントロールボックスCには、
荷下ろし作業の開始時にONさせ、終了時にOFFさせ
る電源スイッチ12も設けられている。
【0023】上記マイクロコンピュータ6は、上記電磁
開閉弁8によって底弁3の開放が規制された状態を解除
するロック解除手段6dをさらに含んでいる。このロッ
ク解除手段6dは、上記照合判別手段6aが判別した油
種の油液が収容された区画室2bと、上記荷下ろし選択
スイッチ4によって選択した区画室2bとが一致するか
否かを比較判別する比較判別手段6eと、両者が一致す
る場合に、上記区画室2bに対応する電磁開閉弁8を開
放させて、当該区画室2bの底弁3に対するエアの供給
を許容する電磁弁制御手段6fとを備えている。
【0024】図4はフローチャートであり、ステップS
1において、照合判別手段6aが、カードリーダ5で読
み取ったICカードXの油種情報と、ハッチセンサYに
記憶された油種情報とを照合し、相互に一致している油
種情報があれば、ステップS2において当該油種を判別
する。また、相互に一致した油種情報がなければ、ステ
ップS3において、警報制御手段6cからの信号に基づ
いて、スピーカ10が警報音を発生する。
【0025】上記照合判別手段6aが油種を判別する
と、ステップS4において、報知手段6bが、タンクロ
ーリ車1の各区画室2bのうちから、上記判別した油種
の油液を収容している区画室2bを報知すべく、当該区
画室2bの室番号が付された選択スイッチ4を点灯させ
る。また、ステップS5において、ICカードXに記憶
されたタンクローリ車1側の積荷情報、及び貯蔵タンク
T側の情報をモニタ7に表示させる。
【0026】次に、ステップS6において、荷下ろしす
べき区画室2bが選択されたか否かを判別し、選択され
ていなければ待機し、選択されていれば、ステップS7
において、ロック解除手段6dが、上記選択した区画室
2bが、照合判別手段6aが判別した区画室2bと一致
するか否か、つまり報知手段6bが報知した区画室2b
に含まれるか否かを比較判別し、含まれていれば、ステ
ップS8において、電磁弁制御手段6fが、上記選択し
た区画室2bの底弁3に連通する電磁開閉弁8を開放さ
せて、当該底弁3に対するエアの供給を許容する。この
結果、選択した区画室2bの底弁3を開放させて、当該
区画室2bに収容された油液を、割り当てられた貯蔵タ
ンクTに注入することができる。従って、貯蔵タンクT
に割り当てられた油種と異なる種類の油液が、当該貯蔵
タンクTに注入されるのを確実に防止することができ
る。
【0027】特に、上記実施例においては、モニタ7に
少なくとも荷下ろし可能な区画室2bについての油液容
量が表示されるので、複数の荷下ろし選択スイッチ4が
点灯している場合に、貯蔵タンクTへの注入量との関係
で、何れの区画室2bの油液を荷下ろしすべきかを、容
易に判断することができる。即ち、当該区画室2bの油
液容量を、タンク2の上部に登っていちいち確認する必
要がないので、その荷下ろし作業を能率的に行うことが
できる。また、ICカードXとハッチセンサYの相互の
油種情報が一致しない場合に、スピーカ10から警報音
が発生するので、貯蔵タンクTに割り当てられた油液の
油種と、当該貯蔵タンクに荷下ろししようとする油液の
油種とが相違することを、オペレータに即座に認識させ
ることができる。
【0028】なお、上記報知手段6bは、荷下ろし選択
スイッチ4の点灯とともに、モニタ7への表示や、音声
報知を同時に行わせるものであってもよい。また、IC
カードXに記憶された油種と、ハッチセンサYに記録さ
れた油種とが、相互に一致しない場合の警報について
も、上記スピーカ10による警報とともに、モニタ7へ
の表示を行わせてもよい。
【0029】図6はコントロールボックスCの他の実施
例を示す正面図である。この実施例においては、ロック
解除手段6dによって開放が許容された底弁3を、手動
操作にて開閉可能な底弁操作スイッチ9を備えている。
この底弁操作スイッチ9は、手動式の3ポート2位置切
換弁によって構成されており、各底弁3の開閉操作を一
つの底弁操作スイッチ9で行えるように、各電磁開閉弁
8と個別に連通するエア配管P2の一次側に接続された
元管P3の途中部に介在されている(図7参照)。
【0030】この実施例によれば、底弁操作スイッチ9
を閉鎖状態にしておけば、荷下ろし選択スイッチ4を操
作すると同時に荷下ろしが開始されるのを規制しておく
ことができる。このため、荷下ろしすべき区画室2bを
再度確認した上で、荷下ろしを開始したり、一旦荷下ろ
し選択スイッチ4を操作した後、荷下ろしすべき区画室
2bを変更したりする際に至便である。また、荷下ろし
が開始された後において、当該荷下ろしを任意に中断す
ることもできる。なお、上記底弁操作スイッチ9は、各
底弁3を個別に開閉操作できるように、各底弁3毎に設
けてもよい。
【0031】上記マイクロコンピュータ6に、貯蔵タン
クTの情報を伝送する伝送手段11としては、無線方式
のものであってもよい。図8は、この無線方式の伝送手
段11の一例を示すものであり、貯蔵タンクT側の油種
等を記録する記録手段としてICパッケージZを用い、
このICパッケージZと発信器11cとを、チューブ1
1d内に内蔵して、上記ICパッケージZに記録された
情報を、発信器11cによって発信するようにしている
とともに、この発信信号から、荷下ろししようとする貯
蔵タンクTに関する情報を、ハンドヘルド型の読取器1
1eによって読み取って、マイクロコンピュータ6に無
線送信するようにしている。
【0032】上記の構成の混油防止装置は、上記報知手
段6bを省略して実施することも可能であり、この場合
には、タンクローリ車の各区画室2bに収容された油種
の一覧表等に基づいて、荷下ろし選択スイッチ4を押圧
操作すればよい。また、上記ICカードX、ハッチセン
サY、ICパッケージZ等は、少なくとも油種を記憶し
てあればよい。さらに、貯蔵タンクTの情報を記録する
記録手段としては、上記ハッチセンサYやICパッケー
ジZに代えて、磁気カード、油種に応じて形状を異なら
せたカード型のキーK(図9参照)、及び油種に応じて
穴数を異ならせた穴付きプレート等で構成してもよく、
この場合には、これらに記録された油種情報を、機械的
又は光学的に読み取るようにすればよい。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係るタンクロ
ーリ車の混油防止装置によれば、タンクローリ車の荷下
ろししようとする油液の油種と、給油所の貯蔵タンクに
割り当てられた油種とが一致している場合にのみ、当該
区画室の底弁を開放することができるので、貯蔵タンク
に異なる種類の油液が混入するのを確実に防止すること
ができる。
【0034】また、荷下ろし選択スイッチによって、照
合判別手段が判別した油種の油液を収容した区画室を
することができるので、選択すべき区画室を容易に認
識することができる。このため、荷下ろし作業を容易且
つ能率的に行うことができる。
【0035】また、表示手段によって、少なくとも荷下
ろし可能な区画室の油液容量を表示することができるの
で、報知手段が複数の区画室を報知した場合に、貯蔵タ
ンクへの注油量との関係で、何れの区画室の油液を荷下
ろしするかを、容易に判断することができる。このた
め、荷下ろし作業を能率的に行うことができる。
【0036】請求項に係るタンクローリ車の混油防止
装置によれば、記憶手段に記憶された油種と、記録手段
に記録された油種とが、相互に一致しない場合に、警報
手段が警報を発するので、貯蔵タンクに割り当てられた
油液の油種と、当該貯蔵タンクに荷下ろししようとする
油液の油種とが相違することを、即座に認識することが
できる。
【0037】請求項に係るタンクローリ車の混油防止
装置によれば、伝送手段によって、記憶手段に記憶され
た少なくとも油種に関する情報を、上記照合判別手段に
伝送することができるので、上記油種に関する情報を、
照合判別手段に容易に入力することができる。
【0038】請求項に係るタンクローリ車の混油防止
装置によれば、ハッチセンサに対してハッチコネクタを
接続するだけで、貯蔵タンクに割り当てられた油種に関
する情報を、照合判別手段に伝送することができるの
で、当該油種に関する情報を、照合判別手段に容易且つ
迅速に入力することができる。
【0039】請求項に係るタンクローリ車の混油防止
装置によれば、ロック解除手段が、荷下ろしすべき区画
室の底弁の開放を許容している場合でも、上記底弁操作
スイッチの操作によって、底弁を任意に開閉することが
できるので、荷下ろしの開始タイミングを任意に選択し
たり、荷下ろし作業を任意に中断することができる等、
荷下ろし作業を行う上で非常に至便なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のタンクローリ車の混油防止装置の一
実施例を示す概略図である。
【図2】エア回路を示す概略図である。
【図3】電気的構成を示すブロック図である。
【図4】フローチャートである。
【図5】伝送手段を示す要部斜視図である。
【図6】コントロールボックスの他の実施例を示す正面
図である。
【図7】図6の実施例のエア回路を示す概略図である。
【図8】伝送手段の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】記録手段のさらに他の実施例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 タンクローリ車 2 タンク 2b 区画室 3 底弁 4 荷下ろし選択スイッチ 6a 照合判別手段 6b 報知手段 6d ロック解除手段 6f 電磁弁制御手段 7 モニタ 8 電磁開閉弁(ロック手段) 9 底弁操作スイッチ 10 スピーカ(警報手段) X ICカード(記憶手段) T 貯蔵タンク Y ハッチセンサ(記録手段) Z ICパッケージ(記録手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−51094(JP,A) 特開 平4−142295(JP,A) 特開 平5−124700(JP,A) 実開 平6−10200(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B67D 5/32 B60P 3/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンクローリ車のタンクの各区画室に収容
    された油液の少なくとも油種及びその区画室の油液容量
    を、各区画室に対応して記憶する記憶手段と、 給油所の各貯蔵タンク毎に備え付けられ、それぞれの貯
    蔵タンクに割り当てられた油液の少なくとも油種を記録
    する記録手段と、 上記記憶手段に記憶された油種と、当該タンクローリ車
    の荷下ろしホースが接続される貯蔵タンクに備えられた
    記録手段に記録された油種とを照合して、相互に一致す
    る油種を判別する照合判別手段と、 上記照合判別手段が判別した油種の油液を収容した区画
    室を報知する報知手段と、 上記照合判別手段が判別した油種の油液を収容した区画
    室の油液容量を表示する表示手段と、 各区画室毎に設けられたエア作動式の底弁の開放を個別
    に規制するロック手段と、 荷下ろしすべき区画室を手動操作にて選択するものであ
    って、各区画室に対応した点灯表示機能を備え、上記照
    合判別手段が判別した油種の油液を収容した区画室を上
    記報知手段により点灯表示を行う荷下ろし選択スイッチ
    と、 上記照合判別手段が判別した油種の油液が収容された区
    画室と、荷下ろし選択スイッチによって選択した区画室
    とが一致している場合に、当該区画室の底弁の開放を許
    容するロック解除手段とを備えることを特徴とするタン
    クローリ車の混油防止装置。
  2. 【請求項2】上記記憶手段に記憶された油種と、記録手
    段に記録された油種とが、相互に一致しない場合に、警
    報を発する警報手段を備える請求項1記載のタンクロー
    リ車の混油防止装置。
  3. 【請求項3】上記記憶手段に記憶された少なくとも油種
    に関する情報を、上記照合判別手段に伝送する伝送手段
    を備える請求項1記載のタンクローリ車の混油防止装
    置。
  4. 【請求項4】上記記憶手段が、貯蔵タンクの注油口の近
    傍に設けられ、少なくとも油種を磁気的に記憶するハッ
    チセンサであり、 上記伝送手段が、上記ハッチセンサに着脱自在なハッチ
    コネクタを備えるケーブルである請求項記載のタンク
    ローリ車の混油防止装置。
  5. 【請求項5】ロック解除手段によって開放が許容された
    底弁を、手動操作にて開閉可能な底弁操作スイッチを備
    える請求項1記載のタンクローリ車の混油防止装置。
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