JP4155687B2 - 気化器のオーバーフロー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本出願発明は、内燃機関に装着されて、フロートにより一定レベルの燃料液面が形成されるフロート室を有する気化器のオーバーフロー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関に装着されるフロート式気化器においては、燃料タンクから供給されてフロート室内へ流入する燃料量が、フロート室内の燃料に浮いているフロートの上下動に連動するフロート弁より調節されて、フロート室内の燃料液面が一定レベルに保たれることで、適正な燃料量が吸気通路に生じる負圧によりノズルから吸い出され、吸気通路を通る空気と混合されて適正な空燃比の混合気が形成されるようになっている。
【0003】
このようなフロート式気化器において、フロート弁と弁座との間に異物が挟まるなどして、フロート弁が密閉されなくなると、フロート室内には燃料が前記一定レベルを越えて過剰に供給される結果、適正な空燃比の混合気が形成されず、内燃機関が不調をきたすことになる。そのため、燃料が前記一定レベルを所定値越えた液面形成位置に一端が開口し、他端がフロート室外に連通するオーバーフローパイプを設けて、該液面形成位置を越える燃料をオーバーフローパイプを介してフロート室外に排出することで、燃料液面の過度の上昇を防止している。
【0004】
このオーバーフローパイプは、通常、その上端開口が開放状態となっているため、フロート室内の燃料が、例えば自動2輪車のように車体の揺れの大きい車両において車体の揺れにより波立ったり、または内燃機関の振動により波立ったりした際、直接的またはフロート室の壁に当たった燃料の跳ね返りなど間接的に、燃料の一部が、オーバーフローパイプの上端開口にかかり、オーバーフローパイプを通ってフロート室外に流出して、場合によっては環境汚染や燃費の悪化をもたらすことがあった。そこで、オーバーフローパイプからの燃料の不必要な流出を抑制するために、様々な工夫がなされている。
【0005】
例えば特開平10−159655号公報に開示された気化器のオーバーフロー装置では、オーバーフローパイプの上端部に固定された籠型のバルブ収納部材の内方に、上下動可能にかつ燃料内では液面に浮上するバルブが挿入される。該バルブは、燃料がオーバーフローレベルよりも下方にあるとき、オーバーフローパイプの流入口に密接して、該流入口を閉塞し、燃料がオーバーフローレベルに達した時点で液面に浮上して該流入口を開成する。そして、フロートチャンバー内の燃料に波立ちが生じたとしても、このバルブが燃料により浮上しない限り、オーバーフローパイプが開成することがないので、波立ちによるオーバーフローパイプからの燃料の流出は抑制されるものと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記公報のオーバーフロー装置では、オーバーフローパイプの上端部にバルブ収納部材およびバルブを設けるなど構造が複雑であり、またコスト高となるものであった。さらに、バルブの弁座となるオーバーフローパイプの流入口は、バルブにより閉塞される形状とする必要があり、既存のオーバーフローパイプを備えた気化器に、このオーバーフロー装置を直ちに適用することは困難であった。
【0007】
本出願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、オーバーフローパイプからの燃料の不必要な流出を抑制するための、構造が簡単でかつ低コストであり、そのうえ既存の気化器にも簡単に適用可能なオーバーフロー装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本出願の請求項1記載の発明は、フロート室内へ流入する燃料量が、該フロート室内に設けられたフロートの挙動に応じて調節されることにより、該フロート室内に一定レベルの燃料液面が形成される気化器において、前記一定レベルの燃料液面よりも上方の前記フロート室内の空間に上端開口を有するオーバーフローパイプと、該一定レベルの燃料液面よりも上方に配置される遮蔽体であって、前記オーバーフローパイプの上端部の側方で前記上端開口に対して上方および下方に渡って延びる側壁を有して前記上端開口の周囲に遮蔽空間を形成すると共に気化器本体とは別部材の遮蔽体とを備え、前記遮蔽空間は、前記上端開口よりも下方のみに位置して前記遮蔽空間に対する燃料の流出入を許容する燃料開口と、少なくとも一部が前記上端開口よりも上方に位置して前記遮蔽空間への燃料の侵入を抑制する通気開口を介して、前記フロート室内の空間と連通し、前記燃料開口および前記通気開口は、前記遮蔽体を設けたことにより形成され、前記遮蔽体は、前記側壁に連なると共に前記上端開口よりも下方に位置する底壁を有し、前記燃料開口は、前記底壁の一部に、周方向に間隔をおいて設けられた複数の燃料孔である気化器のオーバーフロー装置である。
【0009】
この請求項1記載の発明によれば、一定レベルの燃料液面よりも上方に配置される遮蔽体は、上端開口の周囲に遮蔽空間を形成するための側壁を有するものであるため、可動部もなく、その構造が簡単でかつ低コストであるうえ、既存の気化器のオーバーフローパイプに対して簡単に適用することができる。そして、フロート室内の燃料が波立ったときにも、オーバーフローパイプの上端開口の上方に位置する通気開口からの燃料の侵入は抑制されているうえ、遮蔽空間の存在により上端開口に入る燃料はさらに少なくなるので、燃料がオーバーフローパイプを通じてフロート室外に不必要に流出することが抑制される。
【0010】
また、通気開口を備えていることから、オーバーフロー時における遮蔽空間の燃料液面の上昇は、遮蔽空間に流入する燃料により遮蔽空間の圧力が上昇して燃料液面の上昇が阻害されることもなくスムーズに行われるため、遮蔽空間の燃料液面の上昇速度が遮蔽空間外の燃料液面の上昇速度と大差ないようにすることができる。その結果、例えば遮蔽空間の圧力上昇による遮蔽空間の燃料液面の上昇速度が、遮蔽空間外の燃料液面の上昇速度よりも小さくなって、気化器の吸気通路に供給される燃料が一時的に過剰となることはなく、設定したオーバーフローレベルで、オーバーフローパイプを通じてフロート室外に過剰な燃料を排出することができる。
【0011】
さらに、燃料開口は底壁の一部に周方向に間隔をおいて設けられた複数の燃料孔であり、燃料の波立ちに起因する遮蔽空間への燃料の侵入については、燃料開口からの侵入を大幅に抑制できる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の気化器のオーバーフロー装置において、前記側壁は、前記気化器本体の下方に、前記気化器本体との間に上下方向での間隙をおいて位置し、前記間隙は、前記通気開口であるものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の気化器のオーバーフロー装置において、前記気化器は、前記オーバーフローパイプの側方に間隙をおいて位置する2つの突出部を備え、前記側壁は、前記底壁から上方に延びる一対の側壁であり、前記遮蔽体は、前記一対の側壁から前記底壁が在る側とは反対側に延びていると共に前記遮蔽体を前記気化器本体に取り付けるための取付壁を有し、前記遮蔽空間は、前記底壁および前記一対の側壁が前記各突出部にそれぞれ接する前記遮蔽体と、前記2つの突出部とにより形成され、前記通気開口は、前記取付壁と前記気化器本体との間で、前記取付壁の上方に形成される間隙であるものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の気化器のオーバーフロー装置において、前記一対の側壁と前記底壁と前記取付壁とを有する前記遮蔽体が、板材を折り曲げることにより形成されているものである。
【0013】
請求項載の発明は、フロート室内へ流入する燃料量が、該フロート室内に設けられたフロートの挙動に応じて調節されることにより、該フロート室内に一定レベルの燃料液面が形成される気化器において、前記一定レベルの燃料液面よりも上方の前記フロート室内の空間に上端開口を有するオーバーフローパイプと、該一定レベルの燃料液面よりも上方に配置される遮蔽体であって、前記オーバーフローパイプの上端部の側方で前記上端開口に対して上方および下方に渡って延びる側壁を有して前記上端開口の周囲に遮蔽空間を形成すると共に気化器本体とは別部材の遮蔽体とを備え、前記遮蔽空間は、前記上端開口よりも下方のみに位置して前記遮蔽空間に対する燃料の流出入を許容する燃料開口と、少なくとも一部が前記上端開口よりも上方に位置して前記遮蔽空間への燃料の侵入を抑制する通気開口とを介して、前記フロート室内の空間と連通し、前記燃料開口および前記通気開口は、前記遮蔽体を設けたことにより形成され、前記遮蔽空間には、前記上端開口と前記通気開口との間にあって、該通気開口に対向する仕切部材が配置されている気化器のオーバーフロー装置である。
【0014】
この請求項記載の発明によれば、段落0009,0010記載の効果に加えて、次の効果が奏される。
すなわち、燃料液面が波立って、燃料が通気開口から遮蔽空間に侵入したとしても、侵入した燃料は、オーバーフローパイプの上端開口と通気開口との間に配置されて通気開口に対向する仕切部材に衝突して、上端開口へ向かうことが妨げられるので、上端開口に入る燃料は極めて少なくなり、オーバーフローパイプからの燃料の流出を一層抑制することができる。
【0015】
請求項記載の発明は、フロート室内へ流入する燃料量が、該フロート室内に設けられたフロートの挙動に応じて調節されることにより、該フロート室内に一定レベルの燃料液面が形成される気化器において、前記一定レベルの燃料液面よりも上方の前記フロート室内の空間に上端開口を有するオーバーフローパイプと、該一定レベルの燃料液面よりも上方に配置される遮蔽体であって、前記オーバーフローパイプの上端部の側方で前記上端開口に対して上方および下方に渡って延びる側壁を有して前記上端開口の周囲に遮蔽空間を形成すると共に気化器本体とは別部材の遮蔽体とを備え、前記遮蔽空間は、前記上端開口よりも下方のみに位置して前記遮蔽空間に対する燃料の流出入を許容する燃料開口と、少なくとも一部が前記上端開口よりも上方に位置して前記遮蔽空間への燃料の侵入を抑制する通気開口とを介して、前記フロート室内の空間と連通し、前記燃料開口および前記通気開口は、前記遮蔽体を設けたことにより形成され、前記側壁は、前記上端部の側方で前記上端開口を中心として渦巻状に設けられており、前記通気開口は、前記側壁の径方向において最外方に位置する最外方側壁部分の外端と該径方向において該最外方側壁部分よりも内方に位置する内方側壁部分とにより形成されている気化器のオーバーフロー装置である。
【0016】
この請求項記載の発明によれば、段落0009,0010記載の効果に加えて、次の効果が奏される。
すなわち、通気開口から燃料が侵入したとしても、その燃料の殆どは、最外方側壁部分の内壁面および内方側壁部分の外壁面に衝突して、オーバーフローパイプの上端開口へ向かうことが妨げられるので、上端開口に入る燃料は極めて少なくなり、オーバーフローパイプからの燃料の流出が一層抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本出願発明の実施形態を図1ないし図5を参照して説明する。
先ず、図1ないし図3を参照して、本出願発明の第1実施形態を説明する。この第1実施形態は請求項1記載の発明に対応するものである。
【0018】
図1に図示された気化器1は、自動2輪車に搭載される内燃機関に装着される気化器であり、気化器本体2と、気化器本体2の下部に組み付けられたフロート室3とを備えている。気化器本体2には、吸気通路4が形成され、吸気通路4を横切って略直交する方向に移動自在に保持されたピストン型の絞り弁5が設けられている。圧縮コイルバネ6により吸気通路4を閉じる方向に付勢されている絞り弁5は、スロットルグリップに接続されたワイヤ(図示されず)と連結されて、スロットルグリップの操作に応じて吸気通路4を横切って昇降し、それによって吸気通路4を通る空気量を調節する。なお、絞り弁5の上流側の吸気通路4にはチョーク弁7が設けられている。
【0019】
気化器本体2に形成されてフロート室3に向かって延びる筒状の突出部8には、ニードルジェット9およびスロージェット10が設けられている。ニードルジェット9は、突出部8に螺合するホルダ11により突出部8に保持され、ホルダ11の下端にはメインジェット12が固定されている。ニードルジェット9には、絞り弁5の底壁に取り付けられたジェットニードル13が挿入されて、両者の間隙が絞り弁5の昇降に応じて増減されることで、絞り弁5の開度変化に対応した燃料量が、絞り弁5と吸気通路壁との間に形成されるベンチュリ部に供給される。なお、14は、エアブリード管を兼ねるホルダ11に設けられた多数のブリード孔に空気を供給するためのブリードエア通路である。
【0020】
さらに、突出部8から間隔をおいてフロート室3の周縁に近い気化器本体2には、フロート室3に向かって延びる円筒状の突出部15が形成されており、突出部15の内側には燃料タンクと連通する燃料導入路16が形成され、燃料導入路16の下流側に、後述するフロート弁20が着座する弁座17が固定されている。
【0021】
一方、フロート室3内に設けられたフロート18は、気化器本体2に設けられた一対の支持腕に固定されたフロートピン19に回動自在に支持されて、燃料液面のレベルに応じて揺動する。そして、燃料導入路16からフロート室3への燃料量を調節するフロート弁20が、フロート18の動きと連動するようにフロート18に取り付けられ、弁座17と当接および離間可能とされている。
【0022】
それゆえ、フロート室3内の燃料液面のレベルが低下すると、フロート18が下方に揺動して、フロート弁20が開弁して燃料が流入し、燃料の流入に伴って燃料液面のレベルが上昇すると、フロート18が上方に揺動して、フロート弁20が弁座17に密着して閉弁し、燃料の流入が停止されて、フロート室3内に所定の一定レベルの燃料液面Aが形成される。
【0023】
また、フロート室3内には、オーバーフローパイプ21が、両突出部8,15の間に位置して、フロート室3の底壁を貫通して上下方向に延びている。オーバーフローパイプ21の上端部21aに形成された上端開口21b(図2,図3参照)は、前記一定レベルの燃料液面Aよりも上方の空間3aに位置しており、その下端部はフロート室3の外部において開口し、例えば燃料タンクに接続されている。上端開口21bの燃料液面Aからの高さは、ニードルジェット9やスロージェット10から供給される燃料量が過剰となることに起因して、内燃機関が不調をきたさない程度の値に設定されている。
【0024】
さらに、図1および図3に図示されるように、気化器本体2とは別部材とされ、前記一定レベルの燃料液面Aよりも上方に配置された円筒状の遮蔽体22が、オーバーフローパイプ21の上端部21aを覆って、上端開口21bの周囲にフロート室3内の空間3aから遮蔽された遮蔽空間23を形成すべく、上端開口21bの上方、下方および側方に間隙をおいて、両突出部8,15の間で、気化器本体2に溶接などの固着手段により取り付けられている。ここで、オーバーフローパイプ21と遮蔽体22とはオーバーフロー装置を構成している。なお、側方とは、鉛直方向に対して直交する方向を意味する。
【0025】
図2および図3に図示されるように、この遮蔽体22は、側壁22aと、側壁22aと連なる天井壁22bおよび底壁22cとを有する。側壁22aは、上端部21aの側方に間隙をおいて、上端開口21bに対して上方および下方に渡って延びており、天井壁22bは、上端開口21bの上方に間隙をおいて位置するとともに気化器本体2に固着されており、底壁22cは、上端開口21bの下方に間隙をおいて位置するとともにオーバーフローパイプ21の外径と略等しい径を有する孔を有し、底壁22cの略中心に形成されたこの孔に、オーバーフローパイプ21が挿入されている。
【0026】
底壁22cの一部には、燃料開口としての複数の、この実施形態では4個の燃料孔24が、周方向に間隔をおいて設けられている。これら燃料孔24は、前記一定レベルの燃料液面Aよりも燃料液面が上昇して上端開口21b位置、すなわちオーバーフローレベルに達するオーバーフロー時に、遮蔽空間23に燃料の流入を許容し、遮蔽空間23に流入した燃料の流出を許容するものであり、かつ上端開口21bの下方のみに位置している。
【0027】
各燃料孔24の大きさは、オーバーフロー時に、全ての燃料孔24を通じて遮蔽空間23に流入する燃料による遮蔽空間23の燃料液面の上昇速度が、後述する通気小孔25との共働により、遮蔽空間23外の燃料液面の上昇速度と大差ないようになる程度の流入量が得られるように設定される。したがって、燃料が遮蔽空間23から燃料孔24を通ってフロート室3内に流出する際は、その流出もスムーズである。
【0028】
一方、側壁22aの上端開口21bよりも上方かつ側方位置には、空間3aと遮蔽空間23との通気を行うための通気開口としての複数、この実施形態では4個の通気小孔25が、周方向に間隔をおいて、側壁22aに近接した位置にある両突出部8,15に、2個ずつの組みになってそれぞれ対向して形成されている。通気小孔25は、オーバーフロー時に燃料孔24を通じて遮蔽空間23に流入する燃料による遮蔽空間23の燃料液面の上昇速度を阻害することがないようにしたうえで、フロート室3内の燃料の波立ちに起因して、燃料が遮蔽空間23に侵入することが抑制される程度の大きさに設定される。なお、天井壁22bは無孔となっている。
【0029】
それゆえ、オーバーフローパイプ21は、フロート室3内の燃料が一定レベルの燃料液面Aにあるとき、燃料孔24および通気小孔25のみ(ここでは、例えばオーバーフローパイプ21が挿入される底壁22cの孔とオーバーフローパイプ21との間に生じ得る微小間隙など、やむを得ず形成される微小間隙は無視するものとする)により、遮蔽空間23を介してフロート室3内の空間3aと常時連通し、オーバーフロー時は、遮蔽空間23を介してフロート室3内の燃料をフロート室3外に排出するようになっている。
【0030】
また、自動2輪車の坂道走行時、加速・減速時や旋回時に、フロート室3内の燃料液面が、一時的に上端開口21bよりも上方に位置する程度に傾斜した際、4個の燃料孔24の全てが傾斜した燃料液面下に位置しない場合には、遮蔽空間23の燃料液面の上昇速度は、遮蔽空間23外の燃料液面の上昇速度より小さくなるので、傾斜した燃料液面による上端開口21bからの燃料の流出は発生しにくいものとなる。特に、オーバーフローパイプ21がフロート室3の中央位置近傍に配置されるときは、この傾斜した燃料液面による上端開口21bからの燃料の流出は一層発生しにくいものとなる。
【0031】
前述のように構成された第1実施形態の作用効果について説明する。
一定レベルの燃料液面Aよりも上方に配置されて、気化器本体2に取り付けられる遮蔽体22は、オーバーフローパイプ21の上端開口21bに対して上方および下方に渡って延びる、上端開口21bの周囲に遮蔽空間23を形成するための側壁22aを有するものであるため、可動部もなく、その構造が簡単でかつ低コストであるうえ、既存のオーバーフローパイプに対して簡単に適用することができる。
【0032】
そして、自動2輪車の車体の揺れや内燃機関の振動などにより、フロート室3内の燃料が波立ったときにも、オーバーフローパイプ21の上端開口21bの上方に位置する通気小孔25からの燃料の侵入は抑制されているうえ、遮蔽空間23の存在により上端開口21bに入る燃料はさらに少なくなるので、燃料がオーバーフローパイプ21を通じてフロート室3外に不必要に流出することが抑制される。また、このとき遮蔽空間23に侵入した燃料は、燃料孔24を通じてフロート室3内に流出する。
【0033】
また、通気小孔25を備えていることから、オーバーフロー時における遮蔽空間23の燃料液面の上昇は、遮蔽空間23に流入する燃料により遮蔽空間23の圧力が上昇して燃料液面の上昇が阻害されることもなくスムーズに行われるため、遮蔽空間23の燃料液面の上昇速度が遮蔽空間23外、すなわちフロート室3内の燃料液面の上昇速度と大差ないようにすることができる。その結果、例えば遮蔽空間23の圧力上昇による遮蔽空間23の燃料液面の上昇速度が、遮蔽空間23外の燃料液面の上昇速度よりも小さくなって、気化器1の吸気通路4に供給される燃料が一時的に過剰となることはなく、設定したオーバーフローレベルで、オーバーフローパイプ21を通じてフロート室3外に過剰な燃料を排出することができる。
【0034】
さらに、通気小孔25は遮蔽体22の側壁22aの任意の位置に形成できるため、通気小孔25の配置の自由度が大きい。そのため、フロート室3内に設けられる部材であって、側壁22aに近接した位置にある両突出部8,15に対向させることで、波立ちに起因する燃料が侵入しにくい位置に通気小孔25を設けているので、オーバーフローパイプ21を通じてのフロート室3外への燃料の不必要な流出を一層抑制することができる。
【0035】
遮蔽体22は、側壁22a、天井壁22bおよび底壁22cからなる筺体で形成され、しかも燃料孔24は底壁22cの一部周方向に間隔をおいて設けられており、通気小孔25は側壁22aに設けられているため、燃料の波立ちに起因する遮蔽空間23への燃料の侵入については、通気小孔25からの侵入はもちろん、燃料孔24からの侵入も大幅に抑制できる。
【0036】
次に、本出願発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態は請求項1,5記載の発明に対応するもので、第1実施形態とは、遮蔽体22に仕切板 26 が設けられている点が相違し、その他は同一の構成を有するものである。そのため、同一の構成に関する説明を省略し、主として遮蔽体22について説明する。
【0037】
図2および図3において二点鎖線で示されるように、遮蔽空間23において、上端開口21bと各通気小孔25との間であって通気小孔25に対向する仕切部材である2枚の仕切板26が、遮蔽体22の天井壁22bの下壁面に、周方向に間隔をおいて、かつ下方に向かって延びて設けられている。なお、仕切板26は、側壁22aと同心の円筒状の仕切板としても構成することができる。
【0038】
この第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏するほか、次の作用効果を奏する。
すなわち、燃料液面が波立って、燃料が通気小孔25から遮蔽空間23に侵入したとしても、侵入した燃料は、オーバーフローパイプ21の上端開口21bと通気小孔25との間に配置されて通気小孔25に対向する仕切板26に衝突して、上端開口21bへ向かうことが妨げられるので、上端開口21bに入る燃料は極めて少なくなり、オーバーフローパイプ21からの燃料の流出を一層抑制することができる。
【0039】
次に、図4および図5を参照して、本出願発明の第3実施形態を説明する。この第3実施形態は請求項記載の発明に対応するもので、第1実施形態とは、遮蔽体30のみが相違し、その他は同一の構成を有するものである。そのため、同一の構成に関する説明を省略し、主として遮蔽体30について説明する。
【0040】
第1実施形態の遮蔽体22と同様に、前記一定レベルの燃料液面Aよりも上方に配置されるこの遮蔽体30は、渦巻状の側壁30aと、側壁30aに連なり、気化器本体2に固着手段により取り付けられた無孔の天井壁30bとを有する。側壁30aは、オーバーフローパイプ21の上端開口21bを渦巻の中心にとして、第1実施形態と同様に、オーバーフローパイプ21の上端部21aの側方でオーバーフローパイプ21の上端開口21bに対して上方および下方に渡って延びていることにより、上端開口21bの周囲に渦巻状の遮蔽空間31を形成している。
【0041】
オーバーフロー時に遮蔽空間31に燃料の流入を許容し、遮蔽空間31に流入した燃料の流出を許容する燃料開口32は、側壁30aの下端により形成された渦巻状の開口からなり、通気開口33は、側壁30aの径方向の最外方に位置する最外方側壁部分30cの上下方向に延びる外端30dと、外端30dが位置する径方向と同一径方向において、最外方側壁部分30cよりも内方に位置する内方側壁部分30eとにより形成された上下方向に延びる開口からなる。
【0042】
したがって、この通気開口33の一部は、上端開口21bよりも上方に位置し、通気開口33の残りの部分は、上端開口21bの下方に位置している。さらに、通気開口33は、それに近接した位置にある突出部8と対向するような位置に設けられる。なお、側壁30aの径方向の最内方に位置する最内方側壁部分の上下方向に延びる内端30fは、オーバーフローパイプ21からは径方向の間隔をおいて配置されているが、オーバーフローパイプ21と接触するように配置されていてもよい。
【0043】
また、渦巻状の遮蔽空間31の幅Bは、燃料開口32を通じて遮蔽空間31に流入する燃料による遮蔽空間31の燃料液面の上昇速度が、通気開口33との共働により、遮蔽空間31外の燃料液面の上昇速度と大差ないようになる程度の流入量が得られる大きさを確保したうえで、フロート室3内の燃料の波立ちに起因して、通気開口33から燃料が遮蔽空間31に侵入することが抑制されるように、可能な範囲で狭く設定される。
【0044】
前述のように構成された第3実施形態の作用効果について説明する。
一定レベルの燃料液面Aよりも上方に配置されて、気化器本体2に取り付けられる遮蔽体30は、オーバーフローパイプ21の上端開口21bに対して上方および下方に渡って延びる、上端開口21bの周囲に遮蔽空間31を形成するための側壁30aを有するものであるため、可動部もなく、その構造が簡単でかつ低コストであるうえ、既存のオーバーフローパイプに対して簡単に適用することができる。さらに、遮蔽体30の径方向の大きさを小さくできて、遮蔽体30自体をコンパクトにすることができるので、その配置の自由度が大きくなる。
【0045】
そして、フロート室3内の燃料が波立ったときにも、オーバーフローパイプ21の上端開口21bの上方から下方に渡って位置する通気開口33からの燃料の侵入は抑制されているうえ、遮蔽空間31の存在により上端開口21bに入る燃料はさらに少なくなるので、燃料がオーバーフローパイプ21を通じてフロート室3外に不必要に流出することが抑制される。
【0046】
また、一部が上端開口21bよりも上方に位置する通気開口33を備えていることから、オーバーフロー時における遮蔽空間31の燃料液面の上昇に関して、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0047】
さらに、通気開口33は遮蔽体30の側壁30aの周方向の任意の位置に形成できるため、通気開口33の配置の自由度が大きい。そのため、フロート室3内に設けられる部材であって、側壁30aに近接した位置にある突出部8に対向させることで、波立ちに起因する燃料が侵入しにくい位置に通気開口33を設けているので、オーバーフローパイプ21を通じてのフロート室3外への燃料の不必要な流出を一層抑制することができる。
【0048】
通気開口33から燃料が侵入したとしても、その燃料の殆どは、最外方側壁部分30cの内壁面および内方側壁部分30eの外壁面に衝突して、オーバーフローパイプ21の上端開口21bへ向かうことが妨げられるので、上端開口21bに入る燃料は極めて少なくなり、オーバーフローパイプ21からの燃料の流出が一層抑制される。
【0049】
次に、図6ないし図8を参照して、本出願発明の第4実施形態を説明する。この第4実施形態は請求項1〜4記載の発明に対応するもので、第1実施形態とは、遮蔽体40およびオーバフローパイプ21の配置のみが相違し、その他は同一の構成を有するものである。そのため、同一の構成について同一の符号を付してその説明を省略または簡略にして、主として遮蔽体40およびオーバーフローパイプ21の配置について説明する。
【0050】
先ず、オーバーフローパイプ21は、フロート室3内において、突出部8と突出部15との間の最短距離となる直線上の略中央に配置されている。一方、一定レベルの燃料液面Aよりも上方に配置される遮蔽体40は、気化器本体2にフロート室3に向かって延びて形成されてオーバーフローパイプ21の側方に間隙をおいて位置する両突出部8,15の間に、それら突出部8,15に接した状態で配置されている。そして、遮蔽体40は、略長方形の板材を折り曲げて形成され、底壁40aを構成する部分が下方に位置するため、全体として底壁40aがある中央部分が凹部となった形状をしており、両突出部8,15がその一部である気化器本体2と共働して、オーバーフローパイプ21の上端開口21bの周囲にフロート室3内の空間3aから遮蔽された遮蔽空間41を形成している。
【0051】
具体的には、遮蔽体40は、平板状の底壁40aと、底壁40aを間に挟んで相互に対向した状態で、底壁40aから上方に延びる一対の平板状の側壁40b,40cと、各側壁40b,40cの上端から底壁40aが在る側とは反対側に底壁40aと略平行に延びる平板状の取付壁40d,40eとを有する。このうち、底壁40aは、上端開口21bの下方に間隙をおいて位置するとともにオーバーフローパイプ21の外径と略等しい径を有する孔を有し、底壁40aの略中心に形成されたこの孔に、オーバーフローパイプ21が挿入されている。さらに、底壁40aにおいて、両側壁40b,40cの間に位置する一対の側端部には、両突出部8,15の外周に沿って接する形状とされた湾曲部40f,40gがそれぞれ形成されている。
【0052】
また、両側壁40b,40cは、オーバーフローパイプ21の上端部21aの側方に間隙をおいて、上端開口21bに対して上方および下方に渡って延びており、各側壁40b,40cの上下方向に延びる両側端部40h,40kは、両突出部8,15の外周にそれぞれ接している。さらに、両取付壁40d,40eは、上端開口21bの上方に間隙をおいて位置しており、各取付壁40d,40eに1個設けられた取付孔42に挿入されたボルト43が気化器本体2に螺合することで、両取付壁40d,40eが後述する通気間隙44を形成して気化器本体2に固定され、したがって遮蔽体40が気化器本体2に取り付けられている。それゆえ、取付壁 40d 40e は遮蔽体 40 を気化器本体2に取り付けるための壁である。
【0053】
そして、底壁40aの一部には、第1実施形態の燃料孔24と同様の機能を有し、かつ上端開口21bの下方のみに位置する燃料開口としての複数の、この実施形態では4個の燃料孔24が、周方向に間隔をおいて設けられている。また、上端開口21bよりも上方かつ側方位置には、空間3aと遮蔽空間41との通気を行うための通気開口としての通気間隙44が、各取付壁40d,40eと気化器本体2との間に形成されている。この通気間隙44は、遮蔽体40が、両突出部8,15の間にそれら突出部8,15の先端部側から、底壁40aの一対の湾曲部40f,40gを両突出部8,15の外周にそれぞれ対向させた状態で挿入され、各取付壁40d,40eの取付孔42に挿入されたボルト43により、遮蔽体40が気化器本体2に取り付けられたとき、各取付壁40d,40eと気化器本体2との間に形成される間隙であり、しかも一定レベルの燃料液面Aと略平行で庇状に延びる平板状の各取付壁40d,40eの上方に形成されている。
図8に示されるように、側壁 40 b, 40 cは、気化器本体2の下方に、気化器本体2との間に上下方向での間隙である通気間隙 44 をおいて位置する。
【0054】
そして、通気間隙44の大きさは、オーバーフロー時に燃料孔24を通じて遮蔽空間41に流入する燃料による遮蔽空間41の燃料液面の上昇速度を阻害することがないようにしたうえで、フロート室3内の燃料の波立ちに起因して、燃料が遮蔽空間41に侵入することが抑制される程度に設定され、第1実施形態の通気小孔25と同様の機能を有するものである。なお、通気間隙44の大きさを設定するにあたり、各取付壁40d,40eおよび気化器本体2に当接して両者の間に配置されるとともに、ボルト43が挿入される孔を有する所定厚さのスペーサを利用することもできる。
【0055】
このようにして、遮蔽空間41は、遮蔽体40が両突出部8,15の間に配置されることにより、遮蔽体40の底壁40aの一対の湾曲部40f,40gおよび各側壁40b,40cの両側端部40h,40kが、気化器本体2の一部である両突出部8,15の外周にそれぞれ接し、さらに両取付壁40d,40eが通気間隙44を介して気化器本体2と対向することで、その一部が気化器本体2から形成される。そして、オーバーフローパイプ21は、フロート室3内の燃料が一定レベルの燃料液面Aにあるとき、燃料孔24および通気間隙44のみ(ここでは、例えばオーバーフローパイプ21が挿入される底壁40aの孔とオーバーフローパイプ21との間に生じ得る微小間隙や、遮蔽体40と両突出部8,15の外周との間に生じ得る微小間隙など、やむを得ず形成される微小間隙は無視するものとする)により、遮蔽空間41を介してフロート室3内の空間3aと常時連通し、オーバーフロー時は、遮蔽空間41を介してフロート室3内の燃料をフロート室3外に排出するようになっている。
【0056】
この第4実施形態によれば、構造が簡単で、低コストである点、上端開口21bの上方に位置する通気間隙44からの燃料の侵入抑制および遮蔽空間41の存在による不必要な燃料の流出抑制ができる点、設定したオーバーフローレベルでの過剰な燃料の排出ができる点で、第1実施形態と同様の作用効果が奏されるほか、以下の作用効果が奏される。
【0057】
両突出部8,15の間に配置された遮蔽体40により形成される遮蔽空間41は、遮蔽体40の底壁40aの一対の湾曲部40f,40gおよび各側壁40b,40cの両側端部40h,40kが両突出部8,15の外周にそれぞれ接し、さらに両取付壁40d,40eが通気間隙44を介して気化器本体2と対向することで、その一部が気化器本体2から形成されるので、一対の側壁 40 b, 40 cと底壁 40 aと取付壁 40 d, 40 eとを有する遮蔽体40自体は、略長方形の板材を折り曲げて形成すればよく、その形成が容易で、コストの一層の削減ができる。
【0058】
通気間隙44は、フロート室3内の燃料の波立ちに起因して、燃料が遮蔽空間41に侵入することが抑制される程度の大きさに設定されているうえに、一定レベルの燃料液面Aと略平行で庇状に延びる平板状の各取付壁40d,40eの上方に形成されているため、遮蔽体40の下方に位置する燃料液面Aの波立ちによる燃料の通気間隙44からの侵入を一層抑制することができる。
【0059】
以下、前述した各実施形態の一部の構成を変更した形態について、変更した構成に関して説明する。
【0060】
前記第1および第2実施形態では、通気開口は通気小孔25からなるものであったが、側壁22aに形成され、上端開口21bの上方位置から上端開口21bの下方位置に渡って上下方向に延びるスリットにより通気開口を構成することもできる。その際、このスリットは、遮蔽空間23への燃料の侵入を抑制する程度の狭い幅を有するものとする。この場合、スリットの一部は、上端開口21bよりも上方に位置し、スリットの残りの部分は、上端開口21bの下方に位置することになる。
【0061】
前記第実施形態を除く各実施形態では、遮蔽体22は天井壁22bおよび底壁22cを有するものであったが、遮蔽体を側壁のみを有するものとして、該遮蔽体とオーバーフローパイプ21の上端部21aとの側方における間隔をオーバーフロー時の遮蔽空間23への燃料の流入を阻害しない程度に狭く設定したうえで、該遮蔽体の上端が気化器本体2に当接するようにすることもできる。また、側壁のみを有する遮蔽体を、気化器本体2との間にフロート室3内の燃料の波立ちに起因する燃料の侵入を抑制する程度の間隙を形成するように取り付け、気化器本体2と遮蔽体との共働により形成されるこの間隙を通気開口として、側壁には通気開口を設けないようにすることもできる。その際、気化器本体2への取付けは、例えば側壁の上端の周縁に間隔をおいて形成された突部を介して行うようにする。
【0062】
前記第1および第2実施形態では、燃料孔24および通気小孔25はそれぞれ4個設けられたが、燃料孔24および通気小孔25の個数はそれらに限られず、それぞれ、1個または複数個であってよい。
【0063】
前記第3実施形態を除く各実施形態では、遮蔽体22は、円筒状とされて円形断面を有するものであったが、矩形断面を有する筒状のものであってもよい。
【0064】
前記第3実施形態では、遮蔽体30は天井壁30bを有するものであったが、遮蔽体は側壁のみを有するものとすることもできる。
【0065】
前記各実施形態では、遮蔽体22,30は気化器本体2に取り付けられたが、遮蔽体22,30をオーバーフローパイプ21に取り付けるようにすることもできる。
【0066】
通気小孔25および通気開口33の形成位置は、必要に応じて前記実施形態の示される位置以外とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明の第1実施形態のオーバーフロー装置が適用される気化器の断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】オーバーフロー装置の要部斜視図である。
【図4】本出願発明の第3実施形態のオーバーフロー装置の図2と同様の断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】本出願発明の第4実施形態のオーバーフロー装置の要部斜視図である。
【図7】第4実施形態のオーバーフロー装置の平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【符号の説明】
1…気化器、2…気化器本体、3…フロート室、3a…空間、4…吸気通路、5…絞り弁、6…コイルバネ、7…チョーク弁、8…突出部、9…ニードルジェット、10…スロージェット、11…ホルダ、12…メインジェット、13…ジェットニードル、14…ブリードエア通路、15…突出部、16…燃料導入路、17…弁座、18…フロート、19…フロートピン、20…フロート弁、21…オーバーフローパイプ、21a…上端部、21b…上端開口、22…遮蔽体、22a…側壁、22b…天井壁、22c…底壁、23…遮蔽空間、24…燃料孔、25…通気小孔、26…仕切板、
30…遮蔽体、30a…側壁、30b…天井壁、30c…最外方側壁部分、30d…外端、30e…内方側壁部分、31…遮蔽空間、32…燃料開口、33…通気開口、
40…遮蔽体、40a…底壁、40b,40c…側壁、40d,40e…取付壁、41…遮蔽空間、42…取付孔、43…ボルト、44…通気間隙、
A…燃料液面、B…幅。

Claims (6)

  1. フロート室内へ流入する燃料量が、該フロート室内に設けられたフロートの挙動に応じて調節されることにより、該フロート室内に一定レベルの燃料液面が形成される気化器において、
    前記一定レベルの燃料液面よりも上方の前記フロート室内の空間に上端開口を有するオーバーフローパイプと、該一定レベルの燃料液面よりも上方に配置される遮蔽体であって、前記オーバーフローパイプの上端部の側方で前記上端開口に対して上方および下方に渡って延びる側壁を有して前記上端開口の周囲に遮蔽空間を形成すると共に気化器本体とは別部材の遮蔽体とを備え、
    前記遮蔽空間は、前記上端開口よりも下方のみに位置して前記遮蔽空間に対する燃料の流出入を許容する燃料開口と、少なくとも一部が前記上端開口よりも上方に位置して前記遮蔽空間への燃料の侵入を抑制する通気開口を介して、前記フロート室内の空間と連通し、
    前記燃料開口および前記通気開口は、前記遮蔽体を設けたことにより形成され、
    前記遮蔽体は、前記側壁に連なると共に前記上端開口よりも下方に位置する底壁を有し、
    前記燃料開口は、前記底壁の一部に、周方向に間隔をおいて設けられた複数の燃料孔であることを特徴とする気化器のオーバーフロー装置。
  2. 前記側壁は、前記気化器本体の下方に、前記気化器本体との間に上下方向での間隙をおいて位置し、
    前記間隙は、前記通気開口であることを特徴とする請求項1記載の気化器のオーバーフロー装置。
  3. 前記気化器は、前記オーバーフローパイプの側方に間隙をおいて位置する2つの突出部を備え、
    前記側壁は、前記底壁から上方に延びる一対の側壁であり、
    前記遮蔽体は、前記一対の側壁から前記底壁が在る側とは反対側に延びていると共に前記遮蔽体を前記気化器本体に取り付けるための取付壁を有し、
    前記遮蔽空間は、前記底壁および前記一対の側壁が前記各突出部にそれぞれ接する前記遮蔽体と、前記2つの突出部とにより形成され、
    前記通気開口は、前記取付壁と前記気化器本体との間で、前記取付壁の上方に形成される間隙であることを特徴とする請求項1記載の気化器のオーバーフロー装置。
  4. 前記一対の側壁と前記底壁と前記取付壁とを有する前記遮蔽体が、板材を折り曲げることにより形成されていることを特徴とする請求項3記載の気化器のオーバーフロー装置。
  5. フロート室内へ流入する燃料量が、該フロート室内に設けられたフロートの挙動に応じて調節されることにより、該フロート室内に一定レベルの燃料液面が形成される気化器において、
    前記一定レベルの燃料液面よりも上方の前記フロート室内の空間に上端開口を有するオーバーフローパイプと、該一定レベルの燃料液面よりも上方に配置される遮蔽体であって、前記オーバーフローパイプの上端部の側方で前記上端開口に対して上方および下方に渡って延びる側壁を有して前記上端開口の周囲に遮蔽空間を形成すると共に気化器本体とは別部材の遮蔽体とを備え、
    前記遮蔽空間は、前記上端開口よりも下方のみに位置して前記遮蔽空間に対する燃料の流出入を許容する燃料開口と、少なくとも一部が前記上端開口よりも上方に位置して前記遮蔽空間への燃料の侵入を抑制する通気開口とを介して、前記フロート室内の空間と連通し、
    前記燃料開口および前記通気開口は、前記遮蔽体を設けたことにより形成され、
    前記遮蔽空間には、前記上端開口と前記通気開口との間にあって、該通気開口に対向する仕切部材が配置されていることを特徴とする気化器のオーバーフロー装置。
  6. フロート室内へ流入する燃料量が、該フロート室内に設けられたフロートの挙動に応じて調節されることにより、該フロート室内に一定レベルの燃料液面が形成される気化器において、
    前記一定レベルの燃料液面よりも上方の前記フロート室内の空間に上端開口を有するオーバーフローパイプと、該一定レベルの燃料液面よりも上方に配置される遮蔽体であって、前記オーバーフローパイプの上端部の側方で前記上端開口に対して上方および下方に渡って延びる側壁を有して前記上端開口の周囲に遮蔽空間を形成すると共に気化器本体とは別部材の遮蔽体とを備え、
    前記遮蔽空間は、前記上端開口よりも下方のみに位置して前記遮蔽空間に対する燃料の流出入を許容する燃料開口と、少なくとも一部が前記上端開口よりも上方に位置して前記遮蔽空間への燃料の侵入を抑制する通気開口とを介して、前記フロート室内の空間と連通し、
    前記燃料開口および前記通気開口は、前記遮蔽体を設けたことにより形成され、
    前記側壁は、前記上端部の側方で前記上端開口を中心として渦巻状に設けられており、
    前記通気開口は、前記側壁の径方向において最外方に位置する最外方側壁部分の外端と該径方向において該最外方側壁部分よりも内方に位置する内方側壁部分とにより形成されていることを特徴とする気化器のオーバーフロー装置。
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