JP3648967B2 - クールエアダクト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用内燃機関の吸気側に設けられる、クールエア(冷気)用ダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用内燃機関の吸気系では、実開平5−64458号公報に開示されているように、吸気取入口とエアクリーナーとは、クールエアダクトにより接続される。クールエアダクトの上流端の吸気取入口からは、内燃機関の吸気バルブによる吸気脈動からなる吸気音が放射される。
吸気音レベルは、下式(1)の音響質量Mに反比例することが知られている。
音響質量M=ρ×L/S ………… (1)
ρ:空気密度
L:吸気管長
S:吸気断面積
式(1)から、吸気音レベルを低減するには、吸気管長を大にすることが有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、吸気音レベルは、下式(2)の気柱共鳴周波数fの影響を受けることも知られている。
気柱共鳴周波数f=c/(2L) ………… (2)
c:音速(たとえば、c=344m/secとする)
L:吸気管長
式(2)から、吸気管長Lが大なほど、気柱共鳴周波数fが低周波数側に移行して、吸気音の悪化域が広がることがわかる。
たとえば、ダクト長L=60cmの場合、気柱共鳴周波数は、f1 =287Hz、f2 =573Hz、・・・であり、ダクト長L=30cmの場合の、f1 =573Hz、・・・に比べて、気柱共鳴周波数は低周波数側に移行し、気柱共鳴が顕著に悪化する。
したがって、クールエアダクト長には気柱共鳴の悪化防止上望ましい長さがあるが、現状ではエアクリーナーダクトの長さはエアクリーナーの位置と吸気取入口との相対位置関係から決まっており、その長さは、必ずしも吸気音レベル低減上の最適長さとはなっていない。
本発明の目的は、エアクリーナーの位置と吸気取入口との相対位置関係に左右されずに、クールエアダクトの長さを気柱共鳴の悪化防止上望ましい長さとすることができるクールエアダクトを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 下流ほど横断面積が大となるディフューザー形状のパイプ部と、
前記パイプ部の上流側端に接続され、前記パイプ部の上流側端の横断面積よりも大きな横断面積を有し気柱共鳴周波数をもたない箱体部と、
からなるクールエアダクト。
(2) 前記パイプ部の下流側部分に蛇腹部を設けた(1)記載のクールエアダクト。
【0005】
上記(1)のクールエアダクトでは、クールエアダクトをパイプ部と箱体部とから構成し、箱体部の横断面積をパイプ部の横断面積に比べて大にして箱体部が気柱共鳴周波数をもたないようにしたので、クールエアダクトの気柱共鳴周波数がパイプ部の気柱共鳴周波数から決まり、パイプ部の長さを選定することにより、クールエアダクトの気柱共鳴周波数(パイプ部の気柱共鳴周波数)を比較的高い周波数領域に維持することができ、吸気音の悪化域の低周波数域への拡がりを防止することができる。
上記(2)のクールエアダクトでは、パイプ部の下流側部分に蛇腹を設けたので、内燃機関からエアクリーナーに伝わったエンジン振動がクールエアダクトに伝わるのを蛇腹で遮断でき、クールエアダクトから車両ボデーを介して車室に伝わるのを防止することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明実施例のクールエアダクトを、図1〜図5を参照して、説明する。図1は本発明のいずれの実施例にも適用可能であり、図2および図3は本発明の第1実施例を示し、図4および図5は本発明の第2実施例を示している。本発明の全実施例に共通する部分には、本発明の全実施例にわたって同じ符合を付してある。
【0007】
まず、本発明の全実施例に共通する部分を、たとえば図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、自動車内燃機関の吸気系に設けられたエアクリーナー11と吸気取入口2aとは、クールエアダクト10を介して連通されている。クールエアダクト10は、たとえば樹脂製品であり(ただし、金属製品でもよいし、後述する蛇腹部はゴム製品であってもよい)、ファンシラウド取付部12において、ボデー側のファンシラウド13に取り付けられて固定されており、下流側端でエアクリーナー11に取り付けられて接続されている。
【0008】
クールエアダクト10は、エアクリーナー11に近い側のパイプ部1と、吸気取入口2aに近い側の箱体部2とからなる。箱体部2はパイプ部1の上流側端に接続されている。
パイプ部1は、上流端部1aが上流に向かって滑らかに拡大する断面積をもつファンネル形状に形成されており、パイプ部1の上流端に近い部分てかつファンネル形状の下流端に絞り部1bを有し、絞り部1bから下流にいくに従ってテーパ状に断面積が拡大するディフューザー部1cを有している。ファンネル形状とディフューザー部とは、絞り部1bの存在にかかわらず、パイプ部1の流路抵抗を小さなものとする。パイプ部1は、下流側端近傍に蛇腹部1dを有する。蛇腹部1dを含めてパイプ1は、四隅の角が湾曲したほぼ矩形状の横断面形状を有し、矩形の長軸は水平方向に延びており、短軸は上下方向に延びている。ディフューザー部1cの長手方向軸芯は曲がっていてもよく、図示例は曲がっている場合を示している。
【0009】
箱体部2は、パイプ部1の上流側端1aの横断面積よりも大きな横断面積を有し、管状になっていないので気柱共鳴周波数をもたない。箱体部2の水平方向の幅は、パイプ1の水平方向の幅より大とされており、箱体部2の上下方向の高さは、パイプ部1の高さと等しいかまたは若干大とされている。箱体部2は、四隅の角をR形状で角取りしたほぼ矩形状の横断面形状を有し、横断面形状のほぼ矩形の長軸は水平方向に延びており、短軸は上下方向に延びている。
【0010】
箱体部2は、上流側端に水平方向に幅を広げられた吸気取入口2aを有し、下流側端に水平方向に幅を急激に減少された、パイプ部1への接続部2bを有する。
箱体部2は、少なくとも1本(図示例では3本)のリブ3を有し、リブ3は箱体部2の天井板と底板間にわたって延びて天井板と底板に固定されており、天井板と底板が膜振動(壁面振動)することを抑制している。リブ3は上流側には箱体部2の上流端にまで延びており、下流側には箱体部2の下流端から上流側に隔たった位置で終わっている。リブ3のうちの1本(図示例では中央のリブ3A)は、箱体部2の内部空間を左右方向に、パイプ部1の幅とほぼ同じ幅を有しパイプ部1の上流に対応する位置にある部分4と、残りの部分5とに、区画している。
【0011】
つぎに、共通部分の作用を説明する。
パイプ部1がパイプ部上流側端1aで箱体部2に移行して、断面積を幅方向に急激に広げられ、箱体部2が共鳴周波数をもたないので、共鳴周波数が(パイプ部の長さと箱体部の長さの和ではなく)パイプ部1のみの長さから決まるようになる。また、パイプ部1のディフューザー部1cが上流にいくほで絞られ絞り部1bで最も絞られる形状により、パイプ部1の気柱共鳴が箱体部2から分断されパイプ部1内のみで起こるようになる。
【0012】
これにより、クールエアダクトの気柱共鳴周波数が、従来のようにクールエアダクトの全長によって決定されるのではなく、クールエアダクトのうちパイプ部1のみの部分の長さから決定されるようになり、箱体部2の長さ分だけ、長さが短くなる。したがって、式(2)から決定されるクールエアダクトの気柱共鳴周波数が従来に比べて高くなり、低周波数の共振周波数で気柱共鳴が起こらなくなり、気柱共鳴による騒音レベルが低減される。騒音レベルの低減により、吸気系にレゾネーター(共鳴型吸音器)を設ける必要がなくなり、レゾネーターレスにでき、吸気系を小型化できる。
また、パイプ部1の長さとしては、低周波数域(たとえば、500Hz以下の周波数域)に1次の気柱共鳴周波数が現れない長さを選定すればよく、その条件さえ満足すれば任意に設定できる。そして、クールエアダクトの長さから、選定されたパイプ部長さを差し引いた残りの部分を箱体部2の長さとすればよい。
【0013】
また、パイプ部1にディフーザー部1cを設けたので流れの抵抗は小さく、エネルギー損失を少なくすることができる。また、パイプ1の下流端近傍に蛇腹部1dを設けたので、エンジン振動が吸気系を介して自動車ボデーに伝達するのを、蛇腹部1dで遮断することができる。そして、蛇腹部1dはディフーザー部1cの拡大された径の部分に設けられているので、流れ抵抗を増大させにくい。
【0014】
つぎに、本発明の各実施例に特有な部分の構成、作用を説明する。
本発明の第1実施例では、図2および図3に示すように、パイプ部1の上流側端部が滑らかに箱体部2の下流側端部に接続しており、パイプ部1の上流側端部は箱体部2の内部に突き出ていない。
第1実施例の作用については、パイプ部1の上流側端部は箱体部2の内部に突き出ていないので、吸気が箱体部2からパイプ部1に流入する時に比較的滑らかに流れ、流れ抵抗が小さく、エネルギー損失が少ない。
【0015】
本発明の第2実施例では、図4および図5に示すように、パイプ部1の上流側端部は箱体部2の内部に突き出ている。
第2実施例の作用については、パイプ部1の上流側端部は箱体部2の内部に突き出ているので、パイプ部1の上流端で断面積が急激に拡がり、より効果的に箱体部2と分断でき、気柱共鳴による吸気音悪化を抑制できる。ただし、第1実施例に比べて、吸気が箱体部2からパイプ部1に流入する時の流れ抵抗が大きく、エネルギー損失が増す。
【0016】
【発明の効果】
請求項1のクールエアダクトによれば、クールエアダクトをパイプ部と箱体部とから構成し、箱体部の横断面積をパイプ部の横断面積に比べて大にして箱体部が気柱共鳴周波数をもたないようにしたので、クールエアダクトの気柱共鳴周波数がパイプ部の気柱共鳴周波数から決まり、パイプ部の長さを選定することにより、エアクリーナーの位置と吸気取入口との相対位置関係に左右されずに、クールエアダクトの気柱共鳴周波数(パイプ部の気柱共鳴周波数)を比較的高い周波数領域に維持することができ、吸気音の悪化域の低周波数域への拡がりを防止することができる。
請求項1のクールエアダクトによれば、パイプ部の下流側部分に蛇腹部を設けたので、内燃機関からエアクリーナーに伝わったエンジン振動がクールエアダクトに伝わるのを蛇腹で遮断でき、クールエアダクトから車両ボデーを介して車室に伝わるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のクールエアダクトを搭載して自動車の前部の平面図である。
【図2】本発明の第1実施例のクールエアダクトの平面図である。
【図3】本発明の第1実施例のクールエアダクトの断面図である。
【図4】本発明の第2実施例のクールエアダクトの平面図である。
【図5】本発明の第2実施例のクールエアダクトの断面図である。
【符号の説明】
1 パイプ部
1c ディフューザー部
1d 蛇腹部
2 箱体部
2a 吸気取入口
3 リブ
10 クールエアダクト
11 エアクリーナー
Claims (2)
- 下流ほど横断面積が大となるディフューザー形状のパイプ部と、
前記パイプ部の上流側端に接続され、前記パイプ部の上流側端の横断面積よりも大きな横断面積を有し気柱共鳴周波数をもたない箱体部と、
からなるクールエアダクト。 - 前記パイプ部の下流側部分に蛇腹部を設けた請求項1記載のクールエアダクト。
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