JP4155394B2 - リリーフ弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リリーフ弁に関し、特に、たとえば、油圧機器たる油圧シリンダの最伸長作動時における異常高圧を解放するリリーフ弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧機器たる、たとえば、図6に示すピストン型の油圧シリンダにあっては、最伸長作動時にクッション室となる伸側室Rにおける異常高圧をリリーフ弁Vの作動で、図示するところでは、油圧給排源Pに解放し、たとえば、図示しないシールの損壊や符示しないシリンダ体の破壊などを回避するとしている。
【0003】
一方、リリーフ弁Vについてだが、たとえば、図7に示すところでは、ポペット型の弁体1が背後側の附勢バネSで附勢されて前進し、尖端部1aでシート部材2における開口2aを閉塞するときに閉鎖状態におかれ、上記の伸側室Rが上記の油圧給排源Pに連通し得ないとしている。
【0004】
このとき、上記の開口2aは、シート部材2の軸芯部に開穿されて伸側室Rからの高圧を案内する通路2bに連通しており、弁体1は、上記のシート部材2に直列して固定側となるケーシング3の軸芯方向への摺動を許容するようにケーシング3の軸芯部にいわゆる圧漏れし得ない状態に保持されてなるとしている。
【0005】
それゆえ、このリリーフ弁Vにあっては、上記の開口2aで設定される受圧面側の径Dに対抗する弁体1の後端側における径、すなわち、背圧面側の径dの差D−dを小さくするとき、附勢バネSにおけるバネ力を小さくして、弁体1の後退を容易にし得ることになる。
【0006】
そして、附勢バネSにおけるバネ力を適宜に選択することで、弁体1に作用する油圧を、すなわち、このリリーフ弁Vを開放作動させるリリーフ圧を任意に設定できることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したリリーフ弁Vにあっては、その形成に際して、部品への高い精緻性が要求されて、生産性の向上を図り難くする不具合がある。
【0008】
すなわち、凡そポペット型の弁体1における尖端部1aが背後からの附勢力を受けて前進し、シート部材2の開口2aに着座する際には、弁体1の後端側が規制されていない限りにおいて、必ず閉塞状態を実現できる。
【0009】
しかし、上記したリリーフ弁Vの場合には、圧漏れしないようにするために弁体1の後端側をケーシング3の軸芯部に言わば隙間なく挿通しているから、弁体1は、ケーシング3の軸芯方向にいわゆるセンタリングされていることになる。
【0010】
それゆえ、この弁体1が前進して尖端部1aをシート部材2における開口2aに着座させるとき、必ず閉塞状態にするについては、上記のケーシング3による弁体1のセンタリングが、また、弁体1のシート部材2に対するセンタリングが精緻に実現されていることが肝要になる。
【0011】
したがって、上記したリリーフ弁Vにあっては、その形成に際して、部品たるケーシング3と弁体1との間に、また、弁体1とシート部材2との間に高い精緻性が要求されることになり、その結果、生産性の向上を図り難くし、さらには、リリーフ弁Vを高価なものにする不具合がある。
【0012】
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、所定のリリーフ作動を確保するについて構成部品に高い精緻性を要求されずして、生産コストを低くし、その汎用性の向上を期待するのに最適となることは勿論、油圧給排源側からの圧力でも容易に開弁可能な機能を備えたリリーフ弁を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、この発明によるリリーフ弁の構成を、一つには、油圧シリンダの最伸長作動時にクッション室となる伸側室における異常高圧を油圧給排源に開放させるリリーフ弁において、軸芯部に開穿の通路に上記伸側室の高圧を案内させるシート部材と、背後から附勢ばねで附勢されながら上記のシート部材における通路の開口に尖端部を着座させて油圧給排源への連通を遮断する弁体と、この弁体における軸芯方向への摺動を許容するようにこの弁体の軸芯部に挿通されて先端がこの弁体の尖端部における軸芯部に開穿の通路を介して上記の開口に対向するガイドロッドとを有してなり、上記の開口における径が受圧面側の径に設定されると共に、上記のガイドロッドにおける径が上記の受圧面側の径に対抗する背圧面側の径に設定されてなり、さらに、上記ガイドロッドの先端から上記附勢ばねが配置された背後側の油室へ連通する通路を設け、この通路に上記の背後側油室から先端側への流れを許容し、その逆の流れを阻止するチェック弁を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
また、この発明によるリリーフ弁の構成を、二つには、油圧シリンダの最伸長作動時にクッション室となる伸側室における異常高圧を油圧給排源に開放させるリリーフ弁において、軸芯部に開穿の通路上記伸側室の高圧を案内させるシート部材と、背後から附勢ばねで附勢されながら軸芯部に開穿の通路における開口を上記のシート部材における尖端部に着座させて油圧給排源への連通を遮断する弁体と、この弁体における軸芯方向への摺動を許容するようにこの弁体の軸芯部に挿通されて先端が上記の開口に対向するガイドロッドとを有してなり、上記の開口における径が受圧面側の径に設定されると共に、上記のガイドロッドにおける径が上記の受圧面側の径に対抗する背圧面側の径に設定されてなり、さらに、上記ガイドロッドにその先端から上記附勢ばねが配置された背後側の油室へ連通する通路を設け、この通路に上記の背後側油室から先端側への流れを許容し、その逆の流れを阻止するチェック弁を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施例に基づいて、この発明を説明するが、その前に図1〜図3において本発明の参考例を説明する。また、これらのリリーフ弁は、前述した図7に示す従来のリリーフ弁Vと同様に、油圧機器たるピストン型の油圧シリンダ(図6参照)における異常高圧を解放するリリーフ弁として具現化されている。
即ち、本発明のリリーフ弁は、油圧シリンダの最伸長作動時にクッション室となる伸側室における異常高圧を油圧給排源に開放させるものである。
【0016】
それゆえ、以下に図示するところにおいて、その構成が前記したところと同様となるところについては、要する場合を除き、図中に同一の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略し、以下には、この発明において特徴となるところを中心に説明する。
【0017】
ちなみに、以下に図示するところでは、リリーフ弁Vを収装するハウジングHは、上記の油圧シリンダを構成するシリンダ体における符示しないヘッド部とされている。
【0018】
このような前提の下に、まず、図1に示すリリーフ弁Vにあっては、シート部材2と、ポペット型の弁体1と、ガイドロッド4とを有してなる。
【0019】
そして、弁体1が附勢バネSのバネ力に抗して図中で右行するように後退するときに、伸側室Rからの高圧が油圧給排源Pに解放されるとしている。
【0020】
少し説明すると、シート部材2は、径方向に厚肉としながら長さを短くする筒状に形成されていて、図中で左端となる基端をハウジングHのいわゆる内壁(符示せず)に当接させている。
【0021】
そして、軸芯部に開穿の通路2bに伸側室Rからの高圧を案内させるとし、この通路2bにおける開口2aの径をこのリリーフ弁Vにおける受圧面側の径D1に設定している。
【0022】
ちなみに、上記の通路2bは、ハウジングHに開穿されて伸側室Rに連通する通路H1に連通している。
【0023】
なお、シート部材2は、後述するほぼ筒状に形成のケーシング3における図中で左端部となる先端部(符示せず)の内周にカシメ固着されている。
【0024】
弁体1は、背後から附勢バネSで附勢されながら上記のシート部材2における開口2aに尖端部1aを着座させるもので、この着座時にこのリリーフ弁vにおける図示する状態たる閉塞状態を実現するとしている。
【0025】
このとき、この弁体1は、ケーシング3内に摺動可能に収装されているが、ケーシング3との間にいわゆるブレが許容される隙間を有して収装されるとして、両者1,3間に高い精緻性が要求されないとしている。
【0026】
したがって、この弁体1にあっては、背後から附勢されて前進するときに、その動きがケーシング3でいたずらに規制されなくなり、その結果、尖端部1aが開口2aに言わば完全に着座することで具現化される所定の閉塞状態を容易に実現し得ることになる。
【0027】
ちなみに、ケーシング3は、その外周とハウジングHのいわゆる内周壁(符示せず)と間に通路となる隙間Aを有すると共に、この隙間Aとケーシング3の内側とを前後で連通する連通孔3a,3bを有してなるとしている。
【0028】
このとき、連通孔3aは、弁体1における尖端部1aの外周側を上記の隙間Aに連通させるように位置決められ、連通孔3bは、弁体1における背後側を上記の隙間Aに連通させるように位置決められている。
【0029】
なお、上記の隙間Aは、ハウジングHに開穿されて油圧給排源Pに連通する通路H2に連通している。
【0030】
ガイドロッド4は、弁体1における軸芯方向への摺動を許容するようにこの弁体1の軸芯部に挿通されてなり、図中で左端となる先端がこの弁体1の尖端部1aにおける軸芯部に開穿の通路1bを介して上記の開口2aに対向するとしている。
【0031】
それゆえ、図示するリリーフ弁Vにあっては、伸側室Rからの高圧がシート部材2における開口2aに着座している弁体1の尖端部1aに作用するときには、ガイドロッド4の先端にも上記の通路1bを介して伸側室Rに連通する通路2bからの油圧が作用することになる。
【0032】
このことからすれば、前記したように上記の通路2bにおける開口2aの径をこのリリーフ弁Vにおける受圧面側の径D1に設定していることに対して、このガイドロッド4における径をこのリリーフ弁Vにおける背圧面側の径d1に設定し得ることになる。
【0033】
そして、開口2aによる径D1とガイドロッド4による径d1との間に差D1−d1に相当する差圧を生じ、したがって、弁体1が附勢バネSのバネ力に抗して後退し、シート部材2における通路2bと弁体1における尖端部1aの外周側とが連通状態になる。
【0034】
その結果、伸側室Rの高圧が油圧給排源Pに解放され、したがって、伸側室Rにおける異常な高圧化が阻止されて、油圧シリンダにおいて、図示しないシールの損壊や符示しないシリンダ体の破壊などを回避し得ることになる。
【0035】
このとき、上記の差D1−d1が小さくなるとき、附勢バネSにおけるバネ力を小さくして、弁体1の後退を容易にし得ることになり、また、附勢バネSにおけるバネ力を適宜に選択することで、弁体1に作用する油圧を、すなわち、このリリーフ弁Vを開放作動させるリリーフ圧を任意に設定できることになる。
【0036】
ところで、図示するリリーフ弁Vにあって、附勢バネSの後端およびガイドロッド4の基端は、ケーシング3の後端部(符示せず)に螺着されるキャップを兼ねるストッパ5に担持されてなるとしている。
【0037】
それゆえ、このリリーフ弁Vにあっては、シート部材2,弁体1および附勢バネSがケーシング3内に収装された状態でアッセンブリ化されることになり、したがって、このリリーフ弁VをハウジングHに組み込む際の作業性を良くする利点がある。
【0038】
ちなみに、上記のアッセンブリ化されたものをハウジングHの所定位置に固定的に配在するについては、捻じ込み栓6が利用されるとしている。
【0039】
図2に示すリリーフ弁Vは、部品構成で前記した図1に示すリリーフ弁Vとほぼ同様となっているが、細かなところで差異がある。
【0040】
それゆえ、その構成が前記したリリーフ弁Vと同様となるところについては、この図2だけでなく図3乃至図5を含めて、図中に同一の符号を附するのみとして、以下には、各実施形態で特徴となるところを中心に説明する。
【0041】
すなわち、先ず、この図2に示すリリーフ弁Vにあっては、弁体1が筒型に形成されてなり、図3に詳しく示すように、背後から附勢バネSで附勢されながら軸芯部に開穿の通路1cにおける開口1dに後述するシート部材2における尖端部2cを着座させるとしている。
【0042】
そして、上記の開口1dにおける径をこのリリーフ弁Vにおける受圧面側の径D2に設定している。
【0043】
つぎに、シート部材2は、軸芯部に開穿の通路2bに伸側室Rからの高圧をハウジングHの通路H1を介して案内させる(図2参照)と共に、この通路2bに並列する状態に開穿された通路2dを有してなる。
【0044】
そして、この通路2dは、上記の弁体1が後退していわゆる開放状態になるときに、上記した通路2bを介しての伸側室Rからの高圧をハウジングHの通路H2を介して油圧給排源Pに流出させるとしている(図2参照)。
【0045】
また、ガイドロッド4は、前記した筒型の弁体1における軸芯方向への摺動を許容するようにこの弁体1の軸芯部に挿通されて先端が上記の開口1dに対向するとしている。
【0046】
このとき、このガイドロッド4は、上記の開口1dを形成する通路1cの径に比較すればやや小径に形成されてなるとし、このガイドロッド4の径を前記した受圧面側の径D2に対抗する背圧面側の径d2に設定している。
【0047】
それゆえ、弁体1における開口1dによる径D2とガイドロッド4による径d2との差によって受圧部Fが形成され、したがって、この受圧部Fに作用する圧力が所定圧力を超えると弁体1が附勢バネSのバネ力に抗して後退する。
【0048】
このとき、シート部材2における通路2bとシート部材2における通路2dとが弁体1における尖端部1aの外周側を介して連通状態になり、その結果、伸側室Rの高圧が油圧給排源Pに解放されることになる。
【0049】
ちなみに、図示するリリーフ弁Vにあって、附勢バネSの後端およびガイドロッド4の基端は、ケーシング3の後端部の内周に螺着されるキャップを兼ねるストッパ5に担持されてなるとしている。
【0050】
それゆえ、この図2に示すリリーフ弁Vにあっては、ストッパ5のケーシング3に対する螺合位置をいわゆる出没方向に変更することで附勢バネSのバネ力を高低調整し得ることになり、したがって、附勢バネSをバネ力の異なるものに交換せずしてリリーフ圧を高低調整し得ることになる利点がある。
【0051】
次に、図4において本発明を示すが、本発明のリリーフ弁Vは、図1に示す参考例のリリーフ弁Vに改良を加えたもので、リリーフ機能を発揮するのは勿論であるが、これに加えて、油圧シリンダが収縮作動するときに、この油圧シリンダの収縮作動を速やかに実現し得るようにチェック機能を発揮するようになっている。
【0052】
すなわち、この図4に示すリリーフ弁Vにあっては、ガイドロッド4が軸芯部に通路4aを有すると共に、この通路4aにチェック弁4bを有してなるとしている。
【0053】
このとき、上記の通路4aは、ガイドロッド4の軸芯部を貫通すると共に、図中で右端部となる基端部(符示せず)で直径方向に貫通して外周に連通するとしており、チェック弁4bは、このガイドロッド4において、上記の基端部側から先端側に向けての流れを許容する一方で、その逆の流れを阻止するように設定されている。
【0054】
一方、このリリーフ弁Vにあっては、ストッパ5によって附勢ばねSが配置された弁体1の背後側に油圧給排源Pとは仕切られた油室(符示せず)が形成されている。そして、このストッパ5が図中で右端部となる係止部5aにおいて、この係止部5aを直径方向に貫通して外周に連通する通路5bを有すると共に、この通路5bに連通しながら軸芯部に形成されて図中で左端面となるいわゆる内底面(符示せず)に開口する通路5cを有している。
【0055】
そして、この通路5cには、上記の内底面側から通路5bへの流入を許容するチェック弁5dを有している。
【0056】
それゆえ、このリリーフ弁Vにあっては、ガイドロッド4部分にチェック弁4bがあるから、伸側室Rからの高圧が弁体1の尖端部1aにおける通路1bを介してガイドロッド4の先端にいわゆる圧抜けすることなく作用することになり、したがって、前記した図1に示すところと同様に所定のリリーフ機能を発揮することになる。
【0057】
そして、弁体1の開弁時には、弁体1の背後側における圧力がチェック弁5dを介して通路5bへと解放されることで、弁体1の円滑な作動が保障されることになる。
【0058】
その一方で、最伸長状態にある油圧シリンダを収縮作動させるには、結果として、油圧給排源Pからの油圧を伸側室Rに供給することなるが、前記した図6に示す油圧シリンダにあっては、クッションリング(符示せず)でシリンダ体のヘッド部に画成される油室rに上記の油圧給排源Pからの油圧を供給すれば足りることになる。
【0059】
とは言え、上記の油室rは、受圧面積からすると、伸側室Rに比較して極めて小さく、したがって、この油室rに圧油を供給して油圧シリンダを収縮作動させるとしても、この収縮作動を迅速に開始させるのは容易でない。
【0060】
しかしながら、このリリーフ弁Vにあっては、油圧給排源Pからの油圧がハウジングHに開穿の通路H2を介して供給されるとき、この油圧が弁体1の尖端部1aに作用することになる。
【0061】
このとき、ガイドロッド4が弁体1の背後側の油圧を通路4aからチェック弁4bを介して弁体1の通路1b側に流出させるから、弁体1は、上記の尖端部1aに作用する油圧で容易に後退し、尖端部1aをシート部材2における開口2aから離脱させていわゆる通路を形成することになる。
【0062】
このとき、チェック弁5dは、閉塞して油圧給排源Pからの圧力が弁体1の背後側に作用しないように機能する。
【0063】
その結果、油圧給排源Pから通路H2を介して供給される油圧が上記の尖端部1a周りに出現する通路を介して伸側室Rに流入することになり、それゆえ、油圧シリンダの収縮作動が速やかに開始されることになる。
【0064】
上記した油圧シリンダの収縮作動を速やかに開始させることについては、図5に示す本発明の別の実施形態としてのリリーフ弁Vによっても実現可能でる。
【0065】
すなわち、図5に示すリリーフ弁Vは、図2に示すリリーフ弁Vに改良を加えたもので、ケーシング3に開穿の連通孔3b(図2および図3参照)が絞り3cに代えらると共に、ガイドロッド4に形成された通路4aにチェック弁4bを有するとしている。
【0066】
このとき、上記の通路4aは、ガイドロッド4の軸芯部を貫通すると共に、図中で右端部となる基端部(符示せず)で径方向に屈曲して外周に連通するとしており、チェック弁4bは、このガイドロッド4において、上記の基端部側から先端側に向けての流れを許容する一方で、その逆の流れを阻止するように設定されている。
【0067】
ちなみに、ケーシングにあって、連通孔3bに代えて、絞り3cを配在させるのは、油圧給排源Pからの圧力が弁体1に作用するとき、弁体1の背後側との間に圧力差を持たせるためであって、この圧力差が弁体1に作用して開弁することになる。
【0068】
それゆえ、この図5に示すリリーフ弁Vにあっても、ガイドロッド4部分にチェック弁4bがあるから、伸側室Rからの高圧が圧抜けすることなくガイドロッド4の先端に作用し、したがって、前記した図2に示すリリーフ弁Vと同様に所定のリリーフ機能を発揮し得ることになる。
【0069】
また、最伸長状態にある油圧シリンダを収縮作動させるには、油圧給排源Pからの油圧を伸側室Rに供給するが、前記した図4に示すリリーフ弁Vの場合と同様に、油圧給排源Pからの油圧がハウジングHに開穿の通路H2およびシート部材2に開穿の通路2cを介してシート部材2の尖端部2aに作用する。
【0070】
それゆえ、この油圧作用で弁体1が容易に後退し、尖端部2aから開口2aをから離脱させ、尖端部2a周りに出現する通路を介して上記の油圧給排源Pからの油圧を伸側室Rに供給することが可能になり、したがって、油圧シリンダの収縮作動を速やかに開始し得ることになる。
【0071】
前述したところでは、この発明によるリリーフ弁Vが油圧機器としての油圧シリンダに具現化されてなるとしたが、この発明の意図するところからすれば、たとえば、油圧ジャッキに使用される油圧シリンダに具現化されるとしても良く、その場合に、同様の作用効果が得られることは勿論である。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、請求項1および請求項2のリリーフ弁にあっては、開口に着座して閉塞状態を具現化する弁体が背後側からの附勢力で前進するときに、開口に対するセンタリングのみが要求されて、たとえば、弁体を保持するケーシングなどに対してセンタリングが要求されないから、その形成にあって、高い精緻性が要求されないこことになる。
【0073】
その結果、この発明によれば、たとえば、油圧シリンダの最伸長作動時における異常高圧を解放して、油圧シリンダにおけるシールの破損やシリンダ体の破壊を事前に回避するためのリリーフ作動を保障するについて高い精緻性が要求されず、したがって、生産コストを低くし、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【0074】
そして、上記のリリーフ弁に油圧給排源側からの圧力でも容易に開弁可能となるチェック弁機能を持たせたので、最伸長状態から収縮作動させるについて、速やかな作動開始が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の参考例のリリーフ弁を示す縦断面図である。
【図2】 他の参考例のリリーフ弁を図1と同様に示す図である。
【図3】図2のリリーフ弁を部分的に拡大して示す縦断面図である。
【図4】 本発明の実施形態によるリリーフ弁を部分的に拡大して示す縦断面図である。
【図5】 本発明の別の実施形態によるリリーフ弁を部分的に拡大して示す縦断面図である。
【図6】ピストン型の油圧シリンダにリリーフ弁が配在されている状態を示す概略図である。
【図7】従来のリリーフ弁における要部を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 弁体
1a,2c 尖端部
1b,1c,2b,2d,4a,5b,5c,H1,H2 通路
1d,2a 開口
2 シート部材
3 ケーシング
3a,3b 連通孔
3c 絞り
4 ガイドロッド
4b,5d チェック弁
5 ストッパ
5a 係止部
6 捻じ込み栓
A 隙間
D,D1,D2,d,d1,d2 径
F 受圧部
H ハウジング
P 油圧給排源
R 伸側室
r 油室
S 附勢バネ
V リリーフ弁

Claims (2)

  1. 油圧シリンダの最伸長作動時にクッション室となる伸側室における異常高圧を油圧給排源に開放させるリリーフ弁において、軸芯部に開穿の通路に上記伸側室の高圧を案内させるシート部材と、背後から附勢ばねで附勢されながら上記のシート部材における通路の開口に尖端部を着座させて油圧給排源への連通を遮断する弁体と、この弁体における軸芯方向への摺動を許容するようにこの弁体の軸芯部に挿通されて先端がこの弁体の尖端部における軸芯部に開穿の通路を介して上記の開口に対向するガイドロッドとを有してなり、上記の開口における径が受圧面側の径に設定されると共に、上記のガイドロッドにおける径が上記の受圧面側の径に対抗する背圧面側の径に設定されてなり、さらに、上記ガイドロッドの先端から上記附勢ばねが配置された背後側の油室へ連通する通路を設け、この通路に上記の背後側油室から先端側への流れを許容し、その逆の流れを阻止するチェック弁を設けたことを特徴とするリリーフ弁。
  2. 油圧シリンダの最伸長作動時にクッション室となる伸側室における異常高圧を油圧給排源に開放させるリリーフ弁において、軸芯部に開穿の通路上記伸側室の高圧を案内させるシート部材と、背後から附勢ばねで附勢されながら軸芯部に開穿の通路における開口を上記のシート部材における尖端部に着座させて油圧給排源への連通を遮断する弁体と、この弁体における軸芯方向への摺動を許容するようにこの弁体の軸芯部に挿通されて先端が上記の開口に対向するガイドロッドとを有してなり、上記の開口における径が受圧面側の径に設定されると共に、上記のガイドロッドにおける径が上記の受圧面側の径に対抗する背圧面側の径に設定されてなり、さらに、上記ガイドロッドにその先端から上記附勢ばねが配置された背後側の油室へ連通する通路を設け、この通路に上記の背後側油室から先端側への流れを許容し、その逆の流れを阻止するチェック弁を設けたことを特徴とするリリーフ弁。
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