JP4155039B2 - 薄膜トランジスタ、電気光学装置、電子機器 - Google Patents

薄膜トランジスタ、電気光学装置、電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタに関する。特に半導体膜にレーザ照射を行うことにより作製した略単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタに関する。また、この薄膜トランジスタを用いた電気光学装置、及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜トランジスタ(TFT)を汎用ガラス基板に低温で製造する方法として下記非特許文献1及び非特許文献2の欄に示した文献には、基板上の絶縁膜に孔をあけて、この絶縁膜上及び孔内に非晶質珪素膜を形成した後、この非晶質珪素膜にレーザ光を照射して、前記孔の底部内の非晶質珪素を非溶融状態に保持しながらその他の部分の非晶質珪素膜を溶融状態にすることにより、非溶融状態に保持された非晶質珪素を結晶核とした結晶成長を生じさせて、非晶質珪素膜の面内における前記孔を中心とした領域を略単結晶珪素膜とする方法が開示されている。
【0003】
【非特許文献1】
「Single Crystal Thin Film Transistors」(IBM TECHNICAL DISCLOSURE BULLETIN Aug.1993 pp257-258)
【非特許文献2】
「Advanced Excimer-Laser Crystallization Techniques of Si Thin-Film For Location Control of Large Grain on Glass」(R. Ishihara等proc. SPIE 2001, vol.4295, p14〜23.)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記非特許文献1及び非特許文献2に記載されたような従来の方法では、作製可能な結晶粒の大きさは、最大でも8μm程度であり、そのような大粒径の結晶を得るためには非晶質珪素膜を例えば200nm程度まで厚く堆積し、さらにレーザ照射時に基板を200℃程度以上に加熱する必要がある。この場合、非結晶珪素膜の堆積工程やレーザ照射工程でのプロセスの負荷が大きくなると同時に、製造される薄膜トランジスタの性能も半導体膜が厚いことに起因して、良好なものを得ることは難しい。
【0005】
さらに、上記のような製造プロセスの負荷を犠牲にして8μm程度の結晶粒を形成した場合でも、薄膜トランジスタの製造工程でのマージン等を考慮すると、大きくても4μm〜5μm程度の大きさのゲート長を有する薄膜トランジスタしか作製することができない。したがって、これ以上のゲート長を有する薄膜トランジスタを形成する場合には、必ず薄膜トランジスタの能動層に結晶粒界を含むことになる。そして、能動層に結晶粒界が含まれると、結晶粒界の存在によりキャリアの移動特性が劣化してしまう。
【0006】
したがって、本発明は上述した従来の実情に鑑みて創案されたものであり、良好な移動特性を有し、ゲート長の長い薄膜トランジスタを提供することを目的とする。また、この薄膜トランジスタを用いた電気光学装置、及び電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
以上のような目的を達成する本発明に係る薄膜トランジスタは、基板の絶縁性表面上に設けられた複数の起点部のそれぞれを略中心として形成された複数の単結晶粒を含む薄膜トランジスタであって、前記複数の単結晶粒は、結晶粒界を介して隣接する第1の単結晶粒と第2の単結晶粒とを有し、前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒は、結晶粒界近傍領域に、前記隣接する単結晶粒に連続するよう形成されている高濃度不純物領域と、前記第1の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているソース領域と、前記第2の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記高濃度不純物領域以外の領域であって、前記第1の単結晶粒と第2の単結晶粒とのそれぞれに形成されているチャネル領域と、前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、相互に連結されている複数のゲート電極と、を有することを特徴とする。
【0008】
以上のような本発明に係る薄膜トランジスタでは、ソース領域とドレイン領域とを、結晶粒界を介して隣接する第1の単結晶粒と第2の単結晶粒、すなわち異なる単結晶粒に形成される。そして、該ソース領域とドレイン領域との間の領域であって、結晶粒界を含まない少なくとも第1の単結晶粒と第2の単結晶粒のそれぞれの領域にゲート電極及びチャネル領域が複数形成され、各ゲート電極が相互に連結されている。
【0009】
このような構成とすることにより、結晶粒界を含まない領域を回避しつつゲート電極及びチャネル領域の形成領域を大きく確保することが可能なため、実質的にゲート長の長い薄膜トランジスタを実現することが可能である。
【0010】
また、この薄膜トランジスタでは、結晶粒界近傍の領域高濃度不純物領域とされているため、各チャネル領域間に結晶粒界を含む構成においても、結晶粒界における結晶欠陥などの結晶の乱れに起因する特性のばらつきや低下が、豊富に存在するキャリアにより補われる。
【0011】
したがって、各チャネル領域間に結晶粒界を含む構成においても結晶粒界の影響を受けることが無く、移動特性のばらつきや低下が生じることがない。そして、なおもキャリアが豊富に存在するため、良好な移動特性を有する薄膜トランジスタを実現できる。
【0012】
したがって、この薄膜トランジスタによれば、実質的にゲート長の長い薄膜トランジスタを構成した場合と同様の特性を有し、従来では不可能であった、良好な特性を有し、且つゲート長の長い薄膜トランジスタが実現可能である。
【0013】
また、本発明に係る薄膜トランジスタは、基板の絶縁性表面上に設けられた複数の起点部のそれぞれを略中心として形成された複数の単結晶粒を含む薄膜トランジスタであって、前記複数の単結晶粒は、第1の単結晶粒と、第2の単結晶粒と、前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒との間にある少なくとも一つの他の単結晶粒とを有し、前記第1の単結晶粒、前記第2の単結晶粒および前記他の単結晶粒は結晶粒界を介して隣接し、前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒は、隣接する前記他の単結晶粒との結晶粒界近傍領域に、該隣接する他の単結晶粒に連続するよう形成されている高濃度不純物領域と、前記第1の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているソース領域と、前記第2の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記高濃度不純物領域以外の領域であって、前記第1の単結晶粒と第2の単結晶粒とのそれぞれに形成されているチャネル領域と、前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、相互に連結されている複数のゲート電極と、を有し、前記他の単結晶粒は、結晶粒界近傍領域に、前記隣接する単結晶粒の高濃度不純物領域と連続するように形成されている高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域間であって、前記起点部を含まない領域に形成されているチャネル領域とを有し、該チャネル領域上には、ゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、前記ゲート電極と相互に連結されたゲート電極が形成されていることを特徴とする。
【0014】
このように、トランジスタ領域を形成する単結晶粒の数を増やし、増やした単結晶にもゲート電極を設けた構成とすることにより、よりゲート長の長い薄膜トランジスタを実現することができる。
【0015】
また、本発明に係る薄膜トランジスタは、基板の絶縁性表面上に設けられた複数の起点部のそれぞれを略中心として形成された複数の単結晶粒を含む薄膜トランジスタであって、前記複数の単結晶粒は、第1の単結晶粒と、第2の単結晶粒と、前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒との間にある少なくとも一つの他の単結晶粒とを有し、前記第1の単結晶粒、前記第2の単結晶粒および前記他の単結晶粒は結晶粒界を介して隣接し、前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒は、隣接する前記他の単結晶粒との結晶粒界近傍領域に、該隣接する他の単結晶粒に連続するよう形成されている高濃度不純物領域と、前記第1の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているソース領域と、前記第2の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記高濃度不純物領域以外の領域であって、前記第1の単結晶粒と第2の単結晶粒とのそれぞれに形成されているチャネル領域と、前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、相互に連結されている複数のゲート電極と、を有し、前記他の単結晶粒は、結晶粒界近傍領域に、前記隣接する単結晶粒の高濃度不純物領域と連続するように形成されている高濃度不純物領域と、前記起点部近傍に形成され、前記結晶粒界近傍領域に形成されている高濃度不純物領域とは異なる高濃度不純物領域と、前記結晶粒界近傍領域に形成されている高濃度不純物領域と、前記結晶粒界近傍領域に形成されている高濃度不純物領域とは異なる高濃度不純物領域との間に形成されているチャネル領域とを有し、該チャネル領域上には、ゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、前記ゲート電極と相互に連結されたゲート電極が形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、前記の薄膜トランジスタにおいては、チャネル領域を挟んで両側に低濃度不純物領域からなる電界緩和領域を有する構成とすることが好ましい。これにより、ホットエレクトロン効果を抑えられ、信頼性の高い薄膜トランジスタを実現することができる。
【0017】
前記の単結晶粒は、非晶質または多晶質の半導体膜に熱処理を施して形成されたものであることが好ましい。このようにして形成された単結晶粒は良質な単結晶粒とされ、これを用いて薄膜トランジスタを形成することにより、良好な特性を有する薄膜トランジスタを実現することができる。
【0018】
そして、上述した起点部は、絶縁基板に形成された凹部であることが好ましい。これにより、結晶化の起点となるべき位置が容易に且つ確実に制御可能であり、位置を正確に制御して単結晶粒ができるため、形成位置が制御可能な薄膜トランジスタを実現することができる。
【0019】
そして、上述した単結晶粒は、凹部内の半導体膜に非溶融状態の部分が残り、他の部分が溶融する条件で熱処理が施されたものであることが好ましい。熱処理後の半導体膜の結晶化は、非溶融状態となっている凹部の内部、特に底部近傍から始まって周囲へ進行する。このとき、凹部の寸法を適宜設定しておくことにより、凹部の上部(開口部)には1個の結晶粒のみが到達するようになる。そして、半導体膜の溶融した部分では、凹部の上部に到達した1個の結晶粒を核として結晶化が行われるようになるので凹部を略中心とした範囲に単結晶粒を含む半導体膜を形成することが可能となる。これにより、良質な単結晶粒が得られ、この単結晶を用いることで良好な特性を有する薄膜トランジスタを実現することができる。
【0020】
また、上述した熱処理はレーザ照射が好適である。レーザを用いることにより、熱処理を効率よく且つ確実に行うことが可能であり、効率よく且つ確実に単結晶粒が形成される。ここで用いるレーザとしては、エキシマレーザ、固体レーザ、ガスレーザなど種々のものが挙げられる。
【0021】
上述した単結晶粒は、非晶質または多晶質のシリコン膜に熱処理を施して形成されたシリコン単結晶粒であることが好ましい。これにより、良質なシリコン単結晶粒を用いて薄膜トランジスタを形成することができ、良好な特性を有する薄膜トランジスタが実現できる。
【0022】
また、上述した薄膜トランジスタは、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置の表示画素の駆動素子として好適である。これにより、表示品質に優れた電気光学装置を構成することが可能となる。そして、上述した薄膜トランジスタを用いて、例えばこの電気光学装置を用いて電子機器を構成することにより、品質の良い電子機器を構成することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0024】
図1及び図2は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの構成を示す図であり、図1は平面図、図2は図1に示すA−A′方向の断面図である。なお、図1においては、主にゲート電極とトランジスタ領域(ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域)に着目し、それ以外の構成については、省略して示している。
【0025】
なお、図1では、チャネル領域26等の形状をわかりやすくするために、ゲート電極22を1点鎖線により示すとともに、下側に存在するチャネル領域26等を透過させて示している。
【0026】
本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、図2に示すように、ガラス基板10上に絶縁膜12が形成され、さらにその上に半導体膜である略単結晶珪素膜16が形成されている。また、絶縁膜12には厚み方向に、半導体膜の結晶化の際の起点となされた複数の起点部52が凹状に形成されている。以降の説明では、この起点部(凹部)を「グレイン・フィルタ」と称することとする。グレイン・フィルタ52は略単結晶珪素膜16により埋め込まれている。ここで、略単結晶珪素膜16は、後述するように複数のグレイン・フィルタ52を中心に形成された複数の単結晶粒、具体的には隣接する3つの単結晶粒161、162、163により構成されている。
【0027】
また、図2に示すように、パターニングされた略単結晶珪素膜16の一部が高濃度のソース領域24及びドレイン領域25とされ、当該ソース、ドレイン領域24、25に挟まれた部分の一部がチャネル領域261、262、263、264とされている。なお、本明細書では、チャネル領域261、262、263、264を総称してチャネル領域26と呼ぶ。
【0028】
そして、各チャネル領域261、262、263、264を挟んで両側には低濃度不純物領域からなる電界緩和領域271、272、273、274が形成されており、LDD(Lightly Doped Drain)構造とされている。これによりホットエレクトロン効果を抑え、信頼性の高い薄膜トランジスタを構成することができる。なお、本発明においては、必ずしも電界緩和領域を設けたLDD構造とする必要はなく、電界緩和領域を設けない構成とすることもできる。
【0029】
また、隣り合う電界緩和領域271、272、273、274同士の間であって、結晶粒界54を含む領域及びグレイン・フィルタ52を含む領域は、それぞれ高濃度不純物領域23a、23c及び高濃度不純物領域23bとされている。
【0030】
そして、チャネル領域26の上部には、酸化珪素膜20を介して4つに分割して形成されたゲート電極221、222、223、224が相互に連結されたゲート電極22が形成され、さらに酸化珪素膜28が形成されている。なお、ソース領域24、ドレイン領域25及びチャネル領域26には、略単結晶珪素膜16の単結晶粒161、162、163の部分が用いられている。
【0031】
一方、ソース領域24、ドレイン領域25の上部には、酸化珪素膜20及び酸化珪素膜28を介してソース電極30及びドレイン電極31が形成されている。なお、ソース電極30、ドレイン電極31は、コンタクトホールCを介してソース、ドレイン領域24、25と接続されている。
【0032】
上述したように本実施の形態に係る薄膜トランジスタにおいては、ゲート電極22が複数のグレイン・フィルタ52を中心に形成された隣接する3つの単結晶粒161、162、163の領域に分割して結晶粒界54と略平行に形成され、且つ相互に連結されている。すなわち、この薄膜トランジスタは3つの単結晶粒にまたがって構成されており、このような構成とすることにより従来のように1つの単結晶粒に構成された薄膜トランジスタに比べて実質的にゲート長の長い薄膜トランジスタが実現されている。
【0033】
現状では、グレイン・フィルタ52を起点とした結晶化を行うことにより得られる結晶粒の結晶粒径は大きくても8μm程度である。そして、薄膜トランジスタの製造工程でのマージン等を考慮すると、大きくても4μm〜5μm程度の大きさのゲート長を有する薄膜トランジスタしか作製することができない。
【0034】
この場合においても、グレイン・フィルタ52を含まない領域にゲート電極を形成することは困難である。すなわち、チャネル領域にグレイン・フィルタ52が含まれないようにすることは困難である。
【0035】
そして、これ以上のゲート長を有する薄膜トランジスタを形成する場合には、必ず薄膜トランジスタの能動層に結晶粒界を含むことになる。
【0036】
そこで、本実施の形態では、隣接する複数の単結晶粒161、162、163を用いてトランジスタ領域を形成し、従来よりも長いゲート長を有する薄膜トランジスタを実現している。
【0037】
そして、このような長いゲート長を有する薄膜トランジスタを構成するために、単結晶粒161、162、163の間の結晶粒界54及びグレイン・フィルタ52を避けてゲート電極221、222、223、224を形成し、各単結晶粒161、162、163の間の結晶粒界54及びグレイン・フィルタ52を避けてチャネル領域261、262、263、264を形成している。
【0038】
そして、各チャネル領域間の領域である結晶粒界54近傍及びグレイン・フィルタ52近傍の領域を高濃度不純物領域としている。すなわち結晶粒界54を含む領域及びグレイン・フィルタ52を含む領域は、それぞれ高濃度不純物領域23a、23c及び高濃度不純物領域23bとされ、キャリアが豊富な領域とされている。
【0039】
通常、結晶粒界54やグレイン・フィルタ52を含む領域においては、結晶欠陥など結晶の乱れを生じやすく、移動度の低下など電気的特性のばらつきや低下をもたらすことになる。したがって、結晶粒界54やグレイン・フィルタ52を含む領域を用いて薄膜トランジスタを構成すると、良好な特性を得ることができない。
【0040】
しかしながら、この薄膜トランジスタでは、各チャネル領域間に結晶粒界54やグレイン・フィルタ52を含む場合においても、結晶粒界54近傍及びグレイン・フィルタ52近傍の領域が高濃度不純物領域とされているため、結晶欠陥などの結晶の乱れ起因する特性のばらつきや低下を、豊富に存在するキャリアにより補うことが可能である。
【0041】
したがって、各チャネル領域間に結晶粒界54やグレイン・フィルタ52を含む場合においても結晶粒界54やグレイン・フィルタ52の影響を受けることが無く、移動特性のばらつきや低下が生じることがない。そして、なおもキャリアが豊富に存在するため、良好な移動特性を有する薄膜トランジスタを実現できる。
【0042】
これにより、結晶性の劣る結晶粒界54及びグレイン・フィルタ52がチャネル領域に含まれることを回避しつつ、実質的にゲート長の長い薄膜トランジスタを構成した場合と同様の特性を得ることができる。したがって、複数の単結晶粒を含む範囲の半導体膜を用いて薄膜トランジスタを形成する場合においても、従来では不可能であった、移動度等の特性が良好で、且つゲート長の長い薄膜トランジスタを実現することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、隣接する3つの単結晶粒161、162、163を用いて薄膜トランジスタを形成しているが、用いる単結晶粒の数は2つであっても良く、また3つよりも多くすることも可能である。このようにトランジスタ領域を形成する単結晶粒の数を増やすことにより、よりゲート長の長い薄膜トランジスタを形成することが可能である。
【0044】
次に、このような薄膜トランジスタの製造方法を説明する。薄膜トランジスタの製造方法は、薄膜トランジスタのチャネル領域(活性化領域)として用いるためのシリコン膜をガラス基板上に形成する工程と、形成したシリコン膜を用いて薄膜トランジスタを形成する工程とを含んでいる。以下、それぞれの工程について詳細に説明する。
【0045】
図3及び図4は、シリコン膜を形成する工程について説明する図である。図3は、シリコン膜が形成されるガラス基板10の部分的な平面図を示している。また、図4は、図3に示すB−B′方向の断面に対応している。
【0046】
図3及び図4(a)に示すように、ガラス基板(絶縁基板)10上に、絶縁膜としての酸化シリコン膜12を形成する。この酸化シリコン膜12は、例えばプラズマ化学気相堆積法(PECVD法)、低圧化学気相堆積法(LPCVD法)、スパッタリング法などの各種成膜法によって形成することができる。
【0047】
次に、酸化シリコン膜12に、半導体膜の結晶化の際の起点となる複数の起点部52、すなわちグレイン・フィルタ52を、規則的に配列されるように配置間隔を適宜設定して形成する。このグレイン・フィルタ52は、1つの結晶核のみを優先的に成長させる役割を担うためのものであり、凹状に形成される。本実施の形態におけるグレイン・フィルタ52は、例えば、直径100nm程度、高さ750nm程度の円筒状に形成することが好適である。なお、グレイン・フィルタ52は、円筒状以外の形状、例えば角柱状などとしても良い。
【0048】
グレイン・フィルタ52は、例えば次のようにして形成することができる。まず、グレイン・フィルタ52の配置のマスクを用いて酸化シリコン膜にフォトレジスト膜を塗布する。そして、このフォトレジスト膜を露光、現像して、グレイン・フィルタ52の形成位置を露出させる開口部を有するフォトレジスト膜(図示せず)を酸化シリコン膜12上に形成する。
【0049】
次に、このフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いて反応性イオンエッチングを行い、グレイン・フィルタ52の形成位置を選択的にエッチングする。この後、酸化シリコン膜12上のフォトレジスト膜を除去することによってグレイン・フィルタ52を形成することができる。
【0050】
また、より小径のグレイン・フィルタ52を形成する場合には、凹部を形成した後、該凹部(穴部)の側壁にPECVD法などによって酸化膜を径方向に成長させることにより穴径を狭めることで、より小径のグレイン・フィルタ52を形成することが可能である。
【0051】
次に、図4(b)に示すように、LPCVD法などの成膜法によって酸化シリコン膜12上及びグレイン・フィルタ52内に半導体膜を形成する。本実施の形態では、該半導体膜として非晶質のシリコン膜14を形成する。この非晶質のシリコン膜14は、50〜500nm程度の膜厚に形成することが好適である。なお、非晶質のシリコン膜14に代えて多晶質のシリコン膜を形成しても良い。
【0052】
次に、図4(c)に示すように、非晶質のシリコン膜14に対して、レーザ照射による熱処理を行い、各グレイン・フィルタ52のそれぞれを略中心とする複数の単結晶粒を形成する。このレーザ照射は、例えば波長308nm、パルス幅20〜30nsのXeClパルスエキシマレーザを用いて、エネルギー密度が0.4〜1.5J/cm2となるように行うことが好適である。このような条件でレーザ照射を行うことにより、照射したレーザは、そのほとんどがシリコン膜14の表面付近で吸収される。これは、XeClパルスエキシマレーザの波長(308nm)における非晶質シリコンの吸収係数が0.139nm-1と比較的に大きいためである。
【0053】
また、シリコン膜14に対するレーザ照射は、用いるレーザ照射用の装置の能力(照射可能面積)に応じて、照射方法を適宜選択することが可能である。例えば、照射可能面積が小さい場合であれば、各グレイン・フィルタ52とその近傍を選択的に照射する方法が考えられる。また、照射可能面積が比較的に大きい場合には、いくつかのグレイン・フィルタ52を含む範囲を順次選択してそれらの範囲に対するレーザ照射を複数回繰り返す方法などが考えられる。さらに、装置能力が非常に高い場合には、1回のレーザ照射によって全てのグレイン・フィルタ52を含む範囲に対するレーザ照射を行っても良い。
【0054】
上述したレーザ照射の条件を適宜選択することにより、シリコン膜14を、グレイン・フィルタ52内の底部には非溶融状態の部分が残り、それ以外の部分については略完全溶融状態となるようにする。これにより、レーザ照射後のシリコンの結晶成長は、グレイン・フィルタ52の底部近傍の非溶融状態の部分で先に始まり、シリコン膜14の表面付近、すなわち略完全溶融状態の部分へ進行する。
【0055】
グレイン・フィルタ52の底部では、いくつかの結晶粒が発生する。このとき、グレイン・フィルタ52の断面寸法(本実施の形態においては、円の直径)を1個の結晶粒と同程度か少し小さい程度にしておくことにより、グレイン・フィルタ52の上部(開口部)には、1個の結晶粒のみが到達するようになる。これにより、シリコン膜14の略完全溶融状態の部分では、グレイン・フィルタ52の上部に到達した1個の結晶粒を核として結晶成長が進行するようになり、図4(d)に示すように、グレイン・フィルタ52を中心とした大粒径の結晶粒、すなわち、略単結晶粒からなるシリコン膜16aを規則的に配列してなるシリコン膜16が形成される。
【0056】
図5は、ガラス基板10上に形成されるシリコン膜16を示す平面図である。同図に示すように、各シリコン膜16aは、各グレイン・フィルタ52を略中心として範囲に形成される。各シリコン膜16aの周辺部が当接する位置には、結晶粒界54が生じる。このような、シリコン膜16aを規則的に配列してなるシリコン膜16aを用いて、図1及び図2に示したゲート長の長い薄膜トランジスタを形成する。
【0057】
次に、シリコン膜16を用いて薄膜トランジスタを形成する工程(素子形成工程)について説明する。
【0058】
図6〜図11は、上述したシリコン膜16を用いて薄膜トランジスタを形成する工程を説明する図である。なお、同図は、図1におけるA−A′方向の断面図を示している。
【0059】
図6に示すように、シリコンの単結晶粒161、162、163のみを残すようにシリコン膜16をパターニングし、薄膜トランジスタの形成に不要となる部分を除去してトランジスタ領域を成形する。
【0060】
次に、図7に示すように、酸化シリコン膜12及びシリコン膜16の上面に電子サイクロトロン共鳴PECVD法(ECR−PECVD法)またはPECVD法等の成膜方法によって酸化シリコン膜20を形成する。この酸化シリコン膜20は、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として機能する。
【0061】
次に、図8に示すように、スパッタリング法などの成膜方法によってタンタル、アルミニウム等の金属薄膜を形成した後にパターニングを行うことによってゲート電極221、222、223、224を形成する。ここで、ゲート電極221、222、223、224を形成する際には、単結晶粒161、162、163において、結晶粒界54及びグレイン・フィルタ52が含まれる領域を回避して、3つの単結晶粒161、162、163の領域に分割して形成し、さらにゲート電極同士を相互に連結する。
【0062】
そして、このゲート電極221、222、223、224をマスクとして図9に示すようにドナーまたはアクセプタとなる不純物元素を打ち込む、いわゆる自己整合イオン打ち込みを行うことにより、シリコン膜16に低濃度に不純物元素を打ち込み、低濃度領域161a、162a、163aを形成する。不純物が導入されなかった部分はチャネル領域261、262、263、264となる。
【0063】
次に、図10に示すように、ゲート電極221、222、223、224を広めに覆うレジストマスク40を形成した後、高濃度のドナーまたはアクセプタとなる不純物元素をイオン注入する。その結果、低濃度領域161a、162a、163aには、高濃度不純物領域161b、161c、162b、162c、162d、163b、163cが形成される。
【0064】
そのうち、高濃度不純物領域161b、高濃度不純物領域163bが、それぞれ高濃度ソース領域24、及び高濃度ドレイン領域25とされる。また、高濃度不純物領域161c、162c、が図2における高濃度不純物領域23aとされ、高濃度不純物領域162d、163cが図2における高濃度不純物領域23cとされる。さらに、高濃度不純物領域162bが図2における高濃度不純物領域23bとされる。
【0065】
一方、低濃度領域161a、162a、163aのうち、レジストマスク40で覆われていた部分は、そのまま電界緩和領域である低濃度領域271、272、273、274となる。このようにして、LDD構造の薄膜トランジスタを形成することができる。しかる後に、レジストマスク40を除去する。
【0066】
本実施の形態においては、例えば不純物元素としてリン(P)を打ち込み、その後、XeClエキシマレーザを400mJ/cm2程度のエネルギー密度に調整して照射して不純物元素を活性化することによってN型の薄膜トランジスタを形成する。なお、レーザ照射の代わりに250℃〜400℃程度の温度で熱処理を行うことにより不純物元素の活性化を行っても良い。
【0067】
次に、図11に示すように酸化シリコン膜20及びゲート電極22の上面にPECVD法などの成膜法によって500nm程度の膜厚の酸化シリコン膜28を形成する。次に、酸化シリコン膜20、28を貫通してソース領域24及びドレイン領域25のそれぞれに至るコンタクトホールCを形成し、これらのコンタクトホールC内にスパッタリング法などの成膜法によりアルミニウム、タングステン等の金属を埋め込み、その後パターニングすることによってソース電極30及びドレイン電極31を形成する。以上に説明した製造方法によって、本実施の形態の薄膜トランジスタが形成される。
【0068】
次に、本発明に係る薄膜トランジスタの適用例について説明する。本発明に係る薄膜トランジスタは、電気光学装置において、例えば液晶表示装置のスイッチング素子として、或いは有機EL表示装置の駆動素子として利用することができる。
【0069】
図12は、本発明に係る電気光学装置の一例である表示装置100の回路の接続状態を示す図である。図7に示すように、表示装置100は、表示領域111内に画素領域112を配置して構成される。画素領域112は、有機EL発光素子を駆動する薄膜トランジスタを使用している。そして、薄膜トランジスタは、上述した本発明に係る薄膜トランジスタを使用している。
【0070】
ドライバ領域115からは、発光制御線(Vgp)及び書き込み制御線が各画素領域112に供給されている。ドライバ領域116からは、電流線(Idata)及び電源線(Vdd)が各画素領域112に供給されている。書き込み制御線と電流線(Idata)を制御することにより、各画素領域に対する電流プログラムが行われ、発光制御線(Vgp)を制御することにより発光が制御される。また、ドライバ領域115及び116についても本発明に係る薄膜トランジスタが使用可能である。
【0071】
なお、前記において説明した回路は、発光要素に電流発光素子を使用する場合の回路の一例であり、他の回路構成とすることも可能である。また、発光要素には電流発光素子以外にも液晶表示素子を用いることも可能であり、この場合は液晶表示素子に対応して回路構成を変更すればよい。
【0072】
図13は、上述した表示装置100を適用可能な電子機器、すなわち本発明に係る半導体装置を適用可能な電子機器の具体例を示す図である。
【0073】
図13(a)は、本発明に係る薄膜トランジスタが搭載された携帯電話230であり、該携帯電話230は、電気光学装置(表示パネル)100、アンテナ部231、音声出力部232、音声入力部233、及び操作部234などを備えて構成されている。携帯電話230においては、上述した表示装置100は表示パネルとして利用可能であり、本発明に係る薄膜トランジスタは、例えば表示パネルや、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置に適用される。
【0074】
図13(b)は、本発明に係る薄膜トランジスタが搭載されたビデオカメラ240であり、該ビデオカメラ240は、電気光学装置(表示パネル)100、受像部241、操作部242、及び音声入力部243などを備えて構成されている。ビデオカメラ240においては、上述した表示装置100は表示パネルとして利用可能であり、本発明に係る薄膜トランジスタは、例えば表示パネルや、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置に適用される。
【0075】
図13(c)は、本発明に係る薄膜トランジスタが搭載された携帯型パーソナルコンピュータ250であり、該携帯型パーソナルコンピュータ250は、電気光学装置(表示パネル)100、カメラ部251、及び操作部252などを備えて構成されている。携帯型パーソナルコンピュータ250においては、上述した表示装置100は表示パネルとして利用可能であり、本発明に係る薄膜トランジスタは、例えば表示パネルや、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置に適用される。
【0076】
図13(d)は、本発明に係る薄膜トランジスタが搭載されたヘッドマウントディスプレイ260であり、該ヘッドマウントディスプレイ260は、電気光学装置(表示パネル)100、バンド部261、及び光学系収納部262などを備えて構成されている。ヘッドマウントディスプレイ260においては、上述した表示装置100は表示パネルとして利用可能であり、本発明に係る薄膜トランジスタは、例えば表示パネルや、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置に適用される。
【0077】
図13(e)は、本発明に係る薄膜トランジスタが搭載されたリア型プロジェクター270であり、該リア型プロジェクター270は、電気光学装置(光変調器)100、光源272、光学系273、ミラー274、ミラー275、及びスクリーン276などを筐体内271に備えて構成されている。リア型プロジェクター270においては、上述した表示装置100は光変調器として利用可能であり、本発明に係る半導体装置は、例えば光変調器や、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置に適用される。
【0078】
図13(f)は、本発明に係る薄膜トランジスタが搭載されたフロント型プロジェクター280であり、該フロント型プロジェクター280は、電気光学装置(画像表示源)100及び光学系281などを筐体内282に備えて構成されており、画像をスクリーン283に表示可能とされている。フロント型プロジェクター280においては、上述した表示装置100は画像表示源として利用可能であり、本発明に係る半導体装置は、例えば画像表示源や、内蔵される集積回路に設けられる半導体装置に適用される。
【0079】
なお、本発明に係る薄膜トランジスタは、前記の電子機器に限らず、あらゆる電子機器に適用可能である。例えば、前記の他にも、腕時計、ICカード、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどの製造にも適用可能であり、高品質な電子機器が実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る薄膜トランジスタを示す平面図である。
【図2】 本発明に係る薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図3】 シリコン膜の形成方法について説明する平面図である。
【図4】 シリコン膜の形成方法について説明する工程図である。
【図5】 ガラス基板上に形成されたシリコン膜を示す平面図である。
【図6】 薄膜トランジスタの製造方法を説明する工程図である。
【図7】 薄膜トランジスタの製造方法を説明する工程図である。
【図8】 薄膜トランジスタの製造方法を説明する工程図である。
【図9】 薄膜トランジスタの製造方法を説明する工程図である。
【図10】 薄膜トランジスタの製造方法を説明する工程図である。
【図11】 薄膜トランジスタの製造方法を説明する工程図である。
【図12】 本発明に係る電気光学装置の例を示す構成図である。
【図13】 本発明に係る電気機器の例を示す図である。
【符号の説明】
10 ガラス基板、12 絶縁膜、16 略単結晶珪素膜、161、162、163 単結晶粒、20 酸化珪素膜、22、221、222、223、224 ゲート電極、23a、23b、23c 高濃度不純物領、24 ソース領域、25 ドレイン領域、26、261、262、263、264 チャネル領域、271、272、273、274 電界緩和領域、28 酸化珪素膜、30 ソース電極、31 ドレイン電極、52 起点部(グレイン・フィルタ)、54 結晶粒界

Claims (11)

  1. 基板の絶縁性表面上に設けられた複数の起点部のそれぞれを略中心として形成された複数の単結晶粒を含む薄膜トランジスタであって、
    前記複数の単結晶粒は、結晶粒界を介して隣接する第1の単結晶粒と第2の単結晶粒とを有し、
    前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒は、結晶粒界近傍領域に、前記隣接する単結晶粒に連続するよう形成されている高濃度不純物領域と、
    前記第1の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているソース領域と、
    前記第2の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているドレイン領域と、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記高濃度不純物領域以外の領域であって、前記第1の単結晶粒と第2の単結晶粒とのそれぞれに形成されているチャネル領域と、
    前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、相互に連結されている複数のゲート電極と、
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 基板の絶縁性表面上に設けられた複数の起点部のそれぞれを略中心として形成された複数の単結晶粒を含む薄膜トランジスタであって、
    前記複数の単結晶粒は、第1の単結晶粒と、第2の単結晶粒と、前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒との間にある少なくとも一つの他の単結晶粒とを有し、
    前記第1の単結晶粒、前記第2の単結晶粒および前記他の単結晶粒は結晶粒界を介して隣接し、
    前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒は、隣接する前記他の単結晶粒との結晶粒界近傍領域に、該隣接する他の単結晶粒に連続するよう形成されている高濃度不純物領域と、
    前記第1の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているソース領域と、
    前記第2の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているドレイン領域と、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記高濃度不純物領域以外の領域であって、前記第1の単結晶粒と第2の単結晶粒とのそれぞれに形成されているチャネル領域と、
    前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、相互に連結されている複数のゲート電極と、
    を有し、
    前記他の単結晶粒は、結晶粒界近傍領域に、前記隣接する単結晶粒の高濃度不純物領域と連続するように形成されている高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域間であって、前記起点部を含まない領域に形成されているチャネル領域とを有し
    該チャネル領域上には、ゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、前記ゲート電極と相互に連結されたゲート電極が形成されていること
    を特徴とする薄膜トランジスタ。
  3. 基板の絶縁性表面上に設けられた複数の起点部のそれぞれを略中心として形成された複数の単結晶粒を含む薄膜トランジスタであって、
    前記複数の単結晶粒は、第1の単結晶粒と、第2の単結晶粒と、前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒との間にある少なくとも一つの他の単結晶粒とを有し、
    前記第1の単結晶粒、前記第2の単結晶粒および前記他の単結晶粒は結晶粒界を介して隣接し、
    前記第1の単結晶粒と前記第2の単結晶粒は、隣接する前記他の単結晶粒との結晶粒界近傍領域に、該隣接する他の単結晶粒に連続するよう形成されている高濃度不純物領域と、
    前記第1の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているソース領域と、
    前記第2の単結晶粒の起点部を含む領域に形成されているドレイン領域と、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記高濃度不純物領域以外の領域であって、前記第1の単結晶粒と第2の単結晶粒とのそれぞれに形成されているチャネル領域と、
    前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、相互に連結されている複数のゲート電極と、を有し、
    前記他の単結晶粒は、結晶粒界近傍領域に、前記隣接する単結晶粒の高濃度不純物領域と連続するように形成されている高濃度不純物領域と、
    前記起点部近傍に形成され、前記結晶粒界近傍領域に形成されている高濃度不純物領域とは異なる高濃度不純物領域と、
    前記結晶粒界近傍領域に形成されている高濃度不純物領域と、前記結晶粒界近傍領域に形成されている高濃度不純物領域とは異なる高濃度不純物領域との間に形成されているチャネル領域とを有し
    該チャネル領域上には、ゲート絶縁膜を介して該チャネル領域に対応して形成され、前記ゲート電極と相互に連結されたゲート電極が形成されていること
    を特徴とする薄膜トランジスタ。
  4. 前記チャネル領域を挟んで両側に低濃度不純物領域からなる電界緩和領域を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記単結晶粒は、非晶質または多晶質の半導体膜に熱処理を施してなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記起点部は、前記絶縁性表面に形成された凹部であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記単結晶粒は、前記半導体膜に前記凹部内の半導体膜が非溶融状態となり、他の部分が溶融する条件で前記熱処理を施してなることを特徴とする請求項6に記載の薄膜トランジスタ。
  8. 前記熱処理は、レーザ照射であることを特徴とする請求項5〜7に記載の薄膜トランジスタ。
  9. 前記単結晶粒は、非晶質または多晶質のシリコン膜に熱処理を施してなるシリコン単結晶粒であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載の薄膜トランジスタ。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載の薄膜トランジスタを備えることを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項1〜請求項9のいずれか一つに記載の薄膜トランジスタを備えることを特徴とする電子機器。
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