JP4560708B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法及びこの製造方法により製造される半導体装置、電気光学装置、集積回路及び電子機器に関する。
電気光学装置、例えば、液晶表示装置や有機EL(エレクトロルミネセンス)表示装置などにおいては、半導体素子としての薄膜トランジスタを含んで構成される薄膜回路を用いて画素のスイッチングなどを行っている。従来の薄膜トランジスタは、非晶質シリコン膜を用いて、チャネル形成領域等の活性領域を形成している。また、多結晶シリコン膜を用いて活性領域を形成した薄膜トランジスタも実用化されている。多結晶シリコン膜を用いることにより、非晶質シリコン膜を用いた場合に比較して移動度などの電気的特性が向上し、薄膜トランジスタの性能を向上させることができる。
また、薄膜トランジスタの性能を更に向上させるために、大きな結晶粒からなる半導体膜を形成し、薄膜トランジスタのチャネル形成領域内に結晶粒界が入り込まないようにする技術が検討されている。例えば、基板上に微細孔を形成し、この微細孔を結晶成長の起点として半導体膜の結晶化を行うことにより、大粒径のシリコンの結晶粒を形成する技術が提案されている。このような技術は、例えば、特開平11−87243号公報(特許文献1)、文献「Single Crystal Thin Film Transistors;IBM TECHNICAL DISCLOSURE BULLETIN Aug.1993 pp257-258」(非特許文献1)、文献「Advanced Excimer-Laser Crystallization Techniques of Si Thin-Film For Location Control of Large Grain on Glass;R.Ishihara et al. , proc.SPIE 2001, vol.4295 pp14-23」(非特許文献2)などに記載されている。
また更に、前記微細孔を用いる方法においても、薄膜トランジスタを微細孔上に形成するよりも、微細孔を含まないような結晶粒内の位置に薄膜トランジスタを形成する方が、優れた特性が実現できることが、例えば文献「Dependence of Single-Crystalline Si TFT Characteristics on the Channel Position in a Location-Controlled Grain」(非特許文献3)に報告されている。
これらの技術を用いて形成される大結晶粒径のシリコン膜を用いて薄膜トランジスタを形成することにより、1つの薄膜トランジスタの形成領域(特に、チャネル形成領域)に結晶粒界が入り込まないようにすることが可能となる。これにより、移動度等の電気的特性に優れた薄膜トランジスタを実現することが可能になる。
特開平11−87243号公報 「Single Crystal Thin Film Transistors」, IBM TECHNICAL DISCLOSURE BULLETIN Aug.1993 pp257-258 「Advanced Excimer-Laser Crystallization Techniques of Si Thin-Film For Location Control of Large Grain on Glass 」, R.Ishihara et al. , proc.SPIE 2001, vol.4295, pp14-23 「Dependence of Single-Crystalline Si TFT Characteristics on the Channel Position in a Location-Controlled Grain」, Vikas Rana et al. , AM-LCD 03, pp17-20
ところで薄膜トランジスタを用いて半導体素子として用いて電気光学装置、例えば、液晶表示装置や有機EL(エレクトロルミネセンス)表示装置などの回路を構成する場合、その回路機能の高性能化や、製品の小型化が進むに伴って、薄膜トランジスタを用いた回路の集積度向上が要求される。しかしながら前記微細孔を用いた薄膜トランジスタの形成方法では、結晶の成長の起点となる微細孔を含まないように薄膜トランジスタを配置する必要があるため、回路設計、特に配置(レイアウト)の観点で自由度が制限され、このことは薄膜トランジスタを用いた回路の集積度向上を困難なものとさせる。
よって本発明は、微細孔を用いた薄膜トランジスタの形成において、回路設計上の自由度の制限を軽微なものとし、薄膜トランジスタの高集積化を可能とする半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも一方の表面が絶縁性の基板に半導体膜を用いて薄膜トランジスタを形成する半導体装置の製造方法であって、基板上に半導体膜の結晶化の際の起点となるべき複数の起点部を形成する起点部形成工程と、起点部が形成された基板上に半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、半導体膜に熱処理を行い、複数の起点部のそれぞれを略中心とする複数の略単結晶粒を形成する熱処理工程と、半導体膜をパターニングし、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域となるべきトランジスタ領域を形成するパターニング工程と、トランジスタ領域上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成して薄膜トランジスタを形成してNチャネル薄膜トランジスタ及びPチャネル薄膜トランジスタを形成する素子形成工程と、を含み、
前記パターニング工程では、Nチャネル薄膜トランジスタを、前記起点部を含まないように前記略単結晶粒上に形成し、Pチャネル薄膜トランジスタを前記略単結晶粒上に形成する。
上記方法によれば、起点部を起点として半導体膜として高性能な略単結晶粒が形成されるが、Nチャネル薄膜トランジスタはこの起点部を含まないように形成するので、優れた特性を実現できる。またPチャネル薄膜トランジスタでは、前記略単結晶粒内に含まれる欠陥に対して影響を受け難いため、前記略単結晶上の任意の位置に形成される。したがって、少なくともPチャネル薄膜トランジスタについては、起点部の位置を考慮する必要なく、薄膜トランジスタを配置することが可能である。
なお、「起点部」とは結晶成長における起点であり、熱処理によって起点部から略単結晶粒の結晶が成長していく部分である。
「半導体膜」に限定はなく、例えば多結晶半導体膜やアモルファス半導体膜を含む。
「略中心」とは幾何的に中心という意味ではなく、上記したように結晶成長の起点となるがために成長直後の略単結晶粒の中程に位置することになるという意味である。
「略単結晶粒」とは、Σ3やΣ9やΣ27といった規則粒界(対応粒界)は含み得るが、不規則粒界を含まないものを言う。
また、「起点部」は、例えば、基板に形成された凹部である。凹部上に形成しておくと熱処理過程により凹部の底部から結晶成長が生じるからである。このとき凹部の径は、多結晶半導体の一つの粒界の径と同等か少し小さい径を有することが好ましい。
また、熱処理工程は、レーザ照射によって行われることは好ましい。レーザ照射によれば、一部の半導体膜に効率よくエネルギーを供給し、一部のみを融解させることによって略単結晶粒を成長させやすいからである。
また本発明は、基板上に形成された半導体膜を用いて形成されるNチャネル薄膜トランジスタ及びPチャネル薄膜トランジスタを含んで構成される半導体装置であって、半導体膜は、基板上に設けられた複数の起点部を起点として形成された複数の略単結晶粒を含んでおり、薄膜トランジスタのうち、Nチャネル薄膜トランジスタは前記起点部を含まないように前記略単結晶粒上に形成され、Pチャネル薄膜トランジスタは前記略単結晶粒上に形成されている、半導体装置でもある。当該半導体装置は、例えば上記した半導体装置の製造方法によって製造されるものであり、Nチャネル薄膜トランジスタでは起点部を含まないため特性の優れた薄膜トランジスタが実現し、またPチャネル薄膜トランジスタでは、略単結晶粒上に形成されているので、やはり特性に優れ、かつ略単結晶粒上の任意の位置に形成できるため、Pチャネル薄膜トランジスタの配置に対する制限が少ない。その結果、薄膜トランジスタを用いた回路設計の観点から、薄膜トランジスタの配置(レイアウト)について自由度が増し、高集積化が可能となる。
ここで、起点部は、基板に形成された凹部であることが好ましい。凹部上に形成しておくと熱処理過程により凹部の底部から結晶成長が生じるからである。このとき凹部の径は、多結晶半導体の一つの粒界の径と同等か少し小さい径を有することが好ましい。
次に本発明を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
< 第1の実施の形態 >
< 構成 >
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の製造方法は、(1)基板上に半導体膜であるシリコン膜の結晶化の起点となる微細孔を形成する工程と、(2)微細孔からシリコン結晶粒を成長・形成させる工程と、(3)前記シリコン結晶粒を含むシリコン膜を用いて薄膜トランジスタを形成する工程とを含んでいる。以下、それぞれの工程について詳細に説明する。
(1)微細孔形成工程
図1(a)に示すように、ガラス基板11上に下地絶縁膜としての酸化シリコン膜121を形成する。膜厚はたとえば200nm程度である。次に前記下地絶縁膜121上に第一絶縁膜122として酸化シリコン膜を膜厚550nmで形成する。次に前記第一絶縁膜122に直径1μm程度以下の孔123を形成する(図1(b))。この形成手法としては、マスクを用いて前記第一絶縁膜122用上に塗布したフォトレジスト膜を露光、現像して、前記孔123の形成位置を露出させる開口部を有するフォトレジスト膜(図示せず)を第一絶縁膜122上に形成し、このフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いて反応性イオンエッチングを行い、その後、前記フォトレジスト膜を除去することによって形成することができる。次に前記孔を含む前記第一絶縁膜122上に、第二絶縁膜124としての酸化シリコン膜を形成する(図1(c))。この第二絶縁膜124の堆積膜厚を調整することによって、前記孔123の直径を狭め、直径20nmから150nm程度の微細孔125を形成する。
これら下地絶縁膜121、第一絶縁膜122、第二絶縁膜124(これらの層を併せて絶縁層12とも呼ぶ)はいずれも例えばTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)やシラン(SiH4)ガスを原料として用いたPECVD法により形成可能である。
(2)結晶粒形成過程
図1(d)に示すように、LPCVD法やPECVD法などの製膜法によって、前記第二絶縁膜124である酸化シリコン膜上及び前記微細孔125内に、半導体膜として用いる非晶質シリコン膜130を形成する。この非晶質シリコン膜130は、50〜300nm程度の膜厚に形成することが好適である。また、非晶質シリコン膜130に代えて、多結晶シリコン膜を形成してもよい。なお、これらシリコン膜13をLPCVD法やPECVD法により形成した場合には、形成されるシリコン膜13中の水素含有量が比較的に多くなる場合がある。このような場合には、後述するレーザ照射時にシリコン膜13のアブレーションが生じないようにするために、当該シリコン膜の水素含有量を低くする(好適には1%以下)ための熱処理を行うとよい。
次に、図1(e)に示すように、前記シリコン膜13に対してレーザ照射Lを行う。このレーザ照射は、例えば、波長308nm、パルス幅20〜30nsのXeClパルスエキシマレーザ、またはパルス幅200ns程度のXeClエキシマレーザを用いて、エネルギー密度が0.4〜2.0J/cm2 程度となるように行うことが好適である。このような条件でレーザ照射を行うことにより、照射したレーザは、そのほとんどがシリコン膜の表面付近で吸収される。これは、XeClパルスエキシマレーザの波長(308nm)における非晶質シリコンの吸収係数が0.139nm-1と比較的に大きいためである。
レーザ照射Lの条件を適宜に選択することにより、シリコン膜を、微細孔125内の底部には非溶融状態の部分が残り、それ以外の部分については略完全溶融状態となるようにする。これによりレーザ照射後のシリコンの結晶成長は微細孔の底部近傍で先に始まり、シリコン膜13の表面付近、すなわち略完全溶融状態の部分へ進行する。レーザ照射Lのエネルギーがこれよりやや強く、微細孔125内の底部に非溶融状態の部分が残らない場合においても、略完全溶融状態であるシリコン膜13の表面付近と、微細孔125の底部との間に生じる温度差により、やはりレーザ照射後のシリコンの結晶成長は微細孔125の底部近傍で先に始まり、先と同様にシリコン膜13の表面付近、すなわち略完全溶融状態の部分へ進行し得る。
シリコン結晶成長の初期段階では、微細孔125の底部においていくつかの結晶粒が発生し得る。このとき、微細孔125の断面寸法(本実施形態では、円の直径)を1個の結晶粒と同程度か少し小さい程度にしておくことにより、微細孔125の上部(開口部)には1個の結晶粒のみが到達するようになる。これにより、シリコン膜13の略完全溶融状態の部分では、微細孔125の上部に到達した1個の結晶粒を核として結晶成長が進行するようになり、図3(a)に示すように、微細孔125を略中心とした大粒径のシリコン略単結晶粒131を規則的に配列してなるシリコン膜を形成可能となる。
ここでシリコン略単結晶粒とは、Σ3やΣ9やΣ27といった規則粒界(対応粒界)は含み得るが、不規則粒界を含まないものを言う。一般に不規則粒界は多くのシリコン不対電子を含むため、そこに形成する薄膜トランジスタの特性の低下や特性のばらつきの大きな要因となるが、本手法によって形成されるシリコン略単結晶粒にはそれを含まないため、この中に薄膜トランジスタを形成することで、優れた特性を有する薄膜トランジスタが実現可能となる。しかしここで、前記微細孔125の直径が150nm程度以上の大きい直径を有する微細孔である場合は、微細孔125底部で発生した複数の結晶粒が微細孔上部まで成長して到達し、その結果、前記微細孔125を略中心として形成されるシリコン結晶粒には不規則粒界を含むことになる。
なお、上述したレーザ照射Lによる結晶化の際に、併せてガラス基板を加熱することも好ましい。例えば、ガラス基板を載置するステージによって当該ガラス基板の温度が200℃〜400℃程度となるように加熱処理を行うとよい。このように、レーザ照射と基板加熱とを併用することにより、各シリコン略単結晶粒131の結晶粒径を更に大粒径化することが可能となる。基板加熱を併用することにより、当該加熱を行わない場合に比較してシリコン略単結晶粒131の粒径を概ね1.5倍〜2倍程度にすることができる。更には、基板加熱の併用によって結晶化の進行が緩やかになるため、シリコン略単結晶粒の結晶性がより向上するという利点もある。
このように基板11上の所望の場所に微細孔125を形成しておくことで、レーザ照射後には前記微細孔125を略中心として、比較的結晶性の優れたシリコン略単結晶粒131を形成することが可能となる。また本願発明者らの詳細な調査では、この結晶粒131内の前記微細孔125付近には規則粒界が多く存在するが、それ以外では特にその結晶性は優れていることが確認されている。
上述した微細孔125を起点とした結晶化を行うことにより得られるシリコン略単結晶粒131の結晶粒径は6μm程度の大きさである。このため、微細孔125を6μm以下の間隔で複数個配置することにより、図3(a)に示すように、複数のシリコン略単結晶粒131が互いに接するように形成することができる。
なお、このときの微細孔125の配置方法は問わないが、例えば図3(a)に示すように左右上下に等間隔に微細孔125を配置する方法の他に、例えば、図3(b)に示すように、近接する微細孔125が全て等間隔になるように配置する方法などが考えられる。このように微細孔125を形成すると、結晶粒131間の粒界132の平面形状が略六角形となる。微細孔125からの結晶成長の速度がどの孔についても等しいとすれば、隣接する略単結晶粒131の粒界132は、それらの微細孔125から等距離の線分に沿って発生する。つまり、略単結晶粒131の形状は、微細孔125の平面配置によって図3に限定されず、種々に変わるものである。
(3)薄膜トランジスタ形成工程
次に、薄膜トランジスタTを形成する工程について説明する。図4及び図5は、薄膜トランジスタTを形成する工程を説明する説明図であり、図4(a)と図4(b)は完成後の薄膜トランジスタの平面図、図5(a)〜図5(c)は図4(a)に示すB−B’方向の断面図を示している。
このように複数のシリコン略単結晶粒131が並んだシリコン膜に対し、薄膜トランジスタの形成に不要となる部分を除去し整形するよう、シリコン膜のパターニングを行ってパターニングされたシリコン膜133Nおよび133Pを形成する。この時、Nチャネル薄膜トランジスタのチャネル形成領域135Nとなる部分には、微細孔125及びその近傍を含まないようにすることが望ましい。これは微細孔125及びその周辺は対応粒界が多く存在するため結晶性の乱れが多いことや、また微細孔125の内部に存在し得る不規則粒界や空隙(ボイド)等の結晶欠陥が、Nチャネル薄膜トランジスタのキャリアである電子の移動に大きな影響を与えるためである。これに対して、Pチャネル薄膜トランジスタのチャネル形成領域135Pとなる部分は、シリコン略単結晶粒131上であれば、微細孔125上やその近傍に形成してもよい。これは本願発明者の詳細な調査において、Pチャネル薄膜トランジスタのキャリアであるホールに対しては、シリコン略単結晶粒131に含まれる対応粒界及び微細孔125内部の結晶欠陥による影響が軽微であることが確認されたためである。これによって、図4に示すように、Pチャネル薄膜トランジスタのチャネル形成領域135Pとなる部分は、シリコン略単結晶粒131上であれば、微細孔125の位置を考慮することなく、自由に配置することが出来る。これは特にNチャネル及びPチャネルの両チャネルの薄膜トランジスタを用いるCMOS回路の設計において、薄膜トランジスタの配置(レイアウト)の観点から大きな設計自由度を与える。
また一般にNチャネル薄膜トランジスタに対してPチャネル薄膜トランジスタの電流駆動能力は低いため、両者が同等の電流駆動能力を実現するためには、Pチャネル薄膜トランジスタはNチャネル薄膜トランジスタに比べて、より大きなチャネル幅を有する薄膜トランジスタを形成する必要である。これに対して本願発明によれば、シリコン略単結晶粒131の略中心である微細孔125を中心にPチャネル薄膜トランジスタを形成できるため、シリコン略単結晶粒131の直径程度の大きなチャネル幅を有する薄膜トランジスタを実現できるといった利点がある。図4(b)の右端にあるPチャネル薄膜トランジスタ133Pがこれに相当する。
また図4では、Nチャネル薄膜トランジスタとPチャネル薄膜トランジスタを異なるシリコン略単結晶粒上に形成した場合を示したが、単一のシリコン略単結晶粒上に両チャネルの薄膜トランジスタを形成しても構わない。
次に、図5(a)に示すように、第二絶縁膜である酸化シリコン膜124(12)及びパターニングされたシリコン膜133の上面に、電子サイクロトロン共鳴PECVD法(ECR−PECVD法)または平行平板型のPECVD法等によって酸化シリコン膜14を形成する。この酸化シリコン膜14は、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として機能し、膜厚は10nm〜150nm程度が好ましい。
次に、図5(b)に示すように、スパッタリング法などの製膜法によってタンタル、アルミニウム等の金属薄膜を形成した後に、パターニングを行うことによって、ゲート電極15及びゲート配線膜を形成する。そして、このゲート電極15をマスクとしてドナーまたはアクセプタとなる不純物元素を打ち込む、いわゆる自己整合イオン打ち込みを行うことにより、シリコン膜133にNチャネル薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域134N及びチャネル形成領域135N、並びにPチャネル薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域134P及びチャネル形成領域135Pを形成する。例えば、Nチャネル薄膜トランジスタでは、不純物元素としてリン(P)を打ち込み、Pチャネル薄膜トランジスタでは、不純物元素としてボロン(B)を打ち込み、その後、450℃程度の温度で熱処理を行うか、200mJ/cm2程度のエネルギーでレーザを照射することにより、不純物元素の打ち込みによって損傷したシリコン結晶粒の結晶性回復及び不純物元素の活性化を行う。
次に、図5(c)に示すように、ゲート絶縁膜14である酸化シリコン膜及びゲート電極15の上面に、PECVD法などの製膜法によって、500nm程度の膜厚の酸化シリコン膜16を形成する。この酸化シリコン膜16は層間絶縁膜として機能する。次に、この層間絶縁膜16とゲート絶縁膜14を貫通してソース領域及びドレイン領域のそれぞれに至るコンタクトホール161・162を形成し、これらのコンタクトホール内に、スパッタリング法などの製膜法によってアルミニウム、タングステン等の金属を埋め込み、パターニングすることによって、ソース電極181及びドレイン電極182を形成する。
以上に説明した製造方法によって、本実施形態の薄膜トランジスタが形成される。
次に、本発明に係る薄膜トランジスタの適用例について説明する。本発明に係る薄膜トランジスタは、液晶表示装置のスイッチング素子として、あるいは有機EL表示装置の駆動素子として利用することができる。
図6は、本実施形態の電気光学装置の一例である表示装置1の接続状態を示す図である。図6に示すように、表示装置1は、表示領域内に画素領域Gを配置して構成される。画素領域Gは有機EL発光素子OELDを駆動する薄膜トランジスタT1〜T4を使用している。薄膜トランジスタT1〜T4は上述した実施形態の製造方法によって製造されるものが使用される。ドライバ領域2からは、発光制御線Vgp及び書き込み制御線Vselが各画素領域Gに供給されている。ドライバ領域3からは、電流線Idata及び電源線Vddが各画素領域Gに供給されている。書き込み制御線Vselと定電流線Idataを制御することにより、各画素領域Gに対する電流プログラムが行われ、発光制御線Vgpを制御することにより発光が制御される。また、本実施形態の薄膜トランジスタT1〜T4は、ドライバ領域2及び3についても本発明のトランジスタが使用可能であり、特にドライバ領域2や3に含まれる発光制御線Vgp及び書き込み制御線Vselを選択するバッファー回路など大電流が必要とされる用途に有用である。
図7は、表示装置1を適用可能な電子機器の例を示す図である。上述した表示装置1は、種々の電子機器に適用可能である。
図7(a)は携帯電話への適用例であり、当該携帯電話20は、アンテナ部21、音声出力部22、音声入力部23、操作部234、及び本発明の表示装置100を備えている。このように本発明の表示装置1は表示部として利用可能である。
図7(b)はビデオカメラへの適用例であり、当該ビデオカメラ30は、受像部31、操作部32、音声入力部33、及び本発明の表示装置1を備えている。このように本発明の表示装置1は、ファインダや表示部として利用可能である。
図7(c)は携帯型パーソナルコンピュータ(いわゆるPDA)への適用例であり、当該コンピュータ40は、カメラ部41、操作部42、及び本発明の表示装置1を備えている。このように本発明の表示装置1は、表示部として利用可能である。
図7(d)はヘッドマウントディスプレイへの適用例であり、当該ヘッドマウントディスプレイ50は、バンド51、光学系収納部52及び本発明の表示装置1を備えている。このように本発明の表示パネルは画像表示源として利用可能である。
図7(e)はリア型プロジェクターへの適用例であり、当該プロジェクター60は、筐体61に、光源62、合成光学系63、ミラー64、65、スクリーン66、及び本発明の表示装置1を備えている。このように本発明の表示装置1は画像表示源として利用可能である。
図7(f)はフロント型プロジェクターへの適用例であり、当該プロジェクター70は、筐体72に光学系71及び本発明の表示装置1を備え、画像をスクリーン73に表示可能になっている。このように本発明の表示装置は画像表示源として利用可能である。
本発明のトランジスタを使用した表示装置1は、上述した例に限らずアクティブ型あるいはパッシブマトリクス型の、液晶表示装置及び有機EL表示装置を適用可能なあらゆる電子機器に適用可能である。例えば、この他に、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイなどにも活用することができる。
なお、上述した実施形態にかかる半導体装置の製造方法と素子転写技術とを組み合わせることも可能である。具体的には、上述した実施形態にかかる方法を適用して、転写元となる第1基板上に半導体装置を形成した後に、当該半導体装置を転写先となる第2基板上に転写(移動)する。これにより、第1基板については、半導体膜の成膜やその後の素子形成に都合のよい条件(形状、大きさ、物理的特性等)を備えた基板を用いることができるので、当該第1基板上に微細かつ高性能な半導体素子を形成することが可能となる。また、第2基板については、素子形成プロセス上の制約を受けることがなく、大面積化が可能となると共に、合成樹脂やソーダガラス等からなる安価な基板や可撓性を有するプラスチックフィルム等、幅広い選択肢から所望のものを用いることが可能となる。したがって、微細かつ高性能な薄膜半導体素子を大面積の基板に容易に(低コストに)形成することが可能となる。
微細孔の形成、及びシリコン略単結晶粒を形成する工程を説明する説明図である。 シリコン略単結晶粒を形成する工程について説明する説明図である。 シリコン略単結晶粒が形成された場合に、微細孔の配置とその配置に対応して形成される略単結晶粒の形状との関係を説明する平面図である。 Nチャネル及びPチャネル薄膜トランジスタについて、主にゲート電極と活性領域(ソース領域、ドレイン領域、チャネル形成領域)に着目し、それ以外の構成を省略して示した平面図である。 Nチャネル及びPチャネル薄膜トランジスタを形成する工程を説明する説明図である。 電気光学装置の一例である表示装置の接続状態を示す図である。 表示装置を適用可能な電子機器の例を示す図である。
符号の説明
11…ガラス基板、 12(121、122、124)、14、16…酸化シリコン膜、 123…凹部、 125…微細孔、 13…シリコン膜、 131…シリコン略単結晶粒、 132…結晶粒界、 133…半導体膜(トランジスタ領域)、 133N…半導体膜(Nチャネル薄膜トランジスタ領域)、 133P…半導体膜(Pチャネル薄膜トランジスタ領域)、 15…ゲート電極、 134N…Nチャネル薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域、134P…Pチャネル薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域、 135N…Nチャネル薄膜トランジスタのチャネル形成領域、 135P…Pチャネル薄膜トランジスタのチャネル形成領域、 1…表示装置

Claims (5)

  1. 少なくとも一方の表面が絶縁性の基板に半導体膜を用いて薄膜トランジスタを形成する半導体装置の製造方法であって、
    前記基板上に第1の半導体膜の結晶化の際の起点となるべき複数の起点部を形成する起点部形成工程と、
    前記起点部が形成された前記基板上に前記第1の半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、
    前記第1の半導体膜を熱処理して前記結晶化を行い、前記複数の起点部のそれぞれを略中心とする複数の略単結晶粒を含む第2の半導体膜にする熱処理工程と、
    前記第2の半導体膜をパターニングし、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を含むトランジスタ領域を形成するパターニング工程と、
    前記トランジスタ領域上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成してNチャネル薄膜トランジスタ及びPチャネル薄膜トランジスタを形成する素子形成工程と、を含み、
    前記パターニング工程及び前記素子形成工程では、前記Nチャネル薄膜トランジスタを、前記複数の起点部のうちの1つが前記ソース領域の下又は前記ドレイン領域の下に配置され、かつ前記チャネル形成領域の下には配置されないように前記複数の略単結晶粒のうちの1つの少なくとも一部を含んで形成し、前記Pチャネル薄膜トランジスタを、前記複数の起点部のうちの別の1つが前記チャネル形成領域の下に配置さるように前記複数の略単結晶粒のうちの別の1つの少なくとも一部を含んで形成する、半導体装置の製造方法。
  2. 前記起点部は、前記基板に形成された凹部である、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記熱処理工程は、レーザ照射によって行われる、請求項1または2のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  4. 基板上に形成された半導体膜を用いて形成されるNチャネル薄膜トランジスタ及びPチャネル薄膜トランジスタを含んで構成される半導体装置であって、
    前記半導体膜は、前記基板の上に設けられた複数の起点部の各々を起点として形成された複数の略単結晶粒を含んでおり、
    前記複数の起点部のうちの1つが前記Nチャネル薄膜トランジスタのチャネル形成領域以外のソース領域の下又はドレイン領域の下に配置され、前記複数の起点部のうちの別の1つが前記Pチャネル薄膜トランジスタのチャネル形成領域の下に配置され、
    前記Nチャネル薄膜トランジスタは前記複数の略単結晶粒のうちの1つの少なくとも1部を含み、前記Pチャネル薄膜トランジスタは前記複数の略単結晶粒のうちの別の1つの少なくとも1部を含む、半導体装置。
  5. 前記起点部は、前記基板に形成された凹部である、請求項4に記載の半導体装置。
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