JP2004235570A - 半導体装置の製造方法、半導体装置、電子光学装置、及び電子機器 - Google Patents
半導体装置の製造方法、半導体装置、電子光学装置、及び電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】略単結晶珪素膜によって構成される半導体装置の高密度集積化に適する構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一以上の結晶粒から構成される第1略単結晶珪素膜(3)上に少なくとも1以上の中間層(4〜8)を形成する工程(S20)と、第1略単結晶珪素膜(3)上において相対的に欠陥の少ない部分に到達する孔(8b)を中間層(4〜8)に形成する工程(S20)と、孔(8b)を含めて中間層(4〜8)上に非単結晶珪素膜(9)を形成する工程(S21)と、非単結晶珪素膜(9)にエネルギーを照射して孔の底部における第1略単結晶珪素膜(3)を構成する結晶粒の粒界を溶解させ(S22)、当該結晶粒の結晶を引き継いで結晶成長させて、孔(8b)を中心とした領域に一以上の略単結晶から構成される第2略単結晶珪素膜(9b)を形成する工程(S23)と、を備える。
【選択図】 図4
【解決手段】一以上の結晶粒から構成される第1略単結晶珪素膜(3)上に少なくとも1以上の中間層(4〜8)を形成する工程(S20)と、第1略単結晶珪素膜(3)上において相対的に欠陥の少ない部分に到達する孔(8b)を中間層(4〜8)に形成する工程(S20)と、孔(8b)を含めて中間層(4〜8)上に非単結晶珪素膜(9)を形成する工程(S21)と、非単結晶珪素膜(9)にエネルギーを照射して孔の底部における第1略単結晶珪素膜(3)を構成する結晶粒の粒界を溶解させ(S22)、当該結晶粒の結晶を引き継いで結晶成長させて、孔(8b)を中心とした領域に一以上の略単結晶から構成される第2略単結晶珪素膜(9b)を形成する工程(S23)と、を備える。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ等の半導体装置に係り、特に、略単結晶状態の珪素膜を高密度に集積させるために適する構造の半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶や有機EL素子を画素に備える電気光学装置には、半導体装置として薄膜トランジスタ(TFT)が用いられているが、薄膜トランジスタを構成する半導体膜として、低温形成された単結晶珪素膜を用いることは性能面から好ましいとされている。
【0003】
従来、絶縁膜に設けられた穴を利用してこのような単結晶珪素膜を形成する方法がいくつかの文献において提案されていた(非特許文献1及び非特許文献2)。これら文献には、基板上の絶縁膜に穴を開けて、この絶縁膜上及び穴内に非晶質珪素膜を形成した後、この非晶質珪素膜にレーザを照射して、前記穴の底部内の非晶質珪素を非溶融状態に保持しながら、その他の部分の非晶質珪素膜を溶融状態にすることにより、非溶融状態に保持された非晶質珪素を結晶核とした結晶成長を生じさせて、略単結晶状態の珪素膜を形成することが開示されている。
【0004】
【非特許文献1】
「Single Crystal Thin Film Transistors」, IBM TECHNICAL DISCLOSURE BULLETIN Aug.1993 pp257−258
【非特許文献2】
「Advanced Excimer−Laser Crystallization Techniques of Si Thin−Film ForLocation Control of Large Grain on Glass 」, R.Ishihara等, proc.SPIE 2001, vol.4295, p.14〜23
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献に記載されている方法では結晶成長の方向が急激に変化する穴の出口付近では結晶欠陥が多くなるため、その領域を半導体装置の半導体膜として用いることができない。このため、この領域を回避して半導体膜を形成せざるを得ず、これが半導体装置の高密度化を妨げる要因になっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記課題を解決するために、略単結晶珪素膜によって構成される半導体装置の高密度集積化に適する構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、一以上の結晶粒から構成される第1略単結晶珪素膜上に少なくとも1以上の中間層を形成する工程と、第1略単結晶珪素膜上において相対的に欠陥の少ない部分に到達する孔を中間層に形成する工程と、孔を含めて中間層上に非単結晶珪素膜を形成する工程と、非単結晶珪素膜にエネルギーを照射して孔の底部における第1略単結晶珪素膜を構成する結晶粒の粒界を溶解させ、当該結晶粒の結晶を引き継いで結晶成長させて、孔を中心とした領域に一以上の略単結晶から構成される第2略単結晶珪素膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記工程によれば、第1略単結晶珪素膜は、欠陥の少ない微小領域では面方位の揃った結晶となっている。このため、この略単結晶の表面にまで到達する孔を形成しその上に形成した非単結晶珪素膜にエネルギーを供給することにより溶解させ、この溶解状態を第1略単結晶珪素膜の粒界まで到達させると、冷却が始まった場合に第1略単結晶珪素膜の面方位の揃った結晶状態を引き継いで結晶が孔内を成長していく。この単結晶が孔からさらに溶解した非単結晶珪素膜全域に達して形成される第2略単結晶珪素膜も、同様に略単結晶状態となる。従って下部の第1略単結晶珪素膜に積層して第2略単結晶珪素膜を形成することができ、このように重層化された略単結晶珪素膜を利用して半導体装置を形成すれば、高密度に集積させた略単結晶珪素膜で構成される半導体装置を提供できる。
【0008】
ここで本発明において、「半導体装置」とは、各種トランジスタやダイオード、抵抗、インダクタ、キャパシタ、その他能動素子・受動素子を問わず、N型やP型半導体の組合せにより製造可能な素子、または、配線された素子の集合からなる集積回路を含むものとする。
【0009】
また「略単結晶」とは、結晶粒が単一である場合のみならずこれに近い状態、すなわち、複数の結晶が組合わさっていてもその数が少なく、半導体薄膜の性質の観点からほぼ単結晶により形成された半導体薄膜と同等の性質を備えている場合も含む。
【0010】
また「エネルギ」は、珪素膜を溶融させるものであれば十分であるが、孔周辺と特定の領域を溶融状態にするために、例えばレーザ光を適用することが好ましい。
【0011】
また「中間層」に特に限定はなく、酸化珪素膜や窒化珪素膜等の層間絶縁膜、配線に係る金属層、電界発光機能を有する機能性薄膜(有機EL層等)等、任意の層が介在していてよい。
【0012】
また「孔」は中間層を貫通する貫通孔(スルーホール)であるが、下層の略単結晶の結晶状態のまま孔内で結晶成長し、略単結晶状態のまま第2略単結晶珪素膜に引き継がれるものであればよい。孔は、下層における結晶に欠陥が生じていた場合にその欠陥を受け継がないように、なるべく小さい孔にしておくことが望ましい。半導体装置の集積度を向上させる観点からもこの孔は小さい方が好ましい。
【0013】
ここで、第1略単結晶珪素膜は、下地層に設けられた凹部を含めて当該下地層上に非単結晶珪素膜を形成する工程と、非単結晶珪素膜にエネルギーを照射する工程と、によって、当該非単結晶珪素膜を溶解させ、凹部内における溶融状態と非溶融状態との界面付近の結晶粒を結晶核として結晶成長させて、当該凹部を中心とした領域に形成されるものである。
【0014】
なお、「下地層」は例えば酸化珪素等の絶縁膜をいうが、溶融状態となった珪素を囲む層となりうるものならば限定はない。「凹部」は例えば穴、溝、陥没等をいうが、多結晶珪素における粒界程度またはそれよりも小さい径を備えていることが好ましい。凹部の径が小さければ単結晶のみを成長させることができるからである。
【0015】
上記工程によれば、下層の第1略単結晶珪素膜についても良質な略単結晶状態の珪素膜を形成可能である。すなわち、このように形成された略単結晶状態の単結晶珪素膜から成形される半導体膜は、内部に欠陥が少なく、エネルギーバンドにおける禁制帯中央部付近の捕獲準位密度が少なくなるという好ましい電気的効果を有する。このような半導体膜を能動層(ソース/ドレイン領域やチャネル領域)に利用する半導体装置では、オフ電流値が小さく移動度の大きな優良なものとなる。この特性は上層の第2略単結晶珪素膜にも引き継がれるのである。
【0016】
また本発明では、第1略単結晶珪素膜または第2略単結晶珪素膜の少なくともいずれか一方を、半導体装置を構成する半導体膜の形状に成形する工程をさらに備える。上記工程によれば、このような構成によれば、積層された半導体膜を提供できることになり、性能の良い半導体膜を有する半導体装置を高密度に集積できることになる。
【0017】
具体的には、半導体膜は、単結晶珪素膜内において孔付近の格子欠陥が存在する領域以外の領域を成形して形成される。すなわち孔付近では結晶方向が急激に変化して格子欠陥を生じているため、この部分を回避して形成された半導体膜は、性能の高い略単結晶で構成されていることになる。
【0018】
例えば、半導体膜に対応する配線層を形成して半導体装置を製造する工程をさらに備える。この工程によって、配線層を例えば中間層の間に形成する等の方法によって、半導体膜に対し直接電気的に接触する金属層(例えば、ソース電極やドレイン電極)や半導体膜に作用する電極(例えば、ゲート電極)を形成可能である。
【0019】
本発明に係る半導体装置は、一以上の結晶粒から構成される第1略単結晶珪素膜と、第1略単結晶珪素膜上に形成された少なくとも1以上の中間層と、中間層上に形成された一以上の結晶粒から構成される第2略単結晶珪素膜と、を備え、中間層には、第1略単結晶珪素膜上において相対的に欠陥の少ない部分に到達する孔が設けられている。
【0020】
上記構成によれば、第1略単結晶珪素膜は、欠陥の少ない微小領域では面方位の揃った結晶となっている。この珪素膜自体が半導体装置に利用可能な膜として性能が高いことになる。さらにこの第1略単結晶珪素膜の欠陥の少ない部分に孔が到達しているので、この孔経由で第1略単結晶珪素膜の結晶状態が引き継がれ、上層の第2略単結晶珪素膜に伝達されていることになる。そのため上層の第2略単結晶珪素膜自体も半導体装置に利用可能な膜として高い性能を備えていることになる。このように複数の略単結晶珪素膜が積層されていることになるので、それぞれの略単結晶珪素膜を利用して半導体装置を形成すれば、高密度に集積させた略単結晶珪素膜で構成される半導体装置を提供できることになる。
【0021】
ここで、孔の内部には、第2略単結晶珪素膜と同一の略単結晶が満たされている。このように孔の内部における結晶と第2略単結晶珪素膜における結晶とが同一の略単結晶である場合に、両者の結晶は連続成長によって形成されたことが推定され、この結晶状態は第1略単結晶珪素膜の結晶状態が引き継がれたものであることを意味している。
【0022】
ここで、第1略単結晶珪素膜または第2略単結晶珪素膜の少なくともいずれか一方は、半導体装置を構成する半導体膜の形状に成形されている。このような構成によれば、積層された半導体膜を提供できることになり、性能の良い半導体膜を有する半導体装置を高密度に集積できることになる。
【0023】
ここで半導体膜は、単結晶珪素膜内において孔付近の格子欠陥が存在する領域以外の領域を成形して形成されている。すなわち孔付近では結晶方向が急激に変化して格子欠陥を生じているため、この部分を回避して形成された半導体膜は、性能の高い略単結晶で構成されていることになる。
【0024】
ここで、当該半導体装置は、半導体膜に対応する配線層をさらに備えている。このような構成は、半導体膜に対し直接電気的に接触する配線層、すなわち金属層(例えば、ソース電極やドレイン電極)や半導体膜に作用する電極(例えば、ゲート電極)を備えていることになるので、性能の良い半導体膜を有する半導体装置を提供可能である。
【0025】
本発明では、基板平面に略垂直方向から見て複数の半導体膜が互いに一部または全部において重なり合っている。すなわち本発明の半導体装置では複数の略単結晶珪素膜から形成された半導体膜を平面上重複して形成できることになるのである。逆に重複して略単結晶状態の半導体膜が形成せれていれば、本発明の製造方法を使用したことを推定可能である。
【0026】
本発明では、複数の半導体膜がそれぞれ異なる層上に形成されている。従来の略単結晶珪素膜を利用した半導体装置では、複数の半導体膜を形成する場合、同一の絶縁膜上の異なる位置に孔を設ける等して平面上に分散して略単結晶状態の珪素膜を形成せざるを得なかった。しかし本発明によれば、下層から上層に向けて重ねて半導体膜を形成可能である。逆に積層されて略単結晶珪素膜が形成されている半導体装置では、本発明の製造方法を使用したことを推定可能である。
【0027】
また本発明は、本発明の半導体装置を備えている電気光学装置であり、また電子機器でもある。
【0028】
ここで「電気光学装置」とは、本発明に係る半導体装置を備えた、電気的作用によって発光するあるいは外部からの光の状態を変化させる電気光学素子を備えた装置一般をいい、自ら光を発するものと外部からの光の通過を制御するもの双方を含む。例えば、電気光学素子として、液晶素子、電気泳動粒子が分散した分散媒体を有する電気泳動素子、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、電界の印加により発生した電子を発光板に当てて発光させる電子放出素子を備えたアクティブマトリクス型の表示装置等をいう。
【0029】
また「電子機器」とは、本発明に係る半導体装置を備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、例えば電気光学装置やメモリを備えて構成される。その構成に特に限定が無いが、例えば、上記表示装置を備えるパーソナルコンピュータ、携帯電話、ビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が含まれる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、本発明に係る半導体装置として薄膜トランジスタを提供するものである。
【0031】
図1に、第1の実施の形態に係る半導体装置の層構造を説明する断面図を示す。本半導体装置は、一以上の結晶粒から構成される下層の略単結晶珪素膜と上層の一以上の結晶粒から構成される略単結晶珪素膜とが、少なくとも1以上の中間層に設けられたスルーホールを介して連続した結晶となったものをパターニングして構成されている。
【0032】
図1に示すように、当該半導体装置は、半導体装置をそれぞれ形成可能な層構造単位でブロック化されており、積層構造ブロックB1、B2、B3を備えている。具体的には、下層から順に、第1積層ブロックB1として、基板1、第1絶縁膜2、第1半導体膜3cA〜C、第1ゲート絶縁膜4、第1ゲート電極5、第1層間絶縁膜6、第1ソース・ドレイン電極7を備える。また第2積層ブロックB2として、第2絶縁膜8、第2半導体膜9cA〜D,第2ゲート絶縁膜10、第2ゲート電極11A・B、第2層間絶縁膜12、第2ソース・ドレイン電極13A・Bを備える。さらに第3積層ブロックB3として、第3絶縁膜14、第3半導体膜15cA・Bを備えている。積層構造ブロック毎に薄膜トランジスタが一以上形成されている。必要とされる薄膜トランジスタの総数に応じて各積層ブロックに形成するトランジスタ数及び積層ブロック数を変更可能である。
【0033】
さらに具体的に、第1積層ブロックB1において、基板1上に設けられた第1絶縁膜2には、総ての半導体膜に係る略単結晶珪素を成長させる源となった穴2bA及び2bBが設けられている。穴2bAは、第1積層ブロックB1に含まれる第1半導体膜3cA及び3cBに係る略単結晶珪素膜の結晶成長源となった孔である。第1半導体膜3cAは薄膜トランジスタT1を構成する半導体膜となっており、ソース・ドレイン領域3d及びチャネル領域3eが形成されている。チャネル領域3eの上層には第1ゲート絶縁膜4を介して第1ゲート電極5が設けられ、ソース・ドレイン領域3dにはスルーホールを介して第1ソース・ドレイン電極7が接続している。
【0034】
第1半導体膜3cBは、第2積層ブロックB2に含まれる第2半導体膜9cA及び9cBに係る略単結晶珪素を成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール8bAを介して成長した略単結晶が第2半導体膜(9cA,9cB)側にまで到達している。
【0035】
一方、第1絶縁膜2上の穴2bBは、第1積層ブロックB1に含まれる第1半導体膜3cCに係る略単結晶珪素膜の結晶成長源となった孔であり、第1半導体膜3cCと結晶が連続している。第1半導体膜3cCは、第2積層ブロックB2に含まれる第2半導体膜9cC、9cD、及び9cEに係る略単結晶珪素を成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール8bBを介して成長した略単結晶が第2半導体膜(9cC、9cD)側にまで到達している。また第1半導体膜3cCは、第2積層ブロックB2に含まれる他の第2半導体膜9cEに係る略単結晶珪素を成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール8bCを介して成長した略単結晶が第2半導体膜9cEにまで到達している。このように第1積層ブロックB1では第1半導体膜3cAが薄膜トランジスタT1の構造物となっている他は、上層の半導体膜の結晶成長の種として半導体膜が利用されている。
【0036】
第2積層ブロックB2では、スルーホール8bAから結晶成長して形成された第2半導体膜9cAは薄膜トランジスタT2の構造物となっている。第2半導体膜9cAには薄膜トランジスタT1と同様にソース・ドレイン領域、チャネル領域が形成され、チャネル領域の上層に第2ゲート絶縁膜10を介して第2ゲート電極11Aが設けられ、ソース・ドレイン領域にはスルーホールを介して第2ソース・ドレイン電極13Aが接続している。同様に、スルーホール8bBから結晶成長して形成された第2半導体膜9cCは薄膜トランジスタT3の構造物となっている。第2半導体膜9cCにはソース・ドレイン領域、チャネル領域が形成され、チャネル領域の上層に第2ゲート絶縁膜10を介して第2ゲート電極11Bが設けられ、ソース・ドレイン領域にはスルーホールを介してソース・ドレイン電極13Bが接続している。
【0037】
一方、スルーホール8bBから結晶成長して形成された第2半導体膜9cDはさらに第3積層ブロックB3に係る第3半導体膜15cAを結晶成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール14bAを介して成長した略単結晶が第3半導体膜15cAに到達している。同じく第2半導体膜9cEは第3半導体膜15cBを結晶成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール14bBを介して成長した略単結晶が第3半導体膜15cBに到達している。このように第2積層ブロックB2では第2半導体膜9cAが薄膜トランジスタT1の構造に、第2半導体膜9cCが薄膜トランジスタT3の構造にそれぞれ使用され、残りは上層の半導体膜の結晶成長の種として半導体膜が利用されている。
【0038】
ここでスルーホール8bA〜C、14bA・Bは、下層の略単結晶珪素膜である半導体膜のうち格子欠陥の相対的少ない領域において接している。すなわち、略単結晶珪素膜のうち比較的格子欠陥が多くなる領域は、形成時に結晶成長の方向が急に変化する穴2bA・Bやスルーホール8bA〜Cの出口付近である。このためスルーホール8bA〜Cの形成位置は第1半導体膜3の中で穴2bA・Bの出口付近を外してあり、スルーホール14bA・Bについては第2半導体膜9の中でスルーホール8bA〜Cの出口付近を外してある。
【0039】
なお、図1では、便宜上、第3積層ブロックB3が第3半導体膜15cA・Bまで示されているが、これら半導体膜を薄膜トランジスタ等の素子構造に利用したりさらに上層の略単結晶珪素膜を形成する種として利用したりすることが可能である。
【0040】
上記した構成によれば、基板平面に略垂直方向から見て複数の半導体膜(例えば3cAと9cA、3cBと9cB、3cDと9cDと15cA、3cCと9cEと15cB)が互いに一部または全部において重なり合っていることになる。結晶を積層方向に連続させていくため、平面図上重複させて複数の略単結晶珪素膜を形成することが可能だからである。
【0041】
次に、図2〜図5を参照して本第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造工程断面図を説明する。話を簡単にするために、以下では一つの第1絶縁膜2に形成される穴2bを中心とした製造工程を示す。
【0042】
(穴形成工程:図2S1)
まず、ガラス等の基板1上に下地層となる第1絶縁膜2を形成する。基板1は、最終製品である電気光学装置や電子機器に要する強度を有し、半導体形成プロセスで印加される熱ストレスに耐えられる材料を用いる。例えばガラスや石英などを利用する。第1絶縁膜2は、例えば酸化珪素膜や酸化窒化膜等が利用可能である。第1絶縁膜2の形成方法としては、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)、低圧化学気相堆積法(LPCVD法)、スパッタリング法等の気相堆積法が挙げられる。例えば、PECVD法により厚さ100nmの第1絶縁膜2を形成できる。
【0043】
次に、第1絶縁膜2上において半導体膜(3cA〜3cC)を形成させたい領域に対応させて、凹部である穴2bを設ける。本発明における略単結晶珪素膜の形成方法によれば、略単結晶珪素膜の結晶が穴やスルーホールを中心とした所定領域(例えば半径数μmの領域)に形成させる。このため薄膜トランジスタ用の半導体膜や上層の結晶成長の種とする半導体膜を形成させたい位置と結晶成長が可能な範囲とを勘案して穴を設ける位置が定められる。穴2bは、多結晶の粒径と同径以下の直径となるように形成する。例えば穴の直径を1μm以下、好ましくは0.5μm以下に設定する。このような直径とすれば、当該孔径が多結晶の結晶粒の粒径以下であるため、穴内には複数の結晶粒が並ぶことが無くなるため、その結晶粒から単結晶を成長させることができる。例えば、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程により、第1絶縁膜2の面内に、直径が0.5μmの穴2bを形成する。エッチング方法としては、CF4ガスとH2ガスのプラズマを用いた反応性イオンエッチングが好適である。
【0044】
(珪素膜形成工程:図2S2)
次に、第1絶縁膜2上に所定厚さ(例えば50nm〜500nmの範囲)で多結晶珪素膜3を形成する。まず非晶質珪素膜を第1絶縁膜2上に形成する。当初第1絶縁膜上に形成する珪素膜は、非晶質(アモルファス状態)であっても多結晶状態であってもよい。ここでは非結晶状態に形成するものとする。第1絶縁膜2上への珪素膜の形成方法としては、PECVD法やLPCVD法、常圧化学気相堆積法(APCVD法)、スパッタリング法が採用できる。高純度の珪素膜を容易に、しかも穴2b内にも確実に充填して堆積させるために、LPCVD法により珪素膜を形成することは好ましい。例えば、LPCVD法により厚さ50nmの珪素膜を形成できる。非結晶珪素膜形成後に熱処理し、多結晶化させて多結晶珪素膜3に変化させる。アモルファス状の珪素膜を多結晶化させるための熱処理は種々考えられるが、例えば、固相成長させること挙げられる。固相成長をさせる場合には、例えば、窒素雰囲気中で所定の温度、例えば600℃程度で、所定の時間、例えば24時間から48時間保持する。
【0045】
なお、レーザ照射によっても非結晶珪素膜の表面を多結晶化させることが可能である。この方法を利用する場合には、基板1上に第1絶縁膜2を設けるより先に一旦珪素膜を設け、その表面にレーザ照射をして当該珪素膜を多結晶化させておく。その上に第1絶縁膜2を形成してから前記多結晶化した珪素膜表面が露出するように穴を設ける。その後の工程は同様であり、この上に非結晶珪素膜を設けることになる。このような工程によれば、穴の底には既に多結晶の粒界が存在していることになる。なお、非結晶珪素膜をレーザ照射により多結晶化させるためには、例えば、XeClパルスエキシマレーザ光(波長308nm、パスル幅30nsec)を用い、エネルギー密度が0.3J/cm2程度から0.5J/cm2でレーザ照射を行う。珪素膜の同一個所に対するレーザ照射の回数は例えば20回程度とする。この方法によれば、具体的には、「Laser processing of amorphous for large−area polysilicon imagers」(J.B.Boyce等Thin Solid Films, vol.383(2001)p.137−142)に記載されているように、同一個所に複数回レーザ照射R1を行うことにより、非結晶珪素膜を、膜面内が結晶方位(111)を有した多結晶珪素膜に変化させることができる。
【0046】
(単結晶珪素膜形成工程:図2S3・S4)
当該工程では、多結晶珪素膜3に所定条件でレーザを照射することにより、略単結晶珪素膜3bを形成する。すなわちレーザ照射により多結晶珪素膜3が溶融する。このとき、穴2b付近では、層方向において、多結晶珪素膜3の厚みが厚くなっているので、溶融領域3aは穴2bの底部まで及ばず、底部が不完全溶融のまま残される。一方、穴2bの周囲では、多結晶珪素膜3が溶融状態となっており、溶融領域3aが一定の範囲(すなわち単結晶成長が可能な範囲)にまで拡大している。レーザ照射後、冷却するに従って珪素膜に結晶が成長する。すなわち、穴底部における非溶融状態の領域と完全溶融状態の領域の界面における1以上の結晶粒が結晶成長の核となり、穴2bの縦方向に結晶が成長し始める。結晶が穴2bの出口付近に達すると、今度は結晶成長方向が横方向変化し、溶融領域3aに亘って、穴を中心として1以上の略単結晶粒から構成される略単結晶珪素膜3bが形成される。
【0047】
すなわち、図2S3に示すように、多結晶珪素膜3にレーザが照射されると、穴2b内部及びその上部の多結晶珪素膜3の一部分が溶融して溶融領域3aが形成される。この溶融領域3aは、少なくとも最終的に形成させたい第1半導体膜3cを含む領域とする。レーザ光としては、多結晶珪素膜3の膜厚に対応したエネルギーのレーザ光を用いる。例えば、多結晶珪素膜3の膜厚が50nm〜500nm(好ましくは50nm〜250nm)である場合、レーザ光としてXeClパルスエキシマレーザ(波長308nm、パスル幅30nsec)を用い、エネルギー密度0.4〜1.5J/cm2でレーザ照射することにより、部分的溶融が達成できる。
【0048】
ここで、照射されたXeClパルスエキシマレーザは多結晶珪素膜3の表面近傍でほとんどが吸収される。これはXeClパルスエキシマレーザの波長(308nm)における非晶質珪素および結晶性珪素の吸収係数が其々0.139nm−1と0.149nm−1と大きいためである。また、第1絶縁膜2である酸化珪素は、前記レーザに対して略透明であって、このレーザのエネルギーを吸収しないため、レーザ照射によって溶融しない。このため、レーザ照射により、多結晶珪素膜3の穴2bの部分は底部に若干の結晶を残す不完全溶融状態となり、その他の多結晶珪素膜3は所定の範囲で完全に溶融した溶融領域3aになる。
【0049】
レーザ照射後には、溶融した珪素の凝固が始まり単結晶の結晶粒3bが成長していく。この単結晶の結晶粒3bの成長は、不完全に溶融している穴2b内部で先に始まり、穴に続く完全溶融状態の溶融領域3aに至る。ここで、溶融状態の珪素は、凝固時に穴2b内部に残留している多結晶の結晶粒を核として結晶成長する。そしてS4に示すように、結晶粒3bの結晶成長が溶融領域3a全体に及ぶ。
【0050】
(半導体膜形成工程:図2S5)
このようにして形成された単結晶珪素膜3bから第1半導体膜3cを成形する。単結晶珪素膜3bを含む多結晶珪素膜3全体をエッチングによりパターニングして、所望の形状の第1半導体膜3cA及び3cBを形成する。エッチングにより、多結晶状態のまま残されている多結晶珪素膜3の部分と不要な単結晶珪素膜3bとが除去される。
【0051】
ここで、穴2bの出口付近と離間させて第1半導体膜3cA・Bを形成することが好ましい。穴の出口付近から離れる程結晶の安定性が向上するからである。
【0052】
(第1積層ブロックに係る半導体装置形成工程:図3)
図3S11〜S15に、第1積層ブロックに係る半導体装置の形成工程を示す。
【0053】
まず、図3S11に示すように、第1絶縁膜2及び第1半導体膜3cA・B上に、第1ゲート絶縁膜4を形成する。例えば、第1ゲート絶縁膜4は、酸化珪素によって、電子サイクロトロン共鳴PECVD法(ECR−CVD法)またはPECVD法にて形成できる。
【0054】
次に、図3S12に示すように、第1ゲート絶縁膜4上に、タンタルまたはアルミニウムの金属薄膜をスパッタリング法により形成した後、パターニングすることによって、第1ゲート電極5を形成する。ここで第1半導体膜3cAは第2積層ブロック以降の略単結晶珪素膜形成の種として用い、第1半導体膜3cBを第1積層ブロックに係る薄膜トランジスタに用いることとする。
【0055】
第1ゲート電極5形成後にこの電極をマスクとして、ドナーまたはアクセプターとなる不純物イオンを第1半導体膜3cBに打ち込み、不純物領域をゲート電極に対して自己整合的に作製する。すなわち、N型MOSトランジスタであれば、第1半導体膜3cBをP型半導体にしておき、N型半導体にするための不純物をソース・ドレイン領域3dに打ち込み、第1ゲート電極5の下部をP型半導体であるチャネル領域3eとする。なお、第1半導体膜3cAについては、不純物が導入されても結晶成長の種としての機能は失われないが、不純物導入前にマスクを施し、不純物が第1半導体膜3cAに導入されないようにしてもよい。
【0056】
具体的には、N型MOSトランジスタを作製する場合、例えば、不純物元素としてリン(P)を1×1016cm−2の濃度でソース・ドレイン領域3dに打ち込む。その後、XeClエキシマレーザを照射エネルギー密度400mJ/cm2程度で照射するか、250℃から450℃程度の温度で熱処理することにより、前記不純物元素の活性化を行う。
【0057】
次に、図2S14に示すように、第1絶縁膜4及び第1ゲート電極5の上面に、第1層間絶縁膜6を形成する。例えば、PECVD法で酸化珪素膜を成長させ約500nmの第1層間絶縁膜6を形成する。次に、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域3dに至るコンタクトホールを第1絶縁膜4及び第1層間絶縁膜6に設けてから、スパッタリング法等によりアルミニウム等の配線用金属を堆積する。そして電極形状にパターニングすることにより、第1ソース・ドレイン電極7を形成する。以上で、第1積層ブロックB1における半導体装置である薄膜トランジスタTが作製できる。
【0058】
さらに、図2S15に示すように、第2積層ブロックB2の下地層となる第2絶縁膜8を形成する。第2絶縁膜8の形成方法は上記第1絶縁膜2と同様である。
【0059】
(第2積層ブロック形成工程:図4及び図5)
次に、上層構造に係る第2積層ブロック以降の製造工程を説明する。
【0060】
まず、図4S20に示すように、フォトリソグラフィ法及びエッチング法等、公知の開孔技術を利用して半導体膜を形成した領域にスルーホール(貫通孔)8bを形成する。第2積層ブロックB2以降において形成される略単結晶珪素膜も第1積層ブロックB1における第1半導体膜3cと同様に結晶成長するため、スルーホールを設ける位置と半導体膜との位置関係は第1積層ブロックと同様に考えることができる。
【0061】
但し、当該スルーホール8bは、既に略単結晶となっている第1半導体膜3cAからその結晶状態を引き継いで結晶成長させればよいため、孔径は必ずしも多結晶を構成する結晶粒の粒径以下にしなくてもよい。無論、直径をこの粒径以下に抑えておけば、万一下層の半導体膜の表面等に複数の結晶粒が存在していたとしても、上層の半導体膜を確実に略単結晶状態にすることができる。また、スルーホール8bは本実施形態では3層の中間層を貫通しているので、最下層の穴2bに比べ深いものとなっている。スルーホールの形成方法としては、CF4ガスとH2ガスのプラズマを用いた反応性イオンエッチングが好適である。
【0062】
次に、図4S21に示すように、第2絶縁膜8上に所定厚さ(例えば50nm〜500nmの範囲)で上記と同様にして多結晶珪素膜9を形成する。非結晶珪素膜の形成方法及び非結晶珪素膜を多結晶珪素膜に変換させる方法については第1積層ブロックB1における処理と同様である。
【0063】
但し、第2積層ブロック以降の上層の珪素膜は多結晶化しなくてもよい。第2積層ブロックB2においては、スルーホールによって下層の略単結晶の半導体膜と連結することによって結晶状態が引き継がれるため、第1積層ブロックの穴2bのように、穴の非溶融状態のまま残される部分に多結晶の粒界が存在している必要がないからである。このため、珪素膜の多結晶化工程を省略することができる。
【0064】
次に、図4S22に示すように、多結晶珪素膜9に所定条件でレーザを照射してスルーホール8bを中心とする領域の多結晶珪素膜を溶融させて固化させることにより、S23に示すような略単結晶珪素膜9bを形成する。これらの工程も上記第1積層ブロックB1における工程と同様に実施できる。
【0065】
但し、今回、スルーホール8bが穴2bより深く、また、溶融状態をスルーホール8bの底部まで及ばせ、少なくともスルーホール8bに当接している第1半導体膜3cAの粒界を一部溶融させて結晶状態を引き継ぐ必要があるため、エネルギーの付与方法、すなわちレーザ光の強度や照射方法を調整する必要がある。例えば、レーザ光を高エネルギー密度に維持するため、波長の長いレーザ光、例えば308nm以上、好ましくは500nm以上の波長のレーザ光を用いる。ここでもXeClパルスエキシマレーザを利用可能である。エネルギー密度は上記穴2bに係る溶融時よりも若干高くする必要がある。このようなレーザ光を照射することにより、溶融領域9aがスルーホール8bの底部に達し、第1半導体膜3cAの表面の粒界に達する。
【0066】
図4S23に示すように、レーザ照射後、冷却するに従って珪素膜に結晶が成長する。このときスルーホール8b底部におけて第1半導体膜3cAの略単結晶の結晶状態が引き継がれて結晶成長し、スルーホール中を結晶が成長する。結晶がスルーホール8bの出口付近に達すると、今度は結晶成長方向が横方向変化し、溶融領域9a全体に亘って、スルーホール8bを中心として1以上の略単結晶粒から構成される略単結晶珪素膜9bが形成される。
【0067】
(第2積層ブロックに係る半導体装置形成工程:図5)
次に、図5S30に示すように、単結晶珪素膜9bから第2半導体膜9cA・Bを成形する。すなわち、上記第1積層ブロックB1における第1半導体膜3cの形成と同様にして、単結晶珪素膜9bを含む多結晶珪素膜9全体をエッチングによりパターニングして、所望の形状の第2半導体膜9cA及び9cBを形成する。ここにおいても、スルーホール8bの出口付近では結晶状態が安定していないため、この領域を外して半導体膜を形成することが好ましい。
【0068】
以降は、第1積層ブロックB1と同様の工程を繰り返して薄膜トランジスタと形成したり上層の結晶成長の種とする半導体膜を残したりする。すなわち、図5S31に示すように、第2絶縁膜8及び第2半導体膜9cA・B上に、第2ゲート絶縁膜10を形成し、第2ゲート電極11を形成し、上記と同様にして不純物を導入する。次に、図5S32に示すように、その上に第2層間絶縁膜12を形成し、第2ソース・ドレイン電極13を形成して、第2積層ブロックB2における薄膜トランジスタを完成させる。
【0069】
なお、図5では、薄膜トランジスタのキャリアの流れる方向から第2積層ブロックにおけるトランジスタ構造を見ているため、第2ゲート電極11と第2ソース・ドレイン電極13とが重なって描かれている。
【0070】
さらに第3積層ブロックB3以降を積層する場合には、図5S33に示すように、第3絶縁膜14を積層してから、スルーホール14bを第2積層ブロックB2におけるスルーホール8bと同様に開孔する。以下、略単結晶の結晶構造を引き継がせながら層構造を連続させ、多くの薄膜トランジスタを形成することが可能である。
【0071】
なお、第2積層ブロック以降のスルーホールを下層の半導体膜に到達するスルーホールとせずに、第1積層ブロックにおける穴2bと同じく絶縁膜に囲まれる凹部として形成してもよい。但し、このような穴を利用する場合には、第1積層ブロックにおける孔と同様の形状にし、照射するレーザ光のエネルギー密度や波長を穴の底部において半溶融状態が残るように調整する必要がある。
【0072】
以上、本第1の実施の形態によれば、最下層の第1積層ブロックにおける良質な略単結晶珪素膜の結晶構造を次々引き継がせて略単結晶珪素膜の多重積層構造を形成することが可能である。このような重層化された略単結晶珪素膜の各々に半導体装置を形成すれば、高密度に集積させた半導体装置を提供できる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、格子欠陥が生じやすい穴やスルーホールの出口付近を回避して半導体膜が形成されているので、性能の高い略単結晶を提供可能である。
【0074】
本実施の形態における略単結晶状態の単結晶珪素膜によれば、内部に欠陥が少なく、エネルギーバンドにおける禁制帯中央部付近の捕獲準位密度が少なくなるという好ましい電気的効果を有する。このような半導体膜を能動層(ソース/ドレイン領域やチャネル領域)に利用する薄膜トランジスタ等の半導体装置では、オフ電流値が小さく移動度の大きな優良なものとなる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、本発明の半導体装置等を備えた電気光学装置に関する。
【0075】
図6に、本第2の実施の形態における電気光学(表示)装置100の接続図を示す。本実施の形態の表示装置100は、各画素領域Gに電界発光効果により発光可能な発光層OELD、それを駆動するための電流を記憶する保持容量Cを備え、さらに本発明の製造方法によって製造される半導体装置、ここでは薄膜トランジスタT1〜T4を備えて構成されている。ドライバ領域101からは、走査線Vsel及び発光制御線Vgpが各画素領域Gに供給されている。ドライバ領域102からは、データ線Idataおよび電源線Vddが各画素領域Gに供給されている。走査線Vselとデータ線Idataとを制御することにより、各画素領域Gに対する電流プログラムが行われ、発光部OELDによる発光が制御可能になっている。
【0076】
なお、上記駆動回路は、発光要素に電界発光素子を使用する場合の回路の一例であり他の回路構成も可能である。例えば、ドライバ領域101または102へ本発明の半導体装置の製造方法によってまた発光要素に液晶表示素子を利用することも回路構成を種々変更することにより可能である。
【0077】
本第2の実施の形態によれば、本発明の半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置を備えているので、上記各実施の形態における効果と同様の効果を奏する。すなわち、薄膜トランジスタを高密度実装、例えば厚み方向に積層できるので、発光層に割り当てる面積を大きくでき開口率を上げることができる。
【0078】
また、周辺回路の専有面積を少なくできるため、表示装置の高解像度化が図れる。
【0079】
しかも当該半導体装置が備える半導体膜は略単結晶状態であるため、内部に欠陥が少なく、半導体膜の電気特性の点で、エネルギーバンドにおける禁制帯中央部付近の捕獲準位密度が少なく、また、結晶粒界が無いために、電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁を大きく減少できるため、オフ電流値が小さく移動度の大きな優良な半導体装置となっている。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置等を備えた電子機器、特にパーソナルコンピュータに関する。
【0080】
図7は、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ1000の構成を示す斜視図である。図7において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1002を備えた本体部1004と、表示装置100とから構成されている。表示装置100には、本発明の半導体装置の製造方法により製造された薄膜トランジスタを備えている。
【0081】
上記例に限らず本発明に係る半導体装置は、あらゆる電子機器の製造に適用可能である。例えば、パーソナルコンピュータの他に、携帯電話、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型やモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等表示機能付きファックス装置、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ、ICカードなどにも適用することができる。特に本発明の半導体装置は、高密度集積が必要な電子機器に適する。
【0082】
本実施形態に係る電子機器によれば、前記各実施の形態における半導体装置における効果と同様の効果を奏する。すなわち、本発明に係る半導体装置によれば、半導体装置が高密度実装されているので小型化が可能である。また、当該半導体装置が備える半導体薄膜は、内部に欠陥が少なく、半導体膜の電気特性の点で、エネルギーバンドにおける禁制帯中央部付近の捕獲準位密度が少なく、また、結晶粒界が無いために、電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁を大きく減少できるため、オフ電流値が小さく移動度の大きな優良な半導体装置となっている。したがって、性能の高い電子機器を提供可能である。
【0083】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の特許請求の範囲に記載の要旨の範囲内で種々に変形、変更できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の層構造を説明する断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造方法を説明する製造工程断面図であり、第1略単結晶珪素膜の製造まで(S1〜S5)の工程図である。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造方法を説明する製造工程断面図であり、中間層製造まで(S10〜S15)の工程図である。
【図4】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造方法を説明する製造工程断面図であり、第2略単結晶珪素膜の製造まで(S20〜S23)の工程図である。
【図5】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造方法を説明する製造工程断面図であり、第2半導体膜形成とその後の工程(S30〜S33)を示す工程図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電気光学装置の構成を説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る電子機器の例であり、携帯型パーソナルコンピュータを例示するものである。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2、8、14…第1〜第3絶縁膜、2b、8b、14b…孔・スルーホール、3c、9c、15c…第1〜第3半導体膜(略単結晶珪素膜)、4、10…第1・第2ゲート絶縁膜、6、12…第1・第2層間絶縁膜、5、11…第1・第2ゲート電極、7、13…第1・第2ソース・ドレイン電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ等の半導体装置に係り、特に、略単結晶状態の珪素膜を高密度に集積させるために適する構造の半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶や有機EL素子を画素に備える電気光学装置には、半導体装置として薄膜トランジスタ(TFT)が用いられているが、薄膜トランジスタを構成する半導体膜として、低温形成された単結晶珪素膜を用いることは性能面から好ましいとされている。
【0003】
従来、絶縁膜に設けられた穴を利用してこのような単結晶珪素膜を形成する方法がいくつかの文献において提案されていた(非特許文献1及び非特許文献2)。これら文献には、基板上の絶縁膜に穴を開けて、この絶縁膜上及び穴内に非晶質珪素膜を形成した後、この非晶質珪素膜にレーザを照射して、前記穴の底部内の非晶質珪素を非溶融状態に保持しながら、その他の部分の非晶質珪素膜を溶融状態にすることにより、非溶融状態に保持された非晶質珪素を結晶核とした結晶成長を生じさせて、略単結晶状態の珪素膜を形成することが開示されている。
【0004】
【非特許文献1】
「Single Crystal Thin Film Transistors」, IBM TECHNICAL DISCLOSURE BULLETIN Aug.1993 pp257−258
【非特許文献2】
「Advanced Excimer−Laser Crystallization Techniques of Si Thin−Film ForLocation Control of Large Grain on Glass 」, R.Ishihara等, proc.SPIE 2001, vol.4295, p.14〜23
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献に記載されている方法では結晶成長の方向が急激に変化する穴の出口付近では結晶欠陥が多くなるため、その領域を半導体装置の半導体膜として用いることができない。このため、この領域を回避して半導体膜を形成せざるを得ず、これが半導体装置の高密度化を妨げる要因になっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、上記課題を解決するために、略単結晶珪素膜によって構成される半導体装置の高密度集積化に適する構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、一以上の結晶粒から構成される第1略単結晶珪素膜上に少なくとも1以上の中間層を形成する工程と、第1略単結晶珪素膜上において相対的に欠陥の少ない部分に到達する孔を中間層に形成する工程と、孔を含めて中間層上に非単結晶珪素膜を形成する工程と、非単結晶珪素膜にエネルギーを照射して孔の底部における第1略単結晶珪素膜を構成する結晶粒の粒界を溶解させ、当該結晶粒の結晶を引き継いで結晶成長させて、孔を中心とした領域に一以上の略単結晶から構成される第2略単結晶珪素膜を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記工程によれば、第1略単結晶珪素膜は、欠陥の少ない微小領域では面方位の揃った結晶となっている。このため、この略単結晶の表面にまで到達する孔を形成しその上に形成した非単結晶珪素膜にエネルギーを供給することにより溶解させ、この溶解状態を第1略単結晶珪素膜の粒界まで到達させると、冷却が始まった場合に第1略単結晶珪素膜の面方位の揃った結晶状態を引き継いで結晶が孔内を成長していく。この単結晶が孔からさらに溶解した非単結晶珪素膜全域に達して形成される第2略単結晶珪素膜も、同様に略単結晶状態となる。従って下部の第1略単結晶珪素膜に積層して第2略単結晶珪素膜を形成することができ、このように重層化された略単結晶珪素膜を利用して半導体装置を形成すれば、高密度に集積させた略単結晶珪素膜で構成される半導体装置を提供できる。
【0008】
ここで本発明において、「半導体装置」とは、各種トランジスタやダイオード、抵抗、インダクタ、キャパシタ、その他能動素子・受動素子を問わず、N型やP型半導体の組合せにより製造可能な素子、または、配線された素子の集合からなる集積回路を含むものとする。
【0009】
また「略単結晶」とは、結晶粒が単一である場合のみならずこれに近い状態、すなわち、複数の結晶が組合わさっていてもその数が少なく、半導体薄膜の性質の観点からほぼ単結晶により形成された半導体薄膜と同等の性質を備えている場合も含む。
【0010】
また「エネルギ」は、珪素膜を溶融させるものであれば十分であるが、孔周辺と特定の領域を溶融状態にするために、例えばレーザ光を適用することが好ましい。
【0011】
また「中間層」に特に限定はなく、酸化珪素膜や窒化珪素膜等の層間絶縁膜、配線に係る金属層、電界発光機能を有する機能性薄膜(有機EL層等)等、任意の層が介在していてよい。
【0012】
また「孔」は中間層を貫通する貫通孔(スルーホール)であるが、下層の略単結晶の結晶状態のまま孔内で結晶成長し、略単結晶状態のまま第2略単結晶珪素膜に引き継がれるものであればよい。孔は、下層における結晶に欠陥が生じていた場合にその欠陥を受け継がないように、なるべく小さい孔にしておくことが望ましい。半導体装置の集積度を向上させる観点からもこの孔は小さい方が好ましい。
【0013】
ここで、第1略単結晶珪素膜は、下地層に設けられた凹部を含めて当該下地層上に非単結晶珪素膜を形成する工程と、非単結晶珪素膜にエネルギーを照射する工程と、によって、当該非単結晶珪素膜を溶解させ、凹部内における溶融状態と非溶融状態との界面付近の結晶粒を結晶核として結晶成長させて、当該凹部を中心とした領域に形成されるものである。
【0014】
なお、「下地層」は例えば酸化珪素等の絶縁膜をいうが、溶融状態となった珪素を囲む層となりうるものならば限定はない。「凹部」は例えば穴、溝、陥没等をいうが、多結晶珪素における粒界程度またはそれよりも小さい径を備えていることが好ましい。凹部の径が小さければ単結晶のみを成長させることができるからである。
【0015】
上記工程によれば、下層の第1略単結晶珪素膜についても良質な略単結晶状態の珪素膜を形成可能である。すなわち、このように形成された略単結晶状態の単結晶珪素膜から成形される半導体膜は、内部に欠陥が少なく、エネルギーバンドにおける禁制帯中央部付近の捕獲準位密度が少なくなるという好ましい電気的効果を有する。このような半導体膜を能動層(ソース/ドレイン領域やチャネル領域)に利用する半導体装置では、オフ電流値が小さく移動度の大きな優良なものとなる。この特性は上層の第2略単結晶珪素膜にも引き継がれるのである。
【0016】
また本発明では、第1略単結晶珪素膜または第2略単結晶珪素膜の少なくともいずれか一方を、半導体装置を構成する半導体膜の形状に成形する工程をさらに備える。上記工程によれば、このような構成によれば、積層された半導体膜を提供できることになり、性能の良い半導体膜を有する半導体装置を高密度に集積できることになる。
【0017】
具体的には、半導体膜は、単結晶珪素膜内において孔付近の格子欠陥が存在する領域以外の領域を成形して形成される。すなわち孔付近では結晶方向が急激に変化して格子欠陥を生じているため、この部分を回避して形成された半導体膜は、性能の高い略単結晶で構成されていることになる。
【0018】
例えば、半導体膜に対応する配線層を形成して半導体装置を製造する工程をさらに備える。この工程によって、配線層を例えば中間層の間に形成する等の方法によって、半導体膜に対し直接電気的に接触する金属層(例えば、ソース電極やドレイン電極)や半導体膜に作用する電極(例えば、ゲート電極)を形成可能である。
【0019】
本発明に係る半導体装置は、一以上の結晶粒から構成される第1略単結晶珪素膜と、第1略単結晶珪素膜上に形成された少なくとも1以上の中間層と、中間層上に形成された一以上の結晶粒から構成される第2略単結晶珪素膜と、を備え、中間層には、第1略単結晶珪素膜上において相対的に欠陥の少ない部分に到達する孔が設けられている。
【0020】
上記構成によれば、第1略単結晶珪素膜は、欠陥の少ない微小領域では面方位の揃った結晶となっている。この珪素膜自体が半導体装置に利用可能な膜として性能が高いことになる。さらにこの第1略単結晶珪素膜の欠陥の少ない部分に孔が到達しているので、この孔経由で第1略単結晶珪素膜の結晶状態が引き継がれ、上層の第2略単結晶珪素膜に伝達されていることになる。そのため上層の第2略単結晶珪素膜自体も半導体装置に利用可能な膜として高い性能を備えていることになる。このように複数の略単結晶珪素膜が積層されていることになるので、それぞれの略単結晶珪素膜を利用して半導体装置を形成すれば、高密度に集積させた略単結晶珪素膜で構成される半導体装置を提供できることになる。
【0021】
ここで、孔の内部には、第2略単結晶珪素膜と同一の略単結晶が満たされている。このように孔の内部における結晶と第2略単結晶珪素膜における結晶とが同一の略単結晶である場合に、両者の結晶は連続成長によって形成されたことが推定され、この結晶状態は第1略単結晶珪素膜の結晶状態が引き継がれたものであることを意味している。
【0022】
ここで、第1略単結晶珪素膜または第2略単結晶珪素膜の少なくともいずれか一方は、半導体装置を構成する半導体膜の形状に成形されている。このような構成によれば、積層された半導体膜を提供できることになり、性能の良い半導体膜を有する半導体装置を高密度に集積できることになる。
【0023】
ここで半導体膜は、単結晶珪素膜内において孔付近の格子欠陥が存在する領域以外の領域を成形して形成されている。すなわち孔付近では結晶方向が急激に変化して格子欠陥を生じているため、この部分を回避して形成された半導体膜は、性能の高い略単結晶で構成されていることになる。
【0024】
ここで、当該半導体装置は、半導体膜に対応する配線層をさらに備えている。このような構成は、半導体膜に対し直接電気的に接触する配線層、すなわち金属層(例えば、ソース電極やドレイン電極)や半導体膜に作用する電極(例えば、ゲート電極)を備えていることになるので、性能の良い半導体膜を有する半導体装置を提供可能である。
【0025】
本発明では、基板平面に略垂直方向から見て複数の半導体膜が互いに一部または全部において重なり合っている。すなわち本発明の半導体装置では複数の略単結晶珪素膜から形成された半導体膜を平面上重複して形成できることになるのである。逆に重複して略単結晶状態の半導体膜が形成せれていれば、本発明の製造方法を使用したことを推定可能である。
【0026】
本発明では、複数の半導体膜がそれぞれ異なる層上に形成されている。従来の略単結晶珪素膜を利用した半導体装置では、複数の半導体膜を形成する場合、同一の絶縁膜上の異なる位置に孔を設ける等して平面上に分散して略単結晶状態の珪素膜を形成せざるを得なかった。しかし本発明によれば、下層から上層に向けて重ねて半導体膜を形成可能である。逆に積層されて略単結晶珪素膜が形成されている半導体装置では、本発明の製造方法を使用したことを推定可能である。
【0027】
また本発明は、本発明の半導体装置を備えている電気光学装置であり、また電子機器でもある。
【0028】
ここで「電気光学装置」とは、本発明に係る半導体装置を備えた、電気的作用によって発光するあるいは外部からの光の状態を変化させる電気光学素子を備えた装置一般をいい、自ら光を発するものと外部からの光の通過を制御するもの双方を含む。例えば、電気光学素子として、液晶素子、電気泳動粒子が分散した分散媒体を有する電気泳動素子、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、電界の印加により発生した電子を発光板に当てて発光させる電子放出素子を備えたアクティブマトリクス型の表示装置等をいう。
【0029】
また「電子機器」とは、本発明に係る半導体装置を備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、例えば電気光学装置やメモリを備えて構成される。その構成に特に限定が無いが、例えば、上記表示装置を備えるパーソナルコンピュータ、携帯電話、ビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が含まれる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、本発明に係る半導体装置として薄膜トランジスタを提供するものである。
【0031】
図1に、第1の実施の形態に係る半導体装置の層構造を説明する断面図を示す。本半導体装置は、一以上の結晶粒から構成される下層の略単結晶珪素膜と上層の一以上の結晶粒から構成される略単結晶珪素膜とが、少なくとも1以上の中間層に設けられたスルーホールを介して連続した結晶となったものをパターニングして構成されている。
【0032】
図1に示すように、当該半導体装置は、半導体装置をそれぞれ形成可能な層構造単位でブロック化されており、積層構造ブロックB1、B2、B3を備えている。具体的には、下層から順に、第1積層ブロックB1として、基板1、第1絶縁膜2、第1半導体膜3cA〜C、第1ゲート絶縁膜4、第1ゲート電極5、第1層間絶縁膜6、第1ソース・ドレイン電極7を備える。また第2積層ブロックB2として、第2絶縁膜8、第2半導体膜9cA〜D,第2ゲート絶縁膜10、第2ゲート電極11A・B、第2層間絶縁膜12、第2ソース・ドレイン電極13A・Bを備える。さらに第3積層ブロックB3として、第3絶縁膜14、第3半導体膜15cA・Bを備えている。積層構造ブロック毎に薄膜トランジスタが一以上形成されている。必要とされる薄膜トランジスタの総数に応じて各積層ブロックに形成するトランジスタ数及び積層ブロック数を変更可能である。
【0033】
さらに具体的に、第1積層ブロックB1において、基板1上に設けられた第1絶縁膜2には、総ての半導体膜に係る略単結晶珪素を成長させる源となった穴2bA及び2bBが設けられている。穴2bAは、第1積層ブロックB1に含まれる第1半導体膜3cA及び3cBに係る略単結晶珪素膜の結晶成長源となった孔である。第1半導体膜3cAは薄膜トランジスタT1を構成する半導体膜となっており、ソース・ドレイン領域3d及びチャネル領域3eが形成されている。チャネル領域3eの上層には第1ゲート絶縁膜4を介して第1ゲート電極5が設けられ、ソース・ドレイン領域3dにはスルーホールを介して第1ソース・ドレイン電極7が接続している。
【0034】
第1半導体膜3cBは、第2積層ブロックB2に含まれる第2半導体膜9cA及び9cBに係る略単結晶珪素を成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール8bAを介して成長した略単結晶が第2半導体膜(9cA,9cB)側にまで到達している。
【0035】
一方、第1絶縁膜2上の穴2bBは、第1積層ブロックB1に含まれる第1半導体膜3cCに係る略単結晶珪素膜の結晶成長源となった孔であり、第1半導体膜3cCと結晶が連続している。第1半導体膜3cCは、第2積層ブロックB2に含まれる第2半導体膜9cC、9cD、及び9cEに係る略単結晶珪素を成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール8bBを介して成長した略単結晶が第2半導体膜(9cC、9cD)側にまで到達している。また第1半導体膜3cCは、第2積層ブロックB2に含まれる他の第2半導体膜9cEに係る略単結晶珪素を成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール8bCを介して成長した略単結晶が第2半導体膜9cEにまで到達している。このように第1積層ブロックB1では第1半導体膜3cAが薄膜トランジスタT1の構造物となっている他は、上層の半導体膜の結晶成長の種として半導体膜が利用されている。
【0036】
第2積層ブロックB2では、スルーホール8bAから結晶成長して形成された第2半導体膜9cAは薄膜トランジスタT2の構造物となっている。第2半導体膜9cAには薄膜トランジスタT1と同様にソース・ドレイン領域、チャネル領域が形成され、チャネル領域の上層に第2ゲート絶縁膜10を介して第2ゲート電極11Aが設けられ、ソース・ドレイン領域にはスルーホールを介して第2ソース・ドレイン電極13Aが接続している。同様に、スルーホール8bBから結晶成長して形成された第2半導体膜9cCは薄膜トランジスタT3の構造物となっている。第2半導体膜9cCにはソース・ドレイン領域、チャネル領域が形成され、チャネル領域の上層に第2ゲート絶縁膜10を介して第2ゲート電極11Bが設けられ、ソース・ドレイン領域にはスルーホールを介してソース・ドレイン電極13Bが接続している。
【0037】
一方、スルーホール8bBから結晶成長して形成された第2半導体膜9cDはさらに第3積層ブロックB3に係る第3半導体膜15cAを結晶成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール14bAを介して成長した略単結晶が第3半導体膜15cAに到達している。同じく第2半導体膜9cEは第3半導体膜15cBを結晶成長させる種となった略単結晶珪素膜であり、スルーホール14bBを介して成長した略単結晶が第3半導体膜15cBに到達している。このように第2積層ブロックB2では第2半導体膜9cAが薄膜トランジスタT1の構造に、第2半導体膜9cCが薄膜トランジスタT3の構造にそれぞれ使用され、残りは上層の半導体膜の結晶成長の種として半導体膜が利用されている。
【0038】
ここでスルーホール8bA〜C、14bA・Bは、下層の略単結晶珪素膜である半導体膜のうち格子欠陥の相対的少ない領域において接している。すなわち、略単結晶珪素膜のうち比較的格子欠陥が多くなる領域は、形成時に結晶成長の方向が急に変化する穴2bA・Bやスルーホール8bA〜Cの出口付近である。このためスルーホール8bA〜Cの形成位置は第1半導体膜3の中で穴2bA・Bの出口付近を外してあり、スルーホール14bA・Bについては第2半導体膜9の中でスルーホール8bA〜Cの出口付近を外してある。
【0039】
なお、図1では、便宜上、第3積層ブロックB3が第3半導体膜15cA・Bまで示されているが、これら半導体膜を薄膜トランジスタ等の素子構造に利用したりさらに上層の略単結晶珪素膜を形成する種として利用したりすることが可能である。
【0040】
上記した構成によれば、基板平面に略垂直方向から見て複数の半導体膜(例えば3cAと9cA、3cBと9cB、3cDと9cDと15cA、3cCと9cEと15cB)が互いに一部または全部において重なり合っていることになる。結晶を積層方向に連続させていくため、平面図上重複させて複数の略単結晶珪素膜を形成することが可能だからである。
【0041】
次に、図2〜図5を参照して本第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造工程断面図を説明する。話を簡単にするために、以下では一つの第1絶縁膜2に形成される穴2bを中心とした製造工程を示す。
【0042】
(穴形成工程:図2S1)
まず、ガラス等の基板1上に下地層となる第1絶縁膜2を形成する。基板1は、最終製品である電気光学装置や電子機器に要する強度を有し、半導体形成プロセスで印加される熱ストレスに耐えられる材料を用いる。例えばガラスや石英などを利用する。第1絶縁膜2は、例えば酸化珪素膜や酸化窒化膜等が利用可能である。第1絶縁膜2の形成方法としては、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)、低圧化学気相堆積法(LPCVD法)、スパッタリング法等の気相堆積法が挙げられる。例えば、PECVD法により厚さ100nmの第1絶縁膜2を形成できる。
【0043】
次に、第1絶縁膜2上において半導体膜(3cA〜3cC)を形成させたい領域に対応させて、凹部である穴2bを設ける。本発明における略単結晶珪素膜の形成方法によれば、略単結晶珪素膜の結晶が穴やスルーホールを中心とした所定領域(例えば半径数μmの領域)に形成させる。このため薄膜トランジスタ用の半導体膜や上層の結晶成長の種とする半導体膜を形成させたい位置と結晶成長が可能な範囲とを勘案して穴を設ける位置が定められる。穴2bは、多結晶の粒径と同径以下の直径となるように形成する。例えば穴の直径を1μm以下、好ましくは0.5μm以下に設定する。このような直径とすれば、当該孔径が多結晶の結晶粒の粒径以下であるため、穴内には複数の結晶粒が並ぶことが無くなるため、その結晶粒から単結晶を成長させることができる。例えば、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程により、第1絶縁膜2の面内に、直径が0.5μmの穴2bを形成する。エッチング方法としては、CF4ガスとH2ガスのプラズマを用いた反応性イオンエッチングが好適である。
【0044】
(珪素膜形成工程:図2S2)
次に、第1絶縁膜2上に所定厚さ(例えば50nm〜500nmの範囲)で多結晶珪素膜3を形成する。まず非晶質珪素膜を第1絶縁膜2上に形成する。当初第1絶縁膜上に形成する珪素膜は、非晶質(アモルファス状態)であっても多結晶状態であってもよい。ここでは非結晶状態に形成するものとする。第1絶縁膜2上への珪素膜の形成方法としては、PECVD法やLPCVD法、常圧化学気相堆積法(APCVD法)、スパッタリング法が採用できる。高純度の珪素膜を容易に、しかも穴2b内にも確実に充填して堆積させるために、LPCVD法により珪素膜を形成することは好ましい。例えば、LPCVD法により厚さ50nmの珪素膜を形成できる。非結晶珪素膜形成後に熱処理し、多結晶化させて多結晶珪素膜3に変化させる。アモルファス状の珪素膜を多結晶化させるための熱処理は種々考えられるが、例えば、固相成長させること挙げられる。固相成長をさせる場合には、例えば、窒素雰囲気中で所定の温度、例えば600℃程度で、所定の時間、例えば24時間から48時間保持する。
【0045】
なお、レーザ照射によっても非結晶珪素膜の表面を多結晶化させることが可能である。この方法を利用する場合には、基板1上に第1絶縁膜2を設けるより先に一旦珪素膜を設け、その表面にレーザ照射をして当該珪素膜を多結晶化させておく。その上に第1絶縁膜2を形成してから前記多結晶化した珪素膜表面が露出するように穴を設ける。その後の工程は同様であり、この上に非結晶珪素膜を設けることになる。このような工程によれば、穴の底には既に多結晶の粒界が存在していることになる。なお、非結晶珪素膜をレーザ照射により多結晶化させるためには、例えば、XeClパルスエキシマレーザ光(波長308nm、パスル幅30nsec)を用い、エネルギー密度が0.3J/cm2程度から0.5J/cm2でレーザ照射を行う。珪素膜の同一個所に対するレーザ照射の回数は例えば20回程度とする。この方法によれば、具体的には、「Laser processing of amorphous for large−area polysilicon imagers」(J.B.Boyce等Thin Solid Films, vol.383(2001)p.137−142)に記載されているように、同一個所に複数回レーザ照射R1を行うことにより、非結晶珪素膜を、膜面内が結晶方位(111)を有した多結晶珪素膜に変化させることができる。
【0046】
(単結晶珪素膜形成工程:図2S3・S4)
当該工程では、多結晶珪素膜3に所定条件でレーザを照射することにより、略単結晶珪素膜3bを形成する。すなわちレーザ照射により多結晶珪素膜3が溶融する。このとき、穴2b付近では、層方向において、多結晶珪素膜3の厚みが厚くなっているので、溶融領域3aは穴2bの底部まで及ばず、底部が不完全溶融のまま残される。一方、穴2bの周囲では、多結晶珪素膜3が溶融状態となっており、溶融領域3aが一定の範囲(すなわち単結晶成長が可能な範囲)にまで拡大している。レーザ照射後、冷却するに従って珪素膜に結晶が成長する。すなわち、穴底部における非溶融状態の領域と完全溶融状態の領域の界面における1以上の結晶粒が結晶成長の核となり、穴2bの縦方向に結晶が成長し始める。結晶が穴2bの出口付近に達すると、今度は結晶成長方向が横方向変化し、溶融領域3aに亘って、穴を中心として1以上の略単結晶粒から構成される略単結晶珪素膜3bが形成される。
【0047】
すなわち、図2S3に示すように、多結晶珪素膜3にレーザが照射されると、穴2b内部及びその上部の多結晶珪素膜3の一部分が溶融して溶融領域3aが形成される。この溶融領域3aは、少なくとも最終的に形成させたい第1半導体膜3cを含む領域とする。レーザ光としては、多結晶珪素膜3の膜厚に対応したエネルギーのレーザ光を用いる。例えば、多結晶珪素膜3の膜厚が50nm〜500nm(好ましくは50nm〜250nm)である場合、レーザ光としてXeClパルスエキシマレーザ(波長308nm、パスル幅30nsec)を用い、エネルギー密度0.4〜1.5J/cm2でレーザ照射することにより、部分的溶融が達成できる。
【0048】
ここで、照射されたXeClパルスエキシマレーザは多結晶珪素膜3の表面近傍でほとんどが吸収される。これはXeClパルスエキシマレーザの波長(308nm)における非晶質珪素および結晶性珪素の吸収係数が其々0.139nm−1と0.149nm−1と大きいためである。また、第1絶縁膜2である酸化珪素は、前記レーザに対して略透明であって、このレーザのエネルギーを吸収しないため、レーザ照射によって溶融しない。このため、レーザ照射により、多結晶珪素膜3の穴2bの部分は底部に若干の結晶を残す不完全溶融状態となり、その他の多結晶珪素膜3は所定の範囲で完全に溶融した溶融領域3aになる。
【0049】
レーザ照射後には、溶融した珪素の凝固が始まり単結晶の結晶粒3bが成長していく。この単結晶の結晶粒3bの成長は、不完全に溶融している穴2b内部で先に始まり、穴に続く完全溶融状態の溶融領域3aに至る。ここで、溶融状態の珪素は、凝固時に穴2b内部に残留している多結晶の結晶粒を核として結晶成長する。そしてS4に示すように、結晶粒3bの結晶成長が溶融領域3a全体に及ぶ。
【0050】
(半導体膜形成工程:図2S5)
このようにして形成された単結晶珪素膜3bから第1半導体膜3cを成形する。単結晶珪素膜3bを含む多結晶珪素膜3全体をエッチングによりパターニングして、所望の形状の第1半導体膜3cA及び3cBを形成する。エッチングにより、多結晶状態のまま残されている多結晶珪素膜3の部分と不要な単結晶珪素膜3bとが除去される。
【0051】
ここで、穴2bの出口付近と離間させて第1半導体膜3cA・Bを形成することが好ましい。穴の出口付近から離れる程結晶の安定性が向上するからである。
【0052】
(第1積層ブロックに係る半導体装置形成工程:図3)
図3S11〜S15に、第1積層ブロックに係る半導体装置の形成工程を示す。
【0053】
まず、図3S11に示すように、第1絶縁膜2及び第1半導体膜3cA・B上に、第1ゲート絶縁膜4を形成する。例えば、第1ゲート絶縁膜4は、酸化珪素によって、電子サイクロトロン共鳴PECVD法(ECR−CVD法)またはPECVD法にて形成できる。
【0054】
次に、図3S12に示すように、第1ゲート絶縁膜4上に、タンタルまたはアルミニウムの金属薄膜をスパッタリング法により形成した後、パターニングすることによって、第1ゲート電極5を形成する。ここで第1半導体膜3cAは第2積層ブロック以降の略単結晶珪素膜形成の種として用い、第1半導体膜3cBを第1積層ブロックに係る薄膜トランジスタに用いることとする。
【0055】
第1ゲート電極5形成後にこの電極をマスクとして、ドナーまたはアクセプターとなる不純物イオンを第1半導体膜3cBに打ち込み、不純物領域をゲート電極に対して自己整合的に作製する。すなわち、N型MOSトランジスタであれば、第1半導体膜3cBをP型半導体にしておき、N型半導体にするための不純物をソース・ドレイン領域3dに打ち込み、第1ゲート電極5の下部をP型半導体であるチャネル領域3eとする。なお、第1半導体膜3cAについては、不純物が導入されても結晶成長の種としての機能は失われないが、不純物導入前にマスクを施し、不純物が第1半導体膜3cAに導入されないようにしてもよい。
【0056】
具体的には、N型MOSトランジスタを作製する場合、例えば、不純物元素としてリン(P)を1×1016cm−2の濃度でソース・ドレイン領域3dに打ち込む。その後、XeClエキシマレーザを照射エネルギー密度400mJ/cm2程度で照射するか、250℃から450℃程度の温度で熱処理することにより、前記不純物元素の活性化を行う。
【0057】
次に、図2S14に示すように、第1絶縁膜4及び第1ゲート電極5の上面に、第1層間絶縁膜6を形成する。例えば、PECVD法で酸化珪素膜を成長させ約500nmの第1層間絶縁膜6を形成する。次に、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域3dに至るコンタクトホールを第1絶縁膜4及び第1層間絶縁膜6に設けてから、スパッタリング法等によりアルミニウム等の配線用金属を堆積する。そして電極形状にパターニングすることにより、第1ソース・ドレイン電極7を形成する。以上で、第1積層ブロックB1における半導体装置である薄膜トランジスタTが作製できる。
【0058】
さらに、図2S15に示すように、第2積層ブロックB2の下地層となる第2絶縁膜8を形成する。第2絶縁膜8の形成方法は上記第1絶縁膜2と同様である。
【0059】
(第2積層ブロック形成工程:図4及び図5)
次に、上層構造に係る第2積層ブロック以降の製造工程を説明する。
【0060】
まず、図4S20に示すように、フォトリソグラフィ法及びエッチング法等、公知の開孔技術を利用して半導体膜を形成した領域にスルーホール(貫通孔)8bを形成する。第2積層ブロックB2以降において形成される略単結晶珪素膜も第1積層ブロックB1における第1半導体膜3cと同様に結晶成長するため、スルーホールを設ける位置と半導体膜との位置関係は第1積層ブロックと同様に考えることができる。
【0061】
但し、当該スルーホール8bは、既に略単結晶となっている第1半導体膜3cAからその結晶状態を引き継いで結晶成長させればよいため、孔径は必ずしも多結晶を構成する結晶粒の粒径以下にしなくてもよい。無論、直径をこの粒径以下に抑えておけば、万一下層の半導体膜の表面等に複数の結晶粒が存在していたとしても、上層の半導体膜を確実に略単結晶状態にすることができる。また、スルーホール8bは本実施形態では3層の中間層を貫通しているので、最下層の穴2bに比べ深いものとなっている。スルーホールの形成方法としては、CF4ガスとH2ガスのプラズマを用いた反応性イオンエッチングが好適である。
【0062】
次に、図4S21に示すように、第2絶縁膜8上に所定厚さ(例えば50nm〜500nmの範囲)で上記と同様にして多結晶珪素膜9を形成する。非結晶珪素膜の形成方法及び非結晶珪素膜を多結晶珪素膜に変換させる方法については第1積層ブロックB1における処理と同様である。
【0063】
但し、第2積層ブロック以降の上層の珪素膜は多結晶化しなくてもよい。第2積層ブロックB2においては、スルーホールによって下層の略単結晶の半導体膜と連結することによって結晶状態が引き継がれるため、第1積層ブロックの穴2bのように、穴の非溶融状態のまま残される部分に多結晶の粒界が存在している必要がないからである。このため、珪素膜の多結晶化工程を省略することができる。
【0064】
次に、図4S22に示すように、多結晶珪素膜9に所定条件でレーザを照射してスルーホール8bを中心とする領域の多結晶珪素膜を溶融させて固化させることにより、S23に示すような略単結晶珪素膜9bを形成する。これらの工程も上記第1積層ブロックB1における工程と同様に実施できる。
【0065】
但し、今回、スルーホール8bが穴2bより深く、また、溶融状態をスルーホール8bの底部まで及ばせ、少なくともスルーホール8bに当接している第1半導体膜3cAの粒界を一部溶融させて結晶状態を引き継ぐ必要があるため、エネルギーの付与方法、すなわちレーザ光の強度や照射方法を調整する必要がある。例えば、レーザ光を高エネルギー密度に維持するため、波長の長いレーザ光、例えば308nm以上、好ましくは500nm以上の波長のレーザ光を用いる。ここでもXeClパルスエキシマレーザを利用可能である。エネルギー密度は上記穴2bに係る溶融時よりも若干高くする必要がある。このようなレーザ光を照射することにより、溶融領域9aがスルーホール8bの底部に達し、第1半導体膜3cAの表面の粒界に達する。
【0066】
図4S23に示すように、レーザ照射後、冷却するに従って珪素膜に結晶が成長する。このときスルーホール8b底部におけて第1半導体膜3cAの略単結晶の結晶状態が引き継がれて結晶成長し、スルーホール中を結晶が成長する。結晶がスルーホール8bの出口付近に達すると、今度は結晶成長方向が横方向変化し、溶融領域9a全体に亘って、スルーホール8bを中心として1以上の略単結晶粒から構成される略単結晶珪素膜9bが形成される。
【0067】
(第2積層ブロックに係る半導体装置形成工程:図5)
次に、図5S30に示すように、単結晶珪素膜9bから第2半導体膜9cA・Bを成形する。すなわち、上記第1積層ブロックB1における第1半導体膜3cの形成と同様にして、単結晶珪素膜9bを含む多結晶珪素膜9全体をエッチングによりパターニングして、所望の形状の第2半導体膜9cA及び9cBを形成する。ここにおいても、スルーホール8bの出口付近では結晶状態が安定していないため、この領域を外して半導体膜を形成することが好ましい。
【0068】
以降は、第1積層ブロックB1と同様の工程を繰り返して薄膜トランジスタと形成したり上層の結晶成長の種とする半導体膜を残したりする。すなわち、図5S31に示すように、第2絶縁膜8及び第2半導体膜9cA・B上に、第2ゲート絶縁膜10を形成し、第2ゲート電極11を形成し、上記と同様にして不純物を導入する。次に、図5S32に示すように、その上に第2層間絶縁膜12を形成し、第2ソース・ドレイン電極13を形成して、第2積層ブロックB2における薄膜トランジスタを完成させる。
【0069】
なお、図5では、薄膜トランジスタのキャリアの流れる方向から第2積層ブロックにおけるトランジスタ構造を見ているため、第2ゲート電極11と第2ソース・ドレイン電極13とが重なって描かれている。
【0070】
さらに第3積層ブロックB3以降を積層する場合には、図5S33に示すように、第3絶縁膜14を積層してから、スルーホール14bを第2積層ブロックB2におけるスルーホール8bと同様に開孔する。以下、略単結晶の結晶構造を引き継がせながら層構造を連続させ、多くの薄膜トランジスタを形成することが可能である。
【0071】
なお、第2積層ブロック以降のスルーホールを下層の半導体膜に到達するスルーホールとせずに、第1積層ブロックにおける穴2bと同じく絶縁膜に囲まれる凹部として形成してもよい。但し、このような穴を利用する場合には、第1積層ブロックにおける孔と同様の形状にし、照射するレーザ光のエネルギー密度や波長を穴の底部において半溶融状態が残るように調整する必要がある。
【0072】
以上、本第1の実施の形態によれば、最下層の第1積層ブロックにおける良質な略単結晶珪素膜の結晶構造を次々引き継がせて略単結晶珪素膜の多重積層構造を形成することが可能である。このような重層化された略単結晶珪素膜の各々に半導体装置を形成すれば、高密度に集積させた半導体装置を提供できる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、格子欠陥が生じやすい穴やスルーホールの出口付近を回避して半導体膜が形成されているので、性能の高い略単結晶を提供可能である。
【0074】
本実施の形態における略単結晶状態の単結晶珪素膜によれば、内部に欠陥が少なく、エネルギーバンドにおける禁制帯中央部付近の捕獲準位密度が少なくなるという好ましい電気的効果を有する。このような半導体膜を能動層(ソース/ドレイン領域やチャネル領域)に利用する薄膜トランジスタ等の半導体装置では、オフ電流値が小さく移動度の大きな優良なものとなる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、本発明の半導体装置等を備えた電気光学装置に関する。
【0075】
図6に、本第2の実施の形態における電気光学(表示)装置100の接続図を示す。本実施の形態の表示装置100は、各画素領域Gに電界発光効果により発光可能な発光層OELD、それを駆動するための電流を記憶する保持容量Cを備え、さらに本発明の製造方法によって製造される半導体装置、ここでは薄膜トランジスタT1〜T4を備えて構成されている。ドライバ領域101からは、走査線Vsel及び発光制御線Vgpが各画素領域Gに供給されている。ドライバ領域102からは、データ線Idataおよび電源線Vddが各画素領域Gに供給されている。走査線Vselとデータ線Idataとを制御することにより、各画素領域Gに対する電流プログラムが行われ、発光部OELDによる発光が制御可能になっている。
【0076】
なお、上記駆動回路は、発光要素に電界発光素子を使用する場合の回路の一例であり他の回路構成も可能である。例えば、ドライバ領域101または102へ本発明の半導体装置の製造方法によってまた発光要素に液晶表示素子を利用することも回路構成を種々変更することにより可能である。
【0077】
本第2の実施の形態によれば、本発明の半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置を備えているので、上記各実施の形態における効果と同様の効果を奏する。すなわち、薄膜トランジスタを高密度実装、例えば厚み方向に積層できるので、発光層に割り当てる面積を大きくでき開口率を上げることができる。
【0078】
また、周辺回路の専有面積を少なくできるため、表示装置の高解像度化が図れる。
【0079】
しかも当該半導体装置が備える半導体膜は略単結晶状態であるため、内部に欠陥が少なく、半導体膜の電気特性の点で、エネルギーバンドにおける禁制帯中央部付近の捕獲準位密度が少なく、また、結晶粒界が無いために、電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁を大きく減少できるため、オフ電流値が小さく移動度の大きな優良な半導体装置となっている。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置等を備えた電子機器、特にパーソナルコンピュータに関する。
【0080】
図7は、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ1000の構成を示す斜視図である。図7において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1002を備えた本体部1004と、表示装置100とから構成されている。表示装置100には、本発明の半導体装置の製造方法により製造された薄膜トランジスタを備えている。
【0081】
上記例に限らず本発明に係る半導体装置は、あらゆる電子機器の製造に適用可能である。例えば、パーソナルコンピュータの他に、携帯電話、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型やモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等表示機能付きファックス装置、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ、ICカードなどにも適用することができる。特に本発明の半導体装置は、高密度集積が必要な電子機器に適する。
【0082】
本実施形態に係る電子機器によれば、前記各実施の形態における半導体装置における効果と同様の効果を奏する。すなわち、本発明に係る半導体装置によれば、半導体装置が高密度実装されているので小型化が可能である。また、当該半導体装置が備える半導体薄膜は、内部に欠陥が少なく、半導体膜の電気特性の点で、エネルギーバンドにおける禁制帯中央部付近の捕獲準位密度が少なく、また、結晶粒界が無いために、電子や正孔といったキャリアが流れる際の障壁を大きく減少できるため、オフ電流値が小さく移動度の大きな優良な半導体装置となっている。したがって、性能の高い電子機器を提供可能である。
【0083】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の特許請求の範囲に記載の要旨の範囲内で種々に変形、変更できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の層構造を説明する断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造方法を説明する製造工程断面図であり、第1略単結晶珪素膜の製造まで(S1〜S5)の工程図である。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造方法を説明する製造工程断面図であり、中間層製造まで(S10〜S15)の工程図である。
【図4】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造方法を説明する製造工程断面図であり、第2略単結晶珪素膜の製造まで(S20〜S23)の工程図である。
【図5】第1の実施の形態に係る半導体薄膜の製造方法を説明する製造工程断面図であり、第2半導体膜形成とその後の工程(S30〜S33)を示す工程図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る電気光学装置の構成を説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る電子機器の例であり、携帯型パーソナルコンピュータを例示するものである。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2、8、14…第1〜第3絶縁膜、2b、8b、14b…孔・スルーホール、3c、9c、15c…第1〜第3半導体膜(略単結晶珪素膜)、4、10…第1・第2ゲート絶縁膜、6、12…第1・第2層間絶縁膜、5、11…第1・第2ゲート電極、7、13…第1・第2ソース・ドレイン電極
Claims (14)
- 一以上の結晶粒から構成される第1略単結晶珪素膜上に少なくとも1以上の中間層を形成する工程と、
前記第1略単結晶珪素膜上において相対的に欠陥の少ない部分に到達する孔を前記中間層に形成する工程と、
前記孔を含めて前記中間層上に非単結晶珪素膜を形成する工程と、
前記非単結晶珪素膜にエネルギーを照射して前記孔の底部における前記第1略単結晶珪素膜を構成する結晶粒の粒界を溶解させ、当該結晶粒の結晶を引き継いで結晶成長させて、前記孔を中心とした領域に一以上の略単結晶から構成される第2略単結晶珪素膜を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1略単結晶珪素膜は、
下地層に設けられた凹部を含めて当該下地層上に非単結晶珪素膜を形成する工程と、
前記非単結晶珪素膜にエネルギーを照射する工程と、によって、
当該非単結晶珪素膜を溶解させ、前記凹部内における溶融状態と非溶融状態との界面付近の結晶粒を結晶核として結晶成長させて、当該凹部を中心とした領域に形成されるものである、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1略単結晶珪素膜または前記第2略単結晶珪素膜の少なくともいずれか一方を、半導体装置を構成する半導体膜の形状に成形する工程をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体膜は、前記単結晶珪素膜内において前記孔付近の格子欠陥が存在する領域以外の領域を成形して形成される、請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体膜に対応する配線層を形成して前記半導体装置を製造する工程をさらに備える、請求項3または4に記載の半導体装置の製造方法。
- 一以上の結晶粒から構成される第1略単結晶珪素膜と、
前記第1略単結晶珪素膜上に形成された少なくとも1以上の中間層と、
前記中間層上に形成された一以上の結晶粒から構成される第2略単結晶珪素膜と、を備え、
前記中間層には、前記第1略単結晶珪素膜上において相対的に欠陥の少ない部分に到達する孔が設けられていること、を特徴とする半導体装置。 - 前記孔の内部には、前記第2略単結晶珪素膜と同一の略単結晶が満たされている、請求項6に記載の半導体装置。
- 前記第1略単結晶珪素膜または前記第2略単結晶珪素膜の少なくともいずれか一方は、半導体装置を構成する半導体膜の形状に成形されている、請求項6または7に記載の半導体装置。
- 前記半導体膜は、前記単結晶珪素膜内において前記孔付近の格子欠陥が存在する領域以外の領域を成形して形成されている、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体膜に対応する配線層をさらに備えている、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 基板平面に略垂直方向から見て複数の前記半導体膜が互いに一部または全部において重なり合っている、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 複数の前記半導体膜がそれぞれ異なる層上に形成されている、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 請求項7乃至12のいずれか一項に記載の半導体装置を備えている電気光学装置。
- 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の半導体装置を備えている電子機器。
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JP2003024728A JP2004235570A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 半導体装置の製造方法、半導体装置、電子光学装置、及び電子機器 |
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JP2003024728A Pending JP2004235570A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 半導体装置の製造方法、半導体装置、電子光学装置、及び電子機器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011216759A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Seiko Epson Corp | 結晶化シリコン層の製造方法、半導体装置の製造方法、電気光学装置の製造方法、半導体装置、電気光学装置および投射型表示装置 |
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2003
- 2003-01-31 JP JP2003024728A patent/JP2004235570A/ja active Pending
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