JP4154681B2 - 電子線分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、EPMAやSEM等の電子線を用いて電子像やX線像を得る分析装置に関し、特に電子像やX線像の走査像に関する。
【0002】
【従来の技術】
EPMAやSEM等の電子線を用いた分析装置は、試料上に電子線を照射し、これによって放出される二次電子線、反射電子線、X線等を検出することによって試料の表面分析を行う。試料上に照射する電子線を走査することによって、二次電子線像、反射電子線像、X線像等を得ることができ、画像処理によって形状画像や組成画像等を表示することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
二次電子線像、反射電子線像、X線像等の各走査像からは、それぞれ異なる情報が得られ、試料の分析目的に応じて使い分けられる。たとえば二次電子像から得られる組成像と反射電子像から得られる表面形状像とを対比させたり、二次電子像や反射電子像を参照して、X線分析を行う分析位置を決定する。
このように各種の走査像を同時に観察したり、走査像間を比較して分析位置を位置決めするには、各走査像をほぼリアルタイムで同一画面上に表示する方が操作性がよい。すなわち、各走査像の観察時点間の時間差が少なく、走査像の更新間隔が短く観察の時間遅れが少ない程、対比が容易となる。
【0004】
上記のように、走査像にリアルタイム性が求められているが、従来、二次電子像や反射電子像やX線像をリアルタイムで同一画面上に表示することができる電子線分析装置は知られていない。これは、二次電子像や反射電子像やX線像の各画像を得るための走査速度が異なるためである。たとえば、反射電子を検出する反射電子検出器は、良好なS/Nで信号検出を行うには走査速度を遅くする必要があるため、二次電子像と反射電子像を高速走査(TVスキャン)と低速走査で同一画面上に表示することができない。二次電子像と反射電子像とをそれぞれ画面切り換えによって独立した像表示を行っている。
そのため、従来の電子線分析装置では、走査速度が異なる画像を比較するには、頻繁に画像切り換えを行う必要があり、操作性の点に問題がある他、判断に時間を要するという問題がある。
【0005】
頻繁な画像切り換えによる操作性の問題を解消するために、各検出器で取得した画像データを画像メモリに格納し、画像メモリから画像データを読み出すことによって、画像切り換えによる操作を行うことなく走査速度が異なる画像を同一画面上に表示することも考えられる。
しかしながら、上記の画像メモリを用いた構成によればで画像切り換えの操作性を改善することができるが、走査像の更新間隔の点は、依然として改善することはできない。
【0006】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、走査時間が異なる分析モードにおいて、高速走査像と低速走査像の観察時点間の時間差、各走査における走査像の更新間隔及び観察の時間遅れを解消して、走査時間が異なる分析データをリアルタイムで表示することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、検出器の応答速度に対応して電子線の走査速度を変更し、交互に走査することによって、走査時間が異なる分析モードに対応させるものであり、高速走査時には応答速度が速い検出器で一画像面分を走査し、低速走査時には応答速度が遅い検出器で一ライン分を走査する。
走査速度を変更し、高速走査により一画面分を走査した後、低速走査により一ライン分を走査することによって、高速走査像と低速走査像の観察時点間の時間差を減少させ、各走査における走査像の更新間隔及び観察の時間遅れを解消して、走査時間が異なる分析データをリアルタイムで表示する。
【0008】
本発明の電子線分析装置は、電子線を試料表面上で走査させる走査部と、電子線の照射による試料からの複数種の放出を検出する複数種の検出器を備える検出部と、検出部の検出信号を記憶する画像メモリ部と、走査部に対して、高速で一画面を走査する高速走査と、低速で一ラインを走査する低速走査とを交互に切り換えて行う走査制御と、画像メモリ部に対して、高速走査時に高応答速度の検出器の検出信号を記憶させ、低速走査時に低応答速度の検出器の検出信号を記憶させる記憶制御とを行う制御部とを備える構成とする。
【0009】
走査部は、電子線源と試料とを結ぶ方向をZ軸方向とするとき、電子線を試料表面上でX軸方向及びY軸方向に偏向させることによって走査を行う機能を備え、電子線を偏向させる手段として例えば偏向コイルを用いることができる。走査速度は、偏向手段を制御することによって変更することができる。
検出部は、電子線に照射によって試料から放出される二次電子、反射電子、X線等を検出する手段であり、各検出器の応答速度は検出対象によって異なる。たとえば、二次電子を検出する二次電子検出器の応答速度は速く、反射電子やX線を検出する反射電子検出器やX線検出器の応答速度は遅い。電子線を走査しながら検出信号を検出することによって、走査像を得ることができる。
【0010】
画像メモリ部は、検出部の検出信号を走査に従って格納することによって画像データを記憶する。高速走査時には応答速度が速い検出器で検出した信号を記憶して高速走査画像データとし、低速走査時には応答速度が遅い検出器で検出した信号を記憶して低速走査画像データとする。
【0011】
制御部は走査制御と記憶制御の二つの制御態様を備える。走査制御及び記憶制御は、検出器の応答速度に応じて試料速度を切り換え、これによって、走査時間が異なる分析モードに対応した走査処理を行う。
走査制御では走査部の走査速度を制御し、高速で一画面を走査する高速走査と、低速で一ラインを走査する低速走査とを交互に切り換える。高速走査により一画面分を走査した後、低速走査により一ライン分を走査する。低速走査では一回の走査処理で一ライン分のみの走査を行って高速走査に切り換えるため、各走査処理での走査時間を短時間とすることができる。なお、低速走査では、一回の走査処理で一ライン分のみ走査を行うため、一画面分の走査は走査処理を複数回繰り返すことによって行う。
【0012】
したがって、高速走査像と低速走査像とは、短時間で交互に走査データの更新が行われるため、観察時点間の時間差を減少させることができ、各走査において走査像の更新間隔を短くして観察の時間遅れを減少させることができる。
高速走査時には、応答速度が速い検出器で得られる二次電子等の検出対象を走査し、低速走査時には、応答速度が遅い検出器で得られる反射電子やX線等の検出対象を走査する。
【0013】
また、記憶制御では、画像メモリ部を制御して、高速走査時に高応答速度の検出器の検出信号を記憶させ、低速走査時に低応答速度の検出器の検出信号を記憶させる。これによって、高速走査画像データと低速走査画像データとをそれぞれ記憶することができる。高速走査画像データと低速走査画像データのデータ更新は交互に行われ、高速走査画像データは一画面単位で更新し、低速走査画像データは一ライン単位で更新する。
【0014】
また、高速走査及び低速走査の各一走査時間を同程度とすることによって、二次電子像と反射電子像等の高速走査と低速走査の走査像を同一画面上に表示するという本発明の目的の他に、高速走査での観察と低速走査での観察との間の時間差を減少させるという効果を奏することができる。また、一走査時間は走査像の更新間隔に対応しているので、一走査時間を短時間に設定することによって、各走査において走査像の更新間隔を短くして観察の時間遅れを減少させるという効果を奏することができる。
【0015】
図1は本発明の電子線分析装置の構成を説明するための概略構成図である。図1において、電子線分析装置1は、電子線分析装置本体2に電子線を走査する走査部3と電子線照射による試料からの放出を検出する検出部4を備える。検出部4は,検出対象による応答速度に対応した高速の検出器4a及び低速の検出器4bを備える。
【0016】
電子線分析走査1は、さらに制御部5、画像メモリ部6及び表示部7を備える。制御部5は、走査部3の走査制御と画像メモリ部6の記憶制御を、高速走査と低速走査で切り換えて行い、高速走査時には走査部3を高速で走査すると共に,高速の検出器4aで検出した検出信号を高速走査画像データ6aとして画像メモリ部6に記憶し、低速走査時には走査部3を低速で走査すると共に,低速の検出器4bで検出した検出信号を低速走査画像データ6bとして画像メモリ部6に記憶する。
【0017】
表示部7は、画像メモリ部6に記憶した高速走査画像データ6a及び低速走査画像データ6bを読み出し、高速走査画像7a及び低速走査画像7bとして表示する。高速走査画像7aと低速走査画像7bは、同一の表示画面上に表示することができる。
制御部5による高速走査と低速走査は、例えば、インターレース方式でCRT表示を行う場合の奇数フィールド(ODD)と偶数フィールド(EVEN)のタイミングを適用して切り換えることができる。図1では、高速走査を奇数フィールド(ODD)に対応させ(図1中実線表示)、低速走査を偶数フィールド(EVEN)に対応させている(図1中破線表示)。
【0018】
図2は、本発明の電子線分析装置の走査を説明するための概略信号図である。図2(a)はインターレース方式での奇数フィールド(ODD)と偶数フィールド(EVEN)のタイミングを示し、図2(b)は高速走査により得られる一画面分の画像データを示し、図2(c)は低速走査により得られる一ライン分の画像データを示している。これによって、例えばNTSC信号の一ライン分の走査時間間隔で、応答速度の速い検出器からは高速走査によって一画面分の画像データを取得し、応答速度の遅い検出器からは低速走査によって一ライン分の画像データを取得する。
画像メモリ部6は、各走査で取得した画像データを、一画面単位あるいは一ライン単位で記憶し、更新する。
【0019】
表示部7は、画像メモリ部に記憶した走査画像データを読み出すことによって、走査画像を表示する。走査画像データの読み出しは、走査速度や、高速走査と低速走査の切り換えと分離して行う処理であるため、画像表示は走査処理にかかわらず安定した表示を行うことができる。各走査によって走査画像データが更新されると、表示部は更新された走査画像データに基づいて表示を行う。
【0020】
なお、上記説明では、制御部での高速走査は一画面を単位として、低速走査は一ラインを単位として走査制御及び記憶制御を行う態様としているが、走査処理の単位は一画面に対して一ラインに限るものではなく、検出器の応答速度に応じて、一画面の高速走査と、整数ライン分の低速走査を交互に行う制御態様とすることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
図3は本発明の電子線分析装置の一構成例を説明するための図であり、図4は制御部の一構成例を説明するための図であり、図5は図4の構成例における信号図である。
図3において、電子線分析装置1は、電子線分析装置本体2と走査部3と検出部4と制御部5と画像メモリ部6と表示部7を備える。電子線分析装置本体2は試料Sに電子線20(図中の一点鎖線)を照射する電子線発生部21を備え、走査部3は電子線20をX軸方向及びY軸方向に偏向して走査を行う。
【0022】
図3の構成例では、応答速度が速い高速の検出器4として二次電子検出器4Aを備え、応答速度が遅い低速の検出器4として反射電子検出器4B1とX線検出器4B2を備える。X線検出器4B2は、特定波長のX線を検出するために分光素子4B2−1と該分光素子4B2−1を移動させるX線分光器走査部4B2−2とを具備している。
【0023】
制御部5は、電子線発生部21の印加電圧の制御や、走査部3の走査制御や、X線分光器走査部4B2−2の制御等の電子線分析装置において通常に行う制御動作の他に、本発明に特有な制御動作として、走査部3の走査速度の制御、及び各検出器4の検出信号を信号処理して画像メモリ部6に記憶させる記憶制御を行う。表示部7は画像メモリ部6に記憶した画像データを表示する。
【0024】
図4の制御部は、通常のCRT装置に適用されているNTSC信号を基にした構成例であり、各部分の信号CP1〜CP6の例を図5に示している。なお、図4は検出器として、二次電子検出器と反射電子検出器を備える場合について示している。
クロック51で形成したクロック信号をNTSCタイミングジェネレータ52で信号処理し、NTSC信号に相当する信号CP1とCP2とCP3を形成する。CP1の信号とCP2の信号は、高速走査においてX走査及びY走査に用いる。また、CP2の信号とCP3の信号は低速走査においてX走査及びY走査に用いる。
【0025】
高速走査を行う構成は、CP1を入力するX走査カウンタ53Xと、CP2を入力するY走査カウンタ53Yと、X走査カウンタ53Xの計数値をアナログ信号(CP5信号)に変換するD/A変換器55Xと、Y走査カウンタ53Yの計数値をアナログ信号(CP6信号)に変換するD/A変換器55Yと、CP5信号に基づいてX方向の走査信号を形成するX電源56Xと、CP6信号に基づいてY方向の走査信号を形成するX電源56Yとを備え、X方向の走査信号を偏向コイル3Xに入力してX走査を行い、Y方向の走査信号を偏向コイル3Yに入力してY走査を行う。
高速走査では、応答速度が速い二次電子検出器4Aで検出を行い、信号処理部8で信号処理した後、画像メモリ部6に記憶する。
【0026】
また、低速走査を行う構成は、CP2を入力するX走査カウンタ54Xと、CP3を入力するY走査カウンタ54Yと、X走査カウンタ54Xの計数値をアナログ信号(CP5信号)に変換するD/A変換器55Xと、Y走査カウンタ53Yの計数値をアナログ信号(CP6信号)に変換するD/A変換器55Yと、CP5信号に基づいてX方向の走査信号を形成するX電源56Xと、CP6信号に基づいてY方向の走査信号を形成するX電源56Yとを備え、X方向の走査信号を偏向コイル3Xに入力してX走査を行い、Y方向の走査信号を偏向コイル3Yに入力してY走査を行う。
低速走査では、応答速度が遅い反射電子検出器4Aで検出を行い、信号処理部8で信号処理した後、画像メモリ部6に記憶する。
【0027】
なお、信号処理部8は、高速走査の信号を処理するために、検出信号を増幅するプリアンプ及びアンプ81Aと、増幅した処理から所定の周波数信号を選出するローパスフィルタ82Aと、フィルタ処理したアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換機83Aを備え、また、低速走査の信号を処理するために、検出信号を増幅するプリアンプ及びアンプ81Bと、増幅した処理から所定の周波数信号を選出するローパスフィルタ82Bと、フィルタ処理したアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換機83Bを備える。
変換したディジタル信号は、画像メモリ6に記憶する。CRT72等の表示装置は、画像メモリ6に格納されている画像データをビデオD/A変換器71を介して画像表示される。
【0028】
高速走査と低速走査との切り換えは、Y走査カウンタ53Yの計数値(CP4信号)によって行う。
高速走査は、CP4のODDで示される区間内で行う。このODD区間において、CP1中の連続する一連のパルス列による一ライン分のX走査と、それに続くCP2の一パルスによる一ライン分のY走査とを、ODD区間の全区間で繰り返すことによって、一画面分の走査を行う。また、この高速走査のタイミングで得られた画像データを画像メモリ6に記憶する。
【0029】
低速走査は、CP4のEVENで示される区間内で行う。このEVEN区間において、CP2中の連続する一連のパルス列による一ライン分のX走査と、それに続くCP3の一パルスによる一ライン分のY走査とを、EVEN区間の全区間で一回行って、一ライン分の走査を行う。また、この低速走査のタイミングで得られた画像データを画像メモリ6に記憶する。
【0030】
上記した高速走査と低速走査の詳細な動作例を、図6に示す表示装置の画素例、図7に示す高速走査と低速走査のX走査信号例、図8に示す高速走査と低速走査の切り換え動作例を用いて説明する。
図6に示す表示装置の画面構成例は、640点×480本の画像を表示する場合の例であり、通常インターレース方式で表示を行う場合には、ODDの区間において、480本の内の半分の240本を用いて奇数フィールドを表示し、次のEVENの区間において偶数フィールドを表示する。
【0031】
本発明では、ODDの区間において試料表面を高速で走査し、EVENの区間において試料表面を低速で走査し、それぞれ走査画像データを取得する。取得した走査画像データは、640点×480本の画像を320点×240本の二つの画像面に分割し、一方の画面に高速走査画像を表示し、他方の画面に低速走査画像を表示する。
【0032】
図7(a)において、高速走査におけるODD区間での走査信号を説明する。なお、図示する時間間隔は、NTSC信号を基にして設定しているが、必ずしもNTSC信号を基にした時間間隔に限られるものではない。
高速走査において、X走査はCP1によって行う。CP1は、連続するパルス列の区間と無信号区間とを一単位とするパルス群を複数回繰り返して形成される。一つのパルス群は、53.5μsecのパルス列部分と走査を戻すための10μsecの無信号区間とを備えた63.5μsec(15.74KHZに対応する)の時間間隔を有し、一ライン分のX走査を行う。一ラインが320画素に対応する場合には、各パルスの時間間隔は167nsec(=53.5μsec/320,5.981MHzに対応する)となる。この63.5μsec毎に一ライン分のX走査を240ライン回繰り返すことによって、一画面分の走査を行うことができる。このとき、一画面分の走査に要する時間は、15.24msec(=63.5μsec×240)となる。
【0033】
一方、低速走査において、X走査はCP2によって行い、高速走査で一画面分のX走査を行う時間間隔と同じ時間間隔の間に、一ライン分のX走査を行う。 図示するCP2は、高速走査の一ライン分の時間間隔(63.5μsec)毎に一パルスを発生する例であり、一ラインが240画素に対応する場合に対応する。なお、このパルス間隔は、任意に設定することもでき、一ラインを320画素に対応させる場合には、各パルスの時間間隔は47.6μsec(=15.24msec/320,15.74KHZに対応する)となる。
なお、図7では、同一の走査時間間隔で高速走査によって一画面分の画像データを取得し、低速走査によって一ライン分の画像データを取得しているが、取得する画像データ量及びラインデータ量は、任意に定めることができる。
【0034】
試料表面上の走査は、図7に示す一画面分の高速走査と、一ライン分の低速走査による走査とを交互に繰り返す。図8を用いて、高速走査と低速走査との関係を説明する。
図8(a)のODDの区間において高速走査を行って第1画面の一画面分の画像データを取得した後、図8(b)のEVENの区間において低速走査を行って第1画面の一ライン分の画像データを取得する。次に、図8(c)のODDの区間において高速走査を行って次の第2画面の一画面分の画像データを取得した後、図8(d)のEVENの区間において低速走査を行って第1画面の次の一ライン分の画像データを取得する。
この動作を繰り返すことによって、図8(m)のODDの区間において高速走査を行って第240画面の一画面分の画像データを取得した後、図8(n)のEVENの区間において低速走査を行って第1画面の最後の一ライン分の画像データを取得する。
【0035】
図9は高速走査と低速走査の走査画像データの更新状態を説明する図である。図9(a)は高速走査の走査画像データの更新状態を示し、図9(b)は低速走査の走査画像データの更新状態を示している。
高速走査では、画像データは各走査毎に一画面分のデータが更新される。図9(a)に示す数字は画面単位の更新数を示している。また、低速走査では、画像データは各走査毎に一ラインずつデータが更新され、所定回数N毎に一画面分のデータが更新される。図9(b)に示す数字N/1は第1画面中の第Nライン面の更新を示し、N/2は第2画面中の第Nライン面の更新を示している。
したがって、高速走査を行う画像では各ODDの区間毎に一画面分の走査画像データが更新され、低速走査を行う画像では各EVENの区間毎に一ライン分の走査画像データが更新され、各EVENの区間を一画面のY走査回数分だけ繰り返すことによって一画面分の走査画像データが更新される。
【0036】
本発明は、図9(a)と図9(b)に示すように、短い時間間隔で高速走査及び低速走査の走査画像データの更新を行うことによって、高速走査像と低速走査像の観察時点間の時間差を短縮することができる。
また、本発明は、図9(b)を図10(b)との比較に示すように、低速走査においても順次一ライン毎に走査画像データを更新しており、走査像の更新間隔及び観察の時間遅れを解消することができる。
【0037】
なお、上記例では、高速走査と低速走査とそれぞれ個別の信号を用いて行っているが、同一の信号を用いて行うこともできる。
また、本発明によれば、高価な画像処理システムを用いることなく、安価なローパスフィルタを用いるだけの画像表示システム構成も可能となる。
【0038】
本発明によって、二次電子像と反射電子像を同一画面に表示することによって、分析試料面を効率的に観察することができる。
応答速度が速くS/N比が悪い画像と、応答速度が遅くS/N比が良い画像を同一画面に表示することによって、応答速度が速い画像のS/N比を改善することなくS/N比が良い画像を得ることができる。
応答速度が速くS/N比が悪い画像と、応答速度が遅くS/N比が良い画像を同一画面に表示することによって、分析試料面を効率的に観察することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子線分析装置によれば、走査時間が異なる分析モードにおいて、高速走査像と低速走査像の観察時点間の時間差、各走査における走査像の更新間隔及び観察の時間遅れを解消して、走査時間が異なる分析データをリアルタイムで表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子線分析装置の構成を説明するための概略図である。
【図2】本発明の電子線分析装置の走査を説明するための概略信号図である。
【図3】本発明の電子線分析装置の一構成例を説明するための図である。
【図4】本発明の制御部の一構成例を説明するための図である。
【図5】図4の制御部の構成例における信号図である。
【図6】表示装置の画面構成例を示す図である。
【図7】高速走査と低速走査のX走査信号例を示す図である。
【図8】高速走査と低速走査の切り換え動作例を示す図である。
【図9】高速走査と低速走査の走査画像データの更新状態を説明する図である。
【符号の説明】
1…電子線分析装置、2…電子線分析装置本体、3…走査部、3X,3Y…偏向コイル4…検出部、4a,4b…検出器、5…制御部、6…画像メモリ部、6a…高速走査画像データ、6b…低速走査画像データ、7…表示部、7a…高速走査画像、7b…低速走査画像、20…電子線、21…電子線発生器、4A…二次電子検出器、4B1…反射電子検出器、4B2…X線検出器、4B2−1…分光素子、4B2−2…X線分光器走査部、51…クロック、52…NTCSタイミングジェネレータ、53…X走査カウンタ、54…Y走査カウンタ、55…D/A変換器、56…電源、71…ビデオD/A変換器、72…CRT、81…プリアンプ・アンプ、82…ローパスフィルタ、83…A/D変換器。

Claims (2)

  1. 電子線を試料表面上で走査させる走査部と、
    電子線の照射による試料からの複数種の放出を検出する複数種の検出器を備える検出部と、
    検出部の検出信号を記憶する画像メモリ部と、
    前記走査部に対して、高速で一画面分を走査する高速走査と、低速で一ライン分を走査する低速走査とを同一時間間隔で交互に切り換えて行う走査制御と、画像メモリ部に対して、高速走査時に高応答速度の検出器が検出する検出信号を記憶させ、低速走査時に低応答速度の検出器が検出する検出信号を記憶させる記憶制御とを行う制御部とを備える、電子線分析装置。
  2. 電子線を試料表面上で走査させる走査部と、
    電子線の照射による試料からの複数種の放出を検出する複数種の検出器を備える検出部と、
    検出部の検出信号を記憶する画像メモリ部と、
    前記走査部に対して、高速で一画面分を走査する高速走査と、低速で2以上の整数ライン分を走査する低速走査とを同一時間間隔で交互に切り換えて行う走査制御と、画像メモリ部に対して、高速走査時に高応答速度の検出器が検出する検出信号を記憶させ、低速走査時に低応答速度の検出器が検出する検出信号を記憶させる記憶制御とを行う制御部とを備える、電子線分析装置。
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