JP4154079B2 - 閉鎖型泡ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、泡消火設備に用いられる泡ヘッドに係り、より詳しくは水や水噴霧による消火設備では消火が困難な油火災等の消火を目的とし、また個々の泡ヘッド自体が消火機能のみならず火災感知機能をも備えている閉鎖型泡ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、泡ヘッドを使用する消火設備は、一定の消火区画毎に設けられた複数の泡ヘッド、火災感知装置、一斉開放弁及び手動起動装置のほか、自動警報装置、混合器、泡原液槽、アキュームレーター、呼水槽などを備えている。そして、ここで使用される泡ヘッドは、泡消火液の放出口が常時開放されている開放型泡ヘッドであって、一定の防火区画内で火災が発生し、これを火災感知装置が感知すると一斉開放弁が開放し、該区画内の複数の開放型泡ヘッドの全てから泡消火液が一斉に放出されて消火するというものであった。
【0003】
他方、水による消火設備や水噴霧消火設備に使用されるスプリンクラーヘッドには、開放型のスプリンクラーヘッド以外に、平常時に放出口にバルブをヒュージブルリンクやグラスバルブよりなる感熱作動部材で押し付けて放出口を閉鎖しておき、火災発生時にこの火災熱で前記感熱作動部材が溶融分解してバルブに対する押し付けを解除し、放出口が開放されるという閉鎖型のスプリンクラーヘッドがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、バルブ及び感熱作動部材を持たず、放出口が常時開放されている開放型泡ヘッドを使用する上記泡消火設備では、一定の防火区画内で火災が発生すると火災感知器と連動して一斉開放弁を開放し、複数の開放型泡ヘッドの全てで一定の区画を同時に消火するものであるため、その区画内であれば火災発生地点以外の地点での不必要な泡ヘッドまでが泡消火液を放出してしまい、貯水量、泡原液を無駄に消費し、また配管の径大化、一斉開放弁が別途必要となって設備全体のコスト高を招くという不利な面があった。
【0005】
一方、水による消火設備や水噴霧消火設備に使用される上記閉鎖型スプリンクラーヘッドはそれ自体が消火機能のみならず感熱作動部材による火災感知機能をも備えていて、火災区域近傍に配されるスプリンクラーヘッドのみが火災感知して消火するものであるため、開放型泡ヘッドを使用する上記泡消火設備により生じるような問題はないのであるが、油火災等の火災の消火は困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、水や水噴霧による消火設備では消火が困難な油火災等の消火を可能にするとともに、開放型泡ヘッドの使用による泡消火設備により生じる上記問題点をも解消し得て貯水量、泡原液の損失を最少限度に抑制でき、また配管の径小化を図れる閉鎖型泡ヘッドを提供することを目的とするものである。また本発明は泡消火液の拡散の均一化、泡形成の容易化を図れる閉鎖型泡ヘッドを提供することを目的とするものである。さらに本発明は泡ヘッド構造の簡素化を図れる閉鎖型泡ヘッドを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図1に例示するように、泡消火液の放出口8を有する泡ヘッド本体1と、この泡ヘッド本体1に前記放出口8の出口側の前方を包囲するよう取り付けられた有底筒状の発泡用ネット2と、前記泡ヘッド本体1から前記発泡用ネット2の外側を囲むように前方へ延設されたガード枠12と、前記放出口8の出口前方に対向するよう前記発泡用ネット2の内部に配備されたデフレクタ3と、前記泡放出口8の弁座8aに密着する先細形状もしくは先丸形状の拡散作用曲面15aを有する拡散兼用弁体15と、この拡散兼用弁体15から前方へ延設され、前記デフレクタ3の中央部及び発泡用ネット2の底中央部に前後スライド自在に貫通された弁棒部材16と、この弁棒部材16の前端部とこの前端部と対向する前記ガード枠12の前端中央部との間に配備され、平常時に前記拡散兼用弁体15を前記放出口8に対し押し付け、火災時の熱により分解ないし溶解して前記拡散兼用弁体15に対する押し付け状態を解除する感熱作動部材5と、を備えていることに特徴を有するものである。
上記感熱作動部材5には、グラスバルブあるいはヒュージブルリンクなどを使用することができる。上記拡散作用曲面15aを有する拡散兼用弁体15の形状としては、紡錘形状ないし半球形状に形成することができる。
【0008】
【作用】
火災が発生すると、感熱作動部材がその火災熱により分解ないし溶解して拡散兼用弁体に対する押し付けを解除する。この解除により拡散兼用弁体が泡消火液の圧力によってデフレクタ及び発泡用ネットのそれぞれの中央部に貫通されている弁棒部材を前方へスライドさせることで放出口から離れる前方向へ移動し、放出口が開放される。この開放された放出口から泡消火液が放出され、放出口の前方位置にある拡散兼用弁体の拡散作用曲面に当たって四方に均一に拡散され、拡散兼用弁体より更に前方へ通過する泡消火液の一部はデフレクタに当たって拡散される。このように拡散される泡消火液は発泡用ネットを通過するが、この通過時に空気を取り込んで発泡し、周囲に泡が均一に放射される。この放射される泡が燃焼物の表面を覆うことにより、窒息効果と泡を形成する水の冷却効果により油火災等の消火を可能にする。
【0009】
この閉鎖型泡ヘッドによる泡消火設備は一定の防火区画内においても火災発生地点近傍で火災を感知する泡ヘッドだけから所定の範囲に泡が放射されることになるため、火災の発生していない範囲での貯水量や泡原液の損失が最少限度に抑制されることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る閉鎖型泡ヘッドの実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は閉鎖型泡ヘッドの閉鎖状態を示す縦断正面図、図2は同閉鎖型泡ヘッドの開放状態を示す縦断正面図、図3は図1におけるA−A線断面図である。
【0011】
本発明に係る閉鎖型泡ヘッドは、泡ヘッド本体1と、発泡用ネット2と、デフレクタ3と、弁4、及び感熱作動部材5とを備える。
泡ヘッド本体1は、円板部6を有し、泡消火液配管の管路(図示省略)に接続される接続口部7を円板部6の中央から後方へ突設し、この接続口部7の内奥で円板部6の中央に泡消火液の放出口8を形成している。
【0012】
発泡用ネット2は有底円筒形状に形成されて、周壁部9と、この周壁部9の前端に形成された平底部10、及び周壁部9の後端縁に形成された外向き鍔部11とを有する。その周壁部9は平底部10に接続する小径周壁部9aと、外向き鍔部11を有する大径周壁部9bとからなり、小径周壁部9aと大径周壁部9bとは段部9cを介して接続されている。この発泡用ネット2は、その平底部10が放出口8の前方に対向するようその外向き鍔部11が泡ヘッド本体1の円板部6の前面外周部に締結固定されることによって、放出口8の出口側の前方を包囲するように泡ヘッド本体1に取り付けられている。この発泡用ネット2は、泡ヘッド本体1の円板部6の外周から発泡用ネット2の外側を囲むように前方へドーム状に延設されたガード枠12によって防護される。したがって、泡消火設備の施工時に不用意に落としたり衝撃を与えた場合に発泡用ネット2が変形するのを防止することができる。
【0013】
デフレクタ3は円板13にスリット14を放射状に列設してなり、前記放出口8の出口前方に対向するよう発泡用ネット2内の段部9c上に配備されている。
【0014】
弁4は紡錘形状に形成されて先細形状もしくは先丸形状の拡散作用曲面15aを有する拡散兼用弁体15と、この拡散兼用弁体15の前端面から前方へ延設された弁棒部材16とを有している。この弁4は拡散兼用弁体15の拡散作用曲面15aを放出口8の弁座8aに密着させるとともに、弁棒部材16を前記デフレクタ3の中央部と発泡用ネット2の底中央部とにわたって挿通結合した円筒状の軸受17に前後スライド自在に貫通させている。発泡用ネット2の底中央部とデフレクタ3の中央部はそれぞれが軸受17の前後端に挿通されてナット18,19で締め付け固定されている。
【0015】
弁棒部材16の前端部16aとガード枠12の前端中央部12aとの間には感熱作動部材5が配備され、この感熱作動部材5で弁4の拡散兼用弁体15を放出口8の弁座8aに対し密着状に押し付けている。この感熱作動部材5には、ガラス管の内部に熱によって膨脹するアルコール等の熱膨張液体を封入したグラスバルブが使用される。このグラスバルブは、閉鎖型泡ヘッドの周囲の温度が一定温度以上になると熱膨張液体が膨張して破壊するようになっている。感熱作動部材5としては、グラスバルブに代えて、周知の低融点の合金部分を持つヒュージブルリンクを使用することもできる。
【0016】
上記構成の閉鎖型泡ヘッドは1つの防火区画に複数個が設置される。また、図1のように感熱作動部材5により拡散兼用弁体15が放出口8の弁座8aに押し付けられて放出口8を閉止状態に保持している平常状態では、泡ヘッド本体1の接続口部7内にまで充満されている加圧泡消火液が拡散兼用弁体15によってせき止められている。
【0017】
いま、火災が発生し、その火災熱が一定の温度以上になると、感熱作動部材5がその火災熱により分解ないし溶解し、拡散兼用弁体15に対する押し付け状態が解除される。この解除に伴い、図2のように、弁4が泡消火液の圧力により前方へ押されて、軸受17の案内のもとで拡散兼用弁体15が放出口8から前方へ離反移動してデフレクタ3の中央部上に達するとともに、弁棒部材16が軸受17内を前方へスライドしてその前端部16aをガード枠12の前端中央部12aに当接してその弁2の前進動作は停止する。これにより放出口8が全開される。そして、この開放された放出口8から泡消火液が放出され、放出口8の前方位置にある拡散兼用弁体15の拡散作用曲面15aに当たって四方に均一に拡散され、この拡散された泡消火液は発泡用ネット2の大径周壁部9bを通過し、この通過時に空気を取り込んで発泡し、周囲に泡が均一に放射されることになる。
【0018】
かかる泡消火液の拡散時において、泡消火液の一部は拡散兼用弁体15より更に前方へ通過し、この通過する泡消火液はデフレクタ3に当たって発泡用ネット2の大径周壁部9bに向かって飛散し、またそのスリット14を通って小径周壁部9a及び平底部10に向かって飛散されることになる。このデフレクタ3で飛散、拡散される泡消火液も発泡用ネット2を通過する時に空気を取り込んで発泡し、閉鎖型泡ヘッドの周囲へ泡を均一に放射する。放出される泡が燃焼物の表面を覆うことにより、窒息効果と泡を形成する水の冷却効果により油火災等の消火を可能にする。
【0019】
所定の防火区画内で火災が発生しても、その火災の熱を感熱作動部材5で感知する閉鎖型泡ヘッドのみが上記のように泡を発生して消火作動するのであり、同じ防火区画内に配備されている閉鎖型泡ヘッドであっても、火災を感知しなければ消火作動することがない。言い換えれば、複数の閉鎖型泡ヘッドが配備される同じ防火区画内でも火災発生地点に近傍の閉鎖型泡ヘッドのみが消火作動するというものである。したがって、一斉開放弁を開放し、複数の開放型泡ヘッドの全てで一定の区画を同時に消火する方式にみられるような貯水量、泡原液の無駄な消費、配管の径大化などの不利を招くようなことが無い。
【0020】
上記弁4の拡散兼用弁体15の形状は紡錘形状に限定されるものではなく、そのほかに、放出口8から放出される泡消火液を四方に均一に拡散する拡散機能を発揮する図4に示すごとき半球形状や、図5に示すごとき円錐形状、あるいはこれら形状に類似する形状に形成するものであってもよい。
上記閉鎖型泡ヘッドは泡消火液を下向きに放出するよう下向きに設置すること、泡消火液を上向きに放出するよう上向きに設置することは任意である。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、水や水噴霧による消火設備では消火が困難な油火災等の消火を可能にするとともに、貯水量や泡原液の損失は最少限に抑制することができて有利であり、そればかりか、放出口から放出される泡消火液は拡散兼用弁体及びデフレクタに当たって発泡用ネットの全面に向けて均一に拡散され、したがって泡消火液を発泡用ネットの全面に均一に通過させることができて発泡し易くなる。拡散兼用弁体は放出口の閉止機能と泡消火液の拡散機能とを兼備し、この兼用性により泡ヘッド構造の簡素化を図ることができる。ガード枠は感熱作動部材の支持機能と発泡用ネットの防護機能とを兼備し、この点でも泡ヘッド構造の簡素化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】閉鎖型泡ヘッドの閉鎖状態を示す縦断正面図である。
【図2】同閉鎖型泡ヘッドの開放状態を示す縦断正面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】他の実施例を示す閉鎖型泡ヘッドの弁の正面図である。
【図5】更に他の実施例を示す閉鎖型泡ヘッドの弁の正面図である。
【符号の説明】
1 泡ヘッド本体
2 発泡用ネット
3 デフレクタ
5 感熱作動部材
8 放出口
8a 弁座
12 ガード枠
15 拡散兼用弁体
15a 拡散作用曲面
16 弁棒部材
Claims (3)
- 泡消火液の放出口を有する泡ヘッド本体と、この泡ヘッド本体に前記放出口の出口側の前方を包囲するよう取り付けられた有底筒状の発泡用ネットと、前記泡ヘッド本体から前記発泡用ネットの外側を囲むように前方へ延設されたガード枠と、前記放出口の出口前方に対向するよう前記発泡用ネットの内部に配備されたデフレクタと、前記泡放出口の弁座に密着する先細形状もしくは先丸形状の拡散作用曲面を有する拡散兼用弁体と、この拡散兼用弁体から前方へ延設され、前記デフレクタの中央部及び発泡用ネットの底中央部に前後スライド自在に貫通された弁棒部材と、この弁棒部材の前端部とこの前端部と対向する前記ガード枠の前端中央部付近との間に配備され、平常時に前記拡散兼用弁体を前記放出口に対し押し付け、火災時の熱により分解ないし溶解して前記拡散兼用弁体に対する押し付け状態を解除する感熱作動部材と、を備えていることを特徴とする閉鎖型泡ヘッド。
- 拡散兼用弁体が紡錘形状ないし半球形状に形成されている請求項1記載の閉鎖型泡ヘッド。
- 感熱作動部材がグラスバルブからなる請求項1記載の閉鎖型泡ヘッド。
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