JP4152609B2 - 舵面駆動装置及び舵面駆動システム - Google Patents

舵面駆動装置及び舵面駆動システム Download PDF

Info

Publication number
JP4152609B2
JP4152609B2 JP2001232526A JP2001232526A JP4152609B2 JP 4152609 B2 JP4152609 B2 JP 4152609B2 JP 2001232526 A JP2001232526 A JP 2001232526A JP 2001232526 A JP2001232526 A JP 2001232526A JP 4152609 B2 JP4152609 B2 JP 4152609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
control
port
control surface
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001232526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003040199A (ja
Inventor
浩二 伊藤
良樹 廣川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Nabtesco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabtesco Corp filed Critical Nabtesco Corp
Priority to JP2001232526A priority Critical patent/JP4152609B2/ja
Publication of JP2003040199A publication Critical patent/JP2003040199A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4152609B2 publication Critical patent/JP4152609B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コントロールユニットからの指令信号に応答して航空機の舵面(例えば昇降舵や方向舵又は補助翼等)を駆動する舵面駆動装置及び舵面駆動システムに関し、特に、フライバイワイヤ(FBW)システムを採用する航空機の舵面駆動装置及び舵面駆動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、舵面駆動装置として、通常時は、外部の操縦装置からの電気信号としての操舵入力に応じて舵面を駆動し、電源がダウンするなど電気系統が故障して電気信号の供給が遮断された時には、外部の操縦装置からの機械的な操舵入力に応じて舵面を駆動するものが知られている。
【0003】
例えば、従来の舵面駆動装置としては、特開平9−328098号公報に記載されているように、図17に示すような舵面駆動装置900が知られている。
【0004】
図17において、舵面駆動装置900は、シリンダ911と、シリンダ911を2つのシリンダ室911a、911bに仕切り舵面990に駆動力を加えるピストン912とを有するアクチュエータ910と、外部の操縦装置からの操舵入力に応じてシリンダ室911a、911b内の作動油の流れを制御する作動油制御回路920と、操舵入力を機械的に作動油制御回路920の後述する機械制御弁921に伝達する操舵入力装置930とから構成される第1系統と、第1系統と同様な構成の第2系統とを備えている。
【0005】
ここで、作動油制御回路920は、作動油を外部から供給する供給ポート920a及び作動油を外部に戻すリターンポート920bとシリンダ室911a、911bとの間の流路に介在し、操舵入力装置930を介して外部の操縦装置から機械的に伝達される操舵入力に応じてシリンダ室911a、911b内の作動油の流れを制御する機械制御弁921と、供給ポート920a及びリターンポート920bとシリンダ室911a、911bとの間の流路に介在し、外部の操縦装置から操舵入力として入力される操縦信号Sa、Sbに応じてシリンダ室911a、911b内の作動油の流れを制御する電気制御弁922とを備えている。
【0006】
また、作動油制御回路920は、機械制御弁921及び電気制御弁922とシリンダ室911a、911bとの間の流路に介在し、電気信号Sc、Sdに基づいて、機械制御弁921とシリンダ室911a、911bとの連通を遮断して電気制御弁922とシリンダ室911a、911bとを連通させる電気制御ポジション923a、電気制御弁922及び機械制御弁921とシリンダ室911a、911bとの連通を遮断して2つのシリンダ室911a、911bを互いに連通させる連通ポジション923b、及び、電気制御弁922とシリンダ室911a、911bとの連通を遮断して機械制御弁921とシリンダ室911a、911bとを連通させる機械制御ポジション923cを選択することができ、電気信号の供給が遮断されると機械制御ポジション923cを選択する選択弁923を備えている。
【0007】
したがって、以上のような構成を有する舵面駆動装置900は、以下に示す6つのモードで動作することができ、第1系統又は第2系統の電源がダウンして電気信号の供給が遮断された時でも、フラッタ(ばたつき)を生じさせないで舵面990を駆動することができていた。
【0008】
(1)FBWモード(ノーマルモード)
第1系統及び第2系統共に、選択弁923を電気信号Sc、Sdに基づいて電気制御ポジション923aに切り換え、電気制御弁922のポジションを外部の操縦装置からの操縦信号Sa、Sbとしての操舵入力に応じて切り換えることによって、アクチュエータ910をサーボ制御して舵面990を駆動するモードである。
【0009】
(2)バイパスモード
上記FBWモード時に第1系統及び第2系統の一方に何らかの原因によって故障が発生したが、第1系統及び第2系統のうち故障した系統の選択弁923が電気信号によってポジションを切り換えることが可能な場合に動作するモードであり、第1系統及び第2系統のうち故障した系統の選択弁923を電気信号Sc、Sdに基づいて連通ポジション923bに切り換えて、2つのシリンダ室911a、911bを互いに連通させ、第1系統及び第2系統のうち正常な系統のみの電気制御弁922のポジションを操縦装置からの操縦信号Sa、Sbとしての操舵入力に応じて切り換えることによって、アクチュエータ910をサーボ制御して舵面990を駆動するモードである。
【0010】
(3)メカニカルモード
上記FBWモード時に第1系統及び第2系統の双方において電気信号の供給が遮断された場合に動作するモードであり、第1系統及び第2系統共に、選択弁923を電気信号Sc、Sdに基づいて機械制御ポジション923cに切り換え、機械制御弁921のポジションを、操舵入力装置930を介して外部の操縦装置から機械的に伝達される操舵入力に応じて切り換えることによって、アクチュエータ910をサーボ制御して舵面990を駆動するモードである。
【0011】
(4)スレーブモード
上記メカニカルモード時に第1系統及び第2系統の一方が油圧を喪失した場合に動作するモードであり、第1系統及び第2系統のうち油圧を喪失した系統において逆止弁925及び逆止弁926を利用して2つのシリンダ室911a、911bを互いに連通させ、第1系統及び第2系統のうち正常な系統のみの機械制御弁921のポジションを、操舵入力装置930を介して外部の操縦装置から機械的に伝達される操舵入力に応じて切り換えることによって、アクチュエータ910をサーボ制御して舵面990を駆動するモードである。
【0012】
(5)ブロックモード
上記メカニカルモード時に第1系統及び第2系統の一方或いは双方が油圧を喪失し、外部負荷によって、操舵入力に対して設定された方向とは反対方向に作動油が機械制御弁921内を通る場合に動作するモードであり、電気信号の供給が遮断されて中立ポジションになっている電気制御弁922のオリフィス922aを介して2つのシリンダ室911a、911bを互いに連通させることによって、外部負荷に対するピストン912の動きを制限(ブロック又はダンピング)するモードである。
【0013】
(6)センタリングモード
外部の操縦装置と操舵入力装置930との間において、リンケージが破断した場合に動作するモードであり、機械制御弁921を所定の位置(例:舵面990が中立位置になる位置)に復帰させるモードである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の舵面駆動装置においては、エルロン、エレベータなどの機体両舷に配置された舵面のうち、一方の舷に配置された舵面の舵面駆動装置のみの電気系統が故障した場合であっても、両舷に配置された舵面の舵面駆動装置をFBWモード(バイパスモードを含む。)からメカニカルモード(スレーブモード及びブロックモードを含む。)に移行してしまうという問題があった。
【0015】
より詳細に説明すると、機体両舷に配置された舵面には、エルロン、エレベータなどのように、一方の舷に配置された舵面の舵面駆動装置のみの電気系統が故障した場合に、両舷に配置された舵面をメカニカルモード(スレーブモード及びブロックモードを含む。)で駆動させるよりも、電気系統が故障した舵面駆動装置側の舵面をダンピングさせて、電気系統が正常な舵面駆動装置側の舵面をFBWモード(バイパスモードを含む。)で駆動させた方が機体の安定性等に優れるものがある。
【0016】
そこで、本発明は、機体両舷のうち一方の舷の舵面駆動装置の電気系統が故障した場合、電気系統が故障した舵面駆動装置側の舷の舵面をダンピングさせることができる舵面駆動装置及び舵面駆動システムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の舵面駆動装置は、シリンダと、前記シリンダを2つのシリンダ室に仕切り航空機の一対の翼のうち何れかの翼の舵面に駆動力を加えるピストンとを有するアクチュエータと、外部からの機械的操舵入力および電気的操舵入力に応じて前記シリンダ室内の流体の流れを制御する流体制御回路とを備え、前記流体制御回路が、前記流体外部から供給される供給ポート及び前記流体を外部に戻すリターンポートと前記シリンダ室との間の流路に介在し、前記機械的操舵入力に応じて前記シリンダ室内の前記流体の流れを制御する機械制御弁と、前記供給ポート及び前記リターンポートと前記シリンダ室との間の流路に介在し、前記電気的操舵入力に応じて前記シリンダ室内の流体の流れを制御する電気制御弁と、前記機械制御弁及び前記電気制御弁と前記シリンダ室との間に介在し、前記航空機に装備された複数の電気系統のうち一の電気系統から供給されるポジション選択信号に基づいて、前記電気制御弁と前記シリンダ室とを連通させる電気制御ポジション、及び、前記機械制御弁と前記シリンダ室とを連通させる機械制御ポジションを含む複数のポジションの何れかを選択し、前記ポジション選択信号の供給が遮断されると前記機械制御ポジションを選択する選択弁と、前記機械制御弁及び前記選択弁の間に介在し、前記複数の電気系統のうち前記一の電気系統とは異なる他の電気系統から供給される電気信号に基づいて、前記機械制御弁と前記選択弁とを連通させる第1のポジション、及び、前記機械制御弁と前記選択弁との連通を遮断し前記選択弁の前記機械制御弁側のポート同士をオリフィスを介して連通させる第2のポジションを含む複数のポジションの何れかを選択するダンピングバルブと、を備えることを特徴とする
【0018】
この構成により、本発明の舵面駆動装置は、選択弁のポジション選択信号を通常供給する一の電気系統とは異なる他の電気系統から供給される電気信号に基づいてダンピングバルブを動作させるようにしているので、他の電気系統、例えば機体両舷のうち、一方の舷の舵面駆動装置の電気系統が故障し、他方の舷の舵面駆動装置が外部の操縦装置からの電気信号としての操舵入力に応じて舵面を駆動することができる場合、電気系統が故障した舵面駆動装置側の舵面をダンピングさせることができる。したがって、本発明の舵面駆動装置は、機体両舷のうち一方の舷側で、舵面駆動装置の電気系統が故障しても、他方の舷の舵面駆動装置が外部の操縦装置からの電気的操舵入力に応じて舵面を駆動することができる場合には機械的操舵入力による制御にすぐに移行するのでなく、一方の舷の舵面をダンピングさせながら電気系統が正常な舵面駆動装置で電気的操舵入力に応じて他方の舷の舵面をフライバイワイヤモードで駆動するというモード選択ができるようになり、従来の舵面駆動装置と比較して、故障時のフライトエンベロープを拡大することができる。
【0019】
また、本発明の舵面駆動装置においては、好ましくは、前記選択弁が、前記電気制御ポジションおよび前記機械制御ポジションの他に、前記2つのシリンダ室を互いに連通させる連通ポジションを選択可能である
【0020】
この構成により、アクチュエータ及び流体制御回路から構成される複数の系によって同一の舵面を駆動しており、FBWモード時にその複数のうち何れかの系において何らかの原因によって故障が発生した場合に、故障した系のアクチュエータの2つのシリンダ室を互いに連通させることで、故障した系のアクチュエータが他の正常な系のアクチュエータの負荷とならないようにして、上記バイパスモードで動作することができる。
【0021】
また、本発明の舵面駆動装置は、前記流体制御回路が、前記供給ポートと前記電気制御弁及び前記機械制御弁との間に介在し、前記ポジション選択信号に基づいて、前記電気制御弁及び前記機械制御弁に供給する前記流体の圧力を減少させる減圧弁を備える構成を有しているのがよい
【0022】
この構成により、アクチュエータ及び流体制御回路から構成される複数の系によって同一の舵面を駆動している場合、FBWモードで動作することができるときには、全ての系が協同して舵面を駆動することができ、故障時には、故障した系で減圧弁が作動し、舵面に駆動力を与えることができる系ではFBWモードで動作するときと比較して舵面に大きな駆動力を与えることができる。したがって、本発明の舵面駆動装置は、アクチュエータ及び流体制御回路から構成される複数の系によって同一の舵面を駆動している場合、例えば上記バイパスモードで動作するときに、故障した系のアクチュエータの分の駆動力を、正常な系のアクチュエータによって舵面に与えることができる。
【0023】
また、本発明の舵面駆動装置は、好ましくは、前記流体制御回路が、前記2つのシリンダ室のそれぞれと前記リターンポートとの間に介在するとともに前記2つのシリンダ室の間に介在し、前記リターンポート側から前記2つのシリンダ室のうち何れかへの前記流体の流れを許容する一方で前記2つのシリンダ室のうち何れかから前記リターンポート側への前記流体の流れを止める第1のシリンダ室間逆止弁を備える。
【0024】
この場合、前記流体制御回路が、前記2つのシリンダ室のそれぞれと前記リターンポートとの間に介在するとともに前記2つのシリンダ室の間に介在し、前記2つのシリンダ室のうち何れかから前記リターンポート側への前記流体の流れを許容する一方で前記2つのシリンダ室のうち高圧側のシリンダ室から低圧側のシリンダ室への前記流体の流れを止める第2のシリンダ室間逆止弁と、前記第2のシリンダ室間逆止弁と前記リターンポートの間に介在し、前記高圧側のシリンダ室内の前記流体の圧力を所定値以下に制限するリリーフ弁と、を備えるのがより好ましい。
【0025】
この構成により、本発明の舵面駆動装置は、アクチュエータのシリンダ室内の圧力が過大に上昇した場合、リリーフ弁を介して圧力が逃がされるため、アクチュエータ等の損傷を回避することができる。
【0026】
また、本発明の舵面駆動装置においては、前記電気制御弁が、前記電気的操舵入力の供給が遮断されるとき、前記供給圧ポートおよび前記リターンポートをオリフィスを介して連通させるのがよい。
【0027】
この構成により、メカニカルモードで舵面フラッタを生じさせる可能性がある負荷がアクチュエータに加えられたとしても、アクチュエータの2つのシリンダ室の間の流路にオリフィスが介在することになり、オリフィスの抵抗によってスムーズな流体の流れを妨げることができるので、舵面フラッタを効果的に回避する上記ブロックモードで動作することができる。
【0028】
また、本発明の舵面駆動装置においては、前記機械的操舵入力を前記機械制御弁に伝達し、前記機械的操舵入力が遮断されるとき所定の位置に復帰する操舵入力リンクを備え、前記機械制御弁は、前記操舵入力の伝達が遮断されるとき、前記シリンダ室への前記流体の供給を遮断するポジションをとるのがよい。
【0029】
この構成により、本発明の舵面駆動装置は、例えば、操舵入力リンケージの破断といった不慮の事故が発生しても、アクチュエータへの流体の供給を断つことができ、アクチュエータの暴走を回避することができる。
【0030】
さらに、機械制御弁の勝手な動きを阻止することができ、アクチュエータの暴走を回避することができるので、上記センタリングモードで動作することができる。
【0031】
また、前記ダンピングバルブが、パイロット圧によって切換え操作されるとともに、前記ダンピングバルブと前記第2のシリンダ室間逆止弁との間に、前記他の電気系統から供給される電気信号に応じて切換わるソレノイド弁が介装され、前記第2のシリンダ室間逆止弁と前記リリーフ弁との間に加わる前記高圧側のシリンダ室からの圧力が、前記ソレノイド弁を介して、前記ダンピングバルブに前記パイロット圧として供給されるようにしたものであるのが好ましい
【0033】
上記のいずれの舵面駆動装置においても、前記流体制御回路が、前記供給ポートから外部への前記流体の流出を防止する流出防止逆止弁と、内部の前記流体の圧力を所定値以上に維持する蓄圧器とを備える構成を有しているのがよい
【0034】
この構成により、本発明の舵面駆動装置は、流体制御回路内の低圧側の圧力が常に蓄圧器によって設定された所定値以上の圧力に保たれるため、キャビテーションを抑制することができる。
【0035】
また、本発明の舵面駆動装置は、望ましくは、前記アクチュエータ及び前記流体制御回路を複数備える構成を有している。
【0036】
この構成により、本発明の舵面駆動装置は、アクチュエータ及び流体制御回路から構成される1つの系だけを備える場合と比較して、多くの故障のパターンに対応することができ、より確実に舵面を駆動することができる。
【0037】
一方、本発明の舵面駆動システムは、駆動する前記舵面が互いに異なる上記の何れかの構成を有する舵面駆動装置が航空機の機体両舷にそれぞれ配置されて複数設けられ前記機体両舷のうち一方の舷に配置された一の舵面駆動装置の前記ダンピングバルブに供給される前記電気信号が、前記機体両舷のうち他方の舷に配置された他の舵面駆動装置から供給される構成を有している。
【0038】
この構成により、本発明の舵面駆動システムは、機体両舷のうち、一方の舷の舵面駆動装置の電気系統が故障し、他方の舷の舵面駆動装置が外部の操縦装置からの電気的操舵入力に応じて舵面を駆動することができる場合、電気系統が正常な舵面駆動装置で外部の操縦装置からの電気的操舵入力に応じて舵面を駆動することができ、従来の舵面駆動システムと比較して、故障時のフライトエンベロープを拡大することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい一実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0040】
まず、本実施の形態に係る舵面駆動システムの構成について説明する。
【0041】
図1に示す舵面駆動装置300と、舵面駆動装置300と同様な構成である舵面駆動装置400とは、図2に示すように、航空機100に搭載されて、機体101の両舷の翼102、103(一対の翼)に配置されたエルロン110、120を制御するようになっており、本実施の形態に係る舵面駆動システム200を構成している。なお、舵面駆動装置400は舵面駆動装置300と同様な構成であるので、以下においては、舵面駆動装置400の構成についての詳細な説明を省略する。
【0042】
舵面駆動装置300は、図1に示すように、エルロン110を駆動する互いに構成の等しい第1系統及び第2系統(第2系統の詳細は図示を略している)を備えている。なお、第2系統は第1系統と同様な構成であるので、以下においては、第2系統の構成についての詳細な説明を省略する。
【0043】
第1系統は、航空機100(図2参照)の機体100aに取り付けられたシリンダ311の内部をピストン312で2つのシリンダ室311a、311bに仕切るとともに、そのピストン312の両側に同一径のロッド313、314を取り付けた構造を有するいわゆる両側ロッド式複動シリンダであるアクチュエータ310を備えている。ここで、アクチュエータ310は、2つのシリンダ室311a、311b内の作動油の圧力差に応じた力でロッド313、314を移動し、一方のロッド314の先端に取り付けたエルロン110の舵角を駆動するという機能を有している。
【0044】
また、第1系統は、ロッド314の位置を検出する位置センサ320を備えている。なお、説明の都合上、シリンダ室311b内の作動油の圧力よりもシリンダ室311a内の作動油の圧力が高い場合のロッド314の移動方向を正方向、シリンダ室311a内の作動油の圧力よりもシリンダ室311b内の作動油の圧力が高い場合のロッド314の移動方向を負方向と言うことにする。
【0045】
また、第1系統は、操舵入力リンクであるリンク330を備えており、ロッド314は、リンク330を介して、図示を略した操縦装置にメカニカルに連結されており、第1系統及び第2系統の両系統の障害時におけるエルロン110の直接操舵を可能にしている。
【0046】
また、第1系統は、外部の操縦装置からの電気的又は機械的操舵入力に応じてシリンダ室311a、311b内の流体(作動油)の流れを制御することによって、アクチュエータ310を制御する制御装置(流体制御回路)340を備えており、制御装置340は、作動油を取り込む供給ポート340a及び作動油を排出するリターンポート340bと、アクチュエータ310の2つのシリンダ室311a、311bにそれぞれ連通する第1アクチュエータ接続ポート340c、第2アクチュエータ接続ポート340dとを形成しており、これらのポート間に、フィルタ341、第1〜第6逆止弁342〜347、減圧弁348、第1リリーフ弁349、第2リリーフ弁350(リリーフ弁)、第1コントロールバルブ351(機械制御弁)、第2コントロールバルブ352(電気制御弁)、第1〜第3ソレノイドバルブ353〜355、制御モード選択用の切換弁356(選択弁)、ダンピングバルブ357及び蓄圧器358などを備えている。なお、図1において、各部の状態は、電源及び油圧をオフにしたときの状態(初期状態)を示している。
【0047】
ここで、フィルタ341は、供給された作動油に含まれているゴミを除去するためのものであり、第1〜第6逆止弁342〜347は、図3に示すように、一方のポート342a〜347aから他方のポート342b〜347bに向かう流れだけを許容するものである。
【0048】
また、図1に示すように、減圧弁348は、供給された作動油の圧力をほぼ半分の圧力(注1)に減圧(減圧の必要理由は後で説明する)して出力ポート348aから出力し、又は、所定条件のとき(例えば制御ポート348bにおける油の圧力が所定値以下のとき若しくは電磁的に切り換えられたとき)に非減圧で出力ポート348aから出力するためのものである。
【0049】
注1:実際には半分の圧力よりも大きい圧力になる。配管ロスやフリクションロス等が加算されるからである。本明細書中では、便宜上、半分の圧力とし半減圧と呼ぶことにする。
【0050】
また、第1リリーフ弁349は、減圧弁348の出力ポート348aに連通するノード361の圧力が所定値以上になったときに、ノード361の作動油を蓄圧器358の入力ポート358aに連通するノード362に逃がすためのものであり、第2リリーフ弁350は、第4逆止弁345と第5逆止弁346の間のノード363の圧力(すなわち、アクチュエータ310の2つのシリンダ室311a、311bの高圧側の圧力)が所定値以上になったときに、ノード363の作動油をノード362に逃がすためのもの(いわゆるブローバック回路)である。
【0051】
また、第1コントロールバルブ351は、リンク330によって機械的に伝達される操舵入力、すなわち機械的操舵入力に応じてシリンダ室311a、311b内の作動油の流れを制御する機械制御弁である。即ち、第1コントロールバルブ351は、リンク330の動きに伴って3ポジションの一つを選択するものであり、詳しくは、リンク330が中立位置にあるときに、内部のバネ力によって中央ポジション(図4(a)参照)を選択して第1ポート351a、第2ポート351b、第3ポート351c及び第4ポート351dを閉鎖し、リンク330が正方向(図1のロッド314の動き参照)に動いたときに、第1ポート351aと第3ポート351cの間を接続するとともに第2ポート351bと第4ポート351dとの間を接続するポジション(図4(b)参照)を選択し、又は、リンク330が負方向に動いたときに、第1ポート351aと第4ポート351dの間を接続するとともに第2ポート351bと第3ポート351cとの間を接続するポジション(図4(c)参照)を選択するものである。
【0052】
また、第1ソレノイドバルブ353は、切換弁356の2つの制御ポート356a、356bのうち制御ポート356aへのパイロット圧供給を制御するもので、図1および図5に示すように、その制御用の所定の電気信号Sc(ポジション選択信号)が入力されないときに、ポート353aとポート353cとの間を接続(図5(a)参照)し、電気信号Scが入力されたときに、ポート353bとポート353cとの間を接続(図5(b)参照)するようになっている。第2ソレノイドバルブ354は、切換弁356の2つの制御ポート356a、356bのうち制御ポート356bへのパイロット圧供給を制御するもので、その制御用の所定の電気信号Sd(ポジション選択信号)が入力されないときに、ポート354aとポート354cとの間を接続(図5(a)参照)し、電気信号Sdが入力されたときに、ポート354bとポート354cとの間を接続(図5(b)参照)するようになっている。第3ソレノイドバルブ355は、ダンピングバルブ357の制御ポート357aへのパイロット圧供給を制御するもので、その制御用の所定の電気信号Seが入力されないときに、ポート355aとポート355cとの間を接続(図5(a)参照)し、電気信号Seが入力されたときに、ポート355bとポート355cとの間を接続(図5(b)参照)するようになっている。
【0053】
また、第2コントロールバルブ352は、入力電流値に比例したパイロット圧を発生させ、発生させたパイロット圧に比例した量だけ油路を開くものである。即ち、第2コントロールバルブ352は、入力電流値に比例した流量を下流に供給するものであり、図1に示すように、電気的操舵入力として供給される操縦信号Sa、Sbに応じてシリンダ室311a、311b内の作動油の流れを制御する電気制御弁である。より詳細に説明すると、第2コントロールバルブ352は、図6に示すように、図示を略した操縦装置(FBW制御装置)からの操縦信号Sa、Sbが共に入力されないときに、第1ポート352aと第2ポート352bとの間をオリフィス352cを介して接続するとともに残りの第3ポート352d、第4ポート352eを閉鎖(図6(a)参照)し、一方の操縦信号Saだけが入力したときに、第1ポート352aと第3ポート352dとの間を接続するとともに第2ポート352bと第4ポート352eとの間を接続(図6(b)参照)し、他方の操縦信号Sbだけが入力したときに、第1ポート352aと第4ポート352eとの間を接続するとともに第2ポート352bと第3ポート352dとの間を接続(図6(c)参照)するというものである。
【0054】
なお、操縦信号Sa、Sb及び電気信号Sc、Sdは、自系統(舵面駆動装置300又は舵面駆動装置400の第1系統又は第2系統のうち、操縦信号Sa、Sb及び電気信号Sc、Sdが供給される第2コントロールバルブ352、第1ソレノイドバルブ353及び第2ソレノイドバルブ354を備えている系統のことである。)内の電気系統から供給されるようになっているが、電気信号Seは、他の舵面駆動装置(電気信号Seが供給される第3ソレノイドバルブ355を備えている舵面駆動装置が、舵面駆動装置300である場合は舵面駆動装置400のことであり、舵面駆動装置400である場合は舵面駆動装置300のことである。)内の電気系統から供給されるようになっている。
【0055】
また、切換弁356は、上述のように、2つの制御ポート356a、356bに供給されるパイロット圧(以下、制御圧Pa、Pbという。)の組み合わせに応じて3ポジションの一つを選択する選択弁(例えば、特願平7−30152号、特願平2−410782号、特願平4−302222号又は特願平5−84269号参照)であり、その制御圧の組み合わせとポジションの関係は図7に示すようになる。より詳細に説明すると、切換弁356は、図8(a)に示す左ポジションのとき、ポート356eとポート356hとの間、及び、ポート356fとポート356iとの間を接続するとともに残りのポート356c、356d、356gを閉鎖し、図8(b)に示す右ポジションのとき、ポート356cとポート356hとの間、及び、ポート356dとポート356iとの間を接続するとともに残りのポート356e、356f、356gを閉鎖し、図8(c)に示す中央ポジションのとき、ポート356g、356h、356iの間を接続するとともに残りのポート356c、356d、356e、356fを閉鎖するというものである。
【0056】
また、ダンピングバルブ357は、図9に示すように、制御ポート357aに入力する油の圧力(以下、制御圧Pcという。)が高圧のとき、ポート357bとポート357dとの間を接続するとともにポート357cとポート357eとの間を接続(図9(a)参照)し、制御圧Pcが低圧のとき、ポート357b及びポート357cを閉鎖するとともにポート357dとポート357eとの間をオリフィス357fを介して接続(図9(b)参照)するというものである。
【0057】
また、蓄圧器358は、図1に示すように、油圧回路内の低圧を所定圧(一般に50PSI程度)に保つためのものであり、その所定圧は、蓄圧器358の内部に設けられたリリーフ弁358bのリリーフ圧に相当する。
【0058】
以上説明した各部の油圧回路における接続関係は、次の通りである。
【0059】
フィルタ341及び第1逆止弁342は、供給ポート340aと減圧弁348の入力ポート348cとの間の油路に介在している。ここで、フィルタ341は、第1逆止弁342よりも供給ポート340aに近い側に位置しており、第1逆止弁342は、供給ポート340aから減圧弁348へと向かう作動油の流れを許容するようになっている。
【0060】
また、減圧弁348の出力ポート348aは、ノード361、第1リリーフ弁349の入力ポート349a、第1コントロールバルブ351の第1ポート351a、第2コントロールバルブ352の第1ポート352a、及び、第1ソレノイドバルブ353のポート353bに接続されている。
【0061】
また、第1リリーフ弁349の出力ポート349bは、ノード362、第1コントロールバルブ351の第2ポート351b、第2コントロールバルブ352の第2ポート352b、第1ソレノイドバルブ353のポート353a、第2ソレノイドバルブ354のポート354a、第3ソレノイドバルブ355のポート355a、第2リリーフ弁350の出力ポート350b、切換弁356のポート356g、第2逆止弁343及び第3逆止弁344(第2のシリンダ室間逆止弁)の間のノード364と、蓄圧器358の入力ポート358aとに、それぞれ接続されている。
【0062】
また、第6逆止弁347は、第1リリーフ弁349の出力ポート349bと第3ソレノイドバルブ355のポート355aとの間の油路のうち、第1リリーフ弁349の出力ポート349bと第3ソレノイドバルブ355のポート355aとが直接接続していない油路に、第1リリーフ弁349から第3ソレノイドバルブ355へと向かう作動油の流れを許容する向きに介在している。
【0063】
また、第1コントロールバルブ351の第3ポート351c、第4ポート351dは、それぞれダンピングバルブ357のポート357b、ポート357cに接続されており、ダンピングバルブ357のポート357d、ポート357eは、それぞれ切換弁356のポート356e、ポート356fに接続されている。
【0064】
また、第2コントロールバルブ352の第3ポート352d、第4ポート352eは、それぞれ切換弁356のポート356c、ポート356dに接続されている。
【0065】
また、切換弁356のポート356h、ポート356iは、それぞれ第1アクチュエータ接続ポート340c(すなわちアクチュエータ310のシリンダ室311a)、第2アクチュエータ接続ポート340d(すなわちアクチュエータ310のシリンダ室311b)に接続されている。
【0066】
また、第1ソレノイドバルブ353のポート353cは、切換弁356の制御ポート356aに接続されており、第2ソレノイドバルブ354のポート354cは、切換弁356の制御ポート356b及び減圧弁348の制御ポート348bに接続されており、第3ソレノイドバルブ355のポート355cは、ダンピングバルブ357の制御ポート357aに接続されている。
【0067】
また、第2リリーフ弁350の入力ポート350aは、第2ソレノイドバルブ354のポート354b、第3ソレノイドバルブ355のポート355b及びノード363に接続されている。
【0068】
また、第2逆止弁343は、第1アクチュエータ接続ポート340cとノード364との間の油路に、ノード364から第1アクチュエータ接続ポート340cへの作動油の流れを許容する向きに介在しており、第3逆止弁344は、第2アクチュエータ接続ポート340dとノード364との間の油路に、ノード364から第2アクチュエータ接続ポート340dへの作動油の流れを許容する向きに介在している。
【0069】
また、第4逆止弁345は、第1アクチュエータ接続ポート340cとノード363との間の油路に、第1アクチュエータ接続ポート340cからノード363への作動油の流れを許容する向きに介在しており、第5逆止弁346は、第2アクチュエータ接続ポート340dとノード363との間の油路に、第2アクチュエータ接続ポート340dからノード363への作動油の流れを許容する向きに介在している。
【0070】
また、蓄圧器358は、ノード362とリターンポート340bとの間の油路に介在している。
【0071】
次に、本実施の形態に係る舵面駆動システムの動作について説明する。
【0072】
舵面駆動システム200の舵面駆動装置300は、以下に示す7つのモードで動作することができる。なお、舵面駆動装置400は舵面駆動装置300と同様な動作をすることができるので、以下においては、舵面駆動装置400の動作についての詳細な説明を省略する。
【0073】
(1)FBWモード(ノーマルモード)
舵面駆動装置300及び舵面駆動装置400の第1系統及び第2系統において、制御装置340の供給ポート340aに高圧の作動油を加えた状態で、第1ソレノイドバルブ353と第2ソレノイドバルブ354に電気信号Sc、Sdを入力すると、第1ソレノイドバルブ353及び第2ソレノイドバルブ354は、図5(b)に示すポジションに切り換わって、ポート353bとポート353cの間、ポート354bとポート354cの間をそれぞれ接続する。
【0074】
したがって、減圧弁348の出力ポート348aに現れた半減圧(高圧)の作動油が、第1ソレノイドバルブ353のポート353bからポート353cを介して、切換弁356の制御ポート356aに加えられる結果、切換弁356は図8(b)に示す右ポジションに切り換わる(図7参照)。
【0075】
図10は、そのときの状態図である。この図において、供給ポート340a及びリターンポート340bとシリンダ室311a、311bとの間の油路に介在する第1コントロールバルブ351の第3ポート351c、第4ポート351dに連通する切換弁356のポート356e、356fは閉鎖状態にあり、第1コントロールバルブ351は回路から切り離されている。このため、操舵入力に伴うリンク330の動きは、制御装置340の働きに何等関与しない。
【0076】
今、供給ポート340a及びリターンポート340bとシリンダ室311a、311bとの間の油路に介在する第2コントロールバルブ352に操縦信号Sa、Sbの一方を入力すると、第2コントロールバルブ352は、図6(b)又は、図6(c)のいずれかのポジションになる。例えば、図6(b)のポジションになると、減圧弁348の出力ポート348aに現れた半減圧の作動油が、第2コントロールバルブ352の第1ポート352a、第3ポート352d、切換弁356のポート356c、356hを介して、アクチュエータ310のシリンダ室311aに供給される。このため、ピストン312が正方向に移動してシリンダ室311bの容積を縮小し、このシリンダ室311bから流れ出した作動油が、切換弁356のポート356i、356d、及び、第2コントロールバルブ352の第4ポート352e、第2ポート352bを介して、蓄圧器358の入力ポート358aに流れ込む。
【0077】
以上述べたように、舵面駆動装置300は、外部の操縦装置からの操縦信号Sa(又はSb)に応答してロッド314をスムーズに正(又は負)方向に移動することができ、エルロン110の舵角が操作されるという純電気的な舵角制御作用が得られる結果、通常のFBWモード、すなわち「ノーマルモード」を実現できる。
【0078】
即ち、第2コントロールバルブ352とシリンダ室311a、311bとの間の油路に介在する切換弁356は、電気信号Sc、Sdに基づいて、図8(b)に示す右ポジション、即ち、第2コントロールバルブ352とシリンダ室311a、311bとを連通させて、外部の操縦装置からの操縦信号Sa(又はSb)に応答してロッド314をスムーズに正(又は負)方向に移動させることができる電気制御ポジションを選択することができる。
【0079】
(2)バイパスモード
次に、上記FBWモード時に第1系統及び第2系統の一方に何らかの原因によって故障が発生したが、故障した系統の切換弁356が電気信号Sc、Sdによってポジションを切り換えることが可能な場合に動作するバイパスモードについて説明する。
【0080】
片系統障害時の不都合は、正常側の系統と故障側の系統の双方にある。上述したとおり、第1系統及び第2系統の両系統が正常な場合、操舵に必要な駆動力はそれぞれの系統で折半している。そもそも減圧弁348の役目は専ら折半のために必要な半減圧を発生する点にある。しかし、片系統障害時には正常側の系統で全部の駆動力を負担しなくてはならないため、正常側の系統では、減圧弁348の働きをストップ(すなわち非減圧に)しなければならない。一方、故障側の系統では、その故障原因にかかわらずアクチュエータ310が動かなくなるが、このアクチュエータ310がエルロン110に機械的に連結しているために、正常側のアクチュエータ310の負荷になってしまう。本実施の形態に係る制御装置340によれば、これら正常側の系統と故障側の系統の双方の不都合を解消できる。
【0081】
以下では、第1系統において、故障が発生したものの、切換弁356が電気信号Sc、Sdによってポジションを切り換えることが可能であるものとする。
【0082】
まず、正常側の第2系統の不都合回避(非減圧)の動作を説明すると、上述のとおり、供給ポート340aと第1コントロールバルブ351及び第2コントロールバルブ352との間の油路に介在する減圧弁348は、制御ポート348bに所定値以上の制御圧がかかっているときに、その出力ポート348aに半減圧を現すから、第1系統の障害時には第2系統の減圧弁348の制御圧を遮断若しくは所定値以下に下げてやればよく、それには、第2系統の第2ソレノイドバルブ354に電気信号Sdを入力しなければよい。
【0083】
つまり、減圧弁348は、切換弁356が基づく電気信号Sdに基づいて、第1コントロールバルブ351及び第2コントロールバルブ352に供給する作動油の圧力を減少させているので、第2系統において、第2ソレノイドバルブ354に電気信号Sdを入力しないと、第2ソレノイドバルブ354が、図5(a)に示すようなポジションとなり、ノード363の高圧が遮断される結果、減圧弁348の制御圧がゼロとなって非減圧動作を行うことができる。したがって、充分に大きな駆動力を発生して、必要な操舵力の全てを第2系統で負担できる。
【0084】
次に、故障側の第1系統の不都合回避は、第1系統において、第1ソレノイドバルブ353の電気信号Scを入力しないで、第2ソレノイドバルブ354の電気信号Sdを入力すればよい。このようにすると、図11に示すように、第1系統では、正常側である第2系統の駆動力で引きずられたロッド314の動きにより、2つのシリンダ室311a、311bの一方にいわゆるポンピング圧が発生し、このポンピング圧が、中央ポジション(注2)にある切換弁356のポート356h(シリンダ室311aにポンピング圧が生じた場合である。シリンダ室311bに生じた場合はポート356iである。)、ポート356g、及び、第1ソレノイドバルブ353のポート353a、353cを経て、切換弁356の制御ポート356aに加えられる結果、切換弁356を中央ポジションに保持することができる(図7参照)。
【0085】
注2:切換弁356の中央ポジション(図8(c)のポジション)は、図7によると、切換弁356の制御ポート356aに高圧又はポンピング圧を印加することによって選択される。しかし、図7に示す選択動作以外にも、障害発生の直後に一時的に生じる選択動作がある。切換弁356は、故障が発生すると、図8(b)のポジションから図8(a)のポジションへ移行しようとするが、その移行の途中で図8(c)のポジション(中央ポジション)を一時的に通るからであり、この一時的な中央ポジションのときに、図11に示すように切換弁356のポート356h(又は356i)、ポート356g、第1ソレノイドバルブ353のポート353a、ポート353c、及び、切換弁356の制御ポート356aという経路が作られるからである。すなわち、この経路によって切換弁356の制御ポート356aにポンピング圧が供給された後は、図7に従って中央ポジションが保持されるのである。
【0086】
さて、故障側である第1系統は、切換弁356が中央ポジションになると、アクチュエータ310の2つのシリンダ室311a、311bの間が、切換弁356のポート356h、356iを介して直接連通するから、2つのシリンダ室311a、311bの間の作動油の移動がスムーズに行われ、正常側である第2系統に対する負荷となることはない。
【0087】
なお、故障側である第1系統の電気信号Sc、Sdのオン(入力)、オフ(非入力)は、別途に設けた故障監視装置等によって制御してもよいが、特に、第2ソレノイドバルブ354の電気信号Sdのオンについては、正常側である第2系統の第2ソレノイドバルブ354の電気信号Sdのオフに同期させるのが望ましく、例えば、第2系統の電気信号Sdのオンオフ・リレーのオン接点(自系統の電気信号Sdが0Vになると所定の直流電圧を出力する接点)から取り出すようにしてもよい。
【0088】
なお、以上の説明においては、第1系統及び第2系統のうち第1系統に故障が発生した場合について説明したが、第1系統及び第2系統のうち第2系統に故障が発生した場合についても同様である。
【0089】
以上述べたようにして、舵面駆動装置300は、上記FBWモード時に、第1系統及び第2系統の一方に何らかの原因によって故障が発生したが、故障した系統の切換弁356が電気信号Sc、Sdによってポジションを切り換えることが可能な場合、故障していない系統で外部の操縦装置からの操縦信号Sa(又はSb)に応答してロッド314を比較的スムーズに正(又は負)方向に移動することができ、エルロン110の舵角が操作されるという純電気的な舵角制御作用が得られる結果、「バイパスモード」を実現できる。
【0090】
(3)ダンピングモード
次に、油圧が正常な状態で第1系統と第2系統の双方に電気的な障害(例えば電源ダウン)が発生してFBWシステムの機能が失われ、かつ、舵面駆動装置400が上述したFBWモード或いはバイパスモードで動作することができる場合に動作するダンピングモードについて説明する。
【0091】
第1系統及び第2系統は、自系統内の電気系統からの電気信号の供給が遮断されると電気信号Sc、Sdがオフになるので、第1ソレノイドバルブ353及び第2ソレノイドバルブ354が、図5(a)に示す右ポジションになる。その結果、第1系統及び第2系統は、切換弁356の2つの制御ポート356a、356bに低圧の作動油が加えられ、切換弁356は図12に示す左ポジションになり(図7参照)、第2コントロールバルブ352が回路から切り離される。
【0092】
ここで、上述したように舵面駆動装置300の電気信号Seは舵面駆動装置400から供給されるようになっているので、舵面駆動装置400から舵面駆動装置300に電気信号Seを入力すると、舵面駆動装置300の第1系統及び第2系統は、第3ソレノイドバルブ355が図5(b)に示す左ポジションになる。その結果、舵面駆動装置300の第1系統及び第2系統は、第1コントロールバルブ351及び切換弁356の間の油路に介在するダンピングバルブ357の制御ポート357aに高圧の作動油が加えられ、ダンピングバルブ357が図9(a)に示すポジションから図9(b)に示すポジションに切り換わる。
【0093】
ダンピングバルブ357が図9(b)に示すポジションに切り換わると、舵面駆動装置300の第1系統及び第2系統のシリンダ室311a、311bは、切換弁356のポート356h、ポート356e、ダンピングバルブ357のポート357d、オリフィス357f、ポート357e、切換弁356のポート356f、及び、ポート356iを介して互いに連通する。
【0094】
このとき、ロッド314が正方向に移動すると、シリンダ室311b内の作動油は、切換弁356のポート356i、ポート356f、ダンピングバルブ357のポート357e、オリフィス357f、ポート357d、切換弁356のポート356e、及び、ポート356hを経由して、シリンダ室311aに流入し、ロッド314が負方向に移動すると、シリンダ室311a内の作動油は、切換弁356のポート356h、ポート356e、ダンピングバルブ357のポート357d、オリフィス357f、ポート357e、切換弁356のポート356f、及び、ポート356iを経由して、シリンダ室311bに流入する。
【0095】
したがって、作動油の経路中にオリフィス357fが配置された舵面駆動装置300は、ダンピングバルブ357のオリフィス357fの抵抗によって作動油をスムーズに流さずに、アクチュエータ310をダンパとして機能させることができるので、エルロン110のフラッタを効果的に回避できる。
【0096】
また、ダンピングバルブ357は、以上述べたように、第1コントロールバルブ351及び切換弁356を連通させるポジション(図9(a)参照)と、第1コントロールバルブ351及び切換弁356の連通を遮断し、切換弁356のポート356e、356f同士をオリフィス357fを介して連通させるポジション(図9(b)参照)とをとることができる。
【0097】
以上説明したように、航空機100の一方の舷に配置されたエルロン110を駆動する舵面駆動装置300は、電気系統が故障したとしても、外部から電気信号Seを供給されることによって、エルロン110をダンピングさせることができる。なお、舵面駆動システム200は、エルロン110をダンピングさせたとしても、電気系統が正常な舵面駆動装置400で外部の操縦装置からの操縦信号Sa、Sbに応じてエルロン120を駆動することができる。
【0098】
また、航空機100の一方の舷に配置されたエルロン110を駆動する舵面駆動装置300の電気信号Seは、本実施の形態において、他方の舷に配置されたエルロン120を駆動する舵面駆動装置400から供給されているようになっていたが、本発明によれば、電気信号Sc、Sdを供給する電気系統とは異なる電気系統から供給されるようになっていれば良い。
【0099】
(4)メカニカルモード
次に、油圧が正常な状態で第1系統と第2系統の双方に電気的な障害(例えば電源ダウン)が発生してFBWシステムの機能が失われ、かつ、舵面駆動装置400が上述したFBWモード或いはバイパスモードで動作することができない場合に動作するメカニカルモードについて説明する。この場合には、操縦装置からの操舵入力をワイヤやシャフト及び各種リンク等の機械的伝達手段を介してエルロン110にメカニカルに伝えることになるが、油圧がまだ生きているから、第1系統と第2系統のアクチュエータ310で操舵入力に応じた駆動力を発生し、油圧による補助操舵力を発生して操縦者の負担を軽減する。
【0100】
電気的な障害、典型的には電源ダウンの場合の制御装置340の状態は、初期状態と同じである(図1参照)。すなわち、切換弁356が、図8(a)に示す左ポジションになり、第1ソレノイドバルブ353及び第2ソレノイドバルブ354が、図5(a)に示す右ポジションになる。したがって、切換弁356の2つの制御ポート356a、356bに低圧の作動油が加えられるため、切換弁356は左ポジションをそのまま保持し、その結果、第2コントロールバルブ352が回路から切り離される。
【0101】
また、舵面駆動装置400が上述したFBWモード或いはバイパスモードで動作することができない場合、電気信号Seが第3ソレノイドバルブ355に入力されないようにすることによって、第3ソレノイドバルブ355は図5(a)に示す右ポジションになり、ダンピングバルブ357は図9(a)に示すポジションになる。
【0102】
したがって、第1コントロールバルブ351の第3ポート351cは、ダンピングバルブ357のポート357b、357d、切換弁356のポート356e及びポート356hを経てアクチュエータ310のシリンダ室311aに連通し、また、第1コントロールバルブ351の第4ポート351dは、ダンピングバルブ357のポート357c、357e、切換弁356のポート356f及びポート356iを経てアクチュエータ310のシリンダ室311bに連通する。
【0103】
前述したように、第1コントロールバルブ351は、リンク330の動き(すなわち機械的操舵入力)に追従してポジションを切り換える(図4参照)ものであるから、結局、油圧が正常な状態で第1系統及び第2系統の双方に電気的な障害が発生してFBWシステムの機能が失われ、かつ、舵面駆動装置400が上述したFBWモード或いはバイパスモードで動作することができない場合には、第1系統及び第2系統の双方のアクチュエータ310で機械的操舵入力に応じた補助操舵力を発生でき、操縦者の負担を軽減するという、メカニカル操縦系を構成できる。
【0104】
即ち、第1コントロールバルブ351とシリンダ室311a、311bとの間の油路に介在する切換弁356は、電気信号Sc、Sdの供給が遮断されたことに基づいて、図8(a)に示す左ポジション(即ち、第1コントロールバルブ351とシリンダ室311a、311bとを連通させて、外部の操縦装置からの機械的操舵入力に応答してロッド314をスムーズに正(又は負)方向に移動させることができる機械制御ポジション)を選択することができる。
【0105】
なお、本実施の形態に係る第1コントロールバルブ351は、センタリング機能付きのものを使用している。センタリング機能とは、例えば、バネ力によって第1コントロールバルブ351を中央ポジション(図4(a)参照)に引き戻す機能のことである。この機能を備えると、次の特有なメリットが得られる。上記メカニカル操縦系を構成している状態で、第1系統及び第2系統のうち一方(便宜的に第1系統)のリンク330やフィードバックリンクあるいは入力アーム等が破断した場合、第1系統のアクチュエータ310は完全に制御不能となり、ピストン312が暴走状態に入る。このとき、第1系統及び第2系統の双方のピストン312の移動方向が偶然に逆向きになると、両系統の駆動力が同等であるため、エルロン110を介して第1系統及び第2系統の双方の駆動力が衝突し、エルロン110がまったく動かなくなってしまうというきわめて危険な状態に陥る(但し、エルロン110に100%のフォースファイトが作用している場合)。第1コントロールバルブ351のセンタリング機能は、かかる危険な状態を回避するための対策である。すなわち、自系統のリンク330やフィードバックリンクあるいは入力アーム等が破断した場合には、自系統の第1コントロールバルブ351がフリーとなって、センタリング機能が働く結果、図4(a)に示す中央ポジションとなり、自系統のアクチュエータ310のシリンダ室311a、311bへの作動油の供給を遮断できるからである。
【0106】
(5)スレーブモード
次に、上記メカニカル操縦系を構成している状態で、第1系統及び第2系統の一方の油圧がダウンした場合の動作を説明する。この場合の制御装置340の状態は、初期状態(図1参照)と同じである。
【0107】
以下では、第1系統において油圧がダウンしたものとする。
【0108】
今、操舵入力を正方向と仮定すると、油圧が正常な第2系統においては、第1コントロールバルブ351は、図4(b)に示すポジションになり、第1ポート351aと第3ポート351cの間、第2ポート351bと第4ポート351dの間がそれぞれ連通する結果、アクチュエータ310のシリンダ室311aに高圧の作動油が供給され、シリンダ室311bの作動油がドレンされる。
【0109】
一方、油圧がダウンした第1系統においては、操舵入力を同様に正方向とすると、図13に示すようになる。すなわち、第1系統は、アクチュエータ310のピストン312が第2系統の駆動力に引きずられて正方向に移動し、シリンダ室311bから作動油が押し出される。この作動油は、切換弁356のポート356i、ポート356f、ダンピングバルブ357のポート357e、ポート357c、及び、第1コントロールバルブ351の第4ポート351dへと伝えられる。
【0110】
ここで、第1コントロールバルブ351は、正方向の操舵入力により、図4(b)のポジションにあるので、第1コントロールバルブ351の第4ポート351dへと伝えられた作動油は、さらに、第2ポート351bへと伝えられ、結局、第2逆止弁343を通ってアクチュエータ310のシリンダ室311aにリターンする。
【0111】
以上の説明においては、操舵入力を正方向と仮定していたが、操舵入力が負方向の場合も同様にして、油圧がダウンした第1系統は、シリンダ室311aから押し出された作動油が、切換弁356のポート356h、ポート356e、ダンピングバルブ357のポート357d、ポート357b、及び、第1コントロールバルブ351の第3ポート351c、第1ポート351a、及び、第3逆止弁344を経由して、シリンダ室311bにリターンする。
【0112】
以上説明したように、第1系統は、シリンダ室311a、311bのうち高圧側から切換弁356及び第1コントロールバルブ351を介してシリンダ室311a、311bのうち低圧側までの油路のうち、第1コントロールバルブ351及びシリンダ室311a、311bのうち低圧側の間の油路に、第1コントロールバルブ351からシリンダ室311a、311bのうち低圧側への方向の作動油の流れを許容するシリンダ室間逆止弁である第2逆止弁343、第3逆止弁344を備えているので、油圧を喪失したときでも、アクチュエータ310のシリンダ室311a、311bのうち高圧側から出力された作動油を、第1コントロールバルブ351を介した後、第2逆止弁343或いは第3逆止弁344を介してアクチュエータ310のシリンダ室311a、311bのうち低圧側に入力させることができる。
【0113】
したがって、油圧がダウンした第1系統のアクチュエータ310はフリーで動くため、油圧が正常な第2系統のアクチュエータ310の負荷になることはない。
【0114】
なお、以上の説明においては、第1系統及び第2系統のうち第1系統のみの油圧がダウンした場合について説明したが、第1系統及び第2系統のうち第2系統のみの油圧がダウンした場合についても同様である。
【0115】
(6)ブロックモード
次に、上記スレーブモードで動作している場合、又は、上記メカニカル操縦系を構成している状態で、第1系統及び第2系統の双方の油圧がダウンした場合に発生するおそれがあるエルロン110のフラッタ(操舵入力の方向に対して反対方向の負荷がアクチュエータ310のピストン312に加えられたときに発生するエルロン110のばたつき)の回避動作について説明する。
【0116】
この回避動作のポイントは、第2コントロールバルブ352にオリフィス352cを設け、第2コントロールバルブ352が中央ポジションになったときに、オリフィス352cを介して第1ポート352aと第2ポート352bの間を連通させるようにした点にある。
【0117】
今、操舵入力が正方向である場合(第1コントロールバルブ351が図4(b)に示すポジションである場合)にアクチュエータ310のピストン312に操舵入力と反対方向である負方向の負荷が加わったと仮定すると、作動油が操舵入力に対応して設定された方向とは反対方向に第1コントロールバルブ351内を通るので、舵面駆動装置300は図14に示す状態になる。
【0118】
したがって、負荷によるピストン312の負方向の移動によってシリンダ室311aから押し出された作動油は、切換弁356のポート356h、ポート356e、ダンピングバルブ357のポート357d、ポート357b、第1コントロールバルブ351の第3ポート351c、第1ポート351a、第2コントロールバルブ352の第1ポート352a、オリフィス352c、第2ポート352b、及び、第3逆止弁344を経由して、シリンダ室311bにリターンする。
【0119】
以上の説明においては、操舵入力が正方向である場合にアクチュエータ310のピストン312に操舵入力と反対方向である負方向の負荷が加わったと仮定していたが、操舵入力が負方向である場合にアクチュエータ310のピストン312に操舵入力と反対方向である正方向の負荷が加わったときも同様にして、負荷によるピストン312の正方向の移動によってシリンダ室311bから押し出された作動油は、切換弁356のポート356i、ポート356f、ダンピングバルブ357のポート357e、ポート357c、第1コントロールバルブ351の第4ポート351d、第1ポート351a、第2コントロールバルブ352の第1ポート352a、オリフィス352c、第2ポート352b、及び、第2逆止弁343を経由して、シリンダ室311aにリターンする。
【0120】
したがって、作動油の経路中にオリフィス352cが配置された舵面駆動装置300は、エルロン110のフラッタを生じさせる可能性がある負荷がアクチュエータ310に加えられたとしても、アクチュエータ310の2つのシリンダ室311a、311bの間の油路にオリフィス352cを備えており、オリフィス352cの抵抗によって作動油をスムーズに流さずに、アクチュエータ310をダンパとして機能させることができるので、エルロン110のフラッタを効果的に回避できる。
【0121】
(7)センタリングモード
なお、図1に示すように、操舵入力リンク330の端部330a(操舵入力を加える側の端部)を、板バネ371、372などを用いて、航空機100の機体若しくは制御装置340の本体に弾性的に取り付けるようにすると好ましい。このようにすると、例えば、上述の「メカニカルモード」や「スレーブモード」などの際に、リンク330と操縦装置との間の伝達経路が切断されて機械的に伝達される操舵入力が遮断された場合、板バネ371、372によって、リンク330が直ちに所定の位置に復帰させられるから、舵面駆動装置300は、第1コントロールバルブ351の勝手な動きを阻止することができ、アクチュエータ310の暴走を回避することができる。
【0122】
したがって、舵面駆動装置300は、リンク330が復帰させられる位置に応じた舵角にエルロン110を油圧保持できる。操縦不能は避けられないが、エルロン110の勝手な動きを阻止できるから、安定した機体姿勢であれば、その状態をある程度持続でき、脱出等の時間的余裕を確保できる。
【0123】
以上説明したように、舵面駆動システム200の舵面駆動装置300及び舵面駆動装置400は、通常の操縦モードである「ノーマルモード」、片系統に障害が発生した場合の操縦モードである「バイパスモード」、油圧が正常な状態で第1系統と第2系統の双方に電気的な障害が発生した場合の操縦モードである「メカニカルモード」、メカニカルモードで片系統の油圧がダウンした場合の操縦モードである「スレーブモード」、メカニカルモードで片系統又は両系統の油圧がダウンした場合の操縦モードである「ブロックモード」、及び、操縦装置とのリンケージが破断した場合のモードである「センタリングモード」に加えて、油圧が正常な状態で第1系統と第2系統の双方に電気的な障害が発生したときであっても、他の舵面駆動装置がノーマルモード或いはバイパスモードで動作することができる場合のモードである「ダンピングモード」を実現できる。
【0124】
したがって、舵面駆動装置300及び舵面駆動装置400を搭載した舵面駆動システム200は、電気系統が正常な一方の舷側の舵面駆動装置で他方の舷側の操縦装置からの電気的操舵入力に応じて舵面を駆動することができ、従来の舵面駆動システムと比較して、故障時のフライトエンベロープを拡大することができ、FBWシステムを搭載した航空機100の信頼性を向上することができる。
【0125】
なお、本実施の形態では、アクチュエータ310の高圧側のシリンダ室の圧力が所定値以上になったときに、そのシリンダ室の作動油を蓄圧器358の入力ポート358aに逃がす第2リリーフ弁350を設けたため、例えば、上記の各モードにおいて、アクチュエータ310のピストン312に過大負荷が加わった場合に、第2リリーフ弁350を開いて作動油をブローバックでき、制御装置340やアクチュエータ310の損傷を回避することができる。
【0126】
また、制御装置340の内部と供給ポート340aとの間に第1逆止弁(流出防止逆止弁)342を設けるとともに、制御装置340の内部とリターンポート340bとの間に蓄圧器358を設けたため、供給ポート340aへの油圧供給が絶たれた場合の制御装置340に残留する作動油の圧力を、蓄圧器358によって設定された一定の圧力(例えば50PSI)以上に保つことができ、特に、上述の「バイパスモード」、「ダンピングモード」、「ブロックモード」又は「スレーブモード」におけるキャビテーションを抑制できるという有利な効果が得られる。
【0127】
また、図1に示す切換弁356を、図15に示すような一般的な切換弁381、切換弁382に置き換えることもできる。切換弁381の単独の機能は、図15に示すように、制御ポート381a、入力ポート381b、381c、381d、381e及び出力ポート381f、381gを有し、制御ポート381aに入力される作動油の圧力が高圧のとき、入力ポート381bと出力ポート381f及び入力ポート381cと出力ポート381gをそれぞれ接続させ、入力される圧力が低圧又は圧なしのとき、入力ポート381dと出力ポート381f及び入力ポート381eと出力ポート381gをそれぞれ接続させるものである。また、切換弁382の単独の機能は、制御ポート382a、入力ポート382b、382c、382d及び出力ポート382e、382fを有し、制御ポート382aに入力される作動油の圧力がポンピング圧のとき、出力ポート382e、382f及び入力ポート382dをそれぞれ接続させ、入力される圧力が上記以外のとき、入力ポート382bと出力ポート382e及び入力ポート382cと出力ポート382fをそれぞれ接続させるものである。
【0128】
これら2つの切換弁381、382の接続関係を説明すると、次のとおりである。まず、切換弁381の出力ポート381fと切換弁382の入力ポート382bを接続し、切換弁381の出力ポート381gと切換弁382の入力ポート382cを接続する。さらに、切換弁381の制御ポート381aを第1ソレノイドバルブ353のポート353cに接続し、切換弁381の入力ポート381b、381cを第2コントロールバルブ352の第3ポート352d、第4ポート352eにそれぞれ接続し、切換弁381の入力ポート381d、381eをダンピングバルブ357のポート357d、ポート357eにそれぞれ接続する。また、切換弁382の制御ポート382aを第2ソレノイドバルブ354のポート354cに接続し、切換弁382の入力ポート382dをノード362に接続し、切換弁382の出力ポート382e、382fを第1アクチュエータ接続ポート340c、第2アクチュエータ接続ポート340dにそれぞれ接続する。
【0129】
このような機能及び接続関係を有する2つの切換弁381、382と切換弁356(図1参照)とを見比べると、切換弁381の制御ポート381aと切換弁382の制御ポート382aは、それぞれ切換弁356の制御ポート356aと制御ポート356bに対応し、切換弁381の入力ポート381b、381c、381d、381eは、それぞれ切換弁356のポート356c、356d、356e、356fに対応し、さらに、切換弁382の入力ポート382d、出力ポート382e、382fは、それぞれ切換弁356のポート356g、356h、356iに対応する。
【0130】
また、切換弁381及び切換弁382の図16(a)に示すポジションは、切換弁356の図8(a)に示すポジションに相当し、切換弁381及び切換弁382の図16(b)に示すポジションは、切換弁356の図8(b)に示すポジションに相当し、切換弁381及び切換弁382の図16(c)及び図16(d)に示すポジションは、切換弁356の図8(c)に示すポジションに相当する。
【0131】
したがって、舵面駆動システム200は、切換弁356に代えて図15に示す2つの切換弁381、382を用いても、上述した機能と同一の機能を実現できる。
【0132】
なお、舵面駆動装置300及び舵面駆動装置400は、本実施の形態において、「ノーマルモード」、「バイパスモード」、「ダンピングモード」、「メカニカルモード」、「スレーブモード」、「ブロックモード」、及び、「センタリングモード」で動作することができる構成になっていたが、本発明によれば、「ノーマルモード」、「ダンピングモード」、「メカニカルモード」で動作することができる構成であれば良い。
【0133】
また、舵面駆動装置300及び舵面駆動装置400は、本実施の形態において、第1系統及び第2系統の2つの系統を備えていたが、本発明によれば、1つの系統だけを備えていても良いし、3つ以上の系統を備えていても良い。
【0134】
また、ダンピングバルブ357は、本実施の形態において、第3ソレノイドバルブ355を利用することによって、電気信号Seに基づいてポジションを選択するようになっていたが、本発明によれば、電気信号Seに基づいてポジションを選択することができれば他の構成であっても良い。
【0135】
また、本実施の形態は、舵面駆動システム200を航空機100の両舷に配置されたエルロン110及びエルロン120の駆動に使用する構成について説明したが、本発明に係る舵面駆動システムは図1に示すような航空機100のエレベータ130及びエレベータ140に使用することもできる。
【0136】
また、本明細書中の「流体」は、いわゆる"油"のみに限定されない。要は液体であればよく、例えば、燃料や水であっても良い。
【0137】
【発明の効果】
本発明によれば、機体両舷のうち一方の舷の舵面駆動装置の電気系統が故障した場合、電気系統が故障した舵面駆動装置側の舷の舵面をダンピングさせることができる舵面駆動装置及び舵面駆動システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る舵面駆動装置の油圧回路図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る舵面駆動システムを搭載した航空機の平面図である。
【図3】図1に示す舵面駆動装置の第1〜第6逆止弁の説明図である。
【図4】(a)操舵入力を受けていないときの図1に示す舵面駆動装置の第1コントロールバルブの説明図である。
(b)正方向の操舵入力を受けているときの図1に示す舵面駆動装置の第1コントロールバルブの説明図である。
(c)負方向の操舵入力を受けているときの図1に示す舵面駆動装置の第1コントロールバルブの説明図である。
【図5】(a)所定の電気信号が入力されないときの図1に示す舵面駆動装置の第1〜第3ソレノイドバルブの説明図である。
(b)所定の電気信号が入力されたときの図1に示す舵面駆動装置の第1〜第3ソレノイドバルブの説明図である。
【図6】(a)操舵入力を受けていないときの図1に示す舵面駆動装置の第2コントロールバルブの説明図である。
(b)正方向の操舵入力を受けているときの図1に示す舵面駆動装置の第2コントロールバルブの説明図である。
(c)負方向の操舵入力を受けているときの図1に示す舵面駆動装置の第2コントロールバルブの説明図である。
【図7】図1に示す舵面駆動装置の切換弁のポジションと制御圧との関係の説明図である。
【図8】(a)左ポジションでの図1に示す舵面駆動装置の切換弁の説明図である。
(b)右ポジションでの図1に示す舵面駆動装置の切換弁の説明図である。
(c)中央ポジションでの図1に示す舵面駆動装置の切換弁の説明図である。
【図9】(a)制御圧が低圧での図1に示す舵面駆動装置のダンピングバルブの説明図である。
(b)制御圧が高圧での図1に示す舵面駆動装置のダンピングバルブの説明図である。
【図10】ノーマルモードでの図1に示す舵面駆動装置の油圧回路図である。
【図11】バイパスモードでの図1に示す舵面駆動装置の油圧回路図である。
【図12】ダンピングモードでの図1に示す舵面駆動装置の油圧回路図である。
【図13】スレーブモードでの図1に示す舵面駆動装置の油圧回路図である。
【図14】ブロックモードでの図1に示す舵面駆動装置の油圧回路図である。
【図15】図1に示す舵面駆動装置の切換弁の図1とは異なる構成の説明図である。
【図16】(a)図15に示す切換弁の図8(a)に対応する状態の説明図である。
(b)図15に示す切換弁の図8(b)に対応する状態の説明図である。
(c)図15に示す切換弁の図8(c)に対応する状態の説明図である。
(d)図15に示す切換弁の図8(c)に対応する図16(c)とは異なる状態の説明図である。
【図17】従来の舵面駆動装置の油圧回路図である。
【符号の説明】
100 航空機
101 機体
102、103 翼(一対の翼)
110、120 エルロン(舵面)
130、140 エレベータ(舵面)
200 舵面駆動システム
300、400 舵面駆動装置
310 アクチュエータ
311 シリンダ
311a、311b シリンダ室
312 ピストン
330 操舵入力リンク
340 制御装置(流体制御回路)
340a 供給ポート
340b リターンポート
342 第1逆止弁(流出防止逆止弁)
343 第2逆止弁(第1のシリンダ室間逆止弁)
344 第3逆止弁(第1のシリンダ室間逆止弁)
345 第4逆止弁(第2のシリンダ室間逆止弁)
346 第5逆止弁(第2のシリンダ室間逆止弁)
348 減圧弁
350 リリーフ弁
351 第1コントロールバルブ(機械制御弁)
352 第2コントロールバルブ(電気制御弁)
352c オリフィス
356 切換弁(制御モード選択用の選択弁)
356e、356f ポート
357 ダンピングバルブ
357f オリフィス
358 蓄圧器
Sa、Sb 操縦信号(電気的操舵入力)
Sc、Sd 電気信号(ポジション選択信号)
Se 電気信号(他の電気系統からの電気信号)

Claims (11)

  1. シリンダと、前記シリンダを2つのシリンダ室に仕切り航空機の一対の翼のうち何れかの翼の舵面に駆動力を加えるピストンとを有するアクチュエータと、外部からの機械的操舵入力および電気的操舵入力に応じて前記シリンダ室内の流体の流れを制御する流体制御回路とを備え、
    前記流体制御回路が、
    前記流体外部から供給される供給ポート及び前記流体を外部に戻すリターンポートと前記シリンダ室との間の流路に介在し、前記機械的操舵入力に応じて前記シリンダ室内の前記流体の流れを制御する機械制御弁と、
    前記供給ポート及び前記リターンポートと前記シリンダ室との間の流路に介在し、前記電気的操舵入力に応じて前記シリンダ室内の流体の流れを制御する電気制御弁と、
    前記機械制御弁及び前記電気制御弁と前記シリンダ室との間に介在し、前記航空機に装備された複数の電気系統のうち一の電気系統から供給されるポジション選択信号に基づいて、前記電気制御弁と前記シリンダ室とを連通させる電気制御ポジション、及び、前記機械制御弁と前記シリンダ室とを連通させる機械制御ポジションを含む複数のポジションの何れかを選択し、前記ポジション選択信号の供給が遮断されると前記機械制御ポジションを選択する選択弁と、
    前記機械制御弁及び前記選択弁の間に介在し、前記複数の電気系統のうち前記一の電気系統とは異なる他の電気系統から供給される電気信号に基づいて、前記機械制御弁と前記選択弁とを連通させる第1のポジション、及び、前記機械制御弁と前記選択弁との連通を遮断し前記選択弁の前記機械制御弁側のポート同士をオリフィスを介して連通させる第2のポジションを含む複数のポジションの何れかを選択するダンピングバルブとを備えることを特徴とする舵面駆動装置。
  2. 前記選択弁が、前記電気制御ポジションおよび前記機械制御ポジションの他に、前記2つのシリンダ室を互いに連通させる連通ポジションを選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の舵面駆動装置。
  3. 前記流体制御回路が、前記供給ポートと前記電気制御弁及び前記機械制御弁との間に介在し、前記ポジション選択信号に基づいて、前記電気制御弁及び前記機械制御弁に供給する前記流体の圧力を減少させる減圧弁を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の舵面駆動装置。
  4. 前記流体制御回路が、前記2つのシリンダ室のそれぞれと前記リターンポートとの間に介在するとともに前記2つのシリンダ室の間に介在し、前記リターンポート側から前記2つのシリンダ室のうち何れかへの前記流体の流れを許容する一方で前記2つのシリンダ室のうち何れかから前記リターンポート側への前記流体の流れを止める第1のシリンダ室間逆止弁を備えることを特徴とする請求項1から3までの何れかに記載の舵面駆動装置。
  5. 前記流体制御回路が、前記2つのシリンダ室のそれぞれと前記リターンポートとの間に介在するとともに前記2つのシリンダ室の間に介在し、前記2つのシリンダ室のうち何れかから前記リターンポート側への前記流体の流れを許容する一方で前記2つのシリンダ室のうち高圧側のシリンダ室から低圧側のシリンダ室への前記流体の流れを止める第2のシリンダ室間逆止弁と、前記第2のシリンダ室間逆止弁と前記リターンポートの間に介在し、前記高圧側のシリンダ室内の前記流体の圧力を所定値以下に制限するリリーフ弁と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の舵面駆動装置。
  6. 前記電気制御弁が、前記電気的操舵入力の供給が遮断されるとき、前記供給圧ポートおよび前記リターンポートをオリフィスを介して連通させることを特徴とする請求項4又は に記載の舵面駆動装置。
  7. 前記機械的操舵入力を前記機械制御弁に伝達し、前記機械的操舵入力が遮断されるとき所定の位置に復帰する操舵入力リンクを備え
    前記機械制御弁は、前記操舵入力の伝達が遮断されるとき、前記シリンダ室への前記流体の供給を遮断するポジションをとることを特徴とする請求項1から6までの何れかに記載の舵面駆動装置。
  8. 前記ダンピングバルブが、パイロット圧によって切換え操作されるとともに、
    前記ダンピングバルブと前記第2のシリンダ室間逆止弁との間に、前記他の電気系統から供給される電気信号に応じて切換わるソレノイド弁が介装され、
    前記第2のシリンダ室間逆止弁と前記リリーフ弁との間に加わる前記高圧側のシリンダ室からの圧力が、前記ソレノイド弁を介して、前記ダンピングバルブに前記パイロット圧として供給されるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の舵面駆動装置。
  9. 前記流体制御回路が、前記供給ポートから外部への前記流体の流出を防止する流出防止逆止弁と、内部の前記流体の圧力を所定値以上に維持する蓄圧器とを備えることを特徴とする請求項1から8までの何れかに記載の舵面駆動装置。
  10. 前記アクチュエータ及び前記流体制御回路を複数備えることを特徴とする請求項1から9までの何れかに記載の舵面駆動装置。
  11. 駆動する前記舵面が互いに異なる請求項1から10までの何れかに記載の舵面駆動装置が航空機の機体両舷にそれぞれ配置されて複数設けられ前記機体両舷のうち一方の舷に配置された一の舵面駆動装置の前記ダンピングバルブに供給される前記電気信号が、前記機体両舷のうち他方の舷に配置された他の舵面駆動装置から供給されることを特徴とする舵面駆動システム。
JP2001232526A 2001-07-31 2001-07-31 舵面駆動装置及び舵面駆動システム Expired - Lifetime JP4152609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001232526A JP4152609B2 (ja) 2001-07-31 2001-07-31 舵面駆動装置及び舵面駆動システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001232526A JP4152609B2 (ja) 2001-07-31 2001-07-31 舵面駆動装置及び舵面駆動システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003040199A JP2003040199A (ja) 2003-02-13
JP4152609B2 true JP4152609B2 (ja) 2008-09-17

Family

ID=19064440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001232526A Expired - Lifetime JP4152609B2 (ja) 2001-07-31 2001-07-31 舵面駆動装置及び舵面駆動システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4152609B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111208394A (zh) * 2018-11-22 2020-05-29 中国科学院大连化学物理研究所 一种四通道在线监测绝缘气体分解产物的装置和方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5498887B2 (ja) 2010-07-27 2014-05-21 ナブテスコ株式会社 ダンピング試験方法、制御装置、油圧システム及びプログラム
JP5588260B2 (ja) 2010-08-02 2014-09-10 ナブテスコ株式会社 航空機アクチュエータの制御装置
JP5525395B2 (ja) * 2010-09-08 2014-06-18 ナブテスコ株式会社 航空機アクチュエータの性能検査方法、航空機アクチュエータの性能検査装置、及びプログラム
JP5658117B2 (ja) 2010-11-29 2015-01-21 ナブテスコ株式会社 航空機アクチュエータの油圧システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111208394A (zh) * 2018-11-22 2020-05-29 中国科学院大连化学物理研究所 一种四通道在线监测绝缘气体分解产物的装置和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003040199A (ja) 2003-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3222520B1 (en) Local backup hydraulic actuator for aircraft control systems
US4887214A (en) Flight control system employing two dual controllers operating a dual actuator
US3468126A (en) Position control system
JP2007046790A (ja) アクチュエーションシステム
US5449186A (en) Rear wheel steering system
US4333387A (en) Anti-jam hydraulic servo valve
US8596575B2 (en) Aircraft actuator
JP4152609B2 (ja) 舵面駆動装置及び舵面駆動システム
JP3729938B2 (ja) 舵面駆動用アクチュエータの制御回路
US2995014A (en) Dual electro-hydraulic servo actuator system
JP7002231B2 (ja) 操舵制御システム
CN112324719A (zh) 一种多余度电静液作动系统和控制方法
JPS5997306A (ja) 二重液圧サ−ボ作動器制御システム用制御作動システム
JPH04262104A (ja) アクチュエータの中立位置復帰機構
US4576198A (en) Servovalve with integrated failure monitoring
JP3729964B2 (ja) 舵面制御装置
JPH07301207A (ja) 液圧装置
CN114396401B (zh) 液压作动装置及飞行器
JP2004100727A (ja) サーボアクチュエータの制御回路
RU2704931C2 (ru) Гибридный электрогидравлический рулевой привод
RU181538U1 (ru) Гибридный электрогидравлический рулевой привод
CN220791628U (zh) 一种高空车液压系统
JP4657014B2 (ja) 油圧駆動装置
WO2021171947A1 (ja) 操舵システム
JP3248080B2 (ja) アクチュエ−タの暴走防止用方向切換弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040528

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080701

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4152609

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140711

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term