JP4152357B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents
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Description
固体電解コンデンサ(1)は、陽極リード(22)を突出したコンデンサ素子(2)を具え、該コンデンサ素子(2)は合成樹脂製のハウジング(70)にて覆われる。コンデンサ素子(2)の下面は、陰極側リード端子(90)に取り付けられ、陽極リード(22)は枕部材(23)を介して陽極側リード端子(9)に取り付けられる。陽極側リード端子(9)とコンデンサ素子(2)との間には、絶縁体(図示せず)が設けられている。コンデンサ素子(2)の詳細は後記する。
固体電解コンデンサ(1)は、以下の要領で作成される。先ず、図12に示すように、金属板(8)を打ち抜き加工して、陽極側及び陰極側リード端子(9)(90)となる第1、第2端子構成片(81)(82)を設ける。両端子構成片(81)(82)は開口(80)を挟んで設けられ、端縁が互いに対向している。陽極側リード端子(9)となる第1端子構成片(81)上に枕部材(23)を介して陽極リード(22)を取り付け、陰極側リード端子(90)となる第2端子構成片(82)にコンデンサ素子(2)の周面を取り付ける。コンデンサ素子(2)の周面をハウジング(70)にて覆い、金属板(8)をD−D線、E−E線を含む面にて破断して、固体電解コンデンサ(1)を得る。
また、金属板(8)から陽極側又は陰極側リード端子(9)(90)を形成する際の作業性をも改善する必要がある。
本発明の目的は、少なくとも一方のリード端子の半田付け状態を横から確認でき、且つ両リード端子を形成する際の作業性をも改善した固体電解コンデンサを提供することにある。
また、第1露出部(5)は、両リード端子(9)(90)の配列方向に沿う方向に延びた第2露出部(50)に繋がり、第2露出部(50)は、第1露出部(5)よりも幅狭に設けられ、少なくとも1つの第2露出部(50)は、端面(51)がハウジング(70)の端面から露出している。
また、第1露出部(5)と第2露出部(50)とは繋がっているから、第1露出部(5)と第2露出部(50)との交差地点に半田を盛れば、半田は第1露出部(5)と第2露出部(50)に向けて流れる。この点でも、リード端子(9)(90)の半田付け状態が確認し易い。
2.また、第2露出部(50)は、第1露出部(5)よりも幅狭に設けられている。後記の如く、金属板を打ち抜き加工して、両リード端子(9)(90)を形成する際には、第2露出部(50)を破断するが、第2露出部(50)を幅狭に形成することにより、両リード端子(9)(90)を形成する際の作業性が良くなる。
以下、本発明の一例を図を用いて詳述する。
図1は、固体電解コンデンサ(1)を上下逆にして示す斜視図である。図2は、図1をA−A線を含む面にて破断した断面図であり、図1とは上下が逆になっている。
コンデンサ素子(2)は合成樹脂製のハウジング(70)にて覆われ、両リード端子(9)(90)の下面はハウジング(70)から露出している。両リード端子(9)(90)上には、凹面(4)が形成され、コンデンサ素子(2)の周面は該凹面(4)上に載置される。両リード端子(9)(90)は、ハウジング(70)を構成する合成樹脂にて充填された開口(80)を挟んで互いに対向しているが、この間隔は短いほど、ループインダクタンスが小さくなり、ESL(等価直列インダクタンス)を小さくできる。
また、開口(80)の互いに対向する端縁は、凹面(4)の周縁よりも内側に位置しており、開口(80)は凹面(4)に繋がる。開口(80)が凹面(4)に繋がっていることにより、ハウジング(70)の成型時に合成樹脂の湯流れが良くなる。
コンデンサ素子(2)は、陽極リード(22)を突出した陽極体(20)の一部に、誘電体酸化被膜(21)を形成し、該誘電体酸化被膜(21)上に、陰極層(3)、カーボン層(30)、銀ペースト層(31)を順に設けて形成される。陽極リード(22)及び陽極体(20)は、電解酸化処理により極めて緻密で耐久性を有する誘電体酸化被膜が形成される弁金属からなり、該弁金属にはAl(アルミニウム)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)、Nb(ニオブ)等が該当する。
陽極リード(22)は抵抗溶接により陽極側リード端子(9)上に取り付けられ、コンデンサ素子(2)の周面は導電性接着剤により凹面(4)上に取り付けられる。
本例では、陽極体(20)の材料としてタンタル焼結体を用いたが、弁作用金属を用いたものであれば、特に限定はなく、箔状又は板状のものを用いても良い。箔状又は板状の陽極体(20)を用いる場合は、陽極体(20)と陽極側リード端子(9)との接続部分に、前記誘電体酸化被膜(21)を形成しないことにより、陽極リード(22)を取り付ける必要が無くなる。
尚、陰極層(3)を形成する材料には、前記ポリピロールの他に、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフラン等の導電性高分子、TCNQ(7、7、8、8−テトラシアノキノジメタン)錯塩等が挙げられる。陰極層(3)に抵抗値の低い導電体高分子等を用いることにより、ESRを小さくして、高周波特性に優れたコンデンサを形成している。
陰極側リード端子(90)上にて両露出部(5)(50)は複数、具体的には2つ設けられている。即ち、固体電解コンデンサ(1)は3箇所の露出部(5)(50)にてプリント基板に半田付けされる。これにより、固体電解コンデンサ(1)とプリント基板の接合強度が向上する。
陰極側リード端子(90)上の1つ、具体的には内側の第1露出部(5)は、端面(52)がハウジング(70)の端面から露出し、陽極側リード端子(9)の第2露出部(50)は、端面(51)がハウジング(70)の端面から露出している。
従って、陰極側リード端子(90)の下面全面が露出していると、両リード端子(9)(90)をプリント基板に半田付けした際に、陰極側リード端子(90)に接する半田が収縮して、固体電解コンデンサ(1)を引っ張り、その結果、固体電解コンデンサ(1)の取り付け不良を招来する。従って、陰極側リード端子(90)はその一部を樹脂にて覆うとともに、2箇所で半田付けされる構成としている。
また、両リード端子(9)(90)上にて樹脂にて覆われた箇所は、半田の濡れ性が弱いから、半田はリード端子(9)(90)の露出部(5)(50)に寄る。図1にて第1露出部(5)と第2露出部(50)の交差地点に盛られた半田は、矢印Xで示すように、第1、第2露出部(5)(50)に沿って端面(51)(52)に向かって外向きに流れる。従って、この点でも、両リード端子(9)(90)の半田付け状態が確認し易い。
尚、陽極側リード端子(9)の第1露出部(5)の端面(52)を、ハウジング(70)の側面から露出させてもよい。
以下に、固体電解コンデンサ(1)を形成する手順を説明する。図3及び図4は、リード端子(9)(90)の基材となる金属板(8)の平面図であり、該金属板(8)は鉄又は銅とニッケルを主成分とする。先ず、金属板(8)にエッチング又は半抜き加工を施して凹面(4)を形成する。次に、図4に示すように、金属板(8)を打ち抜き加工して、大孔(84)を形成し、該大孔(84)内に陽極側リード端子(9)となる第1端子構成片(81)及び陰極側リード端子(90)となる第2端子構成片(82)を開口(80)を挟んで形成する。凹面(4)は両端子構成片(81)(82)に跨る。
ここで、前記の如く、開口(80)の互いに対向する端縁は、凹面(4)の周縁よりも内側に位置している。開口(80)を形成する際には、開口(80)の端縁と、凹面(4)の端縁を一致させることが難しいから、開口(80)の端縁を、凹面(4)の周縁からずらしているのである。両端子構成片(81)(82)は、第2露出部(50)となる繋ぎ片(85)にて大孔(84)の周縁部と繋がっている。
第2端子構成片(82)の下面には、ハウジング(70)を形成する樹脂にて充填されるべき凹部(83)が設けられている。第2端子構成片(82)上にて凹部(83)以外の箇所が、第1露出部(5)及び第2露出部(50)となる。
陽極リード(22)は第1端子構成片(81)の凹面(4)以外の箇所に載置されて抵抗溶接される。この後、図6に示すように、両端子構成片(81)(82)をハウジング(70)を構成する樹脂塊(7)にて覆う、具体的には金属板(8)の上下から金型(図示せず)を被せて、樹脂を射出成形して、樹脂塊(7)を形成する。この後、D−D線、E−E線を含む面にて樹脂塊(7)及び金属板(8)をダイシングソー等にて切断して、図1に示す固体電解コンデンサ(1)を得る。
第2露出部(50)となる繋ぎ片(85)は、第1露出部(5)よりも幅狭に設けられている。従って、ダイシングソー等にて切断し易く、両リード端子(9)(90)を形成する際の作業性が良くなる。
図7は、別の実施例に係わる固体電解コンデンサ(1)を上下逆にして示す斜視図である。
本例にあっては、2つの第2露出部(50)(50)が、第1露出部(5)の両側部に位置する点に特徴がある。
図7に示す固体電解コンデンサ(1)を形成するには、図8に示すように、両端子構成片(81)(82)の基端部に、矩形状の小孔(86)を開設する。両端子構成片(81)(82)上にて、小孔(86)の両側が、第2露出部(50)(50)となる繋ぎ片(85)(85)である。コンデンサ素子(2)を凹面(4)内に載置し、樹脂塊(7)にてコンデンサ素子(2)を覆った後にD−D線、E−E線を含む面にて樹脂塊(7)及び金属板(8)をダイシングソー等にて切断すれば、図7に示す固体電解コンデンサ(1)を得る。
即ち、陽極リード(22)を第1端子構成片(81)に抵抗溶接する場合には、陽極リード(22)及び第1端子構成片(81)を上下から押さえるが、図6に示すように、繋ぎ片(85)が1つのみであると、第1端子構成片(81)が金属板(8)を含む面内にて矢印F方向に振れてしまい、第1端子構成片(81)とコンデンサ素子(2)の相対位置がズレる虞れがある。特に、繋ぎ片(85)が細いと、振れ易い。
本例では、繋ぎ片(85)(85)を2箇所設けており、第1端子構成片(81)とコンデンサ素子(2)の相対位置がズレる虞れを少なくできる。尚、繋ぎ片(85)の数は、2つに限定されない。また、図9に示すように、陰極側リード端子(90)に3箇所の第1露出部(5)(5)(5)を形成してもよい。
(5) 第1露出部
(9) リード端子
(20) 陽極体
(50) 第2露出部
(70) ハウジング
(90) リード端子
Claims (2)
- コンデンサ素子(2)と、コンデンサ素子(2)を覆うハウジング(70)と、上面がコンデンサ素子(2)に接続されると共に下面がハウジング(70)の下面から露出した陽極側及び陰極側リード端子(9)(90)とを具えた固体電解コンデンサに於いて、
陽極側リード端子(9)は、下面がハウジング(70)の下面から露出した陽極露出部を具え、
陰極側リード端子(90)は、陽極側及び陰極側リード端子(9)(90)の配列方向に直交して延び下面がハウジング(70)の下面から露出すると共に端面(52)がハウジング(70)の端面から離れた位置においてハウジング(70)の側面から露出した第1露出部(5)と、陽極側及び陰極側リード端子(9)(90)の配列方向に沿って延び、下面がハウジング(70)の下面から露出して第1露出部(5)に繋がると共に陽極側及び陰極側リード端子(9)(90)の配列方向に直交する方向の幅が第1露出部(5)よりも狭い第2露出部(50)と、下面が第1及び第2露出部(5)(50)から離れた位置においてハウジング(70)の下面から露出した第3露出部とを具える一体物からなり、
第1及び第2露出部(5) (50)は、陽極側及び陰極側リード端子(9)(90)の配列方向に関して、陽極露出部と第3露出部との間の位置に配され、
第1露出部(5)の端面(52)は、ハウジング(70)の両端面から等しい距離だけ離れた位置、又はその位置より陽極側リード端子(9)寄りの位置において、ハウジング(70)の側面から露出していることを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 第2露出部(50)は、第1露出部(5)と繋がる箇所から、陽極側及び陰極側リード端子(9)(90)の配列方向に沿って陽極側リード端子(9)から遠ざかる向きに延びていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
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