JP4151998B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変表示装置の表示結果が予め定めた特定表示結果となったことに基づいて特定遊技状態を発生して遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、遊技盤の中央に設けられた可変表示装置(これを一般的に特別図柄表示装置という場合がある)が予め定めた大当り図柄(特定表示結果)となったときに、特定遊技状態を生起せしめる遊技機が多数市場に提供されていたが、これらの遊技機の中には、遊技者の興趣を引くため、例えば、複数種類の図柄のうち予め定めた確変図柄で大当り(特別表示結果)したときには、以後の可変表示装置の変動において大当り図柄の導出率を向上(これを確率変動又は確変という)せしめ、比較的短い間隔で特定遊技状態が発生するようにしたものが提案されている。ただし、確変期間は、特定遊技状態が所定回数(例えば、2回又は3回)発生するまでである。また、このような遊技機には、確変期間中に再度確変図柄で大当りすると、その時点で確変制御を更新するものが提案されている。しかしながら、このような構成では、確変の更新により長期間に亘って確変期間が延長されることとなり、遊技場に多大な損害を与えるという問題を有していた。そこで、本出願人は、先に特開平8−802号(以下、これを先行技術という)で、確変の更新回数が所定値に達すると確変大当り図柄を特定の通常大当り図柄(確変大当り図柄以外の大当り図柄)に書き換える制御を強制的に行うことで、長期間に亘った確変期間の延長を回避し得る遊技機を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記先行技術のように、確変大当り図柄を特定の通常大当り図柄に書き換える構成では、確変の更新を強制終了させる際、特定の通常大当り図柄の出現率が通常時に比べて高くなっていた。このため、確変が更新されている遊技状態で、特定の通常大当り図柄となり得るリーチが発生したときには、確変更新が終了する、又は終了し易いという概念を遊技者に与えてしまい、確変更新に対する不信感を遊技者に与えていた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、確変大当り図柄(特別表示結果)を大当り図柄(特定表示結果)の種類に含まない大当り図柄決定用の選択テーブルを用いることで、遊技者に不信感を与えることなく確変(特別遊技状態)の発生期間を規制し得る遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が採用した解決手段は、可変表示装置の表示結果が予め定めた特定表示結果となったことに基づいて特定遊技状態を発生して遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記可変表示装置に表示結果を導出する以前にその表示結果を決定する表示結果決定手段と、前記特定表示結果のうち予め定めた特別表示結果が導出されるとこれに基づいて特別遊技状態を発生させる特別遊技発生手段と、前記特別遊技状態の発生回数を計測する回数計測手段と、を備え、前記表示結果決定手段は、前記特別表示結果を前記特定表示結果の種類に含まない第一選択テーブルと、前記特別表示結果を前記特定表示結果の種類に含む第二選択テーブルとを有し、且つ前記第一選択テーブル及び前記第二選択テーブルに含まれる前記特定表示結果の数を同一に設定することで、前記第一選択テーブル及び前記第二選択テーブルに対して共通の表示結果決定用の乱数を用いて、前記特定表示結果の種類を決定すると共に、前記回数計測手段による計測値が予め定めた特定計測値となった場合、前記第一選択テーブルを用いて特定表示結果の種類を決定することを特徴とする。このように構成することにより、確変等の特別遊技状態の発生を回数計測手段が特定測定値として検出すると、特別表示結果を特定表示結果の種類に含まない表示結果決定用の選択テーブルを用いて可変表示装置に導出する特定表示結果を決定する。このため、従来例のように、特別遊技状態を強制終了させる際、特定の通常大当り図柄の出現率が通常時に比べて高くなることがないので、遊技者に不信感を与えることなく特別遊技状態の発生回数を規制することができる。
【0005】
【0006】
また、前記表示結果決定手段は、前記第一選択テーブル及び前記第二選択テーブルに含まれる前記特定表示結果の数を同一に設定することで、第一選択テーブル及び第二選択テーブルに対して共通の表示結果決定用の乱数を用いて、特定表示結果の種類を決定する構成とした場合には、特定表示結果を決定するための乱数を必要最小限の1つとすることで、コストの低減が可能になる。
【0007】
なお、図1に示す可変表示装置30により、表示結果が予め定めた特定表示結果(大当り図柄)となったことに基づいて特定遊技状態を発生して遊技者に所定の遊技価値を付与するする本発明の可変表示装置の一例を構成している。
【0008】
また、図10に示すランダム1〜4により、前記可変表示装置に表示結果を導出する以前にその表示結果を決定する本発明の表示結果決定手段の一例を構成している。
【0009】
また、図19に示す確変制御により、前記特定表示結果のうち予め定めた特別表示結果(確変大当り図柄)が導出されるとこれに基づいて特別遊技状態(確率変動)を発生させる本発明の特別遊技発生手段の一例を構成している。
【0010】
また、図19に示す確率変動規制カウンタC2により、前記特別遊技状態の発生回数を計測する本発明の回数計測手段の一例を構成している。
【0011】
また、図21及び図25に示すリミッタ規制の制御により、前記特別表示結果を前記特定表示結果の種類に含まない第一選択テーブル(テーブル)と特別表示結果を特定表示結果の種類に含む第二選択テーブル(テーブル)とを有し、前記回数計測手段による計測値が予め定めた特定計測値となった場合、第一選択テーブルを用いて特定表示結果の種類を決定する前記表示結果決定手段の構成を例示している。
【0012】
【0013】
また、図26に示すテーブルC・Dの設定により、前記第一選択テーブル及び前記第二選択テーブルに含まれる前記特定表示結果の数を同一(共に18個)に設定することで、第一選択テーブル及び第二選択テーブルに対して共通の表示結果決定用の乱数(ランダム2)を用いて、特定表示結果の種類を決定する前記表示結果決定手段の構成を例示している。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1及び第2図を参照して、実施形態に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の遊技盤1の構成について説明する。図1は、遊技盤1の正面図であり、図2は、遊技盤1の背面図である。図において、遊技盤1の表面には、発射された打玉を誘導するための誘導レール2がほぼ円状に植立され、該誘導レール2で区画された領域が遊技領域3を構成している。遊技領域3のほぼ中央上部には、2つの可変表示部材35、38a〜38cを有する可変表示装置30が配置されている。
【0015】
可変表示装置30の2つの可変表示部材35、38a〜38cのうち、上部に設けられる普通図柄用可変表示器35は、1個の7セグメントLEDで構成され、後述する通過口21a,21bに打玉が通過したことに基づいて可変表示し、その表示結果が予め定めた特定表示結果となったときに、後述する電動始動入賞口6を一定時間開放するものである。また、下部に設けられる可変表示部材38a〜38cは、複数(3つ)の識別情報(図柄)を表示することが可能な回転ドラム38a〜38cで構成され、後述する始動口装置4の始動入賞口5又は電動始動入賞口6に打玉が入賞したことに基づいて可変表示し、その表示結果が予め定めた大当り図柄の組合せ(特定表示結果)となったときに、特定遊技状態となって、後述する可変入賞球装置10の開閉板11を所定の態様で開放駆動する。なお、可変表示装置30の詳細な構成については、後に詳述する。
【0016】
上記した可変表示装置30の下方には、始動口装置4が配置されている。この始動口装置4は、遊技領域3を落下する打玉を単に受け止める始動入賞口5と該始動入賞口5の下方でソレノイド7により開閉制御される電動始動入賞口6とが一体的に形成されている。下方の電動始動入賞口6は、前記したように普通図柄用可変表示器35の表示結果が予め定めた特定表示結果となったときに一定時間(例えば、3秒)が経過するまで又は所定個数(例えば、3個)の入賞玉が発生するまで開放するもので、開放したときには、打玉が入賞し易くなっている。また、始動入賞口5及び電動始動入賞口6のいずれに入賞した入賞玉も遊技盤1の裏面に導かれて図2に示す始動入賞玉検出器8、9によって検出されるようになっている。
【0017】
上記始動口装置4の下方には、可変入賞球装置10が配置されている。この可変入賞球装置10には、そのほぼ中央に長方形状の開口を横置きにした入賞領域が形成され、該入賞領域の前面をソレノイド12によって開閉制御される開閉板11が閉塞している。しかして、ソレノイド12がONされたときには、開閉板11が開放して遊技領域3を落下する打玉を受け止めて入賞領域に誘導するが、該入賞領域の内部が3つに区画され、その中央に特定入賞口(図示しない)が形成されている。特定入賞口には、図2に示すように、特定玉検出器13が臨み、該特定玉検出器13の左右に開閉板11によって入賞領域に入賞した入賞玉を検出する入賞玉検出器14a,14bが設けられている。また、可変入賞球装置10には、開閉板11の左右に通常の入賞口15a,15bが設けられると共に、開閉板11の内部及び入賞口15a,15bの周囲には、特定遊技状態時に点灯又は点滅してその旨を報知する飾りLED17〜19が設けられている。更に、開閉板11の下方には、特定遊技状態となったときの開閉板11の開放回数と1回の開放中に受け入れられた入賞個数を兼用表示する数値表示器16が設けられ、該数値表示器16の周囲にも飾りLED20が設けられている。
【0018】
上記した可変表示装置30と始動口装置4と可変入賞球装置10との関係について簡単に説明すると、発射された打玉が始動入賞口5又は電動始動入賞口6に入賞すると、可変表示装置30の回転ドラム38a〜38cが可変表示を開始し、一定時間(例えば、6秒)が経過すると順次停止する。そして、回転ドラム38a〜38cの停止時の識別情報の組合せが所定の大当り図柄(例えば、7のゾロ目等)となったときに、特定遊技状態となり、可変入賞球装置10の開閉板11を所定期間(例えば、30秒経過するまで、あるいは10個の入賞玉が発生するまで)開放するように設定され、その開放している間遊技領域3を落下する打玉を入賞領域内に受け入れるようになっている。そして、受け入れられた打玉が特定入賞口に設けられる特定玉検出器13をONさせると、継続権が成立して再度上記した開放状態を繰り返し、開放状態中において特定玉検出器13がONする毎に上記した開放状態を連続して最高16回繰り返すことができるように設定されている。
【0019】
なお、本発明の特定遊技状態とは、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組合せた制御を実行する状態であればよい。
(1) 打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御。
(2) 特定の入賞又は通過領域での打玉の検出を介在させ、打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御。
(3) 打玉の入賞に関わらず所定数の景品玉を直接排出する制御。
(4) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御。
(5) 得点があることに基づいて遊技可能な遊技機に対して得点を付与する制御。
【0020】
遊技領域3には、上記した構成以外に、前記可変表示装置30の左右に通過玉検出器22a,22bを有する通過口21a,21bが配置されている。この通過口21a,21bは、前記したように普通図柄用可変表示器35の変動を許容するものである。また、可変表示装置30の左右上部に風車ランプ23a,23bが設けられ、可変入賞球装置10の左右上部に通常の入賞口24a,24bが設けられている。この入賞口24a,24bには、袖ランプ25a,25bが内蔵されている。これらの風車ランプ23a,23b、袖ランプ25a,25bは、始動入賞時あるいは特定遊技状態時に点灯あるいは点滅してその旨を遊技者に報知する。同様の機能を有するものとして、遊技領域3の中央左右に設けられるサイドランプ26a,26bと、誘導レール2の外周に沿って設けられるレール飾りランプ27と、パチンコ遊技機の前面上部に設けられる遊技効果ランプ44(図示しない;ただし、図4のブロック図に表示)がある。更に、遊技領域3には、落下する打玉の流下速度や方向を変化せしめる風車や多数の障害釘が設けられると共に、遊技領域3の最下方には、上記したいずれの入賞領域にも入賞しなかった打玉が遊技盤1の後方に導かれるアウト口28が設けられている。
【0021】
また、パチンコ遊技機1の裏面には、図2に示すように、その前面に遊技盤1の後面に導かれた入賞玉を所定の径路に沿って誘導する入賞径路が形成された入賞玉集合カバー体29が止着されている。しかして、上記した入賞径路のうち、前記始動口装置4の始動入賞口5及び電動始動入賞口6に入賞した入賞玉、及び前記入賞口15a,15bに入賞した入賞玉を導く入賞径路の末端には、誘導口29a〜29cが開設され、入賞玉集合カバー体29の後面側に導かれるようになっている。そして、誘導口29a〜29cから排出された入賞玉は、パチンコ遊技機の裏面に配置される機構板(図示しない)に形成された第2入賞玉集合樋に集合せしめられて、相対的に少ない景品玉数(例えば、7個)を払い出すようになっている。なお、その他の入賞口や入賞領域に入賞した入賞玉は、入賞玉集合カバー体29の前面側をそのまま落下して機構板に形成された第1入賞玉集合樋に集合せしめられ、相対的に多い景品玉数(例えば、15個)を払い出すようになっている。
【0022】
次に、前記した可変表示装置30の詳細な構造について説明する。可変表示装置30は、遊技盤1の表面に取り付けられる取付基板31を有し、その取付基板31の上部に突設された障害枠33の上端中央に入賞口32が形成され、該入賞口32の下方左右に飾り図柄34と普通図柄用可変表示器35とが設けられ、その飾り図柄34と普通図柄用可変表示器35との間に通過記憶表示LED36が設けられ、飾り図柄34と普通図柄用可変表示器35の下方に始動記憶表示LED37が設けられ、飾り図柄34と普通図柄用可変表示器35の左右を囲むように飾りLED43がそれぞれ設けられている。通過記憶表示LED36及び始動記憶表示LED37は、それぞれ通過口21a,21b及び始動入賞口5、電動始動入賞口6を通過又は入賞した打玉数であって普通図柄用可変表示器35及び回転ドラム38a〜38cを可変表示せしめる権利の留保数を表示するものである。また、飾りLED43は、普通図柄用可変表示器35及び回転ドラム38a〜38cの可変表示中や特定遊技状態中に点滅又は点灯してその旨を報知するものである。
【0023】
また、飾り図柄34は、7セグメントLEDで構成され、常時0〜5の数字が変動して、大当り図柄が表示されたときに、その変動を停止していずれかの数字を表示する。しかして、その数字が遊技場において予め定めた数値と一致した場合には、遊技場で用意された予め定めたサービス、例えば、その特定遊技状態で獲得した景品玉を使用して当該パチンコ遊技機1での遊技の継続を認めるサービスを受けることができるものに使用するものである。ただし、このような使用は、遊技場が任意に行うものであり、このような使用をしない場合には、飾り図柄34を使用して確率向上期間における特定遊技状態の発生残存回数を表示するようにしても良い。更に、普通図柄用可変表示器35も7セグメントLEDで構成され、打玉が通過口21a,21bを通過したときに、3→F→7→3→・・・と変動を開始し、所定の時間(後述するように、高確率時と低確率時とでは変動時間が異なる)の経過後停止し、その停止時の表示結果が特定表示結果(本実施形態の場合には、7)となったときには、当りと判定されて前記電動始動入賞口6を開放する。
【0024】
また、可変表示装置30の下方には、複数の回転ドラム38a〜38cが設けられている。この回転ドラム38a〜38cが特定遊技状態の発生に直接的に関係する特別図柄表示装置を構成するものである。また、回転ドラム38a〜38cは、ステッピングモータ39a〜39c(図示しない;ただし図4のブロック図に表示)によって回転駆動されると共に、その外周面に描かれた図柄(識別情報)を判定するために、ドラム位置センサ40a〜40c(図示しない;ただし図4のブロック図に表示)が内蔵されている。また、回転ドラム38a〜38cに描かれる識別情報を浮かび上がらせるために、回転ドラム38a〜38cの裏面にドラムランプ42が設けられている。なお、各回転ドラム38a〜38cに表示される図柄のうち、3つの図柄を遊技者が視認できるようになっており、このそれぞれ3つの図柄合計9個の図柄のうち、後述する図15に示すように、中央横ライン及び斜め(対角線)ラインの合計3つのライン上に並んだ図柄によって当りか否かが決定される。
【0025】
ところで、回転ドラム38a〜38cの外周面に描かれる図柄は、図3に示す図柄シール41a〜41cを貼付することによって形成されている。図3は、図柄シール41a〜41cの展開図である。本実施形態における図柄シール41a〜41cには、「7(CHANSE)」「7(赤)」「7(緑)」「BIG」「BAR・BAR(二段表示)」「JP」の6種類の文字情報と「▽」の12個の図形情報とが形成され、このうち、同一の文字情報及び「7(赤)・7(緑)・7(赤)」「7(緑)・7(赤)・7(緑)」の8通りの組合せが中央横当りラインと斜め当りラインとに表示された場合に特定遊技状態となる。つまり、特定遊技状態となる態様は、全部で24通りとなる。なお、この24通りの特定遊技状態のうち、「7(CHANSE)」及び「BIG」で特定遊技状態となった場合には、回転ドラム38a〜38c及び普通図柄用可変表示器35が特定表示結果を表示する確率が向上するようになっている。したがって、「7(CHANSE)」及び「BIG」は、特別大当り図柄を構成することになる。
【0026】
以上、可変入賞球装置10及び可変表示装置30を含む遊技盤1の構成について説明してきたが、遊技盤1に設けられるそれらの遊技装置は、図4に示す遊技制御回路によって制御される。図4は、遊技制御回路をブロック構成で示す回路図であり、MPU、ROM、RAM、入出力回路を含む基本回路50によって制御される。しかして、基本回路50は、高確率に継続された期間を制御するためのカウンタ51を含んでおり、また、基本回路50には、スイッチ入力回路58を介して入賞玉検出器14a,14b、特定玉検出器13、始動入賞玉検出器8、9、及び通過玉検出器22a,22bからの検出信号が入力され、アドレスデコード回路52から基本回路50にチップセレクト信号が与えられる。また、電源投入時に初期リセット回路53から基本回路50にリセット信号が与えられ、所定時間毎にクロック用リセットパルス発生回路54から基本回路50に定期リセット信号が与えられる。なお、スイッチ入力回路58には、特別図柄表示装置である回転ドラム38a〜38cが大当り図柄を表示する確率を変更設定する設定スイッチ64を必要に応じて接続しても良い。図示の設定スイッチ64は、3段階に設定可能となっており、例えば、設定スイッチ64の設定値が「1」の場合には、低確率時における大当り図柄の表示確率が「1/224」に設定され、以下同様に設定値が「2」の場合には、「1/248」に設定され、設定値が「3」の場合には、「1/272」が設定される。もちろん、高確率時における確率も設定スイッチ64の設定値によって変更しても良いし、あるいは普通図柄用可変表示器35の低確率時及び高確率時の確率も設定スイッチ64の設定値によって変更しても良い。
【0027】
一方、基本回路50からは、以下の装置及び回路に制御信号が与えられる。即ち、音回路55を介してスピーカに音声信号が与えらる。また、セグメント・LED回路56を介して数値表示器16、飾り図柄34、普通図柄用可変表示器35、通過記憶表示LED36、始動記憶表示LED37、及び飾りLED43、17〜20に表示制御信号が与えられる。また、ランプ・ソレノイド・大当り情報回路57を介して大当り情報が外部に導出され、ソレノイド7、12が駆動され、ランプ類23a,23b、25a,25b、26a,26b、27、44が点灯駆動される。また、前記した回転ドラム38a〜38cは、専用の基本回路59によって制御されるが、この基本回路59に基本回路51から制御信号が与えられる。しかして、基本回路59からは、ドラムランプ回路60を介してドラムランプ42が駆動信号が与えられ、モータドライブ回路62を介してステッピングモータに駆動信号が送られる。また、回転ドラム38a〜38cに内蔵されるドラム位置センサ40a〜40cからは、センサ入力回路62を介して基本回路59及び基本回路51に入力信号が送られる。なお、上記した装置や回路には、電源回路63から各種の電圧を有する電力が供給されている。
【0028】
以上、説明した遊技制御回路の具体的な動作の一例を図5乃至図21に示すタイムチャート及び説明図を参照して説明する。まず、図5乃至図8を参照して、普通図柄用可変表示器35の動作について説明する。図5は、通過口21a,21bへの打玉の通過に基づく普通図柄用可変表示器35の動作を示すタイムチャートであり、図6は、打玉が通過口21a,21bを通過したときに決定される当り図柄の選択方法を説明する説明図である。図において、通過口21a,21bに打玉が通過して通過玉検出器22a,22bをONさせ、通過信号T1が導出されると、その通過信号T1の立ち上がり時にランダム7から1つの値が抽出される。ランダム7は、図6に示すように、当り図柄か否かを決定するためのランダム数であり、後述する図16に示すように、割り込み処理毎に「0〜14」の15通りの数値が刻々と変動している。また、通過信号T1導出後、0.002秒経過したときに格納したランダム7の値を読み出すと共にランダム7の読み出した値が当りでない時にランダム8から1つの値が抽出される。このランダム8は、図16に示すように、割り込み処理毎及びその割り込み処理余り時間毎に0と1とが変化するものであり、0が抽出されたときには、停止時の普通図柄用可変表示器35に「3」が表示され、1が抽出されたときには、「F」が表示されるようになっている。
【0029】
しかして、ランダム7から抽出された数値が例えば、「1」であるときには、当りと判断され、特定表示結果である「7」が普通図柄用可変表示器35に表示される。一方、ランダム7から抽出された数値が上記以外のときには、外れと判断され、その時抽出されたランダム8の値に対応する上記した図柄が普通図柄用可変表示器35に表示される。上記した当り外れの決定は、通常の確率時(以下、低確率時という)であって、後述するように、確率の変更が行われたとき(以下、高確率時という)には、ランダム7から抽出された値が「1〜10」のいずれかの値であるときに、当りと判断されるようになっている。したがって、低確率時における当りとなる確率は、1/15であるのに対し、高確率時における当りとなる確率は、10/15となって、10倍に変更されたことになる。なお、高確率時における倍数を前記した設定スイッチ64等(別のスイッチを設けても良い)で任意の値に調節できるようにしても良い。
【0030】
上記したように、通過信号T1の導出時に、普通図柄用可変表示器35に表示される図柄が当りか否かが決定されると共に、停止時に表示される図柄も決定され、それらの決定が終了した後(本実施形態においては、通過信号T1導出後0.002秒経過後)、普通図柄用可変表示器35の変動が開始される。しかして、低確率時における変動時間は、相対的に長く設定され(25.000秒)、高確率時における変動時間は、相対的に短く設定(7.000秒)されている。これは、高確率時に当りを早めに出して、電動始動入賞口6を開放して始動入賞玉を多く発生させ、もって回転ドラム38a〜38cの回転を連続的に行わせるようにしたものであり、高確率時における遊技者の興味を引き付けるためである。
【0031】
上記のようにして普通図柄用可変表示器35が変動表示を停止した以降の遊技が図7及び図8に示される。図7は、停止図柄が当りとなった場合の電動始動入賞口6の動作を示すタイムチャートであり、図8は、停止図柄が外れとなった場合の電動始動入賞口6の動作を示すタイムチャートである。そこで、先に図8を参照して、外れの場合について説明すると、普通図柄用可変表示器35の変動表示が停止した後、一定時間(1.000秒)が経過した時点から微少時間(0.002秒)が経過すると、通過記憶がある場合には、再度、普通図柄用可変表示器35が変動を開始する。
【0032】
次に図7を参照して、当りの場合について説明すると、普通図柄用可変表示器35の変動表示が停止した後、一定時間(0.500秒)が経過すると、電動始動入賞口6が一定時間(3.000秒)が経過するまで開放される。ただし、この開放中に3個の入賞玉が受け入れられたときには、その一定時間が経過する前であっても開放を中止する。そして、電動始動入賞口6の開放を終了した後、微少時間(0.002秒)が経過すると、通過記憶がある場合には、再度、普通図柄用可変表示器35が変動を開始する。
【0033】
上記のようにして開放された電動始動入賞口6に打玉が入賞すると、回転ドラム38a〜38cが回転開始するが、その動作を図9及び図10を参照して説明する。図9は、始動入賞口5及び電動始動入賞口6に打玉が入賞したときの回転ドラム38a〜38cの可変表示制御を示すタイムチャートである。図10は、打玉が始動入賞口5及び電動始動入賞口6に入賞したときに決定される大当り図柄の選択方法を説明する説明図である。ただし、この図10は、前記設定スイッチ64が設けられている場合には、その設定値が「2」である場合を示している。図において、始動入賞口5及び電動始動入賞口6に打玉が入賞して始動入賞玉検出器8、9をONさせ、始動信号S1が導出されると、その始動信号S1の立ち上がり時にランダム1から1つの値が抽出される。また、これと同時に、通常大当り時にはランダム2から、確変大当り時にはランダム4から、外れ時にはランダム3から1つの値が抽出される。ランダム1は、図10に示すように、大当り図柄か否かを決定するためのランダム数であり、後述する図16に示すように、電源投入後割り込み処理毎に「0〜991」の992通りの数値が刻々と変動しており、ランダム2は、通常大当り図柄の配列パターンを決定するためのランダム数であり、電源投入後割り込み処理毎及びその割り込み処理の余り時間毎に「0〜17」の18通りの数値が刻々と変動しており、ランダム3は、外れ図柄の表示パターンを決定するためのランダム数であり、電源投入後割り込み処理毎及びその割り込み処理の余り時間毎に「0〜5831」の5832通りの数値が刻々と変動しており、ランダム4は、確変大当り図柄の配列パターンを決定するためのランダム数であり、電源投入後割り込み処理毎及びその割り込み処理の余り時間毎に「0〜5」の6通りの数値が刻々と変動している。また、始動信号S1導出後、0.130秒経過したときにランダム1に格納された値を読み出し、更に、0.132秒経過したときに格納したランダム2乃至ランダム4の値を読み出すと共にランダム9から1つの値が抽出される。このランダム9は、前記飾り図柄34に表示される図柄を決定するためのランダム数であり、直接遊技内容に関係するものではない。
【0034】
しかして、ランダム1から抽出された数値が「3・41・311・601」のいずれかであるときには、大当りと判断される。そして、ランダム1が「41・311・601」のいずれかの場合は、ランダム2のデータにより図14(A)に示すテーブルAを参照して、確変以外の通常大当りとなる図柄が決定され、これが回転ドラム38a〜38cに表示される。また、ランダム1が「3」の場合は、ランダム4のデータにより図14(B)に示すテーブルBを参照して、確変大当りとなる図柄(同図中には、特定大当り図柄と記載)が決定され、これが回転ドラム38a〜38cに表示される。一方、ランダム1から抽出された数値が上記以外のときには、外れと判断され、その時抽出されたランダム3の値に対応する図柄配列パターンが回転ドラム38a〜38cに表示される。ただし、偶然大当り図柄と一致した場合には、ランダム3に「1」を加算して、外れ図柄にして表示するようになっている。上記した大当り外れの決定は、通常の確率時(以下、これを通常時又は低確率時という)の場合であり、後述するように、確率の変更が行われたとき(以下、これを確変時又は高確率時という)には、ランダム1から抽出された値が「3〜12・41〜50・311〜320・601〜610」のいずれかの値であるときに、大当りと判断されるようになっている。したがって、低確率時における大当りとなる確率は、1/248であるのに対し、高確率時における大当りとなる確率は、10/248となって、10倍に変更されたことになる。なお、高確率時における倍数を前記した設定スイッチ64等(別のスイッチを設けても良い)で任意の値に変更調節できるようにしても良い。なお、大当り図柄の種類決定において、後で詳述するリミッタ規制が働いた場合、ランダム1の抽出値が「3・41・311・601」のいずれであろうと、強制的にテーブルAを参照した通常大当り図柄の選択となる。
【0035】
上記したように、始動信号S1の導出時に、回転ドラム38a〜38cに表示される図柄が当りか否かが決定されると共に、停止時に表示される図柄も決定され、それらの決定が終了した後(本実施形態においては、始動信号S1導出後0.156秒〜0.164秒経過後)、回転ドラム38a〜38cの変動が僅かな時間差を置いて開始される。しかして、左回転ドラム38aの変動表示においては、基本時間(5.100秒)の間、所定の変動速度に設定されて変動し、基本時間が経過すると、1図柄分の変動時間が経過したときに停止される。同様に右回転ドラム38cの変動表示においては、上記と同じ基本時間(5.100秒)の間、所定の変動速度に設定されて変動し、基本時間が経過すると、6図柄分の変動時間が経過したときに停止される。
【0036】
一方、中央回転ドラム38bの変動表示においては、既に停止した回転ドラム38a,38cに表示される当りライン上の停止図柄が大当り図柄でないとき(リーチ状態でないとき)と、大当り図柄であるとき(リーチ状態のとき)とでは、異なる態様で変動表示される。そこで、まずリーチ状態でないときの変動表示について説明すると、上記と同じ基本時間(5.100秒)の間、所定の変動速度に設定されて変動し、基本時間が経過すると、11図柄分の変動時間が経過したときに停止される。
【0037】
次に、リーチ状態のときの変動表示について説明する。上記と同じ基本時間(5.100秒)の間、所定の変動速度に設定されて変動し、基本時間が経過すると、49〜66図柄分の変動時間が経過したときに停止される。ただし、この49〜66図柄分の変動速度は、ややゆっくりとした変動速度に設定されている。
【0038】
上記のようにして回転ドラム38a〜38cが変動表示を停止した以降の遊技が図11乃至図13に示される。図11は、可変入賞球装置10の開放動作の終了後、始動記憶がある場合の回転ドラム38a〜38cの変動を示すタイムチャートであり、図12は、停止図柄が大当りとなった場合の可変入賞球装置10の動作を示すタイムチャートであり、図13は、停止図柄が外れとなった場合の可変入賞球装置10の動作を示すタイムチャートである。そこで、先に図13を参照して、外れの場合について説明すると、3つの回転ドラム38a〜38cのうち、最後に変動停止する回転ドラム38bの変動表示が停止した後、一定時間(1.200秒)が経過した時点でランダム1に格納された値を読み出し、更に、1.202秒経過したときに格納したランダム2乃至ランダム4の値を読み出すと共にランダム9から1つの値が抽出される。そして、その後、0.156秒又は0.164秒経過した後に、まず左回転ドラム38aが変動を開始し、僅かに遅れて中回転ドラム38bが変動を開始し、更に図示しないが右回転ドラム38cも僅かに遅れて変動を開始する。
【0039】
次に図12を参照して、大当りの場合について説明すると、3つの回転ドラム38a〜38cの変動表示が停止した後、一定時間(5.650秒)が経過した後、可変入賞球装置10が比較的長い時間(29.500秒)開放される。ただし、この一定時間が経過する前に入賞玉数が10個となったときには、その時点で閉じられる。そして、この開放が終了した後、一定時間(2.000秒)が役物連続作動装置作動有効時間として設定され、可変入賞球装置10の開放が終了した後に開閉板11に受け入れられた入賞玉が特定玉検出器13をONさせたときもこれを有効と認め、継続権を発生させるようにしている。しかして、継続権が発生しているときには、役物連続作動装置作動有効時間が経過すると、再度可変入賞球装置10が開放制御される。
【0040】
ところで、回転ドラム38a〜38cの停止時に表示される図柄が大当り図柄の組合せとなる態様は、図15に示す3つの当りライン(1)〜(3)を考慮にいれた場合には前記したように24通りあり、このうち18通りの通常大当り図柄の組合せ態様が図14(A)のテーブルAに示すように「0〜17」のランダム2に対応せしめられており、6通りの確変大当り図柄の組合せ態様が図14(B)のテーブルBに示すように「0〜5」のランダム4に対応せしめられている。そして、その大当り組合せ態様のうち、「7(CHANSE)」及び「BIG」の確変大当り図柄で特定遊技状態となった場合(どの当りラインでもよい)には、普通図柄用可変表示器35及び回転ドラム38a〜38cが特定表示結果を表示する確率が向上するよう制御される。この点について図16乃至図19を参照して説明する。図16は、割り込み信号(定期リセット信号)が入力される毎(例えば、2msec)に実行されるメインルーチンを示すフロー図であり、図17は、確率変動の変動カウンタ更新サブルーチンを示すフロー図であり、図18は、確率変動の変動規制サブルーチンを示すフロー図であり、図19は、図17及び図18に示す処理の具体的な動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0041】
図16において、まず、ステップ10(以下、S10と略称する)でメモリエリア内のスタックエリアとなるアドレスを指定するスタックセット処理が実行され、次いでS20でRAMエラーがあるか否か(RAM正常)が判別され、正常であれば、S30で各種の情報データがI/Oから出力され、その後、S40で各種スイッチ類に異常が生じて警告があるか否かが判別され、異常がなければ、S50で特別図柄プロセス処理及び普通図柄プロセス処理が実行される。特別図柄プロセス処理は、回転ドラム38a〜38cの回転制御及び大当りにける可変入賞球装置10の開閉制御が行われるものである。また、普通図柄プロセス処理は、普通図柄用可変表示器35の可変表示制御及び当り時における電動始動入賞口6の開閉制御が行われるものである。上記S50の処理の終了後及び前記S40で異常があると判別されたときには、S60で各種スイッチからの入力信号の受付処理が行われ、その後、S70でランダム1,7の作成(更新処理)、S80でランダム2,3,4,8,9の作成が行われる。また、前記S20でラRAMエラー有りと判別されたときには、S120で初期化され、その後、上記したS70,S80の処理が実行される。このように、すべてのランダム数がメインルーチンが1回実行される毎(割り込み毎)に更新処理されるので、従来のようにメインルーチンの余り時間内だけで更新されていた場合に余り時間が無いときに更新処理が行われないという欠点が有るのに対して、確実にランダム数の更新処理が行われる。特に、本実施形態において重要なランダム2の更新が確実に行われることにより、連続して同じ大当り図柄配列パターンが生じることを極力防止している。
【0042】
次に、S90において、図示しない割り込みカウンタ(0〜7をカウントする毎にリセットされる)の計数値が判別され、割り込みカウンタの値が「0」のときにS100で図柄LED(例えば、数値表示器16等)制御及び音データ出力が実行され、割り込みカウンタの値が「1〜7」のときにS130で出力データテーブルの選択制御、及び飾りLED,ランプの表示制御が実行される。その後、次の割り込み信号(定期リセット信号)が入力されるまで、S110でランダム2,3,4,8,9の作成処理(更新処理)が実行される。
【0043】
ところで、前記S50の特別図柄プロセス処理の中の確率変動処理、即ち、確率変動の確率変動カウンタの更新処理について図17を参照して説明すると、まず、S200で大当りか否かが判別され、大当りでなければ、そのサブルーチンを終了し、大当りであれば、S210で低確率に処理し、その後、S230でその大当りが7チャンスか否かが判別され、7チャンスであればS250で確率変動カウンタC1の値を「2」にしてサブルーチンを終了し、7チャンスでなければS240でその大当りがBIGか否かが判別され、BIGであればS260で確率変動カウンタC1の値を「1」にして、サブルーチンを終了し、BIGでなければ確率変動カウンタC1の更新を行うことなくサブルーチンを終了する。上記したS250で確率変動カウンタC1の値が「2」に設定されると、図19(A)に示すように、高確率状態が2回出現せしめられるので、結果的に最低限3回の大当り遊技状態が比較的短い時間間隔で出現することになる。また、S260で確率変動カウンタC1の値が「1」に設定されると、図19(B)に示すように、高確率状態が1回出現せしめられるので、結果的に最低限2回の大当り遊技状態が比較的短い時間間隔で出現することになる。なお、上記したS210の処理は、必ずしも行う必要はなく、省略しても良い。また、S210とS230との間に確率変動カウンタC1の値が「0」のときだけS230以下の処理を行う判別処理S220を挿入してもよい。このような処理を挿入することにより、確率向上期間の最後の大当りが確変図柄によって生起せしめられたときだけに、確率向上期間の延長が行われる。
【0044】
このように、大当りが発生し、その大当りが確率を向上せしめる確変図柄(特別大当り表示結果)であるときには、確率変動カウンタC1の値が常時変動されるようになっているため、確率向上期間中に確変図柄が表示される限りは、確率向上期間が無制限に延長される現象も生じる。このような無制限の延長をなくすために次の図18のフロー図に説明するように、確率変動を規制する処理がなされる。そこで、図18について説明すると、S300で大当りが終了したか否かが判別され、終了していないときには、以下の処理をすることなくサブルーチンを終了し、大当りが終了したときには、S310で確率変動カウンタC1の値が「1以上」であるか否かが判別され、「1以上」でない(即ち、「0」)と判別されたときには、以下の処理をすることなくサブルーチンを終了し、「1以上」であると判別されたときには、高確率を維持すべく以下の処理を実行する。まず、S320で確率変動規制カウンタC2の値に「1」を加算し、その後、S330で確率変動規制カウンタC2の値が「6以上」であるか否かを判別する。確率変動規制カウンタC2の値が「6以上」であると判別されたときには、そのままサブルーチンを終了する。一方、確率変動規制カウンタC2の値が「6以上」ではないと判別されたときには、未だ許容された累計の範囲内であるとして、S340で確率変動カウンタC1の値から「1」を減算した後、S350で高確率に設定してサブルーチンを終了する。また、確率変動規制カウンタC2のリセット制御は、図20に示すように、先ず、大当りか否かを判別して(S400)、S400で大当りであると判別すると、次に確率変動カウンタC1が「0」であるか否かを判別する(S410)。そして、S410で確率変動カウンタC1が「0」であると判別すると、確率変動規制カウンタC2を「0」にリセット(S420)してサブルーチンを終了する。
【0045】
次に、上記した確率変動規制カウンタC2のカウント値に基づくリミッタ規制の制御(大当り図柄の決定処理)について図21を参照して説明する。図21において、先ず、S500で大当りか否かが判別され、大当りでなければ、以下の処理を実行することなくサブルーチンを終了し、大当りであれば、S510でランダム1の値が「3」であるか否かが判別される。なお、確変時には、S510でランダム1が「3〜12」のいずれかであるか否かが判別される。S510で、ランダム1の値が「3」(確変時には、「3〜12」のいずれか)であると判別すると、次にS520で確率変動規制カウンタC2の値が「6以上」か否かが判別される。「6以上」でない場合には、未だ累積計数値が予定値(特定計測値)を超えていないので、以下の処理を実行することなくサブルーチンを終了する。一方、S520で「6以上」であると判別した場合は、累積計数値が予定値を超えているので、通常大当り図柄テーブル(テーブルA)から大当りとなる図柄を決定するリミット規制の制御(S530)を強制的に行ってサブルーチンを終了する。
【0046】
次に、上記した図18、図20、及び図21の動作の具体的な一例として図19(C)を示す。図19(C)においては、大当りが確変図柄のうちの「7チャンス」で連続して発生した場合のタイムチャートであり、このように「7チャンス」で大当りが連続的に発生した場合には、確率変動カウンタC1の値が常時「2」にセットされて確率向上期間が長期間に亘って延長されることとなるが、確率変動規制カウンタC2の値が「6」、即ち、大当りが連続して6回続くと、この時点でリミッタ規制が働く。これにより、次の大当り時には、ランダム1の抽出値に拘らず大当り図柄がテーブルAから決定されるため、「7チャンス」及び「BIG」以外の通常大当り図柄が必ず表示結果として導出される。そして、通常大当り図柄の導出によって特定遊技状態が発生すると、この時点で確率変動カウンタC1が「1」に減算される。その後、この確率変動カウンタC1に基づく確率向上期間中では、確率変動規制カウンタC2が「7」となりリミッタ規制が継続的に働く。このため、次の大当りも必ず通常大当り図柄が導出されるこことなり、確率変動カウンタC1の値が「0」にリセットされて確変制御が終了する。また、この確率変動カウンタC1のリセットにより、リミッタ規制が解除される。
【0047】
以上のように、本実施形態の遊技機は、確率変動(特別遊技状態)の継続的な発生期間を確率変動規制カウンタC2でカウントし、そのカウント値が所定の値(本実施形態では、「6」)に達すると、確変大当り図柄(特別表示結果)を大当り図柄(特定表示結果)の種類に含まないテーブルAを用いて大当り図柄を決定することで、確変更新により長期間に亘って延長された確変期間を強制終了するようになっている。また、このような構成では、特別遊技状態を強制終了させる際、従来例のように特定の通常大当り図柄の出現率が通常時に比べて高くなることがないので、遊技者に不信感を与えることなく特別遊技状態の発生期間を規制することができる。
【0048】
また、上記した実施形態では、可変表示装置(回転ドラム38a〜38c)を有するパチンコ遊技機の遊技内容として、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せとなったときに特定遊技状態となって、直ちに可変入賞球装置10を所定回数開放せしめるもの(いわゆるディジタルパチンコ遊技機)としたが、可変表示装置の表示結果に基づいて特定遊技状態の一種である権利発生遊技状態を生起せしめ、その権利発生遊技状態の継続中に打玉が始動入賞口に入賞することにより可変入賞球装置を所定期間開放し、そのような開放を始動入賞口に打玉が入賞することを条件として所定回数繰り返す遊技内容(いわゆる権利物)を有するパチンコ遊技機であっても良い。このような実施形態を図22乃至図24を参照して簡単に説明する。図22は、他の遊技内容を具現するための遊技装置が配設された遊技盤の正面図であり、図23は、その遊技盤の中央に設けられる特別可変入賞球装置の内部構造を示す斜視図であり、図24は、他の構造に係る特別可変入賞球装置を備えた遊技盤の主要部の正面図である。
【0049】
図22において、遊技盤71のほぼ円状に設けられた誘導レール72の内側が遊技領域73として構成され、該遊技領域73のほぼ中央に特別可変入賞球装置90が配置されている。特別可変入賞球装置90は、可変表示装置を構成する複数(2つ)の可変表示器91a,91bと、特定入賞領域102と、可変入賞球装置を構成する一対の玉受部材104a,104bと、を含み、可変表示器91a,91bの表示結果が予め定めた特定表示結果となったことに関連して特別可変入賞球装置90に導かれた入賞玉が特定入賞領域102に誘導されて図示しない特定入賞玉検出器をONさせたときに、特定遊技状態の一種である権利発生遊技状態を生起せしめるようになっている。なお、特別可変入賞球装置90の構成については、後に詳述する。
【0050】
また、遊技領域73には、複数の入賞口74,78,80,83a,83b,84(この84は、正確な意味で入賞口ではない),87a〜87cと、ランプを内蔵する風車ランプ88a,88bと、風車(符号なし)と、サイドランプ(符号なし)と、アウト口89と、障害釘(符号なし)等とがそれぞれ配設されている。まず、複数の入賞口のうち、入賞口74は、特別可変入賞球装置90の上部に1つの取付板に受口式の入賞口77と一対の玉受部材75を有する入賞口とを一体的に配置される可変入賞球装置74を構成するもので、下部の玉受部材75は、ソレノイド76によって開閉され、閉じた状態で上部に位置する入賞口77によって打玉の入賞が阻止されるようになっている。ところで、玉受部材75は、後に詳述する通過口装置84に打玉が通過して特別可変入賞球装置90に設けられる可変表示器91a,91bが予め定めた特定表示結果となったときに、所定時間(例えば、5.9秒)開放し、その開放中に受け入れた入賞玉を特別可変入賞球装置90に導くようになっている。ただし、権利発生遊技状態の継続中においては、可変表示器91a,91bが予め定めた特定表示結果となっても、玉受部材75の開放時間が極めて短い時間(例えば、0.5秒)となるように制御される。
【0051】
また、特別可変入賞球装置90の左側方に配置される入賞口80は、始動入賞口80と言われるもので、図示しないモータによって所定の周期で回転せしめられる回転体81が設けられている。また、回転体81には、打玉を1個受け入れる玉受部82が形成され、該玉受部82に受け入れられた入賞玉が遊技盤71の裏面に導かれて図示しない始動入賞玉検出器によって検出されるようになっている。しかして、上記のように構成される回転体付始動入賞口80においては、通常時比較的遅い周期(例えば、2rpm)で回転体81が回転制御せしめられるので、通常の遊技状態において始動入賞口80への打玉の入賞に基づく出玉率が必要以上に高くなることを抑制している。一方、権利発生遊技状態になると、回転体81の周期が比較的速い周期(例えば、6rpm)で回転制御せしめられ、回転体81の玉受部82に受け入れられた入賞玉が遊技盤1の裏面に導かれて始動入賞玉検出器をONさせると、特別可変入賞球装置90に設けられる可変入賞球装置を構成する玉受部材104a,104bが一定時間(例えば、9.5秒)が経過するまで、又はその一定時間が経過するまでの間に所定個数(例えば、10個)の入賞玉が発生するまで開放する。なお、回転体81の回転周期は、玉受部材104a,104bの開放時間とほぼ同じように設定されている。
【0052】
ここで、権利発生遊技状態における遊技内容を簡単に説明すると、前記したように、可変表示器91a,91bの表示結果が予め定められた表示結果となって打玉が特定入賞領域102に誘導され特定入賞玉検出器をONさせると、権利発生遊技状態となる。そして、権利発生遊技状態が継続しているときに、打玉が始動入賞口80に入賞して始動入賞玉検出器をONさせると、玉受部材104a,104bが上述した開放動作を行う。そして、そのような開放動作は、権利発生遊技状態が継続している限り、打玉が始動入賞口80に入賞する毎に繰り返される。ただし、権利発生遊技状態の継続は、権利発生遊技状態中に再度可変表示器91a,91bの表示結果が予め定められた表示結果となって打玉が特定入賞領域102に誘導され特定入賞玉検出器をONさせたとき、又は、始動入賞口80に所定個数(例えば、16個)の打玉が入賞したときに終了するようになっている。
【0053】
なお、始動入賞口80への入賞は、「所定個数−1」個までの入賞玉が記憶され、その記憶値に基づいて玉受部材104a,104bが開放動作されるが、所定個数に達して権利発生状態が消滅した時には、所定個数に達した時点での開放動作(それが16回以下の開閉動作であっても)が終了した後には、以降の開放動作が行われない。したがって、始動入賞口80への打玉の入賞と玉受部材104a,104bの開放動作とが交互に行われることが望ましいが、本実施形態においては、前記したように、回転体81の回転周期によって始動入賞口80への入賞が玉受部材104a,104bの開放時間とほぼ等しい間隔でしか入賞しないようになっているので、始動入賞口80への入賞と玉受部材104a,104bの開放動作とが交互に行われる可能性が高くなっている。また、本実施形態においては、権利発生遊技状態となったときには、可変入賞球装置74の玉受部材75の開放時間が短くなるので、再度の特定入賞領域102への入賞も生じ難いようになっている。
【0054】
一方、特別可変入賞球装置90の右側方に配置される入賞口78は、それ自体単なる入賞口であるが、その前面に臨むように作動回数表示LED79が設けられている。この作動回数表示LED79は、本実施形態においては、権利発生遊技状態が短い間隔を置いて連続して複数回(3回)生起する場合があるので、その複数回の表示をカウントダウン方式で表示するものである。また、特別可変入賞球装置90の斜め左右下部側方に設けられる入賞口83a,83bは、袖入賞口83a,83bと言われるもので、その内部に袖ランプを内蔵している。更に、遊技領域73の下方に横方向に配置される入賞口87a〜87cは、単に打玉を入賞させる通常の入賞口87a〜87cを構成するものである。ただし、このうちの左右の入賞口87b,87cへの打玉の入賞に基づいて払い出される景品玉数は、他の入賞口への入賞に基づいて払い出される景品玉数(例えば、15個)よりも少なくなる(例えば、7個)ように設定されている。
【0055】
上記した入賞口83aの右側に配置される入賞口84は、通過口装置84と言われるもので、取付基板に突設された中空正方形状の通過枠に通過スイッチ85を内蔵している。しかして、打玉が通過枠を通過して通過スイッチ85をONさせたときには、前記可変表示器91a,91bの変動を開始させ、一定時間(例えば、5.5秒以上)が経過したときに、表示結果を導出させるものである。なお、通過口装置84は、通過した打玉を再度遊技領域73に放出させるものであるが、これを入賞口として形成しても良い。また、通過口装置84は、上述したように可変表示器91a,91bを変動させ、間接的に可変入賞球装置74の玉受部材75を開放せしめるものであるため、打玉が特別可変入賞球装置90の特定入賞領域102に導かれるか否かに大きく関与している。しかして、通過枠の上部の取付基板の後面からソレノイドの作動により出没する可動部材86を設け、通常の状態においては、可動部材86を取付基板の後方に退避させ、権利発生遊技状態の継続中においては、可動部材86を取付基板の前方に突出させる。このように通過口装置84を構成することにより、権利発生遊技状態消滅防止制御手段を構成することができる。ただし、前記した玉受部材75の制御による権利発生遊技状態消滅防止制御手段とこの通過口装置84による権利発生遊技状態消滅制御手段との両方を同時に採用しても良いが、いずれか一方を採用すれば十分である。
【0056】
次に、遊技領域73の中央に配置される特別可変入賞球装置90の構成について図22及び図23を参照して説明する。特別可変入賞球装置90は、前記遊技盤71の表面に取り付けられる取付基板を有し、その取付基板に可変表示器91a,91bと可変入賞球装置を構成する玉受部材104a,104bとが一体的に形成されている。可変表示器91a,91bは、ドット・マトリックスLEDで構成され、左側の可変表示器91aは、0〜9の10種類の数字を順次変動表示し、右側の可変表示器91bは、0〜9までの数字とFの英文字の11種類の数字を順次変動表示するようになっている。そして、それらの停止時の図柄の組合せ(表示結果)が「同一数字のゾロ目」の組合せとなったときには、特定表示結果が表示されたと判定されて前記したように玉受部材75を一定時間開放する。また、この特定表示結果が表示される確率は、変化するように制御される。具体的には、通常の遊技状態においては、1/330の低確率で特定表示結果が導出され、権利発生遊技状態の発生が特定表示結果のうちの「3・3」「5・5」及び「7・7」のゾロ目によって発生したときに1/33の高確率に変更され、その高確率となった後の所定回数(例えば、2回)の権利発生遊技状態の成立により低確率に変更される。したがって、「3・3」「5・5」及び「7・7」のゾロ目は、確変図柄を構成することになる。なお、当りであるか否かの決定、及び停止時に可変表示器91a,91bに表示される図柄の決定は、通過スイッチ85の作動時又は変動開始時に予め定めたランダム数の中から1つの値を抽出することにより行われる。また、上記した高確率及び低確率の値を設定スイッチで変更できるものでも良い。例えば、低確率を1/330〜1/390の範囲、高確率をそれに対応する1/33〜1/39の範囲でそれぞれ複数段階(例えば、3段階)で変更設定しても良い。
【0057】
また、可変表示器91a,91bの下方には、入賞空間が形成されている。この入賞空間には、前記可変入賞球装置74の玉受部材75によって受け止められた入賞玉が誘導されてモータによって回転する回転体97によって通常入賞領域96又は特定入賞領域102のいずれかに振り分けられるものである。しかして、入賞空間内の構成を図23を参照して説明すると、前記玉受部材75に受け入れられた入賞玉は、コ字状に形成された玉通路92を流下して玉転動板95の中央部に誘導されて玉出口93から回転体97に導かれるものである。この玉転動板95は、前後から前方寄りに形成される通常入賞領域96に向かって下り傾斜するように入賞空間内に形成されるものである。ところで、玉通路92は、流下する入賞玉を一列に整列して誘導するものであるが、先頭の入賞玉P1が回転体97に到達して停止したときに、その先頭の入賞玉P1から4個目の入賞玉P4が停留する位置の両側に玉流出口94a,94b(94aは図示せず)が形成され、図23の矢印によって示されるように、玉転動板95の両側方を通って通常入賞領域96に導かれるようになっている。したがって、玉通路92には、3個の入賞玉P1〜P3が待機貯留され、それ以上の入賞玉は、貯留されることなく通常入賞領域96に誘導される。
【0058】
上記した玉通路92の流下端に形成される玉出口93には、回転体97が臨んでいる。この回転体97は、囲い枠98に囲まれて水平方向に回転するもので、その外周に入賞玉を1個受け入れる受入凹部99a,99b、100が複数(3つ)形成されている。この受入凹部のうち、2つの受入凹部99a,99bは、上下方向に貫通しており、1つの受入凹部100には、底板が形成されている。このため、受入凹部99a,99bに受け入れられた入賞玉は、移動する過程で回転体97を載置している底板に形成される通常入賞開口101から落下して前記通常入賞領域96に導かれる。一方、受入凹部100に受け入れられた入賞玉は、通常入賞開口101から落下することなく、玉転動板95の前方中央に形成される特定入賞領域102に誘導される。
【0059】
また、回転体97は、上記したように図示しないモータによって回転駆動せしめられるが、該モータは、常時一定速度(例えば、10rpm)で回転しており、前記玉受部材75が開放される前後の期間に亘って所定の位置で一時停止され、その後、回転を継続する。この場合、玉通路92に3個の入賞玉が貯留された場合には、その3個の入賞玉のうちいずれか1つの入賞玉が確実に受入凹部100に受け入れられて特定入賞領域102に導かれて権利発生遊技状態を生起せしめる。なお、回転体97を所定の位置で停止するために、図示しない停止位置検出器が設けられている。
【0060】
入賞空間の構成は、以上の通りであるが、入賞空間の下方の取付基板の下方には、入賞領域103が形成され、該入賞領域103への打玉の入賞を制御するために一対の玉受部材104a,104bが開閉自在に設けられている。本実施形態においては、可変入賞球装置を構成する玉受部材104a,104bを特別可変入賞球装置90と一体的に設けたものを示したが、これを別体に構成して遊技盤71に配置しても良い。同様に可変表示器91a,91bも特別可変入賞球装置90と別体に構成して配置しても良い。
【0061】
上記した遊技内容を有するパチンコ遊技機においても、可変表示器91a,91bの表示結果が確変図柄を表示する限り、確率向上期間が延長されるので、短い時間間隔で権利発生遊技状態が連続的に発生するので、遊技場に多大な損害を与えることとなるが、そのような不利益を防止するために、可変表示器91a,91bの制御において、前記した図18,図20,図21と同様な処理を行えば、短い時間間隔での権利発生遊技状態の連続的発生を防止して遊技場に多大な損害を与えることがく、さらには特定の通常大当り図柄の出現率が通常時に比べて高くなることがないので、遊技者に不信感を与えることなく特別遊技状態(確率変動)の発生期間を規制することができる。
【0062】
上記した実施形態では、可変表示器91a,91bが特定表示結果を表示しても特定入賞領域102に打玉が入賞しなければ権利発生遊技状態にならない(このような可変表示装置を普通図柄可変表示装置という)実施形態について説明したが、可変表示装置の表示結果が特定表示結果を表示したときに必ず権利発生遊技状態とする可変表示装置(これを特別図柄可変表示装置という)を備えたものであっても良い。このような特別図柄可変表示装置を備えた実施形態を図24に示す。
【0063】
遊技盤の中央に配置される特別可変入賞球装置110は、その最上部に入球口111を有し、該入球口111から入賞した打玉は、下方に設けられる図柄スイッチ112に導かれて停留される。図柄スイッチ112が入賞玉によってONされると、3つの可変表示器を有する可変表示装置113が変動を開始し、所定時間後に停止される。そして、その停止時に表示される表示結果が予め定めた特定表示結果(例えば、同一数字のゾロ目)となったときには、回転体114が時計方向に回転を開始して回転体114に形成された受入凹部115に図柄スイッチ112部分で停留していた入賞玉を受け入れ、特定入賞領域116に導き、図示しない特定入賞玉検出器をONして権利発生遊技状態とする。一方、可変表示装置113の表示結果が特定表示結果以外の表示結果となったときには、回転体114が反時計方向に回転して受入凹部115に受け入れた入賞玉を通常入賞領域117に導き、通常の入賞玉として処理する。権利発生遊技状態中においては、打玉が始動入賞口120に入賞して始動入賞玉検出器121をONさせる毎に玉受部材118a,118bが所定期間開放して入賞領域119に打玉を導く動作を繰り返す。このように、この実施形態においては、可変表示装置113が特定表示結果を表示したときには、必ず権利発生遊技状態となる。
【0064】
ところで、上記した実施形態に係る可変表示装置113の停止時に表示される図柄が特定表示結果せとなる態様は、同一数字のゾロ目であるため、0〜9の10通りあるが、そのうち、「3・3・3」「5・5・5」及び「7・7・7」の特別表示結果(確変図柄)で権利発生遊技状態となった場合には、可変表示装置113が特定表示結果を表示する確率が向上するよう制御される。したがって、可変表示装置113の表示結果が確変図柄を表示する限り、確率向上期間が延長されるので、短い時間間隔で権利発生遊技状態が連続的に発生するので、遊技場に多大な損害を与えることとなるが、そのような不利益を防止するために、可変表示装置113の制御において、前記した図18,図20,図21と同様な処理を行えば、短い時間間隔での権利発生遊技状態の連続的発生を防止して遊技場に多大な損害を与えることがなく、さらには特定の通常大当り図柄の出現率が通常時に比べて高くなることがないので、遊技者に不信感を与えることなく特別遊技状態(確率変動)の発生期間を規制することができる。
【0065】
以上、複数の実施形態について説明してきたが、いずれの実施形態においても、確率向上期間中に可変表示装置38a〜38c、91a,91b、113の表示結果が確率向上の起因となる確変図柄を表示したときには、確率向上期間を規制する確率変動カウンタC1の値が更新されるので、結果的に確率向上期間が延長されることになり、遊技者に満足感を与えることが可能となる一方、向上された回数の累計値をカウントする確率変動規制カウンタC2が所定値に達すると、確変大当り図柄(特別表示結果)を大当り図柄(特定表示結果)の種類に含まないテーブルAを用いて大当り図柄を決定することで、確変更新により長期間に亘って延長された確変期間を強制終了する。このため、遊技場に多大の損害を与えることがく、然も従来例のように特定の通常大当り図柄の出現率が通常時に比べて高くなることがないので、遊技者に不信感を与えることなく特別遊技状態(確率変動)の発生期間を規制することができる。
【0066】
なお、上記した実施形態(第一実施形態)では、通常大当り及び確変大当り毎に表示結果決定用の乱数(ランダム2・4)を設けているが、この構成に限定するものではない。例えば、図25及び図26に示す第二実施形態の構成で、通常大当り及び確変大当り毎の表示結果を決定してもよい。先ず、図25において、ランダム1から抽出された数値が「3・41・311・601」のいずれかであるときには、大当りと判断され、そのランダム1が「41・311・601」のいずれかの場合は、ランダム2のデータにより図26(A)に示すテーブルCを参照して、確変以外の通常大当りとなる図柄を決定する。一方、ランダム1が「3」の場合は、ランダム2のデータにより図26(B)に示すテーブルDを参照して、確変大当りとなる図柄(同図中には、特定大当り図柄と記載)を決定する。このように第二実施形態では、確変大当り図柄の設定数(実質的には、(1)〜(3)ラインにおける「7チャンス」及び「BIG」の6個)を通常大当り図柄の設定数(18個)と同一になるように補正(3倍)することで、表示結果決定用の乱数(ランダム2)を各テーブルC・Dで共通使用している。これにより、大当り図柄を決定するための乱数を必要最小限の1つとすることで、コストの低減が可能になる。なお、一方の大当り図柄の設定数が他方の大当り図柄の設定数の倍数となり得ない場合には、第一実施形態のように表示結果決定用の乱数を個々に設ける構成が有用となる。
【0067】
また、上記した第一及び第二の実施形態では、当り外れを決定するランダム1によって通常大当り又は確変大当りを同時に決定し、リミット規制のある場合に強制的に通常大当りの決定を行う構成となっているが、この構成に限定するものではない。例えば、図27及び図28に示す第三実施形態の構成によって本発明に係るリミット規制を行ってもよい。先ず、図27において、ランダム1(0〜247)から抽出された数値が「128」のときには、大当りと判断される。そして、リミット規制がない場合(通常時)には、ランダム5(0〜23)のデータによりテーブルEを参照して大当りとなる図柄を決定する。テーブルEは、図28(A)に示すように、通常大当り図柄(ランダム5が「0〜17」の18種類)と確変大当り図柄(ランダム5が「18〜23」の6種類)の全24種類の大当り図柄を含む。一方、リミット規制がある場合(リミッタ時)には、ランダム6(0〜17)のデータによりテーブルFを参照して大当りとなる図柄を決定する。テーブルFは、図28(B)に示すように、確変大当り図柄を含まない全18種類の通常大当り図柄のみからなる。このように第三実施形態では、リミット規制の有無に応じて異なった乱数(ランダム5・6)で大当り図柄を決定するようになっている。
【0068】
ところで、上記した第一乃至第三の実施形態では、本発明に係る特別遊技状態を確率変動制御としているが、これに限定するものではなく、例えば、特別図柄乃至普通図柄に対しての変動時間の短縮制御又は確率変動制御を特別遊技状態としてもよい。また、電役の開放期間の延長制御、特別図柄乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、普通入賞口を特別図柄の始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、始動入賞口の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態としてもよく、さらには前記図24のような第3種に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。
【0069】
さらには、上記実施形態では、特別遊技状態の継続的な発生期間の計測を確率変動規制カウンタC2のカウント値に基づく大当り回数としているが、この構成に限定するものではない。例えば、特定遊技状態の発生に伴う可変入賞球装置10の開放回数(ラウンド回数)、特定遊技状態の発生に伴う出玉量、あるいは実質的な継続時間などを特別遊技状態の継続的な発生期間の計測要素として、これに基づいたリミット規制を行う構成としてもよい。また、第一実施形態中では、可変表示装置30を回転ドラム38a〜38cで構成しているが、特にこれに限定するものではなく、LCD、CRT、LED、VFD、EL、あるいはプラズマによる表示器やベルト式で構成することも可能である。また、遊技機全体をLCD表示器等の表示装置で構成してもよい。即ち「打玉」「可変入賞球装置」等の構成部材を疑似的に表示器に表示することで遊技機を構成することも可能である。この場合では、賞球の払出しを得点等で代行しても良い。さらには、アレンジ式パチンコ遊技機、スロットマシン、あるいはその他のゲーム機を本発明の遊技機としても良い。
【0070】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、可変表示装置の表示結果が予め定めた特定表示結果となったことに基づいて特定遊技状態を発生して遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記可変表示装置に表示結果を導出する以前にその表示結果を決定する表示結果決定手段と、前記特定表示結果のうち予め定めた特別表示結果が導出されるとこれに基づいて特別遊技状態を発生させる特別遊技発生手段と、前記特別遊技状態の発生回数を計測する回数計測手段と、を備え、前記表示結果決定手段は、前記特別表示結果を前記特定表示結果の種類に含まない第一選択テーブルと、前記特別表示結果を前記特定表示結果の種類に含む第二選択テーブルとを有し、且つ前記第一選択テーブル及び前記第二選択テーブルに含まれる前記特定表示結果の数を同一に設定することで、前記第一選択テーブル及び前記第二選択テーブルに対して共通の表示結果決定用 の乱数を用いて、前記特定表示結果の種類を決定すると共に、前記回数計測手段による計測値が予め定めた特定計測値となった場合、前記第一選択テーブルを用いて特定表示結果の種類を決定することを特徴とする。このように構成することにより、確変等の特別遊技状態の発生を回数計測手段が特定測定値として検出すると、特別表示結果を特定表示結果の種類に含まない表示結果決定用の選択テーブルを用いて可変表示装置に導出する特定表示結果を決定する。このため、従来例のように、特別遊技状態を強制終了させる際、特定の通常大当り図柄の出現率が通常時に比べて高くなることがないので、遊技者に不信感を与えることなく特別遊技状態の発生回数を規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】 遊技盤の背面図である。
【図3】 遊技盤に設けられる可変表示装置の回転ドラムに貼付される図柄シールの展開図である。
【図4】 遊技動作を制御する遊技制御回路のブロック図である。
【図5】 通過口への打玉の通過に基づく普通図柄用可変表示器の動作を示すタイムチャートである。
【図6】 打玉が通過口を通過したときに決定される当り図柄の選択方法を説明する説明図である。
【図7】 停止図柄が当りとなった場合の電動始動入賞口の動作を示すタイムチャートである。
【図8】 停止図柄が外れとなった場合の電動始動入賞口の動作を示すタイムチャートである。
【図9】 始動入賞口及び電動始動入賞口に打玉が入賞したときの回転ドラムの可変表示制御を示すタイムチャートである。
【図10】 打玉が始動入賞口及び電動始動入賞口に入賞したときに決定される大当り図柄の選択方法を説明する説明図である。
【図11】 可変入賞球装置の開放動作の終了後、始動記憶がある場合の回転ドラムの変動を示すタイムチャートである。
【図12】 停止図柄が大当りとなった場合の可変入賞球装置の動作を示すタイムチャートである。
【図13】 停止図柄が外れとなった場合の可変入賞球装置の動作を示すタイムチャートである。
【図14】 同図(A)は大当り図柄決定用のテーブルAを示す一覧表図であり、同図(B)は大当り図柄決定用のテーブルBを示す一覧表図である。
【図15】 回転ドラム上に表示される図柄の組合せが当りとなる当りラインを示す概略図である。
【図16】 メインルーチンを示すフロー図である。
【図17】 確率変動カウンタの更新処理サブルーチンを示すフロー図である。
【図18】 確率変動規制カウンタの更新処理サブルーチンを示すフロー図である。
【図19】 同図(A)(B)は、確変図柄で大当りとなった場合の大当りと確率変動との関係を示すタイムチャートであり、同図(C)は、確変図柄が連続した場合の大当りと確率変動との関係を示すタイムチャートである。
【図20】 確率変動規制カウンタのリセット制御を示すフロー図である。
【図21】 リミッタ規制の制御を示すフロー図である。
【図22】 図1の遊技盤とは異なる遊技内容を呈する遊技盤の正面図である。
【図23】 図22の遊技盤に設けられる特別可変入賞球装置の内部構造を示す部分斜視図である。
【図24】 異なる構造の特別可変入賞球装置を備えた遊技盤の主要部の正面図である。
【図25】 第二実施形態における大当り図柄の選択方法を説明する説明図である。
【図26】 同図(A)は大当り図柄決定用のテーブルCを示す一覧表図であり、同図(B)は大当り図柄決定用のテーブルDを示す一覧表図である。
【図27】 第三実施形態における大当り図柄の選択方法を説明する説明図である。
【図28】 同図(A)は大当り図柄決定用のテーブルEを示す一覧表図であり、同図(B)は大当り図柄決定用のテーブルFを示す一覧表図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
3 遊技領域
4 始動口装置
5 始動入賞口
6 電動始動入賞口
8・9 始動入賞玉検出器
10 可変入賞球装置
13 特定玉検出器
14a・14b 入賞玉検出器
22a・22b 通過玉検出器
30 可変表示装置
34 飾り図柄
35 普通図柄用可変表示器
36 通過記憶表示LED
37 始動記憶表示LED
38a〜38c 回転ドラム
50 基本回路
64 設定スイッチ

Claims (1)

  1. 可変表示装置の表示結果が予め定めた特定表示結果となったことに基づいて特定遊技状態を発生して遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
    前記可変表示装置に表示結果を導出する以前にその表示結果を決定する表示結果決定手段と、
    前記特定表示結果のうち予め定めた特別表示結果が導出されるとこれに基づいて特別遊技状態を発生させる特別遊技発生手段と、
    前記特別遊技状態の発生回数を計測する回数計測手段と、
    を備え、
    前記表示結果決定手段は、前記特別表示結果を前記特定表示結果の種類に含まない第一選択テーブルと、前記特別表示結果を前記特定表示結果の種類に含む第二選択テーブルとを有し、且つ前記第一選択テーブル及び前記第二選択テーブルに含まれる前記特定表示結果の数を同一に設定することで、前記第一選択テーブル及び前記第二選択テーブルに対して共通の表示結果決定用の乱数を用いて、前記特定表示結果の種類を決定すると共に、
    前記回数計測手段による計測値が予め定めた特定計測値となった場合、前記第一選択テーブルを用いて特定表示結果の種類を決定することを特徴とする遊技機。
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