JP4150889B2

JP4150889B2 - 密封装置

Info

Publication number: JP4150889B2
Application number: JP2002149944A
Authority: JP
Inventors: 昌幸谷田
Original assignee: Nok Corp
Current assignee: Nok Corp
Priority date: 2002-05-24
Filing date: 2002-05-24
Publication date: 2008-09-17
Anticipated expiration: 2022-05-24
Also published as: JP2003343739A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置に係り、更に詳しくは、板金リテーナーとこの板金リテーナーに嵌合されるリップシールとを有する板金リテーナーシールに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、図５および図６に示すように、板金リテーナー５２とこの板金リテーナー５２に嵌合されるリップシール５３とを有する板金リテーナーシール５１が知られている。
【０００３】
しかしながら、この従来の板金リテーナーシール５１においては、図６に示したように、リテーナー５２およびリップシール５３の嵌合面５４がリテーナー５２の内周部であってリップシール５３の外周部に設定されているために、リップシール５３を新品と交換する際には、リップシール５３のみでなくリテーナー５２を含めて板金リテーナーシール５１全体を交換する必要がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みて、板金リテーナーおよびリップシールを有する板金リテーナーシール等において、リップシールのみを交換することができる密封装置を提供することを目的とする。
【０００５】
またこれに加えて、板金リテーナーおよびリップシールの嵌合面のシール性が良好な密封装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項１による密封装置は、板金リテーナーと、前記リテーナーに嵌合されるリップシールとを有する密封装置において、前記リテーナーは、前記リップシールを嵌合する筒状部を有し、前記筒状部の先端部は径方向内方へ向けて折り曲げられており、前記リップシールは、筒状部の軸方向一端にフランジ部を径方向内方へ向けて一体成形した取付環と、ゴム状弾性材製の弾性体とを有し、前記弾性体は、前記取付環のフランジ部の内周端部に加硫接着されたシールリップと、前記取付環の筒状部の内周に配置されたシール部とを有し、前記シールリップは、組付後に前記リテーナーの筒状部の内周に配置される主リップを有し、前記リテーナーおよびリップシールの嵌合面を前記リテーナーの筒状部の外周面であって前記リップシールのシール部の内周面に設定し、組付時に前記取付環を前記リテーナーの筒状部の外周側へ軸方向一方から嵌合し、前記シール部を前記リテーナーの筒状部の外周側へ圧入し、前記リップシールを交換する際には前記リップシールを前記リテーナーの先端方向に引き抜くことを特徴とするものである。
【０００８】
上記構成を備えた本発明の請求項１による密封装置においては、リテーナーおよびリップシールの嵌合面が上記従来技術とは反対にリテーナーの外周部であってリップシールの内周部に設定されているために、リップシールを交換する際にリップシールをリテーナーの先端方向に引き抜くことが可能となる。
【０００９】
またこれに加えて、リップシールにおける取付環の筒状部の内周面にゴム状弾性材製のシール部が設けられて、このシール部がリテーナーおよびリップシールの嵌合面に介装されるために、このシール部によって嵌合面のシール性を向上させることが可能となる。
【００１０】
尚、本件出願には、以下の技術的事項が含まれる。
【００１１】
すなわち、上記目的を達成するため、本件出願が提案する一の密封装置は以下の内容を備えている。
【００１２】
（１）上記したように従来の板金リテーナーシールは、シール／リテーナー嵌合面がシールの外周部とリテーナーハウジングの内周部であるため、オイルシールの交換の際は板金リテーナー全体を交換する必要がある。これに対して今回、シール／リテーナー嵌合面をシール内周部とリテーナーハウジング外周部に変更することにより、シールの交換性および組付性を向上させることが可能となる。
【００１３】
（２）また、シール内周部にゴムを焼き付けることにより、シール／リテーナー嵌合面のシール性を向上させることが可能となる。
【００１４】
（３）シールのゴムと嵌合部のゴム（シール内周部に焼き付けられるゴム）については、基本的に同じ材料とするが、シール性やコスト等を考慮して二材質（互いに別材質）としても良い。
【００１５】
（４）ゴムの材質の具体例としては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴムまたはフッ素ゴム等が適用できるが、上記したようにシールのゴムと嵌合部のゴム（シール内周部に焼き付けられるゴム）とを異材質（互いに別材質）としても良い。
【００１６】
（５）また、リテーナーハウジングには、ゴムの抜けを防止するための突起を設けることが好ましい。
【００１７】
（６）上記したようにシールの内周部にゴムを焼き付けると、シールおよびリテーナーがゴム嵌合されることになる。これに対して、静止漏れの問題をクリアできれば、金属嵌合（板金リテーナーの外周に金属製の取付環を直接嵌合する）とすることが可能である。金属嵌合はコスト面で有利である。また、板金と樹脂との熱膨張の違いによる隙間漏れの問題をクリアできれば、樹脂嵌合（板金リテーナーの外周に樹脂製の取付環を直接嵌合する）とすることもできる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【００１９】
図１は、本発明の実施例に係る密封装置としての板金リテーナーシール１の要部断面を示しており、このシール１は以下のように構成されている。
【００２０】
すなわち先ず、板金リテーナー（板金リテーナーハウジング）２と、このリテーナー２に嵌合されるリップシール（オイルシール）３とが設けられており、このリテーナー２およびリップシール３の嵌合面４がリテーナー２の外周部（後記するリテーナー２の筒状部２ａの外周面）であってリップシール３の内周部（後記するシール部８の内周面）に設定されている。
【００２１】
リテーナー２は、その名のとおり板金よりなる金属製であって、その一部分として、先端部２ｂにリップシール３を嵌合する筒状部２ａを有している。
【００２２】
全体を符号３で示すリップシールは、筒状部５ａの軸方向一端にフランジ部５ｂを径方向内方へ向けて一体成形して半裁断面略Ｌ字形を呈する金属製の取付環５を有しており、この取付環５にゴム状弾性材製の弾性体６が加硫接着されており、この弾性体６によってシールリップ７とシール部８とが一体に成形されている。
【００２３】
シールリップ７は、取付環５のフランジ部５ｂの内周端部に加硫接着されており、組付後にリテーナー２の筒状部２ａの内周側に配置される主リップ７ａと、反対向きの副リップ７ｂとを一体に有している。
【００２４】
シール部８は、取付環５の筒状部５ａの内周面およびフランジ部５ｂの一端面に環状体として加硫接着されており、組付時に取付環５をリテーナー２の筒状部２ａの外周側へ軸方向一方（図上左側）から嵌合すると、このシール部８が同外周側へ圧入されて径方向に圧縮され、リテーナー２の筒状部２ａの外周面に密接する。
【００２５】
また、抜け止めをなすため、シール部８の内周面には、リテーナー２の筒状部２ａの外周面に予め設けた環状の突起９に対して軸方向に係合する環状の凹部１０が形成されている。
【００２６】
また、リテーナー２の筒状部２ａの先端部２ｂは、弾性体６を傷付けることがないように、径方向内方へ向けて断面円弧形に折り曲げられている。
【００２７】
上記構成の板金リテーナーシール１においては、上記したようにリテーナー２およびリップシール３の嵌合面４が上記従来技術とは反対にリテーナー２の外周部（リテーナー２の筒状部２ａの外周面）であってリップシール３の内周部（シール部８の内周面）に設定されているために、リップシール３を交換する際にはこのリップシール３をリテーナー２の先端方向（図上左方向）に引き抜くことができ、よってリップシール３を単独で交換することができる。
【００２８】
また、リップシール３における取付環５の筒状部５ａの内周面にゴム状弾性材製のシール部８が加硫接着されてこのシール部８がリテーナー２およびリップシール３の嵌合面４に介装され、リテーナー２の筒状部２ａの外周面に密接しているために、リテーナー２および取付環５間、延いてはリテーナー２およびリップシール３間のシール性を向上させることができる。
【００２９】
また、ゴム嵌合は金属嵌合と比較して一般に嵌合荷重が小さいために、組付作業を容易化することができる。
【００３０】
尚、上記実施例においては、ゴム状弾性体よりなるシールリップ７およびシール部８が同種の材質で一体に成形されているが、両者７，８はこれを、図２に示すように同種の材質で別体に成形しても良く、あるいは図３に示すように異種の材質で別体に成形しても良い。
【００３１】
また、上記実施例においては、取付環５にシールリップ７およびシール部８を固定する方法を加硫接着としたが、この固定方法は特に限定されず、例えば接着材による接着や嵌合等であっても良い。図４に示す例では、シールリップ７と別体とされたシール部８が取付環５の筒状部５ａの内周側に非接着で嵌合されており、取付環５の筒状部５ａの先端部５ｃは、シール部８を固定し抜け止めするために径方向内方へ向けて折り曲げられている。
【００３２】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【００３３】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項１による密封装置においては、リテーナーおよびリップシールの嵌合面が上記従来技術とは反対にリテーナーの外周部であってリップシールの内周部に設定されているために、リップシールを交換する際にリップシールをリテーナーの先端方向に引き抜くことができ、よってリップシールを単独で交換することができる。したがって、リップシールの交換性および組付性を向上させることができる。
【００３４】
またこれに加えて、リップシールにおける取付環の筒状部の内周面にゴム状弾性材製のシール部が設けられて、このシール部がリテーナーおよびリップシールの嵌合面に介装されているために、このシール部によって嵌合面のシール性を向上させることができる。したがって、嵌合部のシール性に優れた密封装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例に係る密封装置としての板金リテーナーシールの要部断面図
【図２】本発明の他の実施例に係る密封装置としての板金リテーナーシールの要部断面図
【図３】本発明の他の実施例に係る密封装置としての板金リテーナーシールの要部断面図
【図４】本発明の他の実施例に係る密封装置としての板金リテーナーシールの要部断面図
【図５】従来例に係る密封装置としての板金リテーナーシールの正面図
【図６】図５におけるＡ−Ａ線拡大断面図
【符号の説明】
１板金リテーナーシール（密封装置）
２板金リテーナー
２ａ，５ａ筒状部
２ｂ，５ｃ先端部
３リップシール
４嵌合面
５取付環
５ｂフランジ部
６弾性体
７シールリップ
７ａ主リップ
７ｂ副リップ
８シール部
９突起
１０凹部

Claims

板金リテーナー（２）と、前記リテーナー（２）に嵌合されるリップシール（３）とを有する密封装置（１）において、
前記リテーナー（２）は、前記リップシール（３）を嵌合する筒状部（２ａ）を有し、前記筒状部（２ａ）の先端部（２ｂ）は径方向内方へ向けて折り曲げられており、
前記リップシール（３）は、筒状部（５ａ）の軸方向一端にフランジ部（５ｂ）を径方向内方へ向けて一体成形した取付環（５）と、ゴム状弾性材製の弾性体（６）とを有し、
前記弾性体（６）は、前記取付環（５）のフランジ部（５ｂ）の内周端部に加硫接着されたシールリップ（７）と、前記取付環（５）の筒状部（５ａ）の内周に配置されたシール部（８）とを有し、
前記シールリップ（７）は、組付後に前記リテーナー（２）の筒状部（２ａ）の内周に配置される主リップ（７ａ）を有し、
前記リテーナー（２）およびリップシール（３）の嵌合面（４）を前記リテーナー（２）の筒状部（２ａ）の外周面であって前記リップシール（３）のシール部（８）の内周面に設定し、組付時に前記取付環（５）を前記リテーナー（２）の筒状部（２ａ）の外周側へ軸方向一方から嵌合し、前記シール部（８）を前記リテーナー（２）の筒状部（２ａ）の外周側へ圧入し、前記リップシール（３）を交換する際には前記リップシール（３）を前記リテーナー（２）の先端方向に引き抜くことを特徴とする密封装置。