JP4150633B2 - 包装箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的小型の商品を収納する印籠式(中子式)の包装箱に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
現在、CD等の比較的小型の商品の包装箱としては、商品が収納される本体部と、本体部から突出された胴部と、胴部に嵌合される蓋部とを備えた印籠式からなるものが多用されている。この印籠式の包装箱は、胴部,蓋部の嵌合によって緊密で強固な包装状態を得ることができるとともに、蓋部の胴部に対する着脱の容易性によって解包後に商品の保管用ケースとしても使用することができるという特性がある。
【0003】
印籠式の包装箱では、本体部からの胴部の突出を構成する製造工作が面倒であるため、製造コストが高くなるという不具合がある。このため、本体部からの胴部の突出を構成する製造工作を容易にした印籠式の包装箱の開発が切望されている。
【0004】
従来、本体部からの胴部の突出を構成する製造工作を容易にした印籠式の包装箱としては、例えば、以下に記載のものが知られている。
【特許文献1】
実開昭60−150920号公報
特許文献1には、商品が収納される本体部と、本体部とは別個に形成され本体部の内側に嵌合されて取付けられ一部を本体部から突出させた胴部と、胴部の本体部からの突出部分に嵌合される蓋部とを備えた包装箱が記載されている。
【0005】
特許文献1に係る包装箱は、別個に形成した本体部,胴部を外側,内側の嵌合によって組付けることで、本体部からの胴部の突出を構成する製造工作を容易にしている。なお、本体部,胴部の間には、組付け後の離脱を防止する抜止め構造が備えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に係る包装箱では、胴部が本体部とは別個に形成されて部材的に独立しているにもかかわらず抜止め構造で本体部に一体化されてしまうため、胴部が蓋部の嵌合のための機能しか奏することができず部材的な独立性が有効利用されていないという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、本体部とは別個に形成された胴部を多機能化した包装箱を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明に係る包装箱は、次のような手段を採用する。
【0009】
即ち、請求項1では、商品が収納される本体部と、本体部とは別個に形成され本体部の内側に嵌合されて取付けられ一部を本体部から突出させた胴部と、胴部の本体部からの突出部分に嵌合される蓋部とを備えた包装箱において、本体部と胴部とは引抜きによる分離が可能であり、胴部は本体部に収納される商品に係る情報が記された紙材から構成される薄性材料を折り加工することで本体部に嵌合される形状に形成されるとともに本体部から引抜かれて薄性材料を平面状に展開可能であり且つ本体部の内側に嵌合される4つの側面片と、前記4つの側面片の一端に設けられ前記4つの側面片のうちの他端の側面片に重ね合わされる側面重片と、前記4つの側面片に連続し表側に折重ねられる4つの折返片と、前記4つの折返片の間に切込まれた切込とからなり、前記他端の側面片とこの側面片の折返片とで前記側面重片を挟み込むことにより保形構造を構成することを特徴とする。
【0010】
この手段では、胴部が本体部に収納される商品に係る情報の表示機能をも奏する。また、胴部が保形構造によって本体部に嵌合される形状に保持される。
【0011】
また、請求項2では、請求項1の包装箱において、胴部は本体部からの突出部分が薄性材料の折り重ねによる積層構造からなることを特徴とする。
【0012】
この手段では、胴部の本体部からの突出部分に積層構造が備えられる。
特に突出部分の先端から曲げて折り重ねたときは、先端には曲げに伴う曲面が形成される。
【0015】
また、請求項3では、請求項1または2の包装箱において、本体部は胴部の一部を露出させる窓が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この手段では、本体部の窓を介して胴部に記された本体部に収納される商品に係る情報が視認される。
【0017】
また、請求項4では、胴部は収納される商品の一部を露出させる窓が設けられていることを特徴とする。
【0018】
この手段では、本体部の窓と胴部の窓とを介して収納される商品の一部が視認される。
【0019】
また、請求項5では、蓋部は収納される商品の一部を露出させる窓が設けられていることを特徴とする。
【0020】
この手段では、蓋部の窓を介して収納される商品の一部が視認される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る包装箱の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図7は、本発明に係る包装箱の実施の形態(1)を示すものである。
【0023】
この実施の形態では、CD等からなる薄性の商品Gを多数枚積層状態で収納するものを示してある。
【0024】
この実施の形態は、本体部1,胴部2,蓋部3の各部で構成されている。
【0025】
本体部1は、底面11と4面の側面12,13,14,15とで囲まれた商品Gが収納される直方体の収納容積を備えた上部開放形の角箱からなる。この本体部1については、例えば、紙材で折り加工,貼り加工したり合成樹脂材で一体成形したりする製造手段を選択することができる。1つの側面12には、窓16が開口されている。
【0026】
胴部2は、図2に詳細に示されるような薄性材料Sから折り加工された角筒からなる。この薄性材料Sとしては、例えば、紙材や紙材に合成樹脂材をコーティングしたもの等が選択される。薄性材料Sは、必要部分(表裏の全面でも差支えない)に商品Gに係る情報Dが印刷等で記されて図2に示される展開形状に裁断される。商品Gに係る情報Dとしては、法令,業界団体規則等に基づく商品Gの内容,取扱注意等の告知、商品Gの取扱説明、商品Gの広告、商品Gをイメージする装飾等が挙げられる。商品Gに係る情報Dの表現としては、文字,図形,写真等が挙げられる。薄性材料Sには、本体部1の4面の側面12,13,14,15にそれぞれ横幅がほぼ対応し上下幅が少し延長された側面片S1,S2,S3,S4と、本体部1の1面の側面15に横幅がほぼ対応し上下幅が少し延長された側面重片S5と、側面片S1,S2,S3,S4に連続した上下幅の狭い折返片S6,S7,S8,S9と、折返片S6,S7,S8,S9の間に切込まれた切込S10,S11,S12とが設けられている。
【0027】
この胴部2は、薄性材料Sが図2に示す細線L(予め折筋を形成しておくのが好ましい)に沿って折り加工された角筒とされて、本体部1の内側に嵌合されて取付けられる。薄性材料Sの折り加工では、折返片S6,S7,S8,S9が側面片S1,S2,S3,S4の表側に折重ねられ、側面片S4の外側に側面重片S5を位置させて側面片S4に連続する折返片S9が側面重片S5の外側に折重ねられる(図6参照)。従って、角筒形に形成された胴部2は、側面重片S5を側面片S4,折返片S9で挟込む保形構造21が構成され、糊付け等による貼り加工を施さなくても本体部1に嵌合される角筒の形状が保持される。この結果、胴部2の本体部1への取付けが容易となる。
【0028】
本体部1に取付けられた胴部2は、下側の大部分が本体部1に嵌合され、上側の一部分が本体部1から突出する。胴部2の本体部1からの突出部分2aは、側面片S1,S2,S3,S4,側面重片S5,折返片S6,S7,S8,S9の折重ねによる積層構造22となっている。また、胴部2の積層構造22の下側部分は、本体部1に嵌合されて、本体部1の側面12,13,14,15で折返片S6,S7,S8,S9の起立が阻止されている。なお、胴部2を本体部1から引抜くことで、本体部1,胴部2を簡単に分離することができる。
【0029】
蓋部3は、天面31と4面の側面32,33,34,35とで囲まれた下部開放形の角箱からなる。この蓋部3については、例えば、紙材で折り加工,貼り加工したり合成樹脂材で一体成形したりする製造手段を選択することができる。
【0030】
この蓋部3は、本体部1から突出する胴部2の突出部分に嵌合着脱される。この場合、図7に示すように、突出部分2aの先端40に折り重ねによる曲面40aが形成される。したがって、前記突出部分2aの先端40の曲面40aを案内面とすることができ、この曲面40aに沿って蓋部3の下端開口3aの胴部2への嵌合が円滑に行われる。
【0031】
この実施の形態によると、図3,図4に示すように、胴部2が蓋部3の嵌合のための本来の機能を確実に奏することができるとともに、胴部2の積層構造22がクッション性,弾性を備えて蓋部3の嵌合着脱を容易にする。なお、胴部2の積層構造22は、本体部1に収納された商品Dの緩衝にも役立つ。
【0032】
この実施の形態の包装状態では、胴部2の一部が本体部1の窓16から露出されるため、胴部2に記されている商品Gに係る情報Dの一部を包装の外側から視認することができる。
【0033】
また、この実施の形態を解包した場合には、胴部2の保形構造21を分解することで、胴部2を簡単に平面状に展開することができる。従って、胴部2に記されている商品Gに係る情報Dの全部を見ることができる。即ち、胴部2が平面状に展開された薄性材料Sの表裏の全面という広い面積を見ることができるため、商品Gに係る情報Dを大量に得ることができる。このため、商品Gに係る情報Dを印刷した冊子等を商品Gに加えて本体部1の内部に別添えする必要がなくなり、全体の容積を小型化することができる。
【0034】
図8〜図11は、本発明に係る包装箱の実施の形態(2)を示すものである。
【0035】
この実施の形態では、前述の実施の形態(1)の胴部2を形成する薄性材料Sの側面重片S5の横幅を狭く形成してある。そして、薄性材料Sの折り加工では、折返片S6,S7,S8,S9が側面片S1,S2,S3,S4の裏側に折重ねられて貼合わされる(図8(B)の格子表示部分X)。ただし、側面片S4,折返片S9の横幅の端辺寄りには、未貼合わせ部分Yが設けられる。
【0036】
この実施の形態によると、基本的に前述の実施の形態(1)と同様の作用,効果が奏されることになるが、折返片S6,S7,S8,S9の起立が貼合わせの接着で阻止されることになる。また、胴部2の保形構造22は、図9,図10に示すように、薄性材料Sの側面重片S5の側面片S4,折返片S9における未貼合わせ部分Yへの差込みで構成されることになる。
【0037】
なお、この実施の形態によると、前述の実施の形態(1)に比して、胴部2の形成に伴って折返片S6,S7,S8,S9の起立が阻止されてしまうため、胴部2の本体部1への取付けが容易になる利点がある。
【0038】
図12は、本発明に係る包装箱の実施の形態(3)を示すものである。
【0039】
この実施の形態では、前述の実施の形態(1),(2)における胴部2の積層構造21を省略している。そして、胴部2の保形構造22は、差込溝22a,差込片22bとで構成している。
【0040】
この実施の形態によると、基本的に前述の実施の形態(1),(2)と同様の作用,効果が奏されることになるが、実施の形態(1),(2)に比して胴部2が簡素化される利点がある。
【0041】
図13は、本発明に係る包装箱の実施の形態(4)を示すものである。
【0042】
この実施の形態では、前述の実施の形態(3)における胴部2の保形構造22を互いに差込まれる差込スリット22cとしてある。
【0043】
この実施の形態によると、基本的に前述の実施の形態(3)と同様の作用,効果が奏されることになるが、実施の形態(3),(2)に比して胴部2の保形構造22における突起物(差込片22b)が消失され胴部2がより簡素化される利点がある。
【0044】
以上、図示した実施の形態の外に、本体部1の窓16を多面に多数開口することも可能である。
【0045】
さらに、展開された胴部2の全部又は一部をはがき,カード等として利用できるように構成することも可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る包装箱は、胴部が本体部に収納される商品に係る情報の表示機能をも奏するため、本体部とは別個に形成された胴部が多機能化される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る包装箱の実施の形態(1)を示す要部の取扱い状態を含む分解斜視図である。
【図2】 図1の要部の展開図であり、(A)に表面が示され、(B)に裏面を示されている。
【図3】 図1の一部の商品を含む詳細図である。
【図4】 図3の使用状態図である。
【図5】 図4の閉蓋状態の縦断面図である。
【図6】 図5の縦断面図である。
【図7】 実施の形態(1)にかかる包装箱の蓋部を胴部に嵌合する際のモデルを示す拡大断面図である。
【図8】 本発明に係る包装箱の実施の形態(2)を示す要部の取扱い状態を含む分解斜視図である。
【図9】 図7の要部の展開図であり、(A)に折畳み前の表面が示され、(B)に折畳み前の裏面を示され、(C)に折畳み後の裏面が示されている。
【図10】 図7の閉蓋状態の縦断面図である。
【図11】 図9の縦断面図である。
【図12】 本発明に係る包装箱の実施の形態(3)を示す要部の斜視図である。
【図13】 本発明に係る包装箱の実施の形態(4)を示す要部の斜視図である。
【符号の説明】
1 本体部
16 窓
2 胴部
21 保形構造
22 積層構造
3 蓋部
D 情報
G 商品
S 薄性材料
Claims (5)
- 商品が収納される本体部と、本体部とは別個に形成され本体部の内側に嵌合されて取付けられ一部を本体部から突出させた胴部と、胴部の本体部からの突出部分に嵌合される蓋部とを備えた包装箱において、
本体部と胴部とは引抜きによる分離が可能であり、
胴部は本体部に収納される商品に係る情報が記された紙材から構成される薄性材料を折り加工することで本体部に嵌合される形状に形成されるとともに本体部から引抜かれて薄性材料を平面状に展開可能であり且つ本体部の内側に嵌合される4つの側面片と、前記4つの側面片の一端に設けられ前記4つの側面片のうちの他端の側面片に重ね合わされる側面重片と、前記4つの側面片に連続し表側に折重ねられる4つの折返片と、前記4つの折返片の間に切込まれた切込とからなり、
前記他端の側面片とこの側面片の折返片とで前記側面重片を挟み込むことにより保形構造を構成することを特徴とする包装箱。 - 請求項1の包装箱において、胴部は本体部からの突出部分が薄性材料の折り重ねによる積層構造からなることを特徴とする包装箱。
- 請求項1または2の包装箱において、本体部は胴部の一部を露出させる窓が設けられていることを特徴とする包装箱。
- 請求項3の包装箱において、胴部は収納される商品の一部を露出させる窓が設けられていることを特徴とする包装箱。
- 請求項1〜4のいずれかの包装箱において、蓋部は収納される商品の一部を露出させる窓が設けられていることを特徴とする包装箱。
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