JP4150445B2 - 残留塩素計およびこれを用いた液体殺菌装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、残留塩素計およびこれを用いた液体殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽やプール内の水等の液体について殺菌処理を行う業務用あるいは家庭用の液体殺菌装置には、通常、液体の殺菌状態(いわゆる液体の残留塩素濃度の状態)を判断するために、残留塩素計が設けられている。そして、この残留塩素計の測定値に基づいて、浴槽等に必要量の塩素が供給され、使用状況に適応するように液体の殺菌が行われている。
【0003】
従来技術に係る残留塩素計には、様々な種類のものが存在し、例えば、ポーラログラフ方式、隔膜式、ガルバーニ式等がある。
【0004】
図7は、従来技術に係る残留塩素計の電極部近傍の概略構成図を示したものであり、この残留塩素計は、ポーラログラフ方式の残留塩素計(以下、単に「残留塩素計」という。)である。図7において、残留塩素計は、第一の電極210と、第二の電極220と、この第二の電極220を回転させるために設けられたモータ部230と、複数のビーズ240とを用いて構成されている。ここで、第一の電極210は比較電極と呼ばれ、例えば塩化銀(AgCl)を用いて形成されている。第二の電極は回転電極と呼ばれ、例えば白金(Pt)を用いて形成されている。
【0005】
図7に示された残留塩素計は、残留塩素濃度を測定する手段として一対の電極(第一の電極210および第二の電極220)を有しており、液体の残留塩素を測定する際には、この一対の電極210,220を液体中に浸漬する。一対の電極210,220を液体中に浸漬することによって、電極間には電位差が生じ、残留塩素濃度に比例して還元電流が発生する。したがって、図7に示された残留塩素計においては、この還元電流に基づいて残留塩素濃度を測定している。
【0006】
また、従来技術に係る残留塩素計においては、常に、モータ部230によって、第二の電極220を回転させている。そうすると、第二の電極220の周りに設けられている複数のビーズ240と、第二の電極220とが接触を繰り返すこととなり、液体中のカルシウム・鉄分等の汚れが第二の電極220に付着しにくくなる。すなわち、従来技術に係る残留塩素計によれば、第二の電極220は、複数のビーズ240によって、常に洗浄されていることとなる。
【0007】
図8は、図7に示された残留塩素計を用いて構成された液体殺菌装置の概略図を示したものであり、具体的には、従来技術に係る液体殺菌装置を、浴槽内の水を殺菌するために用いた状態を示した概略図である。
【0008】
図8において、従来技術に係る液体殺菌装置は、循環ポンプ350および濾過器360を介して循環されている浴槽300中の水を定期的にサンプリングし、そのサンプリングした水の残留塩素濃度に基づいて、浴槽300中の水を殺菌している。この液体殺菌装置は、サンプル水の残留塩素濃度を測定する残留塩素測定手段たる残留塩素計310(図7参照)と、この残留塩素計310の測定値に基づいて浴槽300中に塩素を供給する塩素供給手段たる次亜タンク320および次亜注入ポンプ340と、残留塩素計310および次亜注入ポンプ340の制御を行う制御装置330とを具備している。
【0009】
従来技術に係る液体殺菌装置においては、通常、サンプル水についての残留塩素濃度を残留塩素計310で測定し、その測定値に基づいて次亜注入ポンプ340を駆動させて、次亜タンク320から浴槽300中に塩素を供給している。そうすることによって、従来技術に係る液体殺菌装置によれば、浴槽300中の水の残留塩素濃度を所定の値に維持し、浴槽300中の水を使用に適する状態に適当に殺菌している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る残留塩素計においては、一対の電極210,220がむき出しの状態でサンプル水に浸漬されるので、構造上、サンプル水による圧力に対応することができず、耐圧性に欠けるという問題があった。
また、従来技術に係る残留塩素計においては、第二の電極220の洗浄を行うために、モータ部230等の動力を必要としていたので、経済性に欠けるという問題があった。
さらに、従来技術においては、第二の電極220のみを洗浄していたので、汚れの多い液体に対して残留塩素計を用いる場合に、第一の電極210にカルシウム・鉄分等の汚れが付着して、正確な測定を行うことができないという問題があった。
【0011】
また、従来技術に係る液体殺菌装置は上記残留塩素計を用いて構成されており、残留塩素計が構造上耐圧性に欠けるため、大気解放状の測定経路に残留塩素計を組み込んで使用していた。したがって、残留塩素計の測定経路に流入したサンプル水は、測定後に外部に排水されることとなる。かかる排水量は、かなりの量となるため、運転コストが嵩むと共に、水の補給を行う制御系等が必要となり、装置も複雑なものになるという問題があった。
【0012】
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、耐圧性に優れ、一対の電極を容易に洗浄することが可能である残留塩素計を提供するとともに、この残留塩素計を用いることによってサンプル水を排水する必要がなく経済性に優れた液体殺菌装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係る残留塩素計は、電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、前記流通経路が各流路6b,6cに分岐して設けられ、分岐した流路6b,6cのうちの一部の流路6bに流入した液体を前記測定手段1の電極面に接触させるように構成され、前記測定手段1の電極面が、前記流通経路の下方側に配置され、上方を向いて該流通経路に露出するように構成され、前記液体の流れによって前記ビーズ2が流動することを特徴とする残留塩素計である。
【0016】
本発明に係る残留塩素計によれば、前記測定手段1の周囲に設けられた前記ビーズ2が、測定対象たる液体の流れによって流動して、前記ビーズ2と前記測定手段1とが接触を繰り返すこととなる。そうすると、前記ビーズ2によって、前記測定手段1に対する汚れが付着しにくくなり、前記測定手段1が効果的に洗浄される。したがって、本発明によれば、モータ等の動力を用いずに、測定手段1の洗浄を効果的に行うことが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る残留塩素計においては、電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、前記流通経路が各流路6b,6cに分岐して設けられ、分岐した流路6b,6cのうちの一部の流路6bに流入した液体を前記測定手段1の電極面に接触させるように構成され、分岐した各流路6b,6cに流入する液体の流量を調整する調整バルブ5が設けられ、前記液体の流れによって前記ビーズ2が流動することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る残留塩素計においては、電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、前記流通経路が各流路6b,6cに分岐して設けられ、分岐した流路6b,6cのうちの一部の流路6bに流入した液体を前記測定手段1の電極面に接触させるように構成され、前記ビーズ2を収容し且つ液体を流通可能なビーズ受け部3を備え、前記測定手段1の電極面がビーズ受け部3内に存在するように設けられ、前記液体の流れによって前記ビーズ2が流動することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る残留塩素計においては、電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、前記流通経路が各流路6b,6cに分岐して設けられ、分岐した流路6b,6cのうちの一部の流路6bに流入した液体を前記測定手段1の電極面に接触させるように構成され、前記測定手段1と、ビーズ2と、ビーズ受け部3と、前記ビーズ2の充填及び液体の漏出防止のためのキャップ部4と、調整バルブ5とを保持し、内部に前記流通経路が形成されるホルダ部6を用いて構成され、前記液体の流れによって前記ビーズ2が流動することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る残留塩素計においては、電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、前記流通経路が各流路6b,6cに分岐して設けられ、分岐した流路6b,6cのうちの一部の流路6bに流入した液体を前記測定手段1の電極面に接触させるように構成され、前記測定手段1が、一対の電極1a,1bと、該一対の電極1a,1bを内包した被覆部1cとを有し、前記液体の流れによって前記ビーズ2が流動することを特徴とする。
【0022】
この好ましい例によれば、前記一対の電極1a,1bが前記被覆部1cに内包されているので、従来よりも耐圧性に優れた残留塩素計を得ることができる。
【0023】
さらに、上記課題を解決するための本発明に係る液体殺菌装置は、測定対象たる液体のサンプル液の残留塩素濃度を測定する残留塩素測定手段と、該残留塩素測定手段の測定値に基づいて前記液体に塩素を供給する塩素供給手段とを備えた液体殺菌装置において、前記残留塩素測定手段として、上述のような残留塩素計を用いたことを特徴とする液体殺菌装置である。
【0024】
本発明に係る液体殺菌装置によれば、残留塩素計として耐圧性および洗浄性に優れた残留塩素計を用いているので、サンプル水を排水する必要がなく、また、洗浄のためのモータ等が不要である、経済性に優れた液体殺菌装置を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0028】
〈第一の実施形態〉
図1は、本発明の第一の実施形態に係る残留塩素計10の概略側面図(部分断面図を含む)を示したものである。図2は、図1に示した残留塩素計10から(パッキン7と電極ナット8とが装着された)電極部1を取り外した状態を示す概略側面図である。図1および図2において、本実施形態に係る残留塩素計10は、浴槽やプール等内における液体のサンプル液の残留塩素濃度を測定するための装置であり、この残留塩素計10には、サンプル液を残留塩素計10内に流入させるための流入部20と、サンプル液を残留塩素計10外に流出させるための流出部30とが設けられている。
【0029】
残留塩素計10は、サンプル液の残留塩素濃度の測定を行う測定手段たる電極部1と、電極部1の電極表面の洗浄を行うために設けられた複数のビーズ2と、複数のビーズ2を収容するために設けられたビーズ受け部3と、ビーズ2の充填を行うため、およびビーズ2、サンプル液の漏出を防止するために着脱自在に設けられたキャップ部4と、電極部1に流入するサンプル液の流量を調整するために設けられた調整バルブ5と、これらの電極部1、ビーズ2、ビーズ受け部3、キャップ部4および調整バルブ5を保持するように形成されるとともに、サンプル液の流通経路が形成されているホルダ部6とを用いて構成されている。
【0030】
電極部1は、図3に示すように構成されている。図3は、本実施形態に係る残留塩素計を構成する電極部1の概略図を示したものであり、図3(a)は電極部1の上面図を示し、図3(b)は電極部1の部分断面図を含んだ側面図を示している。
図3において、電極部1は、負極として機能する第一の電極1aと、正極として機能する第二の電極1bと、本体部1cとを用いて構成されており、これら一対の電極1a,1bは所定の間隔をおいて本体部1c内に設けられ、電極部1の先端面から各電極1a,1bの電極面が表出するように構成されている。
本体部1c内において、一対の電極1a,1bは、それぞれリード線1f,1gに接続され、残留塩素濃度の測定時においては、これらのリード線1f,1gを介して、所定の電圧が一対の電極1a,1bに印可される。
各電極1a,1bと各リード線1f,1gとは、それぞれゴム栓1h,1iを介して接続されている。こうすることにより、耐水性をより向上させることができる。
電極部1の端面においては、各電極1a,1bの先端部周囲に、それぞれOリング1d,1eが設けられている。このように構成したことにより、電極部1の先端から本体部1c内への液体の流入を防止することが可能となり、電極部1の耐水性をさらに向上させることができる。
そして、これらの電極1a,1b、リード線1f,1gおよびゴム栓1,1iは、本体部1c内において、エポキシ樹脂等から成る接着剤1kを用いて固定されている。このように構成したことにより、電極部1の耐圧性を向上させることが可能であるとともに、耐水性をも向上させることができる。
また、電極部1をホルダ部6に取り付ける際には、電極部1とホルダ部6との間におけるサンプル液の漏出を防止するために、電極部1の適当な箇所にパッキン7が設けられている。さらに、電極部1は、電極部1に設けられた電極ナット8を用いてホルダ部6に取り付けられている。
ここで、第一および第二の電極1a,1bは、例えば、Pt(白金)を用いて形成されている。また、本体部1cは、例えば、PVC(塩化ビニル樹脂)を用いて形成されている。
【0031】
なお、電極部1の構造は、図3に示したものに限定されるものではなく、例えば、図4に示すような構造でもよい。図4において、第一の電極1aは、第一のガラス体1mにガラス封入されており、第二の電極1bは、第二のガラス体1nにガラス封入されている。そして、それぞれの電極1a,1bが、リード線1f,1gに接続されており、残留塩素濃度の測定時においては、これらのリード線1f,1gを介して、所定の電圧が一対の電極1a,1bに印可される。
図4に示すような構造であれば、図3の場合と同様に、電極部1の端面においては、各ガラス体1m,1nの先端部周囲に、それぞれOリング1d,1eが設けられているので、電極部1の先端から本体部1c内への液体の流入を防止することが可能となり、電極部1の耐水性を向上させることができる。また、各電極1a,1bは、それぞれガラス体1m,1nにガラス封入されているので、電極1a,1bとガラス体1m,1nとの間における漏洩等のおそれもなく、耐圧性能に優れた電極部1を得ることができる。さらに、このような構造であれば、各電極1a,1bを少量の白金を用いて形成することができるので、電極部1のコストを低減させることが可能となる。
【0032】
ビーズ2は、例えば、ガラス、セラミック等を用いて形成されており、ビーズ受け部3に封入されている。
【0033】
ビーズ受け部3は、第一のビーズ受け3aと第二のビーズ受け3bとを用いて構成されており、それぞれ、例えば、SUS等を用いて形成されている。第一のビーズ受け3aおよび第二のビーズ受け3bは、サンプル液が流通可能であるように形成されている。第一のビーズ受け3aは、複数の貫通孔を穿孔したSUS製の薄板を円筒状に形成して成り、第二のビーズ受け3bは、SUS製の網を用いて形成されている。
【0034】
キャップ部4は、ホルダ部6に対して着脱自在に構成されており、キャップ部4に形成された雄ねじ部と、ホルダ部6に形成された雌ねじ部とが螺合するように、それぞれが形成されている。また、キャップ部4をホルダ部6に取り付ける際には、サンプル液の漏れを防止するために、キャップ部4とホルダ部6とをOリング等のパッキン9を介して螺合させている。
ここで、キャップ部4は、例えば、PVC(塩化ビニル樹脂)を用いて形成されている。
【0035】
調整バルブ5は、ホルダ部6に形成されたサンプル液の流路の開閉を行うニードル部5aと、このニードル部5aの調節を行うハンドル部5bとを用いて構成されている。
ここで、調整バルブ5は、例えば、PVC(塩化ビニル樹脂)を用いて形成されている。
【0036】
ホルダ部6は、電極部1、ビーズ2、ビーズ受け部3、キャップ部4および調整バルブ5を保持するように形成され、ホルダ部6の内部には、サンプル液の流通経路が形成されている。また、ホルダ部6におけるサンプル液の流入箇所には、流入部20をホルダ部6に接続するための流入部接続口6aが設けられ、ホルダ部6におけるサンプル液の流出箇所には、流出部30をホルダ部6に接続するための流出部接続口6dが設けられている。ホルダ部6に形成されたサンプル液の流通経路は、流入部接続口6aの下流側で第一の流路6bと第二の流路6cとに分岐し、各流路6b,6cを流れるサンプル液がビーズ受け部3を介して、流出部接続口6dの上流側で収束するように形成されている。
ここで、ホルダ部6は、例えば、アクリル樹脂を用いて形成されている。
【0037】
流入部20を構成し、ホルダ部6(の流入部接続口6a)との接続部として機能する流入部継手20aは、流入部接続口6aと螺合等して着脱自在であるように、PVC(塩化ビニル樹脂)等を用いて形成されている。流出部30を構成し、ホルダ部6(の流出部接続口6d)との接続部として機能する流出部継手30aは、接続口6dと螺合等して着脱自在であるように、PVC(塩化ビニル樹脂)等を用いて形成されている。また、流入部20および流出部30を構成する各継手20a,30a以外の構成部分は、複数のチューブ継手等を用いて構成されており、これらの形状は、エルボであってもストレートであってもよく、場合によっては、ノズル形状でもディフューザ形状であってよい。これらの様々な形状のチューブ継手を用いることにより、本実施形態によれば、残留塩素計10内へ流入するサンプル液の流量、流速等を調整することができる。さらに、流入部20および流出部30には、適宜、流量あるいは流速調整用のバルブ等を設けてもよい。そうすれば、残留塩素計10内に流入するサンプル液の流量、流速等を適宜調整することが可能となり、安定した残留塩素濃度の測定を行うことができる。
【0038】
本実施形態に係る残留塩素計10は、以上説明したように、ホルダ部6に、電極部1、ビーズ受け部3、キャップ部4および調整バルブ5を装着し、ビーズ受け部3内に複数個のビーズ2を封入して構成されている。
各構成要素をホルダ部6に装着する際には、各構成要素とホルダ部6との間からサンプル液が漏出しないように考慮し、例えば、各構成要素をパッキン等を介してホルダ部6に装着する。
【0039】
電極部1をホルダ部6に装着する際には、電極部1の先端部(残留塩素濃度を測定する部位)に、第一の流路6bから流入するサンプル液が適当に接触して、電極部1において残留塩素濃度を安定して測定できるように、第一の流路6bに対する電極部1の先端部の位置を、適宜、適当に設定して装着する。電極部1は、好ましくは、第一の流路6bのやや下方であるようにホルダ部6に装着する。このような位置に電極部1を装着すれば、第一の流路6bから流入するサンプル液を電極部1に適当に接触させて、残留塩素濃度を安定して測定することが可能となる。
【0040】
ビーズ2をビーズ受け部3内に封入する際には、図5に示すように、ホルダ部6からキャップ部4と第二のビーズ受け3bとを取り外した状態で、第一のビーズ受け3a内に所定量のビーズ2を入れ、その上に第二のビーズ受け3bを被せた後に、パッキン9を介してキャップ部4をホルダ部6に取り付ける。こうすることにより、ビーズ2はビーズ受け部3内に適当に封入される。
【0041】
以上のように構成された本実施形態に係る残留塩素計10においては、以下のようにして、サンプル液の残留塩素濃度の測定が行われる。
【0042】
まず、流入部接続口6aに接続された流入部20からサンプル液が流入され、このサンプル液が、第一の流路6bと第二の流路6cとに分岐して流通する。この際、各流路6b,6cに流通するサンプル液の流量等の調整は調整バルブ5によって行われ、必要に応じて適宜各流路6b,6cに流通するサンプル液の流量等が調整される。
【0043】
次に、第一の流路6bおよび第二の流路6cに流入したサンプル液によって、ビーズ受け部3内がサンプル液で満たされ、電極部の先端部がサンプル液に浸漬された状態となる。
また、このサンプル液の流通によって、第一のビーズ受け3a内に設けられた複数のビーズ2が、ビーズ受け部3内を流動することとなる。そうすると、残留塩素濃度の測定部位である電極部1の先端部(第一の電極1aおよび第二の電極1bの露出端面)が、複数のビーズ2と接触を繰り返すこととなり、液体中のカルシウム・鉄分等の汚れが電極部1の先端部端面に付着しにくくなる。
【0044】
次に、ビーズ受け部3に流入したサンプル液は、随時、ビーズ受け部3から、流出部接続口6dに接続された流出部30を介して、残留塩素計10外に流出される。
【0045】
本実施形態に係る残留塩素計10によれば、残留塩素計10内を以上のようにサンプル液が流れ、第一のビーズ受け3a内に突出して存在する測定部位である電極部1の先端面が、サンプル液に浸漬した状態となるので、サンプル液の残留塩素濃度を適当に測定することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る残留塩素計10においては、電極部1を構成する第一の電極1aと第二の電極1bとが、本体部1c内に接着剤1k等を用いて固定した状態で設けられており、サンプル液に残留塩素計10を浸漬させる場合においても、各電極1a,1bがむき出しではなく、各電極1a,1bの表面のみが表出した状態となっている。すなわち、本実施形態においては、残留塩素計10の電極部1が従来よりも強固に構成されることとなる。したがって、本実施形態によれば、電極部1がサンプル液の圧力に対して一定以上の耐圧性を有することとなるので、従来よりも耐圧性に優れた残留塩素計を得ることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態に係る残留塩素計10においては、サンプル液の流通によって、第一のビーズ受け3a内に設けられた複数のビーズ2が、ビーズ受け部3内を流動することとなる。したがって、本実施形態によれば、残留塩素濃度の測定部位である第一の電極1aおよび第二の電極1bの露出端面が、複数のビーズ2と接触を繰り返すこととなり、液体中のカルシウム・鉄分等の汚れが電極部1の先端部端面に付着しにくくなるので、電極部1の端面を効果的に洗浄することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、モータ等の動力を用いずに、電極部1とビーズ2とを接触させて、電極部1の洗浄を行うので、従来よりも経済性に優れた残留塩素計を得ることができる。
【0048】
また、本実施形態に係る残留塩素計10の電極部1は、第一の電極1aと第二の電極1bとが本体部1c内に設けられた、いわゆるユニット構造であるので、ビーズ2が流動する際に、電極部1の先端部に表出している各電極1a,1bは、両方ともに洗浄されることとなる。すなわち、本実施形態は、従来のように一方の電極のみを洗浄するものではなく、両方の電極1a,1bを効果的に洗浄することが可能である。しかも、残留塩素計10の電極部1は、前記被覆部1cの端面と前記一対の電極1a,1bの電極面とが略面一に設けられているため、前記一対の電極1a,1bを同時に効率よくビーズ洗浄できるという効果を得ることができる。したがって、比較的汚れの多い液体についての残留塩素濃度の測定を行う場合であっても、両方の電極1a,1bに対して汚れが付着しにくくなるため、正確な測定を行うことが可能である残留塩素計を得ることができる。
【0049】
また、本実施形態においては、第一の流路6bと第二の流路6cとに流れるサンプル液の流量を調整バルブ5によって適当に調整することにより、残留塩素濃度の測定に適した量のサンプル液を電極部1近傍に流通させるとともに、電極部1の周囲に設けられているビーズ2の流動状態を制御して電極部1の先端部を効果的に洗浄することが可能となる。
【0050】
なお、本実施形態においては、電極部1を構成する各電極1a,1bの直径が略等しい場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、それぞれの電極の直径を異なるように構成してもよい。
【0051】
〈第二の実施形態〉
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態においては、上記第一の実施形態で説明された残留塩素計を用いて構成された液体殺菌装置について説明する。
【0052】
図6は、第一の実施形態で説明された残留塩素計10を用いて構成された液体殺菌装置の概略図を示したものであり、具体的には、本実施形態に係る液体殺菌装置を、浴槽90の水を殺菌するために用いた状態を示した概略図である。
【0053】
図6において、本実施形態に係る液体殺菌装置は、循環ポンプ95および濾過器96を介して循環されている浴槽90中の水を定期的にサンプリングし、そのサンプリングした水(以下「サンプル水」という。)の残留塩素濃度に基づいて、浴槽90中の水を殺菌している。この液体殺菌装置は、サンプル水の残留塩素濃度を測定する残留塩素計10と、この残留塩素計10の測定値に基づいて浴槽90中に塩素を供給する塩素供給手段を構成する次亜タンク92および次亜注入ポンプ94と、残留塩素計10と次亜注入ポンプ94との制御を行う制御装置93とを具備している。また、本実施形態に係る液体殺菌装置においては、残留塩素濃度の測定を行った後のサンプル水を、再度、配管中に戻すように構成されている。
【0054】
第一の実施形態に係る残留塩素計は、前述したように、電極部を構成する第一の電極と第二の電極とが、本体部内に接着剤等を用いて固定した状態で設けられており、サンプル水に残留塩素計を浸漬させる場合においても、各電極がむき出しではなく、各電極の表面のみが表出した状態となっている。したがって、本実施形態に係る液体殺菌装置を構成している残留塩素計10は、従来技術に係る残留塩素計よりも強固に構成されることとなり、電極部がサンプル水の圧力に対して一定以上の耐圧性を有することとなるので、従来よりも耐圧性に優れている。
【0055】
本実施形態に係る液体殺菌装置は、以上のように耐圧性に優れた残留塩素計10を用いて構成されているので、従来の液体殺菌装置のように、サンプル水を外部に排出することなく、残留塩素濃度測定後のサンプル水を再度浴槽90中に戻すように構成することが可能である。
【0056】
すなわち、本実施形態に係る液体殺菌装置においては、残留塩素濃度測定後のサンプル水をドレンとして排出することなく、再度浴槽90中に循環させて使用することができる。
したがって、本実施形態によれば、水の補給およびガス等の燃料による加温を必要最低限に抑え、水の補給や加温操作を行う制御系等も不要となるので、装置の複雑化を防止し、運転コスト等の向上をも抑制することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態においては、本実施形態に係る液体殺菌装置を浴槽90の水を殺菌するために用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、プールあるいは飲料水の貯水槽等の水を殺菌するために本実施形態に係る液体殺菌装置を用いてもよい。さらに、水以外の液体の殺菌を行うために、本発明に係る装置および方法を適用してもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐圧性に優れ、一対の電極を容易に洗浄することが可能である残留塩素計を得ることが可能であるとともに、この残留塩素計を用いることによってサンプル水を排水する必要がなく経済性に優れた液体殺菌装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る残留塩素計の部分断面図を含んだ概略側面図
【図2】図1の残留塩素計から電極部を取り外した状態を示す概略側面図
【図3】図1および図2に示された電極部の上面図および側面図
【図4】他の構造に係る電極部の上面図および側面図
【図5】図1の残留塩素計からキャップ部と第二のビーズ受けとを取り外した状態を示す概略側面図
【図6】本発明の第二の実施形態に係る液体殺菌装置の概略図
【図7】従来技術に係る残留塩素計の電極部近傍の概略図
【図8】従来技術に係る液体殺菌装置の概略図
【符号の説明】
1 電極部
1a 第一の電極
1b 第二の電極
1c 本体部
1d,1e Oリング
1f,1g リード線
1h,1i ゴム栓
1k 接着剤
1m 第一のガラス体
1n 第二のガラス体
2 ビーズ
3 ビーズ受け部
3a 第一のビーズ受け
3b 第二のビーズ受け
4 キャップ部
5 調整バルブ
5a ニードル部
5b ハンドル部
6 ホルダ部
6a 流入部接続口
6b 第一の流路
6c 第二の流路
6d 流出部接続口
7 パッキン
8 電極ナット
9 パッキン
10 残留塩素計
20 流入部
20a 流入部継手
30 流出部
30a 流出部継手
90 浴槽
92 次亜タンク
93 制御装置
94 次亜注入ポンプ
95 循環ポンプ
96 濾過器
Claims (6)
- 電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、
前記流通経路が各流路(6b,6c)に分岐して設けられ、
分岐した流路(6b,6c)のうちの一部の流路(6b)に流入した液体を前記測定手段(1)の電極面に接触させるように構成され、
前記測定手段(1)の電極面が、前記流通経路の下方側に配置され、上方を向いて該流通経路に露出するように構成され、
前記液体の流れによって前記ビーズ(2)が流動することを特徴とする残留塩素計。 - 電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、
前記流通経路が各流路(6b,6c)に分岐して設けられ、
分岐した流路(6b,6c)のうちの一部の流路(6b)に流入した液体を前記測定手段(1)の電極面に接触させるように構成され、
分岐した各流路(6b,6c)に流入する液体の流量を調整する調整バルブ(5)が設けられ、
前記液体の流れによって前記ビーズ(2)が流動することを特徴とする残留塩素計。 - 電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、
前記流通経路が各流路(6b,6c)に分岐して設けられ、
分岐した流路(6b,6c)のうちの一部の流路(6b)に流入した液体を前記測定手段(1)の電極面に接触させるように構成され、
前記ビーズ(2)を収容し且つ液体を流通可能なビーズ受け部(3)を備え、
前記測定手段(1)の電極面がビーズ受け部(3)内に存在するように設けられ、
前記液体の流れによって前記ビーズ(2)が流動することを特徴とする残留塩素計。 - 電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、
前記流通経路が各流路(6b,6c)に分岐して設けられ、
分岐した流路(6b,6c)のうちの一部の流路(6b)に流入した液体を前記測定手段(1)の電極面に接触させるように構成され、
前記測定手段(1)と、ビーズ(2)と、ビーズ受け部(3)と、前記ビーズ(2)の充填及び液体の漏出防止のためのキャップ部(4)と、調整バルブ(5)とを保持し、内部に前記流通経路が形成されるホルダ部(6)を用いて構成され、
前記液体の流れによって前記ビーズ(2)が流動することを特徴とする残留塩素計。 - 電極を用いて残留塩素濃度の測定を行う測定手段と、測定手段の周囲に設けられるビーズを用いて前記電極の洗浄を行う洗浄手段とを備え、測定対象たる液体を流通させる流通経路が形成された残留塩素計において、
前記流通経路が各流路(6b,6c)に分岐して設けられ、
分岐した流路(6b,6c)のうちの一部の流路(6b)に流入した液体を前記測定手段(1)の電極面に接触させるように構成され、
前記測定手段(1)が、一対の電極(1a,1b)と、該一対の電極(1a,1b)を内包した被覆部(1c)とを有し、
前記液体の流れによって前記ビーズ(2)が流動することを特徴とする残留塩素計。 - 測定対象たる液体のサンプル液の残留塩素濃度を測定する残留塩素測定手段と、該残留塩素測定手段の測定値に基づいて前記液体に塩素を供給する塩素供給手段とを備えた液体殺菌装置において、
前記残留塩素測定手段として、請求項1から5のいずれか1項に記載の残留塩素計を用いたことを特徴とする液体殺菌装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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| JP18231198A JP4150445B2 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 残留塩素計およびこれを用いた液体殺菌装置 |
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1998
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