JP4149873B2 - 鋼管柱の補強方法、鋼管柱の補強構造、および鋼管柱の補強材懸吊用治具 - Google Patents

鋼管柱の補強方法、鋼管柱の補強構造、および鋼管柱の補強材懸吊用治具 Download PDF

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本発明は、中空部を有する既設の鋼管柱を補強するための鋼管柱の補強方法、鋼管柱の補強構造、および鋼管柱の補強材懸吊用治具に関する。
表面に亜鉛メッキが施された鋼板から構成される鋼管柱は、その上部に通信用のアンテナ等を設置するためなどに用いられている。この鋼管柱は、軽量で輸送が容易な上、立設も簡単なため、上記以外にもさまざまな用途に利用されている(例えば非特許文献1を参照)。
KURE JBC,"技術講座(伝送−1)3.2架空構造物"、[online]、平成14年9月16日、[平成15年8月8日検索]、インターネット<URL:http://www.kurejbc.com/technical/technical-6.htm>
しかしながら、上述した鋼管柱は、風雨等の気象条件の厳しい立設場所などでは、強度的に十分でない場合もあり、補修等にコストがかかってしまう恐れもあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、既設の鋼管柱の強度を容易にかつ経済的に増加させることのできる鋼管柱の補強方法、鋼管柱の補強構造、および鋼管柱の補強材懸吊用治具を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、既設の鋼管柱の補強を行う鋼管柱の補強方法であって、補強する鋼管柱の側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる二つの領域に第1および第2の開口部をそれぞれ形成するステップと、このステップで形成した二つの開口部のうち鉛直方向下側に位置する第1の開口部から補強材としての複数の棒状部材を中空部へ挿入するステップと、このステップで挿入した複数の棒状部材を前記中空部で均等に配置するステップと、固化した後も収縮しない無収縮モルタルを前記中空部内の前記第1の開口部下端付近に達するまで注入するステップと、前記第2の開口部から補強材としての複数の棒状部材を中空部へ挿入するステップと、このステップで挿入した複数の棒状部材を前記中空部で均等に配置するステップと、無収縮モルタルを前記中空部内の前記第2の開口部下端付近に達するまで注入するステップと、前記第1および第2の開口部付近の外周に、略鉛直または略水平方向に所定の耐力を有する複数のアラミド繊維シートを貼付するステップと、このステップで貼付したアラミド繊維シートの外周に鉄板またはフッ素塗料から成る防護部を設けるステップとを行うことを特徴とする。
本発明における「鋼管柱」は、通常の鋼管柱に加えて、鋼板組立柱や複合柱をも含むものとする。
また、本発明において「均等に配置する」とは、水平方向を指向する同一円上を軸心が通過する棒状部材のうち、隣接して配置される棒状部材間の距離(軸心の間隔)が全て等しくなるように配置することを意味している。
請求項2記載の発明は、既設の鋼管柱の補強を行う鋼管柱の補強方法であって、補強する鋼管柱の側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる二つの領域に第1および第2の開口部をそれぞれ形成するステップと、このステップで形成した第1の開口部から、補強材としての複数の棒状部材の各々について、各棒状部材の上端となる端部を中空部上方へ向けてそれぞれ挿入し、この挿入した端部を鉛直方向上側に位置する前記第2の開口部から外部へ抜き出して前記棒状部材の他端部が中空部に入るまで引き上げ、その後前記第2の開口部から外部に抜き出していた端部を再度中空部内に戻すことにより、前記複数の棒状部材を中空部へ挿入するステップと、このステップで挿入した複数の棒状部材を前記中空部で均等に配置するステップと、固化した後も収縮しない無収縮モルタルを前記中空部内の前記第2の開口部下端付近に達するまで注入するステップと、前記第1および第2の開口部付近の外周に、略鉛直または略水平方向に所定の耐力を有する複数のアラミド繊維シートを貼付するステップと、このステップで貼付したアラミド繊維シートの外周に鉄板またはフッ素塗料から成る防護部を設けるステップとを行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記複数の棒状部材を前記中空部で均等に配置するに際して、前記複数の棒状部材の各々の上端に締結されるワイヤを貫通して前記複数の棒状部材を懸吊する補強材懸吊用治具と、前記複数の棒状部材の各々を貫通する貫通部を備え、前記第1または第2の開口部から前記中空部内に挿入可能な補強材配置用補助具とを用いることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、既設の鋼管柱を補強する鋼管柱の補強構造であって、補強する鋼管柱の側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる二つの領域にそれぞれ形成される第1および第2の開口部を介して前記鋼管柱の中空部に挿入される補強材としての複数の棒状部材と、前記第1または第2の開口部から中空部に挿入され、前記複数の棒状部材の各々を貫通する複数の貫通部を備えて成る補強材配置用補助具と、この補強材配置用補助具および前記複数の棒状部材と前記鋼管柱内壁面の隙間を充填するために注入され、固化した後も収縮しない無収縮モルタルと、前記第1および第2の開口部付近の外周に、略鉛直および略水平方向に所定の耐力を有するように貼付されて成る複数のアラミド繊維シートと、このアラミド繊維シートの外周に設けられる鉄板またはフッ素塗料から成る防護部とを備えたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記棒状部材は、略同径のアラミドロッドと一または二本の異型鉄筋とがほう縛されて成ることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、既設の鋼管柱の補強を行う際に当該鋼管柱の中空部へ挿入される補強材としての複数の棒状部材の一端にそれぞれ締結されるワイヤを前記中空部内で懸吊する鋼管柱の補強材懸吊用治具であって、前記中空部に挿入可能な円弧型をなす補強材固定部と、この補強材固定部の外周に沿って所定箇所溶接されて成り、前記中空部内に配置するとき前記鋼管柱の内壁面に当接する円弧型の当接部と、この当接部および補強材固定部のなす円弧を含む平面上に設けられ、前記平面に平行な開口面を有するとともに、前記棒状部材の上端に締結され、前記開口面を通過するワイヤをそれぞれ懸吊する複数の懸吊部とを備えたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記複数の懸吊部は、隣接する懸吊部間の距離がすべて等しいことを特徴とする。
本発明によれば、鋼管柱を補強する補強材を、補強材懸吊用治具および補強材配置用補助具を利用して鋼管柱の中空部内に均等に配置することにより、既設の鋼管柱の強度を容易にかつ経済的に増加させることを可能とする鋼管柱の補強方法、鋼管柱の補強構造、および鋼管柱の補強材懸吊用治具を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以後の説明においては、亜鉛メッキを施した鋼板を材料として台形円筒状に成形される構成部材を繋ぎ合わせて1本の柱をなす鋼板組立柱(パンザーマスト)への適用を主に想定するが、本発明が適用される鋼管柱はそれに限られるわけではなく、亜鉛メッキ鋼板を円筒状に成形した通常の鋼管柱や、コンクリート台上に亜鉛メッキ処理鋼柱または表面耐候性塗装鋼柱を取り付けた構造を有する複合柱などを含むものであることはいうまでもない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鋼管柱の補強方法の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、電動サンダー等を用いることにより、鋼管柱1側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる二つの領域の各々に開口部を設ける(ステップS101)。
図2は、本実施形態に係る補強方法が適用される鋼管柱1に対して二つの開口部11および13を設けたときの状態を示す説明図である。同図に示すように、鋼管柱1はテーパ形状をなしており、この鋼管柱1を構成する鋼管の板厚はたかだか3mm程度(より具体的には2.1〜2.8mm程度)である。
二つの開口部11および13は、鋼管柱1の側面で両者が互いに鉛直方向上下に位置するように設けられる。二つの開口部は略長方形または略楕円形をなしており、端部が電動ドリルまたはルータによって滑らか(な曲線)に仕上げられている。このうち下側に位置する開口部11(第1の開口部)は、水平方向の径が4〜5cm程度、鉛直方向の径が50cm程度である。これに対して上側に位置する開口部13(第2の開口部)は、水平方向の径は開口部11とほぼ同じであるが、鉛直方向の径は開口部11よりも若干小さく、40cm程度であれば好ましい。
鋼管柱1の長手方向(立設時の鉛直方向)の全長が22m程度(より具体的には22.36m)の場合、根入れ長が2.5m程度であり、開口部11の下端は地際から2.5m程度上部に位置するように設けられる。また、開口部13の下端は、地際から6.0m程度となるように設けられる。
次に、ステップS101で形成された開口部11および13を用いて鋼管柱1の中空部に補強材を挿入・配置する工程を説明する。
まず、補強材としての複数の棒状部材を開口部11から中空部へ挿入する(ステップS111)。以後の説明においては、挿入する棒状部材の数を8個とするが、これはあくまでも一例であり、9個、10個、11個、12個、・・・と適宜変更することができる。
各棒状部材は、図3の鋼管柱1断面図に示すように、その径が15〜17mm程度のアラミドロッド81の下端部に、アラミドロッド81と略同径を有する1または2個の異型鉄筋91を、一端を揃えた上で、各中心軸が短手方向に一直線上に並ぶように配置し、それらをタイラップ等の結束部材を用いてほう縛して構成される(図3はアラミドロッド81に二つの異型鉄筋91をほう縛した場合に相当)。上述した全長を有する鋼管柱1の場合、アラミドロッド81の全長は4.8〜5.2m、より好ましくは5.0m程度であり、異型鉄筋91の全長は0.7〜0.8m程度である。
続いて、補強材配置用補助具60を開口部11から中空部へ挿入する(ステップS112)。図10は、補強材配置用補助具60の詳細な構成を示す斜視図である。この補強材配置用補助具60は鉄等から構成され、円管形状のフレーム63の外周に、アラミドロッド81を貫通可能なU字形状の貫通部61が、中空部に挿入される棒状部材の本数分具備されている。隣接する貫通部61の先端同士がフレーム63の円の中心に対して図10で水平方向になす角度は45度となる。なお、図10に示すのはあくまでも一例であり、他の本数を貫通可能な補強材配置用補助具を構成することも勿論可能である。
ところで、フレーム63には、補強材配置用補助具60の中空部への挿入および取り出しを行うために、ワイヤ7を用いて懸吊可能な孔部65が設けられている。図10では、孔部65が3つの場合を示しているが、孔部65の個数に関しても必ずしも3個に限られるわけではなく、治具の重量等に応じて4個や5個にすることもできる。
次のステップS113では、棒状部材、より具体的にはアラミドロッド81を補強材懸吊用治具20および30を用いて懸吊する一方で、中空部内の補強材配置用補助具60をワイヤ7を用いて適宜移動させることにより、8個の棒状部材を中空部内で均等に配置する。ここで補強材配置用補助具60の位置は、アラミドロッド81の中間部付近に移動される。図3に、このステップ施工後の鋼管柱1の中空部内の概略構成を示す。なお、本実施形態において「均等に配置する」とは、水平方向を指向する同一円上を軸心が通過する棒状部材のうち、隣接して配置される棒状部材間の距離(軸心の間隔)が全て等しくなるように配置することを意味する。この点については、本発明の全ての実施形態に共通である。
図7および図8は、棒状部材を8個挿入したときに、これらの棒状部材を懸吊して中空部内部で位置を固定して配置するために用いられる補強材懸吊用治具20および30の構成をそれぞれ示す斜視図である。
図7に示す補強材懸吊用治具20(第1の補強材懸吊用治具)は異型鉄筋製であり、ワイヤ5を支持して補強材の中空部内での位置を固定する円弧型の補強材固定部22と、この補強材固定部22の外周に沿って所定箇所溶接されて成り、中空部内に配置するとき鋼管柱1の内壁面に当接する円弧型の当接部23と、この当接部23に連結され、補強材固定部22および当接部23を支持する支持部21とを備える。
補強材固定部22は、アラミドロッド81上端に締結されたワイヤ5を懸吊して支持するための開口面(通し穴)を有し、鋼管柱1外部から加える張力によってワイヤ5が緊張したときに、補強材をなす各棒状部材の中空部内での位置を固定するための複数の懸吊部24が、隣接する懸吊部間の距離が等しくなるように溶接等によって設けられている。図7では懸吊部24を4個設けた場合を示しているが、これは一例に過ぎず、懸吊部24の数は鋼管柱1の直径等の条件によって、例えば5個、6個、7個、・・・とすることもできる。また、図7において、懸吊部24の開口面は円形を成しているが、これもあくまで一例に過ぎず、その他の形状、例えば楕円形あるいは方形等であってもかまわない。さらに、懸吊部24の内側面に超硬合金を焼きバメ等によって被覆することにより、懸吊部24自体の強度を増加させることも可能である。
当接部23は、肉厚が薄く上下のテーパが比較的急な鋼管柱1内壁面との間にスペースを確保するために設けられたものであり、棒状部材を懸吊したときに、中空部下端部付近で棒状部材を均等に配置することが可能になる。また、補強材固定部22と合わせて二重円弧形状にすることにより、中空部に挿入する部分を構成する鉄筋の径を小さくとることができ、治具自体の軽量化を図ることもできる。
支持部21は、懸吊部24から外部へ露出するワイヤ5を通して外部からの張力を加えやすくするための通し穴25、補強材懸吊用治具20を操作自在にして中空部への挿入を容易にする機能を有する治具操作部26、棒状部材を懸吊したときに、後述する補強材懸吊用治具30を上部に載置するための載置部27aおよび27bを備えている。載置部の数は、図7に示したように二個(27a、27b)である必要はなく、その上部に載せて支持する治具の重量や支持部21の長さ等に応じて三個、四個、五個、・・・と複数個設けることも可能である。
ここで、支持部21をなす鉄筋の径および通し穴25の厚み(補強材固定部22の円弧が通過する平面と垂直な方向の長さ)は開口部11から挿入できるように設定される。具体的には、開口部11の短手方向の径が4〜5cmの場合、支持部21の鉄筋の径が15〜20mm程度、通し穴25の厚みが20〜24mm程度であれば好ましい。
なお、図7からも明らかなように、支持部21は、当接部23の円弧の中点から若干ずれた位置に接合されている。このように補強材懸吊用治具20が支持部21に対して非対称な形状をなしている理由は、支持部21を境として弧の長さが長い方の円弧部分を先に開口部11から中空部に挿入すれば、残りの円弧部分の弧の長さが短いため全体を挿入しやすくすることができるからである。
図8に示す補強材懸吊用治具30(第2の補強材懸吊用治具)も異型鉄筋製であり、補強材懸吊用治具20と同様に、ワイヤ5を支持して補強材である複数の棒状部材を固定する補強材固定部32と、当接部33と、補強材固定部32を支持する支持部31とを備える。
円弧型の補強材固定部32に対して、ワイヤ5を通す開口面を有する複数の懸吊部34が設けられている。この懸吊部34の数が必ずしも図8に示した4個である必要がない点、および開口面の形状が円形に限られるものではない点、および懸吊部34の開口部内側面に超硬合金を用いて強度を向上させることができる点は、補強材懸吊用治具20の場合と同様である。
また、図8からも明らかなように、支持部31は、当接部33をなす円弧の中点から若干ずれた位置に接合されているが、これも補強材懸吊用治具20の支持部21で説明したのと同様の理由、すなわち弧の長さが長い方を開口部11から先に中空部に挿入すれば、残りの円弧部分の弧の長さが短いため挿入しやすくなるためである。
さらに、通し穴35、治具操作部36、上述した補強材懸吊用治具30での対応部位(下1桁が同じ)とそれぞれ同じ機能を有していることはいうまでもない。なお、支持部31は、中空部内で補強材懸吊用治具20の載置部27a、27bに載置されることになるため、補強材懸吊用治具30自身は載置部を具備していない。
以上説明した補強材懸吊用治具20および30を用いる場合、棒状部材を合計8個挿入することになるので、懸吊部24および34は、隣接する懸吊部同士が45度の角度をなすように等間隔に補強材固定部22および32に溶接等によりそれぞれ設けられる。通し穴25および35には、それぞれ懸吊部24および34の個数分の穴、すなわちここでは4つずつの通し穴が設けられており、アラミドロッド81の上部に設けられ、アラミドロッド81を含む棒状部材を懸吊するワイヤ5をアラミドロッド81に締結するワイヤ締結部87に締結されたワイヤ5が、各通し穴の異なる開口部をそれぞれ貫通することによって、鋼管柱1の外部に延出するワイヤ5同士が絡み合うのを防止することができる。
ちなみに、補強材固定部22および32を構成する鉄筋の径は16mm程度、当接部23および33を構成する鉄筋の径は10mm程度である。また、上述した全長を有する鋼管柱1(全長22m程度)に適用する場合には、当接部23および33の円弧の直径が50mm程度であることが望ましい。
ところで、補強材懸吊用治具20および30の支持部21および31の軸心方向の全長は、支持部21および31の長さを適宜調節することによって、上記範囲の中で最適な長さを有する治具を構成することができる。例えば、補強材懸吊用治具20が650〜1020mm、補強材懸吊用治具30が850〜1220mm程度である。
なお、中空部に挿入される補強材懸吊用治具20および30において、中空部に挿入される部分を支持部21および31からそれぞれ着脱自在な構成にすることも勿論可能である。
続いて、以上の構成を有する補強材懸吊用治具20および30の開口部11から中空部への具体的な挿入法について説明する。
まず、補強材懸吊用治具20を中空部へ挿入するが、その際には、補強材固定部22および当接部23のなす円弧を含む面(円弧面)を鉛直面に平行になるようにし、当接部23をなす円弧のうち支持部21を境に弧の長さの長い方を下にする。この段階では、支持部21の軸心方向は、水平方向よりも若干傾斜した方向を指向している。その後、下にした方の円弧部分、すなわち支持部21を境にして弧の長さの長い方の円弧部分をまず中空部に挿入した後、支持部21の軸心が水平方向を指向するように回転し、残りの部分(弧の長さの短い円弧部分)を挿入する。通し穴25まで中空部に挿入した後、支持部21の指向方向(水平方向)を固定して当該方向を回転軸として円弧面を90度回転させる(その際には治具操作部26をレバーとして利用)。この結果、円弧面は水平方向と平行になる。この状態で支持部21を鋼管柱1の外部へ引くと、当接部23が鋼管内壁面に当接する。後は、補強材懸吊用治具20をそのまま鉛直下向きに開口部11の下端に当接するまで下降させることによって位置決めを行う。
この後、補強材懸吊用治具30を中空部へ挿入する。この場合にも、補強材固定部32および当接部33のなす円弧を含む平面(円弧面)を鉛直面に平行になるようにし、補強材懸吊用治具20の場合と同様に、まず支持部31を境として弧の長さの長い方の円弧部分を挿入し、支持部31の軸心が水平方向を指向するように回転させつつ残りの円弧部分を中空部に挿入し、通し穴35を中空部に挿入した後、支持部31が指向する方向を回転軸として円弧面を90度回転させる(ここでも治具操作部36を適宜利用)。この状態で支持部31を中空部の内部に押し出すと、補強材固定部32が中空部の開口部11と対向する外周部の内壁面に当接する。そして、補強材固定部32を内壁面に当接させたまま鉛直下向きに下降させていき、補強材懸吊用治具20の載置部27aおよび27bに支持部31を載置する。
図9は、補強材懸吊用治具20および30を用いてワイヤ5を外側に牽引して緊張させた後、各補強材懸吊用治具を上述したように鋼管柱1に対して固定し、アラミドロッド81を中空部内で懸吊したときの状態を示す図である。同図に示すように、補強材懸吊用治具20の懸吊部24をそれぞれ貫通した4本のワイヤ5は、通し穴25を通過する。そして、支持部21に適宜設けられる突起部等に金具を用いてワイヤ5を固着することにより、ワイヤ5の緊張状態を保つ。補強材懸吊用治具30を介してアラミドロッド81を懸吊するワイヤ5も同様にして通し穴35を通過させ、適宜支持部31に対して固定する。この際、載置部27aおよび27bには、中空部から通し穴25または35を介して外部に延出しているワイヤ5を貫通するための開口部(通し穴25または35と同じく鉛直方向に開口を形成)を設けることによって、ワイヤ5を束ねる機能を加えておく(図7および図8を参照)。
なお、補強材懸吊用治具20および30同士についても、両支持部21および31を連結する連結部材を用いて互いに固定しておけばさらに好ましい。
以上、詳細に説明したステップS113の後、、補強材と中空部の隙間を充填するために、固化した後も収縮しない無収縮モルタル100を開口部11から注入する(ステップS114)。ここで注入される無収縮モルタル100の量は、アラミドロッド81の上端付近が所定長さ埋没しない程度の量である。ここでいう所定長さは、補強後の強度という観点から、後述するアラミドロッド83の下端部にほう縛される異型鉄筋と同程度の長さであることが望ましい。具体例として、全長22m程度の鋼管柱1の場合、図4に示すLとして50〜80cm程度、より好ましくは70〜80cm程度とればよい。
その後、無収縮モルタル100がある程度固化した時点で、補強材懸吊用治具20および30を鋼管柱1の外部へ抜き出す(ステップS115)。この際には、補強材懸吊用治具20および30を挿入してワイヤ5を固定するときの操作と逆の手順の操作をそれぞれ行うことにより、中空部に挿入していた部分を外部へ抜き出す。その後、外部へ露出しているワイヤ5を切断し、余った部分は中空部へ挿入するなどしておく。なお、無収縮モルタル100がある程度の粘性を有することに鑑みて、ステップS114の直後にこのステップS115を行うことも可能である。
続いて、以上の工程で充填された無収縮モルタル100の層の上部に、開口部13を用いて同様の工程を行う。
まず、開口部13から複数(4個)の棒状部材を挿入する(ステップS121)。この棒状部材は、アラミドロッド83の下端部に上記同様異型鉄筋91を並べて配置してほう縛したものである。アラミドロッド83の全長は、アラミドロッド85の全長よりも短く、全長22m程度の鋼管柱1に適用する場合には4.0〜4.5m、より好ましくは4.2m程度となる。
次に、補強材配置用補助具70を開口部13から中空部へ挿入する(ステップS122)。この補強材配置用補助具70は開口部13から挿入可能な径を有するものであり、その径は0.40m程度である。補強材配置用補助具70の径が上述した補強材配置用補助具60の径よりも小さいのは、水平に配置するときの鋼管柱1の中空部内の径が上方に行くほど小さくなっているため、アラミドロッド81よりも中空部内上層に挿入されるアラミドロッド83は、より中空部中心に近い位置に配置されることになるからである。
次のステップS123では、詳細に説明したステップS113と同様の処理を行う。ここで用いる補強材懸吊用治具は、上述した補強材懸吊用治具20および30と同様の構成を有し、それらよりも若干円弧面の径の小さいものである。具体的には、補強材懸吊用治具20と同様の形状を有する補強材懸吊用治具40と、補強材懸吊用治具30と同様の形状を有する補強材懸吊用治具50を用いて行う。例えば、補強材懸吊用治具20および30の当接部のなす円弧の直径が50cm程度である場合、補強材懸吊用治具40および50の当接部のなす円弧の直径は40cm程度となる。図4は、このステップS123を行った時点での中空部内の状況を示す図である。
続いて開口部11を鉄板等によって塞いでおき(ステップS124)、補強材配置用補助具70を中空部内に残置したまま開口部13から無収縮モルタル100を開口部11の下端付近に達するまで注入し(ステップS125)、補強材懸吊用治具40および50を鋼管柱1の外部へ抜き出す(ステップS126)。無収縮モルタル100はある程度の粘性を有するので、補強材懸吊用治具40および50を抜き出した後、さらに一気に注入して開口部11上部付近まで充填してもよい。この後、開口部11を鉄板または布等で塞いでおけば、開口部11から無収縮モルタル100が漏れる恐れがなくなるのでさらに好ましい。図5は、以上の工程が終了した時点での鋼管柱1内部の概略構成を示す断面図である。ちなみに、ステップS124の処理は、ステップS115の工程が終了した後、ステップS125の工程よりも前であればどの時点で行ってもよい。
この後、1日程度経過させ、アラミド繊維シートを開口部11および13を通過する鋼管柱1外周に貼付する(ステップS131)。より具体的には、まず、開口部11および13付近に、幅30cm程度で120tf/m(1176kN/m)の耐力を有するアラミド繊維シートを、その耐力が略鉛直方向の耐力となるように2度にわたって貼付し(2層を形成)、その後、幅10cm程度で90tf/m(882kN/m)の耐力を有するアラミド繊維シートを、その耐力が略水平方向の耐力となるように開口部11および13付近を包帯状に巻回する。この結果、開口部11および13の近傍では、略鉛直および略水平方向に所定の耐力を有する3層から成るアラミド繊維シートを貼付することになる。
最後の工程として、アラミド繊維シートを巻回した領域の外周に、亜鉛メッキ鉄板をさらに巻回するか、またはフッ素塗料を塗布する(ステップS132)。図6は、このステップ終了時の鋼管柱1の外観を示す図であり、符号15および17で示す領域が亜鉛メッキ鉄板が巻回されるか、またはフッ素塗料が塗布された領域である。この工程を行うことにより、鋼管柱1の補強部分を防護するとともに、その補強部分の紫外線劣化を防止することができる。すなわち、このステップで巻回した鉄板または塗布したフッ素塗料が防護部としての機能を有する。全長22m程度の鋼管柱1の場合、領域15および17は上下に1.10m程度の幅を有する。
以上の工程により、鋼管柱1の補強方法の全ての工程(ステップ)が終了する。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、補強材懸吊用治具および補強材配置用補助具を適宜用いて鋼管柱の中空部に補強材を均等に配置することにより、既設の鋼管柱の強度を容易にかつ経済的に増加させることが可能となる。より具体的には、本実施形態に係る鋼管柱の補強方法によれば、補強前の状態に比べて1.5倍程度の強度を得ることができる。
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る鋼管柱の補強方法の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、第1の実施形態と同様に(図2を参照)、電動サンダー等を用いて鋼管柱1の側面に二つの開口部11(第1の開口部)および13(第2の開口部)を形成する(ステップS201)。二つの開口部の形成位置や形状、および大きさ等についても、全て第1の実施形態と同様である。
以下、鋼管柱1の中空部に補強材を挿入・配置する工程を説明する。
最初に、複数の棒状部材を中空部へ挿入する(ステップS211)。本実施形態においては、中空部挿入時に上端が開口部11付近に達する程度に長いアラミドロッド85を用いるので、まず開口部11からアラミドロッド85の上端となる端部(ワイヤ締結部が設けられている端部)を中空部上方へ向けて挿入し、その端部を開口部13から鋼管柱1の外部へ一旦抜き出し、異型鉄筋91がほう縛されている方の端部(下端)が開口部11を介して中空部内に入るまでさらに上方に引き上げる。下端が中空部に入ったら、今度は上端を再び中空部内に戻す。このようにして全ての棒状部材を挿入すれば、全長が長いアラミドロッド85から構成される棒状部材であっても、それほど高い位置まで持ち上げる必要がなくなるので、クレーン等の大掛かりな装置を用いなくて済む。
この後、各アラミドロッド85に締結されるワイヤ5を貫通部でそれぞれ貫通する補強材配置用補助具70を開口部13から中空部へ挿入する(ステップS212)。本実施形態では、アラミドロッド85の全長が長いので、補強材配置用補助具70を二つ用いて配置を行う(図10と同様)。ちなみに、全長22m程度の鋼管柱1に適用する場合、アラミドロッド85の全長は8.0〜9.0m程度、より好ましくは8.5m程度である。
次のステップS213では、ワイヤ5を貫通する補強材懸吊用治具40および50を開口部13から中空部へ挿入し、第1の実施形態のステップS113およびS123と同様にして各アラミドロッド85を懸吊するとともに、補強材配置用補助具70を中空部内で適当な位置まで下降または上昇させることにより、棒状部材を中空部内で均等に配置する。ここで二つの補強材配置用補助具70は、それぞれがアラミドロッド85をほぼ3等分するような位置に調整されていることが好ましい。図12は、以上説明したステップS213が終了した時点における鋼管柱1の中空部の概略構成を示す断面図である。
続いて、開口部11を鉄板等によって塞ぎ(ステップS214)、無収縮モルタル100を開口部13からこの開口部13の下端付近に達するまで注入し(ステップS215)、その後、補強材懸吊用治具40および50を開口部13から抜き出す(ステップS216)。このステップS216の後、第1の実施形態と同様に開口部13上端まで無収縮モルタル100をさらに注入し、鉄または布等で開口部13を塞ぐ処理を行ってもよい。図13は、ここまでの工程が終了した時点における鋼管柱1の中空部の概略構成を示す断面図である。ちなみにステップS214の処理は、補強材を挿入するステップS211の後、無収縮モルタルを注入するステップS216の工程よりも前であればどの時点で行ってもよい。
ステップS216を行って1日程度経過した後、アラミド繊維シートの巻回(ステップS231)、および亜鉛メッキ製の鉄板の巻回またはフッ素塗料の塗布による防護部の形成(ステップS232)を行う。これらの処理は、第1の実施形態におけるステップS131およびS132とそれぞれ同一である。したがって、本実施形態に係る補強方法終了後の鋼管柱1の外観も図6に示すようになる。
以上の工程により、鋼管柱1の補強が完了する。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、アラミドロッドの本数自体は少なくて済むので、コストの低減という意味においてはさらに大きな効果を得ることができる。
なお、以上の説明においては、最初にも述べたように鋼板組立柱を具体例としてあげたが、それ以外にも、亜鉛メッキ鋼板を円筒状に成形した通常の鋼管柱や、コンクリート台上に亜鉛メッキ処理鋼柱または表面耐候性塗装鋼柱を取り付けた構造を有する複合柱などに適用することも勿論可能である。
また、鋼管柱としては、円筒形に限らず、角型の鋼管柱でもよい。
このように、本発明は、上記二つの実施形態と同様の効果を奏するさまざまな実施の形態等を含み得るものである。
本発明の第1の実施形態に係る鋼管柱の補強方法の処理の流れを示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施形態に係る鋼管柱の補強方法において、鋼管柱に二つの開口部を設けたときの側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る鋼管柱の補強方法において、下側の開口部から中空部に棒状部材を挿入して均等に配置したときの概略構成を示す断面図である。 図3の状態の後、上側の開口部から中空部に棒状部材を挿入して均等に配置したときの概略構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る鋼管柱の補強方法において、無収縮モルタルの充填が完了したときの概略構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る鋼管柱の補強方法終了時の状態を示す側面図である。 第1の補強材懸吊用治具の構成を示す斜視図である。 第2の補強材懸吊用治具の構成を示す斜視図である。 図7および図8に示す補強材懸吊用治具を用いて棒状部材を懸吊したときの開口部付近の中空部内の状態を示す図である。 補強材配置用補助具を用いて鋼管柱中空部内にアラミドロッドを配置したときの状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る鋼管柱の補強方法の処理の流れを示すフローチャート図である。 本発明の第2の実施形態に係る鋼管柱の補強方法において、中空部に棒状部材を挿入して均等に配置したときの概略構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る鋼管柱の補強方法において、無収縮モルタルの充填が完了したときの概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 鋼管柱
5、7 ワイヤ
11、13 開口部
20、30、40、50 補強材懸吊用治具
21、31 支持部
22、32 補強材固定部
23、33 当接部
24、34 懸吊部
25、35 通し穴
26、36 治具操作部
27a、27b、37 載置部
60、70 補強材配置用補助具
61 貫通部
63 フレーム
65 孔部
81、83、85 アラミドロッド
91 異型鉄筋
100 無収縮モルタル

Claims (7)

  1. 既設の鋼管柱の補強を行う鋼管柱の補強方法であって、
    補強する鋼管柱の側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる二つの領域に第1および第2の開口部をそれぞれ形成するステップと、
    このステップで形成した二つの開口部のうち鉛直方向下側に位置する第1の開口部から補強材としての複数の棒状部材を中空部へ挿入するステップと、
    このステップで挿入した複数の棒状部材を前記中空部で均等に配置するステップと、
    固化した後も収縮しない無収縮モルタルを前記中空部内の前記第1の開口部下端付近に達するまで注入するステップと、
    前記第2の開口部から補強材としての複数の棒状部材を中空部へ挿入するステップと、
    このステップで挿入した複数の棒状部材を前記中空部で均等に配置するステップと、
    無収縮モルタルを前記中空部内の前記第2の開口部下端付近に達するまで注入するステップと、
    前記第1および第2の開口部付近の外周に、略鉛直または略水平方向に所定の耐力を有する複数のアラミド繊維シートを貼付するステップと、
    このステップで貼付したアラミド繊維シートの外周に鉄板またはフッ素塗料から成る防護部を設けるステップと
    を行うことを特徴とする鋼管柱の補強方法。
  2. 既設の鋼管柱の補強を行う鋼管柱の補強方法であって、
    補強する鋼管柱の側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる二つの領域に第1および第2の開口部をそれぞれ形成するステップと、
    このステップで形成した第1の開口部から、補強材としての複数の棒状部材の各々について、各棒状部材の上端となる端部を中空部上方へ向けてそれぞれ挿入し、この挿入した端部を鉛直方向上側に位置する前記第2の開口部から外部へ抜き出して前記棒状部材の他端部が中空部に入るまで引き上げ、その後前記第2の開口部から外部に抜き出していた端部を再度中空部内に戻すことにより、前記複数の棒状部材を中空部へ挿入するステップと、
    このステップで挿入した複数の棒状部材を前記中空部で均等に配置するステップと、
    固化した後も収縮しない無収縮モルタルを前記中空部内の前記第2の開口部下端付近に達するまで注入するステップと、
    前記第1および第2の開口部付近の外周に、略鉛直または略水平方向に所定の耐力を有する複数のアラミド繊維シートを貼付するステップと、
    このステップで貼付したアラミド繊維シートの外周に鉄板またはフッ素塗料から成る防護部を設けるステップと
    を行うことを特徴とする鋼管柱の補強方法。
  3. 前記複数の棒状部材を前記中空部で均等に配置するに際して、
    前記複数の棒状部材の各々の上端に締結されるワイヤを貫通して前記複数の棒状部材を懸吊する補強材懸吊用治具と、
    前記複数の棒状部材の各々を貫通する貫通部を備え、前記第1または第2の開口部から前記中空部内に挿入可能な補強材配置用補助具と
    を用いることを特徴とする請求項1または2記載の鋼管柱の補強方法。
  4. 既設の鋼管柱を補強する鋼管柱の補強構造であって、
    補強する鋼管柱の側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる二つの領域にそれぞれ形成される第1および第2の開口部を介して前記鋼管柱の中空部に挿入される補強材としての複数の棒状部材と、
    前記第1または第2の開口部から中空部に挿入され、前記複数の棒状部材の各々を貫通する複数の貫通部を備えて成る補強材配置用補助具と、
    この補強材配置用補助具および前記複数の棒状部材と前記鋼管柱内壁面の隙間を充填するために注入され、固化した後も収縮しない無収縮モルタルと、
    前記第1および第2の開口部付近の外周に、略鉛直および略水平方向に所定の耐力を有するように貼付されて成る複数のアラミド繊維シートと、
    このアラミド繊維シートの外周に設けられる鉄板またはフッ素塗料から成る防護部と
    を備えたことを特徴とする鋼管柱の補強構造。
  5. 前記棒状部材は、略同径のアラミドロッドと一または二本の異型鉄筋とがほう縛されて成ることを特徴とする請求項4記載の鋼管柱の補強構造。
  6. 既設の鋼管柱の補強を行う際に当該鋼管柱の中空部へ挿入される補強材としての複数の棒状部材の一端にそれぞれ締結されるワイヤを前記中空部内で懸吊する鋼管柱の補強材懸吊用治具であって、
    前記中空部に挿入可能な円弧型をなす補強材固定部と、
    この補強材固定部の外周に沿って所定箇所溶接されて成り、前記中空部内に配置するとき前記鋼管柱の内壁面に当接する円弧型の当接部と、
    この当接部および補強材固定部のなす円弧を含む平面上に設けられ、前記平面に平行な開口面を有するとともに、前記棒状部材の上端に締結され、前記開口面を通過するワイヤをそれぞれ懸吊する複数の懸吊部と
    を備えたことを特徴とする鋼管柱の補強材懸吊用治具。
  7. 前記複数の懸吊部は、隣接する懸吊部間の距離がすべて等しいことを特徴とする請求項6記載の鋼管柱の補強材懸吊用治具。


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