JP2010077722A - 中空柱状物の補強方法、及び、中空柱状物の補強体 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数本の長尺な補強材を柱状物の上端から挿入しつつ、これら補強材を柱状物内部において確実に分散配置させることが可能な、中空柱状物の補強方法を提供することである。
【解決手段】中空状の電柱10の内部に、袋体2とこの袋体2に装着された複数本の長尺な補強材3とを有する補強体を電柱10の上端から挿入してから、袋体2の内部に流体を注入して袋体2を膨張させ、複数本の補強材3を電柱10の内部において分散配置させる。その後、電柱10の内部に、流動性固化材15を注入し、流動性固化材15を固化させる。
【選択図】図2
【解決手段】中空状の電柱10の内部に、袋体2とこの袋体2に装着された複数本の長尺な補強材3とを有する補強体を電柱10の上端から挿入してから、袋体2の内部に流体を注入して袋体2を膨張させ、複数本の補強材3を電柱10の内部において分散配置させる。その後、電柱10の内部に、流動性固化材15を注入し、流動性固化材15を固化させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、地面に立設された電柱等の中空柱状物を補強する技術に関する。
市街地には、ケーブルや電線等を支持する電柱などの種々の柱状物が設置されている。これらの柱状物の多くは、鉄筋コンクリートや鋼管等からなる中空形状の柱状物であり、その端部が地中に埋設された状態で地面に立設されている。このような中空柱状物は、長期間にわたり直射日光や風雨にさらされることから劣化が生じることは避けられず、特に、根元部付近において劣化が生じると柱状物が倒れる虞がある。また、電線等が架け渡される2本の柱状物の間には、電線等に常時生じている張力により互いに接近する方向に力が作用していることがあるが、この場合、根元部に大きな曲げ応力が作用するために亀裂等が生じやすい。
しかし、このような経年劣化や亀裂が生じた柱状物の全体を別の新しい柱状物と取り替えようとすると、架設されているケーブルや電線等を付け替えるなどの作業が必要であり、非常に手間がかかる。そこで、従来から、このような中空の柱状物を補強する方法が提案されている。
特許文献1には、中空の柱状物であるコンクリート製の電柱を、その内部から補強する補強方法が記載されている。詳細には、特許文献1の補強方法においては、まず、電柱側面に形成した側面開口から電柱内部に、複数本の補強材(アラミドロッド)を挿入するとともに、同じく側面開口から挿入したロッド配置用補助具によって複数本の補強材を電柱内部において分散配置させる。次に、側面開口を塞いだ後、電柱の上端(頂部)開口から無収縮モルタル等の流動性固化材を注入する。
前記特許文献1の補強方法では、柱状物の側面に側面開口を形成し、この側面開口から複数本の補強材やこれらの補強材を分散配置するための補助具を挿入している。しかし、側面の比較的小さな開口から挿入した複数本の長尺な補強材を、柱状物の内部に上下方向に沿って配置することは非常に困難な作業であり、補強材を上方から吊り下げる工程や、補助具により柱状物内部で補強材を保持する工程など、多数の工程を経て行われるため、補強材の挿入にかなりの時間と労力を必要とする。
また、柱状物に形成した開口から補助具を柱状物内部の所定位置に正しくセットし、この補助具を用いて複数本の長尺な補強材を柱状物内で確実に分散配置させることは非常に難しい。そして、補強材が分散配置されずに柱状物内部の一カ所に偏って配置されたり、あるいは、補強材が柱状物の内面にほとんど接触する程度に近接して配置された場合には、補強材による補強効果が薄れてしまう。
本発明の目的は、複数本の長尺な補強材を柱状物内に挿入しつつ、これら補強材を柱状物内部において確実に分散配置させることが可能な、中空柱状物の補強方法を提供することである。
第1の発明の中空柱状物の補強方法は、地面に立設された中空形状の柱状物を補強する方法であって、前記柱状物の内部に、袋体とこの袋体に装着された複数本の長尺な補強材とを有する補強体を、前記複数本の補強材が前記柱状物の長さ方向に沿うように挿入する、補強体挿入工程と、前記袋体の内部に流体を注入して袋体を膨張させる、袋体膨張工程と、前記柱状物の内部に、流動性固化材を注入する固化材注入工程と、前記柱状物内に注入された前記流動性固化材を固化させる固化工程とを備えていることを特徴とするものである。
この補強方法においては、袋体と複数本の長尺な補強材とを有する補強体を柱状物内に挿入し、複数本の補強体を前記柱状物の長さ方向に沿わせた後に、袋体に流体を注入して膨張させる。このとき、複数本の補強材は、柱状物内において袋体の膨張に応じて水平方向に移動し、1カ所に偏ることなく分散して配置される。その後、補強体が設置された柱状物の内部に流動性固化材を注入し、流動性固化材を固化させる。これにより、固化材中に複数本の補強体が偏ることなく分散配置された強固な補強構造が構成される。
このように、本発明によれば、補強材とともに柱状物内へ挿入した袋体を膨張させるという簡単な工程で、複数本の長尺な補強材を柱状物内部で容易に分散配置させることができる。また、袋体の主な役割は複数本の補強材を分散配置させることであるが、柱状物内に固化材が注入されて固化した後の状態では、袋体自体も補強材と同様に固化材中に含まれて補強構造の一部を担うことになり、柱状物内部の補強構造がより強固なものとなる。
第2の発明の中空柱状物の補強方法は、前記第1の発明において、前記補強体は、前記補強材の長さ方向に関して間隔を空けて配置される、複数の前記袋体を有することを特徴とするものである。
このように、複数の袋体が補強材の長さ方向に間隔を空けて配置されていると、袋体に流体が注入されたときに、1本の補強材の、複数の袋体にそれぞれ装着された複数の部分に、水平方向の力がそれぞれ作用する。従って、柱状物の内部に配置される補強材を、高さの異なる複数箇所において、複数の袋体によってそれぞれ水平方向に位置決めすることができ、補強材が、長さ方向途中部において撓んだ状態で柱状物内に設置されてしまうのを防止できる。また、複数の袋体に対してそれぞれ独立して流体を注入することで、複数の袋体が膨張するタイミングを異ならせることができる。これにより、例えば、複数の袋体のうち、下側に位置する袋体を先に膨張させて補強材の大まかな位置決めをした後に、上側に位置する別の袋体を膨張させて補強材の上部の位置を微調整することなどが可能となる。
第3の発明の中空柱状物の補強方法は、前記第1の発明において、前記袋体は、小径部とこの小径部よりも径の大きな大径部とを有する異径筒状に形成されており、前記複数本の補強材は、前記大径部に装着されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、袋体に流体が注入されて大径部が膨張したときに、補強材の、大径部に装着されている部分に水平方向の力が作用することにより、複数本の補強材が柱状物内において分散配置される。
第4の発明の中空柱状物の補強方法は、前記第3の発明において、前記袋体は、前記補強材の長さ方向に関して間隔を空けて配置される、複数の前記大径部を有することを特徴とするものである。
このように、袋体が、補強材の長さ方向に間隔を空けて配置される複数の大径部を有する場合には、袋体に流体が注入されたときに、1本の補強材の、複数の袋体にそれぞれ装着された複数の部分に、水平方向の力がそれぞれ作用する。従って、柱状物の内部に配置される補強材を、高さの異なる複数箇所において、複数の大径部によって水平方向にそれぞれ位置決めすることができ、補強材が、長さ方向途中部において撓んだ状態で柱状物内に設置されてしまうのを防止できる。また、複数の大径部は小径部を介して互いに連通しているため、1つの注入口から袋体内に流体を注入するだけで、複数の大径部をそれぞれ膨張させることができ、袋体膨張工程を短時間で且つ容易に行える。
第5の発明の中空柱状物の補強方法は、前記第3又は第4の発明において、前記複数本の補強材は、前記大径部のうちの、前記小径部に連なる径変化部を貫通した状態で前記袋体に装着されていることを特徴とするものである。
このように、大径部のうちの小径部に連なる径変化部に、複数本の補強材が貫通していると、袋体内に流体が注入されて大径部が膨張したときに、補強材と中空柱状物の内壁面との距離(被りともいう)が自動的に確保されるので、その後に流動性固化材を中空柱状物内に注入したときに、さらに高い補強効果が得られる。また、径変化部が、複数本の補強材の袋体への装着部となるため、補強材を袋体に装着するための装着部を袋体に特別に設ける必要がないし、補強材の装着作業も容易である。
第6の発明の中空柱状物の補強方法は、前記第1〜第5の何れかの発明において、前記袋体膨張工程において、前記袋体の内部に流動性固化材を注入して袋体を膨張させることを特徴とするものである。
本発明によれば、袋体に流動性固化材を注入することにより袋体を膨張させて、複数本の補強材を分散させた後、固化工程で袋体内の流動性固化材も固化させる。この場合には、袋体内にも固化材が充填された、より強固な補強構造が得られる。
第7の発明の中空柱状物の補強方法は、前記第1〜第5の何れかの発明において、前記袋体膨張工程において、前記袋体の内部に気体を注入して袋体を膨張させることを特徴とするものである。
強固な補強構造を得るという点では、袋体内にも固化材が充填されている方が好ましいのであるが、一方で、柱状物が、その下端から上端まで内部空間全体に固化材が充填された完全な中実構造になってしまうと、地面に立設されている柱状物に外力が作用したときに、柱状物の根元部分(地面に埋設されている下端部)に作用する曲げモーメントが大きくなる。そこで、本発明においては、袋体内に気体を注入することにより袋体を膨張させ、袋体が膨張している状態でその周囲の空間に流動性固化材を注入することにより、柱状物の一部空間(袋体内の空間)を中空状態にする。これにより、柱状物の根元部分に作用する曲げモーメントを低減することが可能となる。また、流動性固化材の使用量を減らすことができるという効果もある。
第8の発明の中空柱状物の補強方法は、前記第1〜第7の何れかの発明において、前記補強材は、可撓性を有することを特徴とするものである。
本発明において、補強材が「可撓性を有する」とは、湾曲させることが可能な程度の可撓性を有することを意味する。このように、補強材が可撓性を有する場合には、補強材を湾曲させながら柱状物の上端から挿入することが可能となり、鉄筋等の剛直な補強材を使用する場合のように、クレーン等で補強材を柱状物上方から吊り下げる必要がない。また、リール等で巻取られた状態で補強材を取り扱うことも可能であり、長尺な補強材の設置スペースが少なくて済む。そのため、狭小な現場でも施工が可能となり、また、施工自体も容易になる。
第9の発明の中空柱状物の補強方法は、前記第1〜第8の何れかの発明において、前記柱状物内に挿入された前記補強体の、前記複数本の補強材の上端部に、これら複数本の補強材の位置を規制する規制部材を取り付けることを特徴とするものである。
本発明によれば、複数本の補強材の上端部位置を規制部材によって規制した上で、それらの長さ方向途中部を、膨張した袋体によって分散させて位置決めすることができる。そのため、複数本の補強材を全長にわたってさらに容易に分散配置させることが可能となり、複数本の補強材が、袋体から離れた部分において撓んだり、偏って配置されたりするのを防止できる。
第10の発明の中空柱状物の補強体は、地面に立設された中空形状の柱状物を補強するために、前記柱状物内にその上端から挿入される補強体であって、袋体と、前記袋体に装着された複数本の長尺な補強材とを有することを特徴とするものである。
本発明の袋体と複数本の長尺な補強材とを有する補強体を、柱状物の上端から挿入して複数本の補強体を前記柱状物の長さ方向に沿って配置した後に、袋体に流体を注入して膨張させる。すると、複数本の補強材は、袋体の膨張に応じて水平方向に移動し、1カ所に偏ることなく分散して配置される。その後、柱状物の内部に流動性固化材を注入し、流動性固化材を固化させることで、固化材中に複数本の補強体が分散配置された強固な補強構造が得られる。
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、中空柱状物である電柱を補強する場合に本発明を適用した一例である。
まず、電柱10(図2参照)の内部に設置される補強体1について図1を参照して説明する。図1に示すように、補強体1は、袋体2と、この袋体2に装着された複数本の長尺な補強材3とを有する。
袋体2は、超高強力ポリエチレン繊維やアラミド繊維などの高強力繊維からなる、経糸及び緯糸によって織成された織物である。また、この袋体2の上端部には、後述するように、袋体2を膨張させる際にその内部に流体(流動性固化材)を注入するための注入管4が接続されている。尚、この袋体2は、内部に流体が注入されて膨張したときの径が電柱10の内径と同じかそれ以上であり、膨張状態で電柱10の内壁面に接触するようなものを使用する。
補強材3は、高い引張強度と可撓性とを兼ね備えた材料で形成されている。そのような材料としては、繊維強化プラスチック(FRP)が挙げられる。このFRPとしては、マトリクス樹脂がエポキシ系樹脂やポリエステル系樹脂等であり、強化繊維がカーボン繊維、ガラス繊維、あるいは、アラミド繊維等であるものを使用できる。あるいは、補強材3として、可撓性を有するピアノ線、ワイヤー等の金属線材を使用してもよい。また、補強材3は、後述する電柱10をその全長にわたって補強することができるように、電柱10の全長(例えば10m程度)とほぼ同じ長さを有する。
図1に示すように、複数本の補強材3は、袋体2を貫通してそれらの端部が袋体2から突き出した状態となるように、袋体2に挿通されている。尚、袋体2への補強材3の挿通は、袋体2の経糸・緯糸からなる織り目の隙間を用いてもよいし、はんだごて等を用いて袋体2に孔開け加工を施して行ってもよい。逆に、袋体2から見ると、袋体2は、平行に並んだ複数本の補強材3の一端部に串刺し状に装着された状態となっている。このように、複数本の補強材3が袋体2を貫通した状態で装着される場合には、補強材3を袋体2に装着するための装着部を袋体2に特別に設ける必要がないし、補強材3の装着作業も容易である。
次に、この補強体1を用いて電柱10を補強する方法について図2を参照して説明する。本実施形態では、補強対象である電柱10は鋼管製あるいはコンクリート製の中空柱状物である。また、その下端部が地中に埋設された状態で電柱10は地面20に立設されている。ここで、電柱10は、その全長にわたって径の変化しないストレート状のものであってもよいが、本実施形態では、図2に示すような先細り形状(テーパー状)に形成された電柱10を例に挙げて説明する。尚、この電柱10の具体的な寸法を挙げると、例えば、地上高さが8〜9m、埋設深さが約1.3m、電柱10の上端の径が約6cm、下端の径が約17cmとなる。
以下、電柱10の補強方法について詳細に説明する。まず、図2(a)に示すように、電柱10の上端部に設けられた末口部11を取り外し、電柱10の上端を開放する。
次に、図2(b)に示すように、袋体2、複数本の補強材3、及び、注入管4とを有する補強体1を、電柱10の上端開口10aから内部に挿入する(補強体挿入工程)。尚、ここで使用する補強体1は、現場で袋体2に複数本の補強材3を挿通させることにより作製してもよいし、予め袋体2に補強材3が挿通された状態の補強体1を現場に運搬して使用してもよい。
ここで、前述したように、補強材3は可撓性を有する材料で形成されていることから、複数本の補強材3を、ある曲率(例えば、曲率半径が2m以下)で湾曲させることができる。従って、図2(b)に示すように、電柱10の上端部に取り付けられたプーリ13を含む駆動装置12に補強体1を下方から供給し、この駆動装置12のプーリ13によって補強材3を湾曲させて下向きに方向を変えつつ、補強体1を電柱10の上端開口10aから内部に挿入していく。
従って、鉄筋等の剛直な補強材を使用する場合と異なり、クレーン等で補強材を吊り下げる作業が不要になるなど、挿入作業が容易になる。また、リール等に巻取られた状態で補強材3を取り扱うことも可能である。そのため、現場への補強材3の運搬が容易になるし、また、リール等に巻取られた状態から必要な量だけ補強材3を引き出して使用し、電柱10の長さに応じて補強材3の長さを現場で調整することも可能である。
また、この補強体挿入工程においては、補強体1を、補強材3の下端が電柱10の底面に当接するまで挿入する。そのため、挿入工程完了後には、補強材3の下端部に装着されている袋体2は、電柱10の下端部の内部(底面近傍)に配置されることになる。
次に、図2(c)に示すように、電柱10内に挿入された複数本の補強材3の、電柱10の上端開口10a付近に位置する上端部に、複数本の補強材3の水平方向の位置を主に規制するスペーサ5(規制部材)を取り付ける。図3は、図2(c)の電柱を上方から見た図である。この図3に示すように、スペーサ5は、電柱10の上端開口10aに対応した円板状の部材である。このスペーサ5の中心部には注入口5aが形成されており、後述するようにこの注入口5aから電柱10内に流動性固化材15が注入される。また、注入口5aの周囲領域の周方向等間隔位置には、複数本の補強材3にそれぞれ対応する複数の挿通孔5bが形成されている。そして、このスペーサ5は、電柱10内に挿入された複数本の補強材3の上端部が、複数の挿通孔5bにそれぞれ挿通された状態で、電柱10の上端部に取り付けられる。これにより、複数本の補強材3の水平方向の上端位置がスペーサ5によってそれぞれ規制される。
このスペーサ5の取付後に、袋体2に接続された注入管4を、無収縮モルタル等の流動性固化材を送出するポンプ(図示省略)に接続し、ポンプから注入管4を介して袋体2内に流動性固化材を注入して、図2(c)に示すように袋体2を膨張させる(袋体膨張工程)。
図4は、図2(c)の袋体2の周辺部分の拡大図である。袋体2に流動性固化材を注入して膨張させると、袋体2に挿通された複数本の補強材3の下端部は、袋体2の膨張に応じて電柱10内で広がるように水平方向に移動する。従って、電柱10への挿入時には、複数本の補強材3が電柱内の1カ所に偏った状態であったとしても、図4に示すように、袋体2の膨張に応じて複数本の補強材3は水平方向にそれぞれ分散し、互いに間隔を空けて配置される。また、複数本の補強材3は、袋体2を貫通した状態で袋体2に装着されている。そのため、分散配置された各々の補強材3と電柱10の内壁面との間の被り(図4に示される間隔a)が自動的に確保される。また、袋体2が膨張した後の電柱10内の補強材3の分散位置は、補強材3の袋体2への挿通位置によって定まる。言い換えれば、袋体2の所定の挿通位置(例えば、周方向等間隔位置)において複数本の補強材3をそれぞれ挿通し、袋体2に流動性固化材を注入して袋体2を膨張するだけで、前記挿通位置に応じた電柱10内の所定の位置に複数本の補強材3を分散させることができる。
次に、図2(d)に示すように、スペーサ5の注入口5aに注入管14を介してポンプ(図示省略)を接続し、ポンプから注入管14を介して、電柱10の内部に無収縮モルタル等の流動性固化材15を注入する(固化材注入工程)。
そして、電柱10の上端まで流動性固化材15が注入されたら、電柱10の上端部に末口部11を取り付け、上端開口10aを塞いでそのまま放置し、電柱10内の流動性固化材15(袋体2内の固化材を含む)を固化させる(固化工程)。このように、流動性固化材15の電柱10内への注入が終了すれば、後はその状態のまま放置するだけで流動性固化材15が自然に固化していくため、固化材注入工程の完了により実質的な作業は終了する。
そして、流動性固化材15が完全に固化したときに、固化材中に複数本の補強材3が分散配置されるとともに、被り(図4に示される間隔a)も適切に確保された、強固な補強構造が得られる。また、超高強力ポリエチレン繊維やアラミド繊維等の高強力繊維からなる袋体2が、補強材3と同様に補強構造の一部を担っているため、固化材15と補強材3のみの補強構造と比べて、さらに強固なものとなる。また、本実施形態では、袋体2を膨張させるための流体として、固化材注入工程で電柱10内に注入する流動性固化材15を使用し、電柱10内の流動性固化材15と袋体2内の流動性固化材の両方を固化させる。そのため、袋体2内にも固化材が充填された、より強固な補強構造が得られる。
以上説明した電柱10の補強方法によれば、次のような効果が得られる。
電柱10の上端から補強材3を挿入することから、電柱10の側面に補強材3を挿入するための開口を別途形成する必要がなく、補強材3の挿入作業も容易である。さらに、補強材3とともに電柱10内へ挿入した袋体2を膨張させるという簡単な工程で、複数本の長尺な補強材3を電柱10内部で容易に分散配置させることができる。また、袋体2の主な役割は複数本の補強材3を分散配置させることであるが、電柱10内に流動性固化材15が注入された状態では、袋体2自体も補強材3と同じく固化材15中に含まれて補強構造の一部を担うことになり、電柱10内部の補強構造がより強固なものとなる。さらに、袋体2を折り畳むことができるため、電柱10の上端開口10aが小さくても内部に挿入しやすく、上端部がテーパー状に細くなった電柱に対して特に有効である。
電柱10の上端から補強材3を挿入することから、電柱10の側面に補強材3を挿入するための開口を別途形成する必要がなく、補強材3の挿入作業も容易である。さらに、補強材3とともに電柱10内へ挿入した袋体2を膨張させるという簡単な工程で、複数本の長尺な補強材3を電柱10内部で容易に分散配置させることができる。また、袋体2の主な役割は複数本の補強材3を分散配置させることであるが、電柱10内に流動性固化材15が注入された状態では、袋体2自体も補強材3と同じく固化材15中に含まれて補強構造の一部を担うことになり、電柱10内部の補強構造がより強固なものとなる。さらに、袋体2を折り畳むことができるため、電柱10の上端開口10aが小さくても内部に挿入しやすく、上端部がテーパー状に細くなった電柱に対して特に有効である。
また、補強材3が可撓性を有する材料からなるため、補強材3を湾曲させながら電柱10の上端から挿入することが可能となり、鉄筋等の剛直な補強材3を使用する場合のように、クレーン等で補強材3を電柱10の上方から吊り下げる必要がない。また、リール等で巻取られた状態で補強材3を取り扱うことも可能であり、長尺な補強材3の設置スペースが少なくて済む。そのため、狭小な現場でも施工が可能となり、また、施工自体も容易になる。
複数本の補強材3の上端部位置をスペーサ5によって規制した上で、それらの下端部を膨張する袋体2によって分散した状態に位置決めすることができる。そのため、複数本の補強材3を、全長にわたって分散配置することが可能となり、複数本の補強材3が、袋体2から離れた部分において撓んだり、偏って配置されたりするのを防止できる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(変更形態1)
前記実施形態では、補強体1を電柱10内に挿入し、袋体2を膨張させてから、電柱10内に流動性固化材15を注入している。しかし、膨張状態の袋体2が電柱10の内壁面の周方向全域にわたって密着する場合には、袋体2で栓をしたような状態になり、その後に注入された流動性固化材15が、袋体2よりも下側の空間に充填されにくい。そこで、このような場合には、流動性固化材15の電柱10内への注入を、補強体1を挿入する前後の2回に分けて行ってもよい。
前記実施形態では、補強体1を電柱10内に挿入し、袋体2を膨張させてから、電柱10内に流動性固化材15を注入している。しかし、膨張状態の袋体2が電柱10の内壁面の周方向全域にわたって密着する場合には、袋体2で栓をしたような状態になり、その後に注入された流動性固化材15が、袋体2よりも下側の空間に充填されにくい。そこで、このような場合には、流動性固化材15の電柱10内への注入を、補強体1を挿入する前後の2回に分けて行ってもよい。
即ち、補強体1を電柱10内に挿入する前に、電柱10の下端部の内部に流動性固化材15を注入する。次に、先に注入した固化材15が流動性を有する間に、その固化材15中に補強材3の先端部を差し込みつつ補強体1を電柱10内に設置する。その後、袋体2を膨張させて複数本の補強材3を分散させてから、電柱10内における袋体2よりも上側の空間に流動性固化材15を注入する。
尚、袋体2を膨張させるための袋体2内への流動性固化材15の注入と、電柱10内における袋体2よりも上部の空間への流動性固化材15の注入とを、例えば、以下のようにして、1回の注入作業で行うことも可能である。即ち、図5(a)に示すように、まず、畳まれた状態の袋体2と複数本の補強材3とからなる補強体1を電柱10内に挿入し、袋体2を電柱10内の最下部に設置する。そして、図5(b)に示すように、電柱10の内壁面と畳まれた状態の袋体2の間から、電柱10の袋体2よりも下側の空間10aに流動性固化材15を注入する(固化材1次注入)。
次に、図5(b)に示すように、袋体2の上端からその内部に流動性固化材15を注入して袋体2の下端部(補強材3が挿通された部分)を膨張させ、複数本の補強材3を分散させる(固化材2次注入)。その後、袋体2の上部(補強材3が挿通された部分よりも上側の部分)に開口2aを形成した後、袋体2内への固化材15の注入(2次注入)を再開する。すると、袋体2内の流動性固化材15の水位が上部開口2aの位置まで上昇したときに、この上部開口2aから袋体2外へ流動性固化材15が溢れ出ることになるため、袋体2よりも上側の空間10bへの固化材15の注入を引き続いて行うことができる。
また、袋体2に直接固化材15を注入するのではなく、前記実施形態のように、注入用の注入管4が別途装着されている場合には、袋体2が完全に膨張するまでの注入途中で開口2aから固化材15が漏れ出すことは少ないことから、電柱10内への挿入前に袋体2の上端部に予め開口2aを形成しておくことも可能である。
(変更形態2)
図1に示すように、前記実施形態では、複数本の補強材3が、袋体2を貫通してそれらの端部が袋体2から突き出していたが、図6に示すように、複数本の補強材3の、袋体2に挿入された端部が袋体2から突き出していなくてもよい。
図1に示すように、前記実施形態では、複数本の補強材3が、袋体2を貫通してそれらの端部が袋体2から突き出していたが、図6に示すように、複数本の補強材3の、袋体2に挿入された端部が袋体2から突き出していなくてもよい。
(変更形態3)
図7に示すように、補強体が、補強材3の長さ方向に間隔を空けて配置された、複数の袋体2を備えているものであってもよい。この場合には、複数の袋体2がそれぞれ膨張したときに、1本の補強材3の、複数の袋体2に挿通されている部分に対して、それぞれ水平方向の力が作用する。従って、図8に示すように、電柱10の内部に配置される補強材3を、高さの異なる複数の箇所において複数の袋体2でそれぞれ位置決めすることができる。特に、先細り状(テーパー状)の電柱10においては、長尺な補強材3は、その自重によって長さ方向途中部において撓みやすく、電柱10の内壁面に沿わせることが難しいが、補強材3の両端部だけでなく、その途中部も袋体2で位置決めすることにより、途中部における撓みを抑制することが可能となる。
図7に示すように、補強体が、補強材3の長さ方向に間隔を空けて配置された、複数の袋体2を備えているものであってもよい。この場合には、複数の袋体2がそれぞれ膨張したときに、1本の補強材3の、複数の袋体2に挿通されている部分に対して、それぞれ水平方向の力が作用する。従って、図8に示すように、電柱10の内部に配置される補強材3を、高さの異なる複数の箇所において複数の袋体2でそれぞれ位置決めすることができる。特に、先細り状(テーパー状)の電柱10においては、長尺な補強材3は、その自重によって長さ方向途中部において撓みやすく、電柱10の内壁面に沿わせることが難しいが、補強材3の両端部だけでなく、その途中部も袋体2で位置決めすることにより、途中部における撓みを抑制することが可能となる。
また、この図7の補強体においては、複数の袋体2に対してそれぞれ独立して流体を注入することで、複数の袋体2が膨張するタイミングを異ならせることができる。これにより、例えば、複数の袋体2のうち、下側に位置する袋体2を先に膨張させて、補強材3の大まかな位置決めをした後に、上側に位置する別の袋体2を膨張させて、補強材3の上部の位置を微調整することなどが可能となる。
尚、補強材3の撓みを防止するためには袋体2が複数存在することが必須というわけではなく、袋体2が1つであっても補強材3の撓みを抑制することは可能である。例えば、図9(a)に示すように、袋体2が膨張して電柱10の内壁面に密着している状態では、補強材3を上方に引っ張っても補強材3が上方に移動してしまうことはない。そこで、袋体2を膨張させた後に、図9(b)に示すように、複数本の補強材3をそれぞれ上方に引っ張ることで、補強材3を緊張させて撓みを低減し、所定量の被り(補強材3の電柱10の内壁面との距離)を確保することができる。尚、この場合には、図9(b)に拡大図で示すように、補強材3を上方へ引っ張ったときに、補強材3が袋体2から抜けてしまうのを防止する抜け止め40が、袋体2に挿通された後の補強材3の先端部に取り付けられていることが好ましい。
(変更形態4)
図10に示すように、袋体2Aが、小径部30とこの小径部30よりも径(幅)が大きな大径部31とを有する、異径筒状の織物であり、大径部31に複数本の補強材3が装着(挿通)された構成であってもよい。この形態では、小径部30を介して大径部31に流体を注入することにより袋体2Aを膨張させる。そして、袋体2Aが膨張したときには、前記実施形態と同様に、補強材3の大径部31に挿通されている部分に局所的に水平方向の力が作用することで、複数本の補強材3が電柱10内において分散配置される。
図10に示すように、袋体2Aが、小径部30とこの小径部30よりも径(幅)が大きな大径部31とを有する、異径筒状の織物であり、大径部31に複数本の補強材3が装着(挿通)された構成であってもよい。この形態では、小径部30を介して大径部31に流体を注入することにより袋体2Aを膨張させる。そして、袋体2Aが膨張したときには、前記実施形態と同様に、補強材3の大径部31に挿通されている部分に局所的に水平方向の力が作用することで、複数本の補強材3が電柱10内において分散配置される。
(変更形態5)
図11に示すように、袋体2Bが、補強材3の長さ方向に間隔を空けて配置された複数の大径部31を有し、複数の大径部31がそれらの間の小径部30によって連通した異径筒状織物であってもよい。この場合、前記変更形態3(図7)と同様に、電柱10の内部に配置される補強材3を、高さの異なる複数の箇所において、複数の大径部31でそれぞれ位置決めすることができる。また、複数の大径部31は小径部30を介して互いに連通しているため、1つの注入口から袋体2B内に流体を注入するだけで、複数の大径部31をそれぞれ膨張させることができ、袋体膨張工程を短時間で且つ容易に行えるという利点もある。
図11に示すように、袋体2Bが、補強材3の長さ方向に間隔を空けて配置された複数の大径部31を有し、複数の大径部31がそれらの間の小径部30によって連通した異径筒状織物であってもよい。この場合、前記変更形態3(図7)と同様に、電柱10の内部に配置される補強材3を、高さの異なる複数の箇所において、複数の大径部31でそれぞれ位置決めすることができる。また、複数の大径部31は小径部30を介して互いに連通しているため、1つの注入口から袋体2B内に流体を注入するだけで、複数の大径部31をそれぞれ膨張させることができ、袋体膨張工程を短時間で且つ容易に行えるという利点もある。
尚、上述した変更形態4,5においては、図10、図11に示されているように、複数本の補強材3は、大径部31のうちの、小径部30に連なる径変化部31aを貫通した状態で袋体2A(2B)に装着されていることが好ましい。このように、大径部31のうちの、小径部30に連なる径変化部31aに複数本の補強材3が貫通していると、大径部31が膨張したときに、補強材3と電柱10の内壁面との距離(被りともいう)が自動的に確保される。従って、その後、流動性固化材15を電柱10内に注入したときには、さらに高い補強効果が得られる。また、径変化部31aが、複数本の補強材3の袋体2A(2B)への装着部となるため、補強材3を袋体2A(2B)に装着するための装着部を袋体2A(2B)に特別に設ける必要がないし、補強材3の装着作業も容易である。
(変更形態6)
電柱10が先細りのテーパー状である場合には、図12に示すように、袋体2Cが、電柱10に対応して、先端ほど径が小さい、先細りのテーパー状に形成された異径筒状袋体であってもよい。この場合、変更形態4(図10)の、小径部30と大径部31とを有する異径筒状袋体2Aと比較すると、補強材3が電柱10のテーパーに沿いやすくなり、補強材3が長くても中弛みが生じにくい。そのため、図10の形態では途中部による中弛みによって被りが大きくなりやすいのに対して、この図12の形態では、長さ方向に関して被りの変化(ばらつき)が小さくなる。また、袋体2C内に流動性固化材15を注入したときに、補強材3に曲げがかかりにくくなる。
電柱10が先細りのテーパー状である場合には、図12に示すように、袋体2Cが、電柱10に対応して、先端ほど径が小さい、先細りのテーパー状に形成された異径筒状袋体であってもよい。この場合、変更形態4(図10)の、小径部30と大径部31とを有する異径筒状袋体2Aと比較すると、補強材3が電柱10のテーパーに沿いやすくなり、補強材3が長くても中弛みが生じにくい。そのため、図10の形態では途中部による中弛みによって被りが大きくなりやすいのに対して、この図12の形態では、長さ方向に関して被りの変化(ばらつき)が小さくなる。また、袋体2C内に流動性固化材15を注入したときに、補強材3に曲げがかかりにくくなる。
(変更形態7)
前記実施形態では、袋体2内に流動性固化材15を注入することにより袋体2を膨張させており、注入後には、袋体2内の流動性固化材15も固化することになる。これは、強固な補強構造を得るという点では好ましいのであるが、その一方で、電柱10の構造が、その下端から上端まで内部空間全体に固化材が充填された完全な中実構造になってしまうため、地面に立設されている電柱10に外力が作用したときに、電柱10の根元部分(地面に埋設されている下端部)に作用する曲げモーメントが大きくなる。
前記実施形態では、袋体2内に流動性固化材15を注入することにより袋体2を膨張させており、注入後には、袋体2内の流動性固化材15も固化することになる。これは、強固な補強構造を得るという点では好ましいのであるが、その一方で、電柱10の構造が、その下端から上端まで内部空間全体に固化材が充填された完全な中実構造になってしまうため、地面に立設されている電柱10に外力が作用したときに、電柱10の根元部分(地面に埋設されている下端部)に作用する曲げモーメントが大きくなる。
そこで、袋体膨張工程において、袋体2に気体(例えば、圧縮空気)を注入することにより、袋体2を膨張させてもよい。そして、袋体2が注入された気体によって膨張している状態で、その周囲の空間に流動性固化材15を注入する。すると、電柱10内の一部空間(袋体2内の空間)が中空状態のままで、周囲の流動性固化材15が固化する。これにより、電柱10の根元部分に作用する曲げモーメントを低減することが可能となる。特に、電柱10内の、地面よりも上方の位置に袋体2が配置されている場合(例えば、図7参照)に、袋体2内を中空にすることによる曲げモーメント低減効果は大きくなる。また、流動性固化材15の使用量を減らすことができるという効果もある。
(変更形態8)
前記実施形態では、袋体2と複数の補強材3とからなる補強体1を、電柱10の上端開口10aから電柱10内に挿入しているが(図2(b)参照)、電柱10の側面に開口を形成し、その側面開口から補強体1を挿入するようにしてもよい。この場合、上端から挿入する場合に比べて、挿入直後の状態において、複数の補強材3が電柱10内で偏って配置されやすいと考えられるが、その後に袋体2内に流動性固化材15を注入して袋体2を膨張させることにより、補強材3を分散させることができるため、挿入直後の補強材3の状態はそれほど気にする必要はない。
前記実施形態では、袋体2と複数の補強材3とからなる補強体1を、電柱10の上端開口10aから電柱10内に挿入しているが(図2(b)参照)、電柱10の側面に開口を形成し、その側面開口から補強体1を挿入するようにしてもよい。この場合、上端から挿入する場合に比べて、挿入直後の状態において、複数の補強材3が電柱10内で偏って配置されやすいと考えられるが、その後に袋体2内に流動性固化材15を注入して袋体2を膨張させることにより、補強材3を分散させることができるため、挿入直後の補強材3の状態はそれほど気にする必要はない。
(変更形態9)
補強材3としては、FRPのような可撓性を有する材料からなるものに限られず、鉄筋等の剛直なものを用いることも可能である。
補強材3としては、FRPのような可撓性を有する材料からなるものに限られず、鉄筋等の剛直なものを用いることも可能である。
(変更形態10)
前記実施形態では、袋体2に補強材3を挿通することにより、補強材3の袋体2への装着を行っているが、ワイヤや糸を用いて補強材3を袋体2にくくりつけるなどの、他の装着方法を採用してもよい。
前記実施形態では、袋体2に補強材3を挿通することにより、補強材3の袋体2への装着を行っているが、ワイヤや糸を用いて補強材3を袋体2にくくりつけるなどの、他の装着方法を採用してもよい。
(変更形態11)
前記実施形態では、流動性固化材として、時間経過とともに固化するモルタルを例に挙げているが、加熱処理を施すことによって初めて硬化する熱硬化性樹脂など、常温で放置するだけでは固化せず、特別な固化処理が必要なものを使用することもできる。
前記実施形態では、流動性固化材として、時間経過とともに固化するモルタルを例に挙げているが、加熱処理を施すことによって初めて硬化する熱硬化性樹脂など、常温で放置するだけでは固化せず、特別な固化処理が必要なものを使用することもできる。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、電柱を補強する場合に本発明を適用した例であるが、本発明の適用対象は電柱に限られるものではなく、看板等の構造物を支持する支柱など、電柱以外の種々の中空柱状物に対しても本発明を適用することができる。
1 補強体
2,2A,2B,2C 袋体
3 補強材
5 スペーサ
10 電柱
10a 上端開口
15 流動性固化材
30 小径部
31 大径部
2,2A,2B,2C 袋体
3 補強材
5 スペーサ
10 電柱
10a 上端開口
15 流動性固化材
30 小径部
31 大径部
Claims (10)
- 地面に立設された中空形状の柱状物を補強する方法であって、
前記柱状物の内部に、袋体とこの袋体に装着された複数本の長尺な補強材とを有する補強体を、前記複数本の補強材が前記柱状物の長さ方向に沿うように挿入する、補強体挿入工程と、
前記袋体の内部に流体を注入して袋体を膨張させる、袋体膨張工程と、
前記柱状物の内部に、流動性固化材を注入する固化材注入工程と、
前記柱状物内に注入された前記流動性固化材を固化させる固化工程と、
を備えていることを特徴とする中空柱状物の補強方法。 - 前記補強体は、前記補強材の長さ方向に関して間隔を空けて配置される、複数の前記袋体を有することを特徴とする請求項1に記載の中空柱状物の補強方法。
- 前記袋体は、小径部とこの小径部よりも径の大きな大径部とを有する異径筒状に形成されており、
前記複数本の補強材は、前記大径部に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の中空柱状物の補強方法。 - 前記袋体は、前記補強材の長さ方向に関して間隔を空けて配置される、複数の前記大径部を有することを特徴とする請求項3に記載の中空柱状物の補強方法。
- 前記複数本の補強材は、前記大径部のうちの、前記小径部に連なる径変化部を貫通した状態で前記袋体に装着されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の中空柱状物の補強方法。
- 前記袋体膨張工程において、前記袋体の内部に流動性固化材を注入して袋体を膨張させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の中空柱状物の補強方法。
- 前記袋体膨張工程において、前記袋体の内部に気体を注入して袋体を膨張させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の中空柱状物の補強方法。
- 前記補強材は、可撓性を有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の中空柱状物の補強方法。
- 前記柱状物内に挿入された前記補強体の、前記複数本の補強材の上端部に、これら複数本の補強材の位置を規制する規制部材を取り付けることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の中空柱状物の補強方法。
- 地面に立設された中空形状の柱状物を補強するために、前記柱状物内にその上端から挿入される補強体であって、
袋体と、前記袋体に装着された複数本の長尺な補強材とを有することを特徴とする中空柱状物の補強体。
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