JP4928429B2 - トンネルアーチコンクリート鉄筋自立工法 - Google Patents
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このような特許文献1の吊り金具は、連結ナットと、この連結ナットに螺合可能な吊ボルトと、この吊ボルトに螺合された支持ナットと、この支持ナットに固着され、アーチ型鉄筋に接合される段取り鉄筋を着脱可能に把持する鉄筋把持具とを備えている。そして、この吊り金具の連結ナットは、一次覆工コンクリート内に埋め込み設置されたH型鋼の表面に突設された固定ボルトと螺合しており、これら固定ボルトと連結ナットとの間に防水シートが挟み込まれている。
また、このようにアーチ型鉄筋を立たせるために、上記のような吊り金具を設けたり、この吊り金具を固定するためのH型鋼等の設備を一次覆工コンクリート内に埋め込んだりすると、施工工程が多くなる場合がある。それだけでなく、吊り金具やH型鋼等の設備は覆工コンクリート内に埋められたままの状態となるため、コストがかかる場合もある。
この鉄筋組立用台車の周囲に、前記トンネルの内壁面に沿ってアーチ型に鉄筋を組み立てるとともに、このアーチ型鉄筋の上部アーチの下面に、前記トンネルの延在方向に沿ってレールを取付固定し、さらに、前記アーチ型鉄筋を、前記レールを前記レール受け金具で受けるようにして前記鉄筋組立用台車によって支持し、
次に、前記トンネルの延在方向に直交するようにして前記アーチ型鉄筋の上部アーチの両端部間に張架されるタイロッドを、前記トンネルの延在方向に沿って複数並設しながら、前記鉄筋組立用台車を前記トンネルの先へと進行させ、
その後、上部にレール受け金具が設けられたスライドセントルを、前記トンネル内の所定の位置まで進入させ、このスライドセントルによって、前記アーチ型鉄筋を、前記レールを前記レール受け金具で受けるようにして支持しながら、このスライドセントルの付近に設けられた前記タイロッドを取り外し、
このタイロッドの取り外し後、前記アーチ型鉄筋を、このアーチ型鉄筋と前記スライドセントルの型枠面との間に隙間を形成するスペーサーを介して、前記スライドセントルによって支持しながら、前記レール受け金具をスライドセントルから取り外すとともに、前記レールをアーチ型鉄筋から取り外し、
その後、前記トンネルの内壁面と、前記スライドセントルの型枠面との間にコンクリートを打設することを特徴とする。
また、このようにタイロッドを張架することでアーチ型鉄筋を自立させておくことができるので、このアーチ型鉄筋を組み立てる作業を行うにあたって、従来とは異なり、トンネルの内壁面に吊り金具を突設したり、吊り金具を固定するための設備等を設けたりする必要がない。これによって、吊り金具や吊り金具固定用の設備にかかる分のコストを低減させることができるとともに、吊り金具を固定したり、吊り金具固定用の設備を設置したり等のようなアーチ型鉄筋を組み立てる前段階の作業を省略して施工性を向上させることができる。
さらに、このようにアーチ型鉄筋を自立させる際に、従来のような吊り金具を必要としないので、例えばボルト等によって防水シートを貫く必要がない。これによって、従来とは異なり、防水シートに対して止水処理を行う必要がなく、手間を省くとともに止水性を向上させることができる。
また、図2〜図4は、前記トンネル1の内壁面1aに沿って前記アーチ型鉄筋3を組み立ててから、このアーチ型鉄筋3をアンカー鉄筋としてコンクリート8を打設してトンネル1を構築する状態を示したものである。
このアーチ型鉄筋3は、図1に示すように、前記トンネル1の天井部分に沿って位置する上部アーチ3aと、前記トンネル1の側壁部分に位置する両側部3bとからなる。
本実施の形態のレール受け金具12としては、前記レール4の延在方向に沿って回転自在な複数のローラ12aを有するローラコンベアが用いられている。また、このレール受け金具12は、このレール受け金具12を前記レール4の高さまで到達させるための支柱12bの上端部に取り付けられている。
なお、このことは、図6および図7に示すように、後述するスライドセントル20にも当てはまるものである。
つまり、鉄筋を徐々に組み立てていく過程で、前記レール4を前記上部アーチ3aの下面に取付固定するとともに、徐々に組み立てられていく鉄筋を、前記レール受け金具12を介して前記鉄筋組立用台車10によって支持する。これによって、徐々に組み立てられて重量が増えていくアーチ型鉄筋3を、前記鉄筋組立用台車10によって確実に支持しながら、組立作業を行うことができるので、組立作業中の前記アーチ型鉄筋3の倒壊等を確実に防ぐことができる。
このようにタイロッド5を、前記アーチ型鉄筋3の上部アーチ3aの両端部間に張架することによって、前記アーチ型鉄筋3の外側への広がり変形を抑制できるとともに、前記上部アーチ3aの下方への変形も抑制することができるので、前記アーチ型鉄筋3を確実に自立させることが可能となる。
また、この型枠面23には窓部23aが形成されており、前記レール受け金具22は、開放された状態の窓部23aから型枠面23よりも外側に突出して、前記アーチ型鉄筋3を支持している。
つまり、前記タイロッド5は、前記鉄筋組立用台車10がトンネル1の先へと進行してから、このスライドセントル20が進入してくるまで、前記アーチ型鉄筋3を自立させておけばよい。
また、前記レール4を前記アーチ型鉄筋3から取り外すのは、打設されるコンクリート8内に埋め込む必要がないためである。これによって、前記レール4を使いまわすことができ、コストの低減を図ることができる。
さらに、前記アーチ型鉄筋3を、前記スペーサー6を介して前記スライドセントル20によって支持することで、前記アーチ型鉄筋3と型枠面23との間に隙間を形成できるので、前記トンネル1の内壁面1aと前記型枠面23との間に打設されるコンクリート8が、前記アーチ型鉄筋3よりも厚みをもって形成されることとなる、これによって前記コンクリート8は、前記アーチ型鉄筋3を露出させずに確実に内包することとなり、十分かつ強固に補強がなされたトンネル壁面を形成することが可能となる。
さらに、このスペーサー6に、例えば鉄筋を把持するための把持部を具備させることで、前記アーチ型鉄筋3への取り付けが容易となる。
また、このように前記タイロッド5を張架することで、前記アーチ型鉄筋3を自立させておくことができるので、このアーチ型鉄筋3を組み立てる作業を行うにあたって、従来とは異なり、トンネル1の内壁面1aに吊り金具を突設したり、吊り金具を固定するための設備等を設けたりする必要がない。これによって、吊り金具や吊り金具固定用の設備にかかる分のコストを低減させることができるとともに、吊り金具を固定したり、吊り金具固定用の設備を設置したり等のようなアーチ型鉄筋3を組み立てる前段階の作業を省略して施工性を向上させることができる。
さらに、このように前記アーチ型鉄筋3を自立させる際に、従来のような吊り金具を必要としないので、例えばボルト等によって前記防水シート2を貫く必要がない。これによって、従来とは異なり、前記防水シート2に対して止水処理を行う必要がなく、手間を省くとともに止水性を向上させることができる。
1a 内壁面
2 防水シート
3 アーチ型鉄筋
3a 上部アーチ
4 レール
5 タイロッド
10 鉄筋組立用台車
12 レール受け金具
20 スライドセントル
22 レール受け金具
Claims (3)
- 上部にレール受け金具が設けられた鉄筋組立用台車を、予め防水シートが内壁面に貼設されたトンネル内の所定の位置まで進入させた後、
この鉄筋組立用台車の周囲に、前記トンネルの内壁面に沿ってアーチ型に鉄筋を組み立てるとともに、このアーチ型鉄筋の上部アーチの下面に、前記トンネルの延在方向に沿ってレールを取付固定し、さらに、前記アーチ型鉄筋を、前記レールを前記レール受け金具で受けるようにして前記鉄筋組立用台車によって支持し、
次に、前記トンネルの延在方向に直交するようにして前記アーチ型鉄筋の上部アーチの両端部間に張架されるタイロッドを、前記トンネルの延在方向に沿って複数並設しながら、前記鉄筋組立用台車を前記トンネルの先へと進行させ、
その後、上部にレール受け金具が設けられたスライドセントルを、前記トンネル内の所定の位置まで進入させ、このスライドセントルによって、前記アーチ型鉄筋を、前記レールを前記レール受け金具で受けるようにして支持しながら、このスライドセントルの付近に設けられた前記タイロッドを取り外し、
このタイロッドの取り外し後、前記アーチ型鉄筋を、このアーチ型鉄筋と前記スライドセントルの型枠面との間に隙間を形成するスペーサーを介して、前記スライドセントルによって支持しながら、前記レール受け金具をスライドセントルから取り外すとともに、前記レールをアーチ型鉄筋から取り外し、
その後、前記トンネルの内壁面と、前記スライドセントルの型枠面との間にコンクリートを打設することを特徴とするトンネルアーチコンクリート鉄筋自立工法。 - 前記鉄筋組立用台車のレール受け金具および前記スライドセントルのレール受け金具は、前記レールの延在方向に沿って回転自在な複数のローラを有するローラコンベアであることを特徴とする請求項1に記載のトンネルアーチコンクリート鉄筋自立工法
- 前記アーチ型鉄筋の側部に、互いに交差させた複数のワイヤーを、前記トンネルの延在方向に沿って張設することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトンネルアーチコンクリート鉄筋自立工法。
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