JP4145189B2 - トンネル支保の構築方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトンネル支保の構築方法に係り、特に既設トンネルの断面拡幅により新設トンネルを構築する際に、新設トンネルの掘削に伴う支保構造としてプレキャストコンクリート製のアーチ版からなる支保工を連続して構築するようにしたトンネル支保の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、老朽化した山岳トンネルの改築あるいはトンネル交通量の増大に伴う断面拡幅、車線増に対応するため、既設トンネルの断面拡幅工事が各地で実施されている。これらの拡幅工事は、既設トンネルにおける、従来の交通量を考慮した活線工事(車両通行を可能にした状態で工事を並行して行う)で施工されることが多い。この活線工事では、一般車両が既設トンネル内及び工事中の新設トンネル内を安全に通行できるように、防護工を設ける必要がある。従来、多くの同種の工事では、トンネル全長を覆う定置式、あるいは拡幅工事の進行に伴って移動させて工事区域を覆う移動式の一般車両保護構造(以下、プロテクタと呼ぶ。)が用いられている。
【0003】
この既設トンネルの拡幅工事としては、山岳トンネルの標準工法としてのNATM等が広く採用されているが、出願人は、山岳トンネル工法に代わる有効な工法として、横引きベアリング工法(特許文献1参照)を用いたトンネル覆工の押出し工法を開発している。横引きベアリング工法は、摩擦低減手段としてのベアリングボールを利用してボックスカルバート等のプレキャストコンクリート製品の合理的な連続布設を可能にしたものである。さらにこの工法を基礎技術として、単位幅のプレキャストコンクリート部材を延長方向に多数連結してなるトンネル覆工の押出し工法としてのトンネル連続構築方法も提案している(特許文献2参照)。これらの発明により、トンネル内に設置されるプレキャストコンクリート製のアーチ版の応力状態の安定を図りつつ、アーチ版を迅速に横引きしてトンネル構造を連続構築するを実現した。
【0004】
【特許文献1】
特許第2879021号公報
【特許文献2】
特開2002−250044公報(第2頁〜第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、既設トンネルを拡幅して新設トンネルを構築するには、上述したように既設トンネルのコンクリート覆工を撤去し、覆工背面のトンネル周辺地山を所定範囲にわたり掘削することになるが、既設トンネルは掘削後、長期間を経ている場合が多く、地山応力再配分が進行し、トンネルの内空方向応力が比較的安定していることが多く、新設トンネルの断面掘削による地山の内空側への変位が小さいことが予想される。したがって、当初より地山分類が不良であるような区間を除き、従来のトンネル掘削のように、掘削直後に鋼製支保工を建て込み、吹付けコンクリート、ロックボルト等の支保構造の施工を要しない場合が多い。
【0006】
また、このアーチ支保工は、掘削直後の支保構造としてのみならず、対象となる既設トンネルの完成後に作用する全土被り荷重を、あるいは所定緩み高さの緩み荷重を負担可能な永久構造物としての覆工構造として機能させることが可能である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、トンネル支保の構築方法において、掘削直後の支保工として、トンネル内に連続搬入されたプレキャストコンクリート製のアーチ版を用い、このアーチ版をさらに本設構造の2次覆工として機能させるようにしたトンネル支保の構築方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は既設トンネルに連なる工事区域を通行する一般車両をプロテクタで防護しながら既設トンネルの断面を拡幅した新設トンネルのトンネル壁面を支保するためのトンネル支保の構築方法において、前記新設トンネルの壁面脚部近傍位置に、トンネル延長方向に沿ってレール基礎と支保工脚部支持基礎とを設け、前記レール基礎上面に、球状体を収容可能な凹所を有するレールを連続設置し、該レールの凹所に複数の球状体を分散して配置し、前記新設トンネルの掘削進行に追従して前進する切羽直近のトンネル壁面を支保する円弧状のアーチ版を切羽後方にて仮組みし、前記レール内の球状体の転動を利用して前記切羽直近位置まで移動し、アーチ版脚部を前記レール基礎上から前記支保工脚部支持基礎上に移動設置するとともにアーチ版頂点を本組みしてアーチ閉合し、該閉合されたアーチの背面に裏込め材を充填して切羽近傍でのトンネル支保を一体化することを特徴とする。
【0009】
このとき前記レール基礎は、前記新設トンネルの切羽位置から後方の所定範囲にわたり設置可能なプレキャストコンクリート部材からなり、該部材を前記切羽位置の進行に伴って前進させて用いるようにすることが好ましい。
【0010】
また、前記アーチ版脚部を、前記プロテクタに装備された伸長手段により前記レール基礎上のレール位置から支保工支持基礎位置まで移動させることが好ましい。
【0011】
前記アーチ版を前記支保工脚部支持基礎上に設置する際に生じた頂部間の隙間に、切羽側からキーアーチを挿入して前記頂部とキーアーチとを連結して4ヒンジアーチを形成することが好ましい。
【0012】
あるいは、1対でトンネルアーチをなすアーチ版がトンネル延長方向に前後位置となるように、アーチ版頂部が仮連結され、前記アーチ版を前記支保工脚部支持基礎上に設置する際に、後方アーチ版を移動して前記頂部同士を連結して3ヒンジアーチを形成することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトンネル支保の構築方法の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明によるトンネル支保の構築方法によって、構築された新設トンネル1の構成部材を示した横断断面において、切羽直前位置までプレキャストコンクリートアーチ支保工(以下、単にアーチ支保工と記す。)を搬入する状態を、図2は、切羽直近位置にアーチ支保工が設置され、さらに吹付けコンクリートで被覆された壁面との間の空間に裏込めコンクリートが充填されてトンネル支保が一体化された状態を示している。
【0014】
図1に示したように、本実施の形態では、新設トンネル1は、全断面掘削による既設トンネル2の周辺地山が掘削され拡幅されたもので、その地山表面は厚さ50〜150mmの吹付けコンクリート3で被覆され、地山の剥離、崩落の防止が図られている。また吹付けコンクリート脚部3aには、図3に拡大して示したように、下半盤4から所定断面形状に掘り込まれた溝5内に、レール基礎11と支保工脚部支持基礎12とからなる基礎アバット10が構築されている。この基礎アバット10のレール基礎11上には、上述した横引きベアリング工法のための横引きレール15が据え付けられている。横引きレール15は細幅系H形鋼を横置きした断面からなり、ウェブを底面とする溝15a内には、球状体としてのベアリングボール16が適当に分散する程度の数量でレール延長方向に多数配置されている。このベアリングボール16は、横引きレール15上に載置されるアーチ支保工を構成するアーチ版を移動させる際の摩擦低減手段として機能する。本実施の形態ではベアリングボール16としてφ11mmの鋼球が使用されている。このベアリングボール16上に、下面に固着されたガイドプレート21を介してアーチ支保工20が設けられる。このときのベアリングボール16で支持されたアーチ支保工20の動摩擦係数μは0.05以下が期待できる。
【0015】
アーチ支保工20は、図1,図2に示したように、トンネルの天端にキーアーチをはめ込むことで、安定した4ヒンジアーチ構造となる、2個の円弧状のアーチ版23,23と1個のキーアーチ22とから構成されている。本実施の形態では、アーチ版23は、新設トンネル1の上半アーチと下半側壁の曲率に倣った複合円弧アーチ形状をなし、トンネル断面中心線に関して左右対称をなす一対の部材として取り扱われ、その一部がプロテクタ30に搭載された伸長手段(図5参照)に支持されて、頂部24を連結ボルトで(図示せず)で仮止めした起立状態で、すでにアーチ支保工20が建て込まれたトンネル空間を、ベアリングボール16を利用した押出し工法により切羽直近位置まで移動される。なお、押出し工法とは、対象構造物を、ジャッキ等の推進手段で移動方向に向けて押し出すことを考慮した名称で、移動時の摩擦低減手段として鋼製ベアリングボールを利用した点等、技術的特徴は上述の横引きベアリング工法と同一である。
【0016】
ここで基礎アバット10の構成について、図3を参照して説明する。基礎アバット10は、吹付けコンクリート脚部から下半盤の所定範囲が略台形状にトンネル延長方向に掘削された溝内に、レール基礎11と支保工脚部支持基礎12とが一体的に構成されるように設けられた構造物である。同図に示したように、レール基礎11は、H形鋼13の上下フランジ間をコンクリート14で満たした複合構造断面からなり、上フランジ13a上面に横引きレール15が設置されている。レール基礎11は、本実施の形態では、切羽から所定距離のアーチ支保工20の搬入区間に設置されるプレキャストコンクリート製仮設部材として用いられており、切羽の進行に追従して切羽方向に盛り替えて使用することができる。一方、支保工脚部支持基礎12は、トンネル壁面側の所定位置に据え付けられたアーチ支保工20の脚部20aが載置される本設構造であり、アーチ支保工20としての作用荷重と、完成時の覆工荷重とを負担できるように設計され、細幅系H形鋼17が内部に埋設された鉄骨鉄筋コンクリート構造からなる。
【0017】
ベアリングボール16を用いた押出し工法によるアーチ支保工20の移動、設置作業について、図1〜図5を参照して説明する。図1に示した状態で、切羽直近のアーチ支保工20の展開位置まで横引きレール15上を、ジャッキ、ウインチ等の移動装置によって移動させたら、アーチ版23の頂部24の仮連結を切り離し、吹付けコンクリート3が施工されたトンネル壁面に向けて、支保工脚部20aをスライドさせるとともに、頂部に生じたアーチ版23間の隙間にキーアーチ22をはめ込んで連結することで4ヒンジアーチ構造を形成する。このときアーチ支保工20は背面に吹付けコンクリート表面から所定幅(約130mm)の隙間が形成する位置に据え付けられており、アーチ支保工20を1間(1リング)分建て込むごとに、あるいは背面地山の緩みが生じない程度の範囲にわたり、この隙間部分を閉塞する裏込めコンクリートを充てんし、吹付けコンクリートとアーチ支保工20とを一体化させる。この結果、図2に示したように、吹付けコンクリートで被覆されたトンネル地山と、裏込めコンクリート6と、プレキャストコンクリート製のアーチ支保工20とが一体となって新設トンネル1の支保工として機能する。
【0018】
図5に示したプロテクタは、交通防護と、切羽直近まで搬入されたアーチ支保工20をトンネル壁面に向けて展開する作業を行うために使用される仮設構造物で、新設トンネル1の工事進行に伴ってトンネル延長方向に走行する。断面形状は、車両の通行限界を囲むように門型に組み立てたフレームを主構造とし、側面カバーおよび防護屋根で覆った箱形形状からなる。各部材は、防護屋根上にアーチ支保工20展開用ジャッキと、キーアーチの挿入のためのクレーン27、リフタ28等が搭載可能な強度に設計されている。プロテクタ30の脚部と上部には伸長手段としての展開用ジャッキ31,32が搭載されている。これら展開用ジャッキ31,32はロッドが水平外方に向け伸長する油圧シリンダジャッキで、同期伸縮可能なロッド先端でアーチ支保工20の脚部と肩部とを押圧してトンネル壁面へ向けてアーチ支保工20をスライド展開させることができる。
【0019】
アーチ支保工20の頂部に生じた隙間にキーアーチ22を挿入する方法としては、図1に示したように真下からアーチ版23間の隙間にキーアーチ22を挿入し、図示しない連結ボルト等により一体化させる方法と、図4に示したように、平面視して台形くさび形状のキーアーチ22を切羽側から水平にアーチ版23間の隙間に挿入し、連結ボルト等により一体化させる方法とがある。いずれのキーアーチを挿入する方法においても、図5に示したようなプロテクタ30上に設置したクレーン、リフター等を用いることで省力化を図ることが好ましい。なお、切羽直近の展開位置まで搬入されるアーチ支保工20は、図4に示したように、すでにアーチ支保工20が建て込み完了した位置あるいは坑外で組み上げられ、横引きレール15上を、ジャッキ等の推進手段により押し出され、所定位置まで移動、搬入される。このときアーチ支保工20の倒れ、変形等を防止するためにタイロッド等の引張部材をアーチ版の所定位置に架設することが好ましい。
【0020】
次に、アーチ支保工の展開方法の変形例について、図6〜図11を参照して説明する。
[脚部簡易構造]
図6は、アーチ支保工20を支持する脚部の支持構造を簡略化し、アーチ支保工20の建て込み、展開時の作業の簡素化を変形例を示している。図6に示したアーチ支保工20の建て込み、展開方法では、図7(b)に平面視したような細幅系H形鋼を横向きにした横引きレール15として用い、吹付けコンクリート脚部3aの下半盤4の地盤面に敷設した。そしてこの横引きレール15の溝状部内にベアリングボール16を撒きだし、これらベアリングボール16上にアーチ支保工脚部20aを建て込み、展開作業を行うようにした。具体的には、両図に示したように、アーチ支保工20を仮組立位置から切羽直近位置まで移動し、さらにトンネル壁面に向けて脚部20aをスライドさせながら、アーチ頂部24をトンネル壁面の天端付近に向けて押し広げ(図6)、頂部に形成された隙間にキーアーチ22を、上述のいずれかの方法で挿入してアーチ構造を完成させる。引き続きアーチ支保工20の背面側の隙間に裏込めコンクリート6を充てんする。これにより容易にアーチ支保工によるトンネルの早期安定を図ることができる。
【0021】
[キーアーチを省略したアーチ支保工]
本変形例では、キーアーチを省略してアーチ版41の頂部同士を連結して3ヒンジアーチを構成するアーチ支保工40とした。この変形例では、アーチ版41の寸法が大きくなるため、図9に拡大して示したように、図3とほぼ同一の形状のレール基礎11をインバート位置より深く掘った溝5内に設置している。これにより、図8に示した形状に仮組みされたアーチ支保工40の搬入時においても、トンネル壁面頂部とアーチ支保工40の頂部との間にクリアランスが得られ、キーアーチを用いた場合と同様にアーチ支保工40の搬入、展開が行える。この変形例では、切羽直近位置でアーチ支保工脚部40aを支保工脚部支持基礎12上に据え付けるために、アーチ支保工全体を上方に持ち上げるためのジャッキ等の揚重装置を設けることが必要である。
【0022】
図10,図11は、図1に示した基礎アバット10を利用し、かつキーアーチを省略したアーチ版42を建て込み、展開可能とした変形例を示している。図10は1対となるアーチ版42,42を前後位置にずらして横引きレール15のベアリングボール16上に設置し、前後するアーチ版42,42の頂部の重なり部分の対向面に取り付けられた連結ピン43で両者をトンネル延長方向に連結して仮組みしたアーチ支保工40を示している。このように仮組みされたアーチ支保工40では、切羽側のアーチ支保工40が所定位置に切羽直近位置に達した段階で、アーチ版42間の連結を切り離し、アーチ版42を展開して両アーチの重なり部分を離した状態で、後ろ側のアーチ版42を切羽直近位置まで前進させてアーチ版42頂部同士が軸方向に一致する位置でアーチ閉合する。
【0023】
図11は、一方のアーチ版44の頂部に他方のアーチ版45の上部を積み重ねるようにしてトンネル通過時の覆工内面とのクリアランスを確保しながら、切羽直近位置まで前進してアーチ版44,45をそれぞれトンネル壁面に向けて起立させ、頂部同士を連結して所定のアーチ閉合を行うようにした変形例を示している。この場合にはアーチ支保工40を支持する図示しないプロテクタにアーチ支保工の起立手段を設けることが望ましい。
【0024】
以上のアーチ支保工の組立により支保工としてアーチ閉合を行った例では、アーチ閉合後にアーチ支保工とトンネル壁面との間の空間を閉塞するために裏込めコンクリート6を充填する。裏込めコンクリート6は、将来、アーチ支保工を永久覆工として確実に機能させるために、空隙を完全に満たすことができるように、十分な流動性を有する配合とすることが好ましい。なお、地山、吹付けコンクリートからの湧水処理を行うためにアーチ支保工背面に防水シート工(図示せず)を施すことも好ましい。この場合には防水シートとアーチ支保工背面との間で十分な密着性が発揮できるようなグラウト材を選定することが好ましい。
【0025】
なお、アーチ支保工を永久覆工として機能させるために、上述の裏込めコンクリート6には、覆工構造に要求されている設計強度を満たし、かつ施工時に充填空間に密実に充填可能な流動性を有する配合を設定することが好ましい。
【0026】
【発明の効果】
以上に述べたように、既設トンネルの断面拡幅によって新設トンネルを構築する際に、新設トンネルの支保工として、プレキャストコンクリート製のアーチ版を用いることで、新設トンネルの支保構造を迅速に構築することができ、安全で施工効率を高めたトンネルの拡幅工事が可能になり、工期短縮を図れるとともに、従来の2次覆工の一部とすることができるため、覆工材料を低減でき、コストダウンを図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトンネル支保の構築方法におけるアーチ支保工の建て込み状態を模式的に示したトンネル横断面図。
【図2】 図1に示した状態からアーチ支保工を設置し、裏込めコンクリートを充填してトンネル支保を一体化した状態を示したトンネル横断面図。
【図3】 基礎アバットのレール基礎上から支保工脚部支持基礎上にアーチ支保工を移動し、設置した状態を示した部分拡大断面図。
【図4】 キーアーチを切羽側から挿入する状態を示したトンネル平断面図。
【図5】 トンネル内に設置されたプロテクタと、アーチ支保工の建て込み、キーアーチの吊り上げ状態を示した状態説明図。
【図6】 アーチ支保工建て込み、展開方法の変形例を示したトンネル横断面図。
【図7】 図6に示した方法におけるアーチ支保工脚部の状態を示した部分拡大正面、平面図。
【図8】 アーチ支保工建て込み、展開方法の他の変形例を示したトンネル横断面図。
【図9】 図8に示した基礎アバットのレール基礎上から支保工脚部支持基礎上にアーチ支保工を移動し、設置した状態を示した部分拡大断面図。
【図10】 アーチ支保工建て込み、展開方法の他の変形例(頂部ピン連結)を示したトンネル横断面図。
【図11】 アーチ支保工建て込み、展開方法の他の変形例(積み重ね)を示したトンネル横断面図。
【符号の説明】
1 新設トンネル
2 既設トンネル
3 吹付コンクリート
4 下半盤
6 裏込めコンクリート
10 基礎アバット
11 レール基礎
12 支保工脚部支持基礎
15 横引きレール
16 ベアリングボール
20,40 アーチ支保工
22 キーアーチ
23,41,42,43,44,45 アーチ版
30 プロテクタ
31,32 展開用ジャッキ

Claims (5)

  1. 既設トンネルに連なる工事区域を通行する一般車両をプロテクタで防護しながら既設トンネルの断面を拡幅した新設トンネルのトンネル壁面を支保するためのトンネル支保の構築方法において、
    前記新設トンネルの壁面脚部近傍位置に、トンネル延長方向に沿ってレール基礎と支保工脚部支持基礎とを設け、前記レール基礎上面に、球状体を収容可能な凹所を有するレールを連続設置し、該レールの凹所に複数の球状体を分散して配置し、前記新設トンネルの掘削進行に追従して前進する切羽直近のトンネル壁面を支保する円弧状のアーチ版を、切羽後方にて仮組みし、前記レール内の球状体の転動を利用して前記切羽直近まで移動し、アーチ版脚部を前記レール基礎上から前記支保工脚部支持基礎上に移動設置するとともにアーチ版頂部を本組みしてアーチ閉合し、該閉合されたアーチの背面に裏込め材を充填して切羽近傍でのトンネル支保を一体化することを特徴とするトンネル支保の構築方法。
  2. 前記レール基礎は、前記新設トンネルの切羽位置から後方の所定範囲にわたり設置可能なプレキャストコンクリート部材からなり、該部材を前記切羽位置の進行に伴って前進させて用いることを特徴とする請求項1記載のトンネル支保の構築方法。
  3. 前記アーチ版脚部を、前記プロテクタに装備された伸長手段により前記レール基礎上のレール位置から支保工脚部支持基礎位置まで移動させることを特徴とする請求項1記載のトンネル支保の構築方法。
  4. 前記アーチ版を前記支保工脚部支持基礎上に設置する際に生じた頂部間の隙間に、切羽側からキーアーチを挿入して前記頂部とキーアーチとを連結して4ヒンジアーチが形成されることを特徴とする請求項1記載のトンネル支保の構築方法。
  5. 1対でトンネルアーチをなすアーチ版がトンネル延長方向に前後位置となるように、アーチ版頂部が仮連結され、前記アーチ版を前記支保工脚部支持基礎上に設置する際に、後方アーチ版を移動して前記頂部同士を連結して3ヒンジアーチが形成されることを特徴とする請求項1記載のトンネル支保の構築方法。
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