JP4361005B2 - コンクリート製電柱の補強材配置用治具、コンクリート製電柱の補強方法 - Google Patents

コンクリート製電柱の補強材配置用治具、コンクリート製電柱の補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、既設のコンクリート製電柱を補強する際のコンクリート製電柱の補強材配置用治具、コンクリート製電柱の補強方法、および補強コンクリート製電柱に関する。
コンクリート製電柱の経年変化等に対応してそのコンクリート製電柱を補強する際、従来コンクリート製電柱の外周をアラミド繊維シート等の補強材で巻回して補強する方法が採用されてきた(例えば、特許文献1を参照)。
また、中空部内に補強材を注入することによって補強を行う技術も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平6−322999号公報 特開2002−276201号公報
上記従来技術では、コンクリート製電柱の地際を含む地中から地上部にわたって補強を行うため、地際からの掘削を行う必要があった。このため、コンクリート製電柱の立設場所によっては、掘削工程を実施するためにコンクリート製電柱に近接する家屋の塀や傾斜した地際にある石垣等を取り壊さなければならないことも多く、取り壊した塀等の復旧工事も含めた工事全体に時間がかかる上、施工コストが高くなるという問題があった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、施工期間が短く、かつコンクリート製電柱の立設場所によらない簡易で安価なコンクリート製電柱の補強材配置用治具、コンクリート製電柱の補強方法、および補強コンクリート製電柱を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、既設のコンクリート製電柱の補強を行うために当該コンクリート製電柱の中空部内部に補強材としての複数の棒状部材を挿入し、この複数の棒状部材を前記中空部内に配置するときのコンクリート製電柱の補強材配置用治具であって、前記コンクリート製電柱の中空部の直径方向に伸縮自在に展開可能に構成される複数の腕部材と、この腕部材の両側に設けられる前記複数の棒状部材を保持する保持部とを有することを要旨とする。これにより、直径方向の任意の位置に棒状部材を保持することが可能となる。
請求項2記載の発明は、前記腕部材は、軸棒に摺動自在に外嵌される可動連結部と、前記軸棒に固定して設けられる固定連結部と、一端が前記可動連結部にそれぞれ蝶着され、前記軸棒の軸心に対して対称に配置される複数の上腕部と、一端が前記複数の上腕部のいずれかに蝶着されるとともに、他端が前記固定連結部に蝶着される複数の下腕部と、互いに連結される上腕部と下腕部のそれぞれに1個ずつ対向する向きに連結される前記保持部とを有することを要旨とする。
請求項3記載の発明は、前記保持部は、略同形状をなす二つの半円環型部材の端部同士が互いに回動自在となるように枢着または蝶着されて成ることを要旨とする。
請求項4記載の発明は、前記保持部は、所定長の連結部により前記腕部材に設けられていることを要旨とする。これにより、この保持部を円周に沿ってほぼ等間隔に配置することが可能となる。
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2記載のコンクリート製電柱の補強材配置用治具を用いて、既設のコンクリート製電柱の中空部に当該コンクリート製電柱を補強する補強材としての複数の棒状部材を均等に配置するコンクリート製電柱の補強方法であって、前記コンクリート製電柱の上端末口部から前記複数の棒状部材を前記中空部に挿入するステップと、このステップで挿入した前記複数の棒状部材を配置するための補強材配置用治具を前記末口部から前記中空部へ挿入するステップと、このステップで挿入した補強材配置用治具を用いて補強材としての複数の棒状部材を前記中空部内に配置するステップと、前記中空部内側面と前記複数の棒状部材の隙間を充填する隙間充填材を前記末口部から前記中空部に注入するステップとを少なくとも行うことを要旨とする。
請求項6記載の発明は、前記補強材配置用治具は、前記コンクリート製電柱の中空部の直径方向に伸縮自在に展開可能に構成される複数の腕部材と、この腕部材の両側にそれぞれ設けられ、この腕部材の両側で前記棒状部材を保持する保持部とを有することを要旨とする。
請求項7記載の発明は、前記腕部材は、軸棒に摺動自在に外嵌される可動連結部と、前記軸棒に固定して設けられる固定連結部と、一端が前記可動連結部にそれぞれ蝶着され、前記軸棒の軸心に対して対称に配置される複数の上腕部と、一端が前記複数の上腕部のいずれかに蝶着されるとともに、他端が前記固定連結部に蝶着される複数の下腕部と、互いに連結される上腕部と下腕部のそれぞれに1個ずつ対向する向きに連結される前記保持部とを有することを要旨とする。
請求項8記載の発明は、前記保持部は、略同形状をなす二つの半円環型部材の端部同士が互いに回動自在となるように枢着または蝶着されて成ることを要旨とする。
請求項9記載の発明は、前記保持部は、所定長の連結部により前記腕部材に設けられていることを要旨とする。
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、施工期間が短く、かつコンクリート製電柱の立設場所によらない簡易で安価なコンクリート製電柱の補強材配置用治具、コンクリート製電柱の補強方法、および補強コンクリート製電柱を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンクリート製電柱の補強材配置用治具10の概略構成を示す斜視図である。同図に示す補強材配置用治具10は、補強材配置用治具本体13とこの補強材配置用治具本体(以下、単に補強材配置用治具という)13を支持する軸棒11により構成され、コンクリート製電柱の中空部に挿入される補強材としての複数の棒状部材を中空部内で均等に配置するためのものである。
なお、本実施形態の説明において「均等に配置する」とは、水平方向を指向する同一円上を軸心が通過する棒状部材のうち、隣接して配置される棒状部材間の距離(軸心の間隔)が全て等しくなるように配置することを意味する。この点については、本発明の全ての実施形態に共通である。
補強材配置用治具13は、コンクリート製電柱の中空部挿入時に、中心軸をなす軸棒11の長さ方向の任意の位置にあって、補強材としての複数の棒状部材を保持し、それら複数の棒状部材の位置をコンクリート製電柱の中空部内で固定するものである。
図2は、この補強材配置用治具13の構成をさらに詳細に示す斜視図であり、図3は図2の平面図であり、図4は側面図である。これらの図に示す補強材配置用治具13は、軸棒11の軸心方向に摺動可能に外嵌される可動連結部131と、軸棒11に固定して設けられる固定連結部132とを有している。
可動連結部131と固定連結部132の間には、4組の上下腕部133,134が軸棒11を対称軸として対称に配置され、その各上下腕部133,134の上端が可動連結部131に連結され、下端が固定連結部132に連結されている。
各上下腕部133,134は、上端が可動連結部131に蝶着される上腕部133と、下端が固定連結部132に蝶着される一方、それぞれ上腕部133の端部に下腕部134が蝶着される。また上腕部133は、一対の腕部材133a,133bにより構成され、強度を確保すると共に後述する保持部138の最適配置を容易にしている。
なお、上腕部133と下腕部134を蝶着する肘部には、中空部挿入時に、コンクリートから成る外周部の内側面に当接することによって補強材配置用治具13の水平方向への展開を容易にするための平座金(プレーンワッシャ)を挿着しても良い。
加えて、各上下腕部133,134には、棒状部材を保持するための保持部138が一つづつ2つが連結されている。すなわち上腕部133の時計方向に一つと、下腕部134の反時計方向に一つづつ、都合、左右両側に2つ連結される。
保持部138は、同じ径を有する二つの半円環型部材138aおよび138bの端部同士が互いに回動自在となるように蝶番等を用いて蝶着、または端部を凸状に形成して枢着することによって構成されている。半円環型部材138aには、上腕部133および下腕部134に設けられる孔部136に挿通可能な連結部139が突出して設けられている。この連結部139は半円環型部材138aに溶接等を施して一体的に成形することができる。
連結部139には、孔部136に挿通してナット141で締結することができるようにねじ切りがしてあり、ボルトとしての機能を有する。ナット141を用いて上下腕部133,134Aに連結された保持部138は、上下腕部133,134を通過する平面に略垂直な方向を指向する連結部139を軸として回動自在となる。なお、連結部139の上下腕部133,134への連結は、ねじ止め以外にも、例えば連結部139をピン止めするようにしてもよい。この連結部139の長さは、図3に示すように、上下腕部133,134を展開したときに保持部138が円周上にほぼ等間隔に配置されるように調整される。
軸棒11が鉛直方向を指向し、なおかつ可動連結部131が固定連結部132よりも鉛直方向上側に位置するようにすると(図2に示す位置関係に他ならない)、補強材配置用治具13の自重によって可動連結部131は軸棒11に対して鉛直下側に下降する。そこで、軸棒11の可動連結部131と固定連結部132の中間部には、可動連結部131がそれ以上固定連結部132の方に移動していくのを防止するためにストッパ137が設けられている。図5に示すように、このストッパ137の位置は、軸棒11に等間隔に複数個だけ設けられた穿孔11aにビス137aを螺着させることで半固定的に固定することができ、可動連結部131はこのストッパ137に当接して停止する。
以上の構成を有する補強材配置用治具13は、軸棒11の軸心方向と垂直な方向に開閉可能であり、コンクリート製電柱上端の末口部から挿入するときには、まず、可動連結部131を固定連結部132と反対側(上方)に移動させて肘部を伸長することによって補強材配置用治具13を軸棒11の軸心に垂直な方向に対して閉じた状態にする。この閉じた状態でコンクリート製電柱の中空部内部に挿入し、中空部内部で補強材の位置を固定する際には肘部が屈曲して水平方向に開いた状態にする。
また、軸棒11の他端には石突き25が設けられている。本実施形態においては、石突き25を鉛直方向下端となるようにして補強材配置用治具13をコンクリート製電柱中空部に挿入するので、この石突き25がコンクリート製電柱の中空部の最下面に達して補強材配置用治具13全体を支持することになる。
以上の構成を有する補強材配置用治具13は、鉄、アルミパイプ、プラスチックなどを用いて形成される。このうち、アルミパイプやプラスチックを用いれば、低コストで大量生産が可能となる。
ここで、補強材配置用治具1として好ましい寸法例を記載しておく。
軸棒11の直径は、9mm〜10mm程度である。
保持部138は、以下で詳述するように、15mm〜25mmの直径を有する棒状部材を保持可能であればよい。この意味で、半円環型部材の断面をなす円の直径が4mm〜6mm、より好ましくは5mm程度であり、二つの半円環型部材が同一平面上を通過するときに形成される保持面としての円の直径が25mm〜30mm、より好ましくは27mm程度であればよい。
このような構成を取ることにより、可動連結部131を上昇させて補強材配置用治具13を閉じた状態では(図6参照)、その補強材配置用治具13の軸棒11と垂直な方向の幅が、最小で55mmよりも若干小さい程度の値になる。他方、補強材配置用治具13を開いたときの軸棒11に垂直な方向の幅は、150mm〜200mm程度である。
コンクリート製電柱の中空部に挿入時、石突き25と固定連結部132の高低差(鉛直方向の「高さ」の差)は350mm程度であり、この固定連結部132と上腕部133と下腕部134の連結箇所の高低差は100mm程度である。
なお、以上記載した寸法はあくまでも好ましい例に過ぎず、本実施形態における補強材配置用治具13が、この寸法の場合にのみ適用可能なわけでないことはいうまでもない。
以上説明したコンクリート製電柱の補強材配置用治具を用いれば、既設のコンクリート製電柱中空部に補強材を均等に配置することが容易にできるため、コンクリート製電柱の補強工事を短期間に、なおかつ立設場所によらずに行うことが可能となる。
図7は、上述した構成を有する補強材配置用治具1を用いて行うコンクリート製電柱の補強方法の概要を示すフローチャート図である。
以下では、コンクリート製電柱に対して符号100、そのコンクリート製電柱の中空部に符号102を付与して説明する。
まず、コンクリート製電柱100の頂頭部に装着されたコンクリート等から成るカバー101(図10参照)を取り外す(ステップS1)。
その後、取り外した後に生じる中空部102の上端末口部から、補強材としての複数の棒状部材を中空部102内に挿入する(ステップS2)。このステップで挿入される複数の棒状部材は、図9に示すように、アラミド繊維製の棒状部材であるアラミドロッド51、このアラミドロッド51と略同径であり、各アラミドロッド51に連結部材55を介して連結される異型鉄筋53とから構成される。中空部102挿入時には、異型鉄筋53が下側に位置する。
上述した寸法を有する補強材配置用治具1を用いる場合、アラミドロッド51自体の長さは2600mm〜3000mm、より好ましくは2800mm程度となる。また、アラミドロッド51の直径は、15mm〜25mm、より好ましくは15mm〜20mmであり、15mm〜17mmであれば尚良い。このアラミドロッド51に連結される異型鉄筋53の長さは、150mm〜300mm、より好ましくは200mm程度であり、アラミドロッド51と異型鉄筋53を合計した全長が2800mm〜3300mm(より好ましくは3000mm)程度に達する。異型鉄筋53の直径はアラミドロッド51とほぼ同じである。
アラミドロッド51の異型鉄筋53が連結されない側の端部には、図10に示すように、アラミドロッド51をコンクリート製電柱100の外部から懸吊するためにステンレス製のワイヤが締結されている。このワイヤの直径は1mm〜3mm、より好ましくは1.5mm程度であり、一例として、アラミドロッド51上部に通し穴を有するアルミまたは鉄製のワイヤ締結部57を装着し、この通し穴にワイヤを挿通することによってアラミドロッド51に締結することができる。
続くステップS3では、図8に示すように末口部から補強材配置用治具13を挿入し、この挿入した補強材配置用治具13を用いることにより、ステップS2で中空部102内に挿入した棒状部材を均等に配置する。
このステップS3における補強材配置用治具13を用いた補強材の配置について、その詳細を説明する。ステップS2で挿入した補強材の上部に締結されるワイヤを個々の保持部138に保持し、補強材配置用治具13を軸心と垂直な方向に対して閉じた状態で、末口部から中空部102内に下降させていく。
この末口部から挿入された補強材配置用治具13は、挿入後、その可動連結部131がストッパ137に当接するまで下降し、上下腕部133,134は図2,3に示されるように展開される。この展開により円周上に等間隔に配置された保持部138にアラミドロッド51を挿入することにより、該アラミドロッド51は等間隔に配置される。
図8は、補強材配置用治具13の下端部付近をコンクリート製電柱100の中空部102へ挿入する様子を示す図であり、同図では、図面の記載を簡略化するために、末口部付近のみを図示するとともに、既に中空部102に挿入されている棒状部材およびワイヤを省略して記載している。
この図8に示す場合のように、補強工事を行うことが想定されるコンクリート製電柱100の末口部は、補強材配置用治具13を閉じた状態で初めて挿入可能な程度の大きさの径を有することもある。このため、補強材配置用治具13の水平方向(軸棒11の軸心方向に垂直な方向)の径が、上述したように55mmよりも小さければ、どのようなコンクリート製電柱に対しても適用することができるので好適である。
以上、詳細に説明したステップS3によって補強材を中空部102内に均等に配置した後の処理は、その補強材配置用治具13を中空部102に残置するかどうかで異なる。
まず、補強材配置用治具13を中空部102に残置する場合(ステップS4でYES)を説明する。
この場合には、隙間充填材を末口部から中空部102へ注入する(ステップS5)。図10を参照するに、隙間充填材としては2種類のものが想定され、最初に砂またはモルタルまたは豆砂利のいずれか(隙間充填材63)を中空部102の下端部から連結部材55の位置に達するまで注入し、その後、固化した後も収縮しない無収縮モルタルやエポキシ等の樹脂、あるいはコンクリートのいずれか(隙間充填材61)を、アラミドロッド51の最上部付近に達するまで注入する。
このようにして、補強材配置用治具13を中空部102内に残置すれば、その補強材配置用治具13自体もアラミドロッド51を緊締若しくは固定することから、補強材としての役割を果たすことになり、補強という意味ではより大きな効果を得ることができる。特に、プラスチック等を用いて補強材配置用治具13を大量生産する場合には、この方法が有効である。
次に、補強材配置用治具13を中空部102に残置しないで取り出す場合(ステップS4でNO)を説明する。
この場合には、隙間充填材として、無収縮モルタルやエポキシ等の樹脂、あるいはコンクリートのいずれかを用いて補強材と中空部102内側面との隙間を充填しながら少しずつ補強材配置用治具13を上昇させることにより、補強材配置用治具13をコンクリート製電柱100の外部へ抜き出す(ステップS7)。外部へ抜き出す際には、補強材配置用治具13を挿入するときの操作と逆の手順の操作をそれぞれ行うことによってコンクリート製電柱100の外部へ抜き出す。
より具体的には、可動連結部131の各々にワイヤを締結し、それらのワイヤをコンクリート製電柱100の上端末口部へ予め露出させておき、軸棒11を上昇させながら、ワイヤを操作して可動連結部131を軸棒11に対してそれぞれ上昇させることにより、可動連結部131の水平方向の幅を小さく閉じ、上方に向かって徐々に内径が小さくなる中空部102から補強材配置用治具13を取り出せるようにする。なお、このステップにおいて、隙間充填材をアラミドロッド51の上端に達するまで注入する点は、補強材配置用治具13を残置する場合と同様である。
このように補強材配置用治具13を取り出す補強方法は、補強材配置用治具13を補強工事のたびに再利用したい場合等に有効である。
以降の処理は、補強材配置用治具13を残置するか否かによらず同じであり、隙間充填材による充填を行った後、取り外していた頂頭部のカバー101を末口部に装着、固定し、コンクリート製電柱100を外見的に元の状態に戻す(ステップS8)。
以上の工程によってコンクリート製電柱100の補強が終了する。図8は、中空部102内に補強材配置用治具13を残置した場合の補強済みコンクリート製電柱(補強コンクリート製電柱)100の概略構成を示す図である。
なお、全長が特に短いコンクリート製電柱を補強する場合等では、補強材を構成するアラミドロッド51と異型鉄筋53を連結部材55で連結する代わりに、アラミドロッド51の下端部に異型鉄筋53を並べて配置し、その両者をタイラップ等の結束部材を用いてほう縛した後、この補強材を中空部102内に挿入しても良い。
また、地際付近が露出している場合には、以上の工程に加えて、地際付近から補強材の最上部に至るコンクリート製電柱100の外周をアラミド繊維シートによって巻回する従来の補強工法を実施してもよい。
本実施形態に係るコンクリート製電柱の補強方法は、比較的長手方向の全長の短い単独柱(全長7m〜10m)に対して適用した場合に特に大きな効果を奏するが、共架柱(全長15m〜20m)に適用することも勿論可能である。
中空部102に挿入する補強材の本数は、コンクリート製電柱100の径に応じて最適な本数が選択され、その本数に適合する補強材配置用治具13が用いられることもいうまでもない。挿入される本数としては、4本の他にも3本、5本、6本等を想定することができる。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、地際からの掘削および周囲の復旧工事も不要なため、施工期間が短く、かつコンクリート製電柱の立設場所によらず簡単に施工でき、その施工コストを低減することが可能となる。
この意味で、本実施形態は、家屋等に近接した場所や、道路の崖崩れを防止するためにブロック等で傾斜状に補強された地際を有する場所等、掘削工事の施工が極めて難しい場所に立設された電柱の補強を行う際に特に大きな効果を奏する。
また、本実施形態によれば、アラミドロッド下端部に異型鉄筋を連結することにより、隙間充填材注入後の棒状部材の浮上を防止するとともに、補強強度を更に増加させることができる。
加えて本実施形態によれば、補強材を中空部内で均等に配置し、コンクリート製電柱の補強強度にムラができるのを防止することができる。
さらに、本実施形態によれば、傾斜して立設しているコンクリート製電柱の場合にも、鉛直方向に立設しているコンクリート製電柱と同様の補強効果を得ることができる。
ところで、本実施形態に係る補強材配置用治具については、種々の設計変形を行うことが可能であり、本発明は、上記一実施形態と同様の効果を奏するさまざまな実施の形態等を含み得るものである。
本発明の一実施形態に係るコンクリート製電柱の補強材配置用治具の概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリート製電柱の補強材配置用治具要部(腕部材)の構成を表す拡大斜視図である。 図2に示す補強材配置用治具要部の平面図である。 図2に示す補強材配置用治具要部の側面図である。 図2に示す補強材配置用治具要部の展開時の斜視図である。 図2に示す補強材配置用治具要部の縮退時の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリート製電柱の補強方法の概要を示すフローチャート図である。 補強材配置用治具をコンクリート製電柱の頂頭部から挿入するときの様子を示す図である。 補強材配置用治具を用いて補強材を配置したときのコンクリート製電柱の中空部最下端付近の状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る補強コンクリート製電柱の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 補強材配置用治具
10 治具
11 軸棒
13 腕部材
25 石突き
51 アラミドロッド
53 異型鉄筋
55 連結部材
57 ワイヤ締結部
61、63 隙間充填材
100 コンクリート製電柱
101 カバー
102 中空部
131 可動連結部
132 固定連結部
133 上腕部
134 下腕部
136 孔部
137 ストッパ
138a、138b 半円環型部材
138 保持部
139 連結部

Claims (9)

  1. 既設のコンクリート製電柱の補強を行うために当該コンクリート製電柱の中空部内部に補強材としての複数の棒状部材を挿入し、この複数の棒状部材を前記中空部内に配置するときのコンクリート製電柱の補強材配置用治具であって、
    前記コンクリート製電柱の中空部の直径方向に伸縮自在に展開可能に構成される複数の腕部材と、
    この腕部材の両側に設けられる前記複数の棒状部材を保持する保持部と
    を有することを特徴とするコンクリート製電柱の補強材配置用治具。
  2. 前記腕部材は、
    軸棒に摺動自在に外嵌される可動連結部と、
    前記軸棒に固定して設けられる固定連結部と、
    一端が前記可動連結部にそれぞれ蝶着され、前記軸棒の軸心に対して対称に配置される複数の上腕部と、
    一端が前記複数の上腕部のいずれかに蝶着されるとともに、他端が前記固定連結部に蝶着される複数の下腕部と、
    互いに連結される上腕部と下腕部のそれぞれに1個ずつ対向する向きに連結される前記保持部と
    を有することを特徴とする請求項1記載のコンクリート製電柱の補強材配置用治具。
  3. 前記保持部は、略同形状をなす二つの半円環型部材の端部同士が互いに回動自在となるように枢着または蝶着されて成ることを特徴とする請求項2記載のコンクリート製電柱の補強材配置用治具。
  4. 前記保持部は、所定長の連結部により前記腕部材に設けられていることを特徴とする請求項2または3記載のコンクリート製電柱の補強材配置用治具。
  5. 請求項1または請求項2記載のコンクリート製電柱の補強材配置用治具を用いて、既設のコンクリート製電柱の中空部に当該コンクリート製電柱を補強する補強材としての複数の棒状部材を均等に配置するコンクリート製電柱の補強方法であって、
    前記コンクリート製電柱の上端末口部から前記複数の棒状部材を前記中空部に挿入するステップと、
    このステップで挿入した前記複数の棒状部材を配置するための補強材配置用治具を前記末口部から前記中空部へ挿入するステップと、
    このステップで挿入した補強材配置用治具を用いて補強材としての複数の棒状部材を前記中空部内に配置するステップと、
    前記中空部内側面と前記複数の棒状部材の隙間を充填する隙間充填材を前記末口部から前記中空部に注入するステップと
    を少なくとも行うことを特徴とするコンクリート製電柱の補強方法。
  6. 前記補強材配置用治具は、
    前記コンクリート製電柱の中空部の直径方向に伸縮自在に展開可能に構成される複数の腕部材と、
    この腕部材の両側にそれぞれ設けられ、この腕部材の両側で前記棒状部材を保持する保持部と
    を有することを特徴とする請求項5記載のコンクリート製電柱の補強方法。
  7. 前記腕部材は、
    軸棒に摺動自在に外嵌される可動連結部と、
    前記軸棒に固定して設けられる固定連結部と、
    一端が前記可動連結部にそれぞれ蝶着され、前記軸棒の軸心に対して対称に配置される複数の上腕部と、
    一端が前記複数の上腕部のいずれかに蝶着されるとともに、他端が前記固定連結部に蝶着される複数の下腕部と、
    互いに連結される上腕部と下腕部のそれぞれに1個ずつ対向する向きに連結される前記保持部と
    を有することを特徴とする請求項6記載のコンクリート製電柱の補強方法。
  8. 前記保持部は、略同形状をなす二つの半円環型部材の端部同士が互いに回動自在となるように枢着または蝶着されて成ることを特徴とする請求項7記載のコンクリート製電柱の補強方法。
  9. 前記保持部は、所定長の連結部により前記腕部材に設けられていることを特徴とする請求項7または8記載のコンクリート製電柱の補強方法。
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