JP5066032B2 - 中空柱用の補強体および該補強体を用いた中空柱の補強方法 - Google Patents

中空柱用の補強体および該補強体を用いた中空柱の補強方法 Download PDF

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本発明は、下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設されたコンクリート製電柱や鋼管柱等の中空柱を部分的に補強するための中空柱用の補強体および該補強体を用いた中空柱の補強方法に関し、更に詳しくは、中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際を補強する中空柱用の補強体および該補強体を用いた中空柱の補強方法に関する。
コンクリート製の電柱は、通常、電柱の下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設される。このような電柱は、その外周部が鉄筋とコンクリートにより作製される筒状の中空柱であり、その内部は空洞、すなわち中空となっている。
このような中空柱においては、下部は地中に埋設されているため、強固であるが、この下部から上方に伸び出た地上部分と下部との境の地際、すなわち中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際が他の部分に比較して脆弱となっている。
また、鋼管柱の簡易な補強方法も既に知られている(特許文献1)。
特開2006−283392号
上述したように、中空柱の地際は、他の部分に比較して脆弱であるが、従来、この地際のみを強固に補強するものはなく、地際のみを強固に補強することが要望されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、中空柱の地際を部分的に補強することができる中空柱用の補強体および該補強体を用いた中空柱の補強方法を提供することにある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の中空柱用の補強体は、下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設された中空柱を部分的に補強するための中空柱用の補強体であって、中空柱の長手方向に沿って中空柱の補強したい部分に配設される複数の補強用棒状部材と、中空柱の中心軸を確定すべく中空柱の中心軸に固定的に設定されるガイド棒と、このガイド棒が中心部に形成された中心孔に挿通され、該ガイド棒を中心にして前記複数の補強用棒状部材を中空柱の周方向に等角度で均等に配設するように複数の補強用棒状部材が挿通されて保持される複数の保持部を有する複数の均等配置治具とを有し、前記均等配置治具の複数の保持部に、前記補強用棒状部材としての複数のアラミドロッドと複数のPC鋼線とが、中空柱の周方向に交互に配設されることを要旨とする。
請求項1記載の中空柱用の補強体では、中空柱の補強したい部分に複数の補強用棒状部材を配設し、ガイド棒を中空柱の中心軸に固定的に設定し、複数の補強用棒状部材を複数の均等配置治具の複数の保持部に挿通して、ガイド棒を中心に複数の補強用棒状部材を中空柱の周方向に等角度で均等に配設するため、中空柱の補強したい部分は、中空柱の周方向に均等に配設された複数の補強用棒状部材により強固に補強される。また、複数の補強用棒状部材として、複数のアラミドロッドと複数のPC鋼線を中空柱の周方向に交互に配設しているため、両者の特徴を生かした強固の補強を確実に行うことができる。
請求項記載の中空柱用の補強体は、前記中空柱の補強したい部分が、中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際を中心とした部分であることを要旨とする。
請求項記載の中空柱用の補強体では、中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際を中心として補強するため、中空柱の特に脆弱な部分を確実に補強することができる。
請求項記載の中空柱用の補強体は、前記ガイド棒が中心孔に挿通された複数の均等配置治具で中空柱の周方向に等角度で配置される複数の補強用棒状部材の間にモルタルが充填されて全体的に補強されることを要旨とする。
請求項記載の中空柱用の補強体では、複数の補強用棒状部材の間をモルタルで充填して全体的に補強するため、更に強固な補強が確実に行われる。
請求項記載の中空柱用の補強体は、前記均等配置治具の複数の保持部が、該保持部の外側から内側に向かってねじ孔が形成されており、該ねじ孔にねじを螺合し、このねじの先端を保持部に挿通された補強用棒状部材に突き当てて強く締め付けることにより補強用棒状部材を均等配置治具の保持部に固定することを要旨とする。
請求項記載の中空柱用の補強体では、均等配置治具の複数の保持部のねじ孔にねじを螺合し、このねじの先端を保持部に挿通された補強用棒状部材に突き当てて強く締め付けることにより補強用棒状部材を均等配置治具の保持部に固定するため、補強用棒状部材は確実に均等配置治具に固定される。
請求項記載の中空柱の補強方法は、請求項1記載の中空柱用の補強体を用いた中空柱の補強方法であって、中空柱の補強したい部分の上部の中空柱の側部において中空柱の長手方向に細長い側部開口を形成する側部開口形成工程と、該側部開口から複数の補強用棒状部材を1本ずつ中空柱内に挿入する補強用棒状部材挿入工程と、ガイド棒を中空柱の中心軸に固定的に設定するように前記側部開口から中空柱内にガイド棒を挿入するガイド棒挿入工程と、複数の補強用棒状部材を中空柱の周方向に等角度で均等に配設するための均等配置治具を前記側部開口から中空柱内に挿入する均等配置治具挿入工程と、この中空柱内に挿入された均等配置治具の中心孔にガイド棒を挿入するとともに複数の補強用棒状部材を中空柱の周方向に等角度で均等に配設するように均等配置治具の複数の保持部のそれぞれに、補強用棒状部材としての、複数のアラミドロッドと複数のPC鋼線とを、中空柱の周方向に交互に、それぞれ挿通して保持する補強用棒状部材均等保持工程と、前記均等配置治具挿入工程および補強用棒状部材均等保持工程を複数の均等配置治具のすべてについて1つずつ繰り返し行うとともに複数の均等配置治具を中空柱の長手方向にほぼ等間隔で配設する均等配置治具繰り返し配設工程とを有することを要旨とする。
請求項記載の中空柱の補強方法では、中空柱の側部に側部開口を形成し、この側部開口から複数の補強用棒状部材を1本ずつ中空柱内に挿入し、ガイド棒を中空柱の中心軸に固定し、均等配置治具を側部開口から中空柱内に挿入してから、均等配置治具の中心孔にガイド棒を挿入し、均等配置治具の各保持部に複数の補強用棒状部材をそれぞれ挿通して中空柱の周方向に均等に配設するという工程を複数の均等配置治具のすべてについて1つずつ繰り返し行うため、複数の補強用棒状部材は均等配置治具により中空柱内で周方向に均等に配設され、中空柱の補強を強固かつ確実に行うことができる。また、複数の補強用棒状部材として、複数のアラミドロッドと複数のPC鋼線を中空柱の周方向に交互に配設しているため、両者の特徴を生かした強固の補強を確実に行うことができる。
請求項記載の中空柱の補強方法は、前記中空柱の補強したい部分が、中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際を中心とした部分であることを要旨とする。
請求項記載の中空柱の補強方法では、中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際を中心として補強するため、中空柱の特に脆弱な部分を確実に補強することができる。
請求項記載の中空柱の補強方法は、前記ガイド棒が中心孔に挿通された複数の均等配置治具で中空柱の周方向に等角度で配置される複数の補強用棒状部材の間にモルタルが充填されて全体的に補強されることを要旨とする。
請求項記載の中空柱の補強方法では、複数の補強用棒状部材の間にモルタルが充填されて全体的に補強されるため、更に強固な補強が確実に行われる。
請求項記載の中空柱の補強方法は、前記複数の補強用棒状部材が、均等配置治具の複数の保持部に挿入されてから、各保持部の外側から内側に向かって形成されたねじ孔にねじを螺合し、このねじの先端を保持部に挿通された補強用棒状部材に突き当てて強く締め付けることにより補強用棒状部材を均等配置治具の保持部に固定することを要旨とする。
請求項記載の中空柱の補強方法では、均等配置治具の複数の保持部のねじ孔にねじを螺合し、このねじの先端を保持部に挿通された補強用棒状部材に突き当てて強く締め付けることにより補強用棒状部材を均等配置治具の保持部に固定するため、補強用棒状部材は確実に均等配置治具に固定される。
本発明の中空柱用の補強体によれば、中空柱の補強したい部分に複数の補強用棒状部材を配設し、ガイド棒を中空柱の中心軸に固定し、複数の補強用棒状部材を複数の均等配置治具の複数の保持部に挿通し、ガイド棒を中心に複数の補強用棒状部材を中空柱の周方向に均等に配設するので、中空柱の補強したい部分を中空柱の周方向に均等に配設された複数の補強用棒状部材により確実かつ強固に補強することができる。
また、本発明の中空柱の補強方法によれば、中空柱の側部に形成された側部開口から複数の補強用棒状部材を1本ずつ中空柱内に挿入し、ガイド棒を中空柱の中心軸に固定し、均等配置治具を側部開口から中空柱内に挿入してから、均等配置治具の中心孔にガイド棒を挿入し、均等配置治具の各保持部に複数の補強用棒状部材をそれぞれ挿通して中空柱の周方向に均等に配設するという工程を複数の均等配置治具のすべてについて1つずつ繰り返し行うので、中空柱の補強したい部分を中空柱の周方向に均等に配設された複数の補強用棒状部材により確実かつ強固に補強することができる。
本発明によれば、複数の補強用棒状部材として、複数のアラミドロッドと複数のPC鋼線を中空柱の周方向に交互に配設しているので、両者の特徴である柔軟性と硬度を生かした強固の補強を確実に行うことができる。
本発明によれば、補強したい部分として、中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際を中心として補強するので、中空柱の特に脆弱な地際部分を確実かつ強固に補強することができる。
更に、本発明によれば、複数の補強用棒状部材の間にモルタルを充填して全体的に補強するので、補強体は一体的なものとなり、更に強固な補強が確実に行われる。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる中空柱用の補強体を用いて補強された中空柱であるコンクリート製の電柱の内部構造を示す図である。同図に示す電柱1は、上部が省略されて図示されていないが、全長が例えば16mほどあり、その最下端1aから約2.6メートルほどの下部1bが地中10に埋設されて立設され、地上には残りの13.4mほどの部分が現れているが、その外周部は鉄筋とコンクリートにより形成される筒状であり、その内部は空洞、すなわち中空となっていて、その地中10に埋設された地中部分の下部1bと地上に立設された地上部分との境の地際を補強するために、同図に示すように、下部1bから地際を挟んで地上2メートル程度の所まで複数の補強用棒状部材21、23、25やモルタル71、73、75などで補強されている。
電柱1は、地際から地上約2メートルの側面に例えば幅6センチメートル、長さ40センチメートル程度の側部開口1cが電柱1の長手方向に沿って形成され、この側部開口1cから図1に示す補強用棒状部材21、23、25やモルタル71、73、75などの各補強部材が電柱1内に入れられて電柱1を補強するようになっている。
複数(本実施形態では4本)の補強用棒状部材21は、例えばアラミドロッドで構成され、この4本のアラミドロッド21は、電柱1の最下端1aから側部開口1cの所まで伸びている。また、複数(本実施形態では4本)の補強用棒状部材23は、例えばPC鋼線で構成され、この4本のPC鋼線23は地際を中心に地中10に約1メートル、地上に約1メートル伸びている。また、複数(本実施形態では4本)の補強用棒状部材25もPC鋼線で構成され、この4本のPC鋼線25は、側部開口1cの近傍に配設され、その下端はアラミドロッド21の上端と部分的にオーバーラップしている。
また、4本のアラミドロッド21と4本のPC鋼線23は、電柱1の周方向に等角度で均等に配設されるが、その中心には、電柱1の中心軸を確定するための1本のガイド棒31が配設され、このガイド棒31は、電柱1の最下端1aから側部開口1cまで伸びている。
4本のアラミドロッド21、4本のPC鋼線23およびガイド棒31は、電柱1の地際部分を中心に電柱1内に設けられた例えばプラスチックなどからなる複数(本実施形態では5個)の均等配置治具41に挿通され、これによりガイド棒31を中心にして4本のアラミドロッド21とPC鋼線23を電柱1の周方向に等角度で均等に配設するようになっている。
各均等配置治具41は、図8に示すように、中心部にガイド棒31が挿通される中心穴41aが形成され、この中心穴41aから四方に放射状に延出する4本の連結部41bの先端にアラミドロッド21が挿通されて保持されるリング状のアラミドロッド保持部41cが4個形成されている。また、この4個のアラミドロッド保持部41cは、隣接するもの同士がリンク41dで環状に連結され、このリンク41dの中程にPC鋼線23が挿通されて保持されるリング状の小径のPC鋼線保持部41eが4個形成されている。
また、各アラミドロッド保持部41cおよびPC鋼線保持部41eの外側中央には、ねじ孔41gが形成されているが、このねじ孔41gは、アラミドロッド保持部41cおよびPC鋼線保持部41e内に挿入されたアラミドロッド21およびPC鋼線23に対して各ねじ孔41gにねじを螺合し、このねじの先端をアラミドロッド21やPC鋼線23に当接させて強く締め付けることによりアラミドロッド21およびPC鋼線23をアラミドロッド保持部41cおよびPC鋼線保持部41eにそれぞれ固定するためのものである。
このような構成により、4個のアラミドロッド保持部41cと4個のPC鋼線保持部41eは、電柱1の周方向において交互に配設されるとともに、電柱1の周方向に等角度で均等に配設されるようになっている。
ガイド棒31は、図3に示すように、その下端部にガイド棒固定用治具51を取り付けられて、電柱1内に挿入されている。このガイド棒固定用治具51は、ガイド棒31を電柱1の中心軸に固定的に設定するためのものであって、このガイド棒固定用治具51をガイド棒31の下端部に取り付けてから電柱1内に挿入することにより、ガイド棒31が電柱1の底部において電柱1の中心軸に固定されるようになっている。
なお、ガイド棒31のガイド棒固定用治具51が取り付けられている少し上にはパイプ状のストッパー61が固定的に取り付けられているが、このストッパー61は、以下に説明するロッド配置用治具81をこの位置に固定するためのものである。
上述したように、ガイド棒固定用治具51が下端部に取り付けられたガイド棒31が電柱1の底部まで電柱1内に挿入された後、電柱1の底部に砕石70が図6に示すようにガイド棒固定用治具51の少し上まで投入され、これによりガイド棒31およぼ4本のアラミドロッド21を軽く固定するようになっている。
ロッド配置用治具81は、均等配置治具を構成するものであり、4本のアラミドロッド21を電柱1の周方向に等角度で均等に配設するためのものであり、詳しくは、図4に示すように、円形の中心部81aの中心にガイド棒31が挿通されるとともに、この中心部81aから四方に放射状に4本の腕部81cが延出している。
この4本の腕部81cの先端には、それぞれ揺動小腕81dがねじ81eにより中心部81aから図4に示すように伸びて離隔したり、中心部81aに対して図5に示すように上方に折曲して接近するように揺動自在に取り付けられているが、この4本の揺動小腕81dは、図4に示す状態では揺動小腕81dの中程と中心部81aとの間に取り付けられた伸長付勢手段であるワイヤ製圧縮ばね81fの伸長力により中心部81aから伸びて離隔し、電柱1の内周面の方に向かって伸長するように付勢されている。
また、4本の揺動小腕81dの中程、具体的には揺動小腕81dの先端から少し離れた中程寄りの部分には、アラミドロッド21を挿通して保持するリング状のロッド保持部81gがねじなどにより回動自在に取り付けられている。詳しくは、4個のロッド保持部81gは、4本のアラミドロッド21を電柱1の周方向で等角度で均等に配置して保持するように腕部81cおよび揺動小腕81dにより配置構成されている。
4本の揺動小腕81dは、図5に示すように、それぞれの先端をループ状に一周するように各先端に輪ゴム83を伸張状態で引っ掛けられると、各揺動小腕81dは、輪ゴム83の縮退力によりワイヤ製圧縮ばね81fの伸張力に抗して図5に示すように、中心部81aから離隔するように折曲して立ち上がるようになっている。
図5に示すように、ロッド配置用治具81は、4本の揺動小腕81dが輪ゴム83の縮退力により立ち上がった縮退状態で図6に示すように電柱1の側部開口1cから電柱1内に図示しない操作治具などを用いて挿入され、その中心部81aにガイド棒31が挿通される。
図6に示すように、ロッド配置用治具81は、各揺動小腕81dが輪ゴム83で立ちあがった縮退状態でガイド棒31が中心部81aに挿通された後、ロッド配置用治具81の4個のロッド保持部81gのそれぞれにアラミドロッド21を挿通することになるが、このアラミドロッド21のロッド保持部81gへの挿通は、具体的には図6では簡単化のため図示していないが、各アラミドロッド21の先端に取り付けられている吊下げ紐をまず各ロッド保持部81gに挿通し、この吊下げ紐をたぐるように引っ張るとともにロッド配置用治具81を電柱1内に吊り下ろすようにしながら各アラミドロッド21を各ロッド保持部81gに挿通する。
そして、このようにロッド配置用治具81の各ロッド保持部81gに各アラミドロッド21が挿通されてから、輪ゴム83を例えば鋏などで切断すると、ロッド配置用治具81は、図4に示すように各揺動小腕81dがワイヤ製圧縮ばね81fの伸張力により伸張する。この結果、各ロッド保持部81gに挿通された各アラミドロッド21は、電柱1内において電柱1の周方向に等角度で均等に配置されることになる。
このように輪ゴム83が切断されて各揺動小腕81dが伸張し、各アラミドロッド21が均等に配置されてから、ロッド配置用治具81をガイド棒31に沿って下方に押し込むと、ロッド配置用治具81は図7に示すように電柱1の下方まで押し込まれ(なお、図7では電柱1の下方に押し込まれたロッド配置用治具81の周囲に後述するモルタル71が既に投入されている状態を図示している)、図3で説明したストッパー61の所でロッド配置用治具81は固定する。なお、ロッド配置用治具81のガイド棒31に沿った下方への押し込みは、押込み用のパイプをロッド配置用治具81の上のガイド棒31に挿入し、この押込み用のパイプでロッド配置用治具81を上から突っついて押し込むことなどにより行うことができる。
また、図7に示すように、ロッド配置用治具81が電柱1の下方に押し込まれた後、ロッド配置用治具81の上のガイド棒31に固定用スペーサパイプ91が図7に示すように嵌合される。この固定用スペーサパイプ91は、図1に示したように、複数の均等配置治具41のうちの一番下の均等配置治具41をこの位置で固定するためのものである。
更に、図1に示すように、側部開口1cの近傍に配設された4本のPC鋼線25は、図8に示した均等配置治具41と同じ構造の2本の均等配置治具41により電柱1内に均等に配置されるとともに、4本のPC鋼線25の長手方向の中程にはガイド棒固定用治具200が設けられ、このガイド棒固定用治具200の中心にはガイド棒31が挿入され、これによりガイド棒31を電柱1の中心軸に合わせるようになっている。なお、ガイド棒31は、このガイド棒固定用治具200に挿入されることにより電柱1の中心軸に合わされて固定されるとともに、均等配置治具41の中心穴41aも挿通しているため、均等配置治具41の中心穴41aを電柱1の中心軸に合わせるようになっている。
ガイド棒固定用治具200は、図9に示すように、ガイド棒31が挿通される中心孔101aが中央部101bの真中に形成される中央部材101を有する。この中央部材101は、その中央部101bから等角度で四方に放射状に伸長し、電柱1の内周面に当接している複数(本実施形態では4本)の腕部103を有する。これらの腕部103は、各々基部が中央部101bに一体的に形成され、先端部がフォーク状に2つに分岐したフォーク部103bを備え、このフォーク部103bの中央に長手方向に細長い長穴103eが形成された固定腕部103aと、該固定腕部103aのフォーク部103bの分岐した間に挟まれて伸縮可能に保持された伸縮可能腕部103cとを有する。
更に詳しくは、伸縮可能腕部103cは、同形状の二枚の部材を重ねて形成され、この重ねられた二枚の部材の中央には長手方向に細長い長穴103dが形成されている。そして、固定腕部103aのフォーク部103bの長穴103eから伸縮可能腕部103cの長穴103dを貫通して二本のねじ105a,105bが取り付けられ、この二本のねじ105a,105bを基軸に伸縮可能腕部103cが外部に向かうように長穴103dおよび長穴103eに沿って伸縮可能に保持されている。
また、固定腕部103aの基部には、別のねじ105cが固定的に取り付けられ、前記2本のねじ105a,105bのうちの一方のねじ105aと別のねじ105cとの間には、ワイヤ製圧縮ばね107が取り付けられ、このワイヤ製圧縮ばね107の伸長力により伸縮可能腕部103cを外に向かって伸長するように付勢している。この結果、伸縮可能腕部103cは、図9に示すように、長穴103d、103eに沿って外に向かって長く伸長し、その先端は電柱1の内周面に当接するようになっている。
また更に、同形状の二枚の部材を重ねて形成される伸縮可能腕部103cの各々の上には、引掛け部103fが突出して形成されているが、これらの引掛け部103fには、図10に示すように、これらのすべての引掛け部103fをループ状に一周するように輪ゴム109が伸張状態で引っ掛けられ、この輪ゴム109の縮退力により各伸縮可能腕部103cをワイヤ製圧縮ばね107の伸長力に抗して中央部101bの中心孔101aに向かって縮退するように付勢し、各伸縮可能腕部103cは固定腕部103aのフォーク部103bの最奥部まで引っ込んでいる。
このように伸縮可能腕部103cがフォーク部3bの最奥部まで引っ込んだ縮退状態でガイド棒固定用治具200を電柱1内に挿入しても、伸縮可能腕部103cの先端は、電柱1の内周面に当接することはないが、このような縮退状態でガイド棒固定用治具200の中心孔101aにガイド棒31を挿通しつつガイド棒固定用治具200を電柱1内に挿入した後、各伸縮可能腕部103cの引掛け部103fに引っ掛けられていた輪ゴム109を鋏などで切断すると、ガイド棒固定用治具200の各伸縮可能腕部103cは、ワイヤ製圧縮ばね107の伸張力により電柱1の内周面に向かって伸長し、各伸縮可能腕部103cの先端は、図1に示すように電柱1の内周面に当接する。
このようにガイド棒固定用治具200の各伸縮可能腕部103cがワイヤ製圧縮ばね107の伸張力により伸長して、その各先端が図1に示すように電柱1の内周面に当接すると、ガイド棒固定用治具200の中心孔101aに挿通されているガイド棒31は、各伸縮可能腕部103cが中央部101bから電柱1の内周面に向かって等角度で伸長しているとともにワイヤ製圧縮ばね107の伸張力により電柱1の内周面から等しい位置に押圧されるため、電柱1の中心軸に正確に一致するように固定されることになる。
以上説明したように、電柱1の地際は、図1に示すように、地際を挟んで電柱1の長手方向に配設されている4本のアラミドロッド21とPC鋼線23、電柱1の中心軸を確定するガイド棒31、4本のアラミドロッド21とPC鋼線23を電柱1の周方向に等角度で均等に配設する5個の均等配置治具41、電柱1の側部開口1cの近傍を部分的に補強する4本のPC鋼線25、この4本のPC鋼線25を側部開口1cの近傍で電柱1の周方向に等角度で均等に配設する2個の均等配置治具41、ガイド棒31を電柱1の下部および側部開口1cの近傍で電柱1の中心軸に固定的に設定するガイド棒固定用治具51と200、複数のアラミドロッド21を電柱1の下部で均等に配置するロッド配置用治具81などで骨格的に構成される補強体により補強されることになる。
そして、上述した骨格的構成の補強体で補強される電柱1の地際を更に強固に補強するために、まず電柱1内の下部1bの最下端1aからガイド棒固定用治具51の辺りまでに砕石70を側部開口1cから投入して、この部分を砕石70で補強し、次にこのガイド棒固定用治具51の上からロッド配置用治具81の少し上までの間に一次モルタル71を側部開口1cから投入して、この部分を一次モルタル71で補強し、更に次にロッド配置用治具81の上から側部開口1cの辺りまで二次モルタル73を側部開口1cから投入して、この部分を二次モルタル73で補強し、最後に側部開口1cを図示しない閉塞板で閉塞してから、電柱1の図示しない最上部の頂部開口から三次モルタル75を電柱1内に側部開口1cの少し上まで投入し、これにより電柱1の地際を完全に補強する。
なお、ガイド棒固定用治具51の上から側部開口1cの少し上までの一次、二次、三次モルタル71、73、75の投入は、上述した三段階の方法に限定されるものでなく、例えばモルタルを電柱1内に流し入れるための漏斗の先端が嵌合し得る孔を前記閉塞板に形成し、この孔の形成された閉塞板で側部開口1cを閉塞してから、閉塞板の孔に漏斗の先端を嵌合し、この漏斗からモルタル71、73、75を要所毎に何回かに分けたり、または連続的にガイド棒固定用治具51の少し上から側部開口1cの少し上まで投入することにより行ってもよい。なお、モルタル71、73、75をロッド配置用治具81の少し上から側部開口1cの少し上まで投入した後は、閉塞板の孔に孔閉塞用埋込栓等を埋め込んで閉塞する。
次に、上述したように骨格的構成と砕石、モルタルなどで構成される補強体を用いて中空柱である電柱1の地際を補強する補強方法について手順を追って説明する。
まず、電柱1の地際から地上約2メートルの側面に側部開口1cを形成する。次に、図2に示すように、この側部開口1cから4本のアラミドロッド21を電柱1内に1本ずつ挿入する。図2では、最後の4本目のアラミドロッド21を電柱1内に挿入するところを図示している。なお、図2に示すように、アラミドロッド21の上端には、吊り紐21aが取り付けられているが、この吊り紐21aは、アラミドロッド21を側部開口1cから吊り下げて、位置を調整したりするために使用されるものである。
上述したように、4本のアラミドロッド21のすべてが側部開口1cから電柱1内に挿入されると、次に図3に示すように、ガイド棒31が側部開口1cから電柱1内に挿入される。
なお、このガイド棒31の下端部には、傘のように細長く折り畳むことができるガイド棒固定用治具51が取り付けられていて、このガイド棒固定用治具51はガイド棒31を側部開口1cから電柱1内に挿入する時には細長く折り畳まれているが、ガイド棒31が電柱1内に挿入されて、その下端部が電柱1の底近くまで挿入されるにつれて、例えばガイド棒固定用治具51自身の自重により開き、ガイド棒31の下端が電柱1の底に達する時には図3に示すように完全に開き、このように開いたガイド棒固定用治具51によりガイド棒31が電柱1の中心軸に一致するように固定的に設定されることになる。
また、図3に示すように、電柱1内に挿入されたガイド棒31のガイド棒固定用治具51が取り付けられている少し上にはパイプ状のストッパー61が固定的に取り付けられる。なお、このストッパー61は、パイプ状のスペーサなどとともにガイド棒31の上端からガイド棒31に嵌め込んでからガイド棒31に沿って落下させることにより取り付けることができる。
次に、図3に示すように、電柱1内に挿入された4本のアラミドロッド21と電柱1の中心軸に設定された1本のガイド棒31に対して側部開口1cから電柱1の底に向けて砕石70を図1、図6に示すようにガイド棒固定用治具51の少し上まで投入し、これにより4本のアラミドロッド21およびガイド棒31を軽く固定する。
このように砕石70が側部開口1cからガイド棒固定用治具51の少し上まで投入された後、図4、5に示すロッド配置用治具81を図5に示すように輪ゴム83でロッド配置用治具81の各揺動小腕81dが折曲して縮退した状態で図6に示すように側部開口1cから電柱1内に挿入する。
このロッド配置用治具81の挿入は、まず図6に示すように、輪ゴム83で縮退した状態のロッド配置用治具81を側部開口1cの長手方向の開口に合わせて立てながら側部開口1cから電柱1内に挿入する。
ロッド配置用治具81は、側部開口1cから電柱1内に挿入されると、その中心にガイド棒31の先端が図6に示すように挿入される。なお、このガイド棒31の挿入は、側部開口1cの外部から電柱1内に挿入した図示しない操作治具などにロッド配置用治具81を取り付け、この操作治具を側部開口1cを介して外部から操作することなどによりガイド棒31をロッド配置用治具81の中心に挿入する。
このようにロッド配置用治具81の中心にガイド棒31の先端を挿入した後、ロッド配置用治具81の4個のロッド保持部81gに4本のアラミドロッド21の先端を挿入する。
ロッド配置用治具81の中心にガイド棒31の先端を挿入するとともに、ロッド配置用治具81の4個のロッド保持部81gに4本のアラミドロッド21の先端を挿入した後、ロッド配置用治具81の各揺動小腕81dに引っ掛けられている輪ゴム83を側部開口1cから鋏などで切断し、ロッド配置用治具81の各揺動小腕81dをワイヤ製圧縮ばね81fの伸張力により図4に示すように伸張させる。そして、このように各揺動小腕81dが伸張したロッド配置用治具81を電柱1内で下方に押し下げ、ストッパー61の所で停止させる。
なお、このロッド配置用治具81の押し下げは、長い棒を側部開口1cから挿入し、この長い棒の下端でロッド配置用治具81を押し下げたり、またはガイド棒31の上から長いパイプを挿入し、この長いパイプの下端でロッド配置用治具81を押し下げるなどにより簡単に行うことができる。
ロッド配置用治具81をストッパー61の所で停止させた後、ガイド棒31に図7に示すように固定用スペーサパイプ91を挿入し、ロッド配置用治具81の上に設定する。この固定用スペーサパイプ91がガイド棒31に挿入された後、側部開口1cから電柱1内に一次モルタル71を投入する。この一次モルタル71は、図7に示すように、ロッド配置用治具81の少し上まで投入される。
次に、図1に示すように電柱1の地際部分を中心に4本のアラミドロッド21に並列に配設される4本のPC鋼線23とこれらを均等に保持する5個の均等配置治具41を電柱1内に設定する処理を行うが、この処理は、まず図8に示す均等配置治具41を1個、電柱1の側部開口1cから電柱1内に挿入し、それから電柱1内において均等配置治具41の中心穴41aにガイド棒31の上端を挿入する。
均等配置治具41の中心穴41aにガイド棒31の上端が挿入された後、均等配置治具41の4つの環状のアラミドロッド保持部41cに対して4本のアラミドロッド21の上端を合わせるように電柱1内の側部開口1cの近傍において側部開口1cから操作工具を利用するなどしながら均等配置治具41を回すなどして位置調整し、4つのアラミドロッド保持部41cに4本のガイド棒31の上端を挿入する。
次に、均等配置治具41の4つのPC鋼線保持部41eの1つに1本のPC鋼線23の下端を所定長挿入し、この位置でPC鋼線保持部41eの前記ねじ孔41gにねじを螺合し強く締め付けて固定し、これによりPC鋼線23をPC鋼線保持部41eに固定する。この操作を4本のPC鋼線23のすべてについて同様に行い、4本のPC鋼線23のすべてを均等配置治具41のPC鋼線保持部41eにそれぞれ挿入するとともに、各PC鋼線23をねじ孔41gに螺合したねじで均等配置治具41のPC鋼線保持部41eに固定する。
上述した処理により、1つ目の均等配置治具41に対する電柱1内への挿入、均等配置治具41の中心穴41aへのガイド棒31の挿入、均等配置治具41の各アラミドロッド保持部41cへの4本のアラミドロッド21の挿入、均等配置治具41の各PC鋼線保持部41eへの4本のPC鋼線23の挿入、ねじ孔41gへのねじの螺合による各PC鋼線23のPC鋼線保持部41eへの固定が完了すると、次に2つ目の均等配置治具41を側部開口1cから電柱1内に挿入する。
2つ目の均等配置治具41の挿入時には、上述した1つ目の均等配置治具41のPC鋼線保持部41eに挿入された4本のPC鋼線23の上端は、4本のアラミドロッド21の上端の位置に合わされて側部開口1cの近傍に位置するように各PC鋼線23はその上端に取り付けられた図示しない吊り紐などで吊り下げられるとともに側部開口1cから挿入された操作工具などにより操作されている。
このような状態で2つ目の均等配置治具41を側部開口1cから電柱1内に挿入してから、この2つ目の均等配置治具41の中心穴41aにガイド棒31を挿入し、それから均等配置治具41の4個のアラミドロッド保持部41cおよび4個のPC鋼線保持部41eにそれぞれ4本のアラミドロッド21および4本のPC鋼線23が挿入されるように2つ目の均等配置治具41をガイド棒31の上から吊り下ろす。
このように2つ目の均等配置治具41に対してガイド棒31、4本のアラミドロッド21、4本のPC鋼線23を挿入した後、1つ目の均等配置治具41に固定された4本のPC鋼線23を吊り紐などで上方に引き上げ、1つ目の均等配置治具41から所定の間隔をあけた位置で2つ目の均等配置治具41のねじ孔41gにねじを螺合して、均等配置治具41を4本のPC鋼線23に固定する。
以上により、2つ目の均等配置治具41の設定が完了すると、次に3つ目の均等配置治具41の処理を2つ目の均等配置治具41と同様に行う。なお、この3つめの均等配置治具41も同様に2つ目の均等配置治具41から所定の間隔あけて固定する。以下、同様の処理を繰り返して、図1に示すように、5つの均等配置治具41に対して4本のPC鋼線23を固定する。
このように5つの均等配置治具41に対して4本のPC鋼線23が固定されると、4本のPC鋼線23の上端に取り付けられた図示しない吊り紐を側部開口1cから操りながら徐々に4本のPC鋼線23を吊り下ろし、5つの均等配置治具41のうちの一番下の均等配置治具41が固定用スペーサパイプ91に当った所で停止させる。この結果、5つの均等配置治具41とこの5つの均等配置治具41に固定的に取り付けられた4本のPC鋼線23は、電柱1の地際部分を中心に図1に示すように取り付けられることになる。
次に、側部開口1cの近傍に配設される4本のPC鋼線25と、この4本のPC鋼線25を電柱1内に均等に配設するための2つの均等配置治具41と、ガイド棒31を側部開口1cの近傍で電柱1の中心軸に合わせるように電柱1内に設けられるガイド棒固定用治具200を側部開口1cの近傍に設ける処理について説明する。
まず、この処理では、2つの均等配置治具41のうちの下側の均等配置治具41を側部開口1cから電柱1内に挿入する。それから、この均等配置治具41の中心穴41aにガイド棒31の上端を挿入し、それから均等配置治具41の4個のPC鋼線保持部41eに対して4本の補強用棒状部材25を1本ずつ上述したPC鋼線23と同様に挿入する。
このように4本のPC鋼線25を均等配置治具41の各PC鋼線保持部41eに挿入した後、図9に示すガイド棒固定用治具200の各伸縮可能腕部103cの引掛け部103fに輪ゴム109を掛けて、図10に示すように伸縮可能腕部103cが伸縮した状態のガイド棒固定用治具200を側部開口1cから電柱1内に挿入する。それから、このガイド棒固定用治具200の中心孔101aにガイド棒31の上端を挿入し、下側の均等配置治具41の少し上までガイド棒31に沿ってガイド棒固定用治具200を下降し、この位置で固定する。
ガイド棒固定用治具200は、上述したように伸縮可能腕部103cが縮退した状態で下降されて、下側の均等配置治具41の少し上で固定されると、この位置で伸縮可能腕部103cを縮退していた輪ゴム109を側部開口1cから鋏などで切断する。
輪ゴム109が切断されると、ガイド棒固定用治具200の各伸縮可能腕部103cはワイヤ製圧縮ばね107の伸張力により図9に示すように伸長し、その各先端は図1に示すように電柱1の内周面に当接する。ガイド棒固定用治具200の中心孔101aに挿通されているガイド棒31は、各伸縮可能腕部103cが中央部101bから電柱1の内周面に向かって等角度で伸長しているとともにワイヤ製圧縮ばね107の伸張力により電柱1の内周面から等しい位置に押圧されるため、電柱1の中心軸に正確に一致するように固定されることになる。
ガイド棒固定用治具200が挿入されて、下側の均等配置治具41の少し上に固定された後、2つの均等配置治具41のうちの上側の均等配置治具41を側部開口1cから電柱1内に挿入する。それから、この均等配置治具41の各PC鋼線保持部41eに4本のPC鋼線25を上から挿入するとともに、均等配置治具41の中心穴41aにガイド棒31の上端を挿入し、それから図1に示す所定の位置、すなわちガイド棒固定用治具200の少し上の位置で該上側の均等配置治具41のねじ孔41gにねじを螺合し、この均等配置治具41の各PC鋼線保持部41eに各PC鋼線25を固定する。
以上のようにして、補強体の骨格的構成が完成するので、次にモルタルを投入するための漏斗の先端が嵌合し得る孔の形成された閉塞板で側部開口1cを閉塞し、この閉塞板の孔に漏斗の先端を嵌合し、この漏斗からモルタル73、75をロッド配置用治具81の少し上から側部開口1cの少し上まで投入し、図1に示すように、補強体の骨格的構成に対してモルタル73、75を充填し、これにより電柱1の地際部分を強固に補強する。
なお、上記実施形態では、電柱1の地際部分を補強する場合について説明したが、本発明の補強体は、電柱1の地際部分に限定されるものでなく、電柱1の補強したい任意の部分を補強し得るものである。
本発明の一実施形態に係わる中空柱用の補強体を用いて補強された中空柱であるコンクリート製の電柱の内部構造を示す図である。 図1に示すように補強されるコンクリート製電柱内にその側部開口から複数のアラミドロッドを挿入する工程を示す説明図である。 図1に示すように補強されるコンクリート製電柱内に4本のアラミドロッドに続いてガイド棒が側部開口から挿入された様子を示す説明図である。 図1に示すように補強されるコンクリート製電柱内に挿入されるロッド配置用治具を示す斜視図である。 図4に示すロッド配置用治具の輪ゴムによる縮退状態を示す斜視図である。 図1に示すように補強されるコンクリート製電柱内に側部開口から図4、5に示したロッド配置用治具を挿入し、先に挿入されている4本のアラミドロッドおよびガイド棒に対してロッド配置用治具を嵌合させる処理操作を説明するための図である。 図1に示すように補強されるコンクリート製電柱内に挿入されたアラミドロッド、ガイド棒、ロッド配置用治具、および電柱1の底部付近に投入された砕石、モルタルを示す説明図である。 図1に示すように補強されるコンクリート製電柱内に挿入される均等配置治具を示す斜視図である。 図1に示すように補強されるコンクリート製電柱内に挿入されるガイド棒固定用治具を示す斜視図である。 図9に示すガイド棒固定用治具の輪ゴムによる縮退状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 電柱
1c 側部開口
21 アラミドロッド
23、25 PC鋼線
31 ガイド棒
41 均等配置治具
51 ガイド棒固定用治具
61 ストッパー
70 砕石
71、73、75 モルタル
81 ロッド配置用治具
91 固定用スペーサパイプ
200 ガイド棒固定用治具

Claims (8)

  1. 下部の所定長部分が地中に埋設されて地上に立設された中空柱を部分的に補強するための中空柱用の補強体であって、
    中空柱の長手方向に沿って中空柱の補強したい部分に配設される複数の補強用棒状部材と、
    中空柱の中心軸を確定すべく中空柱の中心軸に固定的に設定されるガイド棒と、
    このガイド棒が中心部に形成された中心孔に挿通され、該ガイド棒を中心にして前記複数の補強用棒状部材を中空柱の周方向に等角度で均等に配設するように複数の補強用棒状部材が挿通されて保持される複数の保持部を有する複数の均等配置治具と
    を有し、前記均等配置治具の複数の保持部に、前記補強用棒状部材としての複数のアラミドロッドと複数のPC鋼線とが、中空柱の周方向に交互に配設されることを特徴とする中空柱用の補強体。
  2. 前記中空柱の補強したい部分は、中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際を中心とした部分であることを特徴とする請求項1に記載の中空柱用の補強体。
  3. 前記ガイド棒が中心孔に挿通された複数の均等配置治具で中空柱の周方向に等角度で配置される複数の補強用棒状部材の間にモルタルが充填されて全体的に補強されることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の中空柱用の補強体。
  4. 前記均等配置治具の複数の保持部は、該保持部の外側から内側に向かってねじ孔が形成されており、該ねじ孔にねじを螺合し、このねじの先端を保持部に挿通された補強用棒状部材に突き当てて強く締め付けることにより補強用棒状部材を均等配置治具の保持部に固定することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の中空柱用の補強体。
  5. 請求項1記載の中空柱用の補強体を用いた中空柱の補強方法であって、
    中空柱の補強したい部分の上部の中空柱の側部において中空柱の長手方向に細長い側部開口を形成する側部開口形成工程と、
    該側部開口から複数の補強用棒状部材を1本ずつ中空柱内に挿入する補強用棒状部材挿入工程と、
    ガイド棒を中空柱の中心軸に固定的に設定するように前記側部開口から中空柱内にガイド棒を挿入するガイド棒挿入工程と、
    複数の補強用棒状部材を中空柱の周方向に等角度で均等に配設するための均等配置治具を前記側部開口から中空柱内に挿入する均等配置治具挿入工程と、
    この中空柱内に挿入された均等配置治具の中心孔にガイド棒を挿入するとともに複数の補強用棒状部材を中空柱の周方向に等角度で均等に配設するように均等配置治具の複数の保持部のそれぞれに、補強用棒状部材としての、複数のアラミドロッドと複数のPC鋼線とを、中空柱の周方向に交互に、それぞれ挿通して保持する補強用棒状部材均等保持工程と、
    前記均等配置治具挿入工程および補強用棒状部材均等保持工程を複数の均等配置治具のすべてについて1つずつ繰り返し行うとともに複数の均等配置治具を中空柱の長手方向にほぼ等間隔で配設する均等配置治具繰り返し配設工程と
    を有することを特徴とする補強体を用いた中空柱の補強方法。
  6. 前記中空柱の補強したい部分は、中空柱の地中に埋設された地中部分と地上に立設された地上部分との境の地際を中心とした部分であることを特徴とする請求項に記載の補強体を用いた中空柱の補強方法。
  7. 前記ガイド棒が中心孔に挿通された複数の均等配置治具で中空柱の周方向に等角度で配置される複数の補強用棒状部材の間にモルタルが充填されて全体的に補強されることを特徴とする請求項5または6記載の補強体を用いた中空柱の補強方法。
  8. 前記複数の補強用棒状部材は、均等配置治具の複数の保持部に挿入されてから、各保持部の外側から内側に向かって形成されたねじ孔にねじを螺合し、このねじの先端を保持部に挿通された補強用棒状部材に突き当てて強く締め付けることにより補強用棒状部材を均等配置治具の保持部に固定することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の補強体を用いた中空柱の補強方法。
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