JP4069059B2 - コンクリート製電柱の補強方法およびコンクリート製電柱の補強構造 - Google Patents

コンクリート製電柱の補強方法およびコンクリート製電柱の補強構造 Download PDF

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Description

本発明は、既設のコンクリート製電柱の補強を行うコンクリート製電柱の補強方法およびコンクリート製電柱の補強構造に関する。
コンクリート製電柱の経年変化等に対応して補強を行う際に、従来コンクリート製電柱の外周をアラミド繊維シート等の補強材で巻回して補強する方法が採用されてきた(例えば、特許文献1を参照)。
また、コンクリート製電柱の中空部内に補強材を注入することによって補強を行う技術も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平6−322999号公報 特開2002−276201号公報
上記従来技術では、コンクリート製電柱の地際を含む地中から地上部にわたって補強を行うことが多く、地際からの掘削を行う必要があった。このため、コンクリート製電柱の立設場所によっては、掘削工程を実施するためにコンクリート製電柱に近接する家屋の塀や傾斜した地際にある石垣等を取り壊さなければならないことも多く、取り壊した塀等の復旧工事も含めた工事全体に時間がかかる上、施工コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、施工期間が短く、かつコンクリート製電柱の立設場所によらない簡易で安価なコンクリート製電柱の補強方法およびコンクリート製電柱の補強構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、既設の立設されたコンクリート製電柱の内部に補強材としての複数本のアラミドロッドと隙間充填材とを投入して当該コンクリート製電柱を補強する際に、当該コンクリート製電柱の内部に配置される補強材配置用補助具に等間隔に設けられる貫通部に前記アラミドロッドを貫通させて当該アラミドロッドを電柱内部で所定の間隔で配置するときのコンクリート製電柱の補強方法であって、前記コンクリート製電柱の側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる三つの領域に上方から第3、第1および第2の開口部をそれぞれ形成する工程と、この工程で形成した三つの開口部のうち開口面の面積が最も大きい第1の開口部から、第1の補強材配置用補助具を挿入し、前記第3の開口部からワイヤにて懸吊し前記第1の開口部よりも上方の中空部へ配置する工程と、前記複数のアラミドロッドを前記第1の開口部より挿入し、前記第3の開口部からワイヤにて懸吊し前記第1の開口部より上方の中空部へ配置する工程と、この工程で挿入した複数のアラミドロッドを支持する補強材支持具を前記第1の開口部から前記中空部に挿入して前記複数のアラミドロッドの端部を載置、支持する工程と、複数の異型鉄筋付きアラミドロッドを前記第1の開口部から挿入し、当該第1の開口部よりも下方の中空部へ配置する工程と、第2の補強材配置用補助具を前記第1の開口部より挿入し、前記第1の開口部からワイヤにて懸吊し当該第1の開口部よりも下方の中空部に配置する工程と、前記各異型鉄筋付きアラミドロッドの上端に締結されるワイヤをそれぞれ懸吊する複数の懸吊部が等間隔に配置される補強材懸吊用治具を前記第1の開口部から前記中空部に挿入する工程と、前記中空部に挿入された補強材懸吊用治具および第2の補強材配置用補助具を用いて前記複数の異型鉄筋付きアラミドロッドを当該中空部で均等に配置する工程と、所定量の砂またはモルタルまたは豆砂利から成る第1の隙間充填材を前記第2の開口部から前記複数の異型鉄筋付きアラミドロッドと中空部との隙間を充填するように注入する工程と、所定量の無収縮モルタルから成る第2の隙間充填材を前記第2の開口部から前記中空部に注入し当該複数の異型鉄筋付きアラミドロッドを固定する工程と、前記補強材懸吊用治具および前記補強材支持具を前記中空部から取り出し、前記第2の隙間充填材を前記第1の開口部の上端付近に達するまで前記第1の開口部から注入する工程とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の補強材配置用補助具を前記第1の開口部から挿入し、当該第1の開口部よりも上方の中空部へ配置する工程において、前記第1の補強材配置用補助具に装着されるワイヤの端部を前記第3の開口部からコンクリート製電柱の外部に延出させ、この延出されたワイヤを操作牽引することによって前記第1の補強材配置用補助具を前記中空部内で上昇させて、前記第1の開口部よりも上方の中空部位置に配置することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記複数のアラミドロッドの各々を前記第1の開口部よりも上方の中空部へ挿入する工程において、予め、前記各アラミドロッドの上端に装着される第1のワイヤと該アラミドロッドの下端に装着される第2のワイヤと前記第1の補強材配置用補助具を懸吊するワイヤとを前記第3の開口部から延出させておくと共に、前記複数の第1のワイヤを前記第1の補強材配置用補助具の各貫通部にそれぞれ貫通した後に、各アラミドロッドの上端に装着され、前記第3の開口部からコンクリート製電柱の外部に延出させた第1のワイヤを操作牽引することによってアラミドロッドの上端が前記第3の開口部に達するまで上昇させた後、この上昇させたアラミドロッドの下端付近に装着され、前記第3の開口部からコンクリート製電柱の外部に延出させた第2のワイヤを操作牽引することによってアラミドロッドの上端が前記中空部内の上端に達するまで上昇させることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発明において、前記補強材支持具を前記中空部から取り出し、前記第2の隙間充填材を前記第1の開口部の上端付近に達するまで前記第1の開口部から注入する工程の後、前記第1の開口部付近の外周に、略鉛直または略水平方向に所定の耐力を有する一または複数のアラミド繊維シートを貼付する工程をさらに行うことを特徴とする。

請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載したコンクリート製電柱の補強方法を用いて構築されたことを特徴とするコンクリート製電柱の補強構造である。
本発明によれば、コンクリート製電柱の中空部に補強部を設けることにより、施工期間が短く、かつコンクリート製電柱の立設場所によらない簡易で安価なコンクリート製電柱の補強方法およびコンクリート製電柱の補強構造を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンクリート製電柱(以後、単に電柱と称する)の補強方法の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、電動ドリル等の削孔機を用いることにより、電柱1の側面に三つの開口部を設ける(ステップS101)。
図2は、既設の電柱1に対して三つの開口部11、12、および13を設けたときの電柱1の外周の状況を示す側面図である。
三つの開口部のうち、最も開口面の面積が大きい開口部11(第1の開口部)は、水平方向の径が20〜50mm程度、鉛直方向の径が25〜30cm程度の略長方形または略楕円形をなしている。
開口部11の鉛直方向下部に形成される開口部12(第2の開口部)は、水平方向に20〜50mm程度、鉛直方向に4〜25cm程度の径を有する略楕円形をなすように形成されている。
他方、開口部11よりも鉛直方向上部に位置する開口部13(第3の開口部)は、例えば電柱1に設けられている足場ボルト装着用のねじ孔を削孔して設けられるものであり、径が20〜30mm程度の略円形をなしている。この開口部13は、後述するように中空部内で補強材等を懸吊するワイヤを電柱1の外部に延出させるためのものである。
ところで、電柱1の外周部をなすコンクリートには、所定の間隔で鉄筋が配筋されており、長手方向(立設時の略鉛直方向)を指向する鉄筋の配筋間隔は、外周の水平方向に沿って90度ごとに配筋間隔が他の箇所よりも若干大きい箇所がある。このような箇所には、アース孔や足場ボルト装着用の溝部が設けられていることが多い。本実施形態において、三つの開口部を設ける位置は、鉄筋がない箇所でなければならない。加えて、中空部に補強材を配置する工程において、ワイヤ牽引用の開口部13は、他の二つの開口部と鉛直方向上下に並ぶように設けるよりは、異なる位置に開口部を設けた方が作業しやすくなる。以上の点をふまえると、開口部13は、他の二つの開口部から水平方向に90度回転した電柱1の外周に形成されることが好ましい。
ちなみに、立設時の鉛直方向の全長が15〜16m程度である共架柱を電柱1として想定する場合、根入れ長は2.5m程度であり、開口部12は地際から1.0〜1.2m程度、より好ましくは1.05m程度上部の電柱1側面に位置するように形成される。開口部11は、開口部12から0.3〜0.5m(より好ましくは0.45m程度)上方に形成される。また、開口部13の形成位置は、地際から4.5〜5.0m程度(開口部11の上端より3.0〜3.5m程度上方の位置)となるように設けられる。このような共架柱においては、外周部に配筋される鉄筋の水平方向の配筋間隔が20〜30mm程度であるため、開口部11の水平方向の径および開口部13の直径は、この配筋間隔を考慮して決定される。
次に、ステップS111で形成された三つの開口部11、12、および13を用いて電柱1の中空部に補強材を挿入・配置する工程を説明する。以下に説明する補強材の挿入・配置工程は、大別して、開口部11よりも上方の中空部内の補強工程と、開口部11よりも下方の中空部内の補強工程とに分けることができる。
<開口部11上方の補強工程(ステップS111〜S113)>
開口部11よりも上方の中空部に挿入される補強材は、複数のアラミドロッド、およびそれら複数のアラミドロッドの各々を貫通して中空部内で均等に配置するための第1の補強材配置用補助具である。
図3は、第1の補強材配置用補助具の構成を示す斜視図である。同図に示す補強材配置用補助具20は鉄製であり、円管形状のフレーム21の外側面に、アラミドロッドを貫通可能なU字形状の貫通部23が、中空部に挿入される棒状部材の本数分だけ等間隔に具備されている。図3に示す補強材配置用補助具20では、6個の貫通部23が具備されているため、隣接する貫通部23の先端同士がフレーム21の円の中心に対して60度の角度をなす。このフレーム21には孔部25が適宜設けられており(図3では3箇所)、これらの孔部25には補強材配置用補助具20を懸吊するためのワイヤw1が締結される。
アラミドロッド71は、その径が15〜17mm程度のものであり、通常の硬度を有するアラミドロッドの他、より柔軟性のあるアラミドロッドを用いることもできる。各アラミドロッド71の上端部には、ワイヤを締結可能なワイヤ締結部73が装着されている。このワイヤ締結部73には、アラミドロッド71を電柱1の外部から懸吊するためにワイヤw2(第1のワイヤ)が締結されている。他方、アラミドロッド71の下端部付近にも別のワイヤw3(第2のワイヤ)が締結されている。このワイヤw3を締結する際にもワイヤ締結部をアラミドロッドに装着して行うことができるが、各アラミドロッド71は、後述する工程の間、支持しておく必要があるため、ワイヤw3を直接アラミドロッド71に巻回するなどして締結しておいてもよい。なお、本実施形態で使用するワイヤの径は、1〜3mm、より好ましくは1.5mm程度である。
以上の構成を有する補強材配置用補助具20およびアラミドロッド71を中空部に挿入する前に、補強材配置用補助具20に締結されるワイヤw1、各アラミドロッド71に締結されるワイヤw2およびw3の端部を別なワイヤw4で束ねておき、開口部13からこれらのワイヤを中空部に挿入する。そして、中空部内を下降させていき、フック等の掛止部材を用いて開口部11から外部に引き出し、各ワイヤを補強材配置用補助具20および各アラミドロッド71の所定箇所にそれぞれ締結する。なお、開口部13から外部に延出している多数のワイヤを識別しやすくするために、各ワイヤに色をつけたり付箋をしたりして識別できるようにしておけばより好ましい。
その後、アラミドロッド71に締結したワイヤw2およびw3を、締結したアラミドロッド71自体と同一の貫通部23に通しておく。ちなみに、各貫通部23の一部を切断し、その外周にプラスチック等から成るスリーブを設けておくことともできる。これにより、ワイヤw2およびw3を貫通部23内部に通す時には、スリーブをスライドして切断部を露出させ、この露出した切断部からアラミドロッド71に締結されるワイヤw2およびw3をそれぞれ通した後、その切断部を被覆するようにスリーブを元に戻すことによって簡単にワイヤを貫通部23に通すことができるようになる。
以上の前処理の後、最初に補強材配置用補助具20を開口部11から中空部に挿入する(ステップS111)。図4は、このステップにおける処理の概要を模式的に示す断面図である。より具体的には、まず貫通部23のU字形状の貫通面が鉛直方向を指向するようにして開口部11から中空部に挿入し、補強材配置用補助具20全体が完全に中空部内に入った後、開口部13から延出したワイヤw1の先端を牽引する。この操作により、貫通部23の貫通面が水平方向を指向して中空部内を上昇していく。
電柱1はテーパ形状をなしているので、中空部の水平方向の径は、上部に達するほど小さくなる。このため、補強材配置用補助具20の貫通面を含む面の径と中空部内の水平方向の径がほぼ等しくなるところまで上昇すると、貫通部23の外縁が電柱1の内壁に当接するため、それ以上は上昇しなくなる。この状態でワイヤw1を牽引しつづけると、貫通部23の外縁が電柱1の内壁面をかむようになり、この結果、補強材配置用補助具20は、ワイヤw1の牽引を緩めても中空部内を落下しなくなる。仮にこの状態にならず、ワイヤw1の緊張を緩めると補強材配置用補助具20が下降してしまう場合には、以降の工程を行う間、ワイヤw1を牽引し続けておけばよい。
なお、図4では、実線で示した補強材配置用補助具20が、このステップを経た最終的な中空部内での位置を表している。
以上のステップS111に続いて、アラミドロッド71に締結されている二つのワイヤw2およびw3を用いることにより、開口部11から各アラミドロッド71を中空部内に挿入する(ステップS112)。
アラミドロッド71の具体的な中空部への挿入法について図5(A)、(B)、および(C)の部分断面図を用いて説明する。なお、これらの図面では、動作の説明に必要なワイヤのみを記載し、それ以外のワイヤについては図面の簡略化のために記載を省略する。
まず、アラミドロッド71上端のワイヤ締結部73に締結されるワイヤw2を牽引して、アラミドロッド71を開口部11から中空部に徐々に挿入していく(図5(A))。
アラミドロッド71の上端が開口部13付近に達すると、ワイヤw2をいくら牽引してもアラミドロッド71はそれ以上は上昇しなくなる。この状況で、今度はアラミドロッド71の下端部付近に締結したワイヤw3を牽引する。これにより、ステップS111で中空部に挿入されている補強材配置用補助具20の貫通部23を貫通しながらアラミドロッド71はさらに中空部内を上昇する(図5(B))。このワイヤw3による牽引は、アラミドロッド71の上端であるワイヤ締結部73が中空部の上端付近に達するか、またはアラミドロッド71の下端が開口部11の上端と同じ高さに達するまで行う。図5(C)は、1本のアラミドロッド71の中空部への挿入が完了した状態を示している。
図6は、図5を用いて説明した処理を全てのアラミドロッド71に対して施した後の中空部内の状態を示す図である。同図からも明らかなように、ステップS112によれば、複数のアラミドロッド71が、開口部11よりも上部の中空部内に均等に配置されることになる。ここで「均等に配置する」とは、水平方向を指向する同一円上を軸心が通過するアラミドロッドのうち、隣接して配置される棒状部材間の距離(軸心の間隔)が全て等しくなるように配置することを意味する。この点については、本発明の全ての実施形態に共通である。
なお、電柱1が前述した全長15〜16mの共架柱の場合、アラミドロッド71の全長は10〜12m程度である。ワイヤw2の長さは少なくとも4〜5m程度必要である一方、ワイヤw3は更に長く、少なくとも15〜16m程度の長さが必要である。また、補強材配置用補助具20の貫通部23のなす貫通面を含む花びら形の面の外径は40cm程度である。
続くステップS113では、アラミドロッド71の下端部を支持するための補強材支持具30を開口部11から中空部に挿入してアラミドロッド71を支持する。この補強材支持具30は鉄板等から成り、図7に示すように、円形の支持部31に取っ手33を取り付けた形状をなしている。支持部31なす円の径は、開口部11の鉛直方向の径よりも短く、かつ開口部11上端部付近の中空部の水平方向の径と同程度である。
支持部31を中空部に挿入するに際して、円形面を鉛直方向に指向させて開口部11から挿入した後、中空部内で取っ手を回転軸として90度回転させることにより、支持部の円形面が水平方向を指向するようにし、開口部11の上端部に移動する。
この後、牽引しているワイヤw3を緩め、アラミドロッド71下端部を支持部31の上に載置して支持する。この状態を保持したまま、開口部11よりも下部の工程を行うので、補強材支持具30には、アラミドロッド71を支持した状態で位置を固定することのできる機能が適宜付加されているか、そのような固定用部材を適宜使用することによって補強材支持具30の位置を固定するものとする。
<開口部11下方の補強工程(ステップS121〜S126)>
以下で説明するステップS121〜S126の工程は、開口部11よりも下方の中空部を補強する工程である。
開口部11よりも下方の中空部に挿入するのは、異型鉄筋91が付着されて成る複数の異型鉄筋付きアラミドロッド81と、この複数の異型鉄筋付きアラミドロッド81の各々を貫通して中空部内で均等に配置するための補強材配置用補助具40(第2の補強材配置用補助具)である。
補強材配置用補助具40は、上述した補強材配置用補助具20と同形状をなしており(図3を参照)、6本のアラミドロッドを貫通するU字形状の貫通部43を備えている。また、フレーム41に設けられる孔部45には、開口部11から外部に延出するワイヤw5が取り付けられている。この補強材配置用補助具40において、貫通部43のなす貫通面を含む花びら形の面の外径は、補強材配置用補助具20花びら形の面の外径よりも大きく、一例として上記共架柱(全長15〜16m)を用いる場合には、50cm程度である。
異型鉄筋付きアラミドロッド81は、アラミドロッド81と略同径を有する異型鉄筋91が、連結部材85を介して連結されている。中空部挿入時には、異型鉄筋91が下側に位置することはいうまでもない。この異型鉄筋付きアラミドロッド81の上端部には、アラミドロッド71と同様にワイヤ締結部83が取り付けられている。
電柱1が上記共架柱(全長15〜16m)の場合、アラミドロッド81自体の長さは1.8〜3.0m、より好ましくは2.8m程度である。また、このアラミドロッド81に連結される異型鉄筋91の長さは、0.7〜0.9m程度、より好ましくは0.8mである。
このような異型鉄筋付きアラミドロッド81を適用することにより、後述する隙間充填材注入後の補強材の浮上を防止し、補強強度を更に増加させることができる。
各アラミドロッド81の上端のワイヤ締結部83には、ワイヤw6がそれぞれ締結されている。これらのワイヤw6は、補強材配置用補助具40の互いに異なる貫通部43に予め通されている。ここでも、貫通部43を適宜切断してその外周にスリーブを設けておき、ワイヤw6を貫通しやすい構成にしておいてもよい。
続いて、開口部11よりも下方の具体的な補強工程を詳細に説明する。
まず、異型鉄筋付きアラミドロッド81を開口部11から中空部に挿入する(ステップS121)。
次に、補強材配置用補助具40を開口部11から中空部に挿入する(ステップS122)。
その後、異型鉄筋付きアラミドロッド81を中空部内で懸吊するための補強材懸吊用治具50および60を用いて懸吊する一方、ワイヤw5を牽引、操作して中空部内の補強材配置用補助具40を適宜移動させることにより、6個の異型鉄筋付きアラミドロッド81を中空部内で均等に配置する(ステップS123)。ここで補強材配置用補助具40の位置は、異型鉄筋付きアラミドロッド81の鉛直方向中間部付近に移動される。
図8および図9は、本実施形態で用いる補強材懸吊用治具50および60の構成をそれぞれ示す斜視図である。
このうち、図8に示す補強材懸吊用治具50(第1の補強材懸吊用治具)は異型鉄筋製であり、アラミドロッド81に締結されるワイヤw6を懸吊、支持して補強材の中空部内での位置を固定する円弧型の補強材固定部51と、この補強材固定部51を支持する支持部52とを備える。
補強材固定部51は、アラミドロッド81の上端に締結されるワイヤw6を懸吊して支持するための開口面(通し穴)を有し、電柱1の外部から加える張力によってワイヤw6が緊張したときに、各アラミドロッド81の中空部内での位置を固定するための複数の懸吊部53が、隣接する懸吊部間の距離が等しくなるように溶接等によって設けられている。なお、図8において、懸吊部53の開口面は円形を成しているが、これもあくまで一例に過ぎず、その他の形状、例えば楕円形あるいは方形等であってもかまわない。さらに、懸吊部53の内側面に超硬合金を焼きバメ等によって被覆することにより、懸吊部53自体の強度を増加させることも可能である。
支持部52は、懸吊部53から外部へ露出するワイヤw6を通して外部からの張力を加えやすくするための通し穴部54、補強材懸吊用治具50を操作自在にして中空部への挿入を容易にする機能を有する治具操作部55、異型鉄筋付きアラミドロッド81を懸吊したときに、後述する補強材懸吊用治具50を上部に載置するための載置部56aおよび56bを備えている。なお、載置部の数は、図8に示すように二個である必要はなく、その上部に載せて支持する治具の重量や支持部52の長さ等に応じて三個、四個、五個、・・・と複数個設けることも可能である。
ここで、支持部52をなす鉄筋の径および通し穴部54の厚み(補強材固定部51の円弧が通過する平面と垂直な方向の長さ)は開口部11から挿入できるように設定される。具体的には、開口部11の短手方向(水平方向)の径が40〜50mm程度の場合、支持部52の鉄筋の径に、通し穴部54の厚みを加えた全体の厚みが28mmを超えなければ、既存のあらゆるタイプの電柱に適用可能である。
図9に示す補強材懸吊用治具60(第2の補強材懸吊用治具)も異型鉄筋製であり、補強材懸吊用治具50と同様に、ワイヤw6を懸吊、支持して異型鉄筋付きアラミドロッド81を固定する補強材固定部61と、この補強材固定部61を支持する支持部62とを備える。
円弧型の補強材固定部61に対して、ワイヤw6を通す開口面を有する複数の懸吊部63が設けられている。この懸吊部63の数が必ずしも図9に示す3個である必要がない点や開口面の形状が円形に限られるものではない点、および懸吊部63の開口部内側面に超硬合金を用いて強度を向上させることができる点は、補強材懸吊用治具50の場合と同様である。
通し穴部54および64には、それぞれ懸吊部53および63の個数分の穴、すなわちここでは3つずつの通し穴が設けられており、各ワイヤw6が、異なる通し穴をそれぞれ貫通することによって、電柱1の外部に延出するワイヤw6同士が絡み合うのを防止することができる。
通し穴部64および治具操作部65は、上述した補強材懸吊用治具50の対応部位(下1桁が同じ)とそれぞれ同じ機能を有していることはいうまでもない。ちなみに、支持部62は、中空部内で補強材懸吊用治具50の載置部56a、56bに載置されることになるため、補強材懸吊用治具60自身は載置部を具備していない。
なお、補強材固定部51および61を構成する鉄筋の径は16mm程度である。また、上述した全長を有する電柱1(全長15〜16m程度)に適用する場合には、補強材固定部51および61の円弧の弦の長さは230mm程度であれば好ましい。
ところで、補強材懸吊用治具50および60において、中空部に挿入される部分を支持部52および62からそれぞれ着脱自在な構成にすることも可能である。
次に、以上の構成を有する補強材懸吊用治具50および60の開口部11から中空部への挿入法について詳細に説明する。なお、補強材懸吊用治具50および60を挿入する前に、予めワイヤw6を懸吊部53および63のいずれかに通すと共に、通し穴部54および64に設けられる穴のいずれかに別々に通してあるものとする。
最初に、補強材懸吊用治具50を中空部へ挿入するが、その際には、補強材固定部51のなす円弧を含む面(円弧面)を鉛直面に平行になるようにし、その円弧のうち支持部52を境に弧の長さの長い方を下にする。この段階では、支持部52の軸心方向は、水平方向よりも若干傾斜した方向を指向している。その後、下にした方の円弧部分、すなわち支持部52を境にして弧の長さの長い方の円弧部分をまず中空部に挿入した後、支持部52の軸心が水平方向を指向するように回転し、残りの部分(弧の長さの短い円弧部分)を挿入する。通し穴部54まで中空部に挿入した後、支持部52の指向方向(水平方向)を固定して当該方向を回転軸として円弧面を90度回転させる(その際には治具操作部55をレバーとして利用)。この結果、円弧面は水平方向と平行になる。この状態で支持部52を電柱1の外部へ引くと、補強材固定部51が電柱1の内壁面に当接する。後は、補強材懸吊用治具50をそのまま鉛直下向きに開口部11の下端に当接するまで下降させることによって位置決めを行う。
この後、補強材懸吊用治具60を中空部へ挿入する。この場合にも、補強材固定部61のなす円弧を含む平面(円弧面)を鉛直面に平行になるようにし、補強材懸吊用治具50の場合と同様に、まず支持部62を境として弧の長さの長い方の円弧部分を挿入し、支持部52の軸心が水平方向を指向するように回転させながら、残りの円弧部分を中空部に挿入し、通し穴部64を中空部に挿入した後、支持部62が指向する方向を回転軸として円弧面を90度回転させる。ここでも、治具操作部65を適宜利用することはいうまでもない。この状態で支持部62を中空部の内部に押し出すと、補強材固定部61が中空部の開口部11と対向する外周部の内壁面に当接する。そして、補強材固定部61を内壁面に当接させたまま鉛直下向きに下降させていき、補強材懸吊用治具50の載置部56aおよび56bに支持部62を載置する。
図10は、補強材懸吊用治具50および60を用いて異型鉄筋付きアラミドロッド81を中空部内で懸吊したときの開口部11付近の状態を示す図である。同図に示すように、補強材懸吊用治具50の懸吊部53をそれぞれ貫通した3本のワイヤw6は、通し穴部54を通過する。そして、支持部52に適宜設けられる突起部等に金具を用いてワイヤw6を固着することにより、そのワイヤw6の緊張状態を保つ。補強材懸吊用治具60を介してアラミドロッド81を懸吊するワイヤw6も同様にして通し穴部64を通過させ、適宜支持部62に対して固定する。この際、載置部56aおよび56bには、中空部から通し穴部54または64を介して外部に延出しているワイヤw6を貫通するための開口部(通し穴部54または64と同じく鉛直方向に開口を形成)を設けることによって、ワイヤw6を束ねる機能を加えておく。
補強材懸吊用治具50および60同士についても、両支持部52および62を連結する連結部材を用いて互いに固定しておけばさらに好ましい。この一例としては、適当な固定用金具を用いて治具操作部55および65を互いに固定することが想定されるが、これに限られるわけでないことは勿論である。加えて、二つの補強材懸吊用治具を電柱1に対して適宜固定しておけば、異型鉄筋付きアラミドロッド81を懸吊時の安定性が一段と向上されることになる。
以上、詳細に説明したステップS123の後、補強材と中空部の隙間を充填するために、開口部12から所定量の砂またはモルタルまたは豆砂利のいずれかから成る隙間充填材3(第1の隙間充填材)を中空部へ注入する(ステップS124)。ここで注入する量(所定量)は、中空部下端から連結部材85(アラミドロッド81と異型鉄筋91の連結箇所付近)に達する程度の量である。
次に、固化した後も収縮しない無収縮モルタル等から成る隙間充填材5(第2の隙間充填材)を開口部12から中空部へ注入する(ステップS125)。ここで注入される隙間充填材5の量は、アラミドロッド81の上端付近が所定長さ埋没しない程度の量である。ここでいう「所定長さ」は、補強後の強度という観点から、補強材支持具30を電柱1の外部へ取り出した後、中空部内を下降するアラミドロッド71の下端部と重複する部分の長さのことであり0.5〜0.8m程度であればよく、0.7〜0.8m程度であればさらに好ましい。
その後、無収縮モルタルがある程度固化した時点で、補強材懸吊用治具50および60を電柱1の外部へ抜き出す(ステップS126)。この際には、補強材懸吊用治具50および60を挿入してワイヤw6を固定するときの操作と逆の手順の操作をそれぞれ行うことにより、中空部に挿入していた補強材懸吊用治具50および60の先端部分を電柱1の外部へ抜き出す。抜き出した後、電柱1の外部へ露出しているワイヤw6を切断し、余った部分は中空部へ挿入するなどしておく。なお、無収縮モルタルがある程度の粘性を有することに鑑みて、ステップS125の直後にこのステップS126を行うことも可能である。
以上のステップS121〜S126の工程により、開口部11よりも下方の中空部の補強が終了する。
この後、ステップS113以降、アラミドロッド71を支持していた補強材支持具30を電柱1の外部に抜き出す(ステップS131)。この工程により、アラミドロッド71は中空部内を0.7〜0.8m程度下降することが想定される。その結果、電柱1が共架柱の場合には、異型鉄筋付きアラミドロッド81と0.7〜0.8m程度重複する箇所が生じる。
次のステップS132では、開口部12をコンクリート等で塞ぎ、開口部11から隙間充填材5を中空部にさらに注入する。この際に注入する量は、開口部11の少なくとも上端付近に達する程度の量であればよい。
ステップS132に続いて、開口部11をコンクリート等によって塞ぐと共に、開口部13の方は、適宜ワイヤを切断した後、止水モルタル等の止水材を充填して塞ぐ(ステップS133)。なお、補強材配置用補助具20に締結されたワイヤw1を牽引し続けていた場合には、この工程の前にワイヤw1の牽引を止める。また、すでにステップS111終了時点でワイヤw1の牽引を止めている場合、開口部13を塞ぐのは、ステップS113以降であれば何時行っても構わない。
この後、開口部11を通過する電柱1外周にアラミド繊維シートを貼付する(ステップS134)。この工程におけるアラミド繊維シートの貼付方法の一例を挙げる。最初に、開口部11および12付近に、幅30cm程度で120tf/m(1176kN/m)の耐力を有するアラミド繊維シートを、その耐力が略鉛直方向の耐力となるように2度にわたって貼付する(2層を形成)。その後、幅10cm程度で90tf/m(882kN/m)の耐力を有するアラミド繊維シートを、その耐力が略水平方向の耐力となるように開口部11および12付近を包帯状に巻回する。この結果、開口部11および12の近傍では、略鉛直および略水平方向に所定の耐力を有する3層から成るアラミド繊維シートを貼付することになる。
以上により、電柱1の補強方法の全ての工程(ステップ)が終了する。図11は、本実施形態に係る補強方法によって構築されたコンクリート製電柱の補強構造の概略構成を示す断面図である。同図においては、図面の簡略化のために、一部のアラミドロッドのみ記載している。また、同様の理由により、ワイヤおよびアラミド繊維シートの記載を省略している。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、補強材懸吊用治具および補強材配置用補助具を適宜用いて電柱の中空部に補強材を均等に配置することにより、既設の電柱の強度を容易にかつ経済的に増加させることが可能となる。実際、本実施形態に係る電柱の補強方法によれば、補強前の状態に比べて1.5倍程度の強度を得ることができる。
本実施形態は、家屋等に近接した場所や、道路の崖崩れを防止するためにブロック等で傾斜状に補強された地際を有する場所等、掘削工事の施工が極めて難しい場所に立設された電柱の補強を行う際に特に大きな効果を奏する。
さらに、本実施形態によれば、全長15〜16mの共架柱の場合、最も上部の開口部(第3の開口部)でもたかだか地際から5m程度の高さなので、通常の架線工事などに利用される作業車を用いて補強工事を行うことできる。したがって、補強工事自体も容易であり、かつ経済的である。
(その他の実施形態)
ところで、本発明は、上記一実施形態においてのみ特有の効果を発揮すると理解されるべきではない。
以上の説明においては、電柱1内部に挿入するアラミドロッド71および81は、それぞれ6本ずつの計12本であったが、この本数は、中空部の水平方向の径やその他のさまざまな条件に応じて適宜変更することが可能である。例えば、上下ともに4本または5本または7本または8本挿入してもよいし、上方は中空部の水平方向の径が小さいので4本または5本にする一方で、下方はそれよりも多い本数(6本、7本、8本、・・・)にしてもよい。
このように、挿入するアラミドロッドの本数に応じ、補強材懸吊用治具および補強材配置用補助具の構成が変更を受けることは勿論であるが、これらの補強材懸吊用治具および補強材配置用補助具が、アラミドロッドを中空部内で均等に配置するためのものであることに変わりはない。また、本数によって補強方法自体が変更を受けるわけではない。加えて、アラミドロッドの長手方向の長さも、補強するコンクリート製電柱の規格等の条件に応じて適宜変更されることはいうまでもない。
このように、本発明は、上述した一実施形態と同様の効果を奏するさまざまな実施の形態等を含み得るものである。
本発明の一実施形態に係るコンクリート製電柱の補強方法の処理の流れを示すフローチャート図である。 本発明の一実施形態に係る電柱の補強方法において、電柱に三つの開口部を設けたときの側面図である。 補強材配置用補助具の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電柱の補強方法において、第1の開口部から中空部に補強材配置用補助具を挿入するときの処理の概要を示す部分断面図である。 アラミドロッドを第1の開口部よりも上方の中空部に挿入するときの処理の概要を示す部分断面図である。 コンクリート製電柱内部で補強材配置用補助具を用いることによってアラミドロッドを配置したときの状況を示す図である。 補強材支持具を中空部に挿入してアラミドロッドを載置、支持している状況を示す部分断面図である。 第1の補強材懸吊用治具の構成を示す斜視図である。 第2の補強材懸吊用治具の構成を示す斜視図である。 図8および図9に示す補強材懸吊用治具を用いて棒状部材を懸吊したときの開口部付近の中空部内の状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る補強方法によって構築されたコンクリート製電柱の補強構造の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 電柱
3、5 隙間充填材
11、12、13 開口部
20、40 補強材配置用補助具
21、41 フレーム
23、43 貫通部
25、35 孔部
30 補強材支持具
31 支持部
33 取っ手
50、60 補強材懸吊用治具
51、61 補強材固定部
52、62 支持部
53、63 懸吊部
54、64 通し穴部
55、65 治具操作部
56a、56b 載置部
71、81 アラミドロッド
73、83 ワイヤ締結部
85 連結部材
91 異型鉄筋
w1、w2、・・・、w6 ワイヤ

Claims (5)

  1. 既設の立設されたコンクリート製電柱の内部に補強材としての複数本のアラミドロッドと隙間充填材とを投入して当該コンクリート製電柱を補強する際に、当該コンクリート製電柱の内部に配置される補強材配置用補助具に等間隔に設けられる貫通部に前記アラミドロッドを貫通させて当該アラミドロッドを電柱内部で所定の間隔で配置するときのコンクリート製電柱の補強方法であって、
    前記コンクリート製電柱の側面の少なくとも鉛直方向の位置が異なる三つの領域に上方から第3、第1および第2の開口部をそれぞれ形成する工程と、
    この工程で形成した三つの開口部のうち開口面の面積が最も大きい第1の開口部から、第1の補強材配置用補助具を挿入し、前記第3の開口部からワイヤにて懸吊し前記第1の開口部よりも上方の中空部へ配置する工程と、
    前記複数のアラミドロッドを前記第1の開口部より挿入し、前記第3の開口部からワイヤにて懸吊し前記第1の開口部より上方の中空部へ配置する工程と、
    この工程で挿入した複数のアラミドロッドを支持する補強材支持具を前記第1の開口部から前記中空部に挿入して前記複数のアラミドロッドの端部を載置、支持する工程と、
    複数の異型鉄筋付きアラミドロッドを前記第1の開口部から挿入し、当該第1の開口部よりも下方の中空部へ配置する工程と、
    第2の補強材配置用補助具を前記第1の開口部より挿入し、前記第1の開口部からワイヤにて懸吊し当該第1の開口部よりも下方の中空部に配置する工程と、
    前記各異型鉄筋付きアラミドロッドの上端に締結されるワイヤをそれぞれ懸吊する複数の懸吊部が等間隔に配置される補強材懸吊用治具を前記第1の開口部から前記中空部に挿入する工程と、
    前記中空部に挿入された補強材懸吊用治具および第2の補強材配置用補助具を用いて前記複数の異型鉄筋付きアラミドロッドを当該中空部で均等に配置する工程と、
    所定量の砂またはモルタルまたは豆砂利から成る第1の隙間充填材を前記第2の開口部から前記複数の異型鉄筋付きアラミドロッドと中空部との隙間を充填するように注入する工程と、
    所定量の無収縮モルタルから成る第2の隙間充填材を前記第2の開口部から前記中空部に注入し当該複数の異型鉄筋付きアラミドロッドを固定する工程と、
    前記補強材懸吊用治具および前記補強材支持具を前記中空部から取り出し、前記第2の隙間充填材を前記第1の開口部の上端付近に達するまで前記第1の開口部から注入する工程と
    を有することを特徴とするコンクリート製電柱の補強方法。
  2. 前記第1の補強材配置用補助具を前記第1の開口部から挿入し、当該第1の開口部よりも上方の中空部へ配置する工程において、
    前記第1の補強材配置用補助具に装着されるワイヤの端部を前記第3の開口部からコンクリート製電柱の外部に延出させ、この延出されたワイヤを操作牽引することによって前記第1の補強材配置用補助具を前記中空部内で上昇させて、前記第1の開口部よりも上方の中空部位置に配置することを特徴とする請求項1記載のコンクリート製電柱の補強方法。
  3. 前記複数のアラミドロッドの各々を前記第1の開口部よりも上方の中空部へ挿入する工程において、
    予め、前記各アラミドロッドの上端に装着される第1のワイヤと該アラミドロッドの下端に装着される第2のワイヤと前記第1の補強材配置用補助具を懸吊するワイヤとを前記第3の開口部から延出させておくと共に、前記複数の第1のワイヤを前記第1の補強材配置用補助具の各貫通部にそれぞれ貫通した後に、
    各アラミドロッドの上端に装着され、前記第3の開口部からコンクリート製電柱の外部に延出させた第1のワイヤを操作牽引することによってアラミドロッドの上端が前記第3の開口部に達するまで上昇させた後、
    この上昇させたアラミドロッドの下端付近に装着され、前記第3の開口部からコンクリート製電柱の外部に延出させた第2のワイヤを操作牽引することによってアラミドロッドの上端が前記中空部内の上端に達するまで上昇させること
    を特徴とする請求項1または2記載のコンクリート製電柱の補強方法。
  4. 前記補強材支持具を前記中空部から取り出し、前記第2の隙間充填材を前記第1の開口部の上端付近に達するまで前記第1の開口部から注入する工程の後、
    前記第1の開口部付近の外周に、略鉛直または略水平方向に所定の耐力を有する一または複数のアラミド繊維シートを貼付する工程
    をさらに行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコンクリート製電柱の補強方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載したコンクリート製電柱の補強方法を用いて構築されたことを特徴とするコンクリート製電柱の補強構造。
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