JP4149718B2 - 部品実装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベアICなどの高精度の実装が要求される部品を基板などの実装対象物に実装する部品実装方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ベアICなどの部品を基板などの実装対象物に実装する際には、数ミクロンないしサブミクロンオーダーの高い実装精度が要請される。このような部品の実装に適用可能な実装装置としては、例えば特開2000−68327号公報に開示されたものが知られている。
【0003】
この特開2000−68327号公報に開示された部品実装装置の構成を図4を参照して説明する。図4において、31は、ベアICチップからなる部品32を実装対象物の基板33に実装する部品実装装置であり、その基台34上の後部には、部品32を保持して基板33に実装する実装ヘッド35をX軸方向に移動可能に支持するX方向テーブル36が配設されている。X方向テーブル36の所定箇所の下部とその前部の間にわたってY軸方向に移動可能なY方向テーブル37が配設され、このY方向テーブル37上に基板33を載置固定する支持台38が昇降可能に設けられている。X方向テーブル36の前部には基板33を基台34の一側からY方向テーブル37まで搬入するローダ39と、Y方向テーブル37から基台34の他側に搬出するアンローダ40が配設されている。ローダ39やアンローダ40は基板33の両側を支持する一対のレールを有し、支持台38の前後両側にはこれら一対のレールに接続可能な部分レール41が設けられて基板33をこの部分レール41上に受けた後、支持台38上に載置固定するように構成されている。
【0004】
基台34の他側のX方向テーブル36より前方位置に、多数の部品32を形成されエキスパンドシート上でダイシングされた半導体ウエハ42を収容した部品マガジン43が設置されて、所望の半導体ウエハ42を所定の供給高さ位置に位置決めするマガジンリフタ44が配設され、マガジンリフタ44とY方向テーブル37との間に、マガジンリフタ44から導入された半導体ウエハ42のエキスパンドシートを拡張させ、各部品32を間隔をあけて分離させるエキスパンド台45が、任意の部品32を所定の第1の部品供給位置に位置決めするXYテーブル46上に設置して配設されている。47は第1の部品供給位置の部品32を認識する認識カメラである。
【0005】
48は、エキスパンド台45上の第1の部品供給位置で電子部品32を吸着し、X方向テーブル36と同じX方向に移動して第2の部品供給位置まで移載するとともに吸着した電子部品32を180度上向きに旋回させる部品反転手段である。半導体ウエハ42の状態では、各部品32の回路パターンは上面に形成されており、部品反転手段48にて各部品32の回路パターンが形成された面を吸着した後上向きに180度旋回することによって、部品32を下向きにし、その状態で第2の部品供給位置で実装ヘッド35に受け渡すように構成されている。以上のマガジンリフタ44、エキスパンド台45、反転手段48にて部品32を実装ヘッド35に供給する部品供給手段49が構成されている。
【0006】
次に、実装動作を説明する。ローダ39にて供給された基板33をY方向テーブル37に設けられた部分レール41上に受け渡した後、支持台38を所定高さ位置まで上昇させて基板33を支持台38上に載置固定する。一方、部品32は部品供給手段49にて第2の部品供給位置に供給され、この部品32を実装ヘッド35にて保持する。
【0007】
次いで、実装ヘッド35がX方向テーブル36にて基板33における部品32の実装位置のX方向位置まで移動し、またY方向テーブル37が基板33における部品32の実装位置のY方向位置が実装ヘッド35のY方向位置に一致するように移動し、部品32と基板33の実装箇所の位置合わせを行った後、実装ヘッド35にて部品32を実装する。部品32の実装が終了すると、支持台38が下降して基板33が部分レール41上に受け渡されるとともに、部分レール41がアンローダ40に接続されてアンローダ40にて搬出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記部品実装装置の構成では、実装ヘッド35を部品供給位置と基板33における各部品32の実装位置との間で直線移動させ、実装位置の変化に対応して実装ヘッドを移動・位置決めするようにしているので、実装ヘッド35の移動・位置決めに時間を要し、1部品当たりの実装時間が長くかかり、生産性向上の阻害要因となるとともに、実装ヘッドの実装位置での位置決め精度も低下するという問題が生じる可能性があった。
【0009】
例えば、部品供給位置への移動に0.62sec、部品保持に0.43sec、実装位置への移動に0.62sec、部品認識に0.63sec、実装に0.59sec必要で、1部品当たりの実装時間として2.9sec程度必要となり、また実装ヘッドの位置決め精度は、実装ヘッドの移動機構にボールねじ送り機構を用いて±2μm程度が限度であった。
【0010】
なお、間欠回転する回転体の外周部にその間欠回転角間隔で複数の実装ヘッドを配設し、実装ヘッドが所定の部品供給位置に停止したときに部品を受け取り、所定の実装位置で停止したときに実装ヘッドにて保持した部品を実装するようにした高速実装タイプの部品実装装置も知られているが、そのような構成では実装ヘッドが回転体の間欠回転に伴って円形移動軌跡を間欠移動するため実装位置への位置決めの高精度化に限界があり、かつ各実装ヘッド間でも位置決めにばらつきがあるので、実装位置の高精度化が困難であり、ベアICのような非常に高い実装精度が要求される部品の実装に適用することはできない。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、1部品当たりの実装時間を短縮して実装の高速化を可能にするとともに実装の高精度化を実現できる部品実装方法及び装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の部品実装方法は、一定の部品供給位置で部品を受け取った実装ヘッドを直線移動させて一定の位置に設定された実装位置に位置決めする実装ヘッド位置決め工程と、前記実装ヘッドが前記部品供給位置と前記実装位置との間を移動する間に、前記実装ヘッドに保持された前記部品の実装すべき位置が前記実装位置になるよう実装対象物を移動して位置決めし、実装位置に位置決めされた認識手段により前記実装対象物の位置を認識する工程と、前記実装ヘッドが直線移動して前記実装位置に位置決めされると同時に、実装位置に位置決めされた前記認識手段により前記実装ヘッドに保持された前記部品を認識し、その認識結果に基づき、前記実装位置になるよう移動して位置決めされている前記実装対象物を小さい位置補正量にて位置補正する工程と、を有するものであり、実装ヘッドが固定的に設定された部品供給位置と実装位置との間で移動するので、高い位置決め精度を確保しながら短時間で移動・位置決めすることができ、一方それに伴って必要となる実装対象物の2軸方向の位置決めは、実装ヘッドが往復移動して位置決めされる間に行えばよいので、高精度の位置決めを行うに必要な時間を十分に確保でき、1部品当たりの実装時間を短縮して実装の高速化を可能にするとともに実装の高精度化を実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子部品実装方法及び装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0018】
本実施形態の部品実装装置1は、ベアICチップなどの部品2を実装対象物の基板3に実装するものであり、部品供給部4と実装部5がそれぞれユニット化して構成され、両者を結合して構成されている。このように構成することで、各種供給形態の部品供給部4を用意しておくことにより、所望の部品供給部4を選択して結合することで任意の供給形態の部品に対応できる部品実装装置を容易に構成することができる。
【0019】
図示例の部品供給部4においては、多数の部品2を形成されエキスパンドシート上でダイシングされた半導体ウエハ7を収容した部品マガジン8を設置すると、所望の半導体ウエハ7を所定の供給高さ位置に位置決めするマガジンリフタ9が、供給部本体6の前部に配設されている。供給部本体6には、エキスパンド台10が前後方向のY方向及び左右方向のX方向に移動可能に配設され、マガジンリフタ9から半導体ウエハ7を導入し、そのエキスパンドシートを拡張させて各部品2を間隔をあけて分離させ、さらに所望の部品2を所定の第1の部品供給位置に位置決めするように構成されている。11は第1の部品供給位置の部品2を認識する認識カメラである。
【0020】
また、供給部本体6には、エキスパンド台10上の第1の部品供給位置で部品2を吸着してX方向に実装部5に向けて移動し、図2に示すように、第2の部品供給位置Aまで移載するとともに吸着した部品2を180度上向きに旋回させる部品反転手段12が配設されている。半導体ウエハ7の状態では、各部品2の一面に設けられた突起電極(図示せず)が上面に形成されており、部品反転手段12にて各部品2の突起電極が形成された面を吸着した後上向きに180度旋回することによって、部品2の突起電極が形成された面が下向きとなり、その状態で第2の部品供給位置で実装部5に受け渡すように構成されている。
【0021】
実装部5には、部品2を保持して基板3に実装する実装ヘッド13と、実装ヘッド13を第2の部品供給位置Aと所定位置に設定された実装位置Bとの間の一定距離LをX方向に往復移動させて位置決めするXテーブル14が配設されている。実装ヘッド13は、ボイスコイルモータなどの移動手段にて昇降駆動可能でかつ保持した部品2を介して押圧エネルギーや超音波振動エネルギーや熱エネルギーなどの接合エネルギーを接合部に付与できるように構成された保持部を備え、部品2を基板3に対して加圧しながら接合エネルギーを付与するように構成されている。Xテーブル14は、実装ヘッド13をX方向に移動自在に支持するガイドレール14aとボールねじ機構14bとそのボールねじ軸を回転駆動するサーボモータを備えた回転駆動手段14cにて構成されている。
【0022】
これら実装ヘッド13とXテーブル14の下部に、基板3をX方向及びY方向に移動させ、その部品を実装すべき位置を実装ヘッド13による実装位置Bに位置決めするXYテーブル15が配設されている。XYテーブル15はX方向とY方向にそれぞれサーボモータにて移動駆動するとともにリニアスケールを用いてフルクローズ制御にて位置決めするように構成されている。このXYテーブル15上に基板3を載置固定する支持台16が昇降可能に設けられている。
【0023】
また、図3に示すように、実装ヘッド13と支持台16との間に、実装位置Bと実装位置から実装ヘッド13の移動方向と直交する方向に退避した位置との間で出退移動可能に認識手段17が配設されている。この認識手段17は、実装位置Bに位置した状態で、上側で実装ヘッド13に保持された部品2を認識し下側で基板3の部品を実装すべき位置を同時に認識できるように構成されている。18a、18bは各々の認識カメラ、19a、19bは照明手段である。
【0024】
XYテーブル15の前部には基板3を実装部5の一側からXYテーブル15まで搬入するローダ20と、XYテーブル15から実装部5の他側に搬出するアンローダ21が配設され、さらに部品供給部4にはこのアンローダ21に接続するアンローダ22が配設されている。ローダ20やアンローダ21、22は基板3の両側を支持する一対のレールを有し、支持台16の前後両側にはこれら一対のレールに接続可能な部分レール23が設けられて基板3をこの部分レール23上に受けた後、支持台16上に載置固定するように構成されている。
【0025】
24は、Xテーブル14による実装ヘッド13の移動経路を実装位置Bより延長し、その延長した位置に配設した接着材塗布手段であり、必要に応じて部品2の基板3に対する接合面に接着材や封止材を塗布する接着材塗布手段である。
【0026】
次に、以上の構成における部品の実装動作を説明する。ローダ20にて供給された基板3は、XYテーブル15に設けられた部分レール23上に受け渡された後、支持台16が所定高さ位置まで上昇することで支持台16上に載置固定される。その後、XYテーブル15にて基板3の部品2を実装すべき位置が固定的に設定された所定の実装位置Bに一致するように位置決めされる。次に、認識手段17が実装位置Bに位置決めされ、基板3の部品2を実装すべき位置が認識され、所定の位置決め精度が確保されるように位置補正がなされる。
【0027】
一方、部品供給部4にて部品2が第2の部品供給位置に供給されると、実装ヘッド13がXテーブル14にて第2の部品供給位置Aに位置決めされ、部品2が実装ヘッド13にて保持される。次いで、実装ヘッド13がXテーブル14にてX方向に直線移動して所定の実装位置Bに位置決めされる。それと同時に上記のように実装位置Bに位置決めされた認識手段17にて実装ヘッド5に保持された部品2が認識され、所定の位置決め精度が確保されるようにXYテーブル15の位置補正がなされる。
【0028】
こうして部品2と基板3の部品2を実装すべき位置の位置合わせが高精度に行われた後、実装ヘッド5が作動して部品2が基板3に実装される。部品2の実装が終了すると、支持台16が下降して基板3が部分レール23上に受け渡されるとともに、部分レール23がアンローダ21に接続されてアンローダ21、22にて搬出される。
【0029】
以上のように本実施形態によれば、実装ヘッド13がXテーブル14にて固定的に設定された第2の部品供給位置Aと実装位置Bとの間で移動するので、高い位置決め精度を確保しながら短時間で移動・位置決めすることができ、一方それに伴って必要となる基板3のXYテーブル15によるX、Y方向の位置決めは、実装ヘッド13が往復移動して位置決めされる間に行えばよいので、高精度の位置決めを行うに必要な時間を十分に確保でき、かくして1部品当たりの実装時間を短縮して実装の高速化を可能にするとともに実装の高精度化を実現できる。
【0030】
これにより、例えば実装ヘッド13の実装位置Bから第2の部品供給位置Aへの移動・位置決めに0.24sec、実装ヘッド13による部品2の保持に0.41sec、第2の部品供給位置Aから実装位置Bへの移動・位置決めに0.24sec、部品2の認識に0.59sec、実装に0.32secを要し、1部品当たりの実装時間として1.8sec程度に納めることが可能となり、また実装ヘッド13の位置決め精度は、位置決めすべき位置を固定的に設定することで±0.2μm程度に納めることが可能となる。
【0031】
また、基板3の位置決め工程時に、各部品2を実装すべき位置をそれぞれ認識手段17にて認識し、その認識結果によって基板3の位置補正するようにしているので、高精度の実装ができ、また実装ヘッド13を実装位置に位置決めした後、実装ヘッド13に保持された部品2を認識し、その認識結果に応じてXYテーブル15にて基板3の位置補正を行うようにしているので、第2の部品供給位置での実装ヘッド13に対する部品2の供給位置精度が十分に高くなくても高精度に実装することができ、かつ位置補正量は極めて小さいので極めて短時間で補正することができる。
【0032】
また、上記部品2と基板3における部品を実装すべき位置の認識を、単一の認識手段17にて一括して認識するようにし、かつその認識手段17は実装位置と退避位置の2位置間で出退移動するようにしているので、認識間の誤差及び認識手段17の移動による誤差を抑制して高い認識精度を確保することができ、一層高精度の実装を実現することができる。
【0033】
上記実施形態の説明では、部品供給部4の部品供給形態として半導体ウエハ7を部品マガジン8に収納して供給する例を示したが、トレイプレートに部品2を収納して供給する方式や、トレイフィーダにて供給する方式や、部品をテープ状部品集合体に収納された部品を順次繰り出し供給するように構成されたパーツカセット方式による部品供給形態であってもよいことは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】
本発明の部品実装方法及び装置によれば、以上のように実装ヘッドを固定的に設定された部品供給位置と実装位置との間で移動させるようにしたので、高い位置決め精度を確保しながら短時間で移動・位置決めすることができ、1部品当たりの実装時間を短縮して実装の高速化を可能にするとともに実装の高精度化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における部品実装装置の全体概略構成を示す斜視図である。
【図2】同実施形態における実装ヘッドの移動・位置決め手段の構成を示す斜視図である。
【図3】同実施形態における実装部の要部構成を示す斜視図である。
【図4】従来例の部品実装装置の全体概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 部品実装装置
2 部品
3 基板(実装対象物)
4 部品供給部(部品供給手段)
13 実装ヘッド
14 Xテーブル(移動・位置決め手段)
15 XYテーブル(位置決め手段)
17 認識手段
Claims (1)
- 一定の部品供給位置で部品を受け取った実装ヘッドを直線移動させて一定の位置に設定された実装位置に位置決めする実装ヘッド位置決め工程と、
前記実装ヘッドが前記部品供給位置と前記実装位置との間を移動する間に、前記実装ヘッドに保持された前記部品の実装すべき位置が前記実装位置になるよう実装対象物を移動して位置決めし、実装位置に位置決めされた認識手段により前記実装対象物の位置を認識する工程と、
前記実装ヘッドが直線移動して前記実装位置に位置決めされると同時に、実装位置に位置決めされた前記認識手段により前記実装ヘッドに保持された前記部品を認識し、その認識結果に基づき、前記実装位置になるよう移動して位置決めされている前記実装対象物を小さい位置補正量にて位置補正する工程と、を有することを特徴とする部品実装方法。
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