JP4149681B2 - リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、カムコーダ、ノート型パソコン等のポータブル電子機器の普及に伴い、エネルギー密度の高い電池が求められ、リチウム二次電池の需要が高まっている。特に、有機電解液やポリマー電解質等の電解質を具備してなるリチウム二次電池においては、高い電池性能を発現させるために、負極と電解質との反応を抑制することが重要である。特に、充電時に卑な電位になる負極は、電解質を分解しやすく、電池性能、特に電池容量、電池保存特性、サイクル特性、低温特性等に大きな影響を与える。
【0003】
そこで、リチウム二次電池の電解質としては、特に負極との反応性を考慮した選定が行われ、負極との反応で電池性能が劣化しない溶媒あるいはその組合せが多数検討されている。さらに、溶媒の選定には電解液の支持塩の溶解性、正極との反応性、イオン伝導性、コスト等が考慮される。
具体的には、リチウム二次電池の非水溶媒としては、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸エチル等の有機溶媒が単独あるいは複数種を組み合わせて用いられる。
また、更に特定の化合物を添加剤として電解質に含有させることにより、負極と電解質の反応を抑制して電池性能を向上させる試みも多数行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の添加剤によっては、充放電反応に悪影響を与え、電池としての本来の電圧、あるいは電流が得られない場合がほとんどであった。
例えば、特開平8−96852号公報には、金属リチウムまたはリチウムをドープ・脱ドープすることが可能な材料を有する負極を用いた電池において、非水溶媒中にビニレンカーボネートを含有させた電池が開示されているが、炭素質材料を負極とする電池にこのビニレンカーボネートを用いた場合、被膜形成能が充分ではなく、充分な電池特性の向上が望めなかった。
更に、ビニレンカーボネートを添加した場合、初充電時のガス発生量が多くなり、電池の形状によっては電池の内圧の上昇による電池の変形が起きる場合があった。このガス発生の原因としては、初充電の被膜形成の際に電解質の分解が同時に起きているためと考えられており、このガス発生によって電解質の変質が生じ、これが電池特性の低下の一因になっている可能性があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、電池としての特性を低下させずに負極と電解質との反応の抑制が可能であり、更にガス発生が少ないリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなり、前記電解質中にポリエチレングリコールジメタクリレート(以下PEGDMAと表記)またはポリエチレングリコールジアクリレート(以下PEGDAと表記)が0.5〜10重量%の範囲で添加され、アクリロニトリル(以下ANと表記)が0.1〜2重量%の範囲で添加され、アセトニトリルが0.1〜5重量%の範囲で添加されていることを特徴とする。
【0007】
係るリチウム二次電池によれば、初充電時の初期にPEGDMAまたはPEGDAが重合して電解質を形成するとともに、PEGDMAまたはPEGDA及びANが重合して負極表面に有機質被膜が形成されるため、その後、充電の進行により充電電圧が上昇した場合でも、この有機質被膜によって負極表面上での電解質の分解反応が抑制されるので、電解質の分解によるガス発生や電解質自体の変質が低減され、リチウム二次電池の充放電容量の低下を防止し、サイクル特性を向上することが可能となり、更に電池の変形も防止可能となる。また、有機質被膜による電解質分解の抑制効果によって、リチウム二次電池の高温貯蔵特性が向上する。
また、PEGDMAまたはPEGDA及びANの添加量が上記の範囲であれば、電解質の分解抑制に十分な有機質被膜を形成させることが可能になる。
また、電解質中に ACN を添加することにより、有機質被膜の形成時に ACN が有機質被膜に取り込まれ、これにより有機質被膜のリチウムイオン伝導性が向上するので、低温特性を更に向上させることが可能になる。
【0010】
次に、本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなり、前記電解質は、ポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートからなる重合体に有機電解液が含浸されてなり、前記負極の表面に、ポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートとアクリロニトリルとからなる有機質被膜が形成されてなると共に、前記有機質被膜中にアセトニトリルが少なくとも含まれていることを特徴とする。
【0011】
係るリチウム二次電池によれば、負極の表面にPEGDMAまたはPEGDA及びANからなる有機質被膜が形成されており、この有機質被膜によって負極表面上での電解質の分解反応が抑制されるので、電解質の分解によるガス発生や電解質自体の変質が低減され、リチウム二次電池の充放電容量の低下を防止し、サイクル特性を向上することが可能となり、更に電池の変形も防止可能となる。また、有機質被膜による電解質分解の抑制効果によって、リチウム二次電池の高温貯蔵特性が向上する。
また、有機質被膜に ACN が含まれているので、有機質被膜のリチウムイオン伝導性が向上し、リチウム二次電池の充放電効率が高くなって低温特性を更に向上させることが可能になる。
【0014】
次に本発明のリチウム二次電池の製造方法は、リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなるリチウム二次電池の製造方法であり、前記電解質にポリエチレングリコールジメタクリレートを0.5〜10重量%の範囲で添加するとともにアクリロニトリルを0.1〜2重量%の範囲で添加した状態で、該電解質を少なくとも前記正極及び前記負極の間に配置して40〜120℃の範囲で熱処理を行う工程と、金属リチウムを参照極とした場合の前記負極の電位が、0.8V以上1.3V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、負極の電位を維持したままで0.1〜8時間の定電圧充電を行う第1充電工程とからなることを特徴とする。
また、前記第1充電工程の後に、前記負極の電位が、0V以上0.1V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、負極の電位を維持したままで1〜8時間の定電圧充電を行う第2充電工程を行うことが好ましい。
【0015】
係るリチウム二次電池の製造方法によれば、熱処理することによりPEGDMAまたはPEGDAを熱重合させて電解質を形成するとともに、PEGDMAまたはPEGDA及びANを負極表面に吸着させ、次に第1充電工程により吸着したPEGDMAまたはPEGDA及びANを重合させて有機質被膜を形成するので、先に形成した電解質が分解する前に負極の表面上に有機質被膜を形成することができる。また、第1充電工程における定電圧充電が比較的長時間に渡って行われるので、PEGDMAまたはPEGDA及びANの重合反応が十分に行われ、有機質被膜の反応収率が高くなり、十分な有機質被膜が形成される。
また、有機質被膜の形成によって、第2充電工程における電解質の分解を抑制することが可能となり、ガス発生及び電解質の変質を防止できる。
また、第1充電工程を行うことによって電解質の一部が有機質被膜に吸収されるので、有機質被膜と電解質との親和性が向上し、充放電効率を向上させることが可能になる。
尚、PEGDMAまたはPEGDA及びANの添加量が上記の範囲であれば、電解質の分解抑制に十分な有機質被膜を形成させることが可能になる。
【0016】
また本発明のリチウム二次電池の製造方法は、リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなるリチウム二次電池の製造方法であり、前記正極の活物質が、コバルト、マンガン、ニッケルから選ばれる少なくとも一種とリチウムとの複合酸化物のいずれか1種以上であり、前記電解質にポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートを0.5〜10重量%の範囲で添加するとともにアクリロニトリルを0.1〜2重量%の範囲で添加した状態で、該電解質を少なくとも前記正極及び前記負極の間に配置して40〜120℃の範囲で熱処理を行う工程と、電池電圧が2.5V以上3.1V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、電池電圧を維持したままで0.1〜8時間の定電圧充電を行う第1充電工程とからなることを特徴とする。
また、前記第1充電工程の後に、電池電圧が4.0V以上4.3V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、電池電圧を維持したままで1〜8時間の定電圧充電を行う第2充電工程を行うことが好ましい。
【0017】
また本発明のリチウム二次電池の製造方法は、先に記載のリチウム二次電池の製造方法であって、前記電解質中にアセトニトリルを0.1〜5重量%の範囲で添加することを特徴とする。
【0018】
係るリチウム二次電池の製造方法によれば、電解質中にACNを添加することにより、有機質被膜の形成時にACNを有機質被膜に取り込ませることができ、これにより有機質被膜のリチウムイオン伝導性が向上するので、リチウム二次電池の低温特性を向上させることが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなり、負極表面に有機質被膜が形成されていない状態で、前記電解質中にポリエチレングリコールジメタクリレート(以下PEGDMAと表記)またはポリエチレングリコールジアクリレート(以下PEGDAと表記)及びアクリロニトリル(以下ANと表記)が含まれてなるものである。また前記電解質中にアセトニトリル(以下ACNと表記)が含まれていても良い。
【0020】
また本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなり、前記電解質は、ポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートからなる重合体に有機電解液が含浸されてなり、前記負極の表面に、PEGDMAまたはPEGDAとANとからなる有機質被膜が形成されてなるものである。また前記有機質被膜中にACNが少なくとも含まれていてもよい。
【0021】
PEGDMAは、下記式(1)で示す構造をもち、炭素-炭素間の二重結合が分子内に2つ存在するいわゆる二官能のアクリル酸エステル誘導体である。このPEGDMAは、アニオン重合を行うアニオン付加重合性モノマーであり、加熱するとラジカル重合して重合体を形成する。また充電時に卑な電位を示す負極表面上で有機質被膜を形成する。このPEGDMAがアニオン重合すると、分子内の2つの二重結合が開裂してそれぞれ別のPEGDMAと結合する反応が連鎖的に起こり、負極表面上にPEGDMAが重合してなる被膜が形成する。
また、PEGDAは、下記式(2)で示す構造をもち、PEGDMAと同様に二官能のアクリル酸エステル誘導体であり、アニオン重合を行うアニオン付加重合性モノマーであり、加熱するとラジカル重合して重合体を形成する。また、充電時に卑な電位を示す負極表面上で有機質被膜を形成する。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
また、PEGDMAまたはPEGDAは、ANが共存する状態でANとともに本発明に係る有機質被膜を形成する。この皮膜形成の機構は、PEGDMAまたはPEGDAがそれぞれ単独の場合と同様で、充電時に卑な電位を示す負極表面上でアニオン重合を行い、本発明に係る有機質被膜を形成する。
この有機質被膜の詳細な構造は不明であるが、おそらくPEGDMAまたはPEGDAとANとの共重合体であると考えられる。PEGDMAまたはPEGDAとANからなる有機質被膜は、リチウムのイオン伝導度が高く、4.2V以上の電圧が印加された状態でも電気分解しない強固な被膜である。
【0025】
また、本発明に係る有機質被膜には、PEGDMAまたはPEGDA及びANの他に、ACNが含まれていても良い。ACNを含む有機質被膜は、ACNが含まれない場合よりもリチウムのイオン伝導度が向上し、電池の内部インピーダンスが低減されて充放電効率が向上する。ACNは、PEGDMAまたはPEGDA及びANと共に反応して有機質被膜中に存在するか、あるいはPEGDMAまたはPEGDA及びANのみからなる共重合体中に溶解した状態で有機質被膜中に存在するか、のいずれか一方または両方の状態にあると考えられる。
尚、第1充電工程における被膜の形成に伴って電解質中に含まれる未反応のPEGDMAまたはPEGDA及びANの濃度は著しく減少する。従って残留モノマーが電池特性を劣化させることがない。
【0026】
有機質被膜の厚さは、数〜数十nm程度であり、極めて薄い膜である。膜厚が数μmのオーダーになると、リチウムイオンを透過させることが困難になり、充放電反応が円滑に行えないので好ましくない。また、厚さが例えば1nm以下程度になると、膜としての形状を維持するのが困難になるので好ましくない。
【0027】
上記の有機質被膜は負極表面上に形成されるので、負極と電解質との直接の接触を防ぐ機能を果たす。これにより、負極表面での電解質の還元分解反応が抑制され、電解質の分解によりガス発生が低減されるととともに電解質自体の変質が防止される。このガス発生の低減によって電池の内圧が上昇せず、電池が変形することがない。更に電解質の変質防止により、電解質量が減少することがなく、充放電反応が円滑に進行して充放電効率が高くなり、サイクル特性が向上する。更にまた、電解質と負極との反応が抑制されるので、電池を高温で長期間貯蔵した場合でも電解質の変質が起きることがなく、充放電効率やサイクル特性等の電池特性が低下することがない。
【0028】
また、上記の有機質被膜はリチウムのイオン伝導性に優れるので、電解質と負極との間でリチウムイオンを輸送する機能も果たす。
従って、負極表面が有機質被膜で覆われたとしても、リチウムイオンの輸送に何ら障害になることがなく、充放電反応が円滑に進行して充放電効率が高くなり、サイクル特性が向上する。また電池の内部インピーダンスが増加することがなく、充放電容量が大幅に低下することがない。
【0029】
上記の電解質は、PEGDMAまたはPEGDAからなる重合体に有機電解液が含浸したポリマー電解質である。
有機電解液としては、例えば、非プロトン性溶媒にリチウム塩が溶解されてなる有機電解液を例示できる。
非プロトン性溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル等の非プロトン性溶媒、あるいはこれらの溶媒のうちの二種以上を混合した混合溶媒、さらにリチウム二次電池用の溶媒として従来から知られているものを例示でき、特にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートのいずれか1つを含むとともにジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートのいずれか1つを含むものが好ましい。
【0030】
また、リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、LiN(CxF2x+1SO2)(CyF2y 十 1SO2)(ただしx、yは自然数)、LiCl、LiI等のうちの1種または2種以上のリチウム塩を混合させてなるものや、リチウム二次電池用のリチウム塩として従来から知られているものを例示でき、特にLiPF6、LiBF4のいずれか1つを含むものが好ましい。
【0031】
またポリマー電解質の別の例として、上記の有機電解液と、上記の有機電解液に対して膨潤性が高いPEO、PPO、PAN、PVDF、PMA、PMMA等のポリマーあるいはその重合体が混合してなるポリマー電解質を例示できる。
【0032】
PEGDMAまたはPEGDAは、有機質被膜の形成前の時点で、上記の電解質中に0.5〜10重量%の範囲で添加されていることが好ましい。
PEGDMAまたはPEGDAの添加量が0.5重量%未満であると、有機質被膜が充分に形成されないので好ましくなく、添加量が10重量%を越えると、有機質被膜の厚さが増大して内部インピーダンスが増加してしまうので好ましくない。
またANは、有機質被膜の形成前の時点で、上記の電解質中に0.1〜2重量%の範囲で添加されていることが好ましい。
ANの添加量が0.1重量%未満であると、有機質被膜が充分に形成されないので好ましくなく、添加量が2重量%を越えると、有機質被膜の厚さが増大して内部インピーダンスが増加してしまうので好ましくない。
更にACNは、有機質被膜の形成前の時点で、上記の電解質中に0.1〜5重量%の範囲で添加されていることが好ましい。
ACNの添加量が0.1重量%未満であると、有機質被膜のリチウムのイオン伝導度を充分に高めることができなくなるので好ましくなく、添加量が5重量%を越えると、高温時の電解液の蒸気圧が高くなるので好ましくない。
【0033】
次に負極は、リチウムを吸蔵・放出が可能な負極活物質粉末に、ポリフッ化ビニリデン等の結着材と、場合によってカーボンブラック等の導電助材を混合してシート状、扁平円板状等に成形したものを例示できる。負極活物質としては、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛化炭素繊維、黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ、非晶質炭素等の炭素質材料を例示できる。また、リチウムと合金化が可能な金属質物単体やこの金属質物と炭素質材料を含む複合物も負極活物質として例示できる。リチウムと合金化が可能な金属としては、Al、Si、Sn、Pb、Zn、Bi、In、Mg、Ga、Cd等を例示できる。
また負極として金属リチウム箔も使用できる。
【0034】
有機質被膜が負極表面に形成される具体的な形態としては、例えば、前記の負極活物質の表面に有機質被膜が形成した状態や、金属リチウム箔の表面に有機質被膜が形成した状態が考えられる。
【0035】
次に正極は、正極活物質粉末にポリフッ化ビニリデン等の結着材とカーボンブラック等の導電助材を混合してシート状、扁平円板状等に成形したものを例示できる。上記の正極活物質としては、コバルト、マンガン、ニッケルから選ばれる少なくとも一種とリチウムとの複合酸化物のいずれか1種以上のものが好ましく、具体的には、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、V2O5、が好ましい。また、TiS、MoS、有機ジスルフィド化合物または有機ポリスルフィド化合物等のリチウムを吸蔵・放出が可能なものを用いても良い。
【0036】
次に本発明のリチウム二次電池の製造方法について説明する。
本発明のリチウム二次電池の製造方法は、PEGDMAまたはPEGDA及びANを添加した電解質を正極及び負極の間に配置して熱処理する工程と、第1充電工程と、第2充電工程とからなる。
【0037】
まず最初に、PEGDMAまたはPEGDA及びANを添加して電解質を調製する。この電解質は前述したように、PEGDMAまたはPEGDA及びANを、前記の有機電解液に添加して調製する。またPEGDMAまたはPEGDA及びANとともにACNを添加しても良い。
PEGDMAまたはPEGDAの添加量は、0.5〜10重量%の範囲が好ましく、2〜5重量%の範囲がより好ましい。またANの添加量は、0.1〜2重量%の範囲が好ましく、0.2〜0.5重量%の範囲がより好ましい。更にACNの添加量は、0.1〜5重量%の範囲が好ましく、0.2〜1重量%の範囲がより好ましい。
【0038】
次に、この電解質を正極と負極の間に配置する。電解質が有機電解液の場合は、正極と負極の間にセパレータを介在させた状態で、これらに有機電解液を含浸させればよい。また、電解質がポリマー電解質の場合は、正極と負極の間にポリマー電解質を挟めばよく、更に有機電解液をポリマー電解質とは別個に正、負極に含浸させても良い。
【0039】
次に、PEGDMAまたはPEGDA及びAN並びにACNを含む電解質を正、負極間に配置した状態で、40〜120℃の温度範囲で熱処理を行う。この熱処理により、電解質中のPEGDMAがラジカル重合して重合体を形成し、この重合体に有機電解液が含浸されて電解質が形成される。
尚、加熱温度が40℃未満であると、PEGDMAまたはPEGDAのラジカル重合が十分に進まないので好ましくない。また、加熱温度が120℃を越えると、電解質が変質して電池特性を悪化させるので好ましくない。
【0040】
次に、第1充電工程では、金属リチウムを参照極とした場合の負極の電位が、0.8V以上1.3V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、負極の電圧を維持したままで0.1〜8時間の定電圧充電を行う。定電流充電時の電流は、0.01〜0.3C程度が好ましい。
この第1充電工程により、電解質の還元分解が起きる前に、PEGDMAまたはPEGDA及びANがアニオン重合して負極表面上に有機質被膜を形成する。
即ち、PEGDMAまたはPEGDA及びANは、金属リチウムを参照極とした場合の負極の示す電位が0.8〜1.3Vの範囲のときにアニオン付加重合を行い、また電位が0.8V以上では電解質の還元分解が起きないため、充電電圧の下限を0.8Vに限定する必要がある。また、この負極表面におけるアニオン重合は反応の進行が比較的遅いことから、重合反応を十分に進行させるべく、上記の充電電圧を維持した状態で1〜8時間の定電圧充電が必要になる。
なお負極の電位が0.8V未満では、電解質の還元分解反応が併発するので好ましくない。
【0041】
また、定電流充電における負極の電位が1.3Vを越えると、PEGDMAまたはPEGDA及びANの重合反応が開始しないので好ましくない。
次に定電圧充電における充電時間が0.1時間未満では、PEGDMAまたはPEGDA及びANの重合反応が充分に進行せず、有機質被膜に欠陥が発生するおそれがあるので好ましくなく、充電時間が8時間を超えると重合反応がほぼ終了するため、上記の電圧範囲でこれ以上の時間で充電を行う実益がない。
【0042】
尚、上記の第1充電工程では、正極をLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4のいずれか1種以上とした場合、電池電圧が2.5V以上3.1V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、電池電圧を維持したままで0.1〜8時間の定電圧充電を行うことが好ましい。
【0043】
また、有機電解液にPEGDMAまたはPEGDA及びANと共にACNを添加した場合は、PEGDMAまたはPEGDA及びANとともにACNを含む有機質被膜が形成される。ACNが含まれると、有機質被膜のリチウムのイオン伝導度が向上し、電池の内部インピーダンスが低減されて充放電効率が向上する。ACNは、PEGDMAまたはPEGDA及びANと共に反応して有機質被膜中に存在するか、あるいはPEGDMAまたはPEGDA及びANのみからなる共重合体中に溶解した状態で有機質被膜中に存在するか、のいずれか一方または両方の状態にあると考えられる。
尚、被膜の形成に伴って電解質中に含まれるPEGDMAまたはPEGDA、AN及びACNの濃度は著しく減少する。
【0044】
次に、第2充電工程では、金属リチウムを参照極とした場合の負極の電位が、0.0V以上0.1V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、負極電位を0.0V以上0.1V以下に維持したままで1〜8時間の定電圧充電を行う。定電流充電時の電流は、0.1〜0.5C程度が好ましい。
この第2充電工程においては、既に有機質被膜が形成しているため、電解質と負極とが直接に接触することなく、電解質の還元分解が抑制される。
定電流充電における負極の電位が0.1Vを越えると、電池容量が不十分になるので好ましくなく、0.0V未満であると正極の結晶構造が破壊されるおそれがあるので好ましくない。
また、定電圧充電における充電時間が1時間未満であると、充電が不十分になるので好ましくなく、充電時間が8時間を越えると、過充電状態になって正極が劣化するので好ましくない。
【0045】
尚、上記の第2充電工程では、正極をLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4のいずれか1種以上とした場合、電池電圧が4.0V以上4.3V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、電池電圧を維持したままで1〜8時間の定電圧充電を行うことが好ましい。
また、第1充電工程と第2充電工程の間に、1〜8時間程度の休止時間を設けることが、第1充電時間が十分長くない場合に重合反応を充分に進行させる点で好ましい。
【0046】
上記のリチウム二次電池の製造方法によれば、熱処理することによりPEGDMAまたはPEGDAをラジカル重合させて重合体を形成させるとともにこの重合体に有機電解液が含浸して電解質を形成し、またPEGDMAまたはPEGDA及びANを負極表面に吸着させ、次に第1充電工程により吸着したPEGDMAまたはPEGDA及びANを重合させて有機質被膜を形成するので、生成した電解質が分解前する前に負極の表面上に有機質被膜を形成することができる。また、第1充電工程における定電圧充電が比較的長時間に渡って行われるので、PEGDMAまたはPEGDA及びANの重合反応が十分に行われ、有機質被膜の反応収率が高くなり、十分な有機質被膜が形成できる。
また、有機質被膜の形成によって、第2充電工程における電解質の分解を抑制することが可能となり、ガス発生及び電解質の変質を防止できる。
【0047】
また、電解質中にACNを添加することにより、有機質被膜の形成時にACNを有機質被膜に取り込ませることができ、これにより有機質被膜のリチウムイオン伝導性が向上し、充放電効率が高くなってサイクル特性を更に向上させることができる。
【0048】
【実施例】
[実施例1〜4のリチウム二次電池の製造]
まず、平均分子量550のPEGDMAを4.95重量%、ANを0.5重量%及び重合開始剤AIBNを0.05重量%並びに有機電解液を94.5重量%の割合で混合し、30分間混合して電解質前駆体を調製した。有機電解液の組成は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DEC)の体積比3:7の混合溶媒に1モル/LのLiPF6を混合したものを用いた。
次に、LiCoO2を正極活物質とする正極及び炭素繊維を負極活物質とする負極を電池容器に挿入し、先程の電解質を注入した後に電池容器を封口して、幅30mm、高さ60mm、厚さ4mmの角形電池を製造した。
【0049】
得られた角形電池に対し、70℃、5時間の条件で熱処理を行うことにより、PEGDMAをラジカル重合させてPEGDMA重合体及び有機電解液からなる電解質を形成した後、0.2Cの電流で電池電圧が3V(金属リチウムに対する負極の電位が0.8V)に達するまで定電流充電を行った後に4時間の定電圧充電を行う第1充電工程により、未反応のPEGDMAとANを重合させて有機質被膜を形成した。次に、0.2Cの電流で電池電圧が4.2V(金属リチウムに対する負極の電位が0.1V)に達するまで定電流充電を行った後に9時間の定電圧充電を行う第2充電工程をすることにより、実施例1〜2のリチウム二次電池を製造した。
尚、実施例2の電池については第2充電工程の終了後に電池の内部ガスを放出させる処理を行った。
【0050】
また、ANを0.2重量%、有機電解液を94.8重量%とした以外は上記と同様にして実施例3の電池を製造した。
更に、ANを0.2重量%、ACNを1重量%、重合開始剤AIBNを0.05重量%並びに有機電解液を93.8重量%の割合で混合し、30分間混合して電解質前駆体を調製したこと以外は上記と同様にして実施例4の電池を製造した。
尚、有機電解液に5重量%以下のACNを添加したときのイオン伝導度の変化はほとんどないことを確認した。
【0051】
[比較例1〜3のリチウム二次電池の製造]
平均分子量550のPEGDMAを4.95重量%、重合開始剤AIBNを0.05重量%並びに有機電解液を95重量%の割合で混合し、30分間混合したこと以外は実施例1と同様にして電解質前駆体を調製し、更に実施例1と同様にして角形電池を製造した。
得られた角形電池に対し、70℃、5時間の条件で熱処理を行うことにより、PEGDMAをラジカル重合させてPEGDMA重合体及び有機電解液からなる電解質を形成した後、0.2Cの電流で電池電圧が4.2V(金属リチウムに対する負極の電位が0.1V)に達するまで定電流充電を行った後に9時間の4.2V定電圧充電を行うことにより、比較例1及び2のリチウム二次電池を製造した。
尚、比較例1の電池については充電終了後に電池の内部ガスを放出させる処理を行った。
【0052】
また、比較例1〜2と同様にして角形電池を製造し、この角形電池に対し、0.2Cの電流で電池電圧が3V(金属リチウムに対する負極の電位が0.8V)に達するまで定電流充電を行い、次に75℃、4時間の条件で熱処理を行い、更に0.2Cの電流で電池電圧が4.2V(金属リチウムに対する負極の電位が0.1V)に達するまで定電流を行った後に9時間の定電圧充電を行うことにより、比較例3のリチウム二次電池を製造した。
【0053】
[比較例4のリチウム二次電池の製造]
まず、PEGDMA、AN及びAIBNを添加しなかったこと以外は実施例1〜3と同様にして角形電池を製造した。この角形電池に対し、0.2Cの電流で電池電圧が3V(金属リチウムに対する負極の電位が0.8V)に達するまで定電流充電を行い、次に75℃、4時間の条件で熱処理を行い、更に0.2Cの電流で電池電圧が4.2V(金属リチウムに対する負極の電位が0.1V)に達するまで定電流を行った後に9時間の定電圧充電を行うことにより、比較例4のリチウム二次電池を製造した。
【0054】
実施例1〜2及び比較例1〜4のリチウム二次電池について、製造直後の電池の厚さ及び内部インピーダンス、85℃で24時間貯蔵した前後の放電容量、残存容量及び回復容量を調査した。結果を表1に示す。
また、図1及び図2に、実施例1及び2と比較例1〜4について、熱処理後の第1、第2充電工程における充電電圧に対するクーロン効率を示す。
更に、実施例1及び2と、比較例1及び2について、充放電電流1C、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vの条件でサイクル特性試験を行った。結果を図3に示す。
また実施例3及び4と比較例1について、-20℃での放電容量を測定した。結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
図1に示すように、実施例1及び2では、第1充電工程において、充電電圧が2.9〜3.0V付近にPEGDMAとANの重合反応に対応するピークが観察されている。
そして、第2充電工程では充電電圧の向上に伴ってクーロン効率がなだらかに上昇しており、電解質の分解が抑制されているものと考えられる。
一方、図1及び図2に示すように比較例1〜4では、3.2V〜3.5Vの範囲で大きなピークが観察され、電解質の分解が起きているものと考えられる。
従って、実施例1及び2では、第1充電工程により負極表面に有機質被膜が形成され、この有機質被膜の存在によって電解質の分解が抑制されているものと考えられる。
【0058】
以上のことは電池の厚さの比較からも裏付けられる。即ち表1に示すように、各電池の厚さを比較すると、内部ガス除去をしていない実施例1の厚さは、内部ガス除去していない比較例2の厚さより少ないとともに、内部ガスを除去した比較例1の厚さとほぼ同じである。これらの比較から実施例1では、PEGDMA及びANの添加によって有機質被膜が形成され、電解質の分解が抑制されたために内部ガスの発生が著しく少なくなったものと考えられる。
また比較例3では、PEGDMA及びANを添加したものの、電池の厚さが大きくなっていることがわかる。これは、熱処理を充電の途中で行ったため、有機質被膜が充分に形成されず、電解質が分解してガスが多量に発生したためと考えられる。
【0059】
次に、内部インピーダンスを比較すると、実施例1〜2と比較例1及び2では内部インピーダンスに大差がなく、有機質被膜による内部インピーダンスの増加が見られないことがわかる。
【0060】
次に、85℃で24時間貯蔵後の残存容量を比較すると、実施例1〜2の残存容量が比較例1〜3より高くなっている。また回復容量についても、実施例1〜2が比較例1〜3より高くなっている。
従って、PEGDMA及びANを添加して有機質被膜を形成することにより、負極と電解質との接触が妨げられて電解質の還元分解が抑制され、高温貯蔵特性が向上することがわかる。
【0061】
次に図3に示すように、サイクル特性については、サイクルの初期では実施例1,2と比較例1,2との間に大差がないが、50回を越えた付近から実施例1,2と比較例1,2との間の差が徐々に大きくなり、200回付近では実施例1、2の方が比較例1,2よりも放電容量が大きくなっている。
これは、実施例1,2の場合は有機質被膜の存在によって電解質の分解が抑制され、電解質の変質が起きることなく、充放電効率が高くなるためと考えられる。一方、比較例1,2では、負極と電解質が直接に接しているためサイクル回数の増加に伴って電解質が徐々に変質し、充放電効率が低下したことが原因であると考えられる。
【0062】
次に表2から、実施例3及び実施例4では、比較例1よりも-20℃における放電容量が向上し、特にACNを添加した実施例4で-20℃の放電容量が大幅に増加していることがわかる。これにより、ACNの添加による低温特性の向上が図れることがわかる。
【0063】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のリチウム二次電池によれば、初充電時の初期にPEGDMAまたはPEGDA及びANが重合して負極表面に有機質被膜が早期に形成されるため、その後、充電の進行により充電電圧が上昇した場合でも、この有機質被膜によって負極表面上での電解質の分解反応が抑制されるので、電解質の分解によるガス発生や電解質自体の変質が低減され、サイクル特性を向上することができ、更に電池の変形も防止できる。また、有機質被膜による電解質分解の抑制効果によって、リチウム二次電池の高温貯蔵特性を向上できる。
【0064】
また、本発明のリチウム二次電池によれば、電解質中にACNを添加することにより、有機質被膜の形成時にACNが有機質被膜に取り込まれ、これにより有機質被膜のリチウムイオン伝導性が向上するので、リチウム二次電池の充放電効率が高くなってサイクル特性を更に向上させることができる。
【0065】
また本発明のリチウム二次電池の製造方法によれば、熱処理することによりPEGDMAまたはPEGDAと有機電解液とのより電解質を形成するとともにPEGDMAまたはPEGDA及びANを負極表面に吸着させ、次に第1充電工程により吸着したPEGDMAまたはPEGDA及びANを重合させて有機質被膜を形成するので、先に形成された電解質が分解する前に負極の表面上に有機質被膜を形成することができる。また、第1充電工程における定電圧充電が比較的長時間に渡って行われるので、PEGDMA及びANの重合反応が十分に行われ、有機質被膜の反応収率が高くなり、十分な有機質被膜が形成される。
また、有機質被膜の形成によって、第2充電工程における電解質の分解を抑制することが可能となり、ガス発生及び電解質の変質を防止できる。
また、第2充電工程を行うことによって電解質の一部が有機質被膜に吸着するので、有機質被膜と電解質との親和性が向上し、充放電効率を向上できる。
【0066】
また本発明のリチウム二次電池の製造方法によれば、電解質中にACNを添加することにより、有機質被膜の形成時にACNを有機質被膜に取り込ませることができ、これにより有機質被膜のリチウムイオン伝導性が向上するので、リチウム二次電池の充放電効率が高くなってサイクル特性を更に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1,2及び比較例1、2の充電電圧に対するクーロン効率を示す図である。
【図2】 比較例3及び4の充電電圧に対するクーロン効率を示す図である。
【図3】 実施例1,2及び比較例1、2のサイクル回数と放電容量との関係を示す図である。
Claims (7)
- リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなり、
前記電解質中にポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートが0.5〜10重量%の範囲で添加され、アクリロニトリルが0.1〜2重量%の範囲で添加され、アセトニトリルが0.1〜5重量%の範囲で添加されていることを特徴とするリチウム二次電池。 - リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなり、
前記電解質は、ポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートからなる重合体に有機電解液が含浸されてなり、
前記負極の表面に、ポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートとアクリロニトリルとからなる有機質被膜が形成されてなると共に、
前記有機質被膜中にアセトニトリルが少なくとも含まれていることを特徴とするリチウム二次電池。 - リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなるリチウム二次電池の製造方法であり、
前記電解質にポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートを0.5〜10重量%の範囲で添加するとともにアクリロニトリルを0.1〜2重量%の範囲で添加した状態で、該電解質を少なくとも前記正極及び前記負極の間に配置して40〜120℃の範囲で熱処理を行う工程と、
金属リチウムを参照極とした場合の前記負極の電位が、0.8V以上1.3V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、負極の電位を維持したままで0.1〜8時間の定電圧充電を行う第1充電工程とからなることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 - 前記第1充電工程の後に、前記負極の電位が、0V以上0.1V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、負極の電位を維持したままで1〜8時間の定電圧充電を行う第2充電工程を行うことを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- リチウムを吸蔵、放出が可能な正極及び負極と、電解質とを具備してなるリチウム二次電池の製造方法であり、
前記正極の活物質が、コバルト、マンガン、ニッケルから選ばれる少なくとも一種とリチウムとの複合酸化物のいずれか1種以上であり、
前記電解質にポリエチレングリコールジメタクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートを0.5〜10重量%の範囲で添加するとともにアクリロニトリルを0.1〜2重量%の範囲で添加した状態で、該電解質を少なくとも前記正極及び前記負極の間に配置して40〜120℃の範囲で熱処理を行う工程と、
電池電圧が2.5V以上3.1V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、電池電圧を維持したままで0.1〜8時間の定電圧充電を行う第1充電工程とからなることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 - 前記第1充電工程の後に、電池電圧が4.0V以上4.3V以下の範囲に到達するまで定電流充電を行った後に、電池電圧を維持したままで1〜8時間の定電圧充電を行う第2充電工程を行うことを特徴とする請求項5にリチウム二次電池の製造方法。
- 前記電解質中にアセトニトリルを0.1〜5重量%の範囲で添加することを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれかに記載のリチウム二次電池の製造方法。
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