JP2012109048A - 非水電解液型二次電池の再生方法 - Google Patents

非水電解液型二次電池の再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ユーザによる電池の使用により正極板および負極板の表面に形成された被膜を好適に除去して電池性能の回復を図った非水電解液型二次電池の再生方法を提供すること。
【解決手段】 電池性能の劣化により,正極板と負極板との少なくとも一方の表面に被膜の形成された非水電解液型二次電池の少なくとも一部を開口し,その開口部分から非水電解液型二次電池の内部に,被膜を除去する被膜除去剤を添加する。ここで添加する被膜除去剤は,非水電解液型二次電池の電解液の0.1〜5重量パーセントの範囲内のアセトニトリルである。
【選択図】図7

Description

本発明は,非水電解液型二次電池の再生方法に関する。さらに詳細には,電極板の表面に形成された被膜を除去して電池性能を回復する非水電解液型二次電池の再生方法に関するものである。
二次電池は,携帯電話やパーソナルコンピュータ等の電子機器,ハイブリッド車両や電気自動車等の車両など,多岐にわたる分野で利用されている。このような二次電池は,正極板と負極板と電解質とを備えるものである。また,正極板と負極板とを絶縁するために,これらの間にセパレータを設けることが一般的である。
そして,リチウムイオン二次電池では,電解液として,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ジエチルカーボネート等の炭酸エステル等が広く用いられる。この二次電池に充放電を繰り返すことにより,炭酸エステルが分解するとともにリチウムイオン等と反応する。これにより,電極板(正極板および負極板)の表面に,炭酸リチウム(LiCO)の被膜が形成されることとなる。
また,これらの非水系溶媒に溶解させる支持塩として,LiBF,LiPF,LiClO等のハロゲン元素を含むリチウム塩を用いることが一般的である。しかし,これらの支持塩を用いた電解液には,遊離酸としてHF,HCl等のハロゲン化水素が含まれている。そしてこれらのハロゲン化水素は,電極板の表面でリチウムイオン等と反応してLiF,LiCl等のハロゲン化リチウムとなりうる。そして,電極板の表面にこれらの被膜が形成されることとなる。また,LiPO,LiPOF,LiPO等の被膜も形成される。これらの被膜は,イオン伝導度の低いものである。
これらの被膜が形成されると,それに応じて電池の内部抵抗は高いものとなる。電池の内部抵抗が大きいと,充放電によるエネルギーのロスが大きい。そこで,電極板に形成された被膜を除去する技術が開発されてきている。例えば特許文献1には,非水電解液に3フッ化ホウ素や3フッ化ホウ素のウェルナー型錯体を含有させる技術が開示されている(特許文献1の段落[0014],[0015]参照)。これにより,負極板の表面に生じたLiFやLiClの生成を抑制することができるとしている(特許文献1の段落[0018]―[0021]参照)。
特開2000−138072号公報
ところが,特許文献1に記載の技術では,正極板に形成される被膜を除去することは困難である。負極板に被膜が形成されることを抑制したとしても,正極板に被膜が形成されれば,その分だけ電池の内部抵抗は上昇する。そして,特許文献1に記載の技術では,一旦形成されてしまった被膜を除去することができるわけではない。これらの状況は,他の技術であっても同様である。
本発明は,前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,ユーザによる電池の使用により正極板および負極板の表面に形成された被膜を好適に除去して電池性能の回復を図った非水電解液型二次電池の再生方法を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の一態様における非水電解液型二次電池の再生方法は,電池性能の劣化により,正極板と負極板との少なくとも一方の表面に被膜の形成された非水電解液型二次電池を再生する方法である。そして,非水電解液型二次電池の少なくとも一部を開口し,その開口部分から非水電解液型二次電池の内部に,被膜を除去する被膜除去剤を添加する被膜除去剤添加工程を有する。かかる非水電解液型二次電池の再生方法は,被膜除去剤を添加することにより,正極板および負極板の表面に形成された被膜を除去することができる。そのため,二次電池の内部抵抗は,被膜除去剤の注入前の二次電池の内部抵抗に比べて向上する。
上記に記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,被膜除去剤添加工程では,非水電解液型二次電池の電解液の0.1〜5重量パーセントの範囲内のアセトニトリルを添加するとよい。アセトニトリルにより正極板および負極板の表面に形成された被膜を好適に除去することができるからである。また,電解液中のリチウムイオンの伝導性を低下させるおそれもほとんどない。
上記に記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,被膜除去剤添加工程の後に,非水電解液型二次電池を放置する放置工程を有するとよい。被膜除去剤が,電解液中で拡散し,正極板および負極板の表面に行き渡るからである。
上記に記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,被膜除去剤添加工程の後に,非水電解液型二次電池に少なくとも1サイクルの充放電を行う充放電工程を有するとなおよい。被膜除去剤が,電解液中で拡散し,正極板および負極板の表面に行き渡るからである。また,正極板および負極板の表面で被膜除去剤が被膜と反応しやすいからである。
上記に記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,非水電解液型二次電池の電解液の少なくとも一部を除去する電解液除去工程を有するとよい。非水電解液型二次電池の内部の電解液の量が増加しすぎることを防止できるからである。
上記に記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,非水電解液型二次電池の電解液を交換する電解液交換工程を有するとよい。電解液を交換することにより,電解液中のリチウムイオンの伝導性が向上するからである。
本発明によれば,ユーザによる電池の使用により正極板および負極板の表面に形成された被膜を好適に除去して電池性能の回復を図った非水電解液型二次電池の再生方法が提供されている。
実施形態に係る電池の構造を説明するための断面図である。 実施形態に係る電池の捲回電極体を説明するための斜視図である。 実施形態に係る電池における捲回電極体の捲回構造を説明するための展開図である。 実施形態に係る電池の正極板(負極板)の構造を示す斜視断面図である。 電池の使用日数と内部抵抗の増加率との関係を例示するグラフである。 実施形態に係るリチウムイオン二次電池の再生方法における電池の内部抵抗の変化量を示すグラフである。 実施例および比較例に係るアセトニトリルの添加量と抵抗増加率との関係を示すグラフである。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,リチウムイオン二次電池の再生方法について,本発明を具体化したものである。
1.リチウムイオン二次電池
本実施の形態に係る電池セルは,円筒型のリチウムイオン二次電池である。図1に,本形態の電池セル10の断面図を示す。電池セル10は,図1に示すように,電池容器11および蓋12からなる電池ケースにより密閉されたものである。電池セル10には,捲回電極体100と,正極集電板110と,負極集電板120とが内蔵されている。また,電池容器11の内部には電解液が注入されている。
捲回電極体100は,電解液中で充放電を繰り返し,発電に直接寄与するものである。正極集電板110は,後述する捲回電極体100の正極芯材と接続された正極集電体である。その材質は,アルミニウムである。負極集電板120は,後述する捲回電極体100の負極芯材と接続された負極集電体である。その材質は,銅である。
本形態に係る捲回電極体電池の捲回電極体100を図2に示す。捲回電極体100は,図2に示すように,軸芯101の回りに正極板と負極板とを,これらの間にセパレータS,Tを介在させて捲回された積層電極体である。軸芯101は,捲回電極体100を捲回する際に中心となる部材である。その形状は円筒形状である。軸芯101の外径は,3〜20mm程度である。ただし,これ以外の外径のものを用いてもよい。その材質として,ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。なお,図2には,後述する正極非塗工部P2および負極非塗工部N2が表れている。
セパレータS,Tは,ポリエチレンやポリプロピレン等の多孔性フィルムである。セパレータS,Tの厚みは,10〜50μm程度である。ここで,セパレータSとセパレータTとは同じ材質のものである。上記の捲回順の理解のために符号をS,Tとして区別しただけである。
電池容器11の内部に注入された電解液は,有機溶媒に電解質を溶解させたものである。有機溶媒として例えば,プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC),ジメチルカーボネート(DMC),エチルメチルカーボネート(EMC)等のエステル系溶媒や,エステル系溶媒にγ−ブチロラクトン(γ−BL),ジエトキシエタン(DEE)等のエーテル系溶媒等を配合した有機溶媒が挙げられる。また,電解質である塩として,過塩素酸リチウム(LiClO)やホウフッ化リチウム(LiBF),六フッ化リン酸リチウム(LiPF)などのリチウム塩を用いることができる。
図3は,捲回電極体100の捲回構造を示す展開図である。捲回電極体100は,図3に示すように,内側から正極板P,セパレータS,負極板N,セパレータTの順に積み重ねた状態で捲回されたものである。
正極板Pは,正極芯材であるアルミ箔にリチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を含む合材を塗布したものである。正極活物質として,ニッケル酸リチウム(LiNiO),マンガン酸リチウム(LiMnO),コバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウム複合酸化物などが用いられる。負極板Nは,負極芯材である銅箔にリチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含む合材を塗布したものである。負極活物質として,非晶質炭素,難黒鉛化炭素,易黒鉛化炭素,黒鉛等の炭素系物質が用いられる。
図3に示すように正極板Pには,正極塗工部P1と,正極非塗工部P2とがある。正極塗工部P1は,正極芯材に正極活物質等を含む正極合材層を形成した箇所である。正極非塗工部P2は,正極芯材に正極合材層を形成していない箇所である。負極板Nには,負極塗工部N1と,負極非塗工部N2とがある。負極塗工部N1は,負極芯材に負極活物質等を含む負極合材層を形成した箇所である。負極非塗工部N2は,負極芯材に負極合材層を形成していない箇所である。
図3中の矢印Aは,正極板P,負極板N,セパレータS,Tの幅方向(図2でいえば縦方向)を示している。図3中の矢印Bは,正極板P,負極板N,セパレータS,Tの長手方向(図2の捲回電極体100の周方向)を示している。
図4は,正極板P(もしくは負極板N)の斜視断面図である。図4中の括弧外の各符号は,正極の場合の各部を,括弧内の各符号は,負極の場合の各部を示している。図4中の矢印Aが示す方向は,図3中の矢印Aが示す方向と同じである。すなわち,正極板Pの幅方向である。図4中の矢印Bが示す方向は,図3中の矢印Bが示す方向と同じである。すなわち,正極板Pの長手方向である。
図4に示すように,正極板Pは,帯状の正極芯材PBの両面の一部に正極合材層PAが形成されたものである。図4中左側には,正極板Pの正極非塗工部P2が幅方向に突出している。正極非塗工部P2は,帯状に形成されている。正極非塗工部P2は,正極芯材PBの両面ともに正極活物質が塗布されていない領域である。したがって正極非塗工部P2では,正極芯材PBがむき出したままの状態にある。一方,図4中右側には,正極非塗工部P2に対応するような突出部はない。正極塗工部P1では,正極芯材PBの両面に一様の厚みで正極合材層PAが形成されている。
負極板Nは,図4の括弧内の符号で示したように,帯状の負極芯材NBの両面の一部に負極合材層NAが形成されたものである。また,正極と同様に,負極塗工部N1および負極非塗工部N2がある。ただし,図3に示したように,捲回時には,正極非塗工部P2と負極非塗工部N2とは,反対側に突出した状態で捲回されることとなる。
2.リチウムイオン二次電池の劣化状態
ここで,リチウムイオン二次電池の劣化状態とその原因について説明する。図5は,リチウムイオン二次電池の内部抵抗の増加率を示すグラフである。図5の横軸は,ユーザによる電池の使用日数である。図5の縦軸は,リチウムイオン二次電池の内部抵抗である。ここで,初期のリチウムイオン二次電池の内部抵抗の値を100%としている。
図5に示すように,ユーザによる使用日数が経過するにつれて使用開始から徐々に電池セル10の内部抵抗は増加している。ここで,電池セル10の内部抵抗の値が,予め定めた寿命閾値を超えると,その電池セル10は寿命に達したと考えることとする。寿命閾値の例を,図5中に線L1として示す。線L1は,電池セル10の内部抵抗の初期値の2倍,すなわち200%となる値を示す線である。もちろん,これは例示であり,適宜設定することができる。この値は製品規格に応じて異なる値となりうるものである。
なお,電池の劣化は,電池の使用頻度や使用環境等に依存する。つまり,図5は一例であり,これ以外の劣化曲線を描く場合もありうる。ただし,劣化曲線が使用日数の経過とともに徐々に上昇(図5のグラフでは右上がり)することに変わりない。
この内部抵抗の原因として,正極板Pおよび負極板Nの表面に被膜が形成されることが挙げられる。具体的には,正極板Pの正極塗工部P1や負極板Nの負極塗工部N1に被膜が形成される。正極に形成される被膜として例えば,LiF,LiCO,LiPOが挙げられる。負極に形成される被膜として例えば,LiF,LiCO,LiPO,LiPOF,LiPOが挙げられる。
これらの被膜が形成されると,正極合材層PAおよび負極合材層NAの表面で各合材層とリチウムイオンとの反応が生じにくくなる。すなわち,有効な電極反応を起こす電極表面の表面積が減少するのである。また,これらの被膜が形成されることにより,電極反応を起こすリチウムイオンがその分だけ減少する。これらが内部抵抗の増大につながる。
3.リチウムイオン二次電池の再生方法
3−1.実施時期
ここで,リチウムイオン二次電池の再生方法について説明する。本形態で再生するリチウムイオン二次電池は,製品出荷後にユーザにより使用され,電池性能に劣化のみられるものである。このような電池性能に劣化のみられる電池は,一旦回収された電池に対して実施するものである。
例えば,車両搭載用電池であれば,車検時に本形態の再生方法を実施する。また,廃車となった車両から回収された電池を,リユースする場合にも用いることができる。そして,その他のメンテナンス時にも行うことができる。また,これ以外の電子機器類に搭載されている電池に対しても,ユーザの使用後に一旦回収した後には,同様に実施することのできるものである。
3−2.再生方法
本形態の電池セル10の再生方法について説明する。本形態では,電池セル10の電解液にアセトニトリルを添加する。ここでアセトニトリルは,正極板および負極板の表面から被膜を除去するための被膜除去剤である。アセトニトリルの添加量は,後述の実施例で述べるように,電解液の0.1〜5重量パーセントの範囲内である。
まず,電池の劣化状態を把握する。これらは,実際に電池セル10の内部抵抗の値を測定してもよい。または,内部抵抗の値を記憶してあれば,その値を読み出せばよい。これらの測定値がない場合であっても,使用日数がある程度経過していれば電池性能は劣化していることが推定できる。
3−2−1.被膜除去剤添加工程
そして,劣化している電池セル10から蓋12を外す。もしくは,電池セル10の蓋12の少なくとも一部を開口する。次に,電池セル10の開口部分からアセトニトリルを電池セル10の内部に注入する。この注入には,ピペットやその他の注入器具を用いればよい。ここで,アセトニトリルの注入量は,後述する実施例で説明するように,電解液の0.1〜5%の範囲内である。これにより,アセトニトリルは電解液中にある程度拡散する。そして,再び電池セル10を密閉する。なお,再び電池セル10を密閉することができれば,開口する部分は必ずしも蓋12でなくともよい。ただし,電解液が電池の外部に漏れないことが必要である。また,注入器具を用いずに,電池セル10の内部にアセトニトリルを添加することとしてもよい。
3−2−2.放置工程
次に,電池セル10を放置する。これにより,アセトニトリルが電解液中に十分に拡散する。拡散したアセトニトリルは,正極板Pおよび負極板Nの表面で被膜と反応する。この反応により,これらの表面に形成されている被膜は除去される。
上記のようにアセトニトリルを電解液に添加することにより,図6に示すように,電池セル10の内部抵抗が減少する。なお,図6中の実線は,アセトニトリルを添加した場合の電池セル10の内部抵抗の値である。破線は,アセトニトリルを添加しないとした場合の電池セル10の内部抵抗の値である。
図6中の線L2は,寿命閾値を例示する線である。図6に示すように,電池セル10の内部抵抗が寿命閾値(図6中の線L2)に達する前に本形態に係る非水電解液型二次電池の再生方法を実施することが好ましい。また,本形態に係る非水電解液型二次電池の再生方法は,電池の劣化がある程度進んだものであれば適用することができる。したがって,製品出荷後であればその実施時期を特に限定するものではない。
4.製品出荷前に被膜除去剤を注入した場合
ここで,本形態との比較のために,製品出荷前に被膜除去剤を二次電池の内部に注入した場合について説明する。例えば,特開2002−324577号公報には,製造途中のリチウムイオン二次電池に,アセトニトリルを添加する技術が開示されている(特開2002−324577号公報の段落[0008]参照)。しかし,この場合には,アセトニトリルが有機質被膜に取り込まれる(特開2002−324577号公報の段落[0009]参照)。つまり,この場合には,電解液中にアセトニトリルがほとんど残留せず,アセトニトリルがリチウムイオンの伝導性の低い被膜を除去することはほとんどない。
5.変形例
5−1.充放電工程
本形態では,被膜除去剤添加工程の次に,電池セル10を放置する放置工程を実施することとした。しかし,放置工程を実施することは必ずしも必要ではない。そして,放置工程を実施するとともに,もしくは放置工程の代わりに,アセトニトリルを添加した電池セル10に少なくとも1サイクルの充放電を行う充放電工程を実施することとしてもよい。これにより,正極板Pおよび負極板Nの表面で被膜を除去する反応が活発に起こりうるからである。なお,放置工程も実施する場合には,これらの順序はいずれを先に行うこととしてもよい。
5−2.注入回数
図6では,電解液にアセトニトリルを1回注入した場合が示されている。しかし,電池セル10の劣化の進行に伴って,複数回アセトニトリルを注入することとしてもよい。アセトニトリルの注入により,その注入量だけ電解液の容積は増える。そのため,その体積増加分を,アセトニトリル注入後の電解液から取り除くこととしてもよい。その場合には,電解液の少なくとも一部を除去する電解液除去工程を有することとなる。または,場合によっては電解液の交換を行ってもよい。その場合には,電解液交換工程を有することとなる。
6.まとめ
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る非水電解液型リチウムイオン二次電池の再生方法では,電解液の0.1〜5重量パーセントのアセトニトリルを電解液に添加することとしている。そのため,正極板Pおよび負極板Nの表面に形成されている被膜を除去することができる。そして,正極板Pおよび負極板Nの表面での電極反応を促進することができる。これにより,電池性能の劣化した非水電解液型二次電池の再生方法が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,軸芯を有している円筒型電池に限らない。また,円筒型電池に限らない。捲回電極体を用いる電池であれば,同様に適用することができる。例えば,捲回電極体を扁平プレスして作成される扁平形状の捲回電極体を有する角型電池にも適用することができる。また,捲回しないで正極板と負極板とを積層する積層電極体を用いる電池にも適用することができる。また,リチウムイオン二次電池に限らない。非水電解液型の二次電池であれば,その他の二次電池にも適用することができることがある。
ここで,劣化したリチウムイオン二次電池の再生方法について行った実験について説明する。
1.評価方法
ここで,実験方法について説明する。劣化した電池として,リチウムイオン二次電池を使用し続けて,その内部抵抗が初期値の1.6倍程度となったものを用いた。そして,電池セルにアセトニトリルを注入した。このときのアセトニトリルの注入量は,それぞれの電池セルで異なっている。そして,アセトニトリル注入後のそれぞれのリチウムイオン二次電池の内部抵抗を測定した。その測定手順は,表1に示すとおりである。
ここで用いたリチウムイオン二次電池の再生方法は,実施形態で説明した被膜除去剤添加工程を有するものである。実施形態で説明した放置工程や充放電工程,そして電解液交換工程は実施していない。ただし,表1に示すように,評価に際して定電流放電および定電流充電を実施した。
1−1.劣化した電池セルの準備
まず,劣化した電池を準備する。そのために,製造した電池セルを,SOC80%,温度65℃の条件下におく。そして,電池セルの内部抵抗の値が初期値に比べて160%程度となる期間電池セルをその条件下におく。
1−2.アセトニトリルの添加
続いて,それらの劣化した電池セルの電解液にアセトニトリルを添加する。アセトニトリルの添加量は,表2に示すように,それぞれ異なる量である。
1−3.測定方法
次に,アセトニトリルを添加した電池セルの内部抵抗を測定する。まず,表1に示すように,電池セルの温度調整を行う。そのときに調整する調整温度は25℃である。次に,電池セルの温度を25℃に保持したまま,SOCを60%に調整する。そして,その状態のまましばらく放置する。
次に,定電流放電を行う。放電時間は10秒である。そして,その状態のまましばらく放置する。次に,定電流充電を行う。充電時間は10秒である。
そうすると,電池の内部抵抗Rは,以下の式により求めることができる。
R=(V0−V)/I
R :電池の内部抵抗
I :手順A−4における平均電流
V :手順A−4における最終電圧
V0:手順A−3における最終電圧
ここで,最終電圧とは,その手順における最後の時刻における電池セルの電圧である。
[表1]
A−1.温度調整
A−2.SOC調整
A−3.休止
A−4.定電流放電
A−5.休止
A−6.定電流充電
2.実施例
前述の実験方法により測定した結果を表2および図7に示す。
2−1.実施例1
実施例1では,電解液の0.1重量パーセントのアセトニトリルを電池セルの電解液に添加した。その場合における電池セルの内部抵抗は,初期の155%の値であった。アセトニトリルを添加していない電池セル(比較例1)の内部抵抗は,初期の161%の値であった。すなわち,実施例1では,アセトニトリルを添加していないものに比べて,電池セルの内部抵抗が6%程度下がった。
2−2.実施例2
実施例2では,電解液の1重量パーセントのアセトニトリルを電池セルの電解液に添加した。その場合における電池セルの内部抵抗は,初期の144%の値であった。実施例2では,アセトニトリルを添加していない電池セル(比較例1)に比べて,電池セルの内部抵抗が17%程度下がった。
2−3.実施例3
実施例3では,電解液の5重量パーセントのアセトニトリルを電池セルの電解液に添加した。その場合における電池セルの内部抵抗は,初期の141%の値であった。実施例3では,アセトニトリルを添加していない電池セル(比較例1)に比べて,電池セルの内部抵抗が20%程度下がった。
3.比較例
3−1.比較例1
比較例1では,電解液にアセトニトリルを添加していない。そのため,電池セルの電極板には被膜が形成されているままである。したがって,電池セルの内部抵抗に変化はみられない。電池セルの内部抵抗は,初期の161%の値であった。
3−2.比較例2
比較例2では,電解液の0.01重量パーセントのアセトニトリルを電池セルの電解液に添加した。その場合における電池セルの内部抵抗は,初期の162%の値であった。電解液にアセトニトリルを添加しない電池セル(比較例1)とほとんど変わらない。アセトニトリルの添加量が少なすぎるため,電極板の被膜を除去するのに不充分であったためと考えられる。
3−3.比較例3
比較例3では,電解液の10重量パーセントのアセトニトリルを電池セルの電解液に添加した。その場合における電池セルの内部抵抗は,初期の168%の値であった。電解液にアセトニトリルを添加しない電池セル(比較例1)に比べて,内部抵抗の値が増加している。これは,アセトニトリルの添加量が多すぎるためであると考えられる。この場合,電極板の被膜は除去される。しかし,アセトニトリルの配合量の多い電解液では,リチウムイオンの伝導度が悪くなるためであると考えられる。
Figure 2012109048
以上説明したように,リチウムイオン二次電池の電解液に適量のアセトニトリルを添加することにより,その電池の内部抵抗は減少する。
10…電池セル
11…電池容器
12…蓋
100…捲回電極体
110…正極集電板
120…負極集電板
P…正極板
PA…正極合材層
PB…正極芯材
P1…正極塗工部
P2…正極非塗工部
N…負極板
NA…負極合材層
NB…負極芯材
N1…負極塗工部
N2…負極非塗工部
S,T…セパレータ

Claims (6)

  1. 電池性能の劣化により,正極板と負極板との少なくとも一方の表面に被膜の形成された非水電解液型二次電池の再生方法であって,
    前記非水電解液型二次電池の少なくとも一部を開口し,その開口部分から前記非水電解液型二次電池の内部に,前記被膜を除去する被膜除去剤を添加する被膜除去剤添加工程を有することを特徴とする非水電解液型二次電池の再生方法。
  2. 請求項1に記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,
    前記被膜除去剤添加工程では,
    前記非水電解液型二次電池の電解液の0.1〜5重量パーセントの範囲内のアセトニトリルを添加することを特徴とする非水電解液型二次電池の再生方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,
    前記被膜除去剤添加工程の後に,
    前記非水電解液型二次電池を放置する放置工程を有することを特徴とする非水電解液型二次電池の再生方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,
    前記被膜除去剤添加工程の後に,
    前記非水電解液型二次電池に少なくとも1サイクルの充放電を行う充放電工程を有することを特徴とする非水電解液型二次電池の再生方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,
    前記非水電解液型二次電池の電解液の少なくとも一部を除去する電解液除去工程を有することを特徴とする非水電解液型二次電池の再生方法。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の非水電解液型二次電池の再生方法であって,
    前記非水電解液型二次電池の電解液を交換する電解液交換工程を有することを特徴とする非水電解液型二次電池の再生方法。
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