JP5260576B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池に関するものである。
二酸化炭素の排出削減など環境負荷の軽減,エネルギーの石油依存度の低減といった観点から、燃料電池自動車,プラグインハイブリッド自動車などの次世代クリーンエネルギー自動車の実用化が望まれている。
リチウム二次電池(以下「電池」と称する)は、軽量・コンパクトであり、高いエネルギー密度と高い出力密度とを有するため、このような次世代クリーンエネルギー自動車用の電源として、その期待が近年益々高まっている。
このような期待に応え、電池を実用化するためには、電池の高性能化が必要であることは言うまでもないが、さらなる信頼性・安全性の向上がより一層重要になってくる。
このような背景のもと、正極材料,負極材料,電解液,セパレータなどの電池の材料の改善、あるいは、電池の構造の改良による電池の信頼性・安全性の向上に関する様々な技術が開発されている。
電池の材料の面においては、電解液の難燃化・不燃化などによる信頼性・安全性の向上が提案されており、その研究・開発も盛んである。
しかしながら、これらの電解液は、現在、用いられている非水電解液に比較して、イオン伝導度が低く、出力低下が懸念されるため、次世代クリーンエネルギー自動車の車載用の電池への適用には至っていない状況である。
例えば、特許文献1には、ガス抜き弁の作動圧よりも小さいガス圧で変形する電池外装体を用いることにより、電池の信頼性・安全性を高める技術が、開示されている。
セパレータの材料においても、電池の信頼性・安全性の向上を図るために、様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献2には、セパレータにガス発生剤を含有させる技術が提案されており、電池の信頼性・安全性を向上させる技術が開示されている。特許文献2に記載の技術は、ガス発生剤の水溶液をセパレータに滴下させた後に乾燥し、セパレータにガス発生剤を含ませて、信頼性・安全性の向上を図っている。
特開2008−204789号公報 特開2008−226807号公報
しかしながら、従来の技術の場合、セパレータの細孔部にもガス発生剤が含まれてしまう可能性があり、電解液中のリチウムイオンの移動が阻害されることによる電池の性能低下の恐れに関しては、検討されていないと思われる。
そこで、本発明の目的は、リチウム二次電池として重要な出力性能は確保しつつ、次世代クリーンエネルギー自動車に適用可能な信頼性・安全性の高いリチウム二次電池を提供することである。
本発明者らは課題解決のため鋭意研究を行った結果、多孔性高分子樹脂膜に、炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末と結着剤と混合した多孔質の混合層を形成したセパレータを用いることにより、課題を解決し、次世代クリーンエネルギー自動車など環境対応自動車に適用可能な信頼性・安全性の高いリチウム二次電池を提供できることを見出したものである。
本発明の概要は以下の通りである。
すなわち、本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵放出する正極とリチウムを吸蔵放出する負極とが、リチウム塩を含有する非水電解液およびセパレータを介して形成されるものであって、セパレータは、多孔性高分子樹脂膜と、多孔性高分子樹脂膜の少なくとも片面に炭酸水素ナトリウムまたは/および炭酸水素カリウムと結着剤とを含む混合層と、を有することを特徴とする。
そして、混合層が多孔質層であることが好ましい。
また、この多孔質層は、多孔性高分子樹脂膜の片面または両面に形成してよく、その厚さは、合計で3μm〜10μmであることが好ましい。
これにより、本発明は、次世代クリーンエネルギー自動車に適用可能な信頼性・安全性の高いリチウム二次電池を提供することができる。
本実施形態における円筒型のリチウム二次電池を示す側面断面図である。 本実施形態における円筒型のリチウム二次電池の捲回体の拡大図である。 本実施形態における円筒型のリチウム二次電池の負荷特性図である。
本実施形態におけるリチウム二次電池(以下「電池」と称する)は、リチウムを吸蔵放出する正極とリチウムを吸蔵放出する負極とが、リチウム塩を含有する非水電解液およびセパレータを介して形成されるものであって、セパレータは、多孔性高分子樹脂膜と、多孔性高分子樹脂膜の少なくとも片面に炭酸水素ナトリウムまたは/および炭酸水素カリウムと結着剤とを含む混合層(多孔質層)と、を有するものである。
電池の信頼性・安全性は、電池材料や電池構造など様々な面から検討されている。
電池材料においては、電極材料の熱安定性の改良,電解液の難燃化・不燃化などの工夫がなされている。
特に、正極と負極とを短絡させないセパレータの役割は重要であり、セパレータの耐熱性向上などの技術も検討されている。
電池に異常が生じた場合、電池温度が上昇し、熱暴走に至る事態を招く恐れがある。
このような事態を回避するためには、電池温度が上昇する前に、電池の安全弁を開放し、電池の温度上昇を抑制することが重要である。
電池が熱暴走に至る発熱要因の一つに熱分解反応が挙げられている。この熱分解反応の温度領域は、材料によっても異なるが、数100℃とされている。
従って、この様な温度領域に至る前に、確実に電池の安全弁を開放することが、電池の信頼性・安全性を確保する上で重要である。
このような観点から、多孔質層の材料を種々検討し、多孔質層を設けたセパレータと電池特性との関連を種々検討した結果、多孔性高分子樹脂膜の少なくとも片面に、炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末と結着剤(バインダー)とを混合した多孔質層を設けた構造のセパレータを用いることにより、信頼性・安全性の高い電池を提供できることが明らかとなった。
本実施形態では、炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末と結着剤とを混合した多孔質層を多孔性高分子樹脂膜に設けるため、多孔性高分子樹脂膜の細孔を塞ぐことがなく、リチウムイオンの移動が阻害される恐れがない。従って、車載用の電池として必要な出力を確保することが可能となる。
つまり、本実施形態に用いるセパレータは、炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末と結着剤とを混合した多孔質層の平均孔径が、多孔性高分子樹脂膜の平均孔径よりも大きいことが好ましい。また、本実施形態に用いるセパレータは、炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末の粒子径が、多孔性高分子樹脂膜の平均孔径よりも大きいことが好ましい。これにより、多孔性高分子樹脂膜の細孔を塞ぐことがなく、リチウムイオンの移動が阻害される恐れがない。
セパレータは、正極と負極との間に介在し、正極または負極のいずれよりも大きいため、正極および負極のいずれをも覆うように多孔質層を正極と負極との間に介在させることができる。
従って、多孔質層の材料が、万一、熱分解し、ガスを発生した場合であっても、電池の内圧を上昇させ、安全弁の確実な作動を促す。さらに、ガスの発生により正極と負極との間隔を拡大し、正極と負極との短絡の抑制が可能となり、より一層、電池の信頼性・安全性を確保することができる。
本実施形態に用いる多孔性高分子樹脂膜は、一般的に、リチウム二次電池のセパレータとして用いることができるものであれば良く、特に、限定はされない。
また、多孔質層は、炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末に結着剤および溶剤を加えて、炭酸水素ナトリウムまたは/および炭酸水素カリウムを塗布する塗布用スラリーを作製し、多孔性高分子樹脂膜に塗布機で塗布することにより形成することができる。
結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF),フッ素ゴムなどを用いればよく、電池に悪影響を及ぼさないものであれば、特に、限定されない。特に、ポリフッ化ビニリデンが好ましく用いられる。
溶剤には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤が好ましく用いられる。
多孔質層の塗布厚さは、多孔性高分子樹脂膜の通気性を損なわない範囲(リチウムイオンの移動が阻害されない範囲)であればよく、作業性などの観点から、多孔質層の塗布厚さは、3μm〜10μmが好適である。
多孔質層の厚さは、電池の性能を損なわない範囲で塗布してもよい。
炭酸水素ナトリウムまたは/および炭酸水素カリウムからなる多孔質層の塗布厚さは、3μm〜10μmの範囲が好適である。
また、多孔質層を多孔性高分子樹脂膜の片面に設けても、両面に設けてもその効果に影響はなく、両面に多孔質層を設けた場合においても、両面の多孔質層の厚さの合計(総和)が、3μm〜10μmの範囲が好適である。
塗布厚さを厚くし、塗布量を多くすると、ガスの発生量は多くなり、安全弁の開放はより確実になる。しかし、反面、セパレータの全体が厚くなり、それに伴い正極と負極との電極間距離が大きくなり、電池抵抗の増大が懸念され、車載用の電池として重要な負荷特性の低下を招く恐れがある。
一方、塗布厚さを薄くし、塗布量を少なくすると、電池抵抗の増大は減少するが、安全弁を作動させるために十分なガス発生量を得ることが難しい。
このように、炭酸水素ナトリウムまたは/および炭酸水素カリウムからなる多孔質層の塗布厚さは、車載用の電池として極めて重要な出力特性および信頼性・安全性を確保する上で大切な要素であることがわかる。
炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末の塗布用スラリーにおける炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末と結着剤との混合比は、特に限定されないが、炭酸水素ナトリウムまたは/および炭酸水素カリウム粉末を1とした場合、重量比で1:0.02〜0.15が好ましい。
また、塗布機には、両面塗布に適した性能を有するものもあるが、このような設備を適用する場合には、作業性等を考慮し、多孔性高分子樹脂膜の両面に多孔質層を設けてもよい。
本実施形態に用いる正極は、正極活物質,導電剤および結着剤から構成された正極合剤を、アルミニウム箔の両面に塗布した後、乾燥,プレスして形成される。
正極活物質には、化学式LiMO2(Mは、少なくとも1種のMn,Ni,Coなどの遷移金属)で表されるものや、スピネルマンガンなどを用いることができる。
マンガン酸リチウム,ニッケル酸リチウム,コバルト酸リチウムなどの正極活物質中のMn,Ni,Coなどの一部を1種あるいは2種以上の遷移金属で置換して用いることもできる。
さらに、遷移金属の一部をMg,Alなどの金属元素で置換して用いることもできる。
導電剤には、例えば、黒鉛,アセチレンブラック,カーボンブラック,炭素繊維などの炭素系導電剤を用いることができる。
結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニリデン,フッ素ゴムなどを用いればよい。特に、ポリフッ化ビニリデンが好ましく用いられる。
溶剤には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤が好ましく用いられるが、公知の種々の溶剤を適宜選択して使用することができる。
正極合剤における正極活物質,導電剤および結着剤の混合比は、特に限定されないが、例えば、正極活物質を1とした場合、重量比で1:0.05〜0.20:0.02〜0.10が好ましい。
本実施形態に用いる負極は、負極活物質および結着剤から構成される負極合剤を、銅箔の両面に塗布された後、乾燥,プレスして形成される。
負極活物質には、黒鉛あるいは非晶質炭素などの炭素系の材料を用いることができる。
結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニリデン,フッ素ゴムなどを用いればよい。特に、ポリフッ化ビニリデンが好ましく用いられる。
溶剤には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤が好ましく用いられるが、公知の種々の溶剤を適宜選択して使用することができる。
負極合剤における負極活物質および結着剤の混合比は、特に限定されないが、例えば、負極活物質を1とした場合、重量比で1:0.05〜0.20が好ましい。
本実施形態に用いられる非水電解液としては、特に限定はされない。
例えば、非水電解液を構成する非水溶媒としては、プロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート,テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン等がある。
これらの非水溶媒の1種以上に、例えば、LiPF6,LiBF4,LiClO4等から選ばれた1種以上のリチウム塩を溶解させて、非水電解液を調整することができる。
また、電池の形状は、捲回型,積層型等があるが、特に限定されない。
本実施形態において説明する電池は円筒型であり、例えば、以下のように製造することができる。
正極活物質と黒鉛等の導電剤とを、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に溶解させ、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤を所定の重量比(正極活物質1:導電剤0.05〜0.20:結着剤0.02〜0.10)で加えて混練し、正極スラリーを得る。
次に、正極スラリーをアルミニウム金属箔の集電体の両面に塗布する。その後、乾燥,プレスして、正極電極を作製する。
負極活物質を、N−メチル−2−ピロリドン等に溶剤に溶解させ、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤を所定の重量比(負極活物質1:結着剤0.05〜0.20)で加えて混練し、負極スラリーを得る。
次に、負極スラリーを銅箔の集電体の両面に塗布する。その後、乾燥,プレスして、負極電極を作製する。
LiPF6等を、エチレンカーボネート等の非水溶媒に溶解し、非水電解液を作製する。
得られた正極電極と負極電極との電極の間に、炭酸水素ナトリウムまたは/および炭酸水素カリウムの多孔質層を多孔性の高分子樹脂膜に設けたセパレータを挟み、これを捲回した後、ステンレスやアルミニウムで成型された電池缶に挿入する。
負極電極のリード片と電池缶とを接続した後、非水電解液を注入し、正極電極のリード片と電池蓋とを接続した後、電池缶と電池蓋とを封口して、電池を得る。
本実施形態において説明する円筒形の電池を図1に示す。図1は、本実施形態における円筒型の電池を示す側面断面図である。
また、本実施形態において説明する円筒型の電池の捲回体を図2に示す。図2は、本実施形態における円筒型の電池の捲回体の拡大図である。
正極合剤をアルミニウム箔の両面に塗布してなる正極1と、負極合剤を銅箔の両面に塗布してなる負極2と、正極1と負極2との間に配置され、多孔質層121が塗布されたセパレータ3と、正極1と正極集電リード部7とを接続する正極集電リード片5と、負極2と負極集電リード部8とを接続する負極集電リード片6と、負極集電リード部8が接続された電池缶4と、電池缶4の開口端部にガスケット12を介してカシメにより固定された電池蓋9と、電池蓋9の裏面に接触する正極端子部11、および、正極端子部11に形成された安全弁10と、から構成されている。
正極1は、正極合剤111をアルミニウム箔101の両面に塗布してなる。また、負極2は、負極合剤112を銅箔102の両面に塗布してなる。
正極1および負極2は、セパレータ3を介して捲回され、電極群として電池缶4の内部に配置されている。電池缶4および電池蓋9により構成される空間には電解液(図示せず)が充填されている。
本実施形態において説明する電池の用途としては、次世代クリーンエネルギー自動車などの環境対応自動車の電源への適用、高負荷特性・高出力特性が必要とされる電動工具などの電源への適用、さらには、携帯機器の電源への適用も可能である。
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は本実施形態の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
正極活物質にLiCoO2を用い、正極活物質,導電剤の黒鉛,結着剤のポリフッ化ビニリデンを85:10:5の重量比で混練機を用いて、30分間混練し、正極合剤を得た。
正極合剤を集電体である厚さ30μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、正極電極を得た。
負極活物質に黒鉛材を用い、負極活物質,結着剤のポリフッ化ビニリデンを90:10の重量比で混練機を用いて、30分間混練し、負極合剤を得た。
負極合剤を集電体である厚さ20μmの銅箔の両面に塗布し、負極電極を得た。
作製した正極電極および負極電極は、いずれもプレス機で圧延成型した後、150℃で5時間真空乾燥した。
次に、炭酸水素ナトリウム粉末,結着剤のポリフッ化ビニリデンを95:5の重量比で30分間混練し、炭酸水素ナトリウム塗布用スラリーを得た。
これをポリエチレン(PE)からなる多孔性高分子樹脂膜(厚さ20μm)の片面に塗布し、炭酸水素ナトリウムの多孔質層を設けたセパレータを得た。
なお、多孔質層の厚さは2μm,3μm,5μm,7μm,10μm,12μmであった。
ガーレー法(JIS P8117準拠)で多孔質層の塗布前後の通気度を測定した結果、多孔質層の塗布前が296sec/100cc、塗布後が、2μmが302sec/100cc、3μmが298sec/100cc、5μmが300sec/100cc、7μmが308sec/100cc、10μmが307sec/100cc、12μmが315sec/100ccであった。
セパレータを60℃で真空乾燥後、正極1と負極2とをセパレータ3を介して捲回し、得られた捲回群を電池缶4に挿入した。
負極集電リード片6はニッケルの負極集電リード部8に集めて超音波溶接し、ニッケルの負極集電リード部8を電池缶4に溶接した(図1)。
正極集電リード片5はアルミニウムの正極集電リード部7に集めて超音波溶接し、アルミニウムの正極集電リード部7を電池蓋9に溶接した(図1)。
電解液として、リチウム塩(LiPF6),EC(エチレンカーボネート),MEC(メチルエチルカーボネート)を用い、EC(エチレンカーボネート):MEC(メチルエチルカーボネート)を1:2の割合で注入後、電池缶4をかしめることにより、電池蓋9を封口し、円筒形電池を得た。
なお、電池缶4の上端と電池蓋9との間には、絶縁性と密閉性とを兼ねてガスケット12を挿入した。
本実施例で作製した電池を、多孔質層の厚さが、2μmの電池をNo.1−1、3μmの電池をNo.1−2、5μmの電池をNo.1−3、7μmの電池をNo.1−4、10μmの電池をNo.1−5、12μmの電池をNo.1−6とする。
(実施例2)
セパレータを除き、実施例1と同じ方法で、正極,負極及び電池を作製した。
本実施例では、セパレータには、ポリプロピレン(PP)からなる多孔性高分子樹脂膜(厚さ20μm)の片面に炭酸水素カリウムの多孔質層を設けたものを用いた。
炭酸水素カリウムの多孔質層の厚さは6μmであった。
ガーレー法(JIS P8117準拠)で多孔質層の塗布前後の通気度を測定した結果、多孔質層の塗布前が377sec/100cc、塗布後は363sec/100ccであった。
(実施例3)
セパレータを除き、実施例1と同じ方法で、正極,負極及び電池を作製した。
本実施例では、セパレータには、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)の3層からなる多孔性高分子樹脂膜(厚さ25μm)の片面に炭酸水素ナトリウムと炭酸水素カリウムとを混合した粉末からなる多孔質層を設けたものを用いた。
炭酸水素ナトリウムと炭酸水素カリウムとの混合粉の多孔質層の厚さは5μmであった。
ガーレー法(JIS P8117準拠)で多孔質層の塗布前後の通気度を測定した結果、多孔質層の塗布前が441sec/100cc、塗布後は464sec/100ccであった。
(実施例4)
セパレータを除き、実施例1と同じ方法で、正極,負極及び電池を作製した。
本実施例では、セパレータには、ポリエチレン(PE)からなる多孔性高分子樹脂膜(厚さ20μm)の両面に炭酸水素ナトリウムの多孔質層を設けたものを用いた。
炭酸水素ナトリウムの多孔質層の厚さは両面合わせて9μmであった。
ガーレー法(JIS P8117準拠)で多孔質層の塗布前後の通気度を測定した結果、多孔質層の塗布前が296sec/100cc、塗布後は289sec/100ccであった。
(比較例1)
セパレータを除き、実施例1と同じ方法で、正極,負極及び電池を作製した。
本比較例では、セパレータには、多孔質層を設けていないポリエチレン(PE)の多孔性高分子樹脂膜(厚さ20μm)を用いた。
(比較例2)
セパレータを除き、実施例1と同じ方法で、正極,負極及び電池を作製した。
本比較例では、セパレータには、多孔質層を設けていないポリプロピレン(PP)の多孔性高分子樹脂膜(厚さ20μm)を用いた。
実施例1〜4および比較例1,2の電池を、それぞれ充電終止電圧4.2V,放電終止電圧3.0V,充放電レート1C(1時間率)で充放電し、電池容量を確認した。
実施例1の電池No.1−1〜電池No.1−6について、負荷特性を調べた。
その結果を図3に示す。図3は、本実施形態における円筒型のリチウム二次電池の負荷特性図である。
図3は、放電レート1C容量と10C容量との容量比(10C容量/1C容量)で示した。電池1−1〜電池1−5は、1Cの放電容量に対して10Cの放電容量が、0.8以上の容量比を示した。
しかし、多孔質層の厚さが12μmの電池No.1−6は、10Cでの容量が小さく、容量比が0.6であった。
過充電試験は、実施例1〜4および比較例1,2で作製した電池を満充電し、その後、1Cの充電レートで、現象が発生するまで充電した。
実施例1の電池No.1−2〜電池No.1−6および実施例2〜4の電池では、電池表面温度が最高でも147℃と低く、図1における安全弁10がいずれの電池も安定して開放した。なお、表1中に記載した電池表面温度は、安全弁10が開放したときの温度を示している。
比較例1,2の電池および多孔質層の厚さが2μmの実施例1の電池No.1−1では、安全弁10が開放した温度が、330℃以上と高い温度であった。また、安全弁10が開放するまでの時間も、比較例1,2の電池および多孔質層の厚さが2μmの実施例1の電池No.1−1は、実施例2〜4の電池および多孔質層の厚さが3μm〜10μmの実施例1の電池No.1−2〜電池No.1−6に比較して、遅いことがわかった。
このように、本実施例に記載の電池は、信頼性・安全性が高く、高容量,長寿命な電池である。そして、こうした電池は、次世代クリーンエネルギー自動車などの環境対応自動車に好適である。さらには、電動工具など高負荷特性・高出力特性が必要とされる分野へも適用できる。
また、本実施例に用いたセパレータは、多孔質層に用いた炭酸水素ナトリウム粉末または/および炭酸水素カリウム粉末の平均孔径が、多孔性高分子樹脂膜の平均孔径よりも大きいことがわかった。
これにより、多孔性高分子樹脂膜の細孔を塞ぐことがなく、リチウムイオンの移動が阻害されず、信頼性・安全性が高く、高容量な電池を実現できる。
つまり、セパレータの細孔部をふさぐことがなく、電解液中のリチウムイオンの移動が阻害されず、電池の性能低下が懸念されることはなく、特に、次世代クリーンエネルギー自動車などの環境対応自動車に適用可能な電池で重要な出力性能の確保することができる。
本発明は、次世代クリーンエネルギー自動車などの環境対応自動車の電源,高負荷特性・高出力特性が必要とされる電動工具などの電源、さらには、携帯機器の電源に利用可能である。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 正極集電リード片
6 負極集電リード片
7 正極集電リード部
8 負極集電リード部
9 電池蓋
10 安全弁
11 正極端子部
12 ガスケット
101 アルミニウム箔
102 銅箔
111 正極合剤
112 負極合剤
121 多孔質層

Claims (3)

  1. リチウムを吸蔵放出する正極とリチウムを吸蔵放出する負極とが、リチウム塩を含有する非水電解液およびセパレータを介して形成されるリチウム二次電池において、
    前記セパレータは、多孔性高分子樹脂膜と、前記多孔性高分子樹脂膜の少なくとも片面に炭酸水素ナトリウムまたは/および炭酸水素カリウムと結着剤とを含む混合層と、を有することを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 請求項1において、
    前記混合層が、多孔質層であることを特徴とするリチウム二次電池。
  3. 請求項1において、
    前記混合層の厚さが、3μm〜10μmであることを特徴とするリチウム二次電池。
JP2010038108A 2010-02-24 2010-02-24 リチウム二次電池 Expired - Fee Related JP5260576B2 (ja)

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