JP4149504B2 - フェリチンを基板上に二次元配列させる方法 - Google Patents

フェリチンを基板上に二次元配列させる方法 Download PDF

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Description

本発明はフェリチンを基板上に二次元配列させる方法であって、より詳細には、隣接する2つのフェリチンの間を結合させる金属イオンを不要とした方法に関する。
フェリチンは球状のタンパク質であり、内部には酸化鉄に代表される金属化合物を内包している。なお、内部に金属化合物を内包せず、当該内部が空洞になっている場合には、「アポフェリチン」と呼ばれる。
フェリチンを基板上に二次元的に配列させた後、当該フェリチンを加熱により除去し、必要に応じて金属酸化物を還元することにより、容易に金属を基板上に二次元的に配列させてなる量子ドットを得ることができる。
そのため、図1に示されるように、フェリチンを基板上に二次元的に配列させることが以前から試みられている(例えば、特許文献1を参照)。
国際公開第03/040025号公報パンフレット
特許文献1の方法によれば、図25に示されるように、隣接する2つのフェリチンの間を2価の金属イオン(図25ではカドミニウムイオン)で架橋する。
フェリチンを加熱により除去した後、この2価の金属イオンが基板上に不純物として残存する。
この不純物はイオンとして基板上を移動することが考えられている上、金属を基板上に二次元的に配列させてなる量子ドットにおいて、予想もしていなかった界面準位が当該不純物によって発生することがある。
結果として、この不純物は上記量子ドットにおいて悪影響をもたらす。
本発明は、このような悪影響がない、フェリチンを基板上に二次元配列させる新たな方法であって、隣接する2つのフェリチンの間を結合させる金属イオンを不要とした方法を提供する。
上記課題を達成するために、本発明は、フェリチンを基板上に二次元配列させる方法であって、前記フェリチンは外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有し、前記基板の表面はSiO 2 により被覆されており、前記方法は、溶媒、前記フェリチン、および2mM以上100mM以下の酢安を有する溶液を前記基板上に展開する展開工程、および前記基板上に展開した溶液から溶媒を除去する除去工程を包含する。
本発明によれば、隣接する2つのフェリチンの間を結合させる金属イオンは存在しない。そのため、金属を基板上に二次元的に配列させてなる量子ドットにおいて、予想もしていなかった界面準位が現れるということに代表される悪影響を抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるフェリチンは、外周面にDYFSSPYYEQLF(以下、配列番号1)で示されるアミノ酸配列を有している。このアミノ酸配列は特開2004−121154号公報において「pNHD12−5−2」として開示されている。一例として、本発明において用いられるフェリチンは、配列番号2に示されるタンパク質である。このタンパク質は187残基を有し、174残基のウマ由来フェリチンのアミノ酸配列のアミノ末端に、開始コドンに対応するメチオニンと配列番号1のアミノ酸配列とからなる13残基のアミノ酸配列が付加されたものである。
後述する実験例では、本発明において用いられるフェリチンは、「CNHB-Fer0」と記述される。アポフェリチンである場合には、それは「apoCNHB-Fer0」と記述される。そして、上述の174残基のウマ由来フェリチンは「Fer0」と記述される。
一般的なフェリチンは配列番号1のアミノ酸配列を有さない。後述する比較例からも理解されるように、一般的なフェリチンを含め、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有さないフェリチンを用いても、基板上に二次元配列させることはできない。
本明細書において用いられる用語「二次元配列」とは、図1に模式図を示すように、平面視において複数のフェリチン15が基板11の上に規則的に配置され、断面視において複数のフェリチン15によって1層のフェリチン膜が形成されている配列を意味する。
図2の断面図に示されるように、2層以上のフェリチン膜が形成されている配列は、用語「二次元配列」には含まれない。このような配列は、必要な場合、「三次元配列」と呼ばれ、本明細書では用語「二次元配列」とは区別される。ただし、1層のフェリチン膜において、ごく一部に(すなわち局所的に)三次元配列となっているような場合までを、用語「二次元配列」から排除することは意図されない。
基板の表面は親水性を有している。基板としてはSi基板を用いることができる。
Si基板の表面を酸化してSiOとすることにより、表面に親水性が付与され得る。この場合、基板の表面は微弱なマイナスの電位を有する。
基板の表面を3−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下、「APTES」と略することがある)により被覆することにより、基板の表面に親水性を付与することも可能である。この場合、基板の表面は微弱なプラスの電位を有する。
本発明に係るフェリチンを基板上に二次元配列させる方法は、展開工程および除去工程を有する。まず、展開工程を説明する。
(1)展開工程について
展開工程では、溶媒、前記フェリチン、および2mM以上100mM以下の酢安を有する溶液を前記基板上に展開する。
溶液は一般的に緩衝液であり、一例としてTris緩衝液を挙げることができる。この場合、溶媒は当該緩衝液の大部分を占める水である。
緩衝液が金属イオンを含む場合、当該金属イオンは、フェリチンが二次元配列した後に、基板上に不純物として残存する。そのため、「発明が解決しようとする課題」の欄でも述べた課題が発生し得る。
よって、緩衝液は金属イオンを含まないことが望まれる。この観点からも、Tris緩衝液が好ましい。
緩衝液のpHを調節する際にも金属イオンの問題が生じ得る。pHを高くする場合、一般的に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いられる。これに含まれるナトリウム、カリウムが、最終的に塩として基板上に不純物として残存する可能性がある。
そのため、緩衝液のpHを調節する際には、低いpHから高いpHに調節するのではなく、高いpHから低いpHに調節することが好ましい。高いpHから低いpHに調節する際には、塩酸が用いられる。この塩酸には金属イオンが含まれない。
やむを得ず低いpHから高いpHに調節する必要がある場合、用いられる水酸化ナトリウム、水酸化カリウムは最小限にすることが望ましい。
溶液には、上記フェリチンの他、2mM以上100mM以下の酢安(CHCOONH)が含まれている。
酢安の濃度が2mM未満であると、後述する比較例およびその写真に示されるように、フェリチンは基板上で不規則に分散され、規則的にフェリチンが二次元配列しない。
酢安の濃度が100mMを超えると、後述する比較例およびその写真に示されるように、フェリチンは基板上で不規則に凝集され、規則的にフェリチンが二次元配列しない。
具体的な展開の方法としては、基板上に溶液を滴下する方法の他、次のような方法も挙げられる。すなわち、パラフィルムに代表される薄膜の表面に溶液を滴下し、次いで親水性を有する面を下にして基板を溶液上に静かに置く。すなわち、パラフィルムに代表される薄膜と、親水性を有する面を下にした基板との間に溶液を挟む。
(2)除去工程について
次に、除去工程について説明する。除去工程では、基板上に展開した溶液から溶媒を除去する。代表的には溶液は緩衝液であるため、溶媒は当該緩衝液の大部分を占める水である。そこで、ここでは基板上から水を除去する方法を説明する。
溶媒を除去する具体的な方法としては、基板を遠心分離させる方法や、基板から溶媒を蒸発させる方法などが挙げられる。速やかに溶媒を除去するという観点から、基板を遠心分離させる方法が好ましい。いずれにせよ、乾燥、濃縮、手法を問わず、除去工程では基板上から水を除去すればよい。
このようにして、フェリチンを基板上に二次元配列させることができる。なお、量子ドットを得る場合、一般的にこのように二次元配列されたフェリチンを加熱により除去し、さらに必要に応じて金属酸化物を還元することにより、容易に金属を基板上に二次元的に配列させてなる量子ドットを得ることができる。
この方法では、隣接する2つのフェリチンの間を結合させる金属イオンが不要であるので、当該金属イオンによって生じる悪影響(例えば、予想もしていない界面準位の発生など)を抑制することができる。
なお、金属を化合物半導体に置換することも可能である(国際公開第03/099008号パンフレットを参照)。
(実施例)
以下、本発明を実施例と共にさらに詳細に説明する。
本実験例では、以下の表1に示される試薬を用いた。
(準備1・CNHB-Fer0大量発現・精製)
まず、以下にapoCNHB-Fer0の合成・精製手順を示す。
1.大腸菌XL1-blue (NOVAGENE)にタンパク質発現用プラスミドベクターpKIS2(配列番号3)を導入し、形質転換した。(ニッポンジーンにより頒布されている、ECOS TM Competent E.coli DH5α, JM109, XL1-Blue, BL21(DE3) Manual (ver.6)のマニュアルも参照)
2.形質転換済の大腸菌コロニーを15ml滅菌済コーニングチューブに入れた1 ml のLB培地(50mg/ml アンピシリンを含む)で振盪培養(装置:TAITEC Bio Shaker BR-40LF、設定温度:37℃、培養時間:5〜7時間、振盪速度120rpm)した。
3.前述の培養液(0.1〜0.5ml)を500mlの三角フラスコ中で50 ml のLB培地(50mg/ml アンピシリンを含む)で37℃、16-20時間、振盪培養した。
4.培地の濁度測定を分光光度計(Ultrospec 3100 pro, GEヘルスケアバイオサイエンス社)で行い、OD600: 0.1〜0.5に達した時点で、前述の培養液50mlを6LのLB培地(100mg/ml アンピシリンを含む)で撹拌培養(装置:ABLE BMS-10/05、設定温度:37℃、撹拌速度:振盪速度200rpm、空気流量:4L/min、培養時間:18〜20時間)した。
5.培地の濁度測定を行い、OD600: 4.0〜5.0であることを確認し、低速遠心機(型番:Avanti HP-25、ローター型番:JA-10, BECMAN社、設定温度:4℃、設定回転数:8000rpm, 時間:10min)でJA-10用遠沈管に集菌した。
6.集菌した菌体を、50mM Tris-HCl (200ml〜300ml) に懸濁し、低速遠心機(前述5と同様)でJA-10用遠沈管に回収した。
7.集菌した菌体を、50mM Tris-HCl (120ml) に懸濁、氷中に設置し、超音波破砕機(装置:Branson Digital Sonifier 450、設定出力値:140W、パルス設定:on/off 1秒、破砕時間:2分間 x 3回、)で、細胞を破砕した。
8.低速遠心機(型番:Avanti HP-25、ローター型番:JA-20, BECMAN社、設定温度:4℃、設定遠心力:6000×g, 時間:10min)で遠心し、上清を回収した。
9.回収した上清を、熱処理(75℃, 20分間)し、熱処理後、常温に戻るまで(おおよそ1時間程度)室温に静置した。
10.低速遠心機(前述8と同様)で遠心し、上清を回収した。
11.回収した上清に最終濃度0.5 M NaClとなるように、5 M NaClを加え懸濁した。
12.低速遠心機(前述8と同様)で遠心し、沈殿を回収した。
13.回収した沈殿を50mM Tris-HCl (120ml) に懸濁し、最終濃度0.4 M NaCl となるように、5M NaClを10.54ml加え懸濁した。
14.低速遠心機(前述8と同様)で遠心し、沈殿を回収した。
15.沈殿を回収後、13〜14の操作を再度繰り返した。
16.沈殿を50mM Tris-HCl (60ml) に懸濁し、0.22μmのシリンジフィルターに通し、精製を完了した。
(準備2・CNHB-Fer0の濃度定量)
上記CNHB-Fer0大量発現・精製により得られたタンパク質溶液(CNHB-Fer0を含む溶液)は濃度未知である。
そこで、以下の方法に従って、濃度未知のタンパク質溶液の濃度を測定した。
タンパク質濃度定量は、Lowry法に従い、DCプロテインアッセイキット(Cat. No. 500-0112JA, BioRad社)を用いた。
1.標準タンパク質として、濃度既知のBSA (Bovine Albumin Serum, Cat. No. 23209 PIACE社)溶液を、所定の濃度(0.2, 0.4, 0.6, 1.0, 2.0 mg/ml)に超純水で希釈して用いた。
2.反応液を次の手順で作製した。タンパク質溶液(もしくはコントロールとして超純水)25 μlと試薬A 125 μlをマイクロチューブに取り混合した。
3.続いて、試薬B 1mlを同マイクロチューブに取り混合し、室温25(±1)℃で15分以上反応させた。
4.反応後、1時間以内に750nmで吸光度を分光光度計(Ultrospec 3100 pro, GEヘルスケアバイオサイエンス社)で測定した。
5.BSA溶液のタンパク質濃度に対する750nmの吸光度をプロットし、最小二乗法により(未知試料のタンパク質濃度)=A(未知試料の750nmの吸光度)+Cの式を導いた。
6.試料の任意希釈液を上記の手順でタンパク質濃度を定量し、希釈率を掛けて試料原液の濃度を導いた。得られたタンパク質濃度(溶液に含まれるCNHB-Fer0の濃度)は、10.56 mg/mlであった。
(準備3・apoCNHB-Fer0の純度検定)
得られたapoCNHB-Fer0が、コア合成に適した純度であるかどうかについて、以下の手順により検定した。
純度は以下のようなゲル濾過により決定した。
1.TSK-GEL BIOASSIST G4SWXLカラム(東ソー社)を接続したHPLC(L-6210日立製作所)を用いた。
2.50mM TrisHCl緩衝液pH8.0を移動相として用い、事前に50ml以上を毎分1.0mlの流速で送液した。
3.濃度1mg/mlの精製溶液0.1mlをサンプルループに装填し、毎分1.0mlの流速で上記カラムに注入した。
4.280nmの波長をUV/VIS検出器(L-4200日立製作所)で監視し、Chromato-integrator (D-2600日立製作所)に記録した。
5.試料に含まれるCNHB-Fer0サブユニット相当のピーク(溶出時間:13 ~ 14分)が検出限界以下であり、apoCNHB-Fer0由来のピーク(単量体:8.6分, 二量体:7.8分)のみであることを確認した。
(準備4−1・Inを内包するCNHB-Fer0の合成)
以下のように、二次元配列作製に用いるIn酸化物をapoCNHB-Fer0の内部に合成した。
本実施例では、最終溶液組成が[0.2 M リン酸二水素ナトリウム, 12 mM アンモニア, 40 mM HCl, 0.1 mg/ml apoCNHB-Fer0, 1 mM 硫酸インジウム]となるように以下の手順で80 mlの反応液を調製した。
1.300mlのディスポーザブル・ビーカーに16 mlの1 M リン酸二水素ナトリウム, 0.96 mlの1 M アンモニア, 3.2 mlの1 N HCl, 59.082 mlの超純水を表記の順番で加え撹拌子で撹拌した。
2.pHメーターでpHを測定し、pH 2.88 (±0.02以内)であることを確認した。
3.0.758 mlの10.56 mg/ml apoCNHB-Fer0を含む2 mM Tris (pH8.0)溶液を加え、撹拌子で撹拌した。
4.41.4 mgの硫酸インジウム粉末を加え、粉末を反応液に溶かした。
5.反応液の入ったビーカーをサランラップで覆い、撹拌しつつ25℃(±1℃)で3時間、反応させた。
6.反応後、反応液を40mlずつ50mlのファルコンチューブに分注した。
7.ファルコンチューブを遠心機LC-200(TOMY)のスウィングローターに設置し、3000rpm、10分間遠心し、上清1を取り除き、沈殿1を回収した。
8.沈殿1に5mlの50mM TrisHCl緩衝液(pH8.0)を加え、vortexミキサーを使い懸濁した。
9.沈殿1を含むファルコンチューブを遠心機LC-200のスウィングローターに設置し、3000rpm、10分間遠心し、上清2と沈殿2とを得た。上清2を新しいファルコンチューブに分注した。
10.沈殿2に5mlの50mM TrisHCl緩衝液(pH8.0)を加え、vortexミキサーを使い懸濁した。
11.沈殿2を含むファルコンチューブを遠心機LC-200のスウィングローターに設置し、3000rpm、10分間遠心し、上清2’と沈殿2’とを得た。上清2’を新しいファルコンチューブに分注した。
12.沈殿2'に5mlの50mM TrisHCl緩衝液(pH8.0)を加え、vortexミキサーを使い懸濁した。
13.沈殿2'を含むファルコンチューブを遠心機LC-200のスウィングローターに設置し、3000rpm、10分間遠心し、上清2’'と沈殿2’'とを得た。上清2'’を新しいファルコンチューブに分注した。
14.上清2(約5ml)、上清2'(約5ml)、および上清2''(約5ml)のそれぞれに0.5mlの5 M NaClを加え、ファルコンチューブを倒置し、撹拌した。4℃(±1℃)で3時間、静置した。
15.上記ファルコンチューブを遠心機LC-200のスウィングローターに設置し、3000rpm、10分間遠心し、上清3、上清3’、上清3’’、を取り除き、沈殿3、沈殿3’、沈殿3’’を回収した。
16.沈殿3に10mlの50mM TrisHCl緩衝液(pH8.0)を加え、vortexミキサーを使い懸濁し、懸濁液3を得た。
17.沈殿3’に懸濁液3を加え、vortexミキサーを使い懸濁し、懸濁液3’を得た。
18.沈殿3’’に10mlの懸濁液3’を加え、vortexミキサーを使い懸濁し、懸濁液3’’を得た。
19.上記の懸濁液3’’(約10ml)に0.9mlの5 M NaClを加え、ファルコンチューブを倒置し撹拌した。
20.ファルコンチューブを遠心機LC-200のスウィングローターに設置し、3000rpm、10分間遠心し、上清4を取り除き、沈殿4を回収した。
21.沈殿4に10mlの50mM TrisHCl緩衝液(pH8.0)を加え、vortexミキサーを使い懸濁し、懸濁液4を得た。
22.Apollo 20ml(QMWL 150kDa) 遠心濃縮器の回収管に懸濁液5を移した。
23.Apollo 20ml遠心濃縮器を遠心機LC-200のスウィングローターに設置し、回収管に残る溶液が1ml以下になるまで、3000rpmで遠心を繰り返し濃縮した。
24.回収管より濃縮溶液1を回収した。
25.上記「準備2・CNHB-Fer0の濃度定量」に示した手順で、In酸化物をコアに持つCNHB-Fer0(以下、CNHB-Fer0(In)と表記)の濃度を決定した。
(準備4−2・Feを内包するCNHB-Fer0の合成)
以下のように、二次元配列作製に用いるFe酸化物をapoCNHB-Fer0の内部に合成した。
本実施例では、最終溶液組成が [80 mM HEPES pH 7.5, 0.5 mg/ml apoCNHB-Fer0, 5 mM (NH4)2Fe(SO4)2]となるように以下の手順で80 mlの反応液を調製した。
1.125mlの角形培地瓶(ナルジェヌンクインターナショナル社:2019-0125)に以下の溶液を表記の順番で加えた。瓶を水平に回して溶液を撹拌した。
12.8 mlの0.5 M HEPES pH 7.5, 55.4 mlの超純水, 3.8 mlの10.56 mg/ml apoCNHB-Fer0を含む2 mM Tris (pH8.0)溶液。
2.1時間以上、8℃で冷蔵した超純水20 mlに0.392 gの硫酸アンモニウム鉄粉末を加え、50 mM硫酸アンモニウム鉄溶液を調製した。
3.上記の反応液の入った角形培地瓶に8 mlの50 mM硫酸アンモニウム鉄溶液を加え、瓶を水平に回して溶液を撹拌した。8℃(±1℃)の冷蔵庫中で18時間、反応させた。
4.反応後、反応液を40mlずつ50mlの2本のファルコンチューブに分注した。
5.各ファルコンチューブを遠心機LC-200のスウィングローターに設置し、3000rpm、10分間遠心し、上清1を新しいファルコンチューブに回収した。
6.上清1(約40ml x 2)に4 mlずつ5 M NaClを加え、2本のファルコンチューブを倒置し撹拌した。
7.各ファルコンチューブを遠心機MX-300(Kubota)のアングルローターに設置し、10000rpm、10分間遠心し、上清2を取り除き、沈殿2を回収した。
8.各沈殿2に3mlの50mM TrisHCl緩衝液(pH8.0)を加え、vortexミキサーを使い懸濁し、懸濁液2(約3ml x2)を得た。
9.各ファルコンチューブを遠心機MX-300のアングルローターに設置し、10000rpm、10分間遠心し、沈殿3を取り除き、併せて上清3(約6 ml )を新しいファルコンチューブに回収した。
10.上清3(約6ml)に0.6 mlの5 M NaClを加え、ファルコンチューブを倒置し撹拌した。
11.ファルコンチューブを遠心機MX-300のアングルローターに設置し、10000rpm、10分間遠心し、上清4を取り除き、沈殿4を回収した。
12.沈殿4に5mlの50mM TrisHCl緩衝液(pH8.0)を加え、vortexミキサーを使い懸濁し、懸濁液4を得た。
13.懸濁液4を含むファルコンチューブを遠心機MX-300のアングルローターに設置し、10000rpm、10分間遠心し、沈殿5を取り除き、上清5を新しいファルコンチューブに回収する。
14.上清5(約5ml)に0.5 mlの5 M NaClを加え、ファルコンチューブを倒置し撹拌した。
15.懸濁液5を含むファルコンチューブを遠心機MX-300のアングルローターに設置し、3000rpm、10分間遠心し、上清6を取り除き、沈殿6を回収する。
16.沈殿6に3mlの50mM TrisHCl緩衝液(pH8.0)を加え、ピペットを使い懸濁し、懸濁液6を得た。
17.Apollo 20ml(QMWL 150kDa) 遠心濃縮器の回収管に懸濁液6を移した。
18.Apollo 20ml遠心濃縮器を遠心機LC-200のスウィングローターに設置し、回収管に残る溶液が1ml以下になるまで、3000rpmで遠心を繰り返し濃縮し、濃縮溶液1を得た。
19.回収管より濃縮溶液1を回収した。
20.上記「準備2・CNHB-Fer0の濃度定量」に示した手順で、Fe酸化物をコアに持つCNHB-Fer0(以下、CNHB-Fer0(Fe)と表記)の濃度を決定した。
(準備5・CNHB-Fer0(X)の高純度化)
二次元配列化には、コアを内部に持つ高純度(単量体純度99.5%以上)なCNHB-Fer0(以後、CNHB-Fer0 (X)と表記、XはInまたはFe)が望まれる。
そこで、本実施例では、以下に示すように、二次元配列化に用いるCNHB-Fer0 (X)を高純度化した。
1.TSK-GEL BIOASSIST G4SWXL樹脂(東ソー社)を充填したTricorn 10/600カラム(GE Healthcare社)をHPLC(L-6210日立製作所)に接続した。
2.50mM TrisHCl緩衝液pH8.0を移動相として用い、事前に100ml以上を毎分0.5mlの流速で送液した。
3.3ml以下の濃縮溶液1をサンプルループに装填し、毎分0.5mlの流速で上記カラムに注入した。
4.280nmの波長をUV/VIS検出器(L-4200日立製作所)で監視し、Chromato-integrator (D-2600日立製作所)に記録した。
5.フラクションコレクター (Waters社)で溶出液を0.5mlずつ回収し、CNHB-Fer0(X)単量体の含まれる画分を回収した。
6.上記「準備2・CNHB-Fer0の濃度定量」に示した手順で、CNHB-Fer0 (X)の濃度を決定した。
(準備6・CNHB-Fer0(X)溶液からのapo CNHB-Fer0の除去)
二次元配列化には、コア形成率90%以上のCNHB-Fer0(X)が必要である。90%以下の場合は、以下の手順でコア形成率を高める工程を実施する。そこで、以下のようにして、密度勾配遠心により二次元配列化に用いるCNHB-Fer0(X)溶液からapo CNHB-Fer0を除去した。
1.グリセロールと1 M TrisHCl pH8.0を下記の表2に示す組成で混合し、60, 30, 15%(w/v)グリセロール溶液を調製した。
2.遠沈管(Parts No. 326823, BECKMAN COOULTER)を水平に設置し、管底より10, 10, 15mlずつ60, 30, 15%(w/v)グリセロール溶液を静かに重層した。
3.約3mlまでの試料をグリセロール溶液上に重層し、SW-28スウィングローター(BECKMAN COOULTER)のパケットに挿入した。対角のパケット毎にバランスを調整し、ローター本体へ静かに掛けた。
4.SW-28スウィングローターをOptima L-80XP遠心機(BECKMAN COOULTER)に設置し、4℃で20,000 rpmで20時間以上遠心した。
5.遠心終了後、遠沈管を取り出し、管底に注射針(テルモ 20Gもしくは18G)で穴を開け、すばやくマクロテストチューブに溶液を受けた。
6.約1mlずつ分注し、20画分回収した。各画分の吸光度(Feコアなら540nm, Inコアなら280 nm)を分光光度計(Ultrospec 3100 pro, GEヘルスケアバイオサイエンス社)で測定し、吸光度が最大となる画分まで回収した。
7.Apollo 20ml(QMWL 150kDa) 遠心濃縮器の回収管に上記の画分を移した。
8.Apollo 20ml遠心濃縮器を遠心機LC-200のスウィングローターに設置した。
9.グリセロール濃度が1/1000以下になるまで、2mM Tris緩衝液で希釈と3000rpmで遠心濃縮を繰り返し、回収管に残る溶液が1ml以下になるまで濃縮した。
10.上記「準備2・CNHB-Fer0の濃度定量」に示した手順で、CNHB-Fer0 (X)の濃度を決定した。
(準備7・親水化基板の準備)
二次元配列化には、表面が親水性を有する基板が必要である。
以下に、熱酸化シリコン基板、親水化蒸着カーボン基板、およびAPTES修飾基板の作製手順を示す。これらの基板は、いずれも表面に親水性を有する。
(熱酸化シリコン基板)
UV/O3洗浄(紫外線/オゾンによる洗浄)により、表面の有機物を取り除き、基板表面を親水化する手順を以下に示す。
1.使用直前(すなわち、後述するように、フェリチンを二次元配列させる直前)に、熱酸化シリコン基板(SiO2膜厚3nm)を5 x 10 mmに劈開した。
2.装置 (Model UV-1, SAMCO社)を用い、 基板温度110℃, 酸素流量0.5 L/min, 洗浄時間10分間として熱酸化シリコン基板をUV/O3洗浄した。
(親水化蒸着カーボン基板)
熱酸化シリコン基板上にカーボンを真空蒸着し、大気プラズマ処理により基板表面を親水化する手順を以下に示す。
1.熱酸化シリコン基板(SiO2膜厚3nm)を5 x 10 mmに劈開した。
2.装置 (Model UV-1, SAMCO社)を用い、 基板温度110℃, 酸素流量0.5 L/min, 洗浄時間10分間として熱酸化シリコン基板をUV/O3洗浄した。
3.熱酸化シリコン基板上に厚さ10nm以上の膜厚のカーボンを真空蒸着(JEE-420 JEOL社)した。
4.使用直前(すなわち、後述するように、フェリチンを二次元配列させる直前)に、親水化処理装置(HDT400 JEOL社)で1分間、大気プラズマ処理を実施した。
(APTES修飾基板)
熱酸化シリコン基板をAPTES蒸気に晒し基板表面をAPTESで修飾する手順を以下に示す。
1.熱酸化シリコン基板(SiO2膜厚3nm)を5 x 10 mmに劈開し、流水洗浄( 5分間)を行った。
2.装置 (Model UV-1, SAMCO社)を用い、 基板温度110℃, 酸素流量0.5 L/min, 洗浄時間10分間として熱酸化シリコン基板をUV/O3洗浄した。
3.APTES(液体)は冷蔵保存であるため、実験実施前に試薬ビンを取り出し、1時間かけて室温に戻した。
4.実験に用いるガラスシャーレ、アルミ板、アルミ製カップ、治具は使用直前に窒素ブローした。
5.清浄なガラスシャーレ中に設置したアルミ板上にAPTESを分注するアルミ製カップと熱酸化シリコン基板を設置する治具を設置した。
6.洗浄済の熱酸化シリコン基板を治具上に設置した。
7.0.5mlのAPTESをスポイトでアルミ製カップ上に分注した。
8.ガラスシャーレの蓋を閉め、パラフィルムで二重に密封した。
9.室温で3時間以上から24時間以内、熱酸化シリコン基板をAPTES蒸気に晒した。
10.反応後、シャーレを開封し、基板を以下の手順で基板を洗浄した。
11.脱水エタノールで共洗いした500mlビーカー(3ヶ)に脱水エタノールを100ml注いだ。
12.治具ごとAPTES修飾基板を脱水エタノール中に浸漬し、軽く揺すりながら基板表面を洗浄した。
13.表面が乾かないように手早く新しい脱水エタノールに交換し、同様に述べ3回洗浄した。
14.最後に、流水洗浄(5分)を行い、スピンコーターで基板を乾燥させた。
(フェリチンの二次元配列)
以上の準備1〜7が終了後、フェリチンを以下の手順(以下、「サンドウィッチ法」と呼ぶことがある)に従って二次元配列させた。
1.最終濃度の2倍濃度のタンパク質および2mM Tris緩衝液を用意した。例えば、最終濃度が0.5mg/mlCNHB-Fer0(Fe)の場合は、1.0mg/ml CNHB-Fer0(Fe)を用意した。
2.最終濃度の2倍濃度の配列化溶液を用意した。例えば、最終濃度が20 mM 酢安の場合は、40 mM 酢安溶液を用意した。
3.タンパク質溶液、配列化溶液それぞれ5 μlずつをマイクロテストチューブに取り、ピペッティングもしくはVortex mixtureで混合した。
4.任意の大きさのパラフィルムをプラスチックシャーレ中に設置し、混合溶液5 μlをパラフィルム上に滴下した。
5.「(準備7・親水化基板の準備)」のいずれかに従い準備した基板の親水化処理面を液滴に接触させるように設置した。
6.プラスチックシャーレの蓋を被せて、恒温器(LTI-2000, 東京理化器械社)中で20(±0.5) ℃ 30分間、静置した。
7.所定時間経過後、基板を真空ピンセットでパラフィルムより引き剥がし、1.5 mlのマイクロテストチューブ内に移した。
8.上記のマイクロテストチューブを遠心機(5415D eppendrf社)で1500G 10分間、遠心し基板上の余剰溶液を除去した。
9.基板をマイクロテストチューブより取り出し、SEM(JEOL SEM7400F)観察を行う。観察条件は加速電圧:5 kV, エミッション電流10μAとした。
結果は以下の通りである。
(実施例1)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(In)、2 mM 酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図3に示す。
(実施例2)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(In)、10 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図4に示す。
(実施例3)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(In)、20 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図5に示す。
(実施例4)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(In)、50 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図6に示す。
(実施例5)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(In)、100 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図7に示す。
(実施例6)
0.25mg/ml CNHB-Fer0(In)、20 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図8に示す。
(実施例7)
1.0 mg/ml CNHB-Fer0(In)、20 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図9に示す。
(実施例8)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(Fe)、2 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図10に示す。
(実施例9)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(Fe)、10 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図11に示す。
(実施例10)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(Fe)、20 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図12に示す。
(実施例11)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(Fe)、100 mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図13に示す。
参考例1
0.5 mg/ml CNHB-Fer0(In)、10 mM酢安、およびAPTES修飾基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図14に示す。
図3から図1までに示されるように、次の(a)〜(c)に示される要素を用いることにより、フェリチンを規則正しく二次元配列させることができる。(a)外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するフェリチン、(b)表面がSiO 2 によって被覆された基板、および(c)濃度が2mM以上100mM以下の酢安。
(比較例1)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(In)、500 mM 酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図15に示す。
図15では、酢安の濃度が500mMであり、濃すぎるためにフェリチンが二次元配列することが確認できなかった。
(比較例2)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(In)、純水、および熱酸化シリコン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図16に示す。
図16では、酢安を用いていない、すなわち、溶液は酢安を含まないため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
(比較例3)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(In)、1 mM Tris、および熱酸化シリコン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図17に示す。
図17では、酢安を用いていない、すなわち、溶液は酢安を含まないため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
(比較例4)
0.5mg/ml CNHB-Fer0(Fe)、1 mM Tris、および熱酸化シリコン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図18に示す。
図18では、酢安を用いていない、すなわち、溶液は酢安を含まないため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
(比較例5)
0.5mg/ml Fer0(In)、20mM酢安、および熱酸化シリコン基板を用い、得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真を図19に示す。
図19では、フェリチンは外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有していない単なるフェリチンであるため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
(比較例6)
0.5mg/ml Fer0(In)、12.5 mM PIPES、および熱酸化シリコン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図20に示す。
図20では、フェリチンは外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有していない単なるフェリチンである上、溶液が酢安を含まないため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
(比較例7)
0.5mg/ml Fer0(Fe)、12.5 mM PIPES、および熱酸化シリコン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図21に示す。
図21では、フェリチンは外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有していない単なるフェリチンである上、溶液が酢安を含まないため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
(比較例8)
0.5mg/ml Fer0(Fe)、50 mM PIPES、および熱酸化シリコン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図22に示す。
図22では、フェリチンは外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有していない単なるフェリチンである上、溶液が酢安を含まないため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
(比較例9)
0.5mg/ml Fer0(Fe)、12.5 mM PIPES、および親水化カーボン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図23に示す。
図23では、フェリチンは外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有していない単なるフェリチンである上、溶液が酢安を含まないため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
(比較例10)
0.5mg/ml Fer0(Fe)/50 mM PIPES/親水化カーボン基板を用い、得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真を図24に示す。
図24では、フェリチンは外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有していない単なるフェリチンである上、溶液が酢安を含まないため、フェリチンが規則正しく配列することが確認できなかった。
図3から図1まで、および図15から図24からも理解されるように、フェリチンを規則正しく二次元配列させるためには、(a)外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するフェリチン、(b)表面がSiO 2 によって被覆された基板、および(c)濃度が2mM以上100mM以下の酢安を用いることが必要である。
本発明に係るフェリチンを基板上に二次元配列させる方法は、隣接する2つのフェリチンの間を結合させる金属イオンが不要であるので、当該金属イオンによって生じる悪影響を抑制することが望まれる量子ドット、および当該量子ドットを備えた半導体装置に適用することができる。
基板11上で複数個のフェリチン15が二次元配列した状態を示す概略図 三次元配列の断面図 実施例1により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例2により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例3により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例4により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例5により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例6により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例7により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例8により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例9により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例10により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 実施例11により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 参考例1により得られたフェリチンの二次元配列の様子を示す写真 比較例1により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例2により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例3により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例4により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例5により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例6により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例7により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例8により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例9により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 比較例10により得られた基板上のフェリチンの様子を示す写真 特許文献1の図8に示される、隣接する2つのフェリチンの間が2価の金属イオン(図25ではカドミニウムイオン)で架橋された状態を示す模式図
符号の説明
11 基板
15 フェリチン
配列表のフリーテキスト
配列番号1の<223>:フェリチンを基板に配列させるための12残基からなるアミノ酸配列
配列番号2の<223>:アミノ末端にアミノ末端メチオニンと12残基からなるアミノ酸とが付加された改変ウマ由来フェリチン
配列番号3の<223>: タンパク質発現用プラスミドベクター

Claims (1)

  1. フェリチンを基板上に二次元配列させる方法であって、
    前記フェリチンは外周面に配列番号1で示されるアミノ酸配列を有し、
    前記基板の表面はSiO 2 により被覆されており、
    前記方法は、
    溶媒、前記フェリチン、および2mM以上100mM以下の酢安を有する溶液を前記基板上に展開する展開工程、および
    前記基板上に展開した溶液から溶媒を除去する除去工程
    を包含する。
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