JP4149146B2 - 空気噴射式コンベア装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミ製缶およびスチール製缶等の物品を効率良く搬送するのに好適な空気噴射式コンベア装置(エアーフローコンベア)に関し、特に、搬送の高速化を図ると共に、搬送中における物品同士の衝突を防止した空気噴射式コンベア装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、缶ビール、缶ジュース等の各種缶入り飲料等の生産ラインにあっては、各飲料缶の製造工程から洗浄工程を経て内容物の充填工程に至る一連の飲料缶の搬送において、上記各々工程間を連結する搬送手段として空気噴射式のコンベア装置が設置されている。
【0003】
図4は従来設置の空気噴射式コンベア装置の要部構造を示している。
図4に示すように、この空気噴射式コンベア装置は、上面に多数の空気噴射孔を有するデッキプレート2、コンベアにおいて物品の搬送路として設けられる台形状等に形成された板材部、を取り付けたプレナム1(フレームにて構成された空気ダクト)と、前記デッキプレート上の物品W(例えば、アルミ製缶Wおよびスチール製缶W、以下は缶容器と記載)を両側部と上部より立体的に支持するガイド部材から成る搬送部20で概略構成されており、図示しない送風機からプレナム内部に送り込まれる空気を前記噴射孔から噴出し、その空気流によってデッキプレート面上の缶容器W群を浮上させると共に、前記ガイド部材に沿って搬送部内を搬送していくものである。
【0004】
前記搬送部20は、デッキプレート2を搬送路とし、搬送時のガイド部材としてコの字形の枠体13に固定された相並行する片側2列構成のサイド・ガイド3a、3bと、デッキプレート2と平行して搬送路上部に設けたトップ・ガイド4により構成されている。このコの字形の枠体13は、図1に示すように搬送路の適所に所定の間隔をおいて設けられており、またサイド・ガイド3a、3bは各枠体13に取り付けたスペーサ16、17にて位置調整されて各々その先端部に固定されている。尚、サイド・ガイド3a、3bは缶容器の両側部を上下2箇所で支持し、トップ・ガイド4は缶容器の上部を支持する。
また、大きさの異なった缶容器(この例では3種類)の浮遊搬送を可能とするため、前記トップ・ガイド4は枠体13の上部に取り付けたシリンダ5の動作により上下動するようになっており、更にこの部分がゴミや落下物を防止するためのダストカバー15にて施蓋されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、缶入り飲料の需要増に伴い、飲料の充填工程においては増産のための充填機の高速化(例えば、毎分2000缶)が要望されている。充填機を効率良く稼働させるためには充填機への缶容器の供給能力を従来よりアップする(例えば、毎分2000缶の充填工程に対しては1割程度アップした、毎分2200〜2300缶)必要があり、尚かつ、搬送中の機械のトラブル対応として、所定数量の缶容器を一時的にコンベア上に貯留しておくアキュームレート機能も必要とされている。
【0006】
ところが、図4より明らかなように、従来の空気噴射式コンベア装置では、搬送空間の殆どが開放状態とされているため、デッキプレート2からの噴出空気はこの開放部から積極的に機外へ逃がされてしまい、折角の空気流が搬送力として効率良く活用されていなかった。それ故、例えば、前記送風機をパワーアップしたとしてもこれによる缶容器を充填工程へ供給する搬送能力をアップするには限界があり、現状では上記した増産を可能とするような供給能力のアップは極めて難しかった。
このため、従来では、コンベア装置を多列化することにより缶容器の供給能力を向上して増産に対応していたが、係る搬送形態の場合は、多列化のための広い設置スペースが必要であり、搬送ラインの台数増によるコストアップが問題となっていた。また、多列搬送の場合、多量の缶容器を集団で搬送する際の風量不足(即ち、搬送力不足)や、集団で搬送される際の缶容器同士の衝突で缶容器自体が変形・損傷するといった問題も残されていた。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて成されたもので、缶容器の高速搬送を可能とし、且つ、搬送中の缶容器同士の衝突を回避できる安定したアキュームレート機能を有する空気噴射式コンベア装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の空気噴射式コンベア装置は、デッキプレートに設けた噴射孔から噴出する空気により当該デッキプレート上の物品を搬送する空気式コンベア装置において、前記物品の搬送部は、前記デッキプレートの上面を搬送路とすると共に、前記物品を両側部より支持するサイドガイドと上部より支持するトップガイドとを備え、且つ、これらサイドガイドおよびトップガイドにて区画された前記デッキプレートの上部空間を、上記サイドガイドとほぼ同一面に並ぶように設けられたサイドカバーおよび上記トップガイドとほぼ同一面に並ぶように設けられたトップカバーにて覆うことにより密閉構造とされた搬送空間を有しており、上記トップカバーは、上記トップガイドに固定されたゴム弾性体であって、上記トップガイドがシリンダによって上下動することにより、上記物品の大きさに合わせて上記搬送空間の大きさを調整可能に設けられていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載の空気噴射式コンベア装置は、請求項1に記載の発明において、前記トップカバーは、前記サイドカバーとの間に隙間が生じないように上記サイドカバーに接触する大きさに形成されていることを特徴としている。
【0013】
ここで、請求項1〜請求項2のいずれかに記載の発明によれば、搬送部が密閉性を有しているので、デッキプレートより搬送空間に噴出する空気流の損失を少なくでき、送風機より送られてくる空気の量を調整することで効率良く物品の搬送に活用することができる。これにより、搬送の高速化が可能となり、単列搬送を行っても十分な搬送能力が得られる。
また、高速搬送されている物品がコンベア上に貯留された(アキュームレート)物品群に近づくと、物品間に密閉された空気がクッションとして作用し、物品はその緩衝力によって減速停止させられる。これにより物品同士の衝突による変形や損傷等が防止できる安定したアキュームレート機能が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3に基づいて本発明に係る缶入り飲料の製造工程を代表させて空気噴射式コンベア装置の一実施形態を説明する。
ここで、図1は本実施形態の空気噴射式コンベア装置を示す図、図2は図1の空気噴射式コンベア装置の要部を示す側断面図、図3は図1のデッキプレート上の空気噴出孔を示す断面図である。尚、説明を簡略化するため、以下の説明において従来と共通する部分については同一の符号を用いた。
【0015】
図1、図2に示すように、本実施形態の空気噴射式コンベア装置は、基本的には図4に示した従来型と同様の構成を有しており、上面に噴射孔を設けたデッキプレート2を取り付けたプレナム1と、このプレナム1の上部に位置し、デッキプレートの上面を搬送路とする搬送部20とで構成されている。
【0016】
図1に示すように、前記プレナム1は、断面コの字状に板金加工された筒状体を成し、脚部8にて所定の位置に支持されている。このプレナム1の底部には、ダクトホース6を介して送風機7が連結されている。また、上部開放側のデッキプレート2には、図3に示すような搬送物品としての缶容器Wを浮上させるための垂直方向に空気を噴出する小孔9と、缶容器Wをガイド部材に沿って移送するための斜め上方に空気を噴出する小孔9と同等もしくは大きな大孔10とが所定の配列にて多数連設されている。
【0017】
ところで、このデッキプレート2の上面部に形成された搬送部20は従来型と相違し、図4におけるサイド・ガイド3a、3bとトップ・ガイド4の間の開放部(隙間)を、これとほぼ同一面上に並ぶように設けた後述のカバー部材で覆うことにより、デッキプレート上部の搬送空間を密閉に近い状態に維持している。
【0018】
本実施形態では、搬送空間の両側部は、ステー18によって支持体14,14に固定された透明樹脂製のサイド・カバー11aとサイド・カバー11bで閉鎖され、搬送空間の上部は、トップガイド4がシリンダ5により上下動することから、ゴム等のような弾性体で成るトップカバー12を用いて閉鎖されている。尚、このトップ・カバー12の一端はトップガイド4に固定されると共に、他端が前記サイド・カバー11bに十分接触するようにして、サイド・カバーと間に隙間が生じないようになっている。さらに、本発明では、隙間が生じないように配置することで得られる密閉体を確保するもので、完全な気密状態となることを要求するものではない。
【0019】
尚、トップ・ガイドとシリンダによる缶容器Wの上部支持構造は従来型と同様である。
【0020】
このように、本構成では、搬送空間が密閉に近い状態とされているため空気が機外に放出され難くなり、デッキプレート2より噴出する垂直方向および斜め上方の空気流は缶容器を浮遊し、搬送するために効率良く活用されるようになる。よって、少ない風量による缶容器の高速搬送が可能となり、従来の多列搬送形態に替えて単列搬送形態を採用しても、缶入り飲料等の増産を可能とする十分な搬送能力が確保できることになる。
【0021】
また、搬送中の缶容器Wが既にコンベアの下流側に貯留されている缶容器群に近づいた場合には、密閉構造とされた搬送空間において缶容器と缶容器の間の空気がクッションとして作用し、その上流側より高速搬送されてきた缶容器Wはその緩衝力によって減速し、停止させられることになる。これにより缶容器同士の衝突は回避され、変形や損傷が防止できる。
このように、本発明の空気噴射式コンベア装置では、缶容器の高速搬送たけでなく、変形や損傷等による不良品を発生させない信頼性の高いアキュームレート機能をも同時に実現することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、空気噴射式コンベア装置の搬送部を密閉に近い構造としたので、従来の空気噴射式コンベア装置に比較して噴出空気の損失を十分少なくでき、送風機から送られてくる空気流を効率良く物品(例えば、アルミ製缶およびスチール製缶等)の搬送に活用することができる。これにより、搬送の高速化が可能となり、従来の多列搬送に替えて単列搬送によっても十分な搬送能力が確保できるため、単列搬送による缶容器入り飲料等の増産が容易に、且つ安価に実現できる。
また、密閉構造による缶容器間の空気がクッションとして作用するので、搬送中の缶容器同士の衝突が回避され、搬送物品の変形や損傷等が防止できる。
【0023】
このように、本発明の空気噴射式コンベア装置では、缶容器の高速搬送と、搬送缶容器の変形や損傷等による不良品を発生させない信頼性の高いアキュームレート機能も同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気噴射式コンベア装置の一実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図2】図1の空気噴射式コンベア装置の要部を示す側断面図である。
【図3】図1のデッキプレート上の空気噴出孔を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図4】従来の空気噴射式コンベア装置の要部を示す側断面図である。
【符号の説明】
2 デッキプレート
9 噴射孔(小孔)
10 噴射孔(大孔)
20 搬送部
3a,3b ガイド部材(サイド・ガイド)
4 ガイド部材(トップ・ガイド)
11a,11b カバー部材(サイド・カバー)
12 カバー部材(トップ・カバー)
W 物品(缶容器)
Claims (2)
- デッキプレートに設けた噴射孔から噴出する空気により当該デッキプレート上の物品を搬送する空気式コンベア装置において、
前記物品の搬送部は、前記デッキプレートの上面を搬送路とすると共に、前記物品を両側部より支持するサイドガイドと上部より支持するトップガイドとを備え、且つ、これらサイドガイドおよびトップガイドにて区画された前記デッキプレートの上部空間を、上記サイドガイドとほぼ同一面に並ぶように設けられたサイドカバーおよび上記トップガイドとほぼ同一面に並ぶように設けられたトップカバーにて覆うことにより密閉構造とされた搬送空間を有しており、
上記トップカバーは、上記トップガイドに固定されたゴム弾性体であって、上記トップガイドがシリンダによって上下動することにより、上記物品の大きさに合わせて上記搬送空間の大きさを調整可能に設けられていることを特徴とする空気噴射式コンベア装置。 - 前記トップカバーは、前記サイドカバーとの間に隙間が生じないように上記サイドカバーに接触する大きさに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気噴射式コンベア装置。
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- 2001-07-03 JP JP2001202392A patent/JP4149146B2/ja not_active Expired - Lifetime
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