JP4147348B2 - キャップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺状の連結部材の一端をキャップに連結してなるキャップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
従来、自動車の燃料タンクでは、給油時における燃料キャップの紛失を防止するために、該燃料キャップをテザー等の長尺状の連結部材により燃料タンクの給油口近傍に連結する構成がある。こうしたテザーを有する燃料キャップとして、特許文献1に示す技術が知られている。すなわち、燃料キャップの蓋体の外周に形成した溝に、テザーと一体の回転リングを回転可能に装着するとともに、この回転リングをリテーナで固定することにより回転リングを蓋体の外周部から脱落しないように装着している。しかし、従来の技術において、回転リングを取り付けるためのリテーナを廃止して、部品点数を減らすことが検討されている。
【0003】
上記課題を解決するための技術として、例えば、特許文献2の技術が知られている。この技術は、伸びの大きい弾性部材から回転リングを形成し、キャップの外周の溝に回転リングを変形させて拡径することにより装着している。しかし、特許文献2の技術では、回転リングを変形させる作業が面倒であるだけでなく、伸縮性や可撓性に優れた材料を用いなければならないので、材料選択の自由度が低いという問題があった。
【特許文献1】
独国特許出願公開第19820544号明細書
【特許文献2】
実開平3−24922号公報
【0004】
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、部品点数を少なくし、しかも材料の選択の自由度の高いテザー付のキャップ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するためになされた本発明は、
タンク開口を開閉するキャップを上記タンク開口の周辺の部材に連結するためのテザー機構を備えたキャップ装置において、
上記テザー機構は、
上記キャップの外周に沿って形成され外径D1を有するリング装着部と、
上記リング装着部に回転可能に装着された回転リングと、
紐形状の連結部材本体と、該連結部材本体の一端に形成され上記回転リングに連結された第1支持端と、連結部材本体の他端に形成され上記タンク開口の付近の取付部材に連結可能である第2支持端とを有する連結部材と、
を備え、
上記回転リングは、
その一部を分離した円弧形状であり、上記外径D1より大きい内径d1で回転自在に上記リング装着部に支持され、縮径する力を加えない状態にて上記内径d1より大きい内径d2であり、縮径する力を加えることで内径d2から上記内径d1まで弾性変形により縮径可能に形成されたリング本体と、
上記リング本体の分離した両端にそれぞれ延設されかつ上記第1支持端に連結された第1および第2接合片と、
上記第1および第2接合片を接合するように固定することで、上記リング本体を上記内径d2から上記内径d1まで弾性力に抗して縮径して上記リング装着部に回転自在に支持する固定手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明にかかるキャップ装置において、タンク開口からキャップを外すと、キャップは、連結部材を介してタンク開口の周辺で支持されるから、キャップの紛失や締め忘れを防止することができる。上記連結部材の一端は、キャップの外周のリング装着部に回転可能に装着された回転リングに連結固定されており、キャップを外す際に回転操作したときに回転リングとキャップとが相対的に回転する。よって、キャップは、連結部材に連結固定されていても、キャップの開閉操作に支障がない。
【0007】
また、回転リングは、リング本体をリング装着部の外周に配置して、第1および第2接合片を固定手段により接合すれば、回転リングは、縮径してキャップのリング装着部に装着することができる。この構成によれば、従来の技術で説明したような回転リングをキャップに止めるための抜止部材が不要になり、コストダウンを実現できる。
【0008】
さらに、従来の技術で説明したような、回転リングは、弾性的に大きな伸びを許容する材料でなくてよいから、材料選択の自由度も拡がる。
【0009】
また、回転リングは、第1および第2接合片を接合するだけでよいから回転リングを装着する作業も簡単である。
【0010】
ここで、回転リングの好適な態様として、第1および第2接合片をV字形に連結することで上記リング本体とともにループ形状に構成することができる。これにより、回転リングがループ形状に繋がっているから取り扱いが容易になる。また、第1および第2接合片は、リング本体の中心から外方、上方や下方などへ延設することができる。
【0011】
また、固定手段としては、第1および第2接合片を固定する手段であればよく、例えば、超音波溶着、熱溶着、接着剤などによる接合手段や爪などにより接合片に跨って連結する機械的な係合手段であってもよい。さらに、固定手段を係合手段で構成した場合には、回転リングと一体に形成するほか、別部材で構成してもよい。
【0012】
さらに、連結部材は、回転リングに一体に形成するほか、係合手段に連結した構成であってもよい。
【0013】
上記第1および第2接合片は、上記リング本体を縮径したときに互いに一致するように配置された連結孔をそれぞれ備え、固定手段は、上記両連結孔を貫通して上記リング本体を縮径した状態で上記第1および第2接合片を連結する連結係合部を備える構成をとってもよい。この連結係合部は、連結部材の先端に一体に形成するか、第1または第2接合片と一体に形成するほか、別部材として構成してもよい。
【0014】
【発明の他の態様】
また、本発明の他の態様として、テザー機構の第1および第2接合片を接合することによりリング本体をリング装着部に装着する取付方法に適用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
【0016】
(1) キャップ装置の概略構成
図1は本発明の第1実施例にかかるキャップ装置を搭載した自動車の後部を示す斜視図、図2は給油蓋12を開いた状態を示す斜視図である。図1に示す車体パネル10の後部には、給油用の凹部11が形成され、凹部11の開口を給油蓋12で覆っている。給油蓋12は、ヒンジ13を介して開閉可能に取り付けられている。また、上記凹部11の底壁11aには、燃料タンク(図示省略)に接続されるフィラーパイプ16の給油口16aが配置されている。給油口16aは、燃料キャップ20で開閉可能に封止される。
【0017】
(2) 燃料キャップ20の構成
図3はフィラーパイプ16に装着した燃料キャップ20の一部を示す断面図である。燃料キャップ20は、フィラーパイプ16に装着されるケーシング21と、ケーシング21の上部のフランジ21bに装着される蓋体22と、ケーシング21の上部に装着されるガスケットGSとを備えている。上記ケーシング21の外周には、係合突起21aが形成されている。係合突起21aは、フィラーパイプ16の係合突条16bに係合される。よって、燃料キャップ20を給油口16aに装着して2〜3回回転することにより、ケーシング21がガスケットGSをフィラーパイプ16の内壁に対して押圧して、この内壁と燃料キャップ20との間がシールされる。上記蓋体22は、指で挟んで回転操作するための操作部23aを有する上壁23と、上壁23の外周から筒状に形成された側壁24とによりカップ状に形成されている。
【0018】
(3) テザー機構30の構成
蓋体22には、テザー機構30が装着されている。図4は燃料キャップ20を示す斜視図、図5はテザー機構30を示す平面図である。上記テザー機構30は、蓋体22の外周に沿った溝により形成されたリング装着部25(図3参照)と、リング装着部25に回転可能に装着された回転リング32と、回転リング32と一体に連結された連結部材36を備えている。
【0019】
図6は燃料キャップ20に装着される前の回転リング32を示す斜視図である。回転リング32は、無端リングであり、つまり一部を分離した円弧形状のリング本体32aと、リング本体32aの分離した端部32b,32cから該リング本体32aの中心から外方へそれぞれ延設された第1および第2接合片33a,33bとを備え、これらをポリウレタン(PUR)、熱可塑性エラストマー(TPEE)などの軟質材料により一体形成されている。第1および第2接合片33a,33bは、ほぼV字形状であり、その端部が連結されることにより、回転リング32は、ループ形状、つまり無端リング形状に構成されている。第1および第2接合片33a,33bには、固定手段を構成する突起34aおよび溶着凹所34bがそれぞれ形成されている。これらは、後述するように、超音波溶着により接合されるように形成されている。
【0020】
図7に示すように、リング本体32aは、リング装着部25の外径D1より僅かに大きい内径d1で回転自在にリング装着部25に支持され、上記内径d1より大きい内径d2から内径d1まで弾性変形により縮径可能に形成されている。
【0021】
連結部材36は、紐形状の連結部材本体36aと、この連結部材本体36aの両端にそれぞれ形成された第1支持端37および第2支持端38とを備えている。第1支持端37は、第1および第2接合片33a,33bの接合部に連結されている。また、連結部材36の他端である第2支持端38は、支持突起38aを有する円板形状の部材である。図2に示すように、支持突起38aは、給油蓋12の裏面側に形成された固定部12aに圧入されることにより固定部12aに回動可能に支持されている。よって、図1に示す燃料キャップ20は、給油蓋12を開けてフィラーパイプ16から外されたときに、固定部12aに固定された連結部材36を介して吊るされる。
【0022】
(4) テザー機構30の取付作業
テザー機構30を取り付けるには、図7に示すように、回転リング32を蓋体22の外周に配置する。この状態にて、第1および第2接合片33a,33bのV字形を狭めるように力を加えて、図8に示すように、突起34aを溶着凹所34bに合わせるとともに、支持板SPと超音波ホーンUSとの間で挟持し、超音波溶着する。これにより、突起34aが溶着凹所34bに超音波溶着されることにより第1および第2接合片33a,33bが一体化するとともに、リング本体32aが縮径してリング装着部25に入り込んで回転自在に装着される(図5の状態)。
【0023】
(5) 燃料キャップ20の開閉動作
次に、燃料キャップ20の開閉動作について説明する。図1に示す燃料キャップ20を外した状態から、燃料キャップ20をフィラーパイプ16の給油口16aに挿入し、2〜3回転することにより給油口16aを閉じる。このとき、図3に示す回転リング32が蓋体22に対して回転自在にあり、また、連結部材36が給油蓋12や燃料キャップ20から大きな力を受けておらず、軟質の樹脂などから形成されて、可撓性を有するから、燃料キャップ20は、その開閉動作に支障がない。このとき、連結部材36は、凹部11内で曲げられて、収納される。
【0024】
次に、燃料キャップ20を外す動作について説明する。給油蓋12を開けると、連結部材36が給油蓋12の開き動作に伴って伸ばされる。連結部材36は伸ばされたときに、その張力に応じて回転リング32を回転させる。給油蓋12は、連結部材36を介して燃料キャップ20に連結されているが、連結部材36から開閉に支障を生じるような大きな力を受けず、開閉動作をスムーズに行なわせることができる。そして、燃料キャップ20を手から離すと、燃料キャップ20の蓋体22を車両の外板に向けて、車体パネル10から離れた位置で垂れ下がって、この状態にて、給油を行うことができる。つまり、給油時に燃料キャップ20を車体パネル10から離れた位置に配置することができるので、給油ガンと干渉することもなく、ケーシング21に付着した燃料が車体パネル10を汚すこともない。
【0025】
(6) 実施例の作用・効果
また、上記実施の形態によれば、さらに以下の作用効果を奏する。
【0026】
(6)−1 回転リング32は、リング本体32aをリング装着部25の外周に配置して、第1および第2接合片33a,33bを接合すれば、縮径して燃料キャップ20のリング装着部25に装着することができる。この構成によれば、従来の技術で説明したような回転リングをキャップに止めるための抜止部材が不要になり、コストダウンを実現できる。
【0027】
(6)−2 従来の技術で説明したような、回転リング32は、弾性的に大きな伸びを必要とする材料でなくてよいから、材料選択の自由度も拡がる。
【0028】
(6)−3 回転リング32は、第1および第2接合片33a,33bを接合するだけでよいから回転リング32を装着する作業も簡単である。
【0029】
B.第2実施例
図9は第2実施例にかかるテザー機構30Bの要部を示す斜視図である。第2実施例は、第1および第2接合片33Ba,33Bbを接合するための固定手段の構成に特徴を有している。すなわち、固定手段は、回転リング32Bと別体の係合部材34Bを備えている。係合部材34Bは、断面コ字形の係合本体34Baと、係合本体34Baの両先端にそれぞれ形成された係合爪34Bb,34Bcとを有している。また、係合部材34Bの上部には、連結部材36Bの第1支持端37Bが固定されている。また、第1および第2接合片33Ba,33Bbの両側壁には、ガイド凹所33Bc,33Bdがそれぞれ形成されている。
【0030】
上記回転リング32Bを燃料キャップに装着するには、第1および第2接合片33a,33bを合わせるように力を加え、その後、係合部材34Bを第1および第2接合片33Ba,33Bbに跨るように押し入れる。これにより、係合部材34Bは、係合爪34Bb,34Bcが第1および第2接合片33Ba,33Bbの下端に係合するとともに、ガイド凹所33Bc,33Bdに位置決めされる。この状態にて、係合部材34Bにより第1および第2接合片33Ba,33Bbが接合されるとともに、回転リング32Bが燃料キャップに装着される。
【0031】
また、係合部材34Bが第1および第2接合片33Ba,33Bbに係合している状態から離脱する荷重をLD1に、連結部材36Bが破断する荷重をLD2とした場合において、LD1<LD2とすれば、連結部材36Bに大きな力が加わったときに、係合部材34Bが第1および第2接合片33Ba,33Bbから離脱するから、連結部材36Bが破断することがない。
【0032】
なお、図10に示すように係合部材34Bは、回転リング32Bに、連結紐34Bdで連結するように構成することにより部品点数を減らし、取り扱いを容易にすることができる。
【0033】
C.参考例
図11は参考例にかかる回転リング32Cを説明する説明図である。本参考例は、回転リング32Cを拡径することで燃料キャップに装着する構成に特徴を有している。すなわち、回転リング32Cは、リング装着部25Cの外径D1より僅かに大きい内径d1に形成され、第1および第2接合片33Ca,33CbをV字形に広げることにより内径d2まで拡径するように構成されている。回転リング32Cをリング装着部25Cに装着するには、回転リング32Cを拡径した後に、拡径した力を除くことにより弾性力で第1および第2接合片33Ca,33Cbが接合される。この場合において、第1および第2接合片33Ca,33Cbを固定する補助的な手段として、上述したように超音波溶着などの溶着手段や係合部材などの各種の手段を加えてもよい。
【0034】
D.第4実施例
図12は第4実施例にかかるテザー機構30Dの要部を示す斜視図である。第4実施例は、リング本体を分離し、その端部を第1および第2接合片で接合できるようにした構成に特徴を有している。すなわち、リング本体32Daは、円弧形状で一部が分離されており、両端部32Db,32Dcには、第1および第2接合片33Da,33Dbがそれぞれ延設されている。第1および第2接合片33Da,33Dbは、リング本体32Daの中心軸と同じ方向、つまり上方に延設されている。また、第1および第2接合片33Da,33Dbの接合面には、位置決めまたは仮止め用の突起33Deおよび凹所33Dfが形成されている。
【0035】
回転リング32Dを燃料キャップに取り付ける前には、突起33Deと凹所33Dfとを係合させて仮止めすることにより、図13に示すように回転リング32Dをリング形状にし、テザー機構の取り扱いを容易にしている。そして、回転リング32Dを燃料キャップに装着する場合には、第1および第2接合片33Da,33Dbの接合を外して、リング本体32Daを拡径した後に、図示しない係合部材(図9参照)を、ガイド凹所33Dc,33Ddに係合することにより、第1および第2接合片33Da,33Dbを接合する。このように、リング本体32Daは、分離して構成したり、第1および第2接合片33Da,33Dbは、上方に突設させる構成としたり、下方に突設させるなどの各種の構成をとることができる。
【0036】
E.第5実施例
図14は第5実施例にかかるテザー機構30Eの要部を示す斜視図、図15はテザー機構30Eの平面図である。第5実施例は、一部を分離した有端のリング本体32Eaの端部32Eb,32Ecを第1および第2接合片33Ea,33Ebで合わせる構成および、連結部材36Eの第1支持端37E(連結係合部)により第1および第2接合片33Ea,33Ebを接合するようにした構成に特徴を有している。すなわち、リング本体32Eaは、円弧形状で一部が分離されており、両端部32Eb,32Ecに第1および第2接合片33Ea,33Ebがそれぞれ延設されている。第1および第2接合片33Ea,33Ebは、リング本体32Eaの中心軸から径方向外方に延設されている。また、第1および第2接合片33Ea,33Ebには、連結孔33Ec,33Edが形成されている。一方の連結孔33Edには、ガイド孔33Eeを介して係合孔33Efが形成されている。また、第1接合片33Eaの下面には、係合突部33Egが突設され、その先端に偏心した係合板33Ehが形成されている。一方、連結部材36Eの先端の第1支持端37Eは、上記連結孔33Ec,33Edに圧入係合するものであり、先端係止部37Eaと、係止部37Ebと、この先端係止部37Eaと係止部37Ebとの間を連結する連結部37Ecを備えている。
【0037】
回転リング32Eを燃料キャップに取り付けるには、リング本体32Eaを拡径してケーシングに外装した状態にて、リング本体32Eaを径方向に変形させて係合板33Ehを連結孔33Edに挿入し、さらにガイド孔33Eeを通じて係合孔33Efに圧入する。図16の燃料キャップのテザー機構30Eを取り付けた付近を示す断面図で示すように、第1および第2接合片33Ea,33Ebが係合板33Ehにより連結一体化される。続いて、連結部材36Eの第1支持端37Eを連結孔33Ec,33Edに圧入する。第1および第2接合片33Ea,33Ebは、第1支持端37Eの先端係止部37Eaと係止部37Ebとの間で挟持されることにより連結される。
【0038】
F.第6実施例
図17は第6実施例にかかるテザー機構30Fの要部を示す斜視図である。第6実施例は、第5実施例の変形例であり、連結部材36Fの第1支持端37F(連結係合部)だけで第1および第2接合片33Fa,33Fbを接合できるようにした構成に特徴を有している。すなわち、リング本体32Faの第1および第2接合片33Fa,33Fbには、連結孔33Fc,33Fdが形成されている。回転リング32Fを燃料キャップに取り付けるには、リング本体32Faを拡径してケーシングに外装した状態にて、第1および第2接合片33Fa,33Fbを合わせて、連結部材36Fの第1支持端37Fを連結孔33Fc,33Fdに圧入する。第1および第2接合片33Fa,33Fbは、第1支持端37Fの先端係止部37Faと係止部37Fbとの間で挟持されることにより連結される。
【0039】
G.第7実施例
図18は第7実施例にかかるテザー機構30Gの要部を示す斜視図、図19はテザー機構30Gの要部の平面図である。第7実施例は、連結部材36Gの第1支持端37G(連結係合部)を周方向から第1および第2接合片33Ga,33Gbに圧入することで接合するようにした構成に特徴を有している。すなわち、リング本体32Gaの第1および第2接合片33Ga,33Gbには、連結孔33Gc,33Gdがリング本体32Gaの接線方向に向けて形成されている。第1および第2接合片33Ga,33Gbは、V字形になるように一体に形成され、V字形を狭めるように弾性変形することにより回転リング32Gが縮径するように構成されている。
【0040】
回転リング32Gを燃料キャップに取り付けるには、リング本体32Gaをケーシングに外装した状態にて、図20に示すように第1および第2接合片33Ga,33GbのV字形を狭めるように縮径し、その状態にて、連結部材36Gの第1支持端37Gを連結孔33Gc,33Gdに圧入する。第1および第2接合片33Ga,33Gbは、第1支持端37Gの先端係止部37Gaと係止部37Gbとの間で挟持されることにより連結される。
【0041】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0042】
(1) 上記実施例における固定手段として、第1および第2接合片を超音波溶着により接合した例について説明したが、熱溶着、接着剤により接合する手段であってもよい。
【0043】
(2) 上記実施例では、連結部材の第2支持端を給油蓋に取り付ける構成について説明したが、これに限らず、給油口の周辺の車体側部材(取付部材)、例えば凹部の底壁などであって、燃料キャップの開閉操作などに支障のない部材であれば特に限定されない。
【0044】
(3) 上記実施の形態では、燃料キャップについて説明したが、これに限らず、キャップであればその種類は特に限定されず、例えば、自動車のラジエータのキャップなどにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例にかかるキャップ装置を搭載した自動車の後部を示す斜視図である。
【図2】 給油蓋12を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】 フィラーパイプ16に装着した燃料キャップ20の一部を示す断面図である。
【図4】 燃料キャップ20を示す斜視図である。
【図5】 テザー機構30を示す平面図である。
【図6】 回転リング32を示す斜視図である。
【図7】 回転リング32の作用を説明する説明図である。
【図8】 回転リングの接合作業を説明する説明図である。
【図9】 第2の実施例にかかるテザー機構30Bの要部を示す斜視図である。
【図10】 第2の実施例の変形例を示す斜視図である。
【図11】 第3実施例にかかる回転リング32Cを説明する説明図である。
【図12】 第4実施例にかかるテザー機構30Dの要部を示す斜視図である。
【図13】 回転リングを接合した状態を説明する説明図である。
【図14】 第5実施例にかかるテザー機構30Eの要部を示す斜視図である。
【図15】 テザー機構の平面図である。
【図16】 燃料キャップのテザー機構を取り付けた付近を示す断面図である。
【図17】 第6実施例にかかるテザー機構30Fの要部を示す斜視図である。
【図18】 第7実施例にかかるテザー機構30Gの要部を示す斜視図である。
【図19】 テザー機構の要部の平面図である。
【図20】 テザー機構を接合している状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10...車体パネル
11...凹部
11a...底壁
12...給油蓋
12a...固定部
13...ヒンジ
16...フィラーパイプ
16a...給油口
16b...係合突条
20...燃料キャップ
21...ケーシング
21a...係合突起
21b...フランジ
22...蓋体
23...上壁
23a...操作部
24...側壁
25...リング装着部
25C...リング装着部
30...テザー機構
30B...テザー機構
30D...テザー機構
30E...テザー機構
30F...テザー機構
30G...テザー機構
32b,32c...端部
32Db,32Dc...端部
32Eb,32Ec...端部
32...回転リング
32B...回転リング
32C...回転リング
32D...回転リング
32E...回転リング
32F...回転リング
32G...回転リング
32a...リング本体
32Da...リング本体
32Ea...リング本体
32Fa...リング本体
32Ga...リング本体
33a,33b...第1および第2接合片
33Ba,33Bb...第1および第2接合片
33Ca,33Cb...第1および第2接合片
33Da,33Db...第1および第2接合片
33Ea,33Eb...第1および第2接合片
33Fa,33Fb...第1および第2接合片
33Ga,33Gb...第1および第2接合片
33Bc,33Bd...ガイド凹所
33Dc,33Dd...ガイド凹所
33Ec,33Ed...連結孔
33Fc,33Fd...連結孔
33Gc,33Gd...連結孔
33De...突起
33Ee...ガイド孔
33Df...凹所
33Ef...係合孔
33Eg...係合突部
33Eh...係合板
34a...突起
34b...溶着凹所
34Ba...係合本体
34B...係合部材
34Bb,34Bc...係合爪
34Bd...連結紐
36...連結部材
36B...連結部材
36E...連結部材
36F...連結部材
36G...連結部材
36a...連結部材本体
37...第1支持端
37B...第1支持端
37E...第1支持端
37F...第1支持端
37G...第1支持端
37Ea...先端係止部
37Eb...係止部
37Ec...連結部
37Fa...先端係止部
37Fb...係止部
37Ga...先端係止部
37Gb...係止部
38...第2支持端
38a...支持突起
GS...ガスケット
SP...支持板
US...超音波ホーン

Claims (6)

  1. タンク開口を開閉するキャップを上記タンク開口の周辺の部材に連結するためのテザー機構(30)を備えたキャップ装置において、
    上記テザー機構(30)は、
    上記キャップの外周に沿って形成され外径D1を有するリング装着部(25)と、
    上記リング装着部(25)に回転可能に装着された回転リング(32)と、
    紐形状の連結部材本体(36a)と、該連結部材本体(36a)の一端に形成され上記回転リング(32)に連結された第1支持端(37)と、連結部材本体(36a)の他端に形成され上記タンク開口の付近の取付部材に連結可能である第2支持端(38)とを有する連結部材(36)と、
    を備え、
    上記回転リング(32)は、
    その一部を分離した円弧形状であり、上記外径D1より大きい内径d1で回転自在に上記リング装着部(25)に支持され、縮径する力を加えない状態にて上記内径d1より大きい内径d2であり、縮径する力を加えることで内径d2から上記内径d1まで弾性変形により縮径可能に形成されたリング本体(32a)と、
    上記リング本体(32a)の分離した両端にそれぞれ延設されかつ上記第1支持端(37)に連結された第1および第2接合片(33a,33b)と、
    上記第1および第2接合片(33a,33b)を接合するように固定することで、上記リング本体(32a)を上記内径d2から上記内径d1まで弾性力に抗して縮径して上記リング装着部(25)に回転自在に支持する固定手段と、
    を備えたことを特徴とするキャップ装置。
  2. 請求項1に記載のキャップ装置において、
    上記回転リングは、上記第1および第2接合片をV字形に連結することで上記リング本体とともにループ形状に構成されているキャップ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のキャップ装置において、
    上記固定手段は、熱または超音波により溶着された溶着部であるキャップ装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載のキャップ装置において、
    上記固定手段は、上記第1および第2の接合片に跨って連結固定する係合部材であるキャップ装置。
  5. 請求項4のキャップ装置において、
    上記第1および第2接合片は、上記リング本体を縮径したときに互いに一致するように配置された連結孔をそれぞれ備え、
    上記固定手段は、上記両連結孔を貫通して、上記リング本体を縮径した状態で上記第1および第2接合片を連結する連結係合部を備えたキャップ装置。
  6. 請求項5に記載のキャップ装置において、
    上記連結係合部は、上記連結部材の第1支持端に形成されているキャップ装置。
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