JP4146678B2 - 画像検査方法および装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ等の光学部材の品質を画像処理によって検査するための画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズ等の光学部材(以下、被検物という)を画像処理によって検査する画像処理装置が知られている。このような画像処理装置では、まず、光源からの光で照明された被検物をCCDカメラ等で撮影し、撮影された画像に所定の処理を施すことにより被検物に存在する不良要因を抽出し、その形状ごとに分類する。一般的に、不良要因としては、ゴミやキズ、ケバ(糸くず)、汚れ等がある。また、画像処理装置によっては、被検物を複数のエリアに分割し、不良要因を、その不良要因が発生した位置に対応するエリアごとに分類する。
【0003】
抽出された不良要因を形状やエリアによって分類すると、画像処理装置は、各不良要因を数値(品質点数)化する。そして画像処理装置は、各不良要因の合計点数によって、被検物の良否判定を行う。具体的には、CCDカメラ等によって撮影した画像を二値化し、この二値化画像をラベリングして不良要因を一つ一つ抽出した上でこれらの不良要因の評価を行う。
【0004】
一方、例えばレンチキュラーレンズ等のように、被検物によっては、とくにゴミ等がなくても、その性質上、撮像した画像に周期的な模様が現れる場合がある。つまり、被検物自体には模様があるわけではないのに、撮像すると画像上では周期的な模様が現れる場合がある。このような周期的な模様は、そのレベルによっては二値化後も縞模様として残る場合があり、したがってこのような模様については不良要因として抽出しない様にするための手法が必要である。
【0005】
図19に、このような周期的な模様が現れる被検物の画像の一例を示す。図19に示す被検物の画像では、縦方向の模様が周期的に存在し(縞模様1)、不良要因3が縞模様1の一つに重なった状態で現れている。このような被検物の画像に対し、従来の手法による画像処理は次のように行われる。
【0006】
まず、被検物の画像を二値化する。二値化後の画像を図20に示す。被検物の縞模様は予め知ることができるので、縞模様の画像を予め準備しておく(図21)。このように、準備を行い、次に、被検物の画像(図20)から、予め準備しておいた縞模様の画像(図21)を減算して取り除き、不良要因のみ抽出された画像を得る。このようにして抽出された、不良要因のみの画像を図22に示す。不良要因が抽出されたので、後は、不良要因を評価し良否判定を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の手法によって縞模様を取り除いて不良要因の抽出を行うことは可能であるものの、被検物画像において縞模様と不良要因とが重なっている場合には、図22に示されるように、不良要因3上の縞模様と重なり合っていた部分(矢印5)が未検査領域となる。この場合、本来ゴミである不良要因3をキズと評価してしまうなど、不良要因の評価が厳密に行われなくなる可能性がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされた。すなわち、本発明は、撮影した画像にその性質上模様が現れるような被検物に対しても、不良要因の評価を厳密に行うことのできる画像処理方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、まず、被検物を撮像して得られる被検物画像に対して、被検物の模様(被検物自体に模様はなく画像上でのみ生じる被検物の模様を含む。)の全部または一部と対応する形状の空間フィルタを用いて平滑化を行うようにする(平滑化ステップ)。被検物の模様と相似形の空間フィルタを用いて被検物画像の平滑化を行うことで、被検物画像中で被検物の模様のみの部分領域については輝度分布のピークが変化しないようにし、被検物の模様と不良要因が重なっている部分領域については輝度分布のピークが平均化により低減されるようにすることができる。次に、平滑化前の被検物画像と平滑化後の被検物画像との差分をとり差分画像を取得しておく(差分ステップ)。平滑化後の被検物画像では、被検物の模様と不良要因が重なっている部分領域については輝度分布のピークが平均化により低減されているので、差分画像は不良要因の部分領域を表すことになる。したがって、この差分画像に基づいて、被検物画像に含まれている不良要因を忠実に抽出することが可能となる(不良要因抽出ステップ)。後は、抽出された不良要因を評価して被検物の良否判定を行うことができる。
【0010】
この場合において、被検物の模様が周期的または非周期的な直線状の縞模様である場合には、平滑化ステップにおいて、該直線状の縞模様の一つに対応する長方形の空間フィルタを用いて平滑化を行う構成とすることが好ましい。
【0011】
或いは、被検物の模様が周期的または非周期的な同心円状の模様である場合には、平滑化ステップにおいて、円形の空間フィルタを用いて平滑化を行う構成とするのが好ましい。
【0012】
なお、不良要因抽出ステップにおいて、差分ステップにより得られた差分画像に対して二値化処理を行い、該二値化処理後の画像に基づいて不良要因の抽出を行うように構成しても良い。
【0013】
また、本発明の一つの実施形態では上記目的を達成するために、平滑化ステップの事前処理として被検物画像の座標変換を行い、平滑化ステップにおいて座標変換後の被検物画像について平滑化を行うようにする。これは、平滑化を効率化するために有効である。そして、不良要因抽出ステップにおいて、差分ステップにより得られた、不良要因を含んでいる差分画像について逆座標変換をして、座標変換前の座標上で不良要因を抽出するようにする。
【0014】
なお、ここで極座標変換は直交座標から極座標への変換であり、逆座標変換は極座標から直交座標への変換である。
【0015】
被検物の模様が周期的または非周期的な同心円状の模様である場合には、同心円状の模様は、極座標変換によって、極座標上で周期的または非周期的な直線状の縞模様となる。したがってこの場合、被検物画像に対して、直線状の縞模様の一つに対応する長方形の空間フィルタを用いて平滑化を行うことが可能となり、処理が効率化される。
【0016】
なお、不良要因抽出ステップにおいて、差分ステップにより得られた差分画像について二値化処理を行い、該二値化処理後の差分画像について逆座標変換をして、座標変換前の座標上で不良要因を抽出する構成としても良い。
【0017】
また、被検物画像を取得する撮像手段と、被検物画像に基づいて被検物の良否判定を行う判定手段と、良否判定の結果に基づいて出力を行う出力手段とを備えた、以上説明した画像処理方法にしたがい被検物の良否判定を行う画像検査装置を構成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態としての画像検査方法を実行する画像検査装置1の概略構成図である。画像検査装置1は、画像撮影部100と画像処理システム200とを有する。
【0019】
画像撮影部100は、CCDカメラ101、光源102、ホルダ104を有する。ホルダ104の上面は、被検物Sが載置されるテーブル部104aとして構成される。またホルダ104の下部は、画像撮影部100のステージ103の上面に形成されたレール103a上に設置され、レール103aに沿って水平方向に移動可能な駆動部104bとして構成されている。また、CCDカメラ101および光源102は、それぞれ画像撮影部100のフレーム部105に固定されている。CCDカメラ101は対物レンズユニット101aとCCD101bとを有する。光源102は、複数の光ファイバを有している。各光ファイバは、各々から射出された光が、被検物Sに斜めに入射するように、かつ射出端面が環状に並ぶように配設されている。
【0020】
画像処理システム200は、画像撮影部100より送信された画像データを処理して、後述する被検物Sの良否判定を行うプロセッサ201と、画像撮影部100より送信された画像データやプロセッサ201による画像処理結果等を表示可能なモニタ202とを有する。なお、本実施形態における「プロセッサ201による画像処理結果」には、二値化や細線化等の処理が行われた後の画像と、被検物Sが良品であるか不良品であるかどうかの判定結果等の画像計測結果との双方が含まれる。
【0021】
以上のように構成された画像検査装置1による、被検物Sの検査手順を図面を用いて説明する。図2は画像検査装置1による画像検査フローである。なお、画像検査装置1の起動時、ホルダ104は、図1中破線で示すように画像撮影部100のフレーム部105の外側の所定位置(供給位置)に位置している。画像検査装置1が起動すると、最初にステップS101が実行され、光源102が点灯する。次いでステップS103に進み、図示しない機構により被検物Sをホルダ104のテーブル部104a上に載置する。次いでステップS105に進む。
【0022】
ステップS105では、画像検査装置1のコントローラはホルダ104の駆動部104bを制御して、供給位置にあるホルダ104を画像検査装置1のフレーム部105の中に向かって一定速度で移動させる。なお、ホルダ104の移動量は画像検査装置1のコントローラによってカウントされている。次いでステップS107に進む。
【0023】
ホルダ104に載置された被検物Sは、光源102からの光によって照明される領域を通過する。被検物Sは光を透過する透明な部材であるので、光源102からの光によって照明された被検物Sにゴミやキズ等がある場合はその傷や汚れのみが光を反射して明るく浮かび上がる。CCDカメラ101の対物レンズユニット101aによるこの被検物Sの像は、CCDカメラ101のCCD101bの受光面上で結像する。CCD101bの受光面は受光画素がホルダ104の移動方向と直交かつ水平に並んでおり、CCD101bはラインセンサとして機能する。従って、光源102によって被検物Sを照射しながらホルダ104を移動させることにより被検物Sの走査が行われる。
【0024】
ステップS107では、この走査が終了したかどうかの判定が行われている。すなわち、ホルダ104の移動量が一定量に達したかどうかの判定が行われる。被検物Sの走査が終了したのであれば(S107:YES)、ステップS109に進みホルダ104の動作を停止した上でステップS111に進む。一方、被検物Sの走査がまだ終了していないのであれば(S107:NO)、S107を引き続き実行する。すなわち、被検物Sの走査が終了するまで待機する。
【0025】
被検物Sを上記のように走査することによって得られる画像はモノクロ256階調のディジタル画像データとして画像処理システム200のプロセッサ201に送信される。
【0026】
ステップS111では、プロセッサ201はこのディジタル画像データを処理して、被検物S上の不良要因を抽出し、品質点数化する。そして、算出した品質点数の合計が許容範囲内であるかどうかの判定処理(以下、良否判定処理という)を行う。次いでステップS113に進む。ステップS111で行われる画像検査処理に関しては、後に詳述する。
【0027】
ステップS113では画像検査装置1のコントローラはホルダ104の駆動部104bを制御してホルダ104を画像撮影部100のフレーム部105の外側、つまり供給位置に向かって反転移動させる。
【0028】
次いで図示しない機構により被検物Sをホルダ104のテーブル部104aから取り出し、プロセッサ201による判定結果をもとに被検物Sを所定の棚に収納する(S115)。すなわち、被検物Sが良品であると判定されれば(S115:OK)、被検物Sは良品棚に収納される(S117)。一方、被検物Sが不良品であると判定されれば(S115:NG)、被検物Sは不良品棚に収納される(S119)。
【0029】
以上が画像検査装置1および該装置を用いた被検物Sの検査手順の概説である。次に、ステップS11で行われる画像検査処理について詳説する。
【0030】
図3は、図2のステップS11における画像検査処理の詳細を示すフローチャートである。以下、図3のフローチャートおよびそれに関連する図を参照して画像検査処理について説明する。画像検査処理(図3)では、まず、被検物画像の検査対象領域を決める(S201)。ここでは、画像検査装置1によって取り込まれた被検物Sの画像が図4(a)のようなものであり、検査対象領域は、図4(a)中の領域Rとして決定されるものとする。なお、以下に示す図中に例示される被検物Sの画像においては、特に記載しない限り、図中左右方向をX軸(図中右向きを正とする)、上下方向をY軸(図中上向きを正とする)と定義している。また画像座標軸の原点は図中左下隅である。また、実際の画像においては不良要因は背景よりも明るく示されるが、図面の簡略化のため、明暗を逆転して不良要因を暗部として示している。図4(a)中には不良要因F1が図示されている。また画像の背景部にはX軸方向に周期的な濃度変動する濃淡模様P1が発生している。なお、実際の濃淡模様は明部から暗部へ、また暗部から明部へと徐々に輝度が変動する濃淡模様である。
【0031】
図4(b)は、図4(a)の画像の図中破線A上での輝度分布のグラフである。図4(b)には、濃淡模様P1に対応して、周期的な輝度のピークPK1が現れている。一方、不良要因F1の部分では不良要因F1と縞模様P1とが重なり、それによって輝度が加算されてピークPK1よりも高い輝度ピークPK2が生じる。
【0032】
次にステップS202では、縞模様P1の一つに対応するサイズのフィルタを用意し、このフィルタによって画像の平滑化を行う。縞模様P1の形状、サイズ等は、予め知ることができる。ここでは、縞模様P1の一つに対応するサイズとして、縦N×横1のフィルタFL1を用いる(図5参照)。このフィルタFL1を用いて、被検物画像(図4(a))を平滑化する。
【0033】
平滑化は、被検物画像においてフィルタFL1のサイズに対応する部分領域(つまり、縦(Y)N画素×横(X)1画素の部分領域)の輝度値を平均化する処理を、フィルタFL1を被検物画像全体に亘り移動させつつ実行することで行うことができる。平滑化後の被検物画像を図6(a)に、また、図6(a)について破線A上のでの輝度分布を表すグラフを図6(b)に示す。
【0034】
フィルタFL1は縞模様P1の一つにサイズが対応するので、このフィルタFL1で縞模様P1の部分の輝度の平均化を行っても、輝度の変化が起きない。よって、縞模様P1に対応する部分の輝度のピークは、平滑化前と同じピークPK1である。
【0035】
一方、縞模様P1と不良要因F1が重なった部分について、縦N×横1画素の縦長の部分領域で輝度を平均化すると、不良要因F1はこの部分領域の中央部にしか存在しないので、不良要因F1の輝度は平滑化される。すなわち、平滑化後の画像の破線A上において不良要因F1部分の輝度ピークは、平滑化前の輝度ピークPK2よりも低下してPK2’となる(PK2’<PK2)。
【0036】
次に、ステップS203(図3)では、原画像(図4(a))と平滑化後画像(図6(a))の差分を求める。図7(a)に、原画像の破線A上での輝度分布と、平滑化後の画像の破線A上での輝度分布とを同時に示した。この場合、原画像と平滑化後画像の差分を求めると、図7(b)の網掛け部分301に対応する領域、つまり不良要因F1を忠実に表す領域が抽出されることになる。
【0037】
次に、ステップS204(図3)では、差分によって得られた画像の二値化処理を行い、図8に示すように、不良要因F1のみが抽出された画像を得る(S205)。なお、この二値化処理では、経験則によって得た閾値を用いる、画像のヒストグラムから好適な閾値を求める等、様々な手法を適用することができる。
【0038】
以上のように、図3の画像検査処理に従って不良要因の画像の抽出を行うことで、原画像中に含まれる不良要因の画像を忠実に抽出することができる。したがって、後は、不良要因を評価し良否判定を行う(S206)。ステップS205において抽出された不良要因の画像は、原画像に含まれる不良要因の形状を忠実に再現しているので、ステップS206における判定処理を高い精度で行うことが可能となる。すなわち、図3の画像検査処理によれば、被検物の模様が被検物画像に生じるような場合であっても、縞模様の領域を未検査領域とすることなく被検物全面を検査可能であり、従来よりも安定的な検査が可能である。
【0039】
以上説明した画像検査処理は、被検物の性質上、被検物画像に直線状の縞模様が生じる場合に、この縞模様に相似するフィルタとして、縞模様の1つに対応する縦長形状のフィルタを用いた場合の例であった。被検物の性質上生じる模様がこのような直線状の縞模様である場合以外も有り得るが、このような様々な被検物の模様に対しても、被検物の模様に対応する相似形のフィルタを用意して平滑化を行うことによって、不良要因の画像を忠実に抽出することが可能である。
【0040】
例えば、被検物に生じる模様が図9に示すように同心円状の模様P2である場合を考える。模様P2の線幅は1画素相当であるものとする。この場合には、図10に示すようにフィルタの形状を円形(例えば半径r、線幅1画素)とし、この円形フィルタの半径rを適宜変化させて、原画像に対して平滑化の処理を行えば、同心円状の模様と重なり合った不良要因を忠実に抽出することが可能である。
【0041】
次に、被検物の性質上生じる模様が同心円状の模様である場合に、不良要因を抽出する場合の処理としての変形例について説明する。ここでは、被検物に生じる模様が同心円状の模様である場合に、画像検査処理を効率化するために、被検物の原画像の座標変換を行う。この場合、被検物画像検査処理の流れは、上記図3の場合と同等の処理に座標変換の処理が付加される構成となる。この場合のフローチャートを図11に示す。図11のフローチャートは、図3と同等の処理を含むので、同等の処理については説明を簡略化している。以下では図11のフローチャート、および関連図面を参照して説明を行う。
【0042】
まず、被検物の画像から、検査領域を抽出する(S301)。いま、被検物は、図12に示すように円形のもの(被検物311)であり、ここでは検査領域は被検物の輪郭と等しくとるものとする。被検物311の原画像には、被検物311の性質上生じる同心円状の模様P3が現れている。また、模様P3の一つと重なるように、不良要因F3が存在している。
【0043】
次に、フィルタを用いた平滑化を行う前の事前処理として、座標変換処理を行う(ステップS301−1)。ここでは、同心円状の模様P3を直線状にして平滑化処理の効率を高めることを目的として極座標変換を行う。そのために、直交座標(x,y)で表されている原画像(図12)を極座標(x’,y’)表示に変換する。極座標変換は、下記にしたがう。
x=cos(x’)*y’+Cx
y=sin(x’)*y’+Cy
ただし、Cx,Cyは、被検物の中心座標。なお、以下の説明では、被検物の中心座標(Cx,Cy)=(0,0)とする。図12には、被検物の中心を原点Oとして、xy直交座標とx’y’極座標の対応が示されている。
【0044】
図13(a)は、上記極座標変換により、原画像(図12)を極座標で表示した場合の極座標表示画像である。図13(a)において、左上が原点O(x’=0,y’=0)である。図13(a)において、縦方向がx’(動径)方向であり、図中下方向がその増加方向である。また、図13(a)において横方向はy’(偏角)方向であり、図中右方向がその増加方向である。
【0045】
原画像(図12)において模様P3が、x’軸上の位置r1、r2に存在しているのに対応して、極座標表示画像(図13(a))において、模様P3がx’軸上のr1、r2の位置に、y’軸上で角度0度から360度全体に亘って直線状に現れる。極座標表示での模様を模様P3’とする。また、不良要因F3も直線状の模様P3’の一つに重なるように現れる。
【0046】
この場合の、図13(a)中の破線A2上での輝度分布を表すグラフを図13(b)に示す。図13(b)に示すように、破線A2上での輝度分布は、位置r2の模様に対応してピークPK4が現れ、位置r1の縞模様については不良要因F3と重なっていることにより輝度が加算され、よって位置r1の部分については、ピークPK4よりも大きなピークPK5が現れる。
【0047】
極座標変換を行うことによって模様P3は直線上の縞模様P3’となったので、極座標表示の画像上で、横方向に長い形状のフィルタによる平滑化を行うことが可能となった(ステップS302)。極座標表示画像(図13(a))において、縞模様は、線幅(x’方向のサイズ)が1画素相当であるものとする。この場合、図14に示すように、フィルタFL3は、縦1×横N画素とすることができる。ステップS302の平滑化は、極座標表示画像(図13(a))においてフィルタFL3のサイズに対応する部分領域の輝度値を平均化する処理を、フィルタFL3を極座標表示画像全体に亘り移動させつつ実行することで行う。
【0048】
ただし、極座標変換の性質上、直交座標における原点O付近の画像(x’=0付近の画像)は、極座標表示では形状が大きくなる場合等があるため、この近辺に被検物の模様と不良要因とが重なった部分がある場合には、この部分での平滑化(つまり、平均化)による、不良要因を含む部分の輝度ピークの低減の効果をより顕著にするために、フィルタの形状を縦M×横Nにするなど、通常用いるフィルタFL3よりも大きいサイズのフィルタを用いても良い。
【0049】
以上の平滑化によって、極座標表示画像(図13(a))について、横長のフィルタFL3で全体に亘り平均化が行われたので、x’軸上の位置r1部分の縞模様の破線A2上での輝度のピークPK5’は、平滑化を行う前のピークPK5よりも低くなる(PK5’<PK5)。平滑化後の極座標表示画像を図15(a)に、またその画像における破線A2上での輝度分布のグラフを図15(b)に示す。
【0050】
次に、ステップS303(図11)では、極座標表示画像(図13(a))と平滑化後の極座標表示の画像(図15(a))との差分を求める。図16(a)に、極座標表示画像の破線A2上での輝度分布と、平滑化後の極座標表示画像の破線A2上での輝度分布とを同時に示した。この場合、差分を求めると、ピークPK5からピークPK5’を減じた図16(b)の網掛部分331に対応する領域が抽出されることになる。網掛け部分331は、不良要因F3の部分に対応する。
【0051】
次に、差分によって得られた画像の二値化処理を行い(S304)、図17のように、不良要因F3のみが抽出された画像を得る(S305)。図17は、不良要因の形状を忠実に表しているが、極座標表示での形状なので、次に、極座標から直交座標への逆変換を行う(S305−1)。この逆変換処理によって得られた不良要因の画像を図18に示す。原画像(図12)に含まれる不良要因F3が忠実に抽出されている。
【0052】
このように、図11の画像検査処理の手順に従って不良要因の画像の抽出を行うことによって、原画像中に含まれる不良要因を忠実に抽出することができる。したがって、後は、不良要因を評価し良否判定を行う(S306)。ステップS305において抽出された不良要因の画像は、原画像に含まれる不良要因の形状を忠実に再現しているので、ステップS306における判定処理を高い精度で行うことが可能となる。
【0053】
以上説明したように図11の画像検査処理では、直交座標では被検物の模様やフィルタの形状が円形となり処理が複雑となるところを、極座標変換を行って、被検物の模様およびフィルタ形状を直線状に変換し処理の効率化を実現した。
【0054】
なお、以上の説明における被検物の同心円の模様の数、線幅等は一例であって、同心円の模様の数、位置、線幅が異なる場合でも、図11の被検物検査処理を適用することができる。また、同心円の模様は周期的である場合のみでなく、非周期的に存在している場合でも図11の被検物検査処理を適用することができる。すなわち、図11の被検物検査処理によれば、被検物に周期的または非周期的な同心円の模様が存在していても、模様の存在する領域を未検査領域とすることなく被検物全面を検査可能であり、従来よりも安定的な検査が可能となる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、被検物画像に被検物の模様が存在していても、模様のある領域を未検査領域とすることなく被検物全面を検査することができ、従来よりも安定的な検査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての画像検査方法を実行する画像検査装置の概略構成図である。
【図2】図1の画像検査装置の全体的な動作を表すフローチャートである。
【図3】図2における画像検査処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)は、図1の画像検査装置によって取り込まれた被検物の画像の例として周期的な縞模様がある画像の例を示し、図4(b)はその輝度分布を示すグラフである。
【図5】図4(a)の被検物画像に用いる縦N×横1のフィルタを示す図である。
【図6】図6(a)は、平滑化後の被検物画像を示し、図6(b)はその輝度分布を示すグラフである。
【図7】図7(a)は、平滑化前の被検物画像の輝度分布と、平滑化後の被検物画像の輝度分布とを同時に示すグラフであり、図7(b)は、差分によって抽出される部分を示した図である。
【図8】二値化処理によって不良要因のみが抽出された画像を示す図である。
【図9】被検物に生じる模様が同心円状の模様である場合の被検物画像の例を示す図である。
【図10】図9のような被検物画像に対して用いるフィルタの例として、円形のフィルタを示す図である。
【図11】画像検査処理の変形例として、座標変換を含む場合の動作を表すフローチャートである。
【図12】被検物に生じる模様が同心円状の模様である場合の被検物画像の例を示す図である。
【図13】図13(a)は、図12の画像を極座標変換により極座標で表示した場合の画像であり、図13(b)はその輝度分布を表すグラフである。
【図14】図13(a)の極座標表示画像に対して用いる横長のフィルタを示す図である。
【図15】図15(a)は、極座標表示における平滑化後の被検物画像を表し、図15(b)はその輝度分布を示すグラフである。
【図16】図16(a)は、極座標表示における平滑化前の被検物画像の輝度分布と、平滑化後の被検物画像の輝度分布とを同時に示すグラフであり、図16(b)は、差分によって抽出される部分を示した図である。
【図17】二値化処理によって不良要因のみが抽出された、極座標表示における不良要因の画像を示す図である。
【図18】図17の画像に対して逆座標変換を行うことによって、不良要因が直交座標上で表された状態の図である。
【図19】周期的な模様が現れる被検物の画像の一例を示す図である。
【図20】図19の画像を二値化した状態を示す図である。
【図21】従来技術を説明する例として、図19の画像に対して用いる縞模様のみの画像を示す図である。
【図22】従来技術を説明する例として、被検物の画像から、予め準備しておいた縞模様の画像を減算して不良要因を抽出した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 画像検査装置
100 画像撮影部
101 CCDカメラ
102 光源
104 ホルダ
104a テーブル部
200 画像処理システム
201 プロセッサ
202 モニタ

Claims (5)

  1. 被検物を撮像して得られる被検物画像に基づいて該被検物を検査するための方法であって、
    前記被検物の模様が周期的または非周期的な同心円状の模様である場合に、円形の空間フィルタを用いて前記被検物画像について平滑化を行う平滑化ステップと、
    前記平滑化前の被検物画像と前記平滑化後の被検物画像との差分をとり差分画像を得る差分ステップと、
    前記差分ステップにより得られた差分画像に基づいて前記被検物画像に含まれる不良要因を抽出する不良要因抽出ステップと、
    抽出された前記不良要因を評価して前記被検物の良否判定を行う判定ステップと、
    を含むことを特徴とする画像検査方法。
  2. 前記不良要因抽出ステップにおいて、前記差分ステップにより得られた差分画像に対して二値化処理を行い、該二値化処理後の画像に基づいて前記不良要因の抽出を行うようにしたこと、を特徴とする請求項1に記載の画像検査方法。
  3. 被検物を撮像して得られる被検物画像に基づいて該被検物を検査するための方法であって、
    前記被検物画像について直交座標から極座標への極座標変換を行い、前記被検物の模様が周期的または非周期的な同心円状の模様である場合に、前記極座標変換によって極座標上で周期的または非周期的な直線状の縞模様を含むこととなった被検物画像に対して、前記直線状の縞模様の一つに対応する長方形の空間フィルタを用いて前記平滑化を行う平滑化ステップと
    前記平滑化前の被検物画像と前記平滑化後の被検物画像との差分をとり差分画像を得る差分ステップと、
    前記差分ステップにより得られた差分画像について極座標から直交座標への逆座標変換をして、該逆座標変換をした差分画像に基づいて前記直交座標上で前記被検物画像に含まれる不良要因を抽出する不良要因抽出ステップと、
    抽出された前記不良要因を評価して前記被検物の良否判定を行う判定ステップと、
    を含むことを特徴とする画像検査方法。
  4. 前記不良要因抽出ステップにおいて、前記差分ステップにより得られた前記差分画像について二値化処理を行い、該二値化処理後の差分画像について前記逆座標変換をして前記極座標変換前の座標上で前記不良要因を抽出するようにしたこと、を特徴とする請求項に記載の画像検査方法。
  5. 被検物の良否判定を行う画像検査装置であって、
    被検物画像を取得する撮像手段と、
    前記被検物画像に基づいて前記被検物の良否判定を行う判定手段と、
    前記良否判定の結果に基づいて出力を行う出力手段と、
    を備え、前記判定手段が前記請求項1から請求項のいずれかに記載の画像検査方法にしたがい前記被検物の良否判定を行う画像検査装置。
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