JP4146558B2 - 基板熱処理方法および基板熱処理装置 - Google Patents

基板熱処理方法および基板熱処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板(以下「被処理基板」という)に対して熱処理を施す基板熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被処理基板への光照射により被処理基板を加熱処理する枚葉式の基板熱処理装置(ランプアニール装置)が存在する。このような装置においては、石英窓(一般にはチャンバの窓部)を通した光照射により被処理基板の加熱処理が行われる。石英窓はランプの光照射による放射熱を受け、さらに石英窓の放射熱は被処理基板の温度に対して影響を及ぼす。そのため、石英窓の温度が安定な状態に到達する前までは、石英窓の放射熱が被処理基板の温度分布に及ぼす影響も不安定になり、被処理基板の温度分布が不安定になることがあった。たとえば、石英窓が放射熱を受けていない状態から被処理基板の熱処理が開始される場合には、最初の数枚については、被処理基板の温度分布が不均一となるため、熱処理における生成される膜の厚さが不均一になるなどの問題があった。
【0003】
このように、被処理基板の温度を安定させるためには、放射熱により石英窓の温度が所定レベルにまで達して安定な状態になるまでに所定時間の加熱が必要である。このような基板熱処理装置においては、たとえば、4〜5枚目の被処理基板の加熱処理において、ようやく、石英窓の放射熱が被処理基板の温度分布に及ぼす影響も安定する。
【0004】
また、上記の枚葉式の基板熱処理装置においては、被処理基板の加熱処理はロット単位で行われる。通常、ロット内に含まれる複数の被処理基板に対しては順次に加熱処理が施される。そして、1つのロットに含まれる複数の被処理基板の処理が終了した後、次のロットに含まれる複数の被処理基板の処理が開始される。このとき、次のロットが基板熱処理装置に未だ搬入されていない場合などには、次のロットの基板処理に移るまで待機期間を要する場合がある。特に、この待機期間が長い場合には、石英窓が自然冷却されてしまうため、上記の問題が顕著となる。
【0005】
このような問題に対処するため、次のロットの基板処理に移る前に、ダミー基板を加熱する工程を付加するという改良が従来より行われている。
【0006】
図8は、このような従来技術の例を経時的に示す図であり、ロットL1の基板加熱工程TB1が終了した後、次のロットL2の基板加熱工程TB2を行う場合を例として示している。この場合には、待機期間TW2の後、ロットL2に対する開始指令S2を受けた後、ダミー基板W’(図において斜線が入った大きな丸で表現されている)を加熱する工程TC2を行う。このダミー基板W’の加熱処理は、実際に製品となるもの(製品基板)として処理される基板(すなわち被処理基板)の加熱処理と同様のランプ出力を与えて行うものである。
【0007】
その後、石英窓が安定した温度分布となった後に、ロットL2に含まれる被処理基板(図において白丸で表現されている)に対して順次に基板加熱工程TB2を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようにダミー基板W’の処理を被処理基板の処理の前に追加することにより、被処理基板の処理が不良となるのを防止できるが、この従来技術の場合には、次のロットの被処理基板の加熱処理前にダミー基板W’の加熱処理の工程TC2が余分に必要となるため、全体の処理時間が増大しスループットの向上が阻害されていた。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、各被処理基板に対して安定した加熱処理を行い、かつ、処理全体のスループットを向上させることができる基板熱処理方法および基板熱処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の基板熱処理方法は、チャンバ内に収容した被処理基板に、前記チャンバの窓部を通して放射熱を与えて前記被処理基板の熱処理を行う方法であって、ロット単位の被処理基板の熱処理の開始指令を受ける前の待機期間内に、前記窓部に予備的温度分布を生じさせる予備加熱工程と、前記熱処理の開始指令に応答して、前記ロット単位の被処理基板を順次に前記チャンバ内に収容して各被処理基板の加熱処理を行う基板加熱工程と、を備え、前記予備的温度分布は、前記基板加熱工程において前記窓部に生じる定常的温度分布と同じ空間的変化傾向を持つように定められており、かつ、前記定常的温度分布よりも低い温度での分布とされていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の基板熱処理方法は、請求項1の方法において、前記予備的温度分布は、前記基板加熱工程の際に使用される加熱手段を使用して前記窓部を加熱することにより生じさせられることを特徴とする。
【0013】
請求項3の基板熱処理方法は、請求項1または請求項2の方法において、前記予備的温度分布を、前記ロットの処理のレシピに応じて変更することを特徴とする。
【0014】
請求項4の基板熱処理方法は、請求項1ないし請求項3のいずれかの方法において、前記予備加熱工程が、前記チャンバ内にダミー基板を収容して行われることを特徴とする。
【0015】
請求項5の基板熱処理方法は、請求項1ないし請求項3のいずれかの方法において、前記予備加熱工程が、前記チャンバ内に被処理基板が収容されていない状態で行われることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、請求項6の基板熱処理装置は、チャンバ内に収容した被処理基板に、前記チャンバの窓部を通して加熱手段からの放射熱を与えて前記被処理基板の熱処理を行う装置であって、前記加熱手段に第1の加熱指令を与え、それによって当該窓部に予備的温度分布を生じさせる第1加熱制御手段と、被処理基板が前記チャンバ内に収容されている状態で前記加熱手段に第2の加熱指令を与えて前記被処理基板を加熱させる第2加熱制御手段と、を備え、前記予備的温度分布は、前記第2の加熱指令による基板加熱時に前記窓部に生じる定常的温度分布と同じ空間的変化傾向を持つように定められており、かつ、前記定常的温度分布よりも低い温度での分布とされていることを特徴とする。
【0018】
請求項7の基板熱処理装置は、請求項6の装置において、前記被処理基板の処理のレシピに応じて前記第1の加熱指令を変更し、それによって前記予備的温度分布を変更する加熱指令変更手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
請求項8の基板熱処理装置は、請求項6または請求項7の装置において、前記第1の加熱指令が、前記チャンバ内にダミー基板を収容した状態で与えられることを特徴とする。
【0020】
請求項9の基板熱処理装置は、請求項6または請求項7の装置において、前記第1の加熱指令が、前記チャンバ内に被処理基板が収容されていない状態で与えられることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
<A.実施形態>
<A1.装置構成>
図1は、本実施形態に係る熱処理装置1の概要構成を示す縦断面図である。熱処理装置1は、ランプアニール装置であり、被処理基板の温度を高速に昇降させるRTP(Rapid Thermal Processing)に用いられ得る。熱処理装置1は、被処理基板Wを収容するチャンバ10と、被処理基板Wを支持する基板支持部20と、被処理基板Wを加熱する基板加熱部30と、被処理基板Wやチャンバの窓部15の温度を測定する温度測定部40と制御部50とを備えている。
【0023】
チャンバ10は、チャンバ本体11と蓋部13と窓部15とを有している。窓部15は、石英などの耐熱性材料で構成され、基板支持部20と基板加熱部30との中間に位置する。窓部15の材料としては石英のかわりにサファイアなどを用いても良い。また、後述するように、窓部15を通して基板加熱部30の放射熱が基板支持部20上の被処理基板Wに付与される。チャンバ10は、チャンバ本体11と窓部15とによって仕切られる処理空間10bを有し、この処理空間10b内において被処理基板Wが熱処理される。
【0024】
基板支持部20は、複数の支持柱24を有する。被処理基板Wは複数の支持柱24により支持される。
【0025】
基板加熱部30は、光を放射する複数のランプ32を備えている。複数のランプ32から放射された光は、窓部15を透過して下方に位置する被処理基板Wに到達する。被処理基板Wに到達した光によって被処理基板Wが加熱されてその温度が上昇する。また、この際、ランプ32から窓部15に対して放射された光のうち一部の波長の光は、窓部15を透過せずに窓部15に吸収され、それによって窓部15の温度も上昇する。また、被処理基板Wの温度は、窓部15のこのような温度上昇によっても影響を受ける。
【0026】
温度測定部40は、被処理基板Wの下方において固定された複数の温度計42を有しており、これらの温度計42は貫通孔12を介して被処理基板Wの所定の位置の温度を測定する。温度測定部40は、さらに蓋部13の上方に複数の温度計44を有しており、蓋部13の上部に設けられた貫通孔14を介して窓部15の所定の測定位置P1〜P3の温度を測定する。これらの温度計42,44としては、放射温度計を用いることができる。
【0027】
制御部50は、被処理基板Wや窓部15の温度などの被制御量を目標値に追従させるような最適な制御を行うために、基板加熱制御部52(図3参照)と予備加熱制御部54とを有している。後述するように、基板加熱制御部52は基板加熱工程TB時の各ランプ32の出力を制御し、予備加熱制御部54は予備加熱工程TA時の各ランプ32の出力を制御する。
【0028】
<A2.動作>
<概要>
以下の動作説明において、「被処理基板」は、実際に製品になるものとして処理される製品基板(上述)に相当し、また「ダミー基板」は実際に製品にはならない基板を意味する。
【0029】
基板熱処理装置1で処理される複数の被処理基板は、通常、ロット(たとえば25枚)毎に搬送されてくる。そして、ロット内に含まれる一連の被処理基板に対して順次に1枚ずつ加熱処理が施される。1つのロットに含まれる複数の被処理基板の処理が終了した後、次のロットに含まれる複数の被処理基板の処理が開始される。このとき、次のロットが基板熱処理装置に未だ搬入されていない場合などには、次のロットの基板処理に移るまで待機期間を要する場合がある。ここで、「待機期間」とは、前ロット終了時(前ロットが存在しないときは装置が稼動可能な状態になった時)からロット単位の被処理基板の熱処理の開始指令を受ける前までの期間を意味する。また、その後、熱処理の開始指令に応答して、ロット単位の被処理基板を順次にチャンバに収容して各被処理基板の加熱処理を行う工程を「基板加熱工程」ということとする。
【0030】
図2は、この実施形態における被処理基板の処理について経時的に説明する図であり、各被処理基板Wは、白丸で表現されている。図2に示すように、待機期間TW1の後、ロットL1に対する開始指令S1に応答して、基板加熱工程TB1が開始される。基板加熱工程TB1においては、ロットL1に含まれる各被処理基板Wに対して順次に熱処理が施される。そして、ロットL1に含まれる各被処理基板Wの基板加熱工程TB1が終了すると、待機期間TW2を経た後に、ロットL2に対する開始指令S2に応答して、ロットL2に含まれる各被処理基板Wの基板加熱工程TB2が行われる。
【0031】
<予備加熱工程>
本実施形態の装置1では、上記の待機期間TW2内にチャンバ10の窓部15を加熱する工程(予備加熱工程TA2)を実行する。
【0032】
この予備加熱工程TAは、チャンバ10の窓部15を加熱することにより、当該窓部15に予備的温度分布を生じさせるものである。本実施形態においては、基板加熱工程TBにおいて被処理基板の加熱に用いるのと同じランプ32(図1参照)を用いて予備加熱工程TAにおける予備加熱を行う。なお、異なるランプを別個に設けて予備加熱を行うこともできる。
【0033】
このような予備加熱工程TA2は、待機期間TW2の全体に亙って行われるが、それは次のロットL2の到着時期が予測できないため、予備加熱を開始すべきタイミングが不明であることが多いからである。ただし、次のロットの到着時期がある程度予測できる場合には、予備加熱工程TA2を、次のロットの到着時期に合わせて、待機期間TW2の後半部分においてのみ行うことも可能である。
【0034】
また、待機期間TW2内で予備加熱工程TA2を行うのと同様に、基板加熱工程TB1に先立つ待機期間TW1においても、予備加熱工程TA1を行うことができる。以下、これらの予備加熱工程TA1および予備加熱工程TA2を、一般的に「予備加熱工程TA」としても表現する。基板加熱工程TB、待機期間TWなどについても同様である。
【0035】
図3は、制御の概要を示すブロック図である。予備加熱制御部54は予備加熱工程TA時の各ランプ32の出力を操作して、窓部15の温度などの被制御量を目標値に追従させるように制御する。また、基板加熱制御部52は基板加熱工程TB時の各ランプ32の出力を操作して、被処理基板Wの温度などの被制御量を目標値に追従させるように制御する。また、温度計44は測定位置P1〜P3の温度を測定し、これにより窓部15における温度分布を求めることができる。なお、予備加熱制御部54は本発明の「第1加熱制御手段」に相当し、基板加熱制御部52は本発明の「第2加熱制御手段」に相当する。
【0036】
図4は、窓部15の温度分布を模式的に示す図であり、予備加熱工程TAにおける温度分布DAと基板加熱工程TBにおける温度分布DBとを示している。図4においては、窓部15の基板加熱工程TB時の定常的温度分布DBの例として、被処理基板Wの直上部の測定位置P1において高温(図では約600℃)であり、被処理基板Wの周辺部の直上部の測定位置P2,P3においては、それよりも低い温度(図では約200℃)という温度分布をとる場合が示されている。また、そのような定常的温度分布DBに対する予備的温度分布DAの例として、空間的変化傾向(すなわち、温度の空間分布において、どの付近の温度が比較的高く、どの付近の温度が比較的低いかという傾向ないしは相対的大小関係)は定常的温度分布DBと同じであるが、温度の大きさ(絶対値)に関しては、定常的温度分布DBよりも全体的に小さな値となる場合が示されている。この予備的温度分布DAは、測定位置P1において高温(図では約200℃)であり、測定位置P2,P3においては、それよりも低い温度(図では約50℃)という温度分布となっている。この予備的温度分布DAは、定常的温度分布DBと空間的変化傾向は同じであるが、温度の大きさに関しては全体的に定常的温度分布DBよりも低い温度、この例の場合には約1/4(摂氏表現で)の温度での分布となっている。
【0037】
このように、窓部15の予備的温度分布DAが、基板加熱工程TB時における定常的温度分布DBと同じ空間的変化傾向を持つように、予備加熱工程TAにおいて予備加熱を行う。これにより、その後の基板加熱工程TBにおける被処理基板の加熱処理において、ロットの最初の1枚目から安定した加熱処理を行うことが可能となる。
【0038】
また、予備的温度分布DAは、定常的温度分布DBと同一の分布とすることも可能である。この場合、基板加熱工程TBにおいてさらに安定した被処理基板の加熱処理を実現することが可能である。窓部15の予備的温度分布DAを、基板加熱工程TBにおいて窓部15の放射熱が被処理基板上の温度分布に与える影響と同一の影響を与え得るようなものとすることによって、さらに確実に安定した被処理基板の温度分布を達成することができるからである。ただし、この場合には、実際の熱処理に必要な消費電力と同様の消費電力が予備加熱工程TAにおいて必要となる。
【0039】
したがって、予備的温度分布DAは、定常的温度分布DBよりも低い温度分布であることが好ましい。そして、その大きさは、基板加熱工程TBの最初の1枚の被処理基板から安定した加熱処理を可能とし、かつ、なるべく消費電力を低減するような値とすることが好ましい。上述した図4に示す予備的温度分布DAは、そのような条件を満たす温度分布の一例である。
【0040】
なお、このような適切な温度の値は事前の調整により求めておくことができる。すなわち、基板加熱工程TBにおける窓部15の定常的温度分布DBを温度計44により測定しておき、その測定値に所定の係数(好ましくは1以下)を乗じた値を求める。この値が予備的温度分布DAの各測定位置における目標値となる。この温度分布の各測定位置における目標値をパラメータとしてパラメータ記憶部60に記憶しておく。そして、予備加熱制御部54は、予備加熱工程TAにおいてパラメータ記憶部60に記憶された目標値を実現するための制御を行う。
【0041】
ここでの制御は、目標値を実現するために必要とされる出力値をあらかじめ求めておき、その出力値を出力するオープンループ制御によって行うこともできるし、あるいは、予備加熱工程TA時の温度計44による実際の測定値44を用いるクローズドループ制御を行うこともできる。なお、これらの制御に用いられる様々なパラメータもパラメータ記憶部60に記憶させておくことができる。
【0042】
また、基板熱処理装置1において異なる処理を行う場合、目標とするべき予備的温度分布DAの温度の空間的変化傾向および分布温度の大きさが処理条件毎に異なる。したがって、処理条件毎に、それらの適切なパラメータをあらかじめ決定して準備しておくことが好ましい。これらの処理条件毎のパラメータは、「レシピ」としてパラメータ記憶部60に処理条件毎に記憶しておく。そして、処理条件に応じて、対応するレシピを自動的に選択することによって、予備的温度分布DAを変更することができる。また、これらのパラメータは、操作時に操作者が手動で変更することも可能である。
【0043】
ここで、予備加熱工程TAにおいては、被処理基板Wの代わりにダミー基板をチャンバ10内の基板支持部20に支持しておく。これにより、窓部15の温度分布に関して、基板加熱工程TBにおける温度分布と同じ空間的変化傾向を有する温度分布を容易に実現することができる。
【0044】
あるいは、ダミー基板を収容せずに、チャンバ10内を実質的に空の状態で、予備加熱工程TAを行うこともできる。これにより、ダミー基板の搬出入を行う必要がなくなる。ただし、この場合、ダミー基板と窓部15との相互間の放射熱がないため、窓部15が基板から受ける放射熱を余分にランプ32(図1参照)から供給することなどにより、基板加熱工程TBと同じ空間的変化傾向を有する温度分布を実現する必要がある。あるいは、基板加熱工程TBに用いられるランプとは別個に設けたランプによって、追加的に放射熱を供給することも可能である。
【0045】
以上のように、本実施形態では、図8の従来例における余分な加熱工程TC2が不要になるので、全体として処理のスループットが向上する。また、予備加熱工程TAによって、窓部15の温度分布を、基板加熱工程TBと同様な空間的変化傾向とするので、ロット内の1枚目の処理から被処理基板の温度分布を安定させることができる。したがって、ロット内の各被処理基板について安定した処理を行うことができる。
【0046】
<B.その他の変形例>
上記実施形態においては、ランプ32としては、直管ランプが特定の方向に配列された場合を例示しているが、ランプの配列はこれに限定されない。
【0047】
図5は、ランプの配列の他の例を表す上面図である。この図5の例では直線型のランプ32bの平行配列を、上下に互いに直交するように配置している。なお、図1は、図5における上下の配列の一方のみが存在する場合に相当する。図5に示すようにランプを配置した場合には、2つの方向について窓部15の温度分布を制御することができるので、より細かな制御ができる点で好ましい。
【0048】
また、図6は、さらに別のランプ配列の例を示す上面図である。図6は、球状のランプ32cを平面的に配置した場合を示している。この場合には、各ランプが放射熱を放射する範囲を限定することができるので、窓部15の温度分布をより細かく制御することができる。特に、ダミー基板を用いずに予備加熱工程TAを行う場合においては、図6のようなランプの配置を用いることが好ましい。ダミー基板を用いない場合には、ダミー基板と窓部15との相互間の放射熱が存在しないため、窓部15において予備的温度分布DAを実現することが難しくなるが、そのような場合にあっても、特定の範囲の放射熱をより細かく調節することによって、窓部15に所望の予備的温度分布DAを生じさせることが可能になるからである。
【0049】
上記実施形態においては、温度計44として放射温度計を用いる場合について例示したが、これに限定されない。たとえば、熱電対を利用した接触式温度計などを用いることもできる。図7(a)および(b)は接触式温度計44bを用いて窓部15の温度を測定する場合の手法を例示したものである。図7(a)では蓋部13の隅に微小径の貫通孔を形成し、この貫通孔を介して接触式温度計44bの熱電対45を窓部15の表面に接着するようにしている。また、図7(b)では窓部15の側端面から微小径の横孔を設け、この横孔に接触式温度計44bの熱電対45を挿入配置する場合を示す図である。また、放射温度計と接触式温度計とを併用してもよい。
【0050】
さらに、上記実施形態においては、3つの温度計44によって、窓部15の所定の位置の温度を測定した。しかしながら、温度計の数はこれに限定されず、任意の数の複数の温度計を設けることができる。
【0051】
また、温度計44による測定位置については、被処理基板Wの温度分布に影響を及ぼす窓部15の温度分布を特徴的に測定することができる位置であればよい。したがって、被処理基板Wの直上部およびその周辺部のいずれの位置であってもよい。たとえば、被処理基板Wの直上部の窓部15の放射熱が被処理基板Wの温度分布に対して特に影響を及ぼす場合には、被処理基板Wの直上部のみの窓部15の複数の測定位置の温度を測定するように複数の温度計44を配置することも可能である。
【0052】
また上記実施形態においては、窓部15の定常的温度分布DBを、図4に示すように、被処理基板Wの直上部が高温であり周辺部がそれよりも低い温度であるような場合を例示した。しかし、定常的温度分布DBは、これに限定されない。定常的温度分布DBは、装置の構造によって異なるものであるため、図4のような温度分布以外の分布、たとえば、周辺部の方が高温になることもあり得る。この場合にあっても、温度計44などによる事前の測定によって、実際の装置における定常的温度分布DBを求めておけばよい。そして、定常的温度分布DBと同じ空間的変化傾向を持つように予備的温度分布DAを定めることにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の基板熱処理方法によれば、予備加熱工程において、ロット単位の被処理基板の熱処理の開始指令を受ける前の待機期間内にチャンバの窓部に予備的温度分布を生じさせ、基板加熱工程において、熱処理の開始指令に応答してロット単位の被処理基板を順次にチャンバ内に収容して各被処理基板の加熱処理を行う。この予備的温度分布は、基板加熱工程において窓部に生じる定常的温度分布と同じ空間的変化傾向を持つように定められている。したがって、待機期間後にダミー基板を加熱するなどの必要がなくなるため、全体の処理時間が短縮されスループットが向上する。
【0054】
請求項2に記載の基板熱処理方法によれば、予備的温度分布は、基板加熱工程の際に使用される加熱手段を使用して窓部を加熱することにより生じさせられる。したがって、予備的温度分布をより簡易に調整することができる。
【0055】
また、請求項1に記載の基板熱処理方法によれば、予備的温度分布は、定常的温度分布よりも低い温度での分布とされるので、加熱手段の出力は基板処理時に必要な出力よりも低い出力で済む。したがって、消費電力を軽減することができる。
【0056】
請求項3に記載の基板熱処理方法によれば、予備的温度分布を、ロットの処理のレシピに応じて変更する。したがって、より細やかな調整を容易に実現することができる。
【0057】
請求項4に記載の基板熱処理方法によれば、予備加熱は、チャンバ内にダミー基板を収容して行われるので、定常的温度分布と同じの空間的変化傾向を容易に実現することができる。
【0058】
請求項5に記載の基板熱処理方法によれば、予備加熱は、チャンバ内が実質的に空の状態で行われるので、ダミー基板をチャンバ内に載置する必要がない。
【0059】
また、請求項6に記載の基板熱処理装置は、請求項1に記載の基板熱処理方法の実施に適した装置である。さらに、請求項7、請求項8、請求項9に記載の基板熱処理装置は、それぞれ、請求項3、請求項4、請求項5に記載の基板熱処理方法の実施に適した装置となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る熱処理装置1の概要構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理について経時的に説明する図である。
【図3】制御の概要を示すブロック図である。
【図4】窓部15の温度分布を模式的に示す図である。
【図5】ランプの配列の他の例を表す上面図である。
【図6】さらに別のランプ配列の例を示す上面図である。
【図7】接触式温度計44bを用いて窓部15の温度を測定する場合の手法を例示する図である。
【図8】従来の基板処理について経時的に説明する図である。
【符号の説明】
1 基板熱処理装置
10 チャンバ
11 チャンバ本体
13 蓋部
15 窓部
20 基板支持部
30 基板加熱部
32,32b,32c ランプ
40 温度測定部
42,44 温度計
50 制御部
52 基板加熱制御部
54 予備加熱制御部
60 パラメータ記憶部
DA 予備的温度分布
DB 定常的温度分布
L1,L2 ロット
P1,P2 測定位置
S1,S2 開始指令
TA,TA1,TA2 予備加熱工程
TB,TB1,TB2 基板加熱工程
TW,TW1,TW2 待機期間
W 被処理基板
W’ ダミー基板

Claims (9)

  1. チャンバ内に収容した被処理基板に、前記チャンバの窓部を通して放射熱を与えて前記被処理基板の熱処理を行う方法であって、
    ロット単位の被処理基板の熱処理の開始指令を受ける前の待機期間内に、前記窓部に予備的温度分布を生じさせる予備加熱工程と、
    前記熱処理の開始指令に応答して、前記ロット単位の被処理基板を順次に前記チャンバ内に収容して各被処理基板の加熱処理を行う基板加熱工程と、
    を備え、
    前記予備的温度分布は、
    前記基板加熱工程において前記窓部に生じる定常的温度分布と同じ空間的変化傾向を持つように定められており、かつ、
    前記定常的温度分布よりも低い温度での分布とされていることを特徴とする基板熱処理方法。
  2. 請求項1の方法において、
    前記予備的温度分布は、前記基板加熱工程の際に使用される加熱手段を使用して前記窓部を加熱することにより生じさせられることを特徴とする基板熱処理方法。
  3. 請求項1または請求項2の方法において、
    前記予備的温度分布を、前記ロットの処理のレシピに応じて変更することを特徴とする基板熱処理方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかの方法において、
    前記予備加熱工程が、前記チャンバ内にダミー基板を収容して行われることを特徴とする基板熱処理方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかの方法において、
    前記予備加熱工程が、前記チャンバ内に被処理基板が収容されていない状態で行われることを特徴とする基板熱処理方法。
  6. チャンバ内に収容した被処理基板に、前記チャンバの窓部を通して加熱手段からの放射熱を与えて前記被処理基板の熱処理を行う装置であって、
    前記加熱手段に第1の加熱指令を与え、それによって当該窓部に予備的温度分布を生じさせる第1加熱制御手段と、
    被処理基板が前記チャンバ内に収容されている状態で前記加熱手段に第2の加熱指令を与えて前記被処理基板を加熱させる第2加熱制御手段と、
    を備え、
    前記予備的温度分布は、
    前記第2の加熱指令による基板加熱時に前記窓部に生じる定常的温度分布と同じ空間的変化傾向を持つように定められており、かつ、
    前記定常的温度分布よりも低い温度での分布とされていることを特徴とする基板熱処理装置
  7. 請求項6の装置において
    前記被処理基板の処理のレシピに応じて前記第1の加熱指令を変更し、それによって前記予備的温度分布を変更する加熱指令変更手段、をさらに備えることを特徴とする基板熱処理装置。
  8. 請求項6または請求項7の装置において、
    前記第1の加熱指令が、前記チャンバ内にダミー基板を収容した状態で与えられることを特徴とする基板熱処理装置。
  9. 請求項6または請求項7の装置において、
    前記第1の加熱指令が、前記チャンバ内に被処理基板が収容されていない状態で与えられることを特徴とする基板熱処理装置。
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