JP4143407B2 - 金属用帯鋸および歯付帯鋸ブレードの製造方法 - Google Patents

金属用帯鋸および歯付帯鋸ブレードの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
(背景技術)
帯鋸で金属を動力鋸引きする際、一歯当たりの切込み深さは約10マイクロメーターであり、それは従来方法でミリングまたは研磨により作られる隣接歯間の深さの変動と同じオーダーである。これは切断作業が基本的には僅かな歯に集中し、これはもし特別な処置が使用されなければ不必要な摩損を来し易い。従って新しい鋸ブレードによる最初の切断には通常の鋸引きに普通適用されるよりも遥かに少ない送り力を与えることが推奨されている。これにより歯は過負荷の危険を伴うことなくかなり均一な高さに損耗する。しかしながら、低負荷にもかかわらず幾らかの切刃が丸くなることは避けられず、従って切削力は増加する。
【0002】
ミリングカッターのような全ての刃先が並行な他の工具から知られていることは、作業者はそのカッターを機械に装着した後に硬い研磨砥石に対して回し、同時に全ての刃先を鋭利かつ均等高さにすることができ、これは切削挿入物が取り外される場合は適している。仕上げられた金属用鋸ブレード上では刃は通常は並行ではなく、むしろ両側で各種角度にセットされている。帯鋸機械内に装着した後に砥石に対して回転させる方法は、従って使用不能である。
【0003】
帯鋸で特に遭遇する問題は鋸ブレードの面内での振動であり、これは大きい間隙角付きの鋭利な刃先に起因しており、この刃先は遥かに低い送り力で金属に食い入ることができ、かつ切込み深さの増加と減少の間の差が小さいので、切削に関与する全ての歯が同じ周波数の振動を発し、かつ切削底面が波打つので、それらが互いに振動を増幅する。最近搭載されている鋸ブレードは非常に不快な高周波の雑音を生じ、これは歯が幾らか損耗すると減少し、何故ならば切込み深さの増加と減少の間の送り力の差が大きくなるからである。
【0004】
本発明は帯鋸ブレードおよび帯鋸ブレードの製造方法に関し、そこでは全ての切刃が使用前には鋭利であり、かつ等しい横向き角を有する群の全ての刃も等しい切込み深さを備えている。そのような鋸ブレードは直ちに全送り量および全切削速度での切削に使用することができ、従来技術による鋸刃ブレードよりも摩損がより遅く、かつ当初から低い騒音しか生じない。
【0005】
(発明の開示)
本発明による帯鋸ブレード20は図2内に示されているように数種の歯の群を有するものとして作られることができ、各群内の歯は等しい横向き傾斜エッジを備えている。そのような群は右21、左22またはストレート23にセットされ得る。また群の数は3個より多くてもよく、それは右に異なるセッテイング距離および角度の2群を備え、かつ同様に左にも備えることにより可能である。また帯鋸ブレードは全ての歯をストレートに作ることもできる。
【0006】
歯はセッテイング前には基本的に同一高さを有するものとされ、ブレードの面に対して直角なエッジ14を備えている。歯形成用工具の摩耗や不整により、歯は元来或る程度の高さの変動を有し、その変動は高さに対しては小さいが、一歯当たりの切込み深さには匹敵するものである。研磨またはミリングに使用される方法によると、歯のエッジは通常不等またはラフであり、かつエッジに隣接した面には横断するスクラッチ(かき傷)が生じ得る。そのようなエッジはチッピングまたは同様な変形により更に損傷を受け易い。最初の数カット中に低い送り速度および低減されたパワーを使用する前述の方法はスクラッチを除きかつエッジの寿命を長くするであろう。ブラステイングまたは他の研磨方法によりスクラッチを除くことも提案されており、その方法は同時にエッジを僅かに丸め、鋸切りを安定化するが、大きい切削力を必要とする。
【0007】
本発明による帯鋸ブレードでは、スクラッチは鋸ブレード製造の最終段階の前に除去され、それは歯先を微粒研磨材料で研磨することにより行われる。この方法により歯は非常に鋭利な切刃14、間隙側の狭い無スクラッチランド12および等しい高さを得る。これは全切削力および全切込み深さの最初からの使用を可能にし、かつランドは安定したチップ形成を保証する。ランド12は従来技術の歯と比較して、切込み深さが増すとより大きい送り力を生じ、かつ切込み深さが減少すると小さい送り力を生ずる。この力の変化は周期を備え、これは歯相互間の振動の増幅を阻止し、かつ本発明により作られた帯鋸ブレードは20デシベルもの騒音低減を示してきた。ランドの幅は歯間のピッチの10%を越えるべきではなく、これはより幅広のランド上の抵抗がより大きい切削力を要するからである。
【0008】
本発明による帯鋸ブレードの製造方法は歯付ブレード10を1個またはそれより多い研磨砥石11を横切って引くことを包含し、この砥石は上記砥石の不等な摩損を避けるために好ましくは緩やかに回転するように作られている。回転軸15は好ましくは鋸ブレードの面に対して平行であるが、上記面に対して横にオフセットしている。砥石に対して擦れることにより各歯は間隙側上に平坦ランド12を生じ、全ての上記ランドは同一面13内にあり、かつ当初歯の高さ内に生じていた変化をランド12の幅内の変化に変える。各ランド12の先端縁は切刃14であり、この切刃は研磨により研磨無しの場合よりも鋭利になる。各群を形成する歯はこのようにしてセッテイング前に等しい高さ位置にエッジ(刃)およびランドを持つことになり、かつセッテイング後にも等しい高さを保ち、これは各群の部材が等しいセッテイング角およびセッテイング幅を有するからである。
【0009】
緩やかに回転する砥石を使用することにより追加の利点が生じ、それは砥石上の異なる点がランド12上で異なる方向に動き、これらの全てがランドにエッジ14から入る速度成分を持ち、これが長手方向研磨または固定砥石に比べてより抵抗の少ないより円滑なランドを作り、かつ特に交差研磨に比べて刃の改良された耐久性を保証し、その理由は交差スクラッチが疲労チッピングを起こし得るからである。
【0010】
砥石の材料は歯の材料に関連して選択され、かつ好ましくは弾性バインダー付きの微細ダイヤモンドまたはボロンカーバイドである。もし回転軸15が砥石直径の半分を超えない距離だけオフセットしており、もし所望されるのであれば僅かな制動と組み合わせることにより、砥石の緩やかな回転は自動的に生ずる。また鋸ブレードの送り速度に適合させて砥石を強制回転させることも可能である。
【0011】
別タイプの砥石としては大きい直径の1個またはそれより多いシリンダーであって、それらの回転軸が刃面13に対して平行であるがブレードの長手方向から充分小さい角度だけ偏向していて、各歯および砥石の間の充分長い接触時間を保証するように構成されているものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は歯切り、研磨または炭化物切刃のろう付けにより歯の輪郭を形成した後の帯鋸ブレード製造中の一工程を示しており、ただし歯を所定位置にセットする前であり、かつ輪を形成するために帯の両端部を接合する前の状態である。
【図2】 図2はセッテイング後における帯の断面を示している。
【符号の説明】
10 歯付ブレード
11 砥石
12 無スクラッチランド(平坦ランド)
14 切刃

Claims (2)

  1. 金属の鋸引き用で歯付きの帯鋸ブレードであって、各歯が1個のエッジで合わさる前切刃チップ側および後逃げ間隙側を備えたものにおいて、各歯が間隙側上に歯付ブレード(10)の長さ方向の歯の長さおよび上記歯付ブレードの厚さ方向の歯の厚さに比べて逃げ角なしの狭い平坦ランド(12)を備え、上記ランドがその先端縁に鋭利な切刃(14)を備え、上記ランドの上記歯付ブレードの長さ方向の幅が歯間のピッチ間隔の10%を越えないものにおいて、上記ランドの全てが平坦かつ同一な面(13)内にありかつ歯の他の面よりも少ない凹凸を有することを特徴とする、鋸歯ブレード。
  2. 歯付帯鋸ブレードの製造方法において、鋸ブレード(10)が歯のセッテイングおよび輪状に接合される前に長手方向に動かされて歯が、1個またはそれより多い緩やかに回転している砥石(11)に接触し、上記砥石が鋸ブレード(10)の面に対して平行かつ上記面に対して横にオフセットした回転軸付きであり、または上記砥石が大きい直径の1個またはそれより多いシリンダーであって、それらの回転軸が刃面(13)に対して平行であるがブレードの長手方向から充分小さい角度だけ偏向していて、これにより各歯に後逃げ間隙側上に逃げ角なしの平坦ランド(12)を設け、上記ランドの先端縁が鋭利な切刃(14)となるようにすることを特徴とする、帯鋸ブレードの製造方法。
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