JP4143218B2 - 薄膜式蒸発装置における重合防止方法および薄膜式蒸発装置 - Google Patents

薄膜式蒸発装置における重合防止方法および薄膜式蒸発装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜式蒸発装置における易重合性物質の重合防止方法およびに薄膜式蒸発装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
易重合性物質の精製、回収等においてはその蒸留、精製、回収等の製品製造過程における易重合性物質の重合が大きな問題となっている。
【0003】
例えば、プロピレン等を接触気相酸化して高純度のアクリル酸を製造するに当たっては、分離工程で得られる粗アクリル酸中にアクリル酸二量体およびマレイン酸などの高沸点不純物が含まれるため、さらに精製工程を設けて精製し、高沸点不純物を分離、除去することが行われる。しかし、得られた高沸点不純物中には製品たるアクリル酸が含まれているため、これを有効利用すべく回収処理を行うことが一般的であり、不純物を含有する易重合性物質含有溶液の蒸留や回収操作が行われる。
【0004】
この様な、高沸物を含む不純物含有易重合性物質中から製品を回収するものに薄膜式蒸発装置がある。例えば縦型の薄膜式蒸発装置は、供給原料を液分配盤から蒸発面に出し、これをワイパーで押し広げ非常に薄く均一な液膜を形成する。このため、処理液の滞留時間が短く低温で蒸留するため、熱に不安定な物質の蒸留が可能である。更に、強力な薄膜形成が可能であることから、濃縮後残留液が高粘度液となる物質への応用ができ、易重合性物質の蒸留に適している。例えば、特公平6−53711号公報には、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルの精製方法として、厚み0.2〜2mmの薄膜を形成させ、平均滞留時間2〜40秒で蒸発させる精製方法が記載されている。また、特開平11−12222号公報には、粘度の高い高沸点不純物含有アクリル酸溶液から薄膜式蒸発装置を備える回収塔を用いてアクリル酸を回収する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクリル酸やメタクリル酸等は高温で重合し易く、重合により製品の収量を減ずるのみならず、蒸発装置等で重合物の固結等の重大な問題を引き起こす。この様な重合は、薄膜式蒸発装置の特に粘度が高い場所で生じ易い。一般に、重合を防止するためにアクリル酸等の蒸留は高真空下で100℃以下の出来るだけ低い温度で行われ、蒸留系にフェノチアジンやハイドロキノン等の重合禁止剤が添加される。しかし、これら重合禁止剤の沸点は何れもアクリル酸等の沸点よりも高いためアクリル酸ガス中にはこれら重合防止剤が含まれず、重合を十分に抑制することが困難である。
【0006】
更に、薄膜式蒸発装置の場合には構造上の問題がある。すなわち、供給原料は撹拌回転軸の遠心力によって蒸発面に供給されここで加熱蒸留が行われるのであるが、装置操作中は常に撹拌回転軸が回転している。この撹拌回転軸は、薄膜式蒸発装置内を貫通して該装置の上部に設けられた回転軸駆動部等に連結するが、液密を保つために該装置内に該回転軸のメカニカルシールが設けられている。メカニカルシールは、蒸留蒸気の遺漏を防ぐと共に撹拌回転軸の運動を妨げない一つの工夫であるが、易重合性物質の蒸留蒸気の付着により回転部分に重合物が付着し易くこのため回転が妨げられる。この様な撹拌回転軸の回転によって生ずる重合は、該装置内の軸受部でも生ずる。特に抜き出し液の排出口では、液の粘度が供給原料よりも高粘度となるため重合が発生し易い。加えて抜き出し液の排出口は、高粘度の凝縮液が付着し抜き出し液が下部に閉塞し易い。この様な重合物の付着が生ずると重合物により撹拌回転軸の回転が妨げられ、蒸留操作自体を停止させる原因や、重合物の生成による製品収量の減量の原因となる。このため、定期的な薄膜式蒸発装置内の洗浄等が必要となり、長期安定操業が妨げられる。
【0007】
一方、薄膜式蒸発装置は、蒸留塔や回収塔に連結して使用することができる。この様な使用方法としては、薄膜式蒸発装置をリボイラとして使用し回収塔からの抜き出し液を再沸すると共に、蒸留成分なる蒸発蒸気を回収塔に供給し、目的物たる易重合性物質を該回収塔の塔頂部から回収すると共に、回収塔塔底部からの抜き出し液を再度薄膜式蒸発装置に循環させる場合がある。しかしながら、該回収塔からの抜き出し液を薄膜式蒸発装置の供給原料とすると、蒸発面においてワイパーの焦げ付きが生じ、処理液粘度の上昇による重合が発生する場合がある。この様な重合が生ずると、成分の含有量が一定である蒸留成分や凝縮液を得ることが困難となり、安定な製品製造に支障をきたす。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、分子状酸素含有ガスの供給と共に、薄膜式蒸発装置の抜き出し液を循環使用して薄膜式蒸発装置内の単位長さ当たりの濡れ液量を特定範囲に調整することにより、薄膜式蒸発装置内に生ずる重合を有効に重合を防止しうることを見いだし本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の(1)〜(19)を提供することを目的とする。
【0009】
(1) 易重合性物質含有溶液を撹拌回転軸の遠心力により薄膜式蒸発装置の蒸発部に供給して蒸発させるに際し、蒸留蒸気に該攪拌回転軸を該薄膜式蒸発装置内へ挿入する部分に取り付けられているメカニカルシール外周部に設けた分子状酸素含有ガス供給配管または分子状酸素含有ガス供給口から分子状酸素含有ガスを供給して混在させ、かつ抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を原料供給口に供給して該蒸発面の単位長さ当たりの濡れ液量を0.02〜2m/mHrとすることを特徴とする薄膜式蒸発装置における重合防止方法。
【0010】
(2) 分子状酸素含有ガスの供給量(該ガスが酸素ガス以外の成分を含有する場合には酸素ガスとして)が、薄膜式蒸発装置で発生する易重合性物質の蒸発蒸気量(標準状態換算)の0.01〜5容量%である上記(1)記載の方法。
【0013】
) 該抜き出し液の排出口に、該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給することを特徴とする上記(1)または(2)記載の方法。
【0014】
) 該薄膜式蒸発装置に該撹拌回転軸の軸受部を有する薄膜式蒸発装置において、該軸受部に該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給することを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の方法。
【0021】
) 該蒸気排出口の蒸留成分を該薄膜式蒸発装置の上部に設けた回収塔に供給すると共に回収塔の抜き出し液の少なくとも一部を該薄膜式蒸発装置の供給原料とする易重合性物質の熱交換方法において、該回収塔からの抜き出し液と薄膜式蒸発装置とを結ぶ配管の一部に回収塔抜き出し液による液封じ部を設け、または該回収塔抜き出し液を加圧下に該薄膜式蒸発装置に供給することを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の方法。
【0022】
(6)易重合性物質含有溶液を撹拌回転軸の遠心力により薄膜式蒸発装置に供給して蒸発させるに際し、該攪拌回転軸を該薄膜式蒸発装置内へ挿入する部分に取り付けられているメカニカルシール外周部に分子状酸素含有ガスの供給口または分子状酸素含有ガスの供給用配管を有することを特徴とする薄膜式蒸発装置。
【0024】
) 該抜き出し液の排出口に該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給するための配管を有することを特徴とする上記()記載の薄膜式蒸発装置
【0028】
【発明の実施の形態】
(1)易重合性物質
本発明は、易重合性物質含有溶液を撹拌回転軸の遠心力により薄膜式蒸発装置の蒸発部に供給して蒸発させるに際し、蒸留蒸気に分子状酸素含有ガスを混在させ、かつ該受液部からの液抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を原料供給口に循環して該蒸発面の単位長さ当たりの濡れ液量を0.02〜2m3/mHrとすることを特徴とする薄膜式蒸発装置における重合防止方法である。
【0029】
本発明で取り扱う易重合性物質としては、広く重合性モノマーが該当し、例えばアクリル酸(沸点141.0℃)、メタクリル酸(沸点163℃)、無水マレイン酸(沸点202℃)、スチレン(沸点145.2℃)、アクリロニトリル(沸点77.3℃)またはこれらのエステル体やこれの誘導体が例示でき、これらに更に高沸点物質や溶媒、易重合性物質の生成時の副生物との混合物を含んでもよい。易重合性物質としては、特に好ましくはアクリル酸、アクリル酸のエステル体(メチルエステルの沸点80℃、エチルエステル同99.3〜99.7℃、ブチルエステル同146〜148℃)、メタクリル酸、メタクリル酸のエステル体(メチルエステル沸点100.3℃、エチルエステル同118℃、プロピルエステル同141℃、イソプロピルエステル同120℃)であり、これに溶媒その他の不純物を含有したものが例示できる。
【0030】
例えば、アクリル酸およびアクリル酸エステルの精製を目的とするプロセスにおいて、高沸点不純物分離塔から得た缶液では、アクリル酸に加え、アクリル酸二量体やマレイン酸その他の不純物を含有するアクリル酸溶液を挙げることができる。また、例えば、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルの場合には、メタクリル酸に加え、メタクリル酸を接触気相酸化反応で得る際に副生するメタクロレイン、アクリル酸、酢酸(沸点118℃)との混合物などを挙げることができる。
【0031】
(2)単位長さ当たりの濡れ液量
本発明では、単位長さ当たりの濡れ液量が0.02〜2m3/mHrとなるように受液部からの液抜き出し液を原料供給口に供給することを特徴とする。本発明において単位長さ当たりの濡れ液量とは、薄膜式蒸発装置の抜き出し液流量を単位浸辺長さで除した値をいい、下記式で表される。
【0032】
【数1】
Figure 0004143218
【0033】
すなわち、薄膜式蒸発装置に原料を供給すると、供給原料は該装置内の蒸発面を抜き出し液の排出口に向かうに従い蒸発するため、蒸発面での膜厚は蒸発面の原料供給口付近と該排出口付近とで相違する。特に、粘度の上昇する該蒸発面の排出口近傍に一定量の濡れ液量が確保されないと該排出口で滞留や重合が生じやすい。薄膜式蒸発装置の蒸発面の各部位における濡れ液量は、蒸発面の長さや加熱温度、原料供給液量、易重合性物質の沸点や濃度等により変異するが、本発明者等は、上記易重合性物質を原料供給液とした場合に、抜き出し液の少なくとも一部を原料供給口に供給して、蒸発面の該濡れ液量を蒸発面の全長に亘り確保すると共に分子状酸素含有ガスを供給することで、易重合性物質の蒸留に際し薄膜式蒸発装置における重合を抑制できることを見出したのである。
【0034】
該抜き出し液をそのまま再循環するのに適していない場合や、抜き出し液のみでは上記濡れ液量を確保することができない場合には、他から得た溶液を使用することができる。該抜き出し液を使用できる場合であっても他から得た溶液を使用し供給原料に加えてよい。また、抜き出し液をそのまま使用できない場合であっても、何らかの処理後にその処理液を循環使用できる場合は、当該処理液を抜き出し液として使用することができる。これにより、例えば、抜き出し液に易重合性物質の二量体等の高沸物が含有される場合に、当該二量体を熱分解して目的物たる易重合性物質に変換してこれを循環することができ、精製収率を向上させることができる。
【0035】
本発明においては、薄膜式蒸発装置抜き出し液量(m3/Hr)を基準としたのは、薄膜式蒸発装置内の抜き出し液の排出口付近の加熱面においても一定の濡れ液量を確保することを目的としたからである。供給原料量を基準とすれば蒸発量の多寡により薄膜式蒸発装置の蒸発面の該抜き出し液排出口側で乾きを生じ、重合を生ずる原因となるからである。供給原料中の易重合性物質の含有量の相違、加熱温度、蒸気圧の相違等により蒸発速度や蒸発量が異なり膜厚が変動するが、本発明では抜き出し液等の循環量を上記範囲に調整することにより、簡便に濡れ液量を調整して重合を防止することができるのである。
【0036】
本発明において、薄膜式蒸発装置の蒸留面における該濡れ液量は、0.02〜2m3/mHrである。該濡れ液量が2m3/mHrを越えると液の飛沫を伴い蒸気配管において重合物を生じ配管を閉塞させる原因となる。また、該濡れ液量が0.02m3/mHrを下回ると薄膜式蒸発装置内部において表面の乾きを生じ重合物を生じやすい。本発明で使用する薄膜式蒸発装置としては、縦型、横型のいずれも含み、この範囲において縦型、横型に関しての差異はない。但し、縦型では、好ましくは0.3〜1.5m3/mHrであり、横型では飛沫が生じやすいため0.02〜1m3/mHrがより好ましい。
【0037】
また、易重合性物質の種類によっても該濡れ液量が相違するが、易重合性物質が(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルの場合には、該濡れ液量が0.2〜2m3/mHrであることが好ましい。この範囲とすることで、比較的短時間に均一な液膜が形成されるために乾きを生じにくく重合防止に効果的だからである。
【0038】
尚、本発明の該濡れ液量の式に従えば、面積が同じ薄膜式蒸発装置において同じ原料供給量であっても該濡れ液量が相違する。易重合性物質の精製プロセスにおいては、使用する薄膜式蒸発装置を設定した後に抜き出し液量を調整することが一般的であるが、本発明では、薄膜式蒸発装置加熱面の内径の相違により該濡れ液量が変動するため、プロセスに応じて上記濡れ液量となる薄膜式蒸発装置を選択することが可能となり、これにより該装置内に生ずる重合を防止することができる。
【0039】
また、該薄膜式蒸発装置は熱媒としてはスチーム、オイル等を用いることができるがこれに限られない。ここに、熱媒の温度としては、200℃以下であることが好ましく、より好ましくは、180℃以下である。熱媒の温度が高いと供給原料との温度差が大きくなり、蒸発装置の蒸発面積および内径は小さくなって濡れ液量の点からみると良いのであるが、加熱面温度が高くなるために供給原料が重合する虞れがあるからである。なお、攪拌薄膜式蒸発装置の外筒を熱媒で加熱してから易重合性物質を供給するが、経験的に物質の熱分解または熱重合は温度10℃あがる毎に、熱分解または熱重合速度が2倍になり、また加熱時間に比例することが知られている。したがって、攪拌薄膜式蒸発装置の外筒内温度は、供給した易重合性物質を速やかに蒸留する温度内で低い方が重合防止上好ましく、上記範囲内で、蒸留圧力での易重合性物質の沸点より20〜50℃高い温度が望ましい。
【0040】
(3)分子状酸素含有ガス
本発明では、上記濡れ液量の調製と共に分子状酸素含有ガスを薄膜式蒸発装置内に供給することを特徴とする。一般に、易重合性物質には、フェノチアジンなどの種々の重合防止剤がプロセス中に添加され易重合性物質の重合が抑制されるのであるが、これら重合防止剤は高沸点物であるため易重合性物質の蒸発した気相中には存在できない。このため、たとえ原料供給液に重合性物質が含有されていても重合を抑制するに十分ではない。そこで、重合抑制効果を有する分子状酸素含有ガスを供給し重合を抑制する。
【0041】
本発明では、上記重合防止剤に加えまたは単独で、分子状酸素含有ガスを重合防止剤として使用することができる。なお、分子状酸素含有ガスとしては酸素ガスの他、空気を用いることができる。分子状酸素含有ガスの供給量(該ガスが酸素ガス以外の成分を含有する場合には酸素ガスとして)は、薄膜式蒸発装置で発生する易重合性物質の蒸発蒸気量(標準状態換算)の0.01〜5容量%であることが好ましく、より好ましくは0.02〜3容量%である。なお蒸発蒸気量とは、薄膜式蒸発装置に供給される易重合性物質のモノマー蒸気の総量を意味する。
【0042】
分子状酸素含有ガスの供給方法としては、バブリング等により供給原料たる易重合性物質に直接混入させても、溶剤に溶解させて間接的に混入させてもよい。しかしながら、該薄膜式蒸発装置内に設けた分子状酸素含有ガス供給配管または分子状酸素含有ガス供給口から該装置内に供給することをが好ましい。この様な供給場所としては、該装置内の撹拌回転翼のメカニカルシール外周部に供給することが好ましい。メカニカルシールは、撹拌回転軸の漏止め装置の一種であって、軸とともに回転する環と固定の環を接触させその摺動によって漏れを防ぐため、気密・液密がほぼ完全であるが、薄膜式蒸発装置内は常に加温状態にあり該蒸留成分が付着して重合を生じやすく、重合物の付着により円滑な回転が阻害される。従って、分子状酸素含有ガスを特に該メカニカルシールの外周部から供給することで、メカニカルシール部に生ずる重合を抑制できるのである。例えば、図1のメカニカルシール取付盤に設けた分子状酸素含有ガス供給口から供給する。メカニカルシール外周部は、加熱された易重合性物質の蒸気ガスが存在する場所であり重合が生じやすいが、これにより該外周部に生ずる重合を防止することができる。
【0043】
この様な分子状酸素含有ガスの供給口を有する薄膜式蒸発装置としては、易重合性物質含有溶液を撹拌回転軸の遠心力により薄膜式蒸発装置に供給して蒸発させる薄膜式蒸発装置において、該薄膜式蒸発装置の蒸発部内に分子状酸素含有ガスの供給口または分子状酸素含有ガスの供給用配管を有する薄膜式蒸発装置がある。また、該装置内としては上述したごとく、該メカニカルシール外周部に分子状酸素含有ガスの供給口または分子状酸素含有ガスの供給用配管を有する薄膜式蒸発装置がある。該メカニカルシールの取付盤を貫通してメカニカルシール外周部まで延長した分子状酸素含有ガス供給用配管を有するものがあるが、分子状酸素含有ガスの供給口としては、このような配管を設けずに該メカニカルシール取付盤を貫通する供給口を設けてメカニカルシール外周部に分子状酸素含有ガスを供給するものがある。図2のAに、メカニカルシール取付盤に該配管による一例を示し、該供給口による一例を図2のBに示す。配管や供給口は1に限られず2以上を有していてもよく、供給口と配管とを同時に有していてもよい。配管による場合は装置の製作が簡便である点で優れ、供給口による場合は該メカニカルシール取付盤に配管等の凹凸部が存在しないために、易重合性物質の重合によって生じた重合物が付着しない点で好ましい。なお、配管部材は薄膜式蒸発装置に使用される一般的な部材を使用することができる。
【0046】
本発明の方法によってこの様に分子状酸素含有ガスを供給することにより、薄膜式蒸発装置から出た蒸気ガスを回収塔に供給した場合等では、該回収塔における易重合性物質の重合を効果的に抑制することができる。
【0047】
(4)抜き出し液排出口
本発明では、該抜き出し液の排出口に、該抜き出し液か、または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給してもよい。一般に、該排出口は粘度が高い物質に覆われているため、その粘度自体によって抜き出し液の流出速度が低下し詰まり易く、薄膜蒸発装置外への排出が困難となる。このため、該抜き出し液排出口や、更に該排出口に接続される外部配管にも抜き出し液を供給し、該排出口またはこれに続く配管における抜き出し液の流出速度を上げ、安定した熱交換操作を維持することができる。なお、抜き出し液をそのまま使用することが好ましくない場合には、特定の処理をした後の溶液を抜き出し液として使用してもよく、また該抜き出し液の他に、該抜き出し液と同等かまたはより粘度の低い溶液を他から供給して使用することができる。
【0048】
本発明の薄膜式蒸発装置では、図1に示すごとく該蒸発部は、該蒸発面の下端部から該抜きだし液の排出口に向かう受液部を該蒸発部の一部として含むのであるが、該薄膜式蒸発装置において抜き出し液を該排出口に供給するには、該受液部に抜き出し液供給口を設け、外部配管を通じてこの口から抜き出し液を供給することができ、更に該配管を受液部内に貫入させた抜き出し液供給配管を形成させ、ここから抜き出し液等を供給してもよい。抜き出し液等供給配管によれば、連続して抜き出し液等を一定所に供給することができるため簡便である。また、該供給液が抜き出し液である場合には、該配管は抜き出し液排出口と該受液部の該供給口とを循環する構造となる(図7参照)。なお、該溶液の供給方法としては上記配管に限られず、排出口に向けて溶液をスプレーする方法であってもよい。
【0049】
この様な抜き出し液を該排出口に供給する該溶液の供給用配管を有する装置としては、上記した分子状酸素含有ガス供給用配管や分子状酸素含有ガス供給口を有する装置の該受液部に、更に、該抜き出し液排出口に該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液の供給用配管や該抜き出し液等供給口を有するものがある。抜き出し液供給配管を有するものを図1に示す。該溶液の供給用配管は、該受液部の該排出口まで該配管が達していれば、その配管が受液部のいずれを貫通して配管されてもよくその配管数も問わない。なお、該配管部材は、薄膜式蒸発装置に使用される一般的な部材を使用することができる。
【0050】
(5)軸受部
本発明では、使用する薄膜式蒸発装置に内蔵され撹拌回転軸の下端部が軸受部を有するものに限られない。しかしながら、大型の縦型薄膜式蒸発装置は、下部に軸受部を設けるか軸径を太くすることが必要となる。軸径を太くするとコストを増大させるため、一般に下部に軸受を設ける場合が多いが、下部軸受部において重合物をしばしば発生させる。従って、該軸受部を有する縦型の薄膜式蒸発装置においては、該軸受部に該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給する。
【0051】
一般に、薄膜式蒸発装置の該軸受部においては、撹拌回転軸と軸受との間は加熱条件下にあるため乾燥し易い。特に、受けるべき荷重の方向が軸方向に一致しているスラスト軸受では荷重支持力が大きく、抜き出し液の侵入が少ないため乾燥および易重合性物質の重合が発生し易い。このため、撹拌回転軸の回転速度を低下させる原因となる。本発明では、該抜き出し液または該低粘度の溶液を当該軸受部に供給することにより、目詰まりや重合を防止するのである。
【0052】
この様な軸受部に該抜き出し液等を循環させる方法としては、例えば図4の概略図に示すように、蒸発部内の軸受部に向けて該軸受部抜き出し液供給用配管を設けて該溶液を供給することができる。なお、軸受部に向けて該溶液をスプレーすることで表面の乾きを防止し、乾燥および重合を防いでもよい。また、このような該軸受部抜き出し液供給用配管を設けない場合であっても、該軸受部に潤滑油を供給する配管が予め設けられている場合には、このような配管を介して該溶液等を供給することもできる。
【0053】
(6)表面粗度
本発明では、薄膜式蒸発装置の易重合性物質が接触する面の一部または全部をJIS B 0601に記載のRmax 12.5S以下、より好ましくは3.2S以下表面粗度とすることにより更に効果は高められる。易重合性物質の接触する面に凹凸が存在すると、その部分に易重合性物質が付着し、または易重合性物質の滞留が生じる。特に薄膜式蒸発装置内で易重合性物質の凝縮液中には、重合防止剤等が存在しないために、金属表面の微細な凹凸部に凝縮液が滞留すると重合が生じやすいのである。このため、金属面の凹凸を無くすことで易重合性物質の凝縮滞留する機会を減少させると共に、重合を効果的に抑制することができるのである。また、接触面が非常に滑らかになるため、凝縮液の移動が速やかになるからである。このような表面粗度を得るには、バフ研磨などの機械研磨や電解研磨等の表面処理方法がある。
【0054】
バフ研磨は、主として平滑面または光沢面を得る場合に用いられる研磨法であるが、固定研磨剤による粗研磨、半固体ないし遊離研磨剤による中研磨および仕上げ研磨を採用できる。バフ研磨剤は、革や布などの柔軟性材料で研磨する他、トリポリケイ石、酸化クロム、炭化ケイ素、溶融アルミナ、焼成アルミナ、酸化クロムを研磨剤として含有する油脂性、非油脂性またはスプレー用剤等を使用することができる。
【0055】
電解研磨は、金属表面を溶解させながら平滑化する方法であり、該接触面の材質が鉄鋼である場合の電解研磨溶液としては、過塩素酸系、硫酸系、リン酸系、硫酸−リン酸系等を使用することができる。鉄鋼はその組成の相違のみならず、熱処理、加工の程度によりその組織の相違が大きいため、使用する接触面に応じて適宜選択することができる。従って、過塩素酸系の電解質に一般に添加される無水酢酸の量や電解温度、電流密度、電圧、電解時間等は、材質により適宜選択すればよい。なお、機械研磨を行った後に更に電解研磨処理を行ってもよい。
【0056】
尚、本発明では易重合性物質の接触面としては、易重合性物質として抜き出し液を含むものとする。抜き出し液を循環して供給原料とすることもできるからである。
【0057】
(7)抜き出し液排出口溶接部
上記のような易重合性物質の接触面の一つに、抜き出し液の排出口がある。該薄膜式蒸発装置に突出する該抜き出し液の排出口が溶接によって連結する薄膜式蒸発装置においては該溶接部に面取りをすることが好ましい。上述したごとく、易重合性物質の接触する面に凹凸が存在すると、易重合性物質の滞留および重合物付着の原因となり、該排出口の受液部への連結部に角部が生ずるとこの角部に重合物が付着し易い。また、角部によって抜き出し液の排出が妨げられる。このため、該溶接部に面取りを施して下部コーン部における液溜まりを防止することで重合を防ぐことができるのである。更に、面取りをした溶接部も上記のごとくJIS B 0601に記載のRmax 12.5S以下の表面粗度とすることが好ましく、特には3.2S以下とすることが好ましい。
【0058】
(8)ワイパー
本発明で使用する薄膜式蒸発装置は、縦型、横型に関わらないが、縦型の薄膜式蒸発装置においては、図5のBに示す様に、該ワイパーが可動翼を介してローターに固定されることが好ましい。薄膜式蒸発装置においては、一般にワイパーは撹拌回転軸から放射状に突出する梁によって連結されるローターの外周部に固定され、このワイパーが該蒸発面に薄膜を形成するが、本発明ではこのワイパーの面圧の調整が可動翼によることが好ましいのである。
【0059】
一般に、ワイパー圧の調整には、遠心力により調整する方法と可動翼圧により調整する方法とがあるが、図5のAに示す遠心力による調整方法ではワイパーに重合物が付着する場合がある。ワイパーは処理液の飛散を防ぐと共に高粘度液でもかきとって押し下げる作用を有するが、遠心力により調整する方法であると蒸発面とのクリアランスが大きいために重合が生じやすいからである。一方、可動翼圧による場合には該クリアランスが少なく、蒸発面の乾きを有効に防止できワイパーへの重合物の付着を抑制できる。なお、ワイパーを遠心力により調整する場合と可動翼圧により調整する場合のワイパーの取付状態を、図1のB−B’部で切断して示したものが図5のCおよびDである。図5のCでは、ワイパー圧は、撹拌回転軸の遠心力により調整するために、回転速度が遅い場合には薄膜形成速度も低下するのであるが、図5のDに示す可動翼圧による場合には、回転速度を維持したままに面圧を調整することもできる点でも有利である。
【0060】
(9)コーン角
本発明では、該薄膜式蒸発装置の下端が、薄膜式蒸発装置の下端部から該抜きだし液の排出口に向かうすい体を形成する縦型の薄膜式蒸発装置において、該すい体の母線と母線とのなす角、いわゆるコーン角が40〜70°であることことが好ましく、特には50〜70゜であることが好ましい。70゜越えると高粘度物質の薄膜式蒸発装置からの排出が困難となるが、40゜を下回ると下部軸部を長くする必要があるため、該範囲であることが好ましい。図6にコーン角(a)を示す。なお、このすい体部は、上記した受液部に該当する。
【0061】
すなわち、本発明では、該抜き出し液等を原料供給口に循環して該濡れ液量を0.02〜2m3/mHrとすることを特徴とするため、上記した該すい体を形成する部分にも常に溶液が存在することが特徴である。しかしながら、この溶液は蒸発面の移動に従い粘度が上昇し、特に該すい体部の近傍では粘度の上昇により排出速度が低下する。更に、蒸発面では連続的に供給された液の前進力と翼の遠心作用によって膜厚の薄い濃縮液の排出口の方へ押し広げられて排出されるが、該すい体部ではかかる遠心力等は存在せず、粘度の上昇と共に抜き出し液が滞留しやすいのである。本発明の方法では、該薄膜式蒸発装置の下端が、薄膜式蒸発装置の下端部から該抜きだし液の排出口に向かうすい体を形成する縦型の薄膜式蒸発装置において、該すい体の母線と母線とのなす角が40〜70°である薄膜式蒸発装置を使用することが好ましい。なお、この様なコーン角を有する装置が同時に上記した分子状酸素含有ガス供給口や受液部の抜き出し等の供給配管を有していてもよい。
【0062】
(10)下方勾配
一方、横型の薄膜式蒸発装置を用いる場合は、該蒸発面の下方勾配が1/200以上、より好ましくは、1/200〜1/10、特に好ましくは1/100〜1/10となるように横型の薄膜式蒸発装置を設置することが好ましい。横型の薄膜式蒸発装置では、重力による排出口への凝縮液の移動がないが、凝縮液の濃度上昇は上記したごとく縦型の薄膜式蒸発装置内と同様に生ずるのである。従って、上記傾きを設けることにより、蒸留装置内における易重合性物質の液溜まりを防止することができるのである。
【0063】
(11)抜き出し液貯溜槽
本発明の方法においては、薄膜式蒸発装置に抜き出し液の少なくとも1部を循環使用し、または該抜き出し液より低粘度の溶液を原料供給口に供給することを特徴とするが、抜き出し液を循環使用する場合には、抜き出し液を貯溜槽に貯溜し、この貯溜液を使用してもよい。更に、貯留槽において熱分解などの特定の処理操作を行い、その後に循環使用することもできる。この様な貯溜槽を設けることにより、抜き出し液をそのまま使用できない場合でも、処理後の液を循環使用できる場合があるからである。例えば、抜き出し液中にアクリル酸の二量体などの高沸物が含有される場合に、貯留槽を熱分解槽として使用し、ここで二量体を分解し製品たるアクリル酸に変換し、原料を有効利用することができる。なお、熱分解槽の温度条件等は、易重合性物質や含まれる高沸点物質の特性等により適宜選択することができる。なお、上記のごとく、抜き出し液排出口に、該抜き出し液排出口に該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給する場合や、軸受部にこれらの溶液を供給して該軸受部に生ずる乾燥や重合を防止する場合には、これに使用した溶液も該排出口からの抜き出し液となる。従って、本発明の上記濡れ液量の算出に際しては、該供給した溶液も抜き出し液とする。
【0064】
(12)液封じ
本発明では、薄膜式蒸発装置の上部に設けた回収塔からの抜き出し液を供給原料とすることができる。例えば、アクリル酸の製造プロセスにおいて、アクリル酸の回収塔の抜き出し液に対するリボイラとして薄膜式蒸留装置を使用する場合が該当する。この際、該蒸気排出口の蒸留成分を該薄膜式蒸発装置の上部に設けた回収塔に循環させ、該回収塔からの抜き出し液を薄膜式蒸発装置の供給原料とすると、回収塔で製品たる易重合性物質を回収できると共に、回収塔の抜き出し液を薄膜式蒸発装置の供給原料とでき、回収塔の抜き出し液の再利用により精製収率を向上させることができる。更に、薄膜式蒸発装置における蒸発は極めて迅速でありかつ重合が効率的に抑制されるために、易重合性物質の精製効率が向上する。
【0065】
すなわち、薄膜式蒸発装置は滞留時間が短いため原料供給液を定量的に供給することが大切であり、定量的に供給できない場合は運転が不安定になり装置内で重合物の発生等の障害が生じる。本発明では、安定した原料供給のためにも受液部からの抜き出し液を循環使用等するのであるが、上記のごとく回収塔の抜き出し液を供給原料とすると一定の原料供給が達成できない場合がある。回収塔から薄膜式蒸発装置へ戻る配管にガスが混入し、この上昇流によって回収塔抜きだし液が逆流するためと考えられる。そこで、本発明では当該配管を回収塔抜きだし液で液封することや、該回収塔抜き出し液を加圧下に該薄膜式蒸発装置に供給することで、簡便かつ安定的な原料供給をすることとした。
【0066】
この場合において、該回収塔からの抜き出し液と薄膜式蒸発装置とを結ぶ配管の一部に該回収塔の抜き出し液による液封じ部を設けることが好ましい。
【0067】
この様な液封じ部としては、該回収塔からの抜き出し液と薄膜式蒸発装置とを結ぶ配管の一部に回収塔塔底部の下であって該薄膜式蒸発装置の原料供給部より上方に達する凸部を設け、ここに回収塔からの抜き出し液を満たす液滞留部分を設けることにより達成できる。この一例を図7に示す。また、上記したごとく該回収塔抜き出し液を加圧下に該薄膜式蒸発装置に供給するには、回収塔の塔底液の液面の位置を回収塔一定位置にするための液面計を設けると共に、塔底液と薄膜式蒸発装置とを結ぶ配管の一部に加圧器を設け、加圧下に該回収塔からの抜き出し液を薄膜式蒸発装置に送ることもできる。本発明では、加圧下に抜き出し液を送ることで、該薄膜式蒸発装置に原料を供給することが特に好ましい。なぜならば、回収塔内における易重合性物質の滞留時間も短縮することができるからである。
【0068】
なお、薄膜式蒸留装置に連結する回収塔としては、理論段数、回収塔塔径、充填物の有無や種類等について特に制限はなく、回収塔の抜き出し液に易重合性物質が含有されていればよい。
【0069】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0070】
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレートの回収を行った。使用した薄膜式蒸発装置は、内径1.5mの縦型、加熱面の表面粗度Rmax3.2S、ワイパーの固定方式が可動翼圧であり、コーン角50゜、分子状酸素供給口をメカニカルシール外周部に有し、抜き出し液の溶接部を面取りしたものを使用した。
【0071】
まず、供給原料は、2−エチルヘキシルアクリレートを80重量%、アクリル酸を1重量%含有する溶液を、薄膜式蒸発装置に1.8m3/Hrで投入し、薄膜式蒸発装置からの抜き出し液を槽に導入し、その抜き出し液の一部を薄膜式蒸発装置に循環させた。また、薄膜式蒸発装置への分子状酸素含有ガスの供給量は2.6Nm3/Hrとした。加熱面温度は、110〜130℃とし、圧力は10Torrを蒸留条件とした。
【0072】
この際、薄膜式蒸発装置における下部抜き出し液量に対する単位長さ当たりの濡れ液量を0.9m3/mHrとなるよう槽から薄膜式蒸発装置への循環液量を3.8m3/Hrに設定した。薄膜式蒸発装置下部からの抜き出し液量は4.1m3/Hrで、このうち0.3m3/Hrに関しては廃液として廃棄した。
【0073】
上記操作を6ヶ月間継続したが重合などの問題はなく安定した稼働を行うことができた。
【0074】
(比較例1)
上記実施例に対し、槽からの薄膜式蒸発装置への循環液を循環させず、薄膜式蒸発装置における下部抜き出し液量に対する単位長さ当たりの濡れ液量を0.01m3/mHrとした。他の条件については上記実施例と同様とした。
【0075】
上記操作を行ったところ、単位長さ当たりの濡れ液量不足により薄膜式蒸発装置において、乾きを生じた部位より重合物が生成し、5日間にて停止せざるを得ない状態となった。
【0076】
(比較例2)
上記実施例に対し、酸素を投入しなかったところ2ヶ月で停止せざるを得ない状態となった。
【0077】
(実施例2)
図面7に示す工程図に従い、薄膜式蒸発装置の上部に回収塔を設け、回収塔からの抜き出し液を供給原料とした。また、回収塔塔底部の下にあり、薄膜蒸発装置の原料供給部より上方に達する配管中に凸部を設けて液封じを確保している。
【0078】
回収塔の蒸留条件は、内径1300mm、段数10段のステンレス鋼製(SUS316)のシーブトレーを内装した蒸留塔を用い、塔頂圧力30Torr、温度58℃、塔頂より原料を供給した。
【0079】
使用した薄膜式蒸発装置は、内径1.5mの縦型、加熱面の表面粗度Rmax3.2S、ワイパーの固定方式が可動翼圧であり、コーン角50゜、分子状酸素含有ガス供給口をメカニカルシール外周部に有し、抜き出し液の溶接部を面取りしたものを用いた。
【0080】
供給原料として、アクリル酸24重量%、アクリル酸ブチル56重量%を含む溶液を4.6m3/Hrにて回収塔に投入し、薄膜式蒸発装置への分子状酸素供給量を0.1Nm3/Hrとした。
【0081】
この際、薄膜式蒸発装置における下部抜き出し液量に対する単位長さ当たりの濡れ液量を0.8m3/mHrとなるよう槽から薄膜式蒸発装置への循環液量を3.4m3/Hrに設定した。薄膜式蒸発装置下部からの抜き出し液量は4.0m3/Hrで、このうち0.6m3/Hrに関しては廃液として廃棄した。
【0082】
上記操作を6ヶ月間継続したが重合などの問題はなく安定した稼働を行うことができた。
【0083】
(比較例3)
上記実施例2に対して、回収塔塔底部の下にあり、薄膜式蒸発装置の原料供給部より上方に達する配管中に凸部を設けずに液封じを行わなかったところ、原料供給液を定量的に供給することができず、薄膜式蒸発装置内において重合物を生じ、2カ月で停止せざるを得ない状態となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜式蒸発装置を示す図である。
【図2】 Aは、薄膜式蒸発装置における分子状酸素含有ガスの供給配管を図であり、Bは、分子状酸素含有ガスの供給口を示す図である。
【図3】 Aは、分子状酸素含有ガス供給口を示す図であり、Bは、分子状酸素含有ガス配管を示す図である。
【図4】 縦型薄膜式蒸発装置における下部軸受部を示す概略図である。
【図5】 蒸発面の横断面を示す図であり、Aは遠心式で、Bは可動翼圧で薄膜を形成するワイパーを示し、Cは遠心式ワイパーの設置状況を、Dは可動翼圧によるワイパーの設置状況を示す。
【図6】 すい体部のコーン角を示す図である。
【図7】 薄膜式蒸発装置の上部に回収塔を配置し液封部を設けた配置図である。
【符号の説明】
1・・・原料供給口
2・・・蒸気排出口
3・・・蒸発面
4・・・撹拌回転軸
5・・・液分配盤
6・・・蒸発部
7・・・メカニカルシール取付盤
8・・・メカニカルシール部
9・・・撹拌回転軸駆動部
10・・・抜き出し液の排出口
11・・・抜き出し液の供給配管
12・・・受液部
13・・・分子状酸素含有ガス供給口
14・・・分子状酸素含有ガス配管
15・・・撹拌回転軸の軸受部
17・・・ローター
18・・・ワイパー
19・・・可動翼
20・・・可動翼支持棒
21・・・ジャケット
22・・・回収塔
23・・・液封
24・・・加熱部
25・・・液面の位置

Claims (7)

  1. 易重合性物質含有溶液を撹拌回転軸の遠心力により薄膜式蒸発装置の蒸発部に供給して蒸発させるに際し、
    蒸留蒸気に該攪拌回転軸を該薄膜式蒸発装置内へ挿入する部分に取り付けられているメカニカルシール外周部に設けた分子状酸素含有ガス供給配管または分子状酸素含有ガス供給口から分子状酸素含有ガスを供給して混在させ、かつ抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を原料供給口に供給して該蒸発面の単位長さ当たりの濡れ液量を0.02〜2m/mHrとすることを特徴とする薄膜式蒸発装置における重合防止方法。
  2. 分子状酸素含有ガスの供給量(該ガスが酸素ガス以外の成分を含有する場合には酸素ガスとして)が、薄膜式蒸発装置で発生する易重合性物質の蒸発蒸気量(標準状態換算)の0.01〜5容量%である請求項1記載の方法。
  3. 該抜き出し液の排出口に、該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 該薄膜式蒸発装置に該撹拌回転軸の軸受部を有する薄膜式蒸発装置において、該軸受部に該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 該蒸気排出口の蒸留成分を該薄膜式蒸発装置の上部に設けた回収塔に供給すると共に回収塔の抜き出し液の少なくとも一部を該薄膜式蒸発装置の供給原料とする易重合性物質の熱交換方法において、該回収塔からの抜き出し液と薄膜式蒸発装置とを結ぶ配管の一部に回収塔抜き出し液による液封じ部を設け、または該回収塔抜き出し液を加圧下に該薄膜式蒸発装置に供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 易重合性物質含有溶液を撹拌回転軸の遠心力により薄膜式蒸発装置に供給して蒸発させるに際し、
    該攪拌回転軸を該薄膜式蒸発装置内へ挿入する部分に取り付けられているメカニカルシール外周部に設けた分子状酸素含有ガスの供給口または分子状酸素含有ガスの供給用配管を有することを特徴とする薄膜式蒸発装置。
  7. 該抜き出し液の排出口に該抜き出し液または該抜き出し液より低粘度の溶液を供給するための配管を有することを特徴とする請求項6記載の薄膜式蒸発装置。
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