JP4142994B2 - フッ素含有水の処理方法およびそのための処理装置 - Google Patents

フッ素含有水の処理方法およびそのための処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排水中のフッ素濃度を効率的に低下させることが可能なフッ素含有水処理方法およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水中のフッ素処理技術として用いられてきたのは、カルシウム源を用いた沈殿法や、アルミニウム源を用いた吸着法などの水処理技術である。これらの処理技術では、その処理設備の運用方法やメインテナンスの善し悪しにもよるが、フッ素濃度を約10mg/Lにまで低下させるのが限界であった。しかし最近になって環境基準に定められたフッ素は、その基準が地下水中で0.8mg/Lという非常に低い濃度の値であり、地下浸透基準などの値を念頭におくと、従来までの処理技術では対応が出来ない状況になっている。また、フッ素は、工場等で用いているフッ酸などの水処理にて発生する物質であり、これを廃水とするに際して適用される環境基準のでは排水基準が8mg/Lになり、現状の処理方法ではこれを達成することは困難であり、新規フッ素浄化技術の開発が望まれていた。
【0003】
この様な状況の中で、フッ素処理法については、フッ素含有水に炭酸カルシウムを混合して処理する方法(特許文献1、および特許文献2参照)、または、フッ素含有水に消石灰と二酸化炭素を混合し溶液中に炭酸カルシウムを生成させる過程においてフッ素を処理する方法(以下、消石灰CO法という)が検討されている。これら方法によれば、溶液中のフッ素濃度を環境基準値である0.8mg/L未満にまで処理することが可能となっている。
【0004】
ところで、この消石灰CO法においては、その処理前の初期フッ素濃度が20mg/L程度以下である場合に効力が大きく発揮される。そのため、初期のフッ素濃度が100mg/L以上であるフッ素含有水に対して消石灰CO法を行うためには、二酸化炭素を用いない消石灰、酸、凝集剤等による一次処理を施す必要がある。そのため、既存処理施設の凝集沈降分離槽が単数である処理施設に二次処理としての消石灰CO法を用いるためには、新たな二次処理施設を建設しなければならず、その設備投資費用が膨大であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−276813号公報
【特許文献2】
特開2002−200493号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フッ素含有水処理に関する従来技術の上記問題点を解決するためになされたもので、従来の設備に大幅な変更を加えることなく、簡便な装置で、含有フッ素濃度を効果的に低下させることのできるフッ素含有水の処理方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、沈降分離槽が単数であるフッ素処理施設に消石灰CO法を用いた高度処理技術を導入できる方法を検討した結果なされたもので、具体的には、二酸化炭素を用いず消石灰や酸、凝集剤等を用いて溶液中のフッ素を処理する方法の一次処理と、消石灰CO法で溶液中のフッ素を処理する方法の二次処理とを組み合わせて処理するフッ素処理方法において、沈降分離槽が1つであることを特徴とする溶液中フッ素の処理方法およびその装置である。この技術によれば、沈降分離槽が単数であることにより、一次処理と二次処理を個別に行うフッ素処理に比べ処理効率が向上し、また設備がコンパクト化されるため、工業的価値は大きい。
【0008】
すなわち、第1の本発明は、水酸化カルシウムと二酸化炭素を用いてフッ素含有水を処理する方法において、
フッ素含有水及び水酸化カルシウムを含有する処理剤を第1の反応槽で反応させ、第1の混合生成物を生成する工程と、
前記フッ素含有水よりも濃度が低いフッ素含有水、水酸化カルシウムを含有する処理剤、及び二酸化炭素を第2の反応槽で反応させ、第2の混合生成物を生成する工程と、
前記第1の混合生成物及び前記第2の混合生成物を沈降分離槽に導入して生成したフッ素含有固形物を分離除去する工程を少なくとも備えたこと特徴とするフッ素含有水の処理方法である。
【0009】
前記本発明において、混合生成物とは、フッ素含有水と水酸化カルシウム、あるいはフッ素含有水と水酸化カルシウムと二酸化炭素の反応によって生成する混合物であって、固形分および液体成分を含むものを示す。
【0010】
前記第1の本発明において、前記第2の反応槽に返送されるフッ素濃度の低いフッ素含有水は、前記沈降分離槽において分離された処理水の少なくとも一部とすることができる。
【0011】
また、前記第1の本発明において、前記沈降分離槽において生成するフッ素含有固形分の少なくとも一部を前記第1の反応槽に返送添加することによって、フッ素含有水の処理に用いる水酸化カルシウムの使用効率を向上させることができる。
【0012】
さらに、前記第1の本発明において、前記第1の反応槽から得られる混合生成物と、前記第2の反応槽から得られる混合生成物の混合物にさらに凝集剤を添加することによって、前記沈降分離槽の沈降時間を短縮することができ、排水処理時間の短縮が可能となる。
【0013】
さらに、前記第1の本発明において、前記第2の反応槽に送入されるフッ素濃度が低いフッ素含有水の量が、前記沈降分離槽から排出される処理水の量に比べて0.1以上10以下であることが好ましい。なお、より好ましくは1以上5以下であることが、好ましい。これによって、使用する薬品の使用量や設備の規模を適正化することができる。
【0014】
第2の本発明は、フッ素含有水を収容する原水槽と、
水酸化カルシウムを含有する処理剤を収容する処理剤容器と、
二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源と、
配管によって前記原水槽および前記処理剤容器に接続された第1の反応槽と、
配管によって前記処理剤容器と前記二酸化炭素供給源に接続された第2の反応槽と、
配管によって前記第1の反応槽と、前記第2の反応槽に接続された沈降分離槽と、
前記沈降分離槽から排出される処理水の少なくとも一部を前記第2の反応槽に送入する配管を少なくとも備えたことを特徴とするフッ素含有水の処理装置である。
【0015】
前記第2の本発明のフッ素含有水の処理装置において、前記沈降分離槽から排出されるフッ素含有固形物の少なくとも一部が、前記第1の反応槽に配管によって送出されるようにすることができる。
また、前記第2の発明において、前記フッ素含有水の処理装置が、凝集剤容器をさらに備え、前記第1の反応槽から得られる混合生成物と、前記第2の反応槽から得られる混合生成物の混合物に凝集剤を添加するようにすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細について、本発明の処理装置の一例である図1を用いて説明する。
処理しようとするフッ素含有水は原水槽1に貯められている。この原水槽1の被処理水は、第1の反応槽である反応槽A11を経て沈降分離槽2に送られ処理水26となり排水される。この反応槽A11では、処理剤容器21に収容されている水酸化カルシウム(消石灰)を含有する処理剤、および、前記反応槽A11におけるフッ化カルシウムの生成を促進するためのpH調整用の酸等の薬品を用いて原水槽1から供給されるフッ素含有水を処理し、フッ素含有排水中のフッ素成分をフッ化カルシウムに転換し固形分として分離可能としている。図1では反応槽A11を、1個のみ記載しているが、これは単数でも複数でも構わない。前述の酸は、前述のようにpHを調整するためのものであって、塩酸、硫酸などの無機酸、あるいは酢酸などの有機酸水溶液を用いることができる。
【0017】
また、本発明の処理装置には、前記反応槽A11に並列に、比較的フッ素濃度の低いフッ素含有水を処理するための第2の反応槽である反応槽B12が配置されている。この反応槽B12には、フッ素含有水を供給する配管24と、水酸化カルシウムを収容する処理剤容器21からの配管、および二酸化炭素供給源22からの配管が接続されている。そして、この反応槽B12においては、比較的低濃度のフッ素を含有する水と、水酸化カルシウムと二酸化炭素が反応して、フッ素を含有する炭酸カルシウムが生成する。
この二酸化炭素供給源22としては、二酸化炭素ガスを収容したボンベでもよいし、化学反応によって二酸化炭素を発生させる反応装置であってもよい。
【0018】
前記反応槽A11および反応槽B12においてそれぞれ生成した混合生成物は、沈降分離槽2において相互に混合され、それぞれの反応槽において生成した固形分が液体成分から分離される。この際、アルミニウム化合物からなる公知の凝集剤を添加して分離速度を加速させることもできる。また、沈降分離槽2としては、攪拌翼を備えた公知の分離装置を用いることができる。
この沈降分離槽2から排出される固形分の少なくとも一部は、配管25によって、反応槽A11に返送され固形分中に含まれる炭酸カルシウムへフッ素を吸着させさらに処理水中のフッ素含有量を低減することもできる。また、沈降分離槽2から排出される処理水の少なくとも一部は、配管24により反応槽B12に返送され、処理水中に含有されているフッ素が水酸化カルシウムと二酸化炭素との反応によって生成する炭酸カルシウムに吸着して処理水から分離することを可能にする。
【0019】
反応槽B12は反応槽A11を分割してその一部を用いても良いし、また反応槽A11が複数存在する場合はその一つを活用する方法がある。ただし反応槽A11の処理水が反応槽B12に導かれることはあってはならず、反応槽A11と反応槽B12は併設でなければならない。その理由を、以下実験結果によって説明する。
表1は消石灰によってフッ素を処理した溶液中に二酸化炭素を混合して中和した際の実験結果を示している。
【0020】
【表1】
Figure 0004142994
【0021】
フッ素濃度初期値230mg/Lのフッ素含有水4Lに消石灰を重量比3%となる様に投入し、100rpmで攪拌したところ、pHが9.2から12.4となった。この時のフッ素濃度は8.7mg/Lであった。この溶液に二酸化炭素を2L/minで約21分供給したところpH7となり、溶液中のフッ素濃度は29mg/Lへ上昇していた。消石灰投入後に生成されたフッ化カルシウムの結晶が二酸化炭素によって炭酸カルシウムへ変化する際にフッ素を再溶出させたものである。二酸化炭素処理後の濃度が初期値230mg/Lよりも低いことは事実であるが、消石灰CO法を用いる場合には消石灰による一次処理を施した後に行う方が効果的である。
【0022】
反応槽B12で行われる消石灰CO法においては、処理剤として水酸化カルシウム21と二酸化炭素22を用いる。また、反応槽B11では、被処理水として沈降分離槽2で汚泥と固液分離された一次処理水を用いること、および、反応槽B12の処理水と反応槽A11の処理水との混合が反応槽B12による処理の後段であることで、反応槽A11内で生成されるフッ化カルシウムと反応槽B12で処理に用いる二酸化炭素を直接に接触することがなく、上述の様なフッ素の再溶出を発生させることなくフッ素含有水を処理することが出来る。
【0023】
反応槽A11内で生成されるフッ化カルシウムと反応槽B12で処理に用いる二酸化炭素を直接に接触した場合には、以下に示す実験結果によって、フッ化カルシウムからのフッ素の再溶出という悪影響を発生させる。
つまり表2に示す通り、原水フッ素濃度230mg/Lの溶液に消石灰重量比を0.15%から3%となる様に混合撹拌し処理を行った。この際にpHが9.2から12以上へ変化し溶液中にフッ化カルシウムが生成されて、溶液中のフッ素濃度は6.7から13mg/Lへ処理された。続いてこの溶液にpHが7となるまで二酸化炭素によるフッ素処理を行ったところ、処理後のフッ素濃度は撹拌処理に比べて上昇し16から34mg/Lとなった。これは生成されたフッ化カルシウムが再溶出して溶液中のフッ素濃度を上昇させたものである。従って、生成されたフッ化カルシウムと二酸化炭素を直接に接触した場合にはフッ化カルシウムからフッ素が再溶出し、処理に悪影響を及ぼす可能性がある。なお反応槽B12で生成した炭酸カルシウムが、酸の添加により溶出しないためには、反応槽B12の後段に酸の添加を行うことは好ましくない。従来の水酸化カルシウムによる処理において酸の添加が必要である場合には、反応槽A11で、または反応槽B12からの処理水との混合の前に行う方が良い。反応槽B12で用いる一次処理水は処理水26からその一部を導入するか、沈降分離槽2の中からその一部を導入する方法がある。
【0024】
【表2】
Figure 0004142994
【0025】
反応槽A11での処理水と反応槽B12での処理水は沈降分離槽2へ導入される前に混合される。この混合によって、本発明の特徴である沈降分離槽を複数必要としない高度なフッ素処理を実現したばかりでなく、以下の2つの効果が得られて沈降分離槽2へ導入される処理水のフッ素濃度が低減される。
一つは希釈効果である。反応槽A11による従来のフッ素処理では、処理後のフッ素濃度を約10mg/L程度とする。反応槽B12の消石灰CO法によるフッ素処理では、処理後フッ素濃度が約2mg/Lとする。これらの処理水を1:1で混合することで沈降分離槽2へ導入される処理水のフッ素濃度が従来の10mg/Lから約6mg/Lへ低減する。図1の処理法によって運用を開始した直後では、初期濃度10mg/Lのフッ素含有水を反応槽B12において消石灰CO法の処理を行うこととなるが、上述の効果により沈降分離槽2のフッ素濃度が低下するため、その初期濃度が順次低下し消石灰CO法の処理効率が向上する。消石灰と二酸化炭素を用いて初期濃度20mg/L程度以下の低濃度フッ素溶液を処理する場合、処理前濃度と処理後濃度の比は、添加させる消石灰が一定であれば、ほぼ初期濃度に関係なく一定となることが判っている。このため、沈降分離槽2へ導入される処理水の濃度が6mg/Lに低下した場合には、沈降分離槽2から反応槽B12に6mg/Lの原水が供給されることとなるため、反応槽B12での処理後フッ素濃度は1.2mg/L(10mg/Lが2mg/Lとなる比、0.2を適用)となり、反応槽A11との混合によって5.6mg/Lの処理水が沈降分離槽2へ流入することとなる。この様に順次フッ素濃度が低下することによって、最終的にフッ素濃度が5.56mg/L程度に落ち着くこととなる。この様な方法で処理を行う場合には、消石灰CO法による処理性能と混合流量によって最終的な処理濃度が変化することとなる。
【0026】
これを検証するための試験の例を、表3に示す。ただし表3の処理後フッ素濃度については後述するもう一つの効果、すなわち、炭酸カルシウムによるフッ素吸着効果による濃度低下については考慮されていない。表3の試験例1は上述の場合の値を示している。例えば沈降分離槽2から反応槽B12への流量を、処理流量の2倍と考えれば、試験例2の通りフッ素濃度は3.85mg/Lまで低下する。また試験例3の通り、沈降分離槽2から反応槽B12への流量を少なくした場合でも、反応槽B12における処理性能を向上させれば処理後の濃度を6.9にすることができる。
【0027】
この試験の結果を図2に示す。図2は一次処理濃度、つまり反応槽A11における初期濃度が20mg/L、15mg/L、10mg/Lの場合における最終フッ素濃度の値を反応槽B12における流量別に示したものである。反応槽B12における処理性能は0.1とした。ここで横軸の返送流量比は表3における反応槽B12の流量を反応槽A11の流量で除したもので、表3の試験例3では流量比0.5となる。図2から明らかなように、返送流量比が小さい場合はフッ素濃度の低減が少なく、また返送流量比が大きい場合にはフッ素濃度は低減するものの、その低減率は減少傾向となる。また返送流量が多いと消石灰・二酸化炭素処理での薬品使用量の増大や、装置への負担も大きくなるため、返送流量比は0.1以上10以下、好ましくは1以上5以下にすることが必要である。
【0028】
【表3】
Figure 0004142994
【0029】
もう一つは反応槽B12における消石灰CO法で発生した炭酸カルシウムにより反応槽A11からの処理水を処理することによるフッ素濃度低減である。フッ素含有水に炭酸カルシウムを混合して処理する方法(前記特許文献1および特許文献2参照)からも明らかなように、炭酸カルシウムにはフッ素を吸着処理する能力がある。反応槽B12内のフッ素濃度2mg/Lと平衡状態であった炭酸カルシウムは反応槽A11からの処理水10mg/Lが加わったことにより平衡状態が変化し、炭酸カルシウムによってフッ素が処理される。このため反応槽A11の処理水と反応槽B12の処理水が沈降分離槽2へ導入される前に混合されることによって沈降分離槽2へ導入される処理水のフッ素濃度が低減する。この場合、炭酸カルシウムの比表面積によって処理性能が異なることは明らかであるから(前記特許文献1および特許文献2参照)、反応槽B12で生成される炭酸カルシウムの比表面積を可能な限り大きくすることが望ましい。また比表面積によって処理性能が異なるために、反応槽A11と反応槽B12の混合された処理水のフッ素濃度については言及することができない。また、本発明でのフッ素処理においては、沈降分離槽が1つで十分であって、複数の装置を必要としない。
【0030】
二酸化炭素処理においては発生する汚泥がフッ化カルシウムではなく炭酸カルシウムであるため、沈降分離槽2で発生する汚泥に炭酸カルシウムが大量に含まれている。これを返送汚泥25により反応槽A11へ返送することで、更なる処理効率が見込まれる。ただしこの返送を反応槽B12へ返送することは前述の再溶出の悪影響により好ましくない。なぜならば、沈降分離槽2には反応槽A11からフッ化カルシウムの汚泥も含まれており、これが二酸化炭素との混合によって上述のようなフッ素の再溶出の危険性があるためである。
【0031】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明は、消石灰や二酸化炭素等を用いて溶液中のフッ素を処理する方法において、二酸化炭素を用いず消石灰や酸、凝集剤等を用いて溶液中のフッ素を処理する方法と、消石灰と二酸化炭素を反応させ炭酸カルシウムを生成させる過程で溶液中のフッ素を処理する方法とを組み合わせて処理するフッ素処理方法であり、特に沈降分離槽が1つであることを特徴とする溶液中フッ素の処理方法およびその装置である。
この本発明によれば、従来では困難であったフッ素の高度処理が可能であり、その工業的価値は大きい。特に本発明では既存の沈降分離槽が単数であった場合に、消石灰CO法を用いるための設備投資が削減でき、その工業的価値は大きく有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例で用いるフッ素処理装置の概念図。
【図2】 本発明の実施例を示すグラフ。
【符号の説明】
1…原水槽
2…沈降分離槽
11…第1の反応槽である反応槽A
12…第2の反応槽である反応槽B
21…水酸化カルシウム処理剤収容容器
22…二酸化炭素供給源
23…凝集剤収容容器
24…返送水配管
25…返送汚泥配管
26…処理水

Claims (8)

  1. 水酸化カルシウムと二酸化炭素を用いてフッ素含有水を処理する方法において、
    フッ素含有水及び水酸化カルシウムを含有する処理剤を第1の反応槽で反応させ、第1の混合生成物を生成する工程と、
    前記フッ素含有水よりも濃度が低いフッ素含有水、水酸化カルシウムを含有する処理剤、及び二酸化炭素を第2の反応槽で反応させ、第2の混合生成物を生成する工程と、
    前記第1の混合生成物及び前記第2の混合生成物を沈降分離槽に導入して生成したフッ素含有固形物を分離除去する工程を少なくとも備えたこと特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  2. 前記第2の反応槽に送入されるフッ素濃度が低いフッ素含有水が、前記沈降分離槽において分離された処理水の少なくとも一部であることを特徴とする請求項1記載のフッ素含有水の処理方法。
  3. 前記沈降分離槽において生成するフッ素含有固形分の少なくとも一部を、前記第1の反応槽に返送添加することを特徴とする請求項1または請求項2記載のフッ素含有水の処理方法。
  4. 前記第1の反応槽から得られる混合生成物と、前記第2の反応槽から得られる混合生成物の混合物に、さらに凝集剤を添加することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載されたフッ素含有水の処理方法。
  5. 前記第2の反応槽に送入されるフッ素濃度が低いフッ素含有水が、前記沈降分離槽から排出される処理水に比べて0.1以上10以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のフッ素含有水の処理方法。
  6. フッ素含有水を収容する原水槽と、
    水酸化カルシウムを含有する処理剤を収容する処理剤容器と、
    二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源と、
    配管によって前記原水槽および前記処理剤容器に接続された第1の反応槽と、
    配管によって前記処理剤容器と前記二酸化炭素供給源に接続された第2の反応槽と、
    配管によって前記第1の反応槽と、前記第2の反応槽に接続された沈降分離槽と、
    前記沈降分離槽から排出される処理水の少なくとも一部を前記第2の反応槽に返送する配管を少なくとも備えたことを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
  7. 前記フッ素含有水の処理装置において、前記沈降分離槽から排出されるフッ素含有固形物の少なくとも一部を、前記第1の反応槽に配管によって返送するようになっていることを特徴とする請求項5記載のフッ素含有水の処理装置。
  8. 前記フッ素含有水の処理装置において、前記第1の反応槽から得られる混合生成物と、前記第2の反応槽から得られる混合生成物の混合物に凝集剤を添加するための凝集剤容器を備えたことを特徴とする請求項5記載のフッ素含有水の処理装置。
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