JP4142961B2 - レーザ加工機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークに対して移動駆動しながら該ワークの切断、焼入れ加工などを行なうことが出来るレーザ加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のレーザ加工機として、レーザ光を照射するトーチを、板状等のワークの表面に対し垂直に対向させ、トーチ先端をワーク表面から一定の距離で離した形に維持しつつ倣い移動させて、ワークを切断加工するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような倣い移動は、一般にワーク表面とトーチ間の静電容量を逐次検出する等に基づいて移動駆動手段を制御することにより行なわれる。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−59193号公報(第1図,第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したレーザ加工機は、自動制御により24時間連続して上記ワーク切断加工を実施することが出来るが、このような長時間の切断加工の実施中に、例えば、移動駆動されるトーチがワークに接触するなどで該トーチが傾斜したり物理的に変形したりすると、ワークを意に反した形に切断してしまう等の事態を招くこととなる。従って、このような事態を未然に防止出来る対策の実現が切望される。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑み、たとえレーザ加工中にトーチに変形(単なる傾斜も含む)が生じた場合であっても、当該変形を自動的に補修した上でレーザ加工を続行させることが出来るように構成したレーザ加工機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明のうち第1の発明は、レーザ光を加工すべきワーク(70)に対して照射することの出来るトーチ(26)を有し、前記ワーク(70)に対する略々一定の距離を維持した形で前記トーチ(26)を移動駆動させることの出来る移動駆動手段(37)を有するレーザ加工機(1)において、
前記移動駆動時における前記トーチ(26)の異状発生を検出する異状検出手段(39)を設け、
前記異状検出手段(39)により前記トーチ(26)の異状発生が検出された際、前記トーチ(26)のレーザ照射を停止させると共に該トーチ(26)を前記異状の発生位置から移動させて補修する補修手段(18、30、37)を設け、
前記補修手段は、前記トーチ(26)を挿入する際に該トーチ(26)の状態を補修することの出来る挿入補修孔(18c)を有するトーチ補修ユニット(18)を備え、
前記補修手段(18、30、37)による補修後の前記トーチ(26)の状態の良否を判定する良否判定手段(40)を設け、
前記良否判定手段(40)により前記トーチ状態が良好と判定された際、前記トーチ(26)を前記異状の発生位置に復帰させ、前記トーチ(26)の移動駆動を再開させる旨の指令を前記移動駆動手段(37)に出力する実行指令手段(30)を設けて構成される。
【0007】
なお、本発明における「トーチの状態」は、取付け部に対するトーチの傾斜の状態とともに、トーチ自身の物理的な変形の状態をも含む概念である。
【0009】
また本発明のうち第2の発明は、前記挿入補修孔(18c)に挿入された前記トーチ(26)をその軸心方向(C)に臨む状態で撮像する撮像手段(24)を備え、
前記良否判定手段(40)は、前記撮像手段(24)による撮像データに基づいて前記トーチ状態の良否を判定することを特徴とする。
【0010】
また本発明のうち第3の発明は、前記実行指令手段(30)が、前記良否判定手段(40)により前記トーチ状態が不良であると判定された際、前記トーチ(26)による加工の継続を禁止する旨の指令を前記移動駆動手段(37)に出力することを特徴とする。
【0011】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち第1の発明は、トーチに対する荷重を検出する等で異状発生が検出された際、レーザ照射を停止させ、トーチを補修した後その状態が良好であれば、該トーチを異状発生位置に復帰させて該位置から移動駆動を再開させるので、トーチをワーク表面に倣い移動させたレーザ加工中に、たとえトーチがワークに接触するなどで傾斜又は物理的に変形した場合であっても、該トーチをそのまま使用してレーザ加工を行なうような事態の発生を確実に防止することが出来る。
【0013】
また本発明は、挿入されるトーチの状態を補修することの出来る挿入補修孔を補修手段に備えるので、異状発生位置から一旦離反させたトーチを挿入補修孔に挿入するという極めて簡単な動作のみで、トーチの変形を容易に修復することが出来る。
【0014】
また本発明のうち第2の発明は、挿入補修孔に挿入されたトーチをその軸心方向に臨む状態で撮像した撮像データに基づいてトーチ状態の良否を判定するので、修復後のトーチの良否判定を、比較的簡単な装置構成により高精度で行なうことが出来る。
【0015】
また本発明のうち第3の発明は、トーチ状態が不良であると判定された際、トーチによる加工の継続を禁止する旨の指令を移動駆動手段に出力するので、補修を施しても状態が改善出来なかったトーチを再使用したレーザ加工の実施を、確実に防止することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用されるレーザ加工機の一例を示す全体斜視図、図2は、図1のレーザ加工機における加工ヘッド本体部分の拡大断面図、図3は、図1のレーザ加工機における制御装置を示したブロック図、図4は、レーザ加工機を用いて加工を行う際の処理の流れを示すフローチャート、図5は、レーザ加工時における異状アラーム検出時の状態を図2の右方向から見た状態で示す側面図、図6は、トーチをZ軸に沿って上昇させた状態を示す側面図、図7は、トーチをトーチ補修ユニットにセットした状態を示す側面図、図8は、図7のトーチ及びトーチ補修ユニットを拡大して示す側面図、図9は、補修後のトーチを図8の下方から見た状態で示す底面図で、(a)は使用可能(OK)状態、(b)は使用不可(NG)状態である。また図10は、補修後のトーチを復帰させる際の状態を示す側面図である。
【0017】
本発明が適用されるレーザ加工機1は、図1に示すように例えば、加工用CNC装置(NC切断機)であり、ワーク設置装置1a、レーザ照射装置1b、及び制御装置1cからなり、ワーク設置装置1aの上方にレーザ照射装置1bが配設されると共に、制御装置1cはワーク設置装置1a及びレーザ照射装置1bに付設されている。
【0018】
ワーク設置装置1aは、図1に示すようにベース2、テーブル3を備えている。ベース2はレーザ加工機1を床に固定させ、その上面にテーブル3が配置されている。テーブル3はワーク70を載置する水平なワーク搭載面3aを有しており、ベース2に対して図1に示す矢印G、H方向(X軸方向)に移動自在に設けられている。
【0019】
レーザ照射装置1bは、図1に示すようにコラム5、サドル6、加工ヘッド本体11を備えている。コラム5は、X軸方向に移動自在である上記テーブル3に干渉することがないように、テーブル3を跨ぐ形でベース2に固定・配設されている。またコラム5は、X軸方向に直角かつ水平な矢印J、K方向(Y軸方向)に沿ったサドル用レール5a、5aを有しており、サドル6は、サドル用レール5a、5aを介しベース2に対してY軸方向に移動駆動自在に設けられている。なお、上述したようにテーブル3がX軸方向に移動する構成例を示したが、サドル6がベース2に対して、X軸、及びY軸方向に相対的に移動駆動自在であればこれに限らず、例えば、サドル6がX軸、及びY軸方向に移動自在であって、ベース2が固定された構成などであってもよい。
【0020】
更にコラム5は、レーザ光を出力するレーザ発振器(図示せず)を有しており、レーザ発振器と、サドル6とは、図1に示すようにサドル6によるY方向の移動に併せて移動・伸縮自在な、適当なレーザ光路管7により接続されている。更にレーザ光路管7は、レーザ光路管7と同様に形成されたサドル用光路管15を介して、サドル6の内部に設けられた加工ヘッド本体11に接続されている。
【0021】
なお、上述したレーザ発振器は、金属などからなる例えば板状のワーク70の切断、穴あけ、焼入れなどの加工が可能な所定出力のレーザ光を安定して照射出来るものであればいずれのものであってもよく、例えば、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザなどのいずれも本発明に適用することが出来る。
【0022】
加工ヘッド本体11は、図1に示すようにスリーブ部材12、先端部材20、トーチ26を有しており、X及びY軸方向に直角に、つまり矢印L、M方向(Z軸方向)に、移動駆動自在となるように支持部14(図5参照)に設けられている。即ちサドル6を構成する加工ヘッド本体11は、支持部14を介して、ベース2に対してZ軸方向に移動駆動自在に設けられている。そして、トーチ26は、先端部材20を介して、スリーブ部材12に対してZ軸及びY軸を中心にA軸及びB軸方向に、回転駆動・位置決め自在に連結されている。つまり、トーチ26は、ワーク搭載面3aに載置されるワーク70に対しX、Y、Z軸方向に移動駆動自在に、かつA、B軸方向に回転駆動・位置決め自在に設けられている。そして、レーザ発振器から出力されたレーザ光が、レーザ光路管7、サドル用光路管15、加工ヘッド本体11、スリーブ部材12、及び先端部材20を介し、上述したトーチ26の先端から照射されるように、反射鏡(図示せず)などによる光路が設けられている。なお、レーザ加工機1の構成として、上述したようにX、Y、Z、A、B軸方向に移動・回転駆動する一例を示したが、ワーク70に対し、トーチ26を少なくとも平面的に移動駆動出来るものであればいずれどのような軸構成であっても本発明を適用することができる。
【0023】
上述した加工ヘッド本体11の構成を図2に沿って、より詳細に説明する。加工ヘッド本体11は、図2に示すようにスリーブ部材12、先端部材20、トーチ26を有しており、X軸及びY軸方向に直角に、つまり図1に示す矢印L、M方向(Z軸方向)に、移動駆動自在に設けられている。つまり加工ヘッド本体11は、ベース2に対してZ軸方向に移動駆動自在に設けられている。
【0024】
スリーブ部材12は、外スリーブ12a及び内スリーブ12bからなり、円筒形からなる内スリーブ12bが、外スリーブ12aに入れ子状に挿入されている。外スリーブ12aは、Z軸方向と平行なA軸を中心として、加工ヘッド本体11に対し矢印N、O方向に角度回転駆動自在に設けられている。
【0025】
また内スリーブ12bも、同様に、外スリーブ12aに対し矢印N、O方向に角度回転駆動自在に設けられていると共に、内スリーブ12bの下端(図2の紙面下側)外周には、傘歯車12cが形成されており、該傘歯車12cは、後述する先端部材20に形成された傘歯車21aと、モータなどからなる不図示の駆動装置の動力が先端部材20側に出力されるように噛合している。
【0026】
また、外スリーブ12aの下方(図2の紙面下側)内部には、第1ミラー13が、図2に示すようにレーザ光路RKを直角に屈曲させて、加工ヘッド本体11に進入したレーザ光RZを先端部材20側に反射し得るように、ミラー13の反射面13aを所定角度にして配設されている。
【0027】
先端部材20は、図2に示すように円筒部21、トーチ取付け部22、ミラー取付け部25、及びカートリッジ装着部43からなり、ミラー取付け部25の側部(図2の紙面左側)にカートリッジ装着部43を介して円筒部21が形成され、更にミラー取付け部25の下部(同図の紙面下側)にトーチ取付け部22が、伸延形成された形で設けられている。
【0028】
円筒部21は、その端部(同図の紙面左側)に傘歯車21aが形成されており、傘歯車21aが上述した外スリーブ12aの側部(同図の紙面右側)に形成された開口部17に挿入された形で、ボールベアリング16を介して外スリーブ12aと角度回転自在に連結されている。そして傘歯車21aは、上述したように内スリーブ12bの傘歯車12cと、A軸に対して直角に回転自在になるように噛合されている。つまり先端部材20は、図2に示すようにX軸と平行なB軸を中心として、外スリーブ12aに対して矢印P、Q方向に角度回転駆動自在に設けられている。またトーチ取付け部22には、トーチ先端部26aが下向き(図2の紙面下側)になるようにトーチ26が配設されている。つまりトーチ26も、先端部材20と共にB軸を中心として角度回転駆動自在に設けられている。
【0029】
また、ミラー取付け部25の内部には、第2ミラー23が、図2に示すようにレーザ光路RKを直角に屈曲させて、外スリーブ12a側から進入したレーザ光RZをトーチ先端部26aから照射し得るように、ミラー23の反射面23aを所定角度にして配設されている。
【0030】
カートリッジ装着部43には、集光レンズ33及び集光レンズ33を固定するレンズフレーム32からなるレンズカートリッジ31が着脱自在に設けられており、レンズカートリッジ31は、レーザ光RZを集光レンズ33により所定位置に集光し得るように、カートリッジ装着部43内に形成された図2に示すレーザ光路RK上に設けられている。
【0031】
また、レーザ加工機1の制御装置1cは、図3に示すように主制御部30を有しており、主制御部30にはバス線44を介して、キーボード31、ディスプレイ32、システムプログラムメモリ33、加工プログラムメモリ35、加工制御部36、駆動制御部(移動駆動手段)37、レーザ発振制御部38、異状検出部(異状検出手段)39、及び良否判定部(良否判定手段)40などが接続されている。そして、良否判定部40にはCCDカメラ(撮像手段)24が接続されて、該CCDカメラ24により撮像された撮像データが良否判定部40に入力されるように構成されている。なお、トーチ補修ユニット18、主制御部30及び駆動制御部37により、本発明における補修手段が構成されている。また、主制御部30は、本発明における実行指令手段としての機能も有している。
【0032】
また駆動制御部37には、テーブル3をX軸方向に移動駆動するX軸駆動モータ37Xが接続されており、同様に、サドル6をY軸方向に、加工ヘッド本体11をZ軸方向に、それぞれ移動駆動するY軸駆動モータ37Y、Z軸駆動モータ37Zが接続されている。更に、トーチ26をA、B軸方向に、それぞれ回転駆動・位置決めするA軸駆動モータ37A、B軸駆動モータ37Bが接続されている。
【0033】
そして、良否判定部40に接続された前記CCDカメラ24は、図8に示すように、レーザ加工機1における所定の位置(例えば、テーブル3のワーク搭載面3a上)に設置されたトーチ補修ユニット18の下面に対向するように配置されている。トーチ補修ユニット18は、その軸心CがZ軸と平行な方向(図8の紙面上下方向)に沿うように配置されている。更にトーチ補修ユニット18は、軸心Cと直交な断面が略々矩形状(図9参照)を呈し、かつ該矩形状の中心側において軸心C方向に延びる、断面円形状の中空部18bを有する枠体18aを備えている。
【0034】
枠体18aは、下部(図8の紙面下側)が開放され、かつ上部(図8の紙面上側)が上面18dにより略々閉塞されており、上面18dの中心に該上面18dを上下に貫通する挿入補修孔18cが形成されている。該挿入補修孔18cは、下方から上方に向かって拡径する逆円錐形状のトーチ先端部26aを上方から挿入することが出来るように、該トーチ先端部26aの外形と同様の内面形状を有するテーパ状の貫通孔として構成されている。また、中空部18bの下部(図8の紙面下側)に撮像部を合わせる形で上記CCDカメラ24が配置されている。なお、トーチ補修ユニット18は、図1における例えばコラム5の内部に、或いはテーブル3上のY軸方向端部などに設置することが出来る。テーブル3上に設置する場合には、主制御部30が、トーチ補修ユニット18の位置をテーブル3のX軸方向移動量に応じて演算し、その演算結果を駆動制御部37に伝送することで、トーチ先端部26aを挿入補修孔18cに円滑に挿入し得る動作を実現する。
【0035】
レーザ加工機1は以上のような構成を有するので、レーザ加工機1を用いて、ワーク70を加工する際には、まずオペレータ(作業者)は、加工すべきワーク70を図1に示すワーク搭載面3a上に載置する。次いでオペレータは、制御装置1cが備える起動スイッチ(図示せず)を介して起動指令を入力し、この指令を受けた主制御部30は、システムプログラムメモリ33からシステムプログラムSYSを読み込み、これ以降、読み込まれた該システムプログラムSYSに従って処理を進める。
【0036】
次いで主制御部30は、加工プログラムPRO1の作成を促す画面(図示せず)をディスプレイ32に表示させる。オペレータは、該表示された画面に従い、キーボード31を介して切断形状に応じた加工プログラムPRO1(図3)を作成する。
【0037】
加工プログラムPRO1の作成が完了すると、オペレータは、所定信号をキーボード31を介して入力し、これを受けて主制御部30は、作成された加工プログラムPRO1を加工プログラムメモリ35に格納する。更に、オペレータが、該加工プログラムPRO1の実行指令CM1(図3)を、キーボード31を介して入力すると、該指令CM1を受けて主制御部30は、上記格納した加工プログラムPRO1を呼び出すと共に、加工制御部36に加工プログラムPRO1の実行を指令する。これにより、加工制御部36は、加工プログラムPRO1の加工ステップを所定の順に解釈・実行し、加工プログラムPRO1の実行が開始される。
【0038】
上記加工プログラムPRO1の実行時、主制御部30が、該加工プログラムPRO1に従い、実行すべき軌跡を自動生成する。そして、加工制御部36が、所定ポイントなどへの移動を駆動制御部37に指令する。すると、該指令を受けて駆動制御部37は、X軸、及びY軸駆動モータ37X、37Yに所定信号を伝送し、トーチ26を上記所定ポイントなどに移動させる。そして、加工制御部36は、レーザ発振制御部38にレーザ光の出力を指令すると共に、駆動制御部37に所定の位置を終点とするなどの移動を指令し、駆動制御部37は、X軸、及びY軸駆動モータ37X、37Yに所定信号を伝送する。これにより、トーチ26は、ワーク70表面から一定の距離を維持しつつ、所定の切断経路に沿ってX軸、Y軸方向に移動し、レーザ光の照射によりワーク70の切断を開始する。
【0039】
そして、上記トーチ26によるレーザ加工中、異状検出部39は、移動駆動時におけるトーチ26の異状の発生を監視している。この状態で、異状発生を検出した場合の処理について、図4のフローチャートに沿って説明する。
【0040】
まず、加工プログラムPRO1に基づくトーチ26の移動駆動時に、図5に示すようにトーチ先端部26aがワーク70表面に接触する等で、通常時には作用することのない荷重がトーチ26を介してスリーブ部材12等に加わった場合、異状検出部39は、倣い移動時の異状が発生したとして不図示のブザー等を鳴動させてアラームを発すると共に、その旨の信号を主制御部30に送る(ステップSTP1のYes)。これにより、該主制御部30から駆動制御部37に対し、トーチ26をZ軸方向に上昇させる旨の指令が発せられる。このため、駆動制御部37が、Z軸駆動モータ37Zに所定信号を伝送して該モータ37Zを回転駆動させ、支持部14に対してトーチ26を、図6矢印UPで示す方向に上昇させる(ステップSTP2)。
【0041】
次いで、上記アラーム発生時にトーチ26が傾斜又は物理的に変形した可能性があるため、主制御部30は更に、駆動制御部37に対して、Z軸方向に上昇したトーチ26をX軸及びY軸方向に移動させる旨の指令を送る。これにより、駆動制御部37が、X軸駆動モータ37X及びY軸駆動モータ37Yにそれぞれ所定信号を伝送して回転駆動させ、トーチ26を、図6矢印MOVEで示す方向に移動させる。そして、X軸及びY軸方向に移動するトーチ26は、駆動制御部37がX軸駆動モータ37X及びY軸駆動モータ37Yを駆動停止させることで、図7に示すトーチ補修ユニット18上に位置させられる(ステップSTP3)。更に、この状態において、アシストガスをON(そしてOFF)にして所定圧力(例えば9.80665×105Pa(=10kgf/cm2))でトーチ26に吹き込む(ステップSTP4)。該トーチ26が単に傾いているような場合であれば、これにより補助的な補修が可能となる。
【0042】
続いて、駆動制御部37が、Z軸駆動モータ37Zに所定信号を伝送して該モータ37Zを回転駆動させ、支持部14に対してトーチ26を、Z軸方向(図7の紙面下側)に徐々に下降させる。これにより、トーチ先端部26aが、トーチ補修ユニット18の挿入補修孔18c(図8)の内面形状に沿って徐々に進入し(ステップSTP6)、変形が単なる傾斜である場合には、トーチ26はトーチ取付け部22に対する適正な状態となり、また程度が比較的小さい変形である場合には、復元されることとなる。
【0043】
次いで、図7及び図8に示すようにトーチ先端部26aが挿入補修孔18cに挿入された状態において、トーチ26の軸心C方向に臨んだ状態でCCDカメラ24により撮像が行なわれると、入力されるトーチ先端部26aの撮像データに基づいて、良否判定部40が補修後のトーチ形状を判定する(ステップSTP7)。この際、図9(a)に示すように、挿入補修孔18cから中空部18b側に突出するトーチ先端部26aの中心が、該中空部18bの中心に位置しかつその形状が略々真円である場合には、補修結果が良好で、レーザ加工を再開出来ると判定する(ステップSTP7のYes)。一方、図9(b)に示すように、トーチ先端部26aの中心が中空部18bの中心に位置せず、しかもその形状が楕円形状になっているような場合には、補修結果は不良であると判定し(ステップSTP7のNo)、不図示のブザー等にてアラームを発すると共に、主制御部30を介して駆動制御部37に信号を出力することでレーザ加工機1の駆動を停止させ(ステップSTP9)、処理を終了する。
【0044】
上記ステップSTP7にて補修結果が良好と判定された際には、更にステップSTP8に進んで、駆動制御部37によりZ軸駆動モータ37Zを回転駆動させて、トーチ26をZ軸方向(図7の紙面上側)に上昇させる。引き続き、駆動制御部37を介してX軸駆動モータ37X及びY軸駆動モータ37Yをそれぞれ回転駆動させ、トーチ26を、図10矢印MOVEで示す方向に移動させ、前記ステップSTP1においてアラームを発した位置(異状発生位置)に復帰させる(ステップSTP10)。更に、駆動制御部37を介してZ軸駆動モータ37Zを回転駆動させて、トーチ26を、Z軸方向(つまり図10矢印RETRYで示す方向)に下降させ、ワーク70に対する倣い移動のリトライを開始させ(ステップSTP11)、レーザ加工を再開させる(ステップSTP12)。そして、該レーザ加工の後、処理を終了する。
【0045】
以上のように本実施の形態におけるレーザ加工機1によると、トーチ26の異状発生が検出された際、レーザ照射を停止させ、トーチ26を補修した後その状態が良好であれば、該トーチ26を異状発生位置に復帰させて該位置から倣い移動を再開させることが出来る。従って、トーチ26をワーク70表面に倣い移動させたレーザ加工中に、たとえトーチ26がワーク70に接触するなどで傾斜又は物理的に変形した場合であっても、該トーチ26をそのまま使用してレーザ加工を行なうような事態の発生を確実に防止することが出来る。
【0046】
また、挿入されるトーチ26の状態を補修することの出来る挿入補修孔18cをトーチ補修ユニット18に備えるので、異状発生位置から一旦離反させたトーチ26を挿入補修孔18cに挿入するという極めて簡単な動作のみで、トーチ26の変形を容易に修復することが出来る。更に、良否判定部40が、挿入補修孔18cに挿入されたトーチ26をその軸心C方向に臨む状態で撮像した撮像データに基づいてトーチ状態の良否を判定するので、修復後のトーチ26の良否判定を、比較的簡単な装置構成により高精度で行なうことが出来る。そして、トーチ状態が不良であると判定された際、主制御部30が、トーチ26の移動駆動(つまりトーチ26による加工の継続)を禁止する旨の指令を駆動制御部37に出力するので、補修を施しても状態が改善出来なかったトーチ26を再使用したレーザ加工の実施を、確実に防止することが出来る。
【0047】
なお、本実施の形態では、倣い移動時における異状発生時に不図示のブザー等を鳴動させてアラームを発するようにしていたが、これに限らず、例えば上記異状発生時に、不図示のディスプレイ上にアラーム表示を行うように構成しても良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるレーザ加工機の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図2は、図1のレーザ加工機における加工ヘッド本体部分の拡大断面図である。
【図3】図3は、図1のレーザ加工機における制御装置を示したブロック図である。
【図4】図4は、レーザ加工機を用いて加工を行う際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、レーザ加工時における異状アラーム検出時の状態を図2の右方向から見た状態で示す側面図である。
【図6】図6は、トーチをZ軸に沿って上昇させた状態を示す側面図である。
【図7】図7は、トーチをトーチ補修ユニットにセットした状態を示す側面図である。
【図8】図8は、図7のトーチ及びトーチ補修ユニットを拡大して示す側面図である。
【図9】図9は、補修後のトーチを図8の下方から見た状態で示す底面図で、(a)は使用可能(OK)状態、(b)は使用不可(NG)状態である。
【図10】図10は、補修後のトーチを復帰させる際の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1……レーザ加工機
18……補修手段(トーチ補修ユニット)
18c……挿入補修孔
24……撮像手段(CCDカメラ)
26……トーチ
30……補修手段、実行指令手段(主制御部)
37……移動駆動手段、補修手段(駆動制御部)
39……異状検出手段
40……良否判定手段
70……ワーク
C……軸心方向
Claims (3)
- レーザ光を加工すべきワークに対して照射することの出来るトーチを有し、前記ワークに対する略々一定の距離を維持した形で前記トーチを移動駆動させることの出来る移動駆動手段を有するレーザ加工機において、
前記移動駆動時における前記トーチの異状発生を検出する異状検出手段を設け、
前記異状検出手段により前記トーチの異状発生が検出された際、前記トーチのレーザ照射を停止させると共に該トーチを前記異状の発生位置から移動させて補修する補修手段を設け、
前記補修手段は、前記トーチを挿入する際に該トーチの状態を補修することの出来る挿入補修孔を有するトーチ補修ユニットを備え、
前記補修手段による補修後の前記トーチの状態の良否を判定する良否判定手段を設け、
前記良否判定手段により前記トーチ状態が良好と判定された際、前記トーチを前記異状の発生位置に復帰させ、前記トーチの移動駆動を再開させる旨の指令を前記移動駆動手段に出力する実行指令手段を設けて構成した、レーザ加工機。 - 前記挿入補修孔に挿入された前記トーチをその軸心方向に臨む状態で撮像する撮像手段を備え、
前記良否判定手段は、前記撮像手段による撮像データに基づいて前記トーチ状態の良否を判定することを特徴とする、請求項1に記載のレーザ加工機。 - 前記実行指令手段は、前記良否判定手段により前記トーチ状態が不良であると判定された際、前記トーチによる加工の継続を禁止する旨の指令を前記移動駆動手段に出力することを特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザ加工機。
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