JP4141626B2 - キャリッジ駆動制御装置および制御方法 - Google Patents

キャリッジ駆動制御装置および制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4141626B2
JP4141626B2 JP2000245469A JP2000245469A JP4141626B2 JP 4141626 B2 JP4141626 B2 JP 4141626B2 JP 2000245469 A JP2000245469 A JP 2000245469A JP 2000245469 A JP2000245469 A JP 2000245469A JP 4141626 B2 JP4141626 B2 JP 4141626B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carriage
speed
deceleration
stop position
main scanning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000245469A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001310517A (ja
Inventor
輝樹 倉科
潔 向山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2000245469A priority Critical patent/JP4141626B2/ja
Publication of JP2001310517A publication Critical patent/JP2001310517A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4141626B2 publication Critical patent/JP4141626B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,キャリッジの駆動制御を行うキャリッジ制御装置および制御方法に関する。また,本発明は,キャリッジ駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク・ジェット・プリンタ等のシリアル・プリンタでは,記録ヘッドを搭載したキャリッジを被記録材(たとえば印刷用紙)の幅方向(主走査方向)に往復移動(主走査)させながら印刷(記録)が行われる。キャリッジは,1回の主走査において,停止状態から加速区間の間加速し,続いて定速区間の間定速走行し,その後減速区間の間減速して再び停止状態となる。これらの加速区間,定速区間,および減速区間は,当該主走査における印字開始位置および印字終了位置に基づいて定められる。そして,この定速区間において印刷が行われる。
【0003】
このキャリッジの主走査の制御方法の1つとして,印刷速度(以下「スループット」ともいう。)の向上を図るために,ロジカル・シーク制御というものがある。このロジカル・シーク制御とは,次の主走査を行う前に,キャリッジの移動量が最小化する主走査の方向を判断するものである。すなわち,ロジカル・シーク制御においては,ある主走査において,キャリッジが走行して停止した後,その停止位置から,次の主走査における走行開始地点(すなわち加速開始地点)を,次の主走査における印刷領域の始端側にすべきか,終端側にすべきかを判断し,いずれか近い側に移動するものである。そして,キャリッジは,現在の停止位置から始端側または終端側のいずれか近い側に移動した後,そこから走行を開始して(すなわち加速,定速走行,および減速を行って),次の主走査における印刷を行う。
【0004】
このロジカル・シーク制御に対し,スループットをより一層向上させる制御方法として,スーパ・ロジカル・シーク制御というものがある。スーパ・ロジカル・シーク制御とは,キャリッジの定速走行中に,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を延長する延長指定が与えられると,延長されたキャリッジ停止位置でキャリッジが停止するように,当初の定速区間を延長するものである。延長されたキャリッジの停止位置は,次の主走査におけるキャリッジの走行開始地点である。したがって,ロジカル・シーク制御のように一旦停止して再び加速することにより次の主走査におけるキャリッジの走行開始地点に移動するのではなく,停止することなく,定速走行区間を延長して移動するので,スループットが向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,このような従来のスーパ・ロジカル・シーク制御は,延長指定が定速走行中に与えられた場合(すなわち次の主走査における走行開始地点が定速走行中に判明した場合)にのみ機能するように構成されている。したがって,キャリッジが定速区間から減速区間に移行した後に,延長指定が与えられると,キャリッジの停止位置は延長されることなく,前述したロジカル・シーク制御と同様の制御(すなわち,一旦停止した後,再び加速して次の主走査における走行開始地点に向かう制御)となってしまう。このため,スループットの向上が十分に図れないという問題があった。
【0006】
本発明は,このような状況に鑑みなされたものであり,スーパ・ロジカル・シーク制御において,より一層のスループットの向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために,本願請求項1に記載の発明に係るキャリッジ駆動制御装置は,被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジを主走査方向に駆動制御するためのキャリッジ駆動制御装置であって,前記キャリッジの位置を検出するエンコーダと,前記記録データから求められた,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を含む駆動情報に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速した後,あらかじめ定められた定速度で定速走行させ,その後あらかじめ定められた前記エンコーダの出力信号に対応する目標速度を示した減速度テーブルに基づき減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させるように前記キャリッジの速度を制御する速度制御手段を備え,該速度制御手段が,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を前記キャリッジの進行方向側に延長する延長指定が該キャリッジの減速中に与えられた場合には,前記キャリッジの減速を一旦中止して定速走行に移行させ,その後,当初の停止位置までに至る減速曲線と同じ減速曲線にて,前記延長された停止位置に停止するように,前記減速度テーブルを参照して前記キャリッジの速度を制御することを特徴とする。
【0008】
本願請求項1に記載の発明によると,速度制御手段は,キャリッジ位置検出手段によるキャリッジの現在位置が減速区間内である時に,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置をキャリッジの進行方向側に延長する延長指定が該キャリッジの減速中に与えられた場合には,キャリッジが,延長された停止位置に停止するように,あらかじめ定められた減速度を変更する。したがって,減速中に延長指定を受けた場合でも,一旦停止した後,再び加速して延長された停止位置に向かうことなく,そのまま,減速して延長された停止位置に向かうので,スループットを向上させることができ,また,キャリッジ駆動に要する消費電力等も減少させることができる。
本願請求項2に記載の発明に係るキャリッジ駆動制御装置は,被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジを主走査方向に駆動制御するためのキャリッジ駆動制御装置であって,前記キャリッジの位置を検出するエンコーダと,前記記録データから求められた,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を含む駆動情報に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速した後,あらかじめ定められた定速度で定速走行させ,その後あらかじめ定められた前記エンコーダの出力信号に対応する目標速度を示した減速度テーブルに基づき減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させるように前記キャリッジの速度を制御する速度制御手段を備え,該速度制御手段が,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を前記キャリッジの進行方向側に延長する延長指定が該キャリッジの減速中に与えられた場合には,前記キャリッジの減速を一旦中止し,前記延長指定が与えられた時点における前記エンコーダの出力信号に対応する前記目標速度データの読み出しを繰り返すことで前記キャリッジを定速走行させ,その後,当初の停止位置までに至る減速曲線と同じ減速曲線にて,前記延長された停止位置に停止するように,前記減速度テーブルを参照して前記キャリッジの速度を制御することを特徴とする。
本願請求項3に記載の発明に係るキャリッジ駆動制御装置は,請求項1又は2において,前記キャリッジを定速走行させる距離は,当初の停止位置と前記延長指定により延長された位置との間の距離に等しい距離であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るキャリッジ駆動制御装置の他の態様は,前記速度制御手段が,前記延長指定を受けた時の前記キャリッジの移動速度および位置,ならびに,前記延長された停止位置からあらかじめ定められた計算式に基づいて求められた減速度によって前記キャリッジを減速させるものである,ことを特徴とする。計算式により減速度が求められるので,減速度を記憶しておく必要がなく,記憶するためのメモリ等のハードウェア量を減少させることができる。なお,「あらかじめ定められた計算式」には,延長指定を受けた時のキャリッジの移動速度および現在位置,ならびに,延長された停止位置とを直線で結び,その直線上の値として速度を算出するものが含まれる。
【0010】
本発明に係るキャリッジ駆動制御装置の他の態様は,前記速度制御手段が,前記延長指定を受けた時に,一旦あらかじめ定められて距離を,前記延長指定を受けた時の移動速度で定速走行した後,該定速走行後,該移動速度および定速走行の終了位置,ならびに,前記延長された停止位置から計算式に基づいて求められた減速度によって前記キャリッジを減速させるものである,ことを特徴とする。
【0011】
ここで,「あらかじめ定められた距離」とは,当初の停止位置から延長された停止位置までの距離と同じであってもよいし,異なっていてもよい。ただし,あらかじめ定められて距離を走行したキャリッジの位置が,延長された停止位置を超えることはない。
本願請求項3に記載の発明によると,キャリッジは,一旦定速走行に移行するので,定速走行に移行することなく減速して,延長された停止位置に停止するよりも短時間で,延長された停止位置に到達することができる。これにより,スループットをより一層向上させることができる。
【0012】
本発明に係るキャリッジ駆動制御装置の他の態様は,前記速度制御手段が,前記延長指定を受けた時に,一旦あらかじめ定められて距離を,前記延長指定を受けた時の移動速度で定速走行した後,段階的に減速させる速度が表された減速度テーブルに基づいて前記キャリッジを減速させるように制御するものである,ことを特徴とする。減速度テーブルに基づいて,段階的にキャリッジが減速される。したがって,キャリッジの特性等との関係から好ましい減速曲線を描いてキャリッジを減速させる減速度データを該減速度テーブルに格納しておくことにより,キャリッジの特性等に適した減速を行うことができる。
【0013】
本発明に係るキャリッジ駆動制御装置の他の態様は,前記速度制御手段が,前記延長指定を受けた時の前記キャリッジの移動速度から,該移動速度より低速のあらかじめ定められた速度までは,段階的に減速させる速度が表された減速度テーブルに基づいて前記キャリッジを減速させ,その後,該減速された速度およびその時のキャリッジの位置,ならびに,前記延長された停止位置から,あらかじめ定められた計算式に基づいて求められた減速度によって前記キャリッジを減速させるように制御するものである,ことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るキャリッジ駆動制御装置の他の態様は,前記速度制御手段が,前記延長指定を受信した時の前記キャリッジの移動速度および現在位置,ならびに,前記移動速度よりも低速のあらかじめ定められた速度および前記現在位置よりキャリッジの移動方向に位置するあらかじめ定められた位置からあらかじめ定められた計算式に基づいて求められた減速度によって前記キャリッジを減速させ,その後,停止位置までは,段階的に減速させる速度が表された減速度テーブルに基づいて前記キャリッジを減速させるように制御するものである,ことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るキャリッジ駆動制御装置の他の態様は,前記速度制御手段が,前記延長指定を受信した時からあらかじめ定められた計算式に基づいて定められた減速度による減速と,一定速度で走行する低速走行とを交互に複数回繰り返すことにより前記キャリッジを減速させるように制御するものである,ことを特徴とする。減速と定速走行とが繰り返されるので,段階的にキャリッジを減速させることができる。
【0016】
本発明に係るキャリッジ駆動制御装置の他の態様は,被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジを主走査方向に駆動制御するためのキャリッジ駆動制御装置であって,第1の装置と第2の装置とを備え,前記第1の装置は,前記記録データから,少なくとも,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置および次の主走査におけるキャリッジの移動開始位置を求め,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を第2の装置に出力するとともに,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置および前記次の主走査におけるキャリッジの移動開始位置に基づいて前記現在の主走査におけるキャリッジの停止位置を延長できるかどうかを判断し,延長できると判断した場合には,延長指定および延長されたキャリッジの停止位置を第2の装置に出力するように構成され,前記第2の装置は,入力した前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速した後,あらかじめ定められた定速度で定速走行させ,その後あらかじめ定められた減速度で減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させるとともに,前記キャリッジの減速中に前記第1の装置から延長指定を入力した場合には,入力した前記延長されたキャリッジの停止位置に基づいて,前記あらかじめ定められた減速時の速度を実時間で変更して,前記延長されたキャリッジの停止位置に前記キャリッジを停止させるように構成されている,ことを特徴とする。
【0017】
本願請求項4に記載の発明に係る記録装置は,請求項1から3のいずれか1項に記載のキャリッジ駆動制御装置を備えていることを特徴とする。本願請求項4に記載の発明によると,記録装置において,本願請求項1から3のいずれか1項に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0018】
本発明に係るキャリッジ駆動制御方法は,被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジを主走査方向に駆動制御するためのキャリッジ駆動制御方法であって,前記記録データから求められた,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を含む駆動情報に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速した後,あらかじめ定められた定速度で定速走行させ,その後あらかじめ定められた減速度で減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させるように前記キャリッジの速度を制御するとともに,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を前記キャリッジの進行方向側に延長する延長指定が該キャリッジの減速中に与えられた場合には,前記キャリッジが,延長された停止位置に停止するように,前記あらかじめ定められた減速度を変更する,ことを特徴とする。
【0019】
本発明に係るキャリッジ駆動制御方法の他の態様は,被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジを主走査方向に駆動制御するためのキャリッジ駆動制御方法であって,前記記録データから,少なくとも,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置および次の主走査におけるキャリッジの移動開始位置を求め,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置および前記次の主走査におけるキャリッジの移動開始位置に基づいて前記現在の主走査におけるキャリッジの停止位置を延長できるかどうかを判断し,延長できないと判断した場合には,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速した後,あらかじめ定められた定速度で定速走行させ,その後あらかじめ定められた減速度で減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させ,延長できると判断した場合であって,かつ,前記キャリッジの減速中に,当該延長する旨の指定があった場合には,前記延長されたキャリッジの停止位置に基づいて,前記あらかじめ定められた減速時の速度を実時間で変更して,前記延長されたキャリッジの停止位置に前記キャリッジを停止させる,ことを特徴とする。
【0021】
本発明に係るコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジの主走査方向の駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって,前記記録データから求められた,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を含む駆動情報に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速する手順と,あらかじめ定められた定速度で定速走行させる手順と,あらかじめ定められた減速度で減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させる手順と,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を前記キャリッジの進行方向側に延長する延長指定が該キャリッジの減速中に与えられた場合には,前記キャリッジが,延長された停止位置に停止するように,前記あらかじめ定められた減速度を変更する手順と,をコンピュータに実行させるプログラムを記録している。
【0023】
本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジの主走査方向の駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって,前記記録データから,少なくとも,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置および次の主走査におけるキャリッジの移動開始位置を求める手順と,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置および前記次の主走査におけるキャリッジの移動開始位置に基づいて前記現在の主走査におけるキャリッジの停止位置を延長できるかどうかを判断する手順と,延長できないと判断した場合には,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速した後,あらかじめ定められた定速度で定速走行させ,その後あらかじめ定められた減速度で減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させる手順と,延長できると判断した場合であって,かつ,前記キャリッジの減速中に,当該延長する旨の指定があった場合には,前記延長されたキャリッジの停止位置に基づいて,前記あらかじめ定められた減速時の速度を実時間で変更して,前記延長されたキャリッジの停止位置に前記キャリッジを停止させる手順と,をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は,本発明に係る「記録装置」としてのインク・ジェット・プリンタの概略構成を示す斜視図である。このインク・ジェット・プリンタ(以下,単に「プリンタ」という。)60には,給紙挿入口61が設けられ,この給紙挿入口61に,「被記録材」としての印刷用紙50がセットされる。セットされた印刷用紙50は,給紙モータ63により回転駆動される給紙ローラ64によって,紙送りローラ65に給送される。紙送りローラ65は,紙送りモータ(以下「PFモータ」という。)1によって回転駆動され,給送された印刷用紙50を従動ローラ66との間で挟圧搬送して,副走査方向に送り出す。キャリッジ3は,ガイド軸32に案内されて,印刷用紙の幅方向(主走査方向)に往復移動しながら,PFローラ65によって搬送される印刷用紙に記録(印刷)を行う。
【0026】
印刷された印刷用紙は,排紙ローラ68に向けて搬送される。排紙ローラ68は,PFモータ1により歯車輪列67a,67bおよび67cを介して回転駆動され,搬送された印刷用紙50を従動ローラ69との間で搬送して,排出口62に送り出す。そして,最終的に,印刷された印刷用紙50は,排出口62からプリンタ60の外部に排出される。
【0027】
図2は,図1に示すキャリッジ3およびこのキャリッジ3を駆動するキャリッジ駆動装置の部分を詳細に示す斜視図である。キャリッジ3には,インク・カートリッジ34が搭載されるとともに,印刷用紙50に対向する部分には,記録ヘッド9が取り付けられている。記録ヘッド9の印刷用紙50に対向する面には,図示しない複数のノズルからなるノズル列が形成されており,このノズル列から,インク・カートリッジ34内のインクが印刷用紙50に向けて吐出されて,印刷(記録)が行われる。
【0028】
キャリッジ3の駆動源であるキャリッジ・モータ(以下「CRモータ」という。)4は,本実施の形態ではDCモータにより構成されている。このCRモータ4のモータ出力軸には,駆動プーリ(モータ・ピニオン)30が取り付けられ,この駆動プーリ30と従動プーリ33との間には,タイミング・ベルト31が巻回されている。このタイミング・ベルト31によって,CRモータ4の駆動力がキャリッジ3に伝達され,キャリッジ3は主走査方向に往復移動するようになっている。キャリッジ3の位置および移動速度は,所定の間隔にスリットが形成された符号板12を含むリニア式エンコーダ11(後述する図3参照)によって検出される。
【0029】
なお,キャリッジ3の非印刷領域には,非印刷時に記録ヘッド9のノズルを封止するためのキャッピング装置35と,ノズルからインクを吸い出すポンプ・ユニット36とが設けられている。
【0030】
図3は,プリンタ60の制御装置100の構成を示すブロック図である。この制御装置100は,「第1の装置」としてのCPU16,「第2の装置」としてのDCユニット(以下「DCU」という。)6,タイマIC17,インタフェース部(以下「IF」という。)19,ASIC20,PROM21,RAM22,EEPROM23,紙送りモータ・ドライバ2,ヘッド・ドライバ10,CRモータ・ドライバ5,およびポンプ・モータ・ドライバ8を備えている。
【0031】
制御装置100のDCU6には,搬送される印刷用紙50の始端および終端を検出する紙検出センサ15からの検出信号と,搬送される印刷用紙50の実際の位置(現在位置)を検出するエンコーダ13から検出信号とが与えられる。また,DCU6には,リニア式エンコーダ11から出力信号(たとえば,符号版12のスリットの前端を検出する立ち上がり信号と,後端を検出する立ち下がり信号)が与えられる。
【0032】
CPU16は,プリンタ60の全体の制御を行い,タイマIC17は,CPU16に対して周期的な割込信号を発生する。IF19は,ホスト・コンピュータ18との間でデータの送受信を行い,ASIC20は,ホスト・コンピュータ18からIF19を介して送られてくる印字データに基づいて印字解像度や記録ヘッド9の駆動波形等を制御するものである。
【0033】
RAM22は,ASIC20およびCPU16の作業領域やプログラム格納領域として用いられる。PROM21およびEEPROM23には,ASIC20,CPU16,およびDCU6のプログラムおよび処理に必要なデータが格納されている。
【0034】
紙送りモータ・ドライバ2は,DCU6の制御の下,PFモータ1を駆動制御して,紙送りを行う。ポンプ・モータ・ドライバ8は,CPU16の制御の下,ポンプ・モータ7を制御する。ヘッド・ドライバ10は,DCU6の制御の下,記録ヘッド9を駆動制御して,IF19から与えられる印字データに基づいて記録ヘッド9からインクを吐出させる。CRモータ・ドライバ5は,DCU6の制御の下,CRモータ4を駆動制御して,キャリッジ3を移動または停止させる。
【0035】
本発明は,このうちCRモータ4の制御に関するものであるので,以下では,このCRモータ4の制御の部分について詳述する。図4は,「キャリッジ駆動制御装置」としての,DCU6におけるCRモータ4の駆動制御を行う部分を示すブロック図である。
【0036】
DCU6は,位置演算部6a,減算器6b,目標速度演算部6c,速度演算部6d,減算器6e,比例要素6f,積分要素6g,微分要素6h,加算器6i,D/Aコンバータ6j,タイマ6k,および加速制御部6mを備えている。
【0037】
タイマ6kおよび加速制御部6mは,加速区間における加速制御を行う一方,位置演算部6a,減算器6b,目標速度演算部6c,速度演算部6d,減算器6e,比例要素6f,積分要素6g,微分要素6h,および加算器6iは,定速区間および減速区間におけるPID制御を行う。加速制御部6mまたは加算器6iの出力,すなわちCRモータ4の駆動電流の値(デジタル値)は,D/Aコンバータ6jに送られてアナログ値に変換される。このアナログ値は,CRモータ・ドライバ5に与えられ,CRモータ・ドライバ5は,与えられたアナログ値を有する電流をCRモータ4に通電する。これにより,CRモータ4が回転する。
【0038】
DCU6において,位置演算部6aは,リニア式エンコーダ11からの出力信号に基づいて,CRモータ4によって走行するキャリッジの現在位置を演算する。減算器6bは,目標位置と,位置演算部6aが演算した現在位置との位置偏差を演算する。ここで,「目標位置」とは,現在の主走査におけるキャリッジ3の停止位置をいい,CPU16から与えられる。
【0039】
目標速度演算部6cは,減算器6bの出力である位置偏差に基づいてCRモータ4の目標速度を演算する。この演算は,たとえばリニア式エンコーダ11から出力信号が与えられるごとに実行され,位置偏差にゲインKpを乗算することにより行われる。ゲインKpは,位置偏差に応じて決定され,ゲインKpの値は,PROM21もしくはEEPROM23またはDCU6に記憶されたテーブルに格納されている。なお,減速区間における処理および本発明に係る減速区間において停止位置の延長指定を受けた場合の処理については,後に詳述する。
【0040】
速度演算部6dは,リニア式エンコーダ11の出力信号に基づいてCRモータ4の実際の速度を演算する。減算器6eは,目標速度と,速度演算部6dによって演算されたCRモータ4の実際の速度との速度偏差を演算する。比例要素6fは,速度偏差に定数Gpを乗算し,乗算結果を出力する。積分要素6gは速度偏差に定数Giを乗じたものを積算する。微分要素6hは,現在の速度偏差と,1つ前の速度偏差との差に定数Gdを乗算し,乗算結果を出力する。これら比例要素6f,積分要素6g,および微分要素6hの出力は,加算器6iにおいて加算される。そして,加算結果,すなわちCRモータ4の駆動電流は,前述したように,D/Aコンバータ6jに送られてアナログ電流に変換され,このアナログ電流に基づいてCRモータ・ドライバ5はCRモータ4を駆動制御する。
【0041】
図5は,キャリッジ3の減速区間における目標速度とキャリッジ3の絶対位置との間の関係を示すグラフである。ここで,キャリッジ3の「絶対位置」とは,キャリッジ3の待機位置(ホーム・ポジション)を基準としたキャリッジ3の位置をいう。
【0042】
図5において,実線のグラフは,現在の主走査において,停止位置の延長指定がない場合におけるキャリッジ3の目標速度と絶対位置との関係を示している。キャリッジ3は,停止した状態から加速して速度vに達した後に定速走行に移行し,絶対位置(以下,単に「位置」という。)Aにおいて減速を開始した後,位置Bにおいて一旦速度vの微速度で定速走行を行い,最終的に位置(すなわち目標位置)Cで停止するという動作をとる。
【0043】
ここで,A−B間の減速直線は,位置Aをd,目標速度をv,位置Bをd,目標速度をvとすると,PROM21もしくはEEPROM23またはDCU内の内部メモリ(図示略)にあらかじめ記憶された以下の速度関数f(x)に基づいて定められている。
【0044】
v=f(x)={(v−v)/(d−d)}・x+(v・d−v・d)/(d−d
また,位置Bと位置Cとの間の定速走行区間の距離Lおよび速度vもPROM21もしくはEEPROM23またはDCU内の内部メモリにあらかじめ記憶されており,この記憶された距離Lおよび速度vに基づいてキャリッジ3の速度制御および停止制御が行われる。
【0045】
すなわち,DCU6は,停止位置として目標位置CがCPU16から与えられると,停止位置Cから距離Lを引くことにより位置Bを求め,さらに位置Bから速度関数f(x)に基づいて位置Aを求める。DCU6は,これらに位置A,BおよびCに基づいて,位置Aまで定速走行を行った後,速度関数f(x)に基づいて位置Bまで減速を行い,その後,一定速度vで位置Bからあらかじめ定められた距離Lを走行した後停止するようにキャリッジ3を制御する。
【0046】
なお,この速度関数f(x)がPROM21またはEEPROM23にあらかじめ記憶されている場合には,CPU16を介してDCU6に与えられることとなる。距離Lおよび速度vについても同様である。
【0047】
一方,図5において,一点鎖線のグラフは,現在の主走査において,キャリッジ3の停止位置の延長指定が,減速区間に含まれる位置Pの時点(またはその直前の時点)でCPU16からDCU6に与えられた場合におけるキャリッジ3の目標速度と絶対位置との関係を示している。キャリッジ3は,位置Pから,延長指定とともに与えられた新たな停止位置としての目標位置Rで停止するように,速度関数をf(x)からg(x)に変更して位置Qまで減速し,その後,前述したB−C間と同様に,位置Qから位置Rまでのあらかじめ定められた距離Lを速度vで定速走行した後停止する。
【0048】
ここで,位置Pをd,目標速度をv,位置Qをd,目標速度をvとすると,速度関数g(x)は次のようになる。
【0049】
v=g(x)={(v−v)/(d−d)}・x+(v・d−v・d)/(d−d
図6は,図4の目標速度演算部6cの減速区間における目標速度演算を行う部分の機能ブロック図であり,図5に示す減速区間の処理を行う部分である。目標速度演算部6cは,延長指定判定器81と,第1の減速度算出器82と,第2の減速度算出器83と,セレクタ84と,目標速度算出器85とを備えている。
【0050】
延長指定判定器81は,キャリッジ3の停止位置の延長指定がCPU16から送られたどうかを判定し,延長指定が送られていない場合には,延長指定OFF信号をセレクタ84に出力し,延長指定が送られた場合には,延長指定ON信号をセレクタ84に出力する。
【0051】
CPU16は,ホスト18から与えられる印字データに基づいて,現在の主走査におけるキャリッジ3の停止位置(目標位置)と,次の主走査におけるキャリッジ3の移動開始位置とに基づいて,現在の主走査におけるキャリッジ3の停止位置を延長できるかどうかを判断し,延長できると判断した場合には延長指定をDCU6に送り,そうでない場合には送らない。図7は,CPU16がDCU6に延長指定を送る場合と送らない場合とのキャリッジ3の位置関係を示している。図7(a)は,CPU16がDCU6に延長指定を送る場合を示し,同図(b)および(c)は,CPU16がDCU6に延長指定を送らない場合を示している。これらの各図において,上部に示す図7(a1),(b1)および(c1)は,キャリッジ3の現在の主走査の移動開始から移動終了までの区間を示し,下部に示す図7(a2),(b2)および(c2)は,次の主走査の移動開始から移動終了までの区間を示している。なお,これらの図においては,キャリッジ3の位置関係を大小関係で比較しやすくするために,待機位置HPを原点とし,待機位置HPより右側の位置を正の値を有する位置としている。
【0052】
図7(a1),(b1)および(c1)に示すように,キャリッジ3は,現在の主走査において,位置Sから移動を開始し,加速,定速および減速走行を行い,位置Eで停止する。CPU16は,次の主走査の区間の両端位置NとNとの中点M(=(N+N)/2)およびキャリッジ3の進行方向側にある端部位置Nと,現在の主走査の停止位置(すなわち目標位置)Eとを比較する。図7(a)に示すように,M<E≦Nならば,CPU16は,延長指定をDCU6に送る。一方,図7(b)に示すようにE<Mの場合,または,図7(c)に示すようにE>Nの場合には,CPU16は,DCU6に延長指定を送らない。
【0053】
図7とは逆に,キャリッジ3が右から左に向けて移動する場合にも,同様にして,図8に示すように,CPU16は,図8(a)の場合に延長指定をDCU6に送り,図8(b)および(c)の場合には送らない。
【0054】
セレクタ84は,延長指定判定器81の延長指定OFF信号または延長指定ON信号と,位置偏差データとから,目標速度算出器85に目標速度を出力する。すなわち,セレクタ84は,位置偏差データに基づいて,現在のキャリッジの区間が定速区間であるのか減速区間であるのかを判断する。なお,この場合の位置偏差データとは,現在の主走査におけるキャリッジ3の目標位置と,現在の主走査におけるキャリッジ3の現在位置との間の差分値である。そして,たとえば,減速区間において,延長指定判定器81から延長指定OFF信号が与えられていると,セレクタ84は,キャリッジ3が当初のキャリッジ停止位置C(図5参照)で停止するように,第1の減速度算出器82の出力である前述した速度関数f(x)により求められた目標速度を選択して,目標速度算出器85に出力する。一方,減速区間において,延長指定判定器81から延長指定ON信号が与えられていると,セレクタ84は,延長された目標位置を要求する信号をCPU16に出力する。CPUはこの要求信号を受信すると,延長された目標位置(図7(a)では位置N)を新たな目標位置としてDCU6に与える。その後,新たな目標位置がCPU16から与えられると,セレクタ84は,キャリッジ3が,延長されたキャリッジ停止位置R(図5参照)で停止するように,第2の減速度算出器83の出力である前述した速度関数g(x)により求められた目標速度を選択して,目標速度算出器85に出力する。すなわち,減速時のキャリッジ3の速度が,速度関数f(x)で規定される速度から速度関数g(x)で規定される速度に実時間で変更されることとなる。
【0055】
目標速度算出器85は,入力される位置偏差にオフセットを考慮する場合には,セレクタ84で選択された目標速度に位置偏差に応じたオフセットを加算して出力する。
【0056】
このようにして,減速区間において,図5のグラフに示すような減速制御が行われる。これにより,減速区間において延長指定が与えられた場合においても,延長された目標停止位置にそのまま減速を続行して停止することができ,スループットが向上される。
【0057】
一方,前述した速度関数f(x)またはg(x)により減速の目標速度を求めるのではなく,あらかじめ定められた減速度テーブルに基づいて目標速度を求めることもできる。図9は,減速度テーブルによるキャリッジ3の減速の様子を示すグラフである。減速度テーブルによる減速は,キャリッジ3を速度関数f(x)またはg(x)のように直線的に減速させるよりも曲線を描いて減速させた方が,キャリッジ3の特性等との関係から好ましい場合に用いられる。
【0058】
図9の実線は,延長指定を受けていない場合における減速度テーブルに基づく減速の様子を示している。キャリッジ3は,位置Aで減速を開始し,減速度テーブルに基づいて減速曲線を描いて減速し,位置Bで一旦減速を中止して速度vの定速走行に移り,距離Lを移動した後,位置Cで最終的に停止する。位置Bから位置Cまでの距離Lおよびこの時の速度vは,前述した図5に示すものと同じである。
【0059】
一方,位置Pにおいて延長指定を受けると,キャリッジ3は,一旦減速を中止して位置Pから位置Sまで定速走行に移行し,位置Sから位置Qまで再び減速曲線を描いて停止する。ここで,定速走行区間PSの距離は,当初の停止位置Cと延長された停止位置Rとの間の距離と等しくされ,位置Sから位置Qまでに至る減速曲線が位置Pから位置Bまでに至る減速曲線と同じになるようにされている。これは,このような減速曲線を描くことがキャリッジ3の特性等が好ましいからである。
【0060】
図10は,減速度テーブルを示している。減速度テーブルには,テーブルの欄が上から下に向かうほど(すなわちインデックスi=1からnに向かうほど),その絶対値として大きな値を有する目標速度が格納されており,各目標速度の値は,それらを結ぶと図9に示す位置Aから位置Bに向かう曲線となるようにあらかじめ設定されている。この減速度テーブルの各目標速度は,たとえばリニア式エンコーダ11からの出力信号が与えられるごとに,インデックスi=nから1に向けて順次目標速度演算部6cによって読み出され,キャリッジ3の移動速度は,この読み出された目標速度となるように制御される。すなわち,位置Aから位置Bに向かうにつれて,順次i=nから1に向けて目標速度vからvが目標速度演算部6cによって順次読み出され,その結果,キャリッジ3は,図9に示す速度曲線を描くように減速される。
【0061】
なお,減速度テーブルの各目標速度の値は離散的であるために,図9に示す位置Aから位置Bに向かう速度曲線は,微視的に見ると滑らかな曲線ではなく階段(ステップ)状に減速するようになっている(図9のグラフは巨視的に見たものである)。
【0062】
一方,位置Pにおいて延長指定が与えられた場合には,次のような減速テーブルの読み出し処理が行われる。すなわち,延長指定が与えられた時点におけるインデックスをm,インデックスmに対する目標速度をvとすると,距離PS(すなわち延長された距離)を走行する間,目標速度演算部6cは,インデックスmに対する目標速度vの読み出しを繰り返す。距離PSを走行した後,目標速度演算部6cは,インデックス〔m−1〕に対する目標速度vm−1からインデックス1に対する目標速度vに向けて順次読み出し,減速制御を行う。
【0063】
なお,減速度テーブルと速度関数g(x)とを組み合わせて,減速を行うこともできる。図11は,減速度テーブルと速度関数とを併用した減速の様子を示すグラフである。図11では,キャリッジ3が位置Aから減速度テーブルを用いて減速しているときにおいて,位置Pで延長指定を受けた場合に,目標速度演算部6cが減速度テーブルを用いた減速を位置Tまでそのまま続行し,その後,位置Tから位置Qまでは速度関数g(x)を用いて減速を行う様子が示されている。ここで,位置Tまたは位置Tにおける速度は,PROM21もしくはEEPROM23またはDCU6の内部メモリにあらかじめ記憶されている。
【0064】
また,これとは反対に,延長指定後,速度関数g(x)を用いて減速を行った後,減速度テーブルを用いて減速を行うこともできる。
【0065】
さらに,図12のグラフに示すように,定速走行と減速とを交互に行い段階的に減速を行うこともできる。すなわち,位置Pにおいて延長指定を受けた場合に,位置Tまで定速走行を行い,位置Tから位置Tに向けて減速し,さらに位置Tから位置Tまで定速走行を行い,その後位置Tから位置Qまで減速を行い,最終的に位置Qから位置Rまで前述した微速度定速走行を行った後停止する。この繰り返しは,図12に示す回数と異なる回数で行うようにしてもよい。
【0066】
なお,これまで述べた目標速度演算部6cにおける減速制御は,ハードウェア回路によって実現することもできるし,プログラムおよびプログラムを実行する処理装置(CPU等)によって実現することもできる。また,減速制御を記述したプログラムは,フロッピィ・ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することもできる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によると,減速区間で延長指定を受けた場合でも,一旦停止した後,再び加速して延長された停止位置に向かうことなく,そのまま,減速して延長された停止位置に向かうので,スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク・ジェット・プリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すキャリッジおよびこのキャリッジを駆動制御するキャリッジ制御装置の部分を詳細に示す斜視図である。
【図3】プリンタの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】DCUにおけるCRモータの駆動制御を行う部分を示すブロック図である。
【図5】キャリッジの減速区間における目標速度とキャリッジの絶対位置との間の関係を示すグラフである。
【図6】図4の目標速度演算部の減速区間における目標速度演算を行う部分の機能ブロック図である。
【図7】CPUがDCUに延長指定を送る場合と送らない場合とのキャリッジの位置関係を示し,(a)は,CPUがDCUに延長指定を送る場合を示し,(b)および(c)は,CPUがDCUに延長指定を送らない場合を示す。
【図8】CPUがDCUに延長指定を送る場合と送らない場合とのキャリッジの位置関係を示し,(a)は,CPUがDCUに延長指定を送る場合を示し,(b)および(c)は,CPUがDCUに延長指定を送らない場合を示す。
【図9】減速度テーブルによるキャリッジの減速の様子を示すグラフである。
【図10】減速度テーブルを示す。
【図11】減速度テーブルと減速関数とを併用した減速の様子を示すグラフである。
【図12】定速走行と減速とを交互に行い段階的に減速を行う様子を示すグラフである。
【符号の説明】
60 インク・ジェット・プリンタ
50 印刷用紙
3 キャリッジ
4 CRモータ
5 CRモータ・ドライバ
6 DCU
11 リニア式エンコーダ
16 CPU
6a,6e 減算器
6c 目標速度演算部
6d 速度演算部
6i 加算器
81 延長指定判定器
82 第1の減速度算出器
83 第2の減速度算出器
84 セレクタ
85 目標速度算出器
100 制御装置

Claims (4)

  1. 被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジを主走査方向に駆動制御するためのキャリッジ駆動制御装置であって,
    前記キャリッジの位置を検出するエンコーダと,
    前記記録データから求められた,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を含む駆動情報に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速した後,あらかじめ定められた定速度で定速走行させ,その後あらかじめ定められた前記エンコーダの出力信号に対応する目標速度を示した減速度テーブルに基づき減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させるように前記キャリッジの速度を制御する速度制御手段を備え,
    該速度制御手段が,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を前記キャリッジの進行方向側に延長する延長指定が該キャリッジの減速中に与えられた場合には,前記キャリッジの減速を一旦中止して定速走行に移行させ,その後,当初の停止位置までに至る減速曲線と同じ減速曲線にて,前記延長された停止位置に停止するように,前記減速度テーブルを参照して前記キャリッジの速度を制御することを特徴とするキャリッジ駆動制御装置。
  2. 被記録材を副走査しながら,記録ヘッドを備えたキャリッジを主走査方向に往復移動させて前記被記録材に記録データを記録する記録装置における該キャリッジを主走査方向に駆動制御するためのキャリッジ駆動制御装置であって,
    前記キャリッジの位置を検出するエンコーダと,
    前記記録データから求められた,現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を含む駆動情報に基づいて,前記キャリッジを,あらかじめ定められた加速度で加速した後,あらかじめ定められた定速度で定速走行させ,その後あらかじめ定められた前記エンコーダの出力信号に対応する目標速度を示した減速度テーブルに基づき減速して,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置に停止させるように前記キャリッジの速度を制御する速度制御手段を備え,
    該速度制御手段が,前記現在の主走査におけるキャリッジ停止位置を前記キャリッジの進行方向側に延長する延長指定が該キャリッジの減速中に与えられた場合には,前記キャリッジの減速を一旦中止し,前記延長指定が与えられた時点における前記エンコーダの出力信号に対応する前記目標速度データの読み出しを繰り返すことで前記キャリッジを定速走行させ,その後,当初の停止位置までに至る減速曲線と同じ減速曲線にて,前記延長された停止位置に停止するように,前記減速度テーブルを参照して前記キャリッジの速度を制御することを特徴とするキャリッジ駆動制御装置。
  3. 請求項1又は2において,前記キャリッジを定速走行させる距離は,当初の停止位置と前記延長指定により延長された位置との間の距離に等しい距離であることを特徴とするキャリッジ駆動制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のキャリッジ駆動制御装置を備えていることを特徴とする記録装置。
JP2000245469A 2000-02-25 2000-08-14 キャリッジ駆動制御装置および制御方法 Expired - Fee Related JP4141626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000245469A JP4141626B2 (ja) 2000-02-25 2000-08-14 キャリッジ駆動制御装置および制御方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-49494 2000-02-25
JP2000049494 2000-02-25
JP2000245469A JP4141626B2 (ja) 2000-02-25 2000-08-14 キャリッジ駆動制御装置および制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001310517A JP2001310517A (ja) 2001-11-06
JP4141626B2 true JP4141626B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=26586110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000245469A Expired - Fee Related JP4141626B2 (ja) 2000-02-25 2000-08-14 キャリッジ駆動制御装置および制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4141626B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4552541B2 (ja) 2004-07-09 2010-09-29 ブラザー工業株式会社 キャリッジ駆動制御装置及び方法
JP4609052B2 (ja) 2004-11-30 2011-01-12 ブラザー工業株式会社 モータ制御方法及び装置
JP5298805B2 (ja) * 2008-11-25 2013-09-25 セイコーエプソン株式会社 記録装置及び記録装置における記録方法
JP2013223978A (ja) * 2012-04-23 2013-10-31 Seiko Epson Corp 印刷装置、及び、印刷方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001310517A (ja) 2001-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09202014A (ja) プリンタ
JP4457456B2 (ja) 印刷装置
JP3859115B2 (ja) プリンタ用モータの制御装置および制御方法ならびに制御プログラムを記録した記録媒体
JP2001169584A (ja) プリンタ用モータの制御装置およびその制御方法ならびに制御プログラムを記録した記録媒体
JP4141626B2 (ja) キャリッジ駆動制御装置および制御方法
JP3053144B2 (ja) プリンタのキャリッジモータ制御装置
US6592198B2 (en) Recording apparatus with control of a recording medium conveying mechanism
US20050195226A1 (en) Printer-control apparatus, printer-control method and printer
JP3570617B2 (ja) Dcモータ制御装置及び制御方法
JP3777936B2 (ja) モータ制御方法及び制御装置
US20080204484A1 (en) Serial printer and method for controlling printing operation thereof
JP4009834B2 (ja) モータ制御装置、記録装置
JP3812283B2 (ja) 印刷制御装置および印刷制御方法ならびに印刷制御プログラムを記録した記録媒体
JP4412314B2 (ja) モータ制御装置、記録装置
JP2001334717A (ja) 記録制御方法および記録装置
JP3893853B2 (ja) プリンタ用モータの制御装置および制御方法
JP3705061B2 (ja) モータの制御装置およびその制御方法ならびにモータの制御プログラムを記録した記録媒体
JP3812351B2 (ja) 印刷制御装置および印刷制御方法ならびに印刷制御プログラムを記録した記録媒体
JP2021066098A (ja) インクジェット記録装置
JP3849908B2 (ja) 印刷制御装置および印刷制御方法
JP2003237057A (ja) インクジェット記録装置および記録方法
JP3871181B2 (ja) 印刷制御装置および制御方法ならびに印刷制御プログラムを記録した記録媒体
JP2022154877A (ja) 制御システム
JP3945362B2 (ja) Dcモータを備えた印刷装置
JP2006272762A (ja) 印刷装置、印刷方法、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080514

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees