JP4141160B2 - マルチパック包装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主として、ビールや清涼飲料等の飲料が充填された丸形や角形の缶やビン等の剛性で自立性を有する自立容器を小分け包装するマルチパック包装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自立容器であるビール缶を小分け包装するマルチパック包装装置として、図8に示したものが従来から知られている。このマルチパック包装装置は、缶Aを複列の状態で一方向に連続して搬送し、その複列の缶A上に小分け包装用の例えば紙製の包装シートSを先行側の包装シートSとの間に殆ど隙間が形成されないようにして連続的に供給し、その包装シートSの移送中に、包装シートSの折曲げを行なって複数の缶Aを包み込むようにしている。
【0003】
ここで、包装シートSは、図9(I)に示すように、その包装シートSに形成された上面パネルP1 が複数の缶A(図9の場合6缶)を一単位とする単位体Uの上面で支持されるよう供給される。その包装シートSの折曲げに際しては、上記上面パネルP1 の両側に連設された一対の側面パネルP2 、P3 を図9(II)に示すように下向きにほぼ90°折曲げたのち、各側面パネルP2 、P3 に連設された底面パネルP4 、P5 を単位体Uの下面に向けてほぼ90°折曲げ、一方の底面パネルP4 に連設された複数の差し込み片a1 の先端部を他方の底面パネルP5 に形成された切込みb1 に挿入して係合させ、かつ、各差し込み片a1 の折曲げ部に形成された係合片a2 を他方の底面パネルP5 に設けられた切欠部b2 内に挿入して底面パネルP5 の内面に係合させて、図9(III )に示すように、単位体Uを包装する状態に保持するようにしている。
【0004】
上記包装シートSにおいては、上面パネルP1 と一対の側面パネルP2 、P3 の各連設部、および一対の側面パネルP2 、P3 と底面パネルP4 、P5 の各連設部のそれぞれに3つの切欠部dを缶Aの外径にほぼ等しい間隔をおいて設け、各切欠部dに缶Aの上下端における外周一部を嵌合させて缶Aを位置決めし、包装シートSから缶Aが脱落するのを防止している。
【0005】
上記のような缶Aの小分け包装において、単位体Uと包装シートSとが缶Aの移送方向に相対的に位置がずれると、包装シートSによって単位体Uを正確に包装することができなくなる。
【0006】
そのような不都合を解消するため、マルチパック包装装置においては、図8に示すように、包装シートSの移送路上にエンドレスのチェーン41に突起42を等間隔に設けたシート移送装置40を設け、上記突起42を包装シートSの移送方向前後縁に形成された切欠部Cにより形成される位置決め孔および単位体Uとそれに続く単位体Uの対向部間に形成された空間に嵌合させて包装シートSの位置決めを行なうと共に、その包装シートSを缶Aと同速度で移送させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マルチパック包装装置によって包装される缶A等の容器には、外径および高さのサイズが異なる数種のものが存在し、その容器のサイズに応じて包装シートSのサイズも異なるため、包装される容器のサイズが変更になると、シート移送装置40を包装シートSに対応するシート移送装置40に交換する必要が生じる。その交換に際して、従来では、重量のあるシート移送装置40を取外したのち、次に使用されるシート移送装置40の取付けを行なうようにしているため、交換に非常に手間がかかり、危険であった。
【0008】
この発明の課題は、容器および包装シートが変更された際のシート移送装置の交換を容易、かつ安全に行なうことができるようにしたマルチパック包装装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、互に接触する状態で一方向に連続して搬送される複列の自立容器上に小分け包装用の包装シートを先行側の包装シートとの間に隙間が殆ど形成されない状態で連続して供給し、包装シートの移送路上には突起を等間隔に設けたシート移送装置を設け、そのシート移送装置の突起を包装シートの移送方向前後縁に形成された切欠部により形成される位置決め孔に嵌合させて包装シートを位置決めし、かつ自立容器と同速度で移送し、その移送時に各包装シートの折曲げを行なって複数の自立容器を包み込むようにしたマルチパック包装装置において、前記包装シートの移送路上に設けられたシート移送装置が、突起のピッチが異なる複数のシート移送装置からなり、その複数のシート移送装置のいずれか一つが包装シートとの対向位置に配置されるよう複数のシート移送装置を切り換えて位置させる位置切換え手段を設け、その位置切換え手段が、包装シートの上面に対して昇降動される昇降枠と、その昇降枠に支持されて包装シートの移送方向と平行する軸心を中心に回転可能とされた回転枠とから成り、前記回転枠によって前記複数のシート移送装置を支持した構成を採用したのである。
【0010】
上記のように構成すれば、自立容器および包装シートの変更に伴うシート移送装置の交換は、位置切換え手段により包装シートに対応するシート移送装置を包装シートの移送路上に位置させるだけでよいため、シート移送装置をきわめて簡単に交換することができ、準備のための作業時間を大幅に短縮して安全性を確保することができる。
【0011】
また、位置切換え手段として、包装シートの上面に対して昇降動される昇降枠と、その昇降枠に支持されて包装シートの移送方向と平行する軸心を中心に回転可能とされた回転枠とから成り、前記回転枠によって前記複数のシート移送装置を支持した構成から成るものを採用したことにより、昇降枠の昇降動と、その昇降枠の上昇停止時における回転枠の回転とによってシート移送装置を交換することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図7に基づいて説明する。この実施の形態では、容器として外径のサイズが異なる2種類の缶A1 、A2 を小分け包装することができるようにしたマルチパック包装装置を示す。
【0014】
図4は、外径サイズの小さな缶A1 の6缶を小分け包装する包装シートS1 を示す。この包装シートS1 は図9に示す包装シートSと同一であるため、同一部分に同一符号を付して説明を省略する。一方、図7は、外径サイズの大きな缶A2 の6缶を小分け包装する包装シートS2 を示す。この包装シートS2 と図4に示す包装シートS1 とは各パネルのサイズが異なると共に、一対の側面パネルP2 、P3 の両端にその側面パネルP2 、P3 の内面に重なるよう折曲げられる折返しパネルP6 と、その折返しパネルP6 と上面パネルP1 の連設部に係合片eとが設けられている点で概ね相違している。このため、同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
なお、図7の包装シートS2 において、折返しパネルP6 を各側面パネルP2 、P3 の内面に重なる位置まで折曲げると、係合片eが上面パネルP1 の両端と側面パネルP2 、P3 の両端とで形成されるコーナ部および側面パネルP2 、P3 と底面パネルP4 、P5 の両端で形成されるコーナ部を塞ぐように起立して包装される缶A2 の脱落を防止するようになっている。このため、図7に示す包装シートS2 には、図4に示す包装シートS1 の各側面パネルP2 、P3 の上部の切欠部dが省略されている。
【0016】
図4および図7に示すいずれの缶A1 、A2 も図1に示すように、互に接触する2列の状態で矢印方向に連続して搬送される。図1は図4に示す缶A1 の搬送状態を示し、その缶A1 上に包装シートS1 が連続して供給される。この場合、包装シートS1 は、図4に示すように、先行側の包装シートS1 との間に隙間が殆ど形成されない状態で連続して供給される。
【0017】
包装シートS1 の移送路上には、第1シート移送装置11と第2シート移送装置12が設けられている。第1シート移送装置11および第2シート移送装置12は、一対のスプロケット13間にチェーン14をかけ渡し、そのチェーン14に突起15を等間隔に取付けている。
【0018】
第1シート移送装置11に設けられた突起15は、そのピッチが、図4に示す包装シートS1 の移送方向の前後縁間の幅寸法に等しく、包装シートS1 の移送方向前後の切欠部Cにより形成される位置決め孔および缶A1 の接触部間に形成される空間に対して嵌合可能とされ、その嵌合によって6缶の缶A1 と包装シートS1 は相対的に位置決めされるようになっている。
【0019】
一方、第2シート移送装置12に設けられた突起15は、そのピッチが、図7に示す包装シートS2 の移送方向の前後縁間の幅寸法に等しく、包装シートS2 の移送方向前後の切欠部Cにより形成される位置決め孔および缶A2 の接触部間に形成される空間に対して嵌合可能とされ、その嵌合によって6缶の缶A2 と包装シートS2 は相対的に位置決めされるようになっている。
【0020】
第1シート移送装置11および第2シート移送装置12は、位置切換え装置20によって連続的に移送される包装シートS1 又はS2 の上面と対向する位置に切換えて配置される。
【0021】
位置切換え装置20は、包装シートS1 、S2 の移送路上に設けられた昇降可能な門形の昇降枠21と、その昇降枠21によって回転自在に支持された回転枠22とを有している。昇降枠21は一対の軸受枠21aが缶A1 の移送方向で対向する配置とされ、昇降装置23によって昇降動されるようになっている。
【0022】
昇降装置23は、昇降枠21の上方に設けられた駆動軸24をモータ25で回転し、その駆動軸24の回転をギヤケース26内に組込まれた図示省略のベベルギヤによって駆動軸24と直交する2本のねじ軸27に伝え、各ねじ軸27にねじ係合したナット部材28のそれぞれを昇降枠21の前後端部の上部に固定して、ねじ軸27の回転により昇降枠21を昇降させるようにしている。
【0023】
回転枠22は、第1シート移送装置11を支持する第1フレーム29と第2シート移送装置12を支持する第2フレーム30とを平行に配置してその前後端部を連結部材31で互に連結し、各連結部材31に前記昇降枠21の軸受枠21aで回転自在に支持される回転軸32を包装シートS1 、S2 の移送方向と平行するよう設けている。
【0024】
上記回転枠22は昇降枠21の一方(前側)の軸受枠21aで支持されたモータ33によって回転されるようになっている。
【0025】
なお、図では省略したが、第1シート移送装置11および第2シート移送装置12は、回転枠22に支持された図示省略の2台のモータによってそれぞれ単独にシートを移送するように駆動される。
【0026】
実施の形態で示すマルチパック包装装置は上記の構造から成り、図1は第1シート移送装置11が包装シートS1 の移送路に対向配置されている状態を示し、その第1シート移送装置11の突起15は図4および図5に示すように、包装シートS1 の移送方向前後の切欠部Cにより形成される位置決め孔および缶A1 の接触部間に形成される空間内に嵌合して包装シートS1 と6缶の缶A1 とを相対的に位置決めしていると共に、包装シートS1 を缶A1 と同速度で移動させるようにしている。
【0027】
包装シートS1 はその移動時に図9(I)乃至(III )に示すように折曲げられて6缶の缶A1 を包み込むようになっている。
【0028】
包装される缶が図5に示すサイズの小さい缶A1 から図6に示すサイズの大きい缶A2 に変更になり、その変更に伴って図4に示す包装シートS1 から図7に示す包装シートS2 に変更されると、シート移送装置も第1シート移送装置11から第2シート移送装置12に交換する。
【0029】
シート移送装置の交換に際しては、図1に示す昇降装置23の作動により昇降枠21を上昇し、その昇降枠21の上昇停止位置において、モータ33の駆動により回転軸32を中心として回転枠22を180°回転し、第2シート移送装置12を第1シート移送装置11の下方に位置させたのち、昇降枠21を下降させて第2シート移送装置12を連続的に移送される包装シートS2 に対向させるようにする。
【0030】
このように、昇降枠21を昇降動させ、その昇降枠21の上昇停止時に回転枠22を180°回転させることによって第1シート移送装置11から第2シート移送装置12に交換することができるため、シート移送装置をきわめて簡単かつ安全に交換することができる。
【0031】
実施の形態では、回転枠22によって第1シート移送装置11と第2シート移送装置12の2種類のシート移送装置を支持するようにしたが、シート移送装置の支持数は包装シートの種類に応じてその支持数を決定する。例えば、包装シートが3種類存在すると、それぞれの包装シートのサイズに対応するシート移送装置を回転枠で支持し、その回転枠の回転によって各シート移送装置を包装シートの移送路に対向させる。
【0032】
実施の形態で示すように、昇降枠21の昇降動と、回転枠22の回転とによって第1シート移送装置11と第2シート移送装置12とを包装シートS1 、S2 にそれぞれ対応させて、その移送路と対向する位置に切り換えて位置させるようにすることによって、マルチパック包装装置の幅寸法が大型化するのを防止することができ、従来のマルチパック包装装置と幅寸法が等しいマルチパック包装装置を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、包装シートの移送路上に複数のシート移送装置を設け、その複数のシート移送装置を包装シートと対向する位置に切換えて位置させるようにしたので、自立容器および包装シートの変更に伴ってシート移送装置をきわめて簡単かつ安全に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るマルチパック包装装置の実施形態を示す概略図
【図2】図1の一部分を拡大して示す正面図
【図3】図2のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図
【図5】図1に示す第1シート移送装置によって包装シートを移送している状態の一部切欠正面図
【図6】図1に示す第2シート移送装置によって包装シートを移送している状態の一部切欠正面図
【図7】図6のVII −VII 線に沿った断面図
【図8】従来のマルチパック包装装置を示す概略図
【図9】(I)、(II)、(III )は缶の包装状態を段階的に示す正面図
【符号の説明】
A1 、A2 缶
S1 、S2 包装シート
11 第1シート移送装置
12 第2シート移送装置
14 チェーン
15 突起
20 位置切換え装置
21 昇降枠
22 回転枠
Claims (1)
- 互に接触する状態で一方向に連続して搬送される複列の自立容器上に小分け包装用の包装シートを先行側の包装シートとの間に隙間が殆ど形成されない状態で連続して供給し、包装シートの移送路上には突起を等間隔に設けたシート移送装置を設け、そのシート移送装置の突起を包装シートの移送方向前後縁に形成された切欠部により形成される位置決め孔に嵌合させて包装シートを位置決めし、かつ自立容器と同速度で移送し、その移送時に各包装シートの折曲げを行なって複数の自立容器を包み込むようにしたマルチパック包装装置において、前記包装シートの移送路上に設けられたシート移送装置が、突起のピッチが異なる複数のシート移送装置からなり、その複数のシート移送装置のいずれか一つが包装シートとの対向位置に配置されるよう複数のシート移送装置を切り換えて位置させる位置切換え手段を設け、その位置切換え手段が、包装シートの上面に対して昇降動される昇降枠と、その昇降枠に支持されて包装シートの移送方向と平行する軸心を中心に回転可能とされた回転枠とから成り、前記回転枠によって前記複数のシート移送装置を支持したことを特徴とするマルチパック包装装置。
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JP2002080271A JP4141160B2 (ja) | 2002-03-22 | 2002-03-22 | マルチパック包装装置 |
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