JP4139750B2 - ヒドラジン化合物 - Google Patents

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本発明は新規な化合物に関するものであり、該化合物を含む、高感度で保存安定性の優れたハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
従来から、ハロゲン化銀感光材料の高感度化が望まれてきた。また特に分光増感されたハロゲン化銀感光材料の高感度化が強く望まれてきた。分光増感技術は高感度で色再現性に優れた感光材料を製造する上で極めて重要、且つ必須の技術である。分光増感剤は本来ハロゲン化銀写真乳剤が実質的に吸収しない長波長域の光を吸収しハロゲン化銀にその光吸収エネルギーを伝達する作用を有している。従って分光増感剤による光捕捉量の増加は写真感度を高めるのに有利となる。このため、ハロゲン化銀乳剤への添加量を増加させて、光捕捉量を高める試みがなされてきた。しかしながらハロゲン化銀乳剤への分光増感剤の添加量は最適量を過ぎて添加すれば、かえって大きな減感をもたらす。これは一般に色素減感といわれるもので、実質的に増感色素による光吸収がないハロゲン化銀固有の感光域において減感が生ずる現象である。色素減感が大きいと分光増感効果はあるのに総合的な感度は低くなってしまう。換言すれば、色素減感が減少すれば、その分だけ増感色素による光吸収域の感度(即ち分光増感度)も上昇する。従って分光増感技術において、色素減感の改善は大きな課題である。また色素減感は、一般に感光域が長波長にある増感色素ほど大きい。これらのことはT.H.ジェイムス(James)著、“ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The Theory of the Photographic Process)”265〜268頁(マクミラン社1966年刊)に記載されている。
谷忠昭(T.Tani) 等著、ジャーナル・オブ・フィジィカル・ケミストリー、(Journal of the Physical Chemistry) 94巻、1298ページ(1990年)
また、谷忠昭(T.Tani) 等著、ジャーナル・オブ・フィジィカル・ケミストリー、(Journal of the Physical Chemistry) 94巻、1298ページ(1990年)に記載されているように−1.25Vより貴な還元電位を持つ増感色素は分光増感の相対量子収率が低いことが知られている。このような色素の分光増感の相対量子収率を高めるために、前述の“ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス”(The Theory of the Photographic Process)259〜265頁(1966年刊)に記載されているような正孔捕獲による強色増感が提案されている。
上記のような減感を解消するために、特開平5−216152号には、特定構造を持つヒドラジン化合物が記載されている。しかし、より一層の高感度化および保存安定性の向上が望まれている。
本発明の目的は、第1に新規な化合物を提供することにある。第2に該化合物を含有する、保存安定性の高いハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
本発明の目的は下記(1)〜()により達成された。
(1) 下記一般式(I)で表わされるヒドラジン化合物。
一般式(I)
Figure 0004139750
(I)式中、Hetは下記の含窒素複素環基を表わし、Qは炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子のうち少なくとも1種を含む原子または原子団からなる2価の連結基を表わし、Hyは一般式(II)で表わされるヒドラジン構造を有する原子群を表わし、kおよびkは1、2、3または4を表わし、kは1を表わす。
一般式(II)
Figure 0004139750
(II)式中、R、R、RおよびRは各々、無置換アルキル基、置換アルキル基を表わし、RとR、RとR、RとR、およびR、Rが互いに結合して、環を構成する原子に炭素原子以外を含まないアルキレン基を形成してもよい。ただし、Hyで表わされるヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子にオキソ基が置換していることはない。
前記Hetで示される含窒素複素環基は、下記一般式(VI)〜一般式(XII)のいずれかで表される含窒素複素環化合物から誘導される含窒素複素環基である。
一般式(VI)
Figure 0004139750
一般式(VII)
Figure 0004139750
一般式(VIII)
Figure 0004139750
一般式(IX)
Figure 0004139750
一般式(X)
Figure 0004139750
一般式(XI)
Figure 0004139750
一般式(XII)
Figure 0004139750
式中、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 、R 18 、R 19 、R 20 、R 21 およびR 22 は水素原子または1価の置換基を表わす。R 24 は置換または無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表わす。X 1 は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基またはこれらのプレカーサーを表わす。Y 1 は酸素原子、硫黄原子、=NH、=N−(L 4 p3 −R 28 であり、L 3 、L 4 は2価の連結基を表わし、R 25 、R 28 は置換または無置換の、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表わす。X 2 はX 1 と同義である。p 2 およびp 3 は0以上の整数である。Z 7 は5員または6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表わす。R 26 およびR 27 は水素原子またはアルキル基を表わす。ただし、一般式(VI)〜(XII)には、それぞれ少なくとも1つの−(Q) k2 −(Hy)が置換している。
(2)
前記一般式(I)の二価の連結基Qがエステルまたはアミドであることを特徴とする(1)に記載のヒドラジン化合物
本発明のヒドラジン化合物を用いることにより、ハロゲン化銀写真感光材料の高感度化が実現され、かつ、かぶりが抑えられる。
以下に、本発明について、さらに詳細に説明する。まず、Hyとして好ましく用いられる一般式(II)で表わされるヒドラジン構造について詳細に説明する。式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は置換または無置換の、アルキル基を表わす。また、R1 とR2 、R3 とR4 、R1 とR3 、およびR2 とR4 が互いに結合して環を形成してもよいが、環を構成する原子に炭素原子以外を含まないアルキレン基である。ただし、R1 、R2 、R3 およびR4 のうち、ヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子にオキソ基が置換していることはない。ただし、一般式(II)には、少なくとも1つの−(Q)k2−(Het)k1が置換している。また、一般式(II)で表わされる該化合物が、下記一般式(III)、(IV)および(V)から選ばれた化合物であるとき、高感度化のために特に好ましい。
一般式(III)
Figure 0004139750
一般式(IV)
Figure 0004139750
一般式(V)
Figure 0004139750
式中、R5 、R6 、R7 およびR8 は置換または無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表わす。Z1 は炭素原子数4または6の置換または無置換のアルキレン基を表わす。Z2 は炭素原子数2の置換または無置換のアルキレン基を表わす。Z3 は炭素原子数1または2の置換または無置換のアルキレン基を表わす。Z4 およびZ5 は炭素原子数3の置換または無置換のアルキレン基を表わす。L1 およびL2 はメチン基を表わす。ただし、R5 、R6 、R7 、R8 、Z1 、Z4 およびZ5 のうち、ヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子にオキソ基が置換していることはない。ただし、一般式(III)、(IV)および(V)には、それぞれ少なくとも1つの−(Q)k2−(Het)k1が置換している。さらに好ましくは、一般式(III)および(IV)から選ばれた化合物であり、特に好ましくは一般式(III)から選ばれた化合物である。
以下に一般式(II)について詳細に説明する。R1 、R2 、R3 およびR4 としては、例えば無置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基)、置換アルキル基{置換基をVとすると、Vで示される置換基として特に制限はないが、例えばカルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基)、炭素数18以下のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、α−ナフトキシ基)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、メシル基)、カルバモイル基(例えばカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基)、アリール基(例えばフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基)、複素環基(例えば、2−ピリジル基、テトラヒドロフルフリル基、モルホリノ基、2−チオニル基)、アミノ基(例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、プロピルスルホニル基)、アルキルスルフィニル基(例えばメチルスルフィニル基)、ニトロ基、リン酸基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基)、アンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基)、メルカプト基、ヒドラシノ基(例えばトリメチルヒドラジノ基)、ウレイド基(例えばウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、イミド基、不飽和炭化水素基(例えば、ビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)が挙げられる。置換基Vの炭素原子数は18以下が好ましい。またこれらの置換基上にさらにVが置換していてもよい。
より具体的にはアルキル基(例えば、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、3−スルホブチル基、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル基、2−シアノエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−アセチルオキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、2−アセチルエチル基、3−ベンゾイルプロピル基、2−カルバモイルエチル基、2−モルホリノカルボニルエチル基、スルファモイルメチル基、2−(N,N−ジメチルスルファモイル)エチル基、ベンジル基、2−ナフチルエチル基、2−(2−ピリジル)エチル基、アリル基、3−アミノプロピル基、3−ジチルアミノプロピル基、メチルチオメチル基、2−メチルスルホニルエチル基、メチルスルフィニルメチル基、2−アセチルアミノエチル基、3−トリメチルアンモニウムエチル基、2−メルカプトエチル基、2−トリメチルヒドラジノエチル基、メチルスルホニルカルバモイルメチル基、(2−メトキシ)エトキシメチル基、などが挙げられる}が挙げられる。
また、R1 とR2 、R3 とR4 、R1 とR3 、およびR2 、R4 が互いに結合して環を形成してもよいが、環を構成する原子に炭素原子以外を含まないアルキレン基である。これらの環は、例えば、前述の置換基Vにより置換されていてもよい。ただし、R1 、R2 、R3 およびR4 のうちヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子にオキソ基が置換していることはない。例えばR1 、R2 、R3 およびR4 はアセチル基、カルボキシ基、ベンゾイル基、ホルミル基、2つが環を形成する場合マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基であることはない。また、R1 、R2 、R3 およびR4 のうちヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子にチオキソ基(例えば、チアアセチル基、チオアルデヒド基、チオカルボキシ基、チオベンゾイル基)が置換していない方が好ましい。
1 、R2 、R3 およびR4 として、前述した無置換アルキル基、置換アルキル基、およびR1 とR2 、R3 とR4 、R1 とR3 、およびR2 、R4 が互いに結合して、環を構成する原子に炭素原子以外(例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子)を含まないアルキレン基{アルキレン基は置換(例えば前述の置換基V)されていてもよい}を形成する場合である。R1 、R2 、R3 およびR4 としてさらに好ましくは、ヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子が、無置換メチレン基またはアルキル基(例えばメチル基、エチル基)置換メチレン基の場合である。特に好ましくは無置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)、置換アルキル基{例えばスルホアルキル基(例えば2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、3−スルホブチル基)、カルボキシアルキル基(例えばカルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基)、ヒドロキシアルキル基(例えば2−ヒドロキシエチル基)}およびR1 とR2 、R3 とR4 、R1 とR3 、およびR2 とR4 がアルキレン鎖により互いに結合して、5員環および7員環を形成する場合である。一般式(II)で表わされるヒドラジン構造には少なくとも1つの(Q)k2−(HET)k1が置換している。その置換位置はR1 、R2 、R3 およびR4 のいずれでもよい。
なお、一般式(II)で表わされるヒドラジン化合物は、合成上、および保存上有利な場合、塩として単離しても何ら差しつかえない。このような場合、ヒドラジン類と塩を形成しうる化合物なら、どのような化合物でも良いが好ましい塩としては次のものが挙げられる。例えば、アリールスルホン酸塩(例えばp−トルエンスルホン酸塩、p−クロルベンゼンスルホン酸塩)、アリールジスルホン酸塩(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、2,6−ナフタレンジスルホン酸塩)、チオシアン酸塩、ピクリン酸塩、カルボン酸塩(例えばシュウ酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、シュウ酸水素塩)、ハロゲン酸塩(例えば塩化水素酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩)、硫酸塩、過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩である。好ましくは、シュウ酸水素塩、シュウ酸塩、塩化水素酸塩である。
以下に一般式(III)について詳細に説明する。R5 、およびR6 はR1 、R2 、R3 およびR4 と同義であり、好ましい範囲も同様である。特に好ましくは、アルキル基およびR5 とR6 が互いに結合して、無置換テトラメチレン基を形成する場合である。Z1 は炭素原子数4または6のアルキレン基を表わし、好ましくは炭素原子数4のアルキレン基の場合である。ただし、ヒドラジンの窒素原子に直接結合して炭素原子にオキソ基が置換していることはない。また、このアルキレン基は無置換でも置換されていても良い。置換基としては例えば前述の置換基Vが挙げられるが、ヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子は無置換メチレン基またはアルキル基(例えばメチル基、エチル基)置換メチレン基である場合が好ましい。Z1 として特に好ましくは、無置換テトラメチレン基である。一般式(III)で表わされるヒドラジン構造には少なくとも1つの−(Q)k2−(HET)k1が置換している。その置換位置はR5 、R6 およびZ1 いずれでもよい。好ましくは、R5 およびR6 である。
以下に一般式(IV)について詳細に説明する。R7 およびR8 はR1 、R2 、R3 およびR4 と同義であり、好ましい範囲も同様である。特に好ましくは、アルキル基およびR7 とR8 が互いに結合してトリメチレン基を形成する場合である。Z2 は炭素原子数2のアルキレン基を表わす。Z3 は炭素原子数1または2のアルキレン基を表わす。また、これらのアルキレン基は無置換でも置換されていても良い。置換基としては、例えば前述の置換基Vが挙げられる。Z2 としてさらに好ましくは、無置換エチレン基である。Z3 としてさらに好ましくは、無置換メチレン基およびエチレン基である。L1 およびL2 はメチン基または置換メチン基を表わす。置換基としては、例えば前述の置換基Vが挙げられ、好ましくは無置換アルキル基(例えばメチル基、t−ブチル基)である。さらに好ましくは無置換メチン基である。一般式(IV)で表わされるヒドラジン構造には少なくとも1つの−(Q)k2−(HET)k1が置換している。その置換位置はR7 、R8 、Z2 、Z3 、L1 およびL2 いずれでもよい。好ましくはR7 およびR8 である。
一般式(V)について詳細に説明する。Z4 およびZ5 は炭素原子数3のアルキレン基を表わす。ただしヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子にオキソ基が置換していることはない。また、これらのアルキレン基は無置換でも置換されていても良い。置換基としては例えば前述の置換基Vが挙げられるが、ヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子は、無置換メチレン基またはアルキル基(例えばメチル基、エチル基)置換メチレン基である場合が好ましい。Z4 およびZ5 として特に好ましくは、無置換トリメチレン基、無置換アルキル基、置換トリメチレン基(例えば、2,2−ジメチルトリメチレン基)である。一般式(V) で表わされるヒドラジン構造には少なくとも1つの−(Q)k2−(NET)k1が置換している。その置換位置はZ4 およびZ5 いずれでもよい。一般式(III)、(IV)および(V)で表わされる化合物は、一般式(I)で表わされる化合物と同様に塩として単離しても差しつかえない。塩としては、一般式(I)で示した塩と同様なものが挙げられる。好ましくは、シュウ酸水素塩、シュウ酸塩、塩化水素酸塩である。
一般式(I)について詳細に説明する。前記Hetで示される含窒素複素環基は下記一般式(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)および(XII)のいずれかで表わされる化合物から誘導される含窒素複素環基である。
一般式(VI)
Figure 0004139750
一般式(VII)
Figure 0004139750
一般式(VIII)
Figure 0004139750
一般式(IX)
Figure 0004139750
一般式(X)
Figure 0004139750
一般式(XI)
Figure 0004139750
一般式(XII )
Figure 0004139750
式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は水素原子または1価の置換基を表わす。R24は置換または無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表わす。X1 は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基またはこれらのプレカーサーを表わす。Y1 は酸素原子、硫黄原子、=NH、=N−(L4 p3−R28であり、L3 、L4 は2価の連結基を表わし、R25、R28は置換または無置換の、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表わす。X2 はX1 と同義である。p2 およびp3 は0以上の整数である。Z7 は5員または6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表わす。R26およびR27は水素原子またはアルキル基を表わす。ただし、一般式(VI)〜(XII)には、それぞれ少なくとも1つの−(Q)k2−(Hy)が置換している。一般式(VI)〜(XII)のうち、好ましくは一般式(VI)および(X)であり、さらに好ましくは一般式(X)である。次に、一般式(VI)、(VII) 、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)および(XII) について、さらに詳細に説明する。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は水素原子または1価の置換基を表わす。1価の置換基としては、前述のR1 、R2 、R3 およびR4 の好ましい例として挙げた置換基などを挙げることができる。さらに好ましくは、低級アルキル基(好ましくは置換または無置換の炭素数1〜4個のもの、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシエチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ビニル基、アリル基)、カルボキシ基、アルコキシ基(好ましくは置換または無置換の炭素数1〜5個のもの、例えばメトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基)、アラルキル基(好ましく置換または無置換の炭素数7〜12個のもの、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基)、アリール基(好ましくは置換または無置換の炭素数6〜12個のもの、例えばフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基)、複素環基(例えば2−ピリジル基)、アルキルチオ基(好ましくは置換または無置換の炭素数1〜10のもの、例えばメチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは置換または無置換の炭素数6〜12のもの、例えばフェニルチオ基)、アリールオキシ基(好ましくは置換または無置換の炭素数6〜12のもの、例えばフェノキシ基)、炭素原子数3以上のアルキルアミノ基(例えば、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基)、アリールアミノ基(例えば、アニリノ基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、または下記置換基を表わす。
Figure 0004139750
ここで、L5 、L6 およびL7 はアルキレン基(好ましくは、炭素数1〜5のもの、例えばメチレン基、プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基)で示す連結基を表わす。R29とR30はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは置換または無置換の炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、メトキシエチル基、ヒドロキシエチル基、アリル基、プロパルギル基)、アラルキル基(好ましくは、置換または無置換の炭素数7〜12のもの、例えばベンジル基、フェネチル基、ビニルベンジル基)、アリール基(好ましくは置換または無置換の炭素数6〜12個のもの、例えばフェニル基、4−メチルフェニル基)、または複素環基(例えば2−ピリジル基)を表わす。R24のアルキル基、アリール基、複素環基は無置換でも置換されていてもよい。置換基としては、前述のR1 、R2 、R3 およびR4 の好ましい例として挙げた置換基などを挙げることができる。さらに好ましくは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えばメトキシ基)、アリール基(例えばフェニル基)、アシルアミノ基(例えばプロピオニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基)、ウレイド基、アミノ基、複素環基(例えば2−ピリジル基)、アシル基(例えばアセチル基)、スルファモイル基、スルホンアミド基、チオウレイド基、カルバモイル基、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、複素環チオ基(例えば2−ベンゾチアゾリルチオ基)、カルボン酸基、スルホン酸基またはそれらの塩などを挙げることができる。上記のウレイド基、チオウレイド基、スルファモイル基、カルバモイル基、アミノ基はそれぞれ無置換のもの、N−アルキル置換のもの、N−アリール置換のものを含む。アリール基の例としてはフェニル基や置換フェニル基があり、この置換基としては前述のR1 、R2 、R3 およびR4 の好ましい例として挙げた置換基などを挙げることができる。X1 およびX2 で表わされるアルカリ金属原子とは、例えばナトリウム原子、カリウム原子であり、アンモニウム基とは、例えばテトラメチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウムである。またプレカーサーとは、アルカリ条件下で水素原子、アルカリ金属またはアンモニウムとなりうる基のことで、例えばアセチル基、シアノエチル基、メタンスルホニルエチル基を表わす。L3 、L4 で表わされる2価の連結基の具体例としては、以下の連結基またはこれらを組合せたものを挙げることができる。
Figure 0004139750
31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39およびR40は水素原子、アルキル基(好ましくは、置換または無置換の炭素数1〜4個のもの、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、メトキシエチル基、ヒドロキシエチル基、アリル基)またはアラルキル基(好ましくは置換または無置換の炭素数7〜12個のもの、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基)を表わす。
25およびR28は、前述のR24で示したものと同様のものが好ましい。Z7 として好ましくは、チアゾリウム類{例えばチアゾリウム、4−メチルチアゾリウム、ベンゾチアゾリウム、5−メチルベンゾチアゾリウム、5−クロロベンゾチアゾリウム、5−メトキシベンゾチアゾリウム、6−メチルベンゾチアゾリウム、6−メトキシベンゾチアゾリウム、ナフト〔1,2−d〕チアゾリウム、ナフト〔2,1−d〕チアゾリウム}、オキサゾリウム類{例えばオキサゾリウム、4−メチルオキサゾリウム、ベンゾオキサゾリウム、5−クロロベンゾオキサゾリウム、5−フェニルベンゾオキサゾリウム、5−メチルベンゾオキサゾリウム、ナフト〔1,2−d〕オキサゾリウム}、イミダゾリウム類{例えば1−メチルベンゾイミダゾリウム、1−プロピル−5−クロロベンゾイミダゾリウム、1−エチル−5,6−シクロロベンゾイミダゾリウム、1−アリル−5−トリフロロメチル−6−クロロ−ベンゾイミダゾリウム)、セレナゾリウム類〔例えばベンゾセレナゾリウム、5−クロロベンゾセレナゾリウム、5−メチルベンゾセレナゾリウム、5−メトキシベンゾセレナゾリウム、ナフト〔1,2−d〕セレナゾリウム〕などが挙げられる。特に好ましくはチアゾリウム類(例えば、ベンゾチアゾリウム、5−クロロベンゾチアゾリウム、5−メトキシベンゾチアゾリウム、ナフト〔1,2−d〕チアゾリウム)である。
26およびR27として好ましくは、水素原子、炭素数18以下の無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル)、または置換アルキル基{置換基として例えば、ビニル基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素である。)、ヒドロキシ基、炭素数8以下のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)、炭素数8以下のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、炭素数10以下の単環式のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−トリルオキシ)、炭素数3以下のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ)、炭素数8以下のアシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ベンゾイル、メシル)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル)、スルファモイル基(例えばスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、モルホリノスルホニル、ピペリジノスルホニル)、炭素数10以下のアリール基(例えばフェニル、4−クロルフェニル、4−メチルフェニル、α−ナフチル)で置換された炭素数18以下のアルキル基}が挙げられる。さらに好ましくは、R26は無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル)、アルケニル基(例えばアリル基)であり、R27は水素原子および無置換低級アルキル基(例えば、メチル、エチル)である。
1 、m1 は、一般式(XII)で表わされる化合物のイオン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオンまたは陰イオンの存在または不存在を示すために式の中に含められている。ある色素が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷をもつかどうかは、その助色団および置換基に依存する。典型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウムイオンおよびアルカリ金属イオンであり、一方陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えばハロゲン陰イオン(例えば弗素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。好ましくは、アンモニウムイオン、ヨウ素イオン、臭素イオン、p−トルエンスルホン酸イオンである。
一般式(VI)〜(XII)で表わされる含窒素複素環には、それぞれ少なくとも1つの(Q)k2−(Hy)が置換している。その置換位置は、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R24、R25、R26、Y1 、L3 、およびZ7 などである。
Qは炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子のうち、少なくとも1種を含む原子または原子団からなる2価の連結基を表わす。好ましくは、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基)、アルケニレン基(例えば、エテニレン基、プロペニレン基)、アミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、−N(R1 )−(R1 は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表わす。)、ヘテロ環2価基(例えば6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)を1つまたはそれ以上組合せて構成される炭素数20以下の2価の連結基を表わす。さらに好ましくはエステル基、アミド基である。
1 およびk3 として好ましくは1または2である。より好ましくは、k1 、k2 およびk3 がいずれも1の場合である。
次に、本発明の化合物の典型的な例を挙げるが、これに限定されるものではない。
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本発明に用いられる一般式(I)のHetは、米国特許第3,266,897号、ベルギー特許第671,402号、特開昭60−138548号、特開昭59−68732号、特開昭59−123838号、特公昭58−9939号、特開昭59−137951号、特開昭57−202531号、特開昭57−164734号、特開昭57−14836号、特開昭57−116340号、米国特許第4,418,140号、特開昭58−95728号、特開昭55−79436号、OLS2,205,029号、OLS1,962,605号、特開昭55−59463号、特公昭48−18257号、特公昭53−28084号、特開昭53−48723号、特公昭59−52414号、特開昭58−217928号、特公昭49−8334号、米国特許第3,598,602号、米国特許第887,009号、英国特許第965,047号、ベルギー特許第737809号、米国特許第3,622,340号、特開昭60−87322号、特開昭57−211142号、特開昭58−158631号、特開昭59−15240号、米国特許3,671,255号、特公昭48−34166号、特公昭48−322112号、特開昭58−221839号、特公昭48−32367号、特開昭60−130731号、特開昭60−122936号、特開昭60−117240号、米国特許3,228,770号、特公昭43−13496号、特公昭43−10256号、特公昭47−8725号、特公昭47−30206号、特公昭47−4417号、特公昭51−25340号、英国特許1,165,075号、米国特許3,512,982号、米国特許1,472,845号、特公昭39−22067号、特公昭39−22068号、米国特許3,148,067号、米国特許3,759,901号、米国特許3,909,268号、特公昭50−40665号、特公昭39−2829号、米国特許3,148,066号、特公昭45−22190号、米国特許1,399,449号、英国特許1,287,284号、米国特許3,900,321号、米国特許3,655,391号、米国特許3,910,792号、英国特許1,064,805号、米国特許3,544,336号、米国特許4,003,746号、英国特許1,344,525号、英国特許972,211号、特公昭43−4136号、米国特許3,140,178号、仏国特許2,015,456号、米国特許3,114,637号、ベルギー特許681,359号、米国特許3,220,839号、英国特許1,290,868号、米国特許3,137,578号、米国特許3,420,670号、米国特許2,759,908号、米国特許3,622,340号、OLS2,501,261号、DAS1,772,424号、米国特許3,157,509号、仏国特許1,351,234号、米国特許3,630,745号、仏国特許2,005,204号、独国特許1,447,796号、米国特許3,915,710号、特公昭49−8334号、英国特許1,021,199号、英国特許919,061号、特公昭46−17513号、米国特許3,202,512号、OLS2,553,127号、特開昭50−104927号、仏国特許1,467,510号、米国特許3,449,126号、米国特許3,503,936号、米国特許3,576,638号、仏国特許2,093,209号、英国特許1,246,311号、米国特許3,844,788号、米国特許3,535,115号、英国特許1,161,264号、米国特許3,841,878号、米国特許3,615,616号、特開昭48−39039号、英国特許1,249,077号、特公昭48−34166号、米国特許3,671,255号、英国特許1459160号、特開昭50−6323号、英国特許1,402,819号、OLS2,031,314号、リサーチディスクロージャー13651号、米国特許3,910,791号、米国特許3,954,478号、米国特許3,813,249号、英国特許1,387,654号、特開昭57−135945号、特開昭57−96331号、特開昭57−22234号、特開昭59−26731号、OLS2,217,153号、英国特許1,394,371号、英国特許1,308,777号、英国特許1,389,089号、英国特許1,347,544号、独国特許1,107,508号、米国特許3,386,831号、英国特許1,129,623号、特開昭49−14120号、特公昭46−34675号、特開昭50−43923号、米国特許3,642,481号、英国特許1,269,268号、米国特許3,128,185号、米国特許3,295,981号、米国特許3,396,023号、米国特許2,895,827号、特公昭48−38418号、特開昭48−47335号、特開昭50−87028号、米国特許3,236,652号、米国特許3,443,951号、英国特許1,065,669号、米国特許3,312,552号、米国特許3,310,405号、米国特許3,300,312号、英国特許952,162号、英国特許952,162号、英国特許948,442号、特開昭49−120628号、特公昭48−35372号、特公昭47−5315号、特公昭39−18706号、特公昭43−4941号、特開昭59−34530号などに記載されており、これらを参考にして合成することができる。
本発明の一般式(I)におけるHyは種々の方法で合成できる。例えば、ヒドラジンをアルキル化する方法により合成できる。アルキル化の方法としては、ハロゲン化アルキルおよびスルホン酸アルキルエステルを用いて直接アルキル化する方法、カルボニル化合物と水素化シアノホウ素ナトリウムを用いて還元的にアルキル化する方法、およびアシル化した後水素化リチウムアルミニウムを用いて還元する方法などが知られている。例えば、エス・アール・サンドラー(S.R.Sandler) 、ダブリュー・カロ(W.Karo)、「オーガニック・ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ(Organic Fanctional Group Preparation) 」第1巻、第14章、434ー465ページ(1968年)、アカデミック・プレス(Academic Press) 社刊、イー・エル・クレナン(E.L.Clennan)等ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイェティー(Journal of The American Chemical Society) 第112巻、第13号、5080頁(1990年)などに記載されており、それらを参照すれば合成できる。
また、−(Q)k2−(Hy)部分のアミド結合形成反応およびエステル結合形成反応をはじめとする結合形成反応は有機化学において知られている方法を利用することができる。すなわちHetとHyを連結せしめる方法、Hetの合成原料及び中間体にHyを連結せしめてからHetを合成する方法、逆にHyの合成原料及び中間体をHet部分に連結せしめた後にHyを合成する方法などいずれの方法でもよく、適宜選択して合成できる。これらの連結のための合成反応については、例えば日本化学会編、新実験化学講座14、有機化合物の合成と反応、I〜V巻、丸善、東京(1977年)、小方芳郎、有機反応論、丸善、東京(1962年)L.F.Fieser and M.Fieser,Advanced Organic Chemistry, 丸善、東京(1962年)など、多くの有機合成反応における成書を参考にすることができる。具体的には、実施例1〜2に示した。
本発明においては分光増感色素を用いることが好ましい。例えば従来より知られているシアニン色素、メロシアニン色素、ロダシアニン色素、オキソノール色素、ヘミシアニン色素、ベンジリデン色素、キサンテン色素、スチリル色素など、いかなる色素を使用することもできる。例えばティー・エイチ・ジェイムス(T.H.James)著、「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The Theort of the Photographic Procrss) 」(第3版)第198〜228頁(1966年)、マクミラン(Macmillan) 社刊に記載されている色素などを挙げることができる。さらに好ましくは、特開平5−216152号に記載の一般式(XI) 、(XII)、(XIII)および(XIV) で表わされる色素であり、具体例として記載された色素は特に好ましい。
本発明の一般式(I)で表わされる化合物および本発明で使用する増感色素を本発明のハロゲン化銀乳剤中に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、或いは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。また、米国特許3,469,987号明細書等に記載のごとき、色素などを揮発性の有機溶剤に溶解し、該溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭46−24,185号等に記載のごとき、水不溶性色素などを溶解することなしに水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23,389号、特公昭44−27,555号、特公昭57−22,091号等に記載されているこどき、色素を酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加したり、酸または塩基を共存させて水溶液とし乳剤中へ添加する方法、米国特許3,822,135号、米国特許4,006,026号明細書等に記載のごとき、界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中へ添加する方法、特開昭53−102,733号、特開昭58−105,141号に記載のごとき、親水性コロイド中に色素などを直接分散させ、その分散物を乳剤中へ添加する方法、特開昭51−74,624号に記載のごとき、レドックスさせる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法等を用いる事もできる。また、溶解に超音波を使用することも出来る。
本発明に用いる増感色素または一般式(I)で表わされる化合物を本発明のハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用である事が認められている乳剤調製の如何なる工程中であってもよい。例えば、米国特許2,735,766号、米国特許3,628,960号、米国特許4,183,756号、米国特許4,225,666号、特開昭58−184,142号、特開昭60−196,749号等の明細書に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/及び脱塩前の時期、脱塩工程中及び/または脱塩後から化学熟成の開始前迄の時期、特開昭58−113,920号等の明細書に開示されているように、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後塗布迄の時期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、工程に於いて添加されても良い。また、米国特許4,225,666号、特開昭58−7,629号等の明細書に開示されているように、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば、粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加しても良く、分割して添加する化合物及び化合物の組み合わせの種類をも変えて添加されても良い。
本発明に用いる増感色素の添加量としては、ハロゲン化銀粒子の形状、サイズにより異なるが、好ましくはハロゲン化銀1モル当たり、4×10-8〜8×10-2モルで用いることができる。本発明の一般式(I)で表わされる化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当たり、1×10-9〜5×10-1モル、さらに好ましくは1×10-8〜2×10-2モルの割合でハロゲン化銀乳剤中に含有する。増感色素と、一般式(I)で表わされる化合物の比率(モル比)は、いかなる値でも良いが、増感色素/(I)の化合物=1000/1〜1/1000の範囲が有利に用いられ、とくに100/1 〜1/10の範囲が有利に用いられる。
本発明に用いられるハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀、沃臭化銀のいずれでもよい。また、本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、これらのハロゲン化銀粒子を単独または複数混合して含有していても良い。ハロゲン化銀粒子は、内部と表層が異なる相をもっていても、接合構造を有するような多相構造であっても、粒子表面に局在相を有するものであっても、あるいは粒子全体が均一な相から成っていても良い。またそれらが混在していてもよい。
本発明に使用するハロゲン化銀粒子は単分散でも多分散でもよく、その形は、立方体、八面体、十四面体のような規則的(regular)な結晶体を有するものでも、変則的(irregular)な結晶形を持つものでもよく、またこれらの結晶形の複合形を持つものでもよい。また、アスペクト比(ハロゲン化銀粒子の円相当直径/粒子厚みの比)の値が3以上のAgX粒子が、粒子の全投影面積の50%以上を占める平板乳剤でも良い。アスペクト比は5以上ないし8以上の場合がより好ましい。更にこれら種々の結晶形の混合から成る乳剤であってもよい。これら各種の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型のいずれでもよい。
本発明に用いられる写真乳剤は、グラフキデ著「写真の化学と物理」(P.Glafkides, Chemie et Physique Photographique, Paul Montel,1967.)、ダフイン著「写真乳剤化学」(G.F.Daffin, Photographic Emulsion Chemistry, Focal Press,1966.) 、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」(V.L.Zelikman et al.,Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Press, 1964.) 、F.H.Claes et al., The Journal of Photographic Science,(21)39〜50, 1973. 及びF.H.Claes et al., The Journal of Photographic Science,(21)85〜92, 1973. 等の文献、特公昭55−42,737号、米国特許第4,400,463号、米国特許第4,801,523号、特開昭62−218,959号、同63−213,836号、同63−218,938号、特願昭62−291,487号等の明細書に記載された方法を用いて調製する事ができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニウア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時混合法、そられの組み合わせなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いる事もできる。同時混合法の一つの形式として、ハロゲン化銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、即ち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いる事もできる。この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズの均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
更に、ハロゲン化銀粒子形成過程が終了するまでの間に既に形成されているハロゲン化銀に変換する過程を含むいわゆるコンバージョン法によって調製した乳剤や、ハロゲン化銀粒子形成過程の終了後に同様のハロゲン変換を施した乳剤もまた用いる事ができる。
本発明のハロゲン化銀粒子の製造時に、ハロゲン化銀溶剤を用いても良い。しばしば用いられるハロゲン化銀溶剤としては、例えば、チオエーテル化合物(例えば米国特許3,271,157号、同3,574,628号、同3,704,130号、同4,276,347号等)、チオン化合物及びチオ尿素化合物(例えば特開昭53−144,319号、同53−82,408号、同55−77,737号等)、アミン化合物(例えば特開昭54−100,717号等)などを挙げる事ができ、これらを用いる事ができる。また、アンモニアも悪作用を伴わない範囲で使用する事ができる。本発明のハロゲン化銀粒子の製造時に、粒子成長を速めるために、添加する銀塩溶液(例えば、硝酸銀水溶液)とハロゲン化物溶液(例えば、食塩水溶液)の添加速度、添加量、添加濃度を時間に従って上昇させる方法が好ましくもちいられる。これらの方法に関しては、例えば、英国特許1,335,925号、米国特許3,672,900号、同3,650,757号、同4,242,445号、特開昭55−142,329号、同55−158,124号、同55−113,927号、同58−113,928号、同58−111,934号、同58−111,936号等の記載に参考にする事ができる。
ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程に於いて、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、カリウム塩、レニウム塩、ルテニウム塩、イリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩またはその錯塩等を共存させてもよい。特に、レニウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩、または鉄塩がより好ましい。これらの添加量としては、必要に応じ任意の量を添加できるが、例えば、イリジウム塩(例えば、Na3IrCl6 、 Na2IrCl6 、 Na3Ir(CN)6等)は、銀1モル当たり1×10-8以上、1×10-5以下の範囲の量が、ロジウム塩(例えば、RhCl3 、K3Rh(CN)6 等)は銀1モル当たり1×10-8以上、1×10-8以下の範囲の量が望ましい。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、未化学増感のままでもよいが必要により化学増感をすることが出来る。化学増感方法としては、いわゆる金化合物による金増感法(例えば、米国特許2,448,060号、同3,320,069号)またはイリジウム、白金、ロジウム、パラジウム等の金属による増感法(例えば、米国特許2,448,060号、同2,566,245号、同2,566,263号)、或いは含硫黄化合物を用いる硫黄増感法(例えば、米国特許2,222,264号)、セレン化合物を用いるセレン増感法、或いは、錫塩類、二酸化チオ尿素、ポリアミド等による還元増感法(例えば、米国特許2,487,850号、同2,518,698号、同2,521,925号)、或いはこれらの二つ以上の組み合わせを用いる事ができる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、金増感または硫黄増感、或いはこれらの併用がより好ましい。好ましい金増感剤及び硫黄増感剤の添加量は、各々銀1モル当たり1×10-7〜1×10-2モルであり、より好ましくは5×10-6〜1×10-3である。金増感と硫黄増感の併用の場合の金増感剤と硫黄増感剤の好ましい比率はモル比で1:3〜3:1であり、より好ましくは1:2〜2:1である。本発明の化学増感を行う温度としては、30℃から90℃の間の任意の温度から選択できる。また、化学増感を行う際のpHは、4.5から9.0、好ましくは5.0から7.0の範囲で行われる。化学増感の時間は、温度、化学増感剤の種類及び使用量、pH等で変わるため、一概に決められないが、数分から数時間の間の任意に選ぶことができ、通常は10分から200分の間で行われる。
本発明に用いられる増感色素は、そのハロゲン化銀に対する吸着やJ会合体形成を強め、より高い分光感度を得るために沃化カリウムをはじめとする水溶性沃化物塩や臭化カリウムをはじめとする水溶性臭化物塩やチオシアン酸カリウムなどの水溶性チオシアン酸塩を併用されることが良くあるが、本発明に於いても好ましく用いられ、水溶性臭化物塩及び水溶性チオシアン酸塩は塩化銀もしくは塩化銀含有量の多い塩臭化銀でその効果が顕著である。現像に要する時間が30秒以下の超迅速処理を達成するには塩化銀含有率が50モル%以上の高塩化銀乳剤の方が好ましい。かかる目的にあっては沃素イオンは周知のように現像抑制性が強く上述の水溶性沃化物塩を含め沃素イオンは銀1モル当たり0.05モル%以下に抑えた方が好ましい。超迅速処理適性のあるハロゲン化銀感光材料の製造のためには、塩化銀含有率80モル%以上の高塩化銀乳剤がより好ましく、かかる乳剤に於いては、上述したように水溶性臭化物塩または/及び水溶性チオシアン酸塩の併用は、J会合体形成を強め、より高い分光感度が得られ好ましいが、それらの添加量は、銀1モル当たり0.03〜3モル%の範囲、特に0.08〜1モル%の範囲が好ましい。
塩化銀含有率80モル%以上の高塩化銀粒子に於いては、赤外域分光増感した場合に、高い感度が得られ、その安定性、特に優れた潜像の安定性が得られる特徴を有する、特開平2−248,945号等にも開示されている粒子中に局在相を有する高塩化銀粒子がより好ましい。この局在相は上記特許にも開示されているように臭化銀含有率が15モル%を越えていることが好ましく、特に、20〜60モル%の範囲がより好ましく、30〜50モル%の範囲で残りが塩化銀であることが最も好ましい。また、該局在相は、ハロゲン化銀粒子内部にあっても、表面または亜表面にあってもよく、内部を表面または亜表面に分割されていても良い。またこの局在相は内部或いは表面に於いて、ハロゲン化銀粒子を取り囲むような層状構造を成していても或いは不連続に独立した構造を有していても良い。臭化銀含有率が周囲より高い局在相の配置の好ましい一具体例、ハロゲン化銀粒子表面に臭化銀含有率に於いて少なくとも15モル%を越える局在相が局在的にエピタキシャル成長したものである。該局在相の臭化銀含有率は、X線回折法(例えば、「日本化学会編、新実験化学講座6、構造解析」丸善に記載されている)或いはXPS法(例えば表面分析、IMA、オージェ電子・光電子分光の応用」講談社、に記載されている)等を用いて分析することができる。該局在相は、ハロゲン化銀粒子を構成する全銀量の0.1〜20%の銀から構成されている事が好ましく、0.5〜7%の銀から構成されている事が更に好ましい。
このような臭化銀含有率の高い局在相とその他の相との界面は、明確な相境界を有していても良いし、ハロゲン組成が徐々に変化する短い転移領域を有していても良い。このような臭化銀含有率の高い局在相を形成するためには、様々な方法を用いる事ができる。例えば、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を片側混合法或いは同時混合法で反応させて局在相を形成する事ができる。更に、既に形成されているハロゲン化銀をより溶解度積の小さなハロゲン化銀に変換する過程を含む、所謂コンバージョン法を用いても局在相を形成する事ができる。或いは臭化銀微粒子を添加する事によって塩化銀粒子の表面に再結晶させる事によっても局在相をできる。本発明により調製されたハロゲン化銀乳剤はカラー写真感光材料及び黒白写真感光材料のいづれにも用いることができる。本発明のハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀の組成、晶相、サイズなどは公知のいかなるものであってもよい。好ましい例が特開平2−269334号19頁右上欄17行目〜20頁右上欄7行目に記載されている。カラー写真感光材料としては特にカラーペーパー、カラー撮影用フィルム、カラーリバーサルフィルム、黒白写真感光材料としてはX−レイ用フィルム、一般撮影用フィルム、印刷感材用フィルム等を挙げることができる。本発明の乳剤を適用する写真感光材料の添加剤に関しては特に制限はなく、例えばリサーチ・ディスクロージャー誌(Research Disclosure) 176巻アイテム17643(RD17643)及び同187巻アイテム18716(RD18716)の記載を参考にすることができる。RD17643及びRD18716に於ける各種添加剤の記載個所を以下にリスト化して(表−1)に示す。
Figure 0004139750
染料について、さらに詳しく説明する。本発明の感光材料には、イラジエーション防止、ハレーション防止、特に各感光層の分光感度分布の分離並びにセーフライトに対する安全性確保のために、コロイド銀や染料が用いられる。この様な染料には、例えば米国特許第506,385号、同1,177,429号、同1,131,884号、同1,338,799号、同1,385,371号、同1,467,214号、同1,438,102号、同1,553,516号、特開昭48−85,130号、同49−114,420号、同52−117,123号、同55−161,233号、同59−111,640号、特公昭39−22,069号、同43−13,168号、同62−273527号、米国特許第3,247,127号、同3,469,985号、同4,078,933号等に記載されたピラゾロン核やバルビツール核やバルビツール酸核を有するオキソノール染料、米国特許第2,533,472号、同3,379,533号、英国特許第1,278,621号、特開平1−134447号、同1−183652号等記載されたその他のオキソノール染料、英国特許第575,691号、同680,631号、同599,623号、同786,907号、同907,125号、同1,045,609号、米国特許第4,255,326号、特開昭59−211,043号等に記載されたアゾ染料、特開昭50−100,116号、同54−118,247号、英国特許第2,014,598号、同750,031号等に記載されたアゾメチン染料、米国特許第2,865,752号に記載されたアントラキノン染料、米国特許第2,538,009号、同2,688,541号、同2,538,008号、英国特許第584,609号、同1,210,252号、特開昭50−40,625号、同51−3,623号、同51−10,927号、同54−118,247号、特公昭48−3,286号、同59−37,303号等に記載されたアリーリデン染料、特公昭28−3,082号、同44−16,594号、同59−28,898号等に記載されたスチリル染料、英国特許第446,538号、同1,335,422号、特開昭59−228,250号等に記載されたトリアリールメタン染料、英国特許第1,075,653号、同1,153,341号、同1,284,730号、同1,475,228号、同1,542,807号等に記載されたメロシアニン色素、米国特許第2,843,486号、同3,294,539号、特開平1−291247号等に記載されたシアニン染料などが挙げられる。
これらの染料の拡散を防ぐために、以下の方法が挙げられる。例えば、染料にバラスト基を入れて耐拡散性にする。また、例えば解離したアニオン染料と反対の電荷をもつ親水性ポリマーを媒染剤として層に共存させ、染料分子との相互作用によって染料を特定層中に局在化させる方法が、米国特許2,548,564号、同4,124,386号、同3,625,694号等に開示されている。さらに、水に不溶性の染料固体を用いて特定層を染色する方法が、特開昭56−12639号、同55−155350号、同55−155351号、同63−27838号、同63−197943号、欧州特許第15,601号等に開示されている。
また、染料が吸着した金属塩微粒子を用いて特定層を染色する方法が米国特許第2,719,088号、同2,496,841号、同2,496,843号、特開昭60−45237号等に開示されている。前記添加剤の内カブリ防止剤、安定化剤としてはアゾール類{例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、ニトロインダゾール類、ベンゾトリアゾール類、アミノトリアゾール類など};メルカプト化合物類{例えばメルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類など};例えばオキサゾリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類{例えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類など};ベンゼンチオスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド等を好ましく用いることができる。
カラーカプラーとしては分子中にバラスト基とよばれる疎水性基を有する非拡散性のもの、またはポリマー化されたものが望ましい。カプラーは、銀イオンに対し4当量性あるいは2当量性のどちらでもよい。又、色補正の効果をもつカラードカプラー、あるいは現像にともなって現像抑制剤を放出するカプラー(いわゆるDIRカプラー)を含んでもよい。又、カップリング反応の生成物が無色であって、現像抑制剤を放出する無呈色DIRカップリング化合物を含んでもよい。好ましい例が、特開昭62−215272号91頁右上欄4行目〜121頁左上欄6行目、特開平2−33144号3頁右上欄14行目〜18頁左上欄末行目と30頁右上欄6行目〜35頁右下欄11行目、欧州特許4頁15行目〜27行目、5頁30行目〜28頁末行目、45頁29行目〜31行目、47頁23行目〜63頁50行目に記載されている。
例えばマゼンタカプラーとして、5−ピラゾロンカプラー、ピラゾロベンツイミダゾールカプラー、ピラゾロトリアゾールカプラー、ピラゾロテトラゾールカプラー、シアノアセチルクマロンカプラー、開鎖アシルアセトニトリルカプラー等があり、イエローカプラーとして、アシルアセトアミドカプラー(例えばベンゾイルアセトアニリド類、ピバロイルアセトアニリド類)、等があり、シアンカプラーとして、ナフトールカプラー、及びフェノールカプラー等がある。シアンカプラーとしては米国特許第3772002号、同2772162号、同第3758308号、同4126396号、同4334011号、同4327173号、同3446622号、同4333999号、同4451559号、同4427767号等に記載のフェノール核のメタ位にエチル基を有するフェノール系カプラー、2,5−ジアシルアミノ置換フェノール系カプラー、2位にフェニルウレイド基を有し5位にアシルアミノ基を有するフェノール系カプラー、ナフトールの5位にスルホンアミド、アミドなどが置換したカプラーなどが画像の堅牢性がすぐれており好ましい。上記カプラー等は、感光材料に求められる特性を満足するために同一層に二種類以上を併用することもできるし、同一の化合物を異なった2層以上に添加することも、もちろん差支えない。
退色防止剤としてはハイドロキノン類、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン類、スピロクロマン、p−アルコキシフェノール類、ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノール類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、アミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこれら各化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキル化したエーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙げられる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッケル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども使用できる。
本発明を用いた感光材料の写真処理には、公知の方法のいずれをも用いることができるし処理液には公知のものを用いることができる。又、処理温度は通常、18℃から50℃の間に選ばれるが、18℃より低い温度または50℃をこえる温度としてもよい。目的に応じ、銀画像を形成する現像処理(黒白写真処理)、或いは、色素像を形成すべき現像処理から成るカラー写真処理のいずれをも適用することが出来る。
黒白現像液には、ジヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3−ピラゾリドン類(例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(例えばN−メチル−p−アミノフェノール)等の公知の現像主薬を単独或いは組み合わせて用いることができる。カラー現像液は、一般に、発色現像主薬を含むアルカリ性水溶液からなる。発色現像主薬は公知の一級芳香族アミン現像剤、例えばフェニレンジアミン類(例えば4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホアミドエチルアニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリンなど)を用いることができる。この他L.F.A.メソン著「フォトグラフィック・プロセシン・ケミストリー」、フォーカル・プレス刊(1966年)の226〜229頁、米国特許2,193,015号、同2,592,364号、特開昭48−64933号などに記載のものを用いてもよい。
現像液はその他、アルカリ金属の亜硫酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、及びリン酸塩の如きpH緩衝剤、臭化物、沃化物、及び有機カブリ防止剤の如き現像抑制剤ないし、カブリ防止剤などを含むことができる。又必要に応じて、硬水軟化剤、ヒドロキシルアミンの如き保恒剤、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールの如き有機溶剤、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類の如き現像抑制剤、色素形成カプラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイドライドの如きかぶらせ剤、1−フェニル−3−ピラゾリドンの如き補助現像薬、粘性付与剤、米国特許4,083,723号に記載のポリカルボン酸系キレート剤、西独公開(OLS)2,622,950号に記載の酸化防止剤などを含んでもよい。
カラー写真処理を施した場合、発色現像後の写真感光材料は通常漂白処理される。漂白処理は、定着処理と同時に行われてもよいし、個別に行われてもよい。漂白剤としては、例えば鉄(III) 、コバルト(III) 、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロソ化合物等が用いられる。例えば、フェリシアン化物、重クロム酸塩、鉄(III) またはコバルト(III) の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四錯塩、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸などのアミノポリカルボン酸類あるいはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸の錯塩;過硫酸塩、過マンガン酸塩;ニトロソフェノールなどを用いることができる。これらのうちフェリシアン化カリ、エチレンジアミン四錯塩鉄(III) ナトリウム及びエチレンジアミン四錯塩鉄(III) アンモニウムは特に有用である。エチレンジアミン四錯塩鉄(III) 錯塩は独立の漂白液においても、一浴漂白定着液においても有用である。漂白または漂白定着液には、米国特許3,042,520号、同3,241,966号、特公昭45−8506号、特公昭45−8836号などに記載の漂白促進剤、特開昭53−65732号に記載のチオール化合物の他、種々の添加剤を加えることもできる。又、漂白又は漂白・定着処理後は水洗処理してもよく安定化浴処理するのみでもよい。
本発明に用いる支持体としては、通常、写真感光材料に用いられるセルロースナイトレートフィルムやポリエチレンテレフタレートなどの透明フィルムや反射型支持体が使用できる。本発明に使用する「反射支持体」とは、反射性を高めてハロゲン化銀乳剤層に形成された色素画像を鮮明にするものをいい、このような反射支持体には、支持体上に可視光波長域の反射率を高めるために酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の光反射物質を分散含有する疎水性樹脂を被覆したものや光反射性物質を分散含有する疎水性樹脂を支持体として用いたものが含まれる。例えば、バライタ紙、ポリエチレ被覆紙、ポリプロピレン系合成紙、反射層を併設した、或は反射性物質を併用する透明支持体、例えばガラス板、ポリエチレンテレフタレート、三酢酸セルロースあるいは硝酸セルロースなどのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニル樹脂等があり、これらの支持体は使用目的によって適宜選択できる。
写真像を得るための露光は通常の方法を用いて行なえばよい。すなわち、自然光(日光)、タングステン電灯、蛍光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素アーク灯、キセノンフラッシュ灯、レーザー、LED、CRTなど公知の多種の光源をいずれでも用いることができる。露光時間は通常カメラで用いられる1/1000秒から1秒の露光時間はもちろん、1/1000秒より短い露光、たとえばキセノン閃光灯を用いた1/104 〜1/106 秒の露光を用いることができるし、1秒より長い露光を用いることもできる。必要に応じて色フィルターで露光に用いられる光の分光組成を調節することができる。露光にレーザー光を用いることもできる。また電子線、X線、γ線、α線などによって励起された蛍光体から放出する光によって露光されてもよい。
[実施例]
以下に本発明をより詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はそれらに限定されるものではない。
(1)の合成
スキーム1に従って、合成した。
スキーム1
Figure 0004139750
(A)3.4g(0.017モル)、(B)3g(0.019モル)、ジメチルホルムアミド25mlにジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)3.6g(0.017モル)を加え、外温45℃で3時間加熱攪拌した。1夜放置した後に、析出した結晶をろ別して除き、3液の溶媒を減圧留去した。残ったハルツ状物質に、エタノールを加えて溶かした後、酢酸エチルを加え晶析させた。この操作を5回くり返し、得られた無色結晶を吸引ろ過でろ別し、乾燥した。収量1.74g(収率30%、融点=95〜97℃)
(19)の合成
スキーム2に従って、合成した。
スキーム2
Figure 0004139750
(C)5g(0.016モル)、2−メチルイミダゾール2.9g(0.035モル)、アセトニトリル50mlに、(B)2.8g(0.018モル)を加え、窒素気流下30分間、加熱還流した。水冷後、析出した結晶を吸引ろ過でろ別し、メタノール100mlを加え30分間煮沸洗浄した。放冷後、吸引ろ過により、無色結晶4gを得た。(収率60%、融点=196〜198℃)
反応容器中に水1000ml、脱イオン化した骨ゼラチン25g、50%のNH4NO3水溶液15mlおよび25%のNH3 水溶液7.5mlを加えて50℃に保ち、よく乾燥し、1N−AgNO3 水溶液の750mlと1N−KBr 水溶液を50分で添加した。反応中の銀電位を飽和甘汞電極に対して+50mVに保った。
得られた臭化銀粒子は立方体で、各々平均辺長が0.75〜0.8μmの範囲内にある単分散粒子であった。上記の乳剤にイソブテンとマレイン酸モノナトリウム塩との共重合物を加え、乳剤を沈降水洗して乳剤を脱塩し、脱イオン化した骨ゼラチン95gと水430mlを加え、50℃でpH=6.5、およびpAg=8.3に調整した後、最適感度となるようチオ硫酸ナトリウムを添加し55℃で50分間熟成した。この乳剤1kg中には0.74モルの臭化銀が含有された。
更に、この乳剤45gに第2表に示すように、増感色素を添加し、続いて一般式(I)で表わされる化合物を添加し40℃のもとで混合攪拌した。
更に脱イオン化したゼラチンの10%ゲル15g、水55ml、を加え、ポリエチレンテレフタレートフィルムベース上に下記のように塗布した。
塗布液量は、銀量2.5g/m2、ゼラチン量3.8g/m2となるように設定し、上層にはゼラチン量1.0g/m2となるようドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.22g/リットル、p−スルホスチレンナトリウムホモポリマー0.50g/リットル、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム3.1g/リットル、ゼラチン50g/リットルを主成分とする水溶液を同時塗布した。
これらの試料それぞれに青色フィルター(395nmから440nmまでの光を透過するバンドパスフィルター)、及び黄色フィルター(560nmより長波長の光を透過するフィルター)を用い連続ウェッジを通してタングステン光(2856°K)で1秒間露光した。 露光後、下記の組成の現像液を用いて20℃で10分間現像した。現像処理したフィルムを富士写真フイルム社製の濃度計を用いて濃度測定し、黄色フィルター感度(SY)と青色フィルター感度(SB)とカブリとを求めた。感度を決定した光学濃度の基準点は〔カブリ+0.2〕の点であった。なお、SBは増感色素及びヒドラジン化合物をともに添加しなかった試料の感度を100(基準)とした時の相対感度で表示し、SYはヒドラジン化合物を添加しなかった試料の感度を100とし、同一の増感色素を添加した試料どうしを相対値で示した。
〔現像液の組成〕
メトール 2.5g
α−アスコルビン酸 10.0g
臭化カリウム 1.0g
ナボックス 35.0g
水を加えて 1.0リットル(pH9.8)
得られた結果を相対的な値として第2表に示す。
〔比較用化合物〕
Figure 0004139750
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Figure 0004139750
Figure 0004139750
第2表の結果から明らかなように一般式(I)で示される化合物を増感色素と併用することにより増感色素による減感、所謂、色素減感(SB )が改善され、それに併って分光感度(Sy)の上昇することがわかる。その改善効果は、比較の為に用いた化合物(A)のような吸着基をもたない四置換ヒドラジン及び化合物(B)のような吸着基を有したヒドラジド化合物のような、従来から知られていた化合物より大きい。
また、本発明の化合物は、化合物(B)に代表されるヒドラジド化合物のように、被り増感させることもない。
臭化カリウム6.5g、沃化カリウム1.2g及びチオシアン酸カリウム4.9gを2%ゼラチン水溶液1リットル中に加え70℃にて攪拌しつつ、臭化カリウム57.5g及び沃化カリウム2.5gを含む水溶液0.4リットルと硝酸銀85gを含む水溶液0.4リットルをダブルジェット法により等流量で45分間に亘り加えた。
次いで65℃に冷却し、第3表に示した本発明にかかわる増感色素のメタノール液を添加し、15分間攪拌を続けた。
次いで、イソブテンとマレイン酸モノナトリウム塩とのコポリマーを添加し、pHを3.8にし、沈降水洗し、ゼラチン、水、フェノールを加え、pH6.8g、pAg8.7に調整した。このようにして得られたハロゲン化銀粒子は平均直径1.64μm、平均厚さ0.47μm(平均の直径/厚さ3.49)であった。次いで、この乳剤にチオ硫酸ナトリウム5水和物とテトラ金酸カリウムを加え60℃にて熟成した。
このようにして調製したハロゲン化銀乳剤に、本発明にかかわる化合物を添加し、40℃のもとで混合攪拌した後、実施例3とまったく同様にして帯電防止処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルムベース上に塗布した。塗布試料は、実施例3で用いた黄色フィルターのかわりに赤色フィルター(600nmより長波長の光を透過するフィルター)を用いた以外、やはり実施例3とまったく同様にして、露光、現像し、感度を求めた。
結果を第3表に示した。
第3表から、内部臭化銀で殻沃臭化銀の平板状ハロゲン化銀乳剤においても本発明は高い青色フィルター感度(SB )及び赤色フィルター感度(SR )をもたらし、かつ、被りが低くおさえられていることが理解できよう。
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料である試料101を作製した。また、比較の為に、化合物(19)を添加しなかった試料100と、化合物(19)のかわりに第3層、4層、5層各々に比較化合物(A)をほぼ最高感度が得られる量(第3層には3.3×10-3 mol/molAg 、第4層及び第5層には2.5×10-3 mol/molAg )添加したものを比較試料、試料102を作製した。
(感光層組成)
各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
(試料101)
第1層(ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.18
ゼラチン 1.40
第2層(中間層)
2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18
EX−1 0.070
EX−3 0.020
EX−12 2.0×10-3
U−1 0.060
U−2 0.080
U−3 0.10
HBS−1 0.10
HBS−2 0.020
ゼラチン 1.04
第3層(第1赤感乳剤層)
乳剤 A 銀 0.25
乳剤 B 銀 0.25
増感色素(XI−1) 6.9×10-5
増感色素(XIV −15) 1.8×10-5
増感色素(XIV −7) 3.1×10-4
化合物(19) 1.0×10-4
EX−2 0.34
EX−10 0.020
U−1 0.070
U−2 0.050
U−3 0.070
HBS−1 0.060
ゼラチン 0.87
第4層(第2赤感乳剤層)
乳剤 G 銀 1.00
増感色素(XI−1) 5.1×10-5
増感色素(XIV −15) 1.4×10-5
増感色素(XIV −7) 2.3×10-4
化合物(19) 2.3×10-3
EX−2 0.40
EX−3 0.050
EX−10 0.015
U−1 0.070
U−2 0.050
U−3 0.070
ゼラチン 1.30
第5層(第3赤感乳剤層)
乳剤 D 銀 1.60
増感色素(XI−1) 5.4×10-5
増感色素(XIV −15) 1.4×10-5
増感色素(XIV −7) 2.4×10-4
化合物(19) 2.4×10-3
EX−2 0.097
EX−3 0.010
EX−4 0.080
HBS−1 0.22
HBS−2 0.10
ゼラチン 1.63
第6層(中間層)
EX−5 0.040
HBS−1 0.020
ゼラチン 0.80
第7層(第1緑感乳剤層)
乳剤 A 銀 0.15
乳剤 B 銀 0.15
増感色素(B─6) 3.0×10-5
増感色素(B─9) 1.0×10-4
増感色素(B─2) 3.8×10-4
EX−1 0.021
EX−6 0.26
EX−7 0.030
EX−8 0.025
HBS−1 0.10
HBS−3 0.010
ゼラチン 0.63
(第2緑感乳剤層)
乳剤 C 銀 0.45
増感色素(B─6) 2.1×10-5
増感色素(B─9) 7.0×10-5
増感色素(B─2) 2.6×10-4
EX−6 0.094
EX−7 0.026
EX−8 0.018
HBS−1 0.16
HBS−3 8.0×10-3
ゼラチン 0.50
第9層(第3緑感乳剤層)
乳剤 E 銀 1.20
増感色素(B─6) 3.5×10-5
増感色素(B─9) 8.0×10-5
増感色素(B─2) 3.0×10-4
EX−1 0.025
EX−11 0.10
EX−13 0.015
HBS−1 0.25
HBS−2 0.10
ゼラチン 1.54
第10層(イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 銀 0.050
EX−5 0.080
HBS−1 0.030
ゼラチン 0.95
第11層(第1青感乳剤層)
乳剤 A 銀 0.080
乳剤 B 銀 0.070
乳剤 F 銀 0.070
増感色素(A─2) 3.5×10-4
EX−8 0.042
EX−9 0.72
HBS−1 0.28
ゼラチン 1.10
第12層(第2青感乳剤層)
乳剤 G 銀 0.45
増感色素(A─2) 2.1×10-4
EX−9 0.15
EX−10 7.0×10-3
HBS−1 0.050
ゼラチン 0.78
第13層(第3青感乳剤層)
乳剤 H 銀 0.77
増感色素(A─2) 2.2×10-4
EX−9 0.20
HBS−1 0.070
ゼラチン 0.69
第14層(第1保護層)
乳剤 I 銀 0.20
U−4 0.11
U−5 0.17
HBS−1 5.0×10-2
ゼラチン 1.00
第15層(第2保護層)
H−1 0.40
B−1(直径 1.7μm) 5.0×10-2
B−2(直径 1.7μm) 0.10
B−3 0.10
S−1 0.20
ゼラチン 1.20
更に、全層に保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするために、W−1、W−2、W−3、B−4、B−5、F−1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−9、F−10、F−11、F−12、F−13及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有さている。
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
Figure 0004139750
これらの試料それぞれに赤色フィルター(600nmより長波長の光を透過するフィルター)を用い、連続ウェッジを通して1/100″間露光し、下記処理液で現像し、濃度を測定した。感度を決定した光学濃度の基準点は〔カブリ+0.1〕の点であり、化合物(19)または比較化合物(A)を併用しなかった試料100の相対感度を100とした時の各々の相対値で表わし第4表に示した。
更にかぶりの増加値は同じく化合物(19)または比較化合物(A)を併用しなかった試料100のかぶりの値との差で表した。
処理方法
工程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量
発色現像 2分45秒 38℃ 33ml 20リットル
漂 白 6分30秒 38℃ 25ml 40リットル
水 洗 2分10秒 24℃ 1200ml 20リットル
定 着 4分20秒 38℃ 25ml 30リットル
水洗 (1) 1分05秒 24℃ (2)から(1) への 10リットル
向流配管方式
水洗 (2) 1分00秒 24℃ 1200ml 10リットル
安 定 1分05秒 38℃ 25ml 10リットル
乾 燥 4分20秒 55℃
補充量は35mm巾1m長さ当たり
次に、処理液の組成を記す。
(発色現像液)
母液(g) 補充液(g)
ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1
1−ヒドロキシエチリデン−1,1− 3.0 3.2
ジホスホン酸
亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4
炭酸カリウム 30.0 37.0
臭化カリウム 1.4 0.7
ヨウ化カリウム 1.5mg −
ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8
4−〔N−エチル−N−β−ヒドロキシ 4.5 5.5
エチルアミノ〕−2−メチルアニリン 硫酸塩
水を加えて 1.0リットル 1.0リットル
pH 10.05 10.10
(漂白液)
母液(g) 補充液(g)
エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリ 100.0 120.0
ウム三水塩
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 11.0
臭化アンモニウム 140.0 160.0
硝酸アンモニウム 30.0 35.0
アンモニア水(27%) 6.5ml 4.0ml
水を加えて 1.0リットル 1.0リットル
pH 6.0 5.7
(定着液)
母液(g) 補充液(g)
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 0.5 0.7
亜硫酸ナトリウム 7.0 8.0
重亜硫酸ナトリウム 5.0 5.5
チオ硫酸アンモニウム水溶液(70%) 170.0ml 200.0ml
水を加えて 1.0リットル 1.0リットル
pH 6.7 6.6
(安定液)
母液(g) 補充液(g)
ホルマリン(37%) 2.0ml 3.0ml
ポリオキシエチレン−p−モノノニル 0.3 0.45
フェニルエーテル(平均重合度10)
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 0.08
水を加えて 1.0リットル 1.0リットル
pH 5.0−8.0 5.8−8.0
Figure 0004139750
本発明の試料は、該化合物の併用により、分光感度が上昇することがわかる。その程度は、吸着基をもたない比較のために用いた化合物(A)よりも大きく、且つ、かぶりも低くおさえられていることが理解できるであろう。
実施例4で作製した試験番号(2−2)〜(2−13)及び(2−21)、(2−22)の塗布試料を室温下に1年間放置した後、実施例4とまったく同様にして露光、現像し、赤色フィルター感度と被りを求めた。
Figure 0004139750
第6表より、本発明の試料は、室温下1年間保存後の感度低下及び被りの増大が非常に少ない優れた技術であることが、一層理解できよう。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)で表わされるヒドラジン化合物。
    一般式(I)
    Figure 0004139750
    (I)式中、Hetは下記の含窒素複素環基を表わし、Qは炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子のうち少なくとも1種を含む原子または原子団からなる2価の連結基を表わし、Hyは一般式(II)で表わされるヒドラジン構造を有する原子群を表わし、kおよびkは1、2、3または4を表わし、kは1を表わす。
    一般式(II)
    Figure 0004139750
    (II)式中、R、R、RおよびRは各々、無置換アルキル基、置換アルキル基を表わし、RとR、RとR、RとR、およびR、Rが互いに結合して、環を構成する原子に炭素原子以外を含まないアルキレン基を形成してもよい。ただし、Hyで表わされるヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子にオキソ基が置換していることはない。
    前記Hetで示される含窒素複素環基は、下記一般式(VI)〜一般式(XII)のいずれかで表される含窒素複素環化合物から誘導される基である。
    一般式(VI)
    Figure 0004139750
    一般式(VII)
    Figure 0004139750
    一般式(VIII)
    Figure 0004139750
    一般式(IX)
    Figure 0004139750
    一般式(X)
    Figure 0004139750
    一般式(XI)
    Figure 0004139750
    一般式(XII)
    Figure 0004139750
    式中、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 、R 18 、R 19 、R 20 、R 21 およびR 22 は水素原子または1価の置換基を表わす。R 24 は置換または無置換の、アルキル基、アリール基または複素環基を表わす。X 1 は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基またはこれらのプレカーサーを表わす。Y 1 は酸素原子、硫黄原子、=NH、=N−(L 4 p3 −R 28 であり、L 3 、L 4 は2価の連結基を表わし、R 25 、R 28 は置換または無置換の、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表わす。X 2 はX 1 と同義である。p 2 およびp 3 は0以上の整数である。Z 7 は5員または6員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表わす。R 26 およびR 27 は水素原子またはアルキル基を表わす。ただし、一般式(VI)〜(XII)には、それぞれ少なくとも1つの−(Q) k2 −(Hy)が置換している。
  2. 前記一般式(I)の二価の連結基Qがエステルまたはアミドであることを特徴とする請求項1に記載のヒドラジン化合物。
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