JP4137438B2 - 光学フィルムおよびこれを用いた偏光フィルム、および偏光フィルムの視野角改良方法 - Google Patents

光学フィルムおよびこれを用いた偏光フィルム、および偏光フィルムの視野角改良方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等に用いられる偏光フィルムおよび位相差フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置において必須の光学部材である偏光フィルムは、例えば水溶性の二色性染料や多ヨウ素イオン等の二色性色素を含漬させたポリビニルアルコールフィルムをホウ酸温水溶液中で一軸延伸することにより得られる偏光素子や、ポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸し、次いで脱水反応により、ポリエン構造を形成させて得られる偏光素子を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムなどの保護フィルムにより接着剤を用いて挟持することにより得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような偏光素子または偏光フィルムを2枚用い、各々の吸収軸を直交するように配置した場合、正面方向から各々の吸収軸方向とは異なる方向に観測位置を傾斜させると、入射側偏光素子または偏光フィルムを通過した偏光が出射側偏光板に十分に吸収されず光が漏れてしまうという、いわゆる偏光素子または偏光フィルムの視野角依存性の問題があった。この現象は、垂直配向ネマチック(VA)型、インプレーンスイッチング(IPS)型、ベンドネマチック型(OCB)等の種々の液晶セルを用いた液晶表示装置の視野角特性に特に大きな影響を与えていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、少なくとも1枚の面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no>0である第一の位相差フィルムと、少なくとも1枚の面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであって、nx>ny≧nzである第二の位相差フィルムとを積層してなる光学フィルムを用い、これと偏光素子を積層してなる偏光フィルムを用いることにより、もう一方の偏光素子、またはこれを保護フィルムで挟持した偏光フィルムとの各々の吸収軸方向が直交になるように配置した際に、正面方向から各吸収軸方向とは異なる方向に観測位置を傾斜させた場合の光の漏れを低減し、偏光フィルムの視野角依存性を改良でき、しかも視野角改良の際の波長依存性をも改善できることを新規に見いだし本発明に至った。即ち、本発明は、
(1)少なくとも1枚の面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no>0である第一の位相差フィルムと、少なくとも1枚の面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであって、nx>ny≧nzである第二の位相差フィルムとを積層してなる光学フィルム、
(2)少なくとも1枚の面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no>0である第一の位相差フィルムと、少なくとも1枚のアクロマティックな第二の位相差フィルムを積層してなる光学フィルム、
(3)アクロマティックな第二の位相差フィルムの面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであって、nx>ny≧nzである(2)に記載の光学フィルム、
(4)第一の位相差フィルムの厚さをdp、ne−no=Δnpとするとき、Δnp・dpが5〜200nmである(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(5)第一の位相差フィルムが、フィルム面に対し概垂直配向した液晶性化合物からなるフィルムである、(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(6)液晶性化合物が、単一もしくは複数からなる紫外線硬化型の液晶性化合物の混合物の硬化物である(5)に記載の光学フィルム、
(7)第二の位相差フィルムの厚さをdとするとき、550nmにおける(nx−ny)・dが100〜400nmである(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(8)第二の位相差フィルムがポリカーボネートを主成分とするフィルムである(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(9)アクロマティックな位相差フィルムがセルロース誘導体を主成分とするフィルムである(2)ないし(7)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(10)光学フィルムが、表層をアルカリ処理したセルロース誘導体からなるフィルムである(9)に記載の光学フィルム、
(11)第二の位相差フィルムが層平面に対して実質的に平行な光軸を有する液晶性化合物層からなる(1)ないし(10)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(12)nx、ny、nzのそれぞれが等しい第二の位相差フィルムを2枚用い、各々の最大屈折率方向が直交するように配置して積層してなる(1)ないし(11)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(13)nx、ny、nzの少なくとも1つが互いに異なる2枚の第二の位相差フィルムを用い、各々の最大屈折率方向が直交するように配置して積層してなる(1)ないし(11)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(14)少なくとも1枚の、面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no<0である第三の位相差フィルムを積層してなる(1)ないし(13)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(15)第三の位相差フィルムの厚さをdn、ne−no=Δnnとするとき、|Δnn・dn|が5〜200nmである(14)に記載の光学フィルム、
(16)第三の位相差フィルムがトリアセチルセルロースフィルムである(14)または(15)のいずれか1項に記載の光学フィルム、
(17)2枚の第二の位相差フィルムの各々の最大屈折率方向が直交するように積層し、次いで、第一の位相差フィルム、次いで、第三の位相差フィルムを順次積層してなる(14)ないし(16)に記載の光学フィルム、
(18)第一の位相差フィルムのΔnp・dpの総和と第三の位相差フィルムの|Δnn・dn|の総和との差の絶対値が5〜100nmである、(1)ないし(17)に記載の光学フィルム、
(19)面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであって、nx>ny、nz>nyであって、かつ、アクロマティックな第四の位相差フィルムからなる光学フィルム、
(20)面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no<0である第三の位相差フィルムと、面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであって、nx>ny、nz>nyであって、かつ、アクロマティックな第四の位相差フィルムとを積層してなる光学フィルム、
(21)第四の位相差フィルムのnx−ny=Δna、フィルムの厚さをdaとするとき、550nmにおけるΔna・daが100〜400nmである、(19)または(20)に記載の光学フィルム、
(22)(1)ないし(21)いずれか1項に記載の光学フィルムと偏光素子を有する偏光フィルム、
(23)第二の位相差フィルムもしくは第四の位相差フィルムのうち、偏光素子側に配置される第二の位相差フィルムもしくは第四の位相差フィルムの最大屈折率方向が、偏光素子の吸収軸方向と一致するように積層してなる(22)に記載の偏光フィルム、
(24)吸収軸が直交して配置された2枚の偏光素子間に、(1)ないし(21)の光学フィルムを配置することを特徴とする、偏光素子の視野角改良方法、
(25)2枚の偏光素子の一方に、(22)または(23)のいずれか1項に記載の偏光フィルムを用い、該偏光素子の吸収軸ともう一方の偏光素子の吸収軸を直交させることを特徴とする偏光素子の視野角改良方法、
(26)偏光素子の一方に、(22)または(23)のいずれか1項に記載の偏光フィルムを用い、もう一方の偏光素子に面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no<0である第三の位相差フィルムによって挟持された偏光フィルムを用い、各々の偏光素子の吸収軸を直交させることを特徴とする偏光素子の視野角改良方法、
(27)偏光素子間にある第三の位相差フィルムの|Δnn・dn|の総和と、偏光素子間にある第一の位相差フィルムのΔnp・dpの総和との差の絶対値が5〜100nmである(24)ないし(26)のいずれか1項に記載の偏光素子の視野角改良方法、
(28)(1)ないし(23)のいずれか1項に記載の光学フィルムまたは偏光フィルムを有する液晶表示装置、
(29)吸収軸が直交して配置された偏光素子間に配置された(1)ないし(21)のいずれか1項に記載の光学フィルムを構成する各フィルムの任意のフィルム間に、画像表示を行うための液晶セルを配置したことを特徴とする(28)に記載の液晶表示装置、
(30)面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no<0である第三の位相差フィルムによって偏光素子が挟持された偏光フィルムと(22)または(23)のいずれか1項に記載の偏光フィルムとの間に液晶セルを配置したことを特徴とする(28)に記載の液晶表示装置、
(31)液晶セルが、(22)または(23)のいずれか1項に記載の偏光フィルムを構成する2枚の第二の位相差フィルム間に配置されており、各々の第二の位相差フィルムの最大屈折率方向が、それぞれの第二の位相差フィルム側にある偏光素子の吸収軸方向と一致するように積層されていることを特徴とする(28)に記載の液晶表示装置、
(32)液晶セルが該セル自身の視野角依存性を改善した液晶セルである(28)ないし(31)のいずれか1項に記載の液晶表示装置、
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の光学フィルムは、複数の位相差フィルムの積層体からなる。本発明で用いられる第一の位相差フィルムとは、例えば、図1において、フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率をnx、それと直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとするとき、下記式(1)によって求められるフィルム面内の平均屈折率noと下記式(2)によって求められる厚さ方向の屈折率neとが、ne−no>0の関係となるような位相差フィルムである。
no=(nx+ny)/2・・・(1)
ne=nz・・・(2)
このとき、nxとnyの差が少ない方が好ましく、等しい方がより好ましい。さらに、該フィルムの厚さをdp、ne−noをΔnpとするとき、これらの積により与えられるΔnp・dpが好ましくは5〜200nm、より好ましくは、10〜100nm、さらに好ましくは20〜60nm程度になるように、dp、Δnpをそれぞれ調節したフィルムであることが好ましい。このような位相差フィルムとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリエチレン、ノルボルネン誘導体等のシクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等を主成分とするプラスチックフィルムをnx方向とny方向に二軸延伸し、さらにnz方向に延伸した位相差フィルムや、フィルム面に対し垂直方向に配向させた液晶性化合物からなるフィルム等が挙げられるが、フィルム面に対し垂直配向させた液晶性化合物からなるフィルムを用いる方がnxとnyが実質的に等しくなるため特に好ましい。
【0006】
本発明で用いられる、第一の位相差フィルムに用いられるフィルム面に対し垂直配向する液晶性化合物としては、例えば、ある温度範囲において液晶性を示すサーモトロピック液晶化合物やある溶液の特定の濃度範囲で液晶性を示すリオトロピック液晶化合物が挙げられる。特にサーモトロピック液晶化合物は広い温度範囲で液晶性を示すことができるようにするために複数の液晶性化合物を混合して用いることが多い。また、液晶性化合物は低分子量、高分子量およびこれらの混合物であってもよい。これらの液晶性化合物は、配向状態を固定するために、紫外線または熱により重合もしくは架橋するような化合物であることが好ましい。そのような液晶性化合物としては、(メタ)アクリロイル基やエポキシ基、ビニル基などの重合性基を有する化合物、もしくはアミノ基やヒドロキシル基などの架橋性官能基を有する化合物であることが好ましく、そのようなものとしては例えばWO97/44703やWO98/00475号公報に記載の化合物などが挙げられる。これらの化合物は、ツイステッドネマチック(TN)液晶セルを作製する時に用いるような一般的なポリイミド系配向膜をラビング処理した基板上に該化合物層を形成した時に、配向膜側でわずかにチルト角を有する水平(プレーナ)配向をし、空気界面側でほぼ垂直(ホメオトロピック)配向するような液晶性化合物または、垂直配向させるような配向膜を形成した基板上に該化合物層を形成した時や、ガラス基板等の基板上に該化合物層を形成した時に垂直配向するような液晶性化合物である。このような液晶性化合物を用い、フィルム面に対して垂直配向させるような配向膜を用いることにより、容易にフィルム面に対して垂直配向した液晶性化合物からなるフィルムを得ることができる。これらの化合物は重合開始剤または架橋剤の存在下、紫外線や熱などによって配向状態を保持したまま重合または架橋させることにより、得られた光学異方体がその後の温度変化などに対しても一定した配向状態を保つことができる。
【0007】
前記液晶性化合物をフィルム面に対して垂直配向させる方法としては、例えば、基板フィルムに上記液晶性化合物を垂直配向させるような配向膜を形成し、次いで該配向膜面上に液晶性化合物層を形成する方法が挙げられる。垂直配向させるような配向膜としては、例えば、長鎖アルキル基などの側鎖を有するポリイミド膜や、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート等の長鎖アルキル(メタ)アクリレートとアクリル酸や2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの官能基を有する(メタ)アクリレート等を共重合させて得られるアクリルポリマーをトルエンジイソシアネートや1,6−ヘキサンジイソシアネート等の架橋剤で架橋させた膜や、ホウ酸処理された一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムや、基板フィルム上に形成されたホウ酸処理されたポリビニルアルコール膜をラビング処理したものなどが挙げられる。
【0008】
前記液晶性化合物層を配向膜上に形成する場合、該化合物が単独で塗布することが可能な場合は、直接該化合物を配向膜上に塗布することにより液晶性化合物層を形成することができるが、溶液にして塗布することも可能である。塗布する際に用いられる該化合物の溶液の溶剤としては、該化合物の溶解性、塗布時の配向膜上へのぬれ性に優れ、乾燥後の液晶層の配向を乱さないものであれば特に制限はない。そのような溶剤としては例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン等のケトン類、n−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、酢酸メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類が挙げられるがこれらに限定されない。また、溶剤は単一でも混合物でもよい。液晶性化合物を溶解する際の濃度は溶剤溶解性、基板フィルム上へのぬれ性、塗布後の厚みなどによって異なるが、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%程度がよい。また、垂直配向膜を有する基板フィルム上へのぬれ性、塗布厚の均一性を高めるために種々のレベリング剤を添加することも可能である。レベリング剤の種類としては、液晶の配向を乱さないものであれば特に限定されない。
【0009】
前記液晶性化合物を、配向膜上に塗布する方法としては特に限定されないが、塗布後の液晶層の厚みが、Δnp・dpの値に影響するため、均一の厚さに塗布できる方法が好ましい。そのような塗布の方法としては、例えばマイクログラビアコート方式、グラビアコート方式、ワイヤーバーコート方式、ディップコート方式、スプレーコート方式、メニスカスコート方式などによる方法が挙げられる。液晶性化合物層の厚さとしては、所望とするΔnp・dpによって異なり、さらに配向した液晶性化合物のΔnpによっても異なるが、好ましくは0.05〜20μm、より好ましくは0.1〜10μm程度である。
【0010】
前記液晶性化合物は、例えば、溶解性やぬれ性を考慮して調整した液晶性化合物の溶液(必要に応じて、重合開始剤または架橋剤、レベリング剤を添加する)をフィルム面に対して垂直配向するような配向膜を有する基板フィルム上に塗布後、加熱により乾燥させることにより液晶性化合物を垂直配向させた後、必要に応じて紫外線や熱などにより重合または架橋させて配向を固定化させることにより形成される。加熱により乾燥させる条件、紫外線や熱による重合または架橋させる条件については、用いる溶剤の種類や、液晶性化合物の温度による配向状態の変化および安定性を考慮して適宜定められる。このようにして形成された液晶性化合物層は、粘着剤等を用いて剥離し、第二の位相差フィルムと貼合わせても良いし、基板フィルムが例えば第二の位相差フィルムであるなどの本発明の光学フィルムの特性を損なうものでなければ、そのまま配向膜を有する第二の位相差フィルム上に直接第一の位相差フィルムを形成した形態で用いても良い。
【0011】
本発明で用いられる第二の位相差フィルムとは、例えば、図1において、フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率をnx、それと直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとするとき、nx>ny≧nzとなるような位相差フィルムである。また、第二の位相差フィルムの厚さをdとするとき、550nmにおける(nx−ny)・dが好ましくは100〜700nm、より好ましくは100〜300nm、さらに好ましくは100〜200nm程度がよい。このような位相差フィルムとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリエチレン、ノルボルネン誘導体等のシクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等を主成分とするプラスチックフィルムを一軸延伸してなる位相差フィルムや、フィルム面に対して水平配向した、液晶性化合物層からなるフィルム等が挙げられる。ポリカーボネートを主成分とするフィルムは、耐湿熱性などの耐久性の面で優れており、スーパーツイステッドネマチック(STN)型液晶表示装置等の光学補償フィルムとして広く用いられているために入手も容易であることから好適に用いられる。また、ポリビニルアルコールを主成分とするフィルムであれば、ホウ酸処理することで、上記の液晶性化合物を垂直配向させることが可能であり、そのまま本発明の光学フィルムとして用いることが可能である点において好ましい。また、層平面に対して実質的に平行な光軸を有する、フィルム面に対して水平配向した液晶性化合物層からなるフィルムを用いる場合は、例えば、後述の第三の位相差フィルムを基板フィルムとして、ラビング処理などにより配向処理を施し、次いで、配向処理面に該液晶性化合物の溶液を塗布し、加熱などにより乾燥させて液晶性化合物層を形成し、液晶性化合物がフィルム面に対して水平配向した状態で配向を固定化することで得られる。このようにすることで、第二の位相差フィルムと第三の位相差フィルムとを粘着剤や接着剤で貼り合わせることなく、第三の位相差フィルムと第二の位相差フィルムとが一体化したフィルムを作製することができ、本発明の光学フィルムの厚さを薄くし、作製工程を簡略化できる点で好ましい。液晶性化合物は低分子量、高分子量およびこれらの混合物であってもよく、配向状態を固定するために、紫外線または熱により重合もしくは架橋するような化合物であることが好ましい。そのような液晶性化合物としては、(メタ)アクリロイル基やエポキシ基、ビニル基などの重合性基を有する化合物、もしくはアミノ基やヒドロキシル基などの架橋性官能基を有する化合物であることが好ましく、そのようなものとしては例えば特開2000−98133号公報に記載の化合物などが挙げられる。
【0012】
本発明で用いられる第二の位相差フィルムにおいて、面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率をnx、それと直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとするとき、nx>ny≧nzであって、かつ、アクロマティックな位相差フィルムをもちいることができる。アクロマティックとは、位相差の波長依存性が少ないことを意味する。図2に示すように、一般的なポリカーボネートからなるフィルムの正面方向における550nmに対して略1/4波長の位相差を与える位相差フィルムの場合、550nmよりも短波長側では、該短波長側のある波長での位相差が1/4波長より大きくなり、他方、長波長側では該長波長側のある波長での位相差が1/4波長よりも小さくなる。これに対し、理想的なアクロマティックな位相差フィルムは例えば図3に示すように、フィルム正面方向における550nmに対して1/4波長の位相差を与える位相差フィルムの場合、550nmよりも短波長側、長波長側いずれにおいてもある波長での位相差が1/4波長になるようなフィルムである。本発明で用いられるアクロマティックな位相差フィルムの位相差値は、nx−ny=Δn、フィルムの厚さをdとするとき、フィルム正面方向における550nmにおけるΔn・dが100〜400nm、好ましくは、120〜150nmおよび240〜300nmがよい。このとき理想的なアクロマティックな位相差フィルム(例えば1/4波長の位相差の場合、400nmにおける位相差値が100nm、550nmにおける位相差値が137.5nm、800nmにおける位相差値が200nmとなるような各波長に等しい位相差を与える位相差フィルム)で得られるある波長における位相差値と実際に得られる位相差値とのずれは、550nmより短波長側では好ましくは−50〜50nm、より好ましくは−30〜30nm程度がよく、550nmより長波長側では好ましくは−80〜80nm、さらに好ましくは−60〜60nm程度になるようにするのが良い。このようなアクロマティックな位相差フィルムを用いることにより、本発明で得られる偏光フィルムの視野角改良効果の波長依存性を低減できるためより好ましい。
【0013】
本発明のアクロマティックな位相差フィルムは、例えば、アクロマティックな特性を有する物質を、一方向に配向させることによって得られる。そのような物質としては例えば特開2000−137116号公報に記載のセルロース誘導体などが上げられる。特にセルロース誘導体からなるフィルムは、表層をアルカリ処理する等して、他の保護フィルムと共にポリビニルアルコール水溶液などのポリビニルアルコール系接着剤を用いて水溶性の二色性染料や多ヨウ素イオン等の二色性色素を含漬させたポリビニルアルコールフィルムをホウ酸温水溶液中で一軸延伸することにより得られる偏光素子を挟持することにより該偏光素子の保護フィルムとしても機能するためより好ましい。また、一方向に配向させる方法としては、例えば前記物質からなるフィルムを面方向に一軸延伸する方法等が挙げられる。
【0014】
本発明の光学フィルムは、前記の第一の位相差フィルムを少なくとも1枚、さらに前記第二の位相差フィルムを少なくとも1枚用い、これらを積層することにより得られる。図4には第一の位相差フィルム2と第二の位相差フィルム3を積層して得られる本発明の光学フィルム4を例示している。各々の位相差フィルムを積層する方法としては、例えば粘着剤、接着剤などを用いる方法、第二の位相差フィルム上に配向膜を介して直接第一の位相差フィルムを形成する方法等が挙げられる。このとき、第一の位相差フィルムのnx、nyとが等しくない場合は、第一の位相差フィルムのnx方向と第二の位相差フィルムのnx方向もしくはny方向とが一致するように積層する方が好ましい。また、本発明の光学フィルムはnx、ny、nzのそれぞれが等しい第二の位相差フィルム3を2枚用い、例えば図5に示すように各々のnx方向が直交するように積層し、さらに、図6に示すように第一の位相差フィルム2と積層することにより得られる本発明の光学フィルム5とする方が本発明で得られる偏光フィルムの視野角改良効果の波長依存性を低減できるためより好ましい。この場合においても、第一の位相差フィルム2のnx、nyとが等しくない場合は、第一の位相差フィルムのnx方向と第二の位相差フィルム3のnx方向もしくはny方向とが一致するように積層する方が好ましい。また、第二の位相差フィルムを2枚用いる場合は、2枚の第二の位相差フィルムの間でnx、ny、nzの少なくとも1つの値が互いに異なっていても良い。そのような例としては、フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率をnx1、それと直交する方向の屈折率をny1、厚さ方向の屈折率をnz1とするとき、nx1>ny1≧nz1となるような位相差フィルム6と、フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率をnx2、それと直交する方向の屈折率をny2、厚さ方向の屈折率をnz2とするとき、nx2>ny2≧nz2となるような位相差フィルム7を図7に示すように、nx1とnx2方向とが直交するように積層し、さらに第一の位相差フィルム2を積層して得られる図8に示すような本発明の光学フィルム8が挙げられる。この場合においても、第一の位相差フィルムのnx、nyとが等しくない場合は、第一の位相差フィルムのnx方向と第二の位相差フィルムのnx1方向もしくはny1方向とが一致するように積層する方が好ましい。
【0015】
本発明の光学フィルムは、前記第一の位相差フィルム、第二の位相差フィルムに加えて、少なくとも1枚の第三の位相差フィルムを用いることも可能である。本発明で用いられる第三の位相差フィルムとは、前記式(1)によって求められるフィルム面内の平均屈折率noと前記式(2)によって求められる厚さ方向の屈折率neとが、ne−no<0の関係となるような位相差フィルムである。このとき、nxとnyの差が少ない方が好ましい。さらに、該フィルムの厚さをdn、ne−noをΔnnとするとき、これらの積により与えられるΔnn・dnの絶対値|Δnn・dn|が好ましくは5〜200nm、より好ましくは、10〜150nm、さらに好ましくは10〜100nm程度になるように、dn、Δnnをそれぞれ調節したフィルムであることが好ましい。このような位相差フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースフィルムや、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリエチレン、ノルボルネン誘導体等のシクロオレフィンポリマー、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等を主成分とするプラスチックフィルムをnx方向とny方向に二軸延伸した位相差フィルムや、コレステリック液晶を配向させて形成した位相差フィルム等が挙げられるが、トリアセチルセルロースフィルムは、透明性に優れるだけでなく、偏光素子の保護フィルムとして広く用いられているため、例えば本発明の光学フィルムを偏光フィルムと一体化して用いる場合、偏光素子の保護フィルムと本発明で用いられる第三の位相差フィルムとを兼ねることが可能となるため特に好ましい。
【0016】
本発明の第三の位相差フィルムを有する光学フィルムとしては、例えば、図9に示すように、第二の位相差フィルム3に、第一の位相差フィルム2を積層し、さらに第三の位相差フィルム9を積層することによって得られる本発明の光学フィルム10や、図10、図11に示すような積層の順を変えた本発明の光学フィルム11および12が挙げられる。また、他の例としては、例えば、図12に示すようにnx方向が直交するように積層された2枚の第二の位相差フィルム3に、第三の位相差フィルム9を積層し、さらに第一の位相差フィルム2を積層することによって得られる本発明の光学フィルム13が挙げられる。また、図13に示すように、第一の位相差フィルム2と第三の位相差フィルム9の積層する順序を図12とは逆にして積層した本発明の光学フィルム14とすることも可能である。特に図13において、偏光素子の保護フィルムを兼ねることができるような第三の位相差フィルム9を用いた場合には、そのままもう一方の保護フィルムを用いて第三の位相差フィルム9側で偏光素子を挟持することができるため好ましい。また、本発明で用いられる各々の位相差フィルムは、必要に応じて粘着剤や接着剤を用いて積層すればよい。また、第一の位相差フィルム2および第三の位相差フィルム9のnx、nyが等しくない場合は、第一の位相差フィルム2および第三の位相差フィルム9の各nx方向と第二の位相差フィルム3のnx方向もしくはny方向とが一致するように積層する方が好ましい。
【0017】
また、本発明で得られる視野角改良効果をより顕著にするために、本発明の光学フィルムを構成する各第一の位相差フィルムのΔnp・dpの総和ΣΔnp・dpと本発明の光学フィルムを構成する各第三の位相差フィルムの|Δnn・dn|の総和Σ|Δnn・dn|との差の絶対値|(ΣΔnp・dp−Σ|Δnn・dn|)|が5〜100nm、より好ましくは5〜70nm程度になるように各フィルムのΔnp・dp、|Δnn・dn|を調節するのが良い。
【0018】
本発明で用いられる第四の位相差フィルムとは、前記アクロマティックな特性を有し、かつ、面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであるときに、nx>ny、nz>nyとなるようなフィルムである。本発明で用いられる第四の位相差フィルムの位相差値は、nx−ny=Δna、フィルムの厚さをdaとするとき、フィルム正面方向における550nmにおけるΔna・daが100〜400nm、好ましくは、120〜150nmおよび240〜300nmがよい。このとき図3に示すような理想的なアクロマティックな位相差フィルム(例えば1/4波長の位相差の場合、400nmにおける位相差値が100nm、550nmにおける位相差値が137.5nm、800nmにおける位相差値が200nmとなるような各波長に等しい位相差を与える位相差フィルム)で得られるある波長における位相差値と実際に得られる位相差値とのずれは、550nmより短波長側では好ましくは−50〜50nm、より好ましくは−30〜30nm程度がよく、550nmより長波長側では好ましくは−80〜80nm、さらに好ましくは−60〜60nm程度になるようにするのが良い。
【0019】
本発明で用いられる第四の位相差フィルムは、例えば、アクロマティックな特性を有する物質を、面方向と厚さ方向との二方向に配向させることによって得られる。そのような物質としては例えば特開2000−137116や特開2000−91743号公報に記載のセルロース誘導体や、特開2001−235622号公報に記載のノルボルネン鎖とスチレン鎖を有する共重合体からなる組成物などが挙げられる。特にセルロース誘導体からなるフィルムは、表層をアルカリ処理する等して、他の保護フィルムと共にポリビニルアルコール水溶液などのポリビニルアルコール系接着剤を用いて水溶性の二色性染料や多ヨウ素イオン等の二色性色素を含漬させたポリビニルアルコールフィルムをホウ酸温水溶液中で一軸延伸することにより得られる偏光素子を挟持することにより該偏光素子の保護フィルムとしても機能するためより好ましい。また、二方向に配向させる方法としては、例えば前記物質からなるフィルムを面方向に一軸延伸した後、両面を粘着ロールによって厚さ方向に延伸する方法や、面方向に一軸延伸した後、延伸した方向とは逆方向に適度に収縮させて厚さ方向に配向させる方法や、面方向に一軸延伸した後、厚さ方向に電場や磁場をかけて厚さ方向に配向させる方法などが挙げられる。このとき、下記式(3)によって定義されるNz係数が、好ましくは0.3〜1、より好ましくは0.5〜0.8程度になるようにnx、ny、nzの各方向の配向の程度を制御するのが良い。
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)・・・(3)
【0020】
上記第四の位相差フィルムを用いて、あるいは、第三の位相差フィルムと積層させることにより、本発明の光学フィルムを作製することができる。図14には、第四の位相差フィルム15と第三の位相差フィルム9を積層して得られる本発明の光学フィルム16を例示している。
【0021】
このようにして作製した本発明の光学フィルムを偏光素子と一体化することにより、本発明の偏光フィルムを得ることができる。偏光素子としては、例えば、水溶性の二色性染料や多ヨウ素イオン等の二色性色素を含漬させたポリビニルアルコールフィルムをホウ酸温水溶液中で一軸延伸することにより得られる偏光素子や、ポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸し、次いで脱水反応により、ポリエン構造を形成させて得られる偏光素子などが挙げられる。本発明の偏光フィルムとしては、例えば図15に示すような第一の位相差フィルム2と第二の位相差フィルム3、偏光素子17、保護フィルム18からなる本発明の偏光フィルム19や、図16に示すような第一の位相差フィルム2と第二の位相差フィルム3と第三の位相差フィルム9、偏光素子17、保護フィルム18とからなる本発明の偏光フィルム20などが挙げられる。保護フィルムとしては、透明性、偏光素子との接着性に優れ、適度な強度を有するフィルムが好ましく、そのようなフィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースフィルムや、ノルボルネン誘導体等のシクロオレフィンポリマーを主成分とするフィルム等が挙げられる。また、光学異方性のない、例えばアクリル系等の樹脂層を形成することにより保護フィルムとしての機能を付与することも可能である。特にトリアセチルセルロースフィルムは、前記ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光素子の保護フィルムとして好適に用いられており、しかも、本発明で用いられる第三の位相差フィルムとしての機能も有するため、特に好ましい。また、トリアセチルセルロースフィルムは、表層をアルカリ処理することにより、挟持の際に用いるポリビニルアルコール水溶液からなる接着剤を用いた場合の前記ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光素子との接着性を向上させることができるため、表層をアルカリ処理して用いるのがよい。図17にはそのような例として、第二の位相差フィルム3、第一の位相差フィルム2、第三の位相差フィルムである表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム21によって挟持された偏光素子17とからなる本発明の偏光フィルム22が例示してある。また、図18には他の例としてnx方向が直交した2枚の第二の位相差フィルム3、第一の位相差フィルム2、第三の位相差フィルムである表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム21によって挟持された偏光素子17とからなる本発明の偏光フィルム23が示してある。また、保護フィルムとして、表面に易接着処理された保護フィルムを用いて挟持する場合には、前記ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光素子と保護フィルムとを水を用いて接着することも可能である。上記接着剤を用いても、これらの保護フィルムと偏光素子の接着性に乏しい場合には、他の接着剤や粘着剤を用いることも可能である。
【0022】
本発明の偏光フィルムを作製する場合は、前記光学フィルムと偏光素子と保護フィルムを用いて積層することにより得られる。例えば、図19に示すように、偏光素子17を第三の位相差フィルムである表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム21によって挟持した偏光フィルム25に、第一の位相差フィルム2と第二の位相差フィルム3を積層した本発明の光学フィルム4を積層することにより、図17に示すような本発明の偏光フィルム22を得ることができる。また、他の例としては、例えば図20に示すように、第二の位相差フィルム3に第一の位相差フィルム2、次いで第三の位相差フィルム9を積層してなる本発明の光学フィルム10に、偏光素子17の片側のみ保護フィルム18を接着したフィルム26とを積層することにより図16に示すような本発明の偏光フィルム20を得ることができる。各々の位相差フィルムや偏光素子は接着剤や粘着剤を用いて積層することができる。このとき、図19および20に示すように、偏光素子の吸収軸24の方向と第二の位相差フィルム3のnx方向が一致するようにして積層することが特に好ましい。さらに、図19および20において第一の位相差フィルム2および第三の位相差フィルムのそれぞれのnx、nyが等しくない場合は、第一、第二、第三の各位相差フィルムのnx方向が一致するように積層し、さらに、偏光素子の吸収軸24の方向と各フィルムのnx方向とが一致するように積層することがより好ましい。また、図21に示すように、第三の位相差フィルムとして表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム21を用いて、偏光素子17を挟持した偏光フィルム25を用い、nx方向を直交させて積層した2枚の第二の位相差フィルム3と第一の位相差フィルム2からなる本発明の光学フィルム5を積層することにより図18に示すような本発明の偏光フィルム23を得ることができるが、このとき、図21に示すように、偏光素子17側の第二の位相差フィルム3のnx方向が、偏光素子17の吸収軸方向24と一致するように積層することが特に好ましい。さらに、第一の位相差フィルム2および第三の位相差フィルム21のそれぞれのnx、nyが等しくない場合は、第一の位相差フィルム2および第三の位相差フィルム21の各nx方向と偏光素子側の第二の位相差フィルム3のnx方向とが一致するように積層しさらに、第一の位相差フィルム2および第三の位相差フィルム21の各nx方向と偏光素子側の第二の位相差フィルム3のnx方向と偏光素子の吸収軸方向24とが一致するように積層することがより好ましい。
【0023】
このようにして得られた本発明の光学フィルムを用いて、偏光フィルムの視野角依存性を改善することができる。その方法としては例えば、図22に示すように、各々の吸収軸が直交するように配置された第三の位相差フィルムでもある表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム21によって偏光素子17が挟持された2枚の偏光フィルム25の間に、本発明の光学フィルム4を配置することによって達成される。このとき、図23に示すように、第二の位相差フィルム3のnx方向が、第一の位相差フィルム2側の偏光フィルム25の吸収軸24の方向と一致するように配置することが好ましい。他の例としては、図24に示すように、各々の吸収軸が直交するように配置された第三の位相差フィルムでもある表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム21によって偏光素子17が挟持された2枚の偏光フィルム25の間に、本発明の光学フィルム5を配置することによって達成される。このとき、図25に示すように、第二の位相差フィルム3のnx方向が、それぞれの第二の位相差フィルム側に配置された偏光フィルム25の吸収軸24の方向と一致するように配置することが好ましい。また、本発明の偏光フィルムと対をなすもう一方の偏光フィルムは、図24に示すように、偏光素子17が第三の位相差フィルムでもある表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム21によって挟持された構成であってもよい。このとき、本発明の偏光フィルムと対をなすもう一方の偏光フィルムに用いられる第二の位相差フィルム側に位置する第三の位相差フィルムは、本発明の光学フィルムを構成する一部とみなされるので、前記式(1)によって求められるフィルム面内の平均屈折率noと前記式(2)によって求められる厚さ方向の屈折率neとが、ne−no<0、該フィルムの厚さをdn、ne−noをΔnnとするとき、これらの積により与えられるΔnn・dnの絶対値|Δnn・dn|が好ましくは5〜200nm、より好ましくは、10〜150nm、さらに好ましくは10〜100nm程度になるように、dn、Δnnをそれぞれ調節したフィルムであることが好ましい。このとき、両偏光素子間にある各第一の位相差フィルムのΔnp・dpの総和ΣΔnp・dpと両偏光素子間にある各第三の位相差フィルムの|Δnn・dn|の総和Σ|Δnn・dn|との差の絶対値|(ΣΔnp・dp−Σ|Δnn・dn|)|が5〜100nm、より好ましくは5〜80nm程度になるように各フィルムのΔnp・dp、|Δnn・dn|を調節するのが良い。このように配置することで例えば図26に示すように、偏光フィルム正面方向から各々の吸収軸方向とは異なる方向27(例えば各々の吸収軸に対して45°方向)へ傾斜させた場合に、観察方向28で発生する光の漏れを大幅に低減することができ、偏光フィルムの視野角依存性を改善できる。
【0024】
また、前記本発明の偏光フィルムを用いても同様に偏光フィルムの視野角依存性を改善することができる。この場合、図27に示すように、本発明の偏光フィルム29に含まれる光学フィルム側に、もう一方の偏光フィルム25を配置することにより同様に偏光フィルムの視野角依存性を改善することができる。このとき、図28に示すように本発明の偏光フィルム29の吸収軸24の方向と、該偏光フィルム29に含まれる第二の位相差フィルム3のnx方向とが一致するようにして積層していることが好ましい。また、各偏光フィルムの吸収軸方向24は直交している。また他の例としては、図29に示すように、本発明の偏光フィルム23に含まれる光学フィルム側に、もう一方の偏光フィルム25を配置することにより同様に偏光フィルムの視野角依存性を改善することができる。この場合においても、図30に示すように本発明の偏光フィルム23の吸収軸方向24の方向と、該偏光フィルム23に含まれる偏光素子17側の第二の位相差フィルム3のnx方向とが一致するように積層していることが好ましい。もう一方の偏光フィルム25側に位置する本発明の偏光フィルム23に含まれる第二の位相差フィルム3のnx方向は、もう一方の偏光フィルム25の吸収軸24の方向と一致している。また、この場合も各偏光フィルムの吸収軸方向24は直交している。
【0025】
また、本発明において第四の位相差フィルムを単独、あるいは第三の位相差フィルムと積層した本発明の光学フィルムを用いても同様に偏光フィルムの視野角特性を改善することができる。そのような例としては例えば図31に示すように、各々の吸収軸が直交するように配置された第三の位相差フィルムでもある表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムによって偏光素子が挟持された2枚の偏光フィルム25の間に、第四の位相差フィルム15を配置することによって達成される。このとき、第四の位相差フィルム15のnx方向は一方の偏光素子の吸収軸24の方向と一致するように配置することが好ましい。また、図32、図33に示すように、第四の位相差フィルム15と偏光素子17と保護フィルム18を積層した本発明の偏光フィルム30や第四の位相差フィルム15と第三の位相差フィルムでもある表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム21によって偏光素子17が挟持された偏光フィルムとを積層した本発明の偏光フィルム31を用い、他方に表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムによって偏光素子が挟持された偏光フィルムを用いて、各偏光素子の吸収軸方向が直交するように配置することで、同様に偏光フィルムの視野角特性を改善することができる。
【0026】
このようにして得られた本発明の光学フィルム、または偏光フィルム、および偏光フィルムの視角依存性を改良する方法を用いた液晶表示装置を用いることにより、該液晶表示装置の視野角特性を改善することができる。そのような液晶表示装置としては、例えば、図34に示すように液晶セル32の片側に本発明の偏光フィルム33を配置し、もう一方の側に偏光素子を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムによって挟持した偏光フィルム25を各々の偏光フィルムの吸収軸24の方向が直交するように配置することによって得られる。各フィルムは液晶セルと粘着剤などによって貼り合わせればよい。また、他の例としては、例えば、図35に示すように、液晶セル32の片側に本発明の偏光フィルム22を配置し、もう一方の側に第三の位相差フィルムでもある表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムによって偏光素子が挟持された偏光フィルム25を各々の偏光フィルムの吸収軸方向が直交するように配置した本発明の液晶表示装置が挙げられる。また、本発明の偏光フィルムを構成する偏光素子から他方の偏光フィルム側に位置する第二の位相差フィルムとの間での任意のフィルム間に、液晶セルを配置することによっても液晶表示装置の視野角特性を改善することができる。そのような例としては例えば、図36に示すように、液晶セル32は2枚の第二の位相差フィルム3の間に配置されており、各々の第二の位相差フィルムのnx方向は、それぞれの側にある偏光素子の吸収軸24の方向と一致するように積層される。このような構成とすることにより、各偏光フィルムの作製がより簡便で効率的に行えるために好ましい。すなわち、偏光素子は一軸延伸して作製する際に、延伸方向が吸収軸方向と一致する。また、第二の位相差フィルムや第四の位相差フィルムも同様に一軸延伸する際に、nx方向が延伸方向と一致する。同様に第一、第三の位相差フィルムも、nx方向が長尺方向と一致しているか、または、nxとnyが等しい場合には、これらのフィルムが連続的に作製された長尺物であれば、一方の偏光フィルムを構成する偏光素子、第一、第二、第三の各位相差フィルムを全てロールツウロールで積層することができる。同様に、もう一方の偏光素子と第二の位相差フィルムもロールツウロールで積層することが可能となる。
【0027】
また、他の例としては、例えば、図37に示すように、液晶セル32に視野角依存性がある場合において、該液晶セルの視野角依存性を改良するための補償フィルム34を液晶セルの少なくとも片側、必要に応じて両側に配置し、さらに本発明の偏光フィルム33を一方に、もう一方に偏光素子を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムによって挟持した偏光フィルム25を配置して得られる本発明の液晶表示装置とすることが好ましい。このようにすることで、液晶セルの視野角特性と、偏光フィルムの視野角特性を同時に改良することができ、液晶表示装置としての視野角特性を大幅に改善することができる。また、他の例としては例えば図38に示すように、偏光フィルム25と第四の位相差フィルム15を該偏光フィルムの吸収軸24の方向と第四の位相差フィルムのnx方向とが一致するように積層して液晶セルの視野角依存性を補償するフィルム34を有する液晶セル32の該補償フィルム34側に配置し、液晶セル32の反対側に偏光フィルム25を各偏光フィルムの吸収軸方向24が直交するように配置した本発明の液晶表示装置が挙げられる。
【0028】
また、他の例としては、図39に示すような、本発明の偏光フィルム33と位相差フィルム35を該偏光フィルムの吸収軸方向24と該位相差フィルムのnx方向とが略45°になるように積層してなる円偏光フィルム37を反射層あるいは反射フィルムを有する反射型液晶セル36に積層することにより得られる本発明の反射型液晶表示装置が挙げられる。この場合も必要に応じて、図39に示すように、液晶セルを補償するフィルム34を例えば該円偏光フィルム37と該液晶セル36の間に配置して積層することも可能である。円偏光フィルムに用いられる位相差フィルムは波長550nmの光に対しての位相差値が130nm〜145nm、より好ましくは135〜140nmであるようないわゆる1/4波長フィルムであることが好ましく、より好ましくは可視領域の波長における位相差が略1/4波長となるようなフィルムであることが好ましい。そのようなフィルムとしては、例えば、本発明で用いられるアクロマティックな第二の位相差フィルムやアクロマティックな第二の位相差フィルムと第一の位相差フィルムを積層した本発明の光学フィルムや第四の位相差フィルムが好ましい。また、ノルボルネン誘導体等のシクロオレフィンポリマーからなる位相差フィルムや、図2に示すポリカーボネートからなる位相差フィルムのようなアクロマティックでない位相差フィルム(このフィルムの屈折率がnx>ny<nzで、上記式(3)によって定義されるNz係数が、好ましくは0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6程度になるようにnx、ny、nzの各方向の配向の程度を制御したものがより好ましい)を例えば、特許3174367号公報や、Proc. Indian Acad. Sci. A41,130,137(1955)やSPIE vol.307 Polarizers and Aoolications, 120(1981)に記載の方法で位相差フィルムを複数枚積層することによって得られるアクロマティックでかつ、可視領域の波長における位相差が略1/4波長となるような積層位相差フィルムも使用することができる。
【0029】
本発明の液晶表示装置で用いられる液晶セルとしては、例えばツイステッドネマチック(TN)型、スーパーツイステッドネマチック(STN)型や、垂直配向ネマチック(VA)型、インプレーンスイッチング(IPS)型、ベンドネマチック(OCB)型、強誘電性液晶(SSFLC)型、反強誘電液晶(AFLC)型液晶セルなど種々の液晶セルが挙げられる。さらにこれらの液晶セルを用いた液晶表示装置は、透過型、反射型、反射半透過型いずれの形でも使用することができる。反射型液晶表示装置の場合には、上記偏光フィルム1枚のみ使用する場合と、2枚使用する場合があるが、いずれの場合でもよく、それぞれの視野角特性に応じて用いる各位相差フィルムの位相差値を調節すればよい。これらの液晶セルの種類によっては、液晶セル自身による視野角依存性があるため、好ましくは液晶セル自身の視野角依存性を補償した液晶セルを用いることが好ましい。液晶セル自体の視野角依存性を補償する方法は、用いる液晶セルの形態により種々の方法が用いられているが、例えば、TN型液晶セルの場合は、ハイブリッド配向したディスコティック液晶層を有するフィルムを用いて補償する方法が知られている。また、VA型液晶セルの場合には、ne−no<0となるような二軸延伸したフィルムや、垂直配向したディスコティック液晶層を有するフィルムを用いて補償する方法が知られている。図37および図38、図39に例示した液晶セルの視野角依存性を補償するフィルム34を用いた場合のように、上記周知の方法で補償された液晶セルを用い、さらに本発明の光学フィルムと偏光フィルムもしくは本発明の偏光フィルムを本発明の方法で使用することにより、さらに液晶表示装置としての視野角依存性を改善することができる。
【0030】
【実施例】
以下実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
WO97/44703号公報に記載の紫外線硬化型液晶性化合物の混合物
【0031】
【化1】
Figure 0004137438
【0032】
23.5重量部
【0033】
【化2】
Figure 0004137438
【0034】
70.5重量部と光重合開始剤イルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)6重量部をトルエン300重量部、シクロヘキサノン100重量部の混合溶剤で溶解し、固形分濃度が20%の溶液を調製した。この溶液をポラテクノ社製ヨウ素系偏光フィルム(重合度1700、延伸後の厚さ約20μmポリビニルアルコール中のホウ酸含有量は約15%、保護フィルムとして表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムを片面のみポリビニルアルコール系接着剤で接着したもの)の偏光素子面に、ワイヤーバーを用いて塗布し、加熱により溶媒を除去後、高圧水銀灯(80W/cm)を照射して重合させることにより、第一の位相差フィルムを有する偏光フィルムを得た。この第一の位相差フィルムの厚さは1μmであった。この第一の位相差フィルムの光学特性を調べるために、粘着剤を塗布したガラス板を用いて第一の位相差フィルムを偏光素子から剥離し、フィルム面から傾斜させた時の位相差値の変化を自動複屈折測定器(王子計測機器社製:KOBRA−21ADH)を用いて測定した。結果を図40に示した。図40より、この第一の位相差フィルムは、フィルム面に対して垂直配向したフィルムであることが分かった。また、傾斜に伴う位相差値の変化から、面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がne、厚さをdp、ne−no=Δnpとしたときの、Δnp・dpは39nmであった。次に、上記第一の位相差フィルムを有する偏光フィルムの第一の位相差フィルム面に、フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.5864、それと直交する方向の屈折率ny=1.5844、厚さ方向の屈折率nz=1.5841、厚さd=70μm、550nmにおける(nx−ny)・dが140nmであるポリカーボネートフィルムである第二の位相差フィルムを、nx方向が偏光素子の吸収軸方向と一致するように粘着剤を用いて積層した。次に、同じポリカーボネートフィルムである第二の位相差フィルムを、先に貼り合わせた第二の位相差フィルム面に、nx方向が偏光素子の吸収軸方向と直交するように粘着剤を用いて貼り合わせて本発明の偏光フィルムを得た。この本発明の偏光フィルムと偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム(フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.49522、それと直交する方向の屈折率ny=1.49517、厚さ方向の屈折率nz=ne=1.49461、厚さdn=80μm、面内の平均屈折率no=1.49520、ne−no=Δnnとしたときの、|Δnn・dn|は49nm)で挟持したポラテクノ製ヨウ素系偏光フィルムとを、各々の偏光素子の吸収軸が直交するように粘着剤を用いて貼り合わせた。このときの|(Δnp・dp−|Δnn・dn|)|は10nmであった。この各々の偏光フィルムの偏光素子の吸収軸が直交したフィルムの正面方向の450、550、650nmの各波長における透過率(直交透過率)および、各偏光素子の吸収軸から45°方向に50°傾斜させた時の450、550、650nmにおける透過率(傾斜時の直交透過率)を分光光度計(島津製作所社製、UV−3100)を用いて測定した。結果を表1に示した。また、各偏光素子の吸収軸から45°の方向に正面から50°傾斜させた時の450、550、650nmにおける透過率(傾斜時の直交透過率)を分光光度計(島津製作所社製、UV−3100)を用いて測定した。結果を表1に示した。また、各偏光素子の吸収軸から45°の方向に正面から50°傾斜させた時の400〜700nmの波長における透過率(傾斜時の直交透過率)を分光光度計(島津製作所社製、UV−3100)を用いて測定した。結果を図45に示した。
【0035】
実施例2
実施例1で用いたΔnp・dpが39nmの第一の位相差フィルムを有する偏光フィルムの第一の位相差フィルム面に、フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.5864、それと直交する方向の屈折率ny=1.5844、厚さ方向の屈折率nz=1.5841、厚さd=70μm、550nmにおける(nx−ny)・dが140nmであるポリカーボネートフィルムである第二の位相差フィルム1枚を、nx方向が偏光素子の吸収軸方向と一致するように粘着剤を用いて積層した以外は実施例1と同様の操作により本発明の偏光フィルムを得た。この偏光フィルムと、実施例1で用いた偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムで挟持したポラテクノ製ヨウ素系偏光フィルムとを各々の偏光素子の吸収軸が直交するように粘着剤を用いて貼り合わせた。このフィルムを、実施例1と同様に評価した。結果を表1および図45に示した。
【0036】
実施例3
実施例1と同様の操作により作製したΔnp・dpが65nmである第一の位相差フィルムを、片面に粘着層を有する表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム(フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.49522、それと直交する方向の屈折率ny=1.49517、厚さ方向の屈折率nz=ne=1.49461、厚さdn=80μm、面内の平均屈折率no=1.49520、ne−no=Δnnとしたときの、|Δnn・dn|は49nm)である第三の位相差フィルムと貼り合わせ、第一の位相差フィルムを偏光素子より剥離した。次に剥離した第三の位相差フィルムと第一の位相差フィルムの積層体の第一の位相差フィルム面側に実施例1で用いた550nmにおける(nx−ny)・dが140nmであるポリカーボネートフィルムである第二の位相差フィルムをnx方向が第三の位相差フィルムのnx方向と一致するように粘着剤を用いて積層した。さらに、同じポリカーボネートフィルムである第二の位相差フィルムを、第二の位相差フィルム同士のnx方向が直交するように、先に貼り合わせた第二の位相差フィルム面側に、粘着剤を用いて貼り合わせて本発明の光学フィルムを得た。次に実施例1で用いた、片側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムと接着したヨウ素系偏光フィルムの偏光素子側と本発明の光学フィルムの表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム面とを、偏光素子の吸収軸方向と、上記光学フィルムの偏光素子側に位置する第二の位相差フィルムのnx方向とが一致するように、ポリビニルアルコール系接着剤で接着して本発明の偏光フィルムを得た。この偏光フィルムと、実施例1で用いた偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム(フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.49522、それと直交する方向の屈折率ny=1.49517、厚さ方向の屈折率nz=ne=1.49461、厚さdn=80μm、面内の平均屈折率no=1.49520、ne−no=Δnnとしたときの、|Δnn・dn|は49nm)で挟持したポラテクノ製ヨウ素系偏光フィルムとを各々の偏光素子の吸収軸が直交するように粘着剤を用いて貼り合わせた。このときの偏光素子間にある1枚の第一の位相差フィルムのΔnp・dpと2枚の第三の位相差フィルムの|Δnn・dn|の総和との差の絶対値は33nmであった。このフィルムを、実施例1と同様に評価した。結果を表1および図45に示した。
【0037】
実施例4
WO98/00475に記載の紫外線硬化型液晶性化合物の混合物
【0038】
【化3】
Figure 0004137438
【0039】
39.2重量部
【0040】
【化4】
Figure 0004137438
【0041】
45.0重量部
【0042】
【化5】
Figure 0004137438
【0043】
9.8重量部
と光重合開始剤イルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)6重量部をトルエン300重量部、シクロヘキサノン100重量部の混合溶剤で溶解し、固形分濃度が20%の溶液を調製した。この溶液を、実施例1と同様の操作により第一の位相差フィルムを作製した。この第一の位相差フィルムの厚さは1.3μmであった。この第一の位相差フィルムの光学特性を調べるために、粘着剤を塗布したガラス板を用いて第一の位相差フィルムを偏光素子から剥離し、実施例1と同様に測定したところ、この第一の位相差フィルムは、フィルム面に対して垂直配向したフィルムであることが分かった。また、傾斜に伴う位相差値の変化から、面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がne、厚さをdp、ne−no=Δnpとしたときの、Δnp・dpは35nmであった。次に、この第一の位相差フィルムを実施例1で用いた偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム(フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.49522、それと直交する方向の屈折率ny=1.49517、厚さ方向の屈折率nz=ne=1.49461、厚さdn=80μm、面内の平均屈折率no=1.49520、ne−no=Δnnとしたときの、|Δnn・dn|は49nm)で挟持したポラテクノ製ヨウ素系偏光フィルムに粘着剤を用いて転写し、さらに実施例1で用いた550nmにおける(nx−ny)・dが140nmであるポリカーボネートフィルムである第二の位相差フィルム1枚をnx方向が偏光素子の吸収軸方向と一致するように粘着剤を用いて貼り合わせて、本発明の偏光フィルムを得た。この偏光フィルムと実施例1で用いた偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム(フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.49522、それと直交する方向の屈折率ny=1.49517、厚さ方向の屈折率nz=ne=1.49461、厚さdn=80μm、面内の平均屈折率no=1.49520、ne−no=Δnnとしたときの、|Δnn・dn|は49nm)で挟持したポラテクノ製ヨウ素系偏光フィルムを各々の偏光素子の吸収軸が直交するように粘着剤を用いて貼り合わせた。このときの偏光素子間にある1枚の第一の位相差フィルムのΔnp・dpと2枚の第三の位相差フィルムの|Δnn・dn|の総和との差の絶対値は63nmであった。このフィルムを、実施例1と同様に評価した。結果を表1および図45に示した。次に上記各偏光フィルムを市販の垂直配向ネマチック型液晶セルに図41の構成(各偏光フィルムの吸収軸は直交するように配置されている)となるように各フィルムを貼り合わせて本発明の液晶表示装置を得た。次にこの液晶表示装置を白色面光源上に配置し、全方位80°領域における輝度分布を視野角測定装置(ELDIM社製EZcontrast160R)を用いて測定した。このときの偏光素子の各吸収軸方向から45°方向における領域での中心輝度幅(2cd/cm2以下)と等輝度となる視野角の平均値、および全方位における最大輝度を表1に示した。
【0044】
実施例5
WO97/44703号公報に記載の紫外線硬化型液晶性化合物の混合物
【0045】
【化6】
Figure 0004137438
【0046】
23.5重量部
【0047】
【化7】
Figure 0004137438
【0048】
70.5重量部と光重合開始剤イルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)6重量部をトルエン300重量部、シクロヘキサノン100重量部の混合溶剤で溶解し、固形分濃度が20%の溶液を調製した。この溶液をポラテクノ社製ヨウ素系偏光フィルム(重合度1700、延伸後の厚さ約20μmポリビニルアルコール中のホウ酸含有量は約15%、保護フィルムとして表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムを片面のみポリビニルアルコール系接着剤で接着したもの)の偏光素子面に、ワイヤーバーを用いて塗布し、加熱により溶媒を除去後、高圧水銀灯(80W/cm)を照射して重合させることにより、第一の位相差フィルムを有する偏光フィルムを得た。この第一の位相差フィルムの厚さは1.3μmであった。この第一の位相差フィルムの光学特性を調べるために、粘着剤を塗布したガラス板を用いて第一の位相差フィルムを偏光素子から剥離し、フィルム面から傾斜させた時の位相差値の変化を自動複屈折測定器(王子計測機器社製:KOBRA−21ADH)を用いて測定した。結果を図42に示した。図42より、この第一の位相差フィルムは、フィルム面に対して垂直配向したフィルムであることが分かった。また、傾斜に伴う位相差値の変化から、面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がne、厚さをdp、ne−no=Δnpとしたときの、Δnp・dpは65nmであった。次に、上記第一の位相差フィルムを有する偏光フィルムの第一の位相差フィルム面に、フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.6286、それと直交する方向の屈折率ny=1.6272、厚さ方向の屈折率nz=1.6268(各屈折率はアタゴ社製アッベ屈折計を用いて測定した以下同じ)、厚さd=100μm、550nmにおける(nx−ny)・dが140nmである図43に示すようなアクロマティックな第二の位相差フィルムを、nx方向が偏光素子の吸収軸方向と一致するように粘着剤を用いて積層して本発明の偏光フィルムを得た(位相差の波長依存性は自動複屈折測定器(王子計測機器社製:KOBRA−21ADH)を用いて測定し、コーシーの式により算出した)。この本発明の偏光フィルムと偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム(フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.49522、それと直交する方向の屈折率ny=1.49517、厚さ方向の屈折率nz=ne=1.49461、厚さdn=80μm、面内の平均屈折率no=1.49520、ne−no=Δnnとしたときの、|Δnn・dn|は49nm)で挟持したポラテクノ製ヨウ素系偏光フィルムとを、各々の偏光素子の吸収軸が直交するように粘着剤を用いて貼り合わせた。このときの|(Δnp・dp−|Δnn・dn|)|は16nmであった。このフィルムを、実施例1と同様に評価した。結果を表1および図45に示した。
【0049】
実施例6
Δnp・dpを80nmとする以外は実施例5と同じ本発明の偏光フィルムの第二の位相差フィルム面に、さらにもう1枚、実施例5で用いた第二の位相差フィルムを、各々の第二の位相差フィルムのnx方向が直交するように粘着剤を用いて貼り合わせて本発明の偏光フィルムを作製した。このフィルムを、実施例1と同様に評価した。結果を表1および図45に示した。
【0050】
実施例7
WO98/00475に記載の紫外線硬化型液晶性化合物の混合物
【0051】
【化8】
Figure 0004137438
【0052】
39.2重量部
【0053】
【化9】
Figure 0004137438
【0054】
45.0重量部
【0055】
【化10】
Figure 0004137438
【0056】
9.8重量部
と光重合開始剤イルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)6重量部をトルエン300重量部、シクロヘキサノン100重量部の混合溶剤で溶解し、固形分濃度が20%の溶液を調製した。この溶液を、n−ブチルメタアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートを共重合させたアクリルポリマーをトルエンジイソシアネートで架橋させた膜を有するPETフィルムの該膜面側に、マイクログラビアコーターを用いて塗布し、加熱により溶媒を除去後、高圧水銀灯(120W/cm)を照射して重合させることにより、第一の位相差フィルムを作製した。この第一の位相差フィルムの厚さは0.8μmであった。この第一の位相差フィルムの光学特性を調べるために、粘着剤を塗布したガラス板を用いて第一の位相差フィルムを架橋したアクリルポリマー膜を有するPETフィルムから剥離し、実施例1と同様に測定したところ、この第一の位相差フィルムは、フィルム面に対して垂直配向したフィルムであることが分かった。また、傾斜に伴う位相差値の変化から、面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がne、厚さをdp、ne−no=Δnpとしたときの、Δnp・dpは34nmであった。次に、この第一の位相差フィルムを実施例1で用いた偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム(フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.49522、それと直交する方向の屈折率ny=1.49517、厚さ方向の屈折率nz=ne=1.49461、厚さdn=80μm、面内の平均屈折率no=1.49520、ne−no=Δnnとしたときの、|Δnn・dn|は49nm)で挟持したポラテクノ製ヨウ素系偏光フィルムに粘着剤を用いて転写し、さらに実施例5で用いたアクロマティックな第二の位相差フィルムを、nx方向が偏光素子の吸収軸方向と一致するように粘着剤を用いて積層して本発明の偏光フィルムを得た(位相差の波長依存性は自動複屈折測定器(王子計測機器社製:KOBRA−21ADH)を用いて測定し、コーシーの式により算出した)。この本発明の偏光フィルムと偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム(フィルム面内の最大屈折率方向を示す方向の屈折率nx=1.49522、それと直交する方向の屈折率ny=1.49517、厚さ方向の屈折率nz=ne=1.49461、厚さdn=80μm、面内の平均屈折率no=1.49520、ne−no=Δnnとしたときの、|Δnn・dn|は49nm)で挟持したポラテクノ製ヨウ素系偏光フィルムとを、各々の偏光素子の吸収軸が直交するように粘着剤を用いて貼り合わせた。このときの偏光素子間にある1枚の第一の位相差フィルムのΔnp・dpと2枚の第三の位相差フィルムの|Δnn・dn|の総和との差の絶対値は64nmであった。このフィルムを、実施例1と同様に評価した。結果を表1および図45に示した。
【0057】
【比較例】
比較例1
実施例1および2で用いた偏光素子の両側を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムで挟持したポラテクノ社製ヨウ素系偏光フィルムを2枚用い、各々の偏光素子の吸収軸が直交するように粘着剤を用いて貼り合わせた。このフィルムを、実施例1と同様に評価した。結果を表1および図45に示した。
【0058】
比較例2
実施例1および2で用いた偏光素子の片側のみに表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムを有するポラテクノ社製ヨウ素系偏光フィルムを2枚用い、各々の偏光素子の吸収軸が直交するように、かつ、互いの偏光素子面が対面するように粘着剤を用いて貼り合わせた。このフィルムを、実施例1と同様に評価した。結果を表1および図45に示した。
【0059】
比較例3
比較例1で用いた偏光フィルムを用いる以外は、実施例4と同様の操作により市販の市販の垂直配向ネマチック型液晶セルに図44の構成(各偏光フィルムの吸収軸は直交するように配置されている)となるように偏光フィルムを貼り合わせて液晶表示装置を作製し、実施例4と同様に評価した。結果を表1に示した。
【0060】
【表1】
Figure 0004137438
【0061】
実施例および比較例の結果から、本発明の偏光フィルムを用いることにより、正面方向から偏光素子の各々の吸収軸方向とは異なる方向に傾斜させた場合の光の漏れが抑えられ、偏光フィルムの視野角依存性が改善されていることが分かる。また、実施例1と2を比較すると分かるように、第二の位相差フィルムを2枚用いることにより、視野角改良効果の波長依存性が低減し、より広い波長領域で視野角依存性を改善していることが分かる。また、実施例5、6、7より、アクロマティックな位相差フィルムを用いることによっても、視野角改善効果の波長依存性が低減して、より広い波長領域で視野角依存性を改善していることが分かる。さらに、実施例4と比較例3を比較すると分かるように本発明の液晶表示装置は、比較例に比べて広い視野角特性を有していることが分かる。
【0062】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも1枚の面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no>0である第一の位相差フィルムと、少なくとも1枚の面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであって、nx>ny≧nzである第二の位相差フィルムとを積層してなる光学フィルムであって、このフィルムを有する偏光フィルムを用いて、本発明の方法により、偏光フィルムの視野角依存性を改善することができる。さらに、本発明の光学フィルム、偏光フィルムを用いた液晶表示装置は、本発明の方法により、液晶表示装置の視野角特性も改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】位相差フィルムを示した図である。
【図2】一般的なポリカーボネート位相差フィルムの波長による位相差値の変化を示したグラフである。
【図3】理想的なアクロマティックな位相差フィルムの波長による位相差値の変化を示したグラフである。
【図4】本発明の光学フィルムの一形態を示した図である。
【図5】本発明の光学フィルムに用いられる第二の位相差フィルムの積層の一形態を示した図である。
【図6】本発明の光学フィルムの他の形態を示した図である。
【図7】本発明の光学フィルムに用いられる第二の位相差フィルムの積層の他の一形態を示した図である。
【図8】本発明の光学フィルムの他の形態を示した図である。
【図9】本発明の光学フィルムの他の形態を示した図である。
【図10】本発明の光学フィルムの他の形態を示した図である。
【図11】本発明の光学フィルムの他の形態を示した図である。
【図12】本発明の光学フィルムの他の形態を示した図である。
【図13】本発明の光学フィルムの他の形態を示した図である。
【図14】本発明の光学フィルムの他の形態を示した図である。
【図15】本発明の偏光フィルムの一形態を示した図である。
【図16】本発明の偏光フィルムの他の一形態を示した図である。
【図17】本発明の偏光フィルムの他の一形態を示した図である。
【図18】本発明の偏光フィルムの他の一形態を示した図である。
【図19】本発明の偏光フィルムの一構成を示す図である。
【図20】本発明の偏光フィルムの他の構成を示す図である。
【図21】本発明の偏光フィルムの他の構成を示す図である。
【図22】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の一形態を示した図である。
【図23】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の一構成を示した図である。
【図24】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の他の一形態を示した図である。
【図25】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の他の一構成を示した図である。
【図26】偏光フィルムの視野角依存性に関する図である。
【図27】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の他の一形態を示した図である。
【図28】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の他の一構成を示した図である。
【図29】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の他の一形態を示した図である。
【図30】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の他の一構成を示した図である。
【図31】本発明の偏光フィルムの視野角改良方法の他の一構成を示した図である。
【図32】本発明の偏光フィルムの他の構成を示す図である。
【図33】本発明の偏光フィルムの他の構成を示す図である。
【図34】本発明の視野角特性を改善した液晶表示装置の一形態を示した図である。
【図35】本発明の視野角特性を改善した液晶表示装置の一構成を示した図である。
【図36】本発明の視野角特性を改善した液晶表示装置の他の一構成を示した図である。
【図37】本発明の視野角特性を改善した液晶表示装置の一形態を示した図である。
【図38】本発明の視野角特性を改善した液晶表示装置の他の一構成を示した図である。
【図39】本発明の視野角特性を改善した反射型液晶表示装置の一構成を示した図である。
【図40】実施例1に記載の本発明で用いられる第一の位相差フィルムの傾斜角に対する位相差値の変化を示したグラフである。
【図41】実施例4に記載の本発明の液晶表示装置の構成である。
【図42】実施例5に記載の本発明で用いられる第一の位相差フィルムの傾斜角に対する位相差値の変化を示したグラフである。
【図43】実施例5で用いられる第二の位相差フィルムの波長による位相差値の変化を示したグラフである。
【図44】比較例3に記載の液晶表示装置の構成である。
【図45】実施例と比較例で測定した、偏光素子の各吸収軸が直交しているときの、各吸収軸方向から45°の方向に50°傾斜させたときの波長に対する透過率を示したグラフである。
【符号の説明】
1:位相差フィルム
2:第一の位相差フィルム
3:第二の位相差フィルム
4:本発明の光学フィルムの一形態
5:本発明の光学フィルムの他の形態
6:屈折率がnx1、ny1、nz1である第二の位相差フィルム
7:屈折率がnx2、ny2、nz2である第二の位相差フィルム
8:本発明の光学フィルムの他の形態
9:第三の位相差フィルム
10:本発明の光学フィルムの他の形態
11:本発明の光学フィルムの他の形態
12:本発明の光学フィルムの他の形態
13:本発明の光学フィルムの他の形態
14:本発明の光学フィルムの他の形態
15:第四の位相差フィルム
16:本発明の光学フィルムの他の形態
17:偏光素子
18:保護フィルム
19:本発明の偏光フィルムの一形態
20:本発明の偏光フィルムの他の形態
21:表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルム
22:本発明の偏光フィルムの他の形態
23:本発明の偏光フィルムの他の形態
24:偏光素子の吸収軸方向
25:偏光素子を表層がアルカリ処理されたトリアセチルセルロースフィルムによって挟持した偏光フィルム
26:保護フィルムと偏光素子からなるフィルム
27:フィルムの正面から各偏光素子の吸収軸方向とは異なる方向へ傾斜する場合の傾斜方向
28:観察方向
29:本発明の偏光フィルムの他の形態
30:本発明の偏光フィルムの他の形態
31:本発明の偏光フィルムの他の形態
32:液晶セル
33:本発明の偏光フィルム
34:液晶セルの視野角依存性を補償するフィルム
35:円偏光フィルムに用いられる位相差フィルム
36:反射層あるいは反射フィルムを有する反射型液晶セル
37:円偏光フィルム

Claims (11)

  1. 面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであって、nx>ny≧nzであり、且つ、nx、ny、nzのそれぞれが等しい2枚の第二の位相差フィルムを用い、各々の最大屈折率方向が直交するように配置して積層し、さらに少なくとも1枚の面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no>0である第一の位相差フィルムを積層してなる光学フィルム。
  2. 面内の最大屈折率を示す方向の屈折率がnx、それと直交する方向の屈折率がny、厚さ方向の屈折率がnzであって、nx>ny≧nzであり、且つ、nx、ny、nzの少なくとも1つが互いに異なる2枚の第二の位相差フィルムを用い、各々の最大屈折率方向が直交するように配置して積層し、さらに少なくとも1枚の面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no>0である第一の位相差フィルムを積層してなる光学フィルム。
  3. 第二の位相差フィルムの少なくとも1枚が、理想的なアクロマティックな位相差フィルムで得られるある波長における位相差値と実際に得られる位相差値とのずれが、550nmより短波長側では、−50〜50nmの範囲にあり、550nmより長波長側では、−80〜80nmの範囲にあるアクロマティックな第二の位相差フィルムである請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 第一の位相差フィルムの厚さをdp、ne−no=Δnpとするとき、Δnp・dpが5〜200nmである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 第一の位相差フィルムが、フィルム面に対し概垂直配向した液晶性化合物からなるフィルムである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 液晶性化合物が単一もしくは複数からなる紫外線硬化型の液晶性化合物の混合物の硬化物である請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 第二の位相差フィルムの厚さをdとするとき、550nmにおける(nx−ny)・dが100〜400nmである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 少なくとも1枚の、面内の平均屈折率がno、厚さ方向の屈折率がneであって、ne−no<0である第三の位相差フィルムを積層してなる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 第三の位相差フィルムの厚さをdn、ne−no=Δnnとするとき、|Δnn・dn|が5〜200nmである請求項8に記載の光学フィルム。
  10. 2枚の第二の位相差フィルムの各々の最大屈折率方向が直交するように積層し、次いで、第一の位相差フィルム、次いで第三の位相差フィルムを順次積層してなる請求項8または9に記載の光学フィルム。
  11. 第一の位相差フィルムのΔnp・dpの総和と第三の位相差フィルムの|Δnn・dn|の総和との差の絶対値が5〜100nmである、請求項8ないし10のいずれか1項に記載の光学フィルム。
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