JP4137276B2 - レンズ製造工程用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学レンズの製造工程において使用されるアスファルトピッチ、ワックスピッチ及び保護膜を除去する目的で使用される非塩素系洗浄剤を含まないレンズ製造工程用洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズの製造工程の各工程では、レンズを保持台に固定するために、アスファルトピッチやワックスピッチ等が用いられている。また、研磨工程等では、片面の研磨時にもう片面の保護のため、マスキング剤と呼ばれるフェノール系樹脂、アクリル系樹脂でできた保護膜を塗布している。これらのピッチ及び保護膜は次工程へ移行する際、または工程が終了した際には洗浄除去する必要がある。
【0003】
このピッチ及び保護膜の洗浄剤としては、従来は塩素系溶剤、例えばトリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、1,1,1-トリクロルエタン、ジクロルメタンやフロン系溶剤、例えばトリクロロトリフルオロエタン等が使用されてきた。しかしながら、近年、これらの溶剤は、オゾン層を破壊する物質として規制対象となっていたり、地下水汚染等の環境汚染問題が発生しており、完全密閉系による使用以外の使用は困難な状況となってきている。また、これら塩素系、フロン系溶剤に変わるHCFC−141b、HCFC−225に代表される代替フロンについてもオゾン破壊係数が全くゼロとは言えず将来的には全廃する方向にあり、また地球温暖化への懸念材料もある。
【0004】
近年これらの対策として、次のような洗浄剤が提案されている。特開平6−336598号公報にはグリコールエーテルエステルと環状テルペンを特定割合で配合したもの、特開平7−150192号公報にはモノ又はジグリコールエーテル、脂肪酸あるいはそのアルキレンオキサイド付加物ないしはこのエーテル化物、さらに、パラフィンあるいはオレフィンを含有するもの、特開平8−333599号公報には炭酸エステルと乳酸エステルとの混合物が記載されている。しかしながら、これらの洗浄剤組成物は、環境及び人体への影響は少なくなっているが、溶解性能の点ではいまだ十分なものとはいえない。また、アスファルトピッチ、ワックス、保護膜のいずれかには洗浄能力があっても、他のものについては洗浄効果が低く、同一工程で全てを洗浄除去する場合に、洗浄時間が洗浄能力の低いものに律速されるという問題点がある。
【0005】
【課題を解決しようとする課題】
本発明は、光学レンズの製造工程において使用されるアスファルトピッチ、ワックスピッチ及び保護膜のいずれにも優れた除去性能を発揮し、人体に悪影響があり、かつオゾン層を破壊する物質である塩素系溶剤を含まない洗浄剤組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の(イ)から(ハ)の成分を含有するレンズ製造工程用洗浄剤組成物を提供する。
(イ)一般式(1)で表されるジアルキルカーボネート 20〜60重量%
【0007】
【化2】
【0008】
(式中のR1及びR2は、同一または相異なって炭素数4〜8のアルキル基を示す)
(ロ)γ-ブチロラクトン、ブチロラクタム、N-メチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム、ピペコリン及びピコリンから成る群から選択される1種又は2種以上の非プロトン性極性溶剤 10〜50重量%
(ハ)パラフィン系または/およびナフテン系炭化水素溶剤 5〜70重量%
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる(イ)の成分である一般式(1)で表される化合物は、ジアルキルカーボネートであり、R1及びR2は、炭素原子数4〜8のアルキル基を示し、R1とR2は同時に同じであってもよい。例示するとジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネート、ブチルオクチルカーボネート等が挙げられる。好ましくはジブチルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネートである。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して20〜60重量%であり、好ましくは、25〜50重量%である。20重量%以下または60重量%以上では、洗浄能力に対して溶剤混合による相乗効果が期待できず、また、60重量%以上であれば、蒸気にアルキルカーボネートの比率が多くなるため、臭気等に問題がある。
【0010】
本発明に用いる(ロ)成分は、γ-ブチロラクトン、ブチロラクタム、N-メチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム、ピペコリン及びピコリンの内から少なくとも1種含有するとよいが、2種以上含有してもよい。特に、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して10〜50重量%であり、好ましくは、20〜40重量%である。10重量%以下または50重量%以上では、洗浄能力に対して溶剤混合による相乗効果が期待できず、また、10重量%以下ではワックスピッチ及び保護膜の除去性能が不十分であり、50重量%以上ではアスファルトピッチの除去性能が不十分となる。
【0011】
本発明に用いる(ハ)の成分であるパラフィン系およびナフテン系炭化水素の炭素数は、好ましくは10〜18であり、具体的に記載すると、n-ドデカン、n-テトラデカン、デカヒドロナフタレン等である。これらの炭化水素系溶剤は、単独で用いてもよく混合して用いてもよい。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して5〜70重量%であり、好ましくは、20〜50重量%である。5重量%以下であればアスファルトピッチの除去能力が不十分であり、70重量%以上では、保護膜の除去性能が不十分となる。
【0012】
更には、パラフィン系およびナフテン系炭化水素溶剤の一部を炭素数が9〜12の芳香族系炭化水素溶剤に変えてもよい。例えばトリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン等である。配合量としては、洗浄剤組成物の全体量に対して5〜20重量%である。5重量%以下であれば配合することによる洗浄能力向上を発揮できず、20重量%以下であれば環境上好ましくない。
【0013】
更に、必要に応じて疎水性グリコール系溶剤、疎水性界面活性剤を含有してもよい。使用する疎水性グリコール系溶剤には、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。これらの疎水性グリコール系溶剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは2種以上を組合わせることができる。本発明洗浄剤組成物に疎水性グリコール系溶剤を含有させることにより、ワックスピッチ及び保護膜の除去性能を向上させることができる。本発明組成物において、疎水性グリコール系溶剤の含有量は10重量%以下であることが好ましく、さらに5重量%以下であることが好ましい。10重量%以上含有しても除去能力向上は難しく不経済である。
【0014】
使用する界面活性剤は、従来より洗浄剤に用いられる公知の界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤いずれでもよいが疎水性の強い界面活性剤が望ましい。好ましくは非イオン界面活性剤であり、例えば、トリオキシエチレンドデシルエーテル、テトラオシキエチレン-2-エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。本発明洗浄剤組成物に疎水性界面活性剤を含有させることにより、汚れへの浸透力が向上し、除去能力を向上させることができる。本発明組成物において、疎水性グリコール系溶剤の含有量は5重量%以下であることが好ましく、さらに2重量%以下であることが好ましい。5重量%以上含有しても除去能力向上は難しく、不経済であるだけでなく、洗浄後のべたつき等の問題が生じる。
【0015】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
[実施例1〜12]
表1に示す配合組成の洗浄剤を調製し、下記の方法により洗浄能力の評価を行なった。
【0016】
○テストピースの調製
光学レンズ製造メーカーで使用されているアスファルトピッチ、パラフィンワックスピッチおよびフェノール系樹脂保護膜のそれぞれをスライドガラス(76×26×1mm)の中央に約0.1g計り取り、100℃のホットプレート上で2時間乾燥後、1昼夜室内放置したものをテストピースとした。
【0017】
○洗浄性の評価
表1に示す実施例1〜12の組成物の100mlを100mlビーカーに取り、次いで、テストピースを液中に浸漬し、波長28kHzで超音波洗浄を行ない、目視にてピッチ及び保護膜が完全に除去される時間を測定した。その結果を表1に示した。
【0018】
[比較例1〜16]
実施例と同様に、表2に記載した比較例1〜16の組成物を用いて洗浄性の評価を行なった。その結果を表2に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】
本発明の洗浄剤組成物は、光学レンズの製造工程において使用されるアスファルトピッチ、ワックスピッチ及び保護膜の全てに対して優れた除去性能を発揮する。しかも、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、1,1,1-トリクロルエタン、ジクロルメタン等の塩素系溶剤やフロン系溶剤を含まないため、環境面で優れている。
Claims (2)
- パラフィン系または/およびナフテン系炭化水素溶剤の一部に替えて、炭素原子数が9〜12の芳香族系炭化水素溶剤を含有する請求項1に記載のレンズ製造工程用洗浄剤組成物。
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