JP4136278B2 - 画像通信装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像通信装置及びその方法に関し、例えば、JPEG等の圧縮画像ファイルを受信して処理する画像通信装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のファクシミリ装置としては、モノクロ画像の通信を行なうものが主であった。しかしながら、画像処理技術の発達に伴ってプリンタやスキャナにおいてカラー処理が可能となるにつれ、カラードキュメントが一般に普及し、ファクシミリ装置においてもカラー画像通信のニーズが高まってきた。
【0003】
これを受けて、独自手順によってカラー画像を通信可能とするファクシミリ装置が登場し、更にITU−T勧告によってカラー通信手順が標準化されたことにより、カラーファクシミリ装置の市場規模のさらなる拡大が予想される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ITU−T勧告によるカラー通信手順は、従来のモノクロファクシミリ通信手順のプロトコルに対してカラー通信機能を追加し、カラー画像データをJPEG圧縮して送信することを特徴とする。
【0005】
該カラー通信手順においては、送信可能な主走査サイズはA4,B4,A3の定型用紙に対応し、即ち所定の主走査サイズの原稿しか送信できない仕様になっている。例えば送信画像のサイズが該所定サイズよりも小さい場合には、白画素を付加する等の操作を施すことによって主走査サイズを定型長にした後、JPEGファイルを作成する必要があった。
【0006】
しかしながら、JPEGファイルのヘッダには主走査画素数を定義することが可能である。従って、上記ITU−T勧告に準拠したカラーファクシミリ装置においては、その通信プロトコルで宣言された主走査サイズとは異なる主走査サイズを持ったJPEGファイルが送られてくる可能性がある。この場合、該JPEGファイルの主走査長が定型長であると認識されるため、正常なデコードが行えずにエラーが発生し、結果としてプリント出力ができなくなるという不具合があった。
【0007】
この場合、一般にカラーファクシミリ装置においてはメモリ受信機能を備えており、JPEGファイルの受信終了後にプリントが開始されることが多い。従って、受信側装置においては、通信が正常終了したにも関らず、プリントの際にエラーが発生してしまうことになる。
【0008】
また、送信側装置においては、送信したJPEGファイルが受信側においてプリント不能であるにも関らず、送信が正常に終了したものと認識してしまう。
【0009】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、受信したJPEG等の圧縮画像ファイルの画像を適切な主走査長によって処理することが可能な画像通信装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、受信したJPEG等の圧縮画像ファイルの画像を欠落なく記録媒体上に印刷出力することが可能な画像通信装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、受信したJPEG等の圧縮画像ファイルの画像を適切に印刷出力できない場合には、通信を切断して適切な処置を行う画像通信装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像通信装置は以下の構成を備える。
【0013】
即ち、主走査サイズの宣言を含む通信プロトコルに基づいて他装置と画像データの通信を行なう画像通信装置であって、主走査サイズが第1のサイズである旨の情報を伴う圧縮画像ファイルを前記他装置から受信する受信手段と、前記圧縮画像ファイルに関わる前記他装置との通信における通信プロトコルで主走査サイズとして宣言された第2のサイズが前記第1のサイズと異なる場合に、前記第1のサイズを主走査サイズとして設定し、前記第2のサイズが前記第1のサイズと一致する場合に、該一致するサイズを主走査サイズとして設定する主走査サイズ制御手段と、前記設定された主走査サイズを前記圧縮画像ファイルの1ラインあたりの画素数として前記圧縮画像ファイルを処理する画像処理手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、主走査サイズの宣言を含む通信プロトコルに基づいて他装置と画像データの通信を行なう画像通信装置であって、主走査サイズが第1のサイズである旨の情報を伴う圧縮画像ファイルを前記他装置から受信する受信手段と、前記圧縮画像ファイルに関わる前記他装置との通信における通信プロトコルで主走査サイズとして宣言された第2のサイズが前記第1のサイズと異なる場合に、前記他装置との通信を切断する通信制御手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
例えば、前記通信プロトコルは、ITU−T.30勧告に準拠することを特徴とする。
【0017】
例えば、前記圧縮画像ファイルは、JPEGファイルであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態が適用されるカラーファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【0020】
同図において、主制御部101はROM102に記憶されているプログラムに従って、装置全体、即ちRAM103,不揮発性RAM104,操作部105,表示部106,画像処理部107,読み取り部108,記録部109,駆動部110,通信制御部111を統括的に制御する。
【0021】
RAM103は、読み取り部108によって読み取られたモノクロ2値画像データやカラー多値画像データ,及びそれを画像処理部107でJPEG圧縮したJPEGデータ,及び記録部109で記録されるカラー2値データを格納する。RAM103はまた、通信制御部111を介して電話回線へ出力されるモノクロ2値データやJPEGデータ、及びそれを伸長したカラー多値データ、及び記録用に2値化したカラー2値データ、等も格納する。RAM103は更に、読み取り時や記録時、又は通信時におけるワークエリアとしても使用される。
【0022】
不揮発性RAM104はバッテリーバックアップされたSRAMによって構成され、装置固有の電話番号やユーザ略称等のデータ、及び通信結果や送信開始速度、等の失われるべきでない情報が記憶されている。本実施形態では不揮発性RAM104内において、「カラー受信画像サイズ不一致時プリント位置」という項目の領域を用意することを特徴とする。
【0023】
操作部105は、送信/受信処理のスタートキー,送信画像におけるカラー/モノクロ等の通信モードを指定するモードキー,複写処理を行なうコピーキー,動作を停止させるストップキー,ワンタッチ登録を行なうための登録キー,送信開始速度等の通信網に関する情報や通信相手先情報の登録を行なうための登録キー,呼出し時間を設定する設定キー、等によって構成される。
【0024】
表示部106は、ドットマトリックスタイプのLCD及びLCDドライバから構成されており、主制御部101からの制御に基づいて各種表示を行なう。
【0025】
画像処理部107は、読み取り部108で読み込んだモノクロ2値データの圧縮やカラー多値データのJPEG圧縮,通信処理部111において相手先と画像データを送受信するためのモノクロ2値データの圧縮/伸長,記録部109で画像を記録する時のモノクロ2値データやカラーJPEG画像の伸長、等の各種画像処理を行い、処理結果である画像データをRAM103に保存する。
【0026】
読み取り部108は、DMAコントローラ、CCDもしくは密着型イメージセンサ(CS)、汎用IC等によって構成され、主制御部101の制御に基づいてCCDまたはCSを使用して読み取ったデータを、RAM103もしくは画像処理部107に送る。
【0027】
記録部109は、DMAコントローラ、B4/A4サイズのサーマルヘッドまたはインクジェットヘッド及び汎用IC等によって構成され、主制御部101の制御に基づいてRAM103に格納されている記録データを読み出し、記録紙上へのプリントアウトを行なう。尚、記録部109には複数サイズの記録紙をセットしておくことが可能である。
【0028】
駆動部110は、読み取り部108及び記録部109における給排紙ローラを駆動するためのステッピングモータと、モータの駆動力を伝達するためのギヤ、及びモータを制御するためのドライバー回路等によって構成される。
【0029】
通信制御部111は、V.34,V.32,V.32bis,V.17,V.29,V.27ter,V.23,V.21(H,L)の各規格に対応可能なモデムと、これらのモデムに接続されたクロック発生回路やNCU等によって構成され、主制御部101の制御に基づいてRAM103に格納されている送信用画像データを変調し、電話回線上に出力するものである。通信制御部111は更に、ITU−T.30勧告に従うファクシミリ通信を実現し、電話回線から受信した画像を復調してRAM103に格納する。
【0030】
図2は、不揮発性RAM104のメモリ構成を示す図である。不揮発性RAM104には、装置本体のパワーオフ時にも継続して記憶されるべき情報を保存するが、同図に示されるように本実施形態においては、「送信開始速度」、「受信開始速度」の領域に加えて、「カラー受信画像サイズ不一致時プリント位置」(以下、単に「不一致時プリント位置」と称する)」という領域201を設けている。そして、操作部105におけるユーザの操作によって、「不一致時プリント位置」を「左つめ」又は「センタリング」のいずれかに設定することができる。「左つめ」設定の場合は、カラー受信したJPEGファイルの主走査素サイズがITU−T.30で規定されるプロトコルで宣言された主走査サイズと異なっていた場合に、受信画像を記録紙の左側に詰めてプリントを行なう。一方、「センタリング」設定の場合は、同じく主走査サイズが異なる場合に、受信画像を記録紙の主走査方向の中央にプリントする。
【0031】
図3は、本実施形態におけるカラー画像(JPEGファイル)受信時のプリント処理を示すフローチャートである。該フローチャートに示す処理を実現するプログラムはROM102に格納されており、主制御部101によって該プログラムがRAM103上に読み出されて実行されることにより、図3のフローチャートに示す処理が実現される。
【0032】
まずステップS301において主制御部101は、通信プロトコルによって宣言された主走査サイズ(以下、通信主走査サイズ)と、JPEGファイルで宣言されている主走査サイズ(以下、ファイル主走査サイズ)とが一致しているか否かを判定する。
【0033】
ここで通信主走査サイズとは、ITU−T.30のDCS(Digital Command Signal:デジタル命令信号)において示される記録幅(主走査線長あたりの画素数)に基づき、ファイル主走査サイズとは、JPEGファイルのフレームヘッダにおいて示される1ラインあたりの画素数に基づく。
【0034】
これら主走査サイズが一致していれば、ステップS302において通信主走査サイズを有効とする。
【0035】
そしてステップS303において、JPEGファイルをセンタリングにてプリントする。即ち、まず画像処理部107でJPEGファイルを伸長して適切な画像処理を施すことによって、CMYKの2値データを生成する。そして記録部109に対し、カラー画像が記録紙の主走査方向の中央に配置されるようにプリント開始位置を設定した後、プリントを実行する。
【0036】
一方、ステップS301において主走査サイズが一致していないと判断された場合は、ステップS304に進み、ファイル主走査サイズを有効とする。これにより、受信したJPEGファイルが正しく伸長及びプリントされる。
【0037】
続いてステップS305において、不揮発性RAM104上の「不一致時プリント位置」の設定が「センタリング」であるか否かを判定する。「センタリング」であればステップS303に進み、上述したようにJPEGファイルを伸長してCMYK2値データに変換した後、記録紙の主走査方向の中央に配置されるように、即ちセンタリングにてプリントする。
【0038】
一方、ステップS305において「不一致時プリント位置」の設定が「センタリング」でなければステップS306に進み、JPEGファイルの画像を左詰めにてプリントする。即ち、まず画像処理部107でJPEGファイルを伸長して適切な画像処理を施すことによってCMYKの2値データを生成する。そして記録部109に対し、カラー画像が記録紙の左端に配置されるようにプリント開始位置を設定した後、プリントを実行する。
【0039】
以上説明したように本実施形態によれば、JPEGファイルを受信した際に、通信プロトコル上で宣言されている主走査サイズとJPEGファイル上で宣言されている主走査サイズとが異なっていた場合でも、JPEGファイルの主走査サイズを有効とすることにより、受信したJPEGファイルの画像の伸長及びプリントが正確に行える。
【0040】
また、ユーザによって、JPEG画像の記録紙上におけるプリント位置を設定可能としたことにより、操作性がより向上する。
【0041】
尚、本実施形態における圧縮方式としては上記JPEGに限らず、主走査方向の画素数に関する情報を付加できれば、他の形式による圧縮画像ファイルであっても良い。
【0042】
尚、「不一致時プリント位置」が「センタリング」に設定されていない場合には、JPEGファイルを右詰めにてプリントすることも可能である。
【0043】
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態におけるカラーファクシミリ装置の構成は、上述した第1実施形態で示した図1と同様であるため、説明を省略する。また、不揮発性RAM104のメモリ構成も図2と同様であり、「不一致時プリント位置」という領域201が設けられ、操作部105におけるユーザの操作によって、「左つめ」又は「センタリング」のいずれかが設定可能である。
【0044】
第2実施形態においては、上述した第1実施形態に加えて更に、JPEGファイルの主走査サイズによるプリントを適切に可能とする記録紙を選択することを特徴とする。
【0045】
図4は、第2実施形態におけるカラー画像受信時の1ページのプリント処理を示すフローチャートである。該フローチャートに示す処理を実現するプログラムはROM102に格納されており、主制御部101によって該プログラムがRAM103上に読み出されて実行されることにより、図4のフローチャートに示す処理が実現される。
【0046】
ステップS2301においては、プリントしようとするドキュメント、即ち受信したファイルがJPEG符号化されたものであるか否かを、例えばヘッダ情報を参照して判定する。JPEG符号化されたファイルでなければ、MR符号化されたファイルであるとしてステップS2302に進み、DCSで宣言された通信主走査サイズを有効とする。
【0047】
次にステップS2303において、記録部109にセットされた複数サイズの記録紙のうち、通信プロトコル上で宣言された記録紙サイズに一致する記録紙を選択する。ここで、通信プロトコルで宣言された記録紙サイズとは、DCSにおいて示される最大記録長に基づく。
【0048】
そしてステップS2304において、受信ファイルを伸長して画像処理部107で画像処理を行なうことによりCMYKの2値データを生成し、選択した記録用紙の主走査方向の中央にカラー画像が配置されるようにプリント開始位置を設定し、プリントする。
【0049】
一方、ステップS2301で受信ファイルがJPEG符号化されたファイルであれば、ステップS2305において主制御部101は、上述した第1実施形態と同様に、通信主走査サイズとファイル主走査サイズとが一致しているか否かを判定する。一致していればステップS2302に進み、上述したように通信主走査サイズを有効とした後、ステップS2303、S2304によって記録紙の中央に画像を配置したプリントを行う。
【0050】
一方、ステップS2305において主走査サイズが異なると判断された場合は、ステップS2306に進み、ファイル主走査サイズを有効とする。これにより、受信したJPEGファイルの画像の伸長及びプリントが正確に行われる。
【0051】
続いてステップS2307において、上記通信主走査サイズと、ファイル主走査サイズとを比較し、通信主走査サイズの方が大きければステップS2308に進み、上述したステップS2303と同様に、記録部109にセットされた複数サイズの記録紙のうち、通信プロトコル上でDCSによって宣言された記録紙サイズに一致する記録紙を選択する。
【0052】
続いてステップS2309において、不揮発性RAM104上の「不一致時プリント位置」の設定が「センタリング」であるか否かを判定する。「センタリング」であればステップS2304に進み、画像処理部107でJPEGファイルを伸長してCMYK2値データに変換した後、記録紙の主走査方向の中央に配置されるようにプリント開始位置を設定し、プリントする。
【0053】
一方、ステップS2309において「不一致時プリント位置」の設定が「センタリング」でなければステップS2310に進み、画像処理部107でJPEGファイルを伸長して画像処理を行なうことによりCMYKの2値データを生成し、カラー画像が記録紙の左端に配置されるようにプリント開始位置を設定し、プリントする。
【0054】
また、ステップS2307において通信主走査サイズの方がファイル主走査サイズよりも小さい場合にはステップS2311に進み、記録部109にセットされた複数サイズの記録紙の中に、通信プロトコル上で宣言された記録紙サイズよりも主走査長が大きい記録紙、即ち受信したJPEGファイルの等倍プリントが可能な記録紙があるかを調べる。
【0055】
適応する記録紙があった場合には、ステップS2312において該記録紙、即ち、DCSによって示される記録紙サイズよりも主走査長が大きい記録紙を、実際のプリント対象となる記録紙として選択する。続いてステップS2309以降の処理において、上述したように不揮発性RAM104上の「不一致時プリント位置」の設定に従って、JPEGファイルの等倍によるプリントを実行する。
【0056】
一方、ステップS2311において適応する記録紙がなかった場合にはステップS2313に進む。ステップS2313においては、DCSによって示される記録紙サイズに一致する記録紙を選択する。そして画像処理部107において、JPEGファイルを伸長した後に主走査方向の縮小処理を含む画像処理を行なうことによってCMYKの2値データを生成した後、カラー画像が欠落しないように、選択された記録紙上にプリントする。
【0057】
ここで、ステップS2313における画像縮小方法の一例について説明する。
まず、単純間引き処理が考えられる。例えば、受信したJPEGファイルを伸長した後に、該画像が欠落しないように、即ち、記録紙の主走査サイズ内にプリント可能な画素数になるように、一定の割合で画素を削除する。その後2値化処理を行えば、画質を劣化させずに縮小することが可能である。
【0058】
尚、縮小方法としては、画素補間を行う方法等、他の任意の方法を適用することが可能である。
【0059】
また、一般にファイルの解像度と記録部109によるプリント解像度が異なる場合、例えば受信した画像の解像度が200dpiであるが、記録部109は360dpiの解像度にのみ対応している場合には、画像処理部107において受信画像を1.8(360/200)倍へ変倍してから記録部109に渡すことによって、受信画像の等倍プリントが実現される。そこで、この変倍率を、
(プリント解像度/受信画像解像度)
×(プロトコル上の主走査画素数/JPEGファイルの主走査画素数)
とすることによって、画像を間引きすることなく、縮小プリントが可能となる。
【0060】
以上説明したように第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、通信プロトコル上で宣言されている主走査サイズとJPEGファイル上で宣言されている主走査サイズとが異なる場合に、JPEGファイルの主走査サイズを有効とする。そして更に、JPEGファイル上で宣言されている主走査サイズの方が大きい場合には、通信プロトコル上の記録紙サイズよりも主走査長が大きい記録紙があれば該記録紙への等倍プリントを行い、そのような記録紙がなければ、通信プロトコル上の記録紙サイズと同じ主走査長の記録紙への縮小プリントを行う。これによって、ユーザに画像欠落のないプリントを提供することができる。
【0061】
また、第1実施形態と同様に、「不一致時プリント位置」が「センタリング」に設定されていない場合の右詰めによるプリントも可能である。
【0062】
<第3実施形態>
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態におけるカラーファクシミリ装置の構成は、上述した第1実施形態で示した図1と同様であるため、説明を省略する。尚、第3実施形態においては、不揮発性RAM104内に「不一致時プリント位置」の項目を設ける必要はない。
【0063】
第3実施形態においては、通信主走査サイズとファイル主走査サイズが不一致である場合には、通信を切断して相手機に報知することを特徴とする。
【0064】
図5は、第3実施形態におけるカラー画像受信処理を示すフローチャートである。該フローチャートに示す処理を実現するプログラムはROM102に格納されており、主制御部101によって該プログラムがRAM103上に読み出されて実行されることにより、図5のフローチャートに示す処理が実現される。
【0065】
まずステップS1201において、通信制御部111でGI(グループ識別)信号を監視し、着信を検出する。通信制御部111は着信を検出すると回線を閉結し、相手機からのCNG(発呼トーン)信号を検知したら、ステップS1202においてNSF(非標準機能)/CSI(被呼端末識別)/DIS(デジタル識別信号)のいずれかの信号を相手機に送出する。続いてステップS1203において、相手機からのTSI(送信端末識別)/DCS(デジタル命令信号)信号のいずれかを受信する。尚、TSI信号は送られてこない場合もある。TSI信号を受信した場合はRAM103に保存する。続いてステップS1204においてトレーニング信号を受信し、正しく受信できていればCFR(受信準備確認)信号を返し、ステップS1205において画像信号を受信する。
【0066】
EOM(メッセージ終了)信号の受信によりブロックの画像受信が終了すると、ステップS1206においてPPS−Q(部分ページ信号PPS−EOM,PPS−MPS,PPS−EOP,PPS−NULLのいずれか)信号を受信する。続いてステップS1207において、受信したブロックの画像が全フレーム正常に受信されたかを調べる。全フレームが正常に受信されていない場合はステップS1212においてPPR(部分ページ要求)信号を返した後、ステップS1205に戻ってエラーの発生したフレームを再度受信する。
【0067】
ステップS1207において全フレームが正常に受信されていた場合は、ステップS1208において、DCS信号で指示された内容に基づいて、受信した文書がカラー文書(JPEGファイル)であるか否かを調べる。カラー文書である場合にはステップS1209に進み、ステップS1205で受信した画像がページの第1ブロックであるかを否かを調べる。第1ブロックであればステップS1210に進み、受信した画像のJPEGヘッダ部を解析して、その主走査画素サイズの設定をRAM103に記憶しておく。
【0068】
ステップS1211においては、受信画像のJPEGヘッダで定義されている主走査画素サイズとDCSで宣言された解像度、主走査幅から計算される主走査画素サイズが一致しているか否かを判定する。一致していなければステップS1215に進んで、相手機にDCN(切断命令)信号を送り、通信をエラー終了する。
【0069】
そしてステップS1216においては、DCS信号とともにTSI信号を受信しているか否かを調べる。受信していれば、ステップS1217において相手機に対してエラー理由通知処理を行い、受信処理を終了する。TSI信号を受信していなければ、そのまま受信処理を終了する。
【0070】
ステップS1208において受信した文書がカラー文書でない場合、及びステップS1209において受信した画像がページの第1ブロックでない場合、及びステップS1211において受信画像のファイル主走査サイズと通信主走査サイズが一致する場合には、ステップS1213に進み、画像ブロックを正しく受信したことを報知するために、相手機に対してMCF(メッセージ確認)信号を送る。続いてステップS1214において、ステップS1206で受信したPPS−Q信号の種類により連続して画像ブロックが送信されてくるか否かを判断し、送信されてくる場合は、ステップS1205において次の画像ブロックの受信を行なう。一方、次の画像ブロックが送信されない場合は受信処理を終了する。
【0071】
図6は、上述したステップS1217におけるエラー理由通知処理を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS1301においては、通信制御部111により、ステップS1203でRAM103に保存したTSI信号で示される番号に対して発呼する。回線がつながったら、ステップS1302においてCNG信号を送出する。次いでステップS1303において相手機からDIS信号を受信したら、ステップS1304においてDCS信号を送出し、続いてステップS1305において回線の状態を確認するためにトレーニング信号を送出する。
【0073】
ステップS1306において相手機からCFRを受信したか否かを調べ、受信していない場合、もしくはFTT(トレーニング失敗)信号を受信した場合はステップS1304に戻り、通信速度を変えてDCS信号を送出する。
【0074】
ステップS1306においてCFR信号を受信した場合は、ステップS1307において通信を切断した理由を相手機に対して通知する。具体的には、図7に示すように、切断理由を記載した画像を送信する。この切断理由通知画像は、予め符号化してROM102に記憶しておけばよい。また、該切断理由通知画像は、例えば切断理由通知時に作成されても良い。
【0075】
切断理由通知画像の送信が終了したら、ステップS1308においてPPS−EOP信号を送出する。続いてステップS1309にてMCF信号を受信するとファクシミリ送信手順が終了するので、ステップS1310においてDCN信号を送出し、エラー理由通知処理を終了する。
【0076】
以上説明したように第3実施形態によれば、JPEGファイルの第1ブロックを受信した時点でJPEGヘッダを解析し、通信プロトコル上で宣言されている主走査サイズとJPEGファイル上で宣言されている主走査サイズとが異なる場合に、通信を切断して相手機にエラーの発生及びその内容を通知する。これにより、送信側において、受信側でプリント不能であるにも関らず送信が正常終了したと誤認識してしまうことを回避し、更にエラー内容として、JPEGファイルの主走査サイズが誤っていることを報知することができる。
【0077】
<第3実施形態の変形例>
図8は、第3実施形態における受信処理の変形例を示すフローチャートである。本変形例においても、通信主走査サイズとファイル主走査サイズが異なる場合には通信を切断して相手機に報知するが、特にJPEGヘッダの解析処理を、通信処理とは独立した別処理として行うことを特徴とする。
【0078】
図8において、ステップS1501〜S1509までの処理は、上述した図5に示すステップS1201〜S1209と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
ステップS1509において、ステップS1505で受信した画像がページの第1ブロックであれば、ステップS1510において、RAM103に設けられたJPEGエラーフラグをクリアし、別処理として実行されるJPEGヘッダ解析処理を起動して、ステップS1512に進む。これにより即ち、JPEGヘッダ解析処理と、後続のJPEGファイル受信処理とが並行して実行される。
【0080】
ステップS1512においては、JPEGヘッダ解析処理にてエラーが発生したか否かを調べるが、ページの第1ブロックについてはJPEGヘッダ解析処理は起動されたばかりであるため、エラーの発生はなく、ステップS1513に進んでMCFを送出する。続いてステップS1514において、ステップS1506で受信したPPS−Q信号の種類により連続して画像ブロックが送信されてくるか否かを判断し、送信されてくる場合は、ステップS1505において次の画像ブロックの受信を行なう。
【0081】
続いて、ステップS1506〜S1509までの処理が再度行われるが、ここでステップS1509においては、受信した画像ブロックがページの第1ブロックではないため処理はステップS1512に進み、既に起動されているJPEGヘッダ解析処理(S1510)においてエラーが発生したか否かをJPEGエラーフラグに基づいて調べる。エラーが発生していればステップS1515に進んで、相手機にDCN信号を送り、通信をエラー終了する。
【0082】
そしてステップS1516においては、DCS信号とともにTSI信号を受信しているか否かを調べる。受信していれば、ステップS1517において相手機に対してエラー理由通知処理を行い、受信処理を終了する。TSI信号を受信していなければ、そのまま受信処理を終了する。
【0083】
図9は、ステップS1510において起動される、JPEGヘッダ解析処理を示すフローチャートである。
【0084】
まずステップS1601において、JPEGヘッダに記述されているデータを読み取り、解析する。そしてステップS1602において、ヘッダの内容にエラーがあるか否かを調べる。エラーがあればステップS1604に進み、RAM103内に設けられたJPEGエラーフラグをオンにする。
【0085】
一方、ステップS1602においてヘッダ内容にエラーがなかければステップS1603に進み、JPEGヘッダで定義されている主走査画素サイズとDCSで宣言された解像度、主走査幅から計算される主走査画素サイズが一致しているか否かを判定する。一致していなければステップS1604に進んで、JPEGエラーフラグをオンにする。このようにJPEGエラーフラグがオンとなることによって、図8に示す受信処理ルーチンはJPEGエラーの発生を検知することができる。
【0086】
以上説明したように第3実施形態の変形例によれば、JPEGファイル受信処理とJPEGヘッダ解析処理とを別処理として、並行に実行することにより、処理速度が遅いシステムにおいても、JPEGヘッダ解析処理による通信制御への影響を回避することができ、全体としての処理速度が向上する。
【0087】
尚、第3実施形態においては、エラー理由通知処理の際に、相手機からのTSI信号で通知された電話番号に対して発呼するとして説明したが、発信者番号通知機能によって通知された電話番号に対して発呼した場合にも同様の効果が得られることは、言うまでもない。
【0088】
尚、以上説明した各実施形態を組み合わせることも可能である。例えば、通信主走査サイズとファイル主走査サイズが互いに異なる場合には、第3実施形態で示したように一旦通信を切断して相手機に通知し、相手機より該JPEGファイルを再送しない旨の通知、又は強制プリントの指示を受けた場合には通信を再開して、第2実施形態で示したように適切な記録媒体を選択した上で画像欠落のないプリントを行うことも可能である。
【0089】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0090】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0091】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、受信したJPEG等の圧縮画像ファイルの画像を適切な主走査長によって処理することが可能となる。
【0093】
また、受信したJPEG等の圧縮画像ファイルの画像を欠落なく記録媒体上に印刷出力することが可能となる。
【0094】
また、受信したJPEG等の圧縮画像ファイルの画像を適切に印刷出力できない場合には、通信を切断して適切な処置を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態におけるファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における不揮発性RAMのメモリ構成例を示す図である。
【図3】本実施形態におけるカラー受信時のプリント処理を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態におけるカラー受信時のプリント処理を示すフローチャートである。
【図5】第3実施形態における受信処理を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態おけるエラー理由通知処理を示すフローチャートである。
【図7】第3実施形態における通信の切断理由を報知する画像の一例を示す図である。
【図8】第3実施形態の変形例における受信処理を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態の変形例におけるJPEGヘッダ解析処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101 主制御部
102 ROM
103 RAM
104 不揮発性RAM
105 操作部
106 表示部
107 画像処理部
108 読み取り部
109 記録部
110 駆動部
111 通信制御部
Claims (10)
- 主走査サイズの宣言を含む通信プロトコルに基づいて他装置と画像データの通信を行なう画像通信装置であって、
主走査サイズが第1のサイズである旨の情報を伴う圧縮画像ファイルを前記他装置から受信する受信手段と、
前記圧縮画像ファイルに関わる前記他装置との通信における通信プロトコルで主走査サイズとして宣言された第2のサイズが前記第1のサイズと異なる場合に、前記第1のサイズを主走査サイズとして設定し、前記第2のサイズが前記第1のサイズと一致する場合に、該一致するサイズを主走査サイズとして設定する主走査サイズ制御手段と、
前記設定された主走査サイズを前記圧縮画像ファイルの1ラインあたりの画素数として前記圧縮画像ファイルを処理する画像処理手段と、を有することを特徴とする画像通信装置。 - 前記画像処理手段は、
前記圧縮画像ファイルを伸長する伸長手段と、
該伸長された画像データを出力する出力手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の画像通信装置。 - 更に、前記第1のサイズと前記第2のサイズが異なる場合の画像出力位置を設定する出力位置設定手段を備え、
前記出力手段は、設定された画像出力位置に基づいて前記伸長された画像データを出力することを特徴とする請求項2記載の画像通信装置。 - 前記出力位置設定手段は、前記画像出力位置を主走査方向の中央として設定可能であることを特徴とする請求項3記載の画像通信装置。
- 前記出力位置設定手段は、前記画像出力位置を主走査方向の左詰めとして設定可能であることを特徴とする請求項3記載の画像通信装置。
- 前記出力手段は、画像データを記録媒体上に印刷出力することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の画像通信装置。
- 前記通信プロトコルは、ITU−T.30勧告に準拠することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像通信装置。
- 前記圧縮画像ファイルは、JPEGファイルであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像通信装置。
- 前記画像通信装置はファクシミリ装置であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像通信装置。
- 主走査サイズの宣言を含む通信プロトコルに基づいて他装置と画像データの通信を行なう画像通信装置における制御方法であって、
主走査サイズが第1のサイズである旨の情報を伴う圧縮画像ファイルを前記他装置から受信する受信工程と、
前記圧縮画像ファイルに関わる前記他装置との通信における通信プロトコルで主走査サイズとして宣言された第2のサイズが前記第1のサイズに一致するか否かを判定する判定工程と、
前記判定結果が不一致である場合に、前記第1のサイズを主走査サイズとして設定し、 前記第2のサイズが前記第1のサイズと一致する場合に、該一致するサイズを主走査サイズとして設定する設定工程と、
前記設定された主走査サイズを前記圧縮画像ファイルの1ラインあたりの画素数として前記圧縮画像ファイルを処理する画像処理工程と、
を有することを特徴とする画像通信装置の制御方法。
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