JP4135148B2 - 車両用開閉体の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に設けられ、例えば車両の乗員が乗り降りをするときなどに開閉動作をする車両用開閉体の速度を制御する車両用開閉体の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両に設けられたスライド式のドア機構をモータの駆動力により開閉動作させるパワースライドドアシステムが知られている。このように車両のスライドドアをモータで駆動して自動開閉する車両用スライドドア開閉制御装置では、モータの回転数を検出する回転数検出部を備えている。この回転数検出部によって検出した所定時間当たりのモータの回転数からスライドドアの移動速度を算出し、算出したスライドドアの移動速度と目標移動速度とに基づいてモータの駆動力、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御におけるデューティー比を制御する発明が、例えば特開2000−127764号公報にて知られている。
【0003】
上記発明では、スライドドア速度が目標速度VLよりも所定値低い判定速度VJを下回ったら、その目標速度VLに対して所定値(VL−VJ)以下になる状態が連続することを駆動モータの回転パルス信号でカウントし、そのカウント数が連続状態判定値に達したら駆動モータのデューティー比(d)を増加する。この時の増加分Δdを算出する値は比較的小さな値とし、例えば2%であってもよい。このような制御を行うことにより、挟み込みが生じた場合であっても、急激なモータトルクの増大を回避して、スライドドア速度を負荷の変化にかかわらず、目標速度に一致させることができるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記発明においては、挟み込みが生じて、スライドドア実速度が低下した場合に、駆動モータのデューティー比を例え小さな値であっても増加させていた。このため、駆動モータのトルクも多少ではあるが増大し、挟み込み荷重の増大は避けられないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、挟み込みが生じて開閉体の速度が低下した場合であっても挟み込み荷重を低減する車両用開閉体の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、車両に設けられた車両用開閉体の実開閉速度である開閉体実速度を検出する実速度検出手段と、前記車両用開閉体の目標開閉速度である開閉体目標速度を生成する目標速度生成手段と、前記目標速度生成手段で生成された開閉体目標速度と、前記実速度検出手段で検出された開閉体実速度の速度差を求め、求めた速度差を用いて、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティー制御するときのデューティー比を算出するデューティー比算出手段と、前記デューティー比算出手段でデューティー比を算出するのに使用するゲインを設定するゲイン設定手段とを備えた車両用開閉体の制御装置において、前記デューティー比算出手段は、前記速度差に負の値の比例ゲインを乗算した第1の乗算値と、前記速度差の積分値に積分ゲインを乗算した第2の乗算値とを加算した加算結果に基づいて、前記デューティー比を算出することを特徴とする
【0007】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、挟み込み等の開閉体の急激な負荷変動に対して、開閉体の実速度を負荷の影響以上に低下させて、挟み込み荷重の低減を達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0009】
本発明は、例えば図1に示すように構成されたスライドドア制御システムに適用される。
【0010】
このスライドドア制御システムは、スライドドア1を半ドア位置(ハーフラッチ位置)から全開位置の範囲で開閉駆動制御するスライドドア開閉システム11と、スライドドア1内に設けられてスライドドア1を半ドア位置(ハーフラッチ位置)から全閉位置(フルラッチ位置)の範囲で駆動制御するドアクロージャシステム12とから構成されている。
【0011】
このスライドドア制御システムにおいて、スライドドア開閉システム11により制御するスライドドア1の制御領域は、半ドア状態が検出される位置(ハーフラッチ位置)から全開位置までであり、ドアクロージャシステム12による制御領域外から全開位置までである。
【0012】
ドアクロージャシステム12は、図示しないバッテリと接続された給電コネクタ21、クローズモータ22、リリースモータ23、ラッチ機構24、ハーフラッチスイッチ25、ドアハンドル2と接続されたクロージャコントローラ26を備えて構成されている。
【0013】
ハーフラッチスイッチ25は、スライドドア1がハーフラッチ位置に達したことを検出すると、ハーフラッチ検出信号をクロージャコントローラ26に出力する。
【0014】
また、ラッチ機構24は、クローズモータ22により発生したトルクにより駆動して、スライドドア1に設けられた不図示のストライカと締結してスライドドア1を半ドア状態から全閉状態にし、リリースモータ23により発生したトルクにより駆動して、スライドドア1に設けられた不図示のストライカとの締結を解除してスライドドア1を全閉状態から開状態にする。
【0015】
クロージャコントローラ26は、ドアハンドル2の動作、ハーフラッチ検出信号、及び後述のドア開閉制御部36からの操作入力信号を入力してラッチ機構24の動作を制御する。このクロージャコントローラ26は、ユーザによるドアハンドル2の操作によりスライドドア1が開状態に操作されたことを検出する。
【0016】
また、このクロージャコントローラ26は、スライドドア1が開状態であることを認識している場合であって、ハーフラッチスイッチ25によりスライドドア1がハーフラッチ位置に達したことを認識し、全閉状態にする信号を入力したことに応じて給電コネクタ21からの電力をクローズモータ22に供給してトルクを発生させる。これにより、クロージャコントローラ26は、ラッチ機構24を動作させてスライドドア1を全閉状態にする。
【0017】
更に、クロージャコントローラ26は、スライドドア1が全閉状態であることを認識している場合であって、後述のドア開閉操作部34又はキーレスコントローラ35からの信号がドア開閉制御部36から入力されたことに応じて給電コネクタ21からの電力をリリースモータ23に供給してトルクを発生させる。これにより、クロージャコントローラ26は、ラッチ機構24を動作させてスライドドア1を開状態にして、ウェザーストリップ反力によりスライドドア1をハーフラッチ位置よりも開方向に位置させる。この状態において、スライドドア1は、スライドドア開閉システム11による制御領域に位置する。
【0018】
スライドドア開閉システム11は、スライドドア1と接続されたドア駆動部31、ブザー32、メイン操作部33、ドア開閉操作部34、キーレスコントローラ35、これらを制御するドア開閉制御部36から構成されている。
【0019】
メイン操作部33及びドア開閉操作部34は、例えばユーザが乗車した状態にて操作可能な位置に配設されてなる。これらのメイン操作部33及びドア開閉操作部34は、ユーザにより操作されることに応じて操作入力信号をドア開閉制御部36に出力する。
【0020】
ドア開閉操作部34は、スライドドア1の開動作を開始する操作入力信号を生成するためのスイッチ、スライドドア1の閉動作を開始する操作入力信号を生成するためのスイッチからなる。このドア開閉操作部34は、各スイッチが操作されることに応じて操作入力信号をドア開閉制御部36に出力する。
【0021】
メイン操作部33は、スライドドア制御機構の制御の許可、禁止を行う信号を生成するスイッチからなり、操作されることに応じて許可信号又は禁止信号をドア開閉制御部36に出力する。
【0022】
キーレスコントローラ35は、携帯型のリモコンに設けられたスイッチが操作されることにより送信される無線信号を入力して操作入力信号を生成して、ドア開閉制御部36に出力する。
【0023】
ブザー32は、ドア開閉制御部36からの駆動信号に応じて鳴吹することで、スライドドア1の動作をユーザに報知する。
【0024】
ドア駆動部31は、ドア接続機構41、プーリー42,43、ドラム機構44、バネ機構45がワイヤ46を介して接続されている。また、このドア駆動部31は、ドラム機構44の動作を検出してスライドドア1のドア駆動パルスを生成するパルスエンコーダ47、スライドドア1を開閉駆動するトルクを発生させるドア開閉駆動モータ48、ドア開閉駆動モータ48とドラム機構44との接続関係を切り換えるクラッチ機構49を備える。
【0025】
ドア駆動部31は、その一部の表面斜視図を図2に示し、裏面斜視図を図3に示すように構成されている。ドア駆動部31は、図3に示すように、スライドドア1に接続されたワイヤ46、このワイヤ46が側面部に巻き付けられるドラム機構44、ワイヤ46を一定張力に保持するバネ機構45が筐体50に収容されている。ドラム機構44は、ドア開閉駆動モータ48が回転すると、そのトルクにより回転をして、ワイヤ46を巻き付けたり、開放したりする。これにより、ドラム機構44は、ワイヤ46を巻き付ける動作又はワイヤ46を開放する動作をすることでスライドドア1を開方向又は閉方向に動作させる。
【0026】
また、ドア駆動部31は、図2に示すように、ドラム機構44の中心軸と連接し、その表面に所定間隔の電極が形成された回転電極板51、この回転電極板51の電極形成部分と接触した2本の回転検出端子52、アース端子53をパルスエンコーダ47として備える。このパルスエンコーダ47は、ドラム機構44がドア開閉駆動モータ48のトルクにより回転することで回転電極板51が回転し、回転検出端子52が各電極と接触したことに応じてドア駆動パルスを生成する。これにより、パルスエンコーダ47は、スライドドア1の開閉動作に従ったドア駆動パルスをドア開閉制御部36に供給する。このパルスエンコーダ47により生成されるドア駆動パルスは、ドア開閉駆動モータ48とパルスエンコーダ47とが連接されて構成されることにより、スライドドア1の移動速度に応じた周波数となる。なお、本実施例においては、上述のような機械式エンコーダを用いたが、これが例えば光学式等のエンコーダであっても良い。
【0027】
ドア開閉駆動モータ48は、駆動回路61からデューティー比が制御された電力が供給され、デューティー比に応じたトルクを発生させる。これにより、ドア開閉駆動モータ48は、クラッチ機構49を介してドラム機構44を回転駆動してスライドドア1を駆動する。
【0028】
更に、ドア開閉制御部36には、図4に示すように、駆動回路61と、バッテリ電圧検出部62とが接続されている。
【0029】
駆動回路61は、図示しないバッテリに接続され、ドア開閉制御部36から送られたデューティー比信号が入力されると共に、ドア開閉駆動モータ48の駆動方向を示す制御信号が入力される。この駆動回路61は、デューティー比信号及び制御信号に従って、駆動電流をドア開閉駆動モータ48に供給することにより、ドア開閉駆動モータ48をスライドドア1の開方向又は閉方向に回転駆動させる。
【0030】
バッテリ電圧検出部62は、図示しない車両内のバッテリと接続し、バッテリから駆動回路61に供給するバッテリ電圧を検出する。このバッテリ電圧検出部62は、検出したバッテリ電圧をドア開閉制御部36に出力する。
【0031】
図4はドア開閉制御部36の構成を示す機能ブロック図である。図4において、ドア開閉制御部36は、ドア開閉操作部34、メイン操作部33からの操作入力信号を入力する操作判断部71、ハーフラッチスイッチ25からのハーフラッチ検出信号を入力する駆動判断部72、駆動方向決定部73、パルスエンコーダ47からのドア駆動パルスを入力するドア位置算出部74、速度算出部75、挟み込み判断部76、ドア目標速度生成部77、デューティー比算出部78、フィードバックゲイン設定部79を備えて構成されている。
【0032】
ドア位置算出部74は、ドア駆動パルスを入力して、ドア位置を算出する。このドア位置算出部74は、例えばスライドドア1が全開位置にあるときのドア位置情報として数値の「300」を保持する。そして、ドア位置算出部74は、スライドドア1が全開状態から閉方向に移動したことによりドア駆動パルスが入力されると、数値を「300」から減じてドア位置情報を算出する。このドア位置算出部74は、算出したドア位置情報を挟み込み判断部76、駆動判断部72及びドア目標速度生成部77に出力する。
【0033】
速度算出部75は、パルスエンコーダ6からのドア駆動パルスを入力し、ドア駆動パルスの周期を算出することでスライドドア1の実際の移動速度(実移動速度)を算出して、実移動速度情報を生成して挟み込み判断部76、デューティー比算出部78及びフィードバックゲイン算出部79に出力する。
【0034】
挟み込み判断部76は、ドア位置情報及び実移動速度情報に基づいてスライドドア1の異物挟み込みを検出する。この挟み込み判断部76は、異物挟み込みを検出すると、挟み込み検出信号を駆動判断部72に出力する。
【0035】
操作判断部71は、ドア操作部2及びメイン操作部33からの操作入力信号を入力すると、ドア操作部2及びメイン操作部33の操作内容を判断して、操作内容判断信号を駆動判断部72に出力する。
【0036】
駆動判断部72は、操作判断部71からの操作内容判断信号から、ユーザの操作内容を認識する。また、駆動判断部72は、ハーフラッチスイッチ4からハーフラッチ検出信号を入力すると、スライドドア1の半ドア状態にあることを認識する。この半ドア状態において、駆動判断部72は、スライドドア1の位置がスライドドア開閉システム11の制御範囲外にあり、ドアクロージャシステム12の制御範囲であることを認識する。これにより、駆動判断部72は、スライドドア1の動作の制御を行わない状態になる。更に、この駆動判断部72は、ドア位置算出部74及び挟み込み判断部76と接続され、ドア位置情報及び挟み込み検出信号を入力する。
【0037】
駆動判断部72は、入力した信号に基づいて、スライドドア1及びブザー32の駆動内容を判断し、駆動信号をブザー32に出力すると共に、スライドドア1の駆動内容を示す駆動内容信号を駆動方向決定部73に出力する。
【0038】
駆動判断部72は、操作判断部71からスライドドア1の移動方向を反転させる操作内容判断信号を入力すると、先ず、モータブレーキを掛ける駆動内容信号を駆動方向決定部73に出力する。次いで、駆動判断部72は、モータブレーキを掛けてから所定期間後にスライドドア1を反転移動させる駆動内容信号を駆動方向決定部73に出力する。
【0039】
駆動方向決定部73は、駆動判断部72からの駆動内容信号に従ってドア開閉駆動モータ48の駆動方向を判定して、駆動回路8のリレー状態を制御する制御信号を出力する。
【0040】
目標速度生成部77は、予めドア位置に応じた目標速度をマップとして記憶しており、ドア位置算出部74からドア位置情報を入力し、ドア位置に応じてスライドドア1の目標とする目標速度を前記マップから選択し、目標速度情報を生成し、デューティー比算出部78及びフィードバックゲイン設定部79に出力する。
【0041】
フィードバックゲイン設定部79は、バッテリ電圧検出信号、ドア位置情報、目標速度及び実移動速度から、ドア開閉駆動モータ48に必要なトルクを発生させるための積分ゲイン、比例ゲイン、フィードフォワードゲイン等を設定して、設定したゲインをデューティー比算出部78に出力する。
【0042】
デューティー比算出部78は、フィードバックゲイン設定部79により設定された各ゲインに基づいて、ドア実速度をドア目標速度とするように後述する演算を行って、ドア開閉駆動モータ48に必要なトルクを発生させるデューティー比を示すデューティー(Duty)サイクル信号を生成して駆動回路8に出力する。
【0043】
図5はこの発明の第1の実施形態に係るデューティー比算出部78を含み、ドア目標速度VLとドア実速度Vとの速度差に基づいたネガティブフィードバック制御による制御系の構成を示す図である。図5において、デューティー比算出部78は、ドア目標速度とドア実速度の負の値とを入力する第1の加算器81、比例ゲイン演算器82、積分演算器83、積分ゲイン演算器84、比例ゲイン演算器82の出力と積分ゲイン演算器84の出力を加算してデューティー比を示すデューティーサイクル信号を出力するする第2の加算器85を備えている。このデューティー比算出部78は、比例ゲイン演算器82の比例ゲイン、積分ゲイン演算器84の積分ゲインがフィードバックゲイン設定部79により設定される。図5において、第2の加算器85から出力されるデューティーサイクル信号をドア制御モデル86に入力することでドア実速度Vが得られる。このドア制御モデル86は、後述する式(1)により近似されて表される。
【0044】
このデューティー比算出部78は、ドア目標速度とドア実速度とが入力されると、第1の加算器81によりドア目標速度からドア実速度が減算される。減算結果は、積分演算器83により積分されると共に、比例ゲイン演算器82により負の値の比例ゲイン(K2)が乗算される。積分演算器83の出力は、積分ゲイン演算器83により積分ゲイン(K1)が乗算され、乗算結果は、第2の加算器85で比例ゲイン演算器82の出力と加算され、加算結果がデューティーサイクル信号として駆動回路61に出力される。
【0045】
この発明の第1の実施形態では、上記デューティー比算出部78を備えることにより、ドア実速度Vがドア目標速度VLを下回った場合に、(VL−V)に比例する値だけデューティー比を増大させるのではなく、逆にデューティー比を減少させるようにしている。すなわち図5に示すような、ドア目標速度VLとドア実速度Vとの差に所定のゲインを乗ずる通常のネガティブフィードバック制御により制御系を構成した場合に、比例ゲインK2を、通常の制御に用いる正の値に代えて、負の値を用いることを特徴とするものである。
【0046】
比例ゲインK2を負の値にすると、負荷の変動に対してドア実速度Vがドア目標速度VLに一致することはありえない。このため、図5に示すデューティー比算出部78では、(VL−V)を積分演算器83により積分した値に所定の積分ゲインK1を乗じた値を、(VL−V)に負の比例ゲインK2を乗じた値に加えるようにしている。
【0047】
挟み込み等が生じて急激なドア実速度の低下が発生した場合は、負の値の比例ゲインK2の効果により、ドア実速度の低下に比例してデューティー比が減少する。これにより、ドア実速度の低下が促進され、挟み込み荷重の著しい低下を達成することができる。これと同時に、車両が傾斜地にあるなどして増減した負荷に対しては、このような負荷は急激な負荷変動ではないため、積分値が時間経過にしたがって十分に増大し、モータトルクを増加させてドア実速度Vをドア目標速度VLに一致させる。
【0048】
次に、上述したように構成されたドア開閉制御部36において、デューティー比算出部78に設定される各ゲインによるドア開閉駆動モータ48の応答性について説明する。
【0049】
制御対象であるドア開閉駆動モータ48は直流モータである場合、駆動回路61から供給されるバッテリ電圧と、実移動速度との関係は、下記式1に示すように一次遅れの特性として近似(モデル化)される。
【0050】
【数1】
a/(s+τ) (式1)
上記式1において、τは定数、aはデューティー制御されるバッテリ電圧に依存する関数であるが、ここでは説明の簡単のために定数とする。すなわち、定常状態でのドア実速度は、ドア開閉駆動モータ48に印加されるデューティー比に比例する。
【0051】
デューティー比算出部78は、図5に示すようにPI制御系を構成し、例えば積分ゲインK1=1、比例ゲインK2=1の制御系とし、式1で示すドア制御モデルがτ=1、a=1であるならば、その目標値応答性、および外乱すなわち挟み込みに対する応答性は図6の▲1▼に示すようになる。図6は、ドアが停止状態から動き始め、動き始めてから15秒後に外乱(挟み込み)が発生した場合のドア実速度示す図である。図6の▲1▼に示す応答特性は、下記式2で与えられる閉ループ極ωが1となる特性を示すものである。ダンピング係数ζは、下記式3で与えられる。
【0052】
【数2】
ω2 =K1 式(2)
ζ =(τ+K2)/(2×ω) 式(3)
ここで、ωが小さければ小さいほど外乱に対する応答性が低下する。すなわち、外乱に打ち勝ってドア実速度が回復するまでの時間が遅くなるので、例えばω=0.5となる特性を得るべく、積分ゲインK1ならびに比例ゲインK2を選択すると、上記式(2)(3)により、K1=0.25、K2=0となる。なお、ダンピング係数ζは、小さすぎると振動的になり、大きすぎると応答が鈍くなりすぎるので、ここではζ=1の条件下で式(3)を解いている。
【0053】
この場合の特性は、図6の▲2▼に示すものとなるが、さらにω=0.4にすると、上記式(3)から与えられるようにK2を負の値、すなわち−0.2にせざるを得ない。したがって、K2=−0.2 K1=0.16とした場合には、図7に示すように、ω=1の場合の電圧は同図aに示すように挟み込みが発生した直後に上昇し、挟みこみ荷重を押し上げることになる。これに対して、ω=0.4の場合には、図7のbに示すように、いったん電圧が低下した後徐々に上昇しており、挟み込み荷重の低減に貢献することができる。
【0054】
このように、上記第1の実施形態においては、ドア目標速度VLとドア実速度Vとの差に対する比例ゲインK2を負とし、ドア目標速度VLとドア実速度Vとの差の積分値に対する積分ゲインK1を正の値とすることで、挟み込み等の急激な負荷変動に対しては、ドア駆動力を積極的に減少させ、負荷の影響以上のドア実速度の低下を実現して、挟み込み荷重の低減を達成することができる。一方、車両傾斜、ドアレールの摩擦力変動等、ゆるやかな負荷変動に対しては、ドア目標速度VLにドア実速度Vを一致させることができるドア制御系を実現することができる。
【0055】
図8は本発明の第2の実施形態に係るデューティー比算出部78を含み、図5と同様な制御系の構成を示す図である。図8において、このデューティー比算出部78は、ドア目標速度とドア実速度の負の値とを入力する第1の加算器81、比例ゲイン演算器87、積分演算器83、積分ゲイン演算器84、第2の加算器85、帰還ゲイン演算器88を備えている。このデューティー比算出部78は、比例ゲイン演算器82の比例ゲイン、積分ゲイン演算器84の積分ゲイン、帰還ゲイン演算器88の帰還ゲインがフィードバックゲイン設定部79により設定される。
【0056】
このデューティー比算出部78は、ドア目標速度VLとドア実速度Vとが入力されると、第1の加算器81によりドア目標速度からドア実速度が減算される。減算結果は、積分演算器83により積分されると共に、比例ゲイン演算器87により正の値の比例ゲインK2が乗算される。積分演算器83の出力は、積分ゲイン演算器83により積分ゲインK1が乗算される。ドア実速度は帰還ゲイン演算器88により帰還ゲインK4が乗算される。比例ゲイン演算器87の乗算結果、積分ゲイン演算器84の乗算結果ならびに帰還ゲイン演算器88の乗算結果は、第2の加算器85で加算され、加算結果がデューティーサイクル信号として駆動回路61に出力される。
【0057】
このような構成において、第2の実施形態では、ドア実速度Vに正の値の帰還ゲインK4を乗じた値を用いて、ドア実速度に比例してデューティー比の増減を行い、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることを特徴としている。上記第1の実施形態においては、ドア実速度Vが低下した場合には、瞬間的にデューティー比を低下させ、その後増大させるようにデューティー比を制御している。このような制御手法においては、ドア目標速度VLに対する追従性は好ましくない。
【0058】
そこで、本実施形態においては、ドア実速度Vに比例した値を正帰還させると同時に、正の値である比例ゲインK2、積分ゲインK1を用いることにより、負荷変動に対しては、上記第1の実施形態と同様に作用すると共に、ドア目標速度の変化に良好に追従する制御系を得ることができる。
【0059】
上記第2の実施形態は、図9に示す構成(第3の実施形態)を採用しても、同様の効果を得ることができる。図9に示す構成は、図8に示す構成に比べて、図8に示す帰還ゲイン演算器88を削除し、ドア目標速度VLに正帰還(フィードフォーワード)ゲインK3を乗算する正帰還ゲイン演算器89を設け、さらに比例ゲイン演算器87に代えて第1の加算器81の加算結果に比例ゲインK2を乗算する比例ゲイン演算器87を設け、正帰還ゲイン演算器89の乗算結果と比例ゲイン演算器90の乗算結果と積分ゲイン演算器84の乗算結果を第2の加算器85で加算する構成を採用している。ここで、図8ならびに図9に示す各ゲインは、下記式(4)、(5)に示すように変換することで、図8に示す構成の制御系と図9に示す構成の制御系は等価となる。
【0060】
【数3】
K2=K5−K4 式(4)
K3=K4 式(5)
図9の第3の実施形態に示す構成の制御系と図5の第1の実施形態に示す制御系を比較すると、第1の実施形態の制御系では、比例ゲインK2を−0.2とした場合には、動き始めの目標値に対する応答性が比例ゲインK2を0とした時のように(図6の▲2▼に示すように)遅くなるだけでなく、同図▲3▼に示すようにいったん逆方向に移動してから目標に追従することになるので、動き始めの応答性が悪くなっていた。
【0061】
これを回避する実施形態の一例として、図9に示す実施形態で採用した正の帰還ゲインK3を用いて正帰還を行うことが考えられる。例えば帰還ゲインK3=0.7、比例ゲインK2=0.5、積分ゲインK1=0.16とした場合の応答は、図6の▲4▼に示すようになる。図6の▲4▼に示す応答特性では、外乱に対する応答性は図6の▲3▼とまったく同一であるにもかかわらず、動き始めの目標値応答性は図6の▲1▼に示す応答性に近いものとなっている。
【0062】
図10は本発明の第4の実施形態に係るデューティー比算出部78を含み、図5と同様な制御系の構成を示す図である。図10において、この第4の実施形態のデューティー比算出部78の特徴とするところは、図5に示す第1の実施形態のデューティー比算出部78に比べて、ドア目標速度VLを以下に示す応答特性で第1の加算器81に出力する、目標速度変化部として機能する補償器91と、ドア目標速度VLを入力して以下に示す応答特性で第2の加算器85に出力する、補償部として機能する補償器92から成る前置補償器を備えたことにある。
【0063】
所望の目標値に対する応答性が伝達関数m(s)として得られているとすると、補償器91の伝達関数A(s)は、下記式(6)に示すよう表され、補償器92の伝達関数B(s)は、下記式(7)に示すように表される。
【0064】
【数4】
A(s)=m(s) 式(6)
B(s)={(s+τ)/a}×m(s) 式(7)
このような構成においては、積分ゲインK1、比例ゲインK2を任意の値に設定しても、例えば比例ゲインK2を負の値に設定しても、目標値に対する所望の応答特性が得られる。この結果、挟み込み時にドアの速度を低下させると共に、ドア目標速度に良好に追従することができる。
【0065】
次に、上記第3の実施形態において、上述したドア開閉制御部36により、積分ゲインK1、比例ゲインK2、正帰還ゲインK3ならびに比例ゲインK5を設定してデューティーサイクル信号を生成するときの処理手順について図11、図12又は図13を参照して説明する。
【0066】
先ず、ドア開閉制御部36は、ドア位置算出部74にて図11に示すフローチャートの処理を行うことにより、スライドドア1の移動方向及びドア位置を算出し、次いで、図12又は図13に示すフローチャートの処理を行うことにより、デューティーサイクル信号を生成する。
【0067】
次に、図11を用いてドア位置算出部74によるドア位置の算出方法について説明する。
【0068】
図11において、実際にスライドドア1が移動して、パルスエンコーダ47からドア駆動パルスが入力されると、ドア位置算出部74により、内部のフリーランカウンタのカウント値(FreeRun )を現在カウント値(CountNow)とする(ステップS1101)。このフリーランカウンタは、例えばパルスエンコーダ47からのドア駆動パルスの立ち上がりを検出してパルス数を計数するものである。
【0069】
次に、ドア位置算出部74により、前回のカウント値とステップS1101にて設定した現在カウント値との差を演算し、演算した値をドア位置を求めるためのパルス値(Pulse )に設定すると共に、ステップS1101で求めた現在カウント値を前回カウント値に変更する(ステップS1102)。そして、ステップS1102で演算したパルス値が「0」よりも小さい負の値であるか否かを判定し(ステップS1103)、小さくないと判定したときにはそのままのカウント値を以降の処理にて使用し、小さいと判定したときにはフリーランカウンタの最大カウント値(MAXFREERUN)とステップS1102で求めたカウント値とを加算して、以降の処理で使用するカウント値とする(ステップS1104)。
【0070】
次に、ドア位置算出部74により、ドア開閉駆動モータ48のB相の電圧レベルを判定してドア開閉駆動モータ48の回転方向を判定する(ステップS1105)。このとき、ドア位置算出部74は、ドア開閉駆動モータ48のB相の電圧レベルがハイレベルであるか否かを判定して、ハイレベルでないと判定したときにはドアカウンタ値を「1」だけ加算し(ステップS1106)、ハイレベルであると判定したときにはステップS1107にてスライドドア1の移動方向を示すドアカウンタ値(DoorCount )を「1」だけ減算する(ステップS1107)。
【0071】
次に、ドア位置算出部74により、ドア駆動パルスが入力されか否かを示すエッジフラグ(edgeFlag)の値を「1」にしてパルス入力があったとし(ステップS1108)、ステップS1102又はステップS1104にて演算したパルス値及びステップS1105にて判定したドア開閉駆動モータ48の回転方向に基づいてスライドドア1の存在する位置(エリア)を算出してドア位置情報を目標速度生成部77及びフィードバックゲイン設定部79に出力する(ステップS1109)。
【0072】
このように、算出されたドア位置情報が目標速度生成部77及びフィードバックゲイン設定部79に入力され、更に、処理を実行する所定周期毎(例えば50msec毎)に、図12に示す処理が開始される。
【0073】
図12はこの発明の第5の実施形態に係る、デューティーサイクル信号を生成するときの処理を例えばマイクロコンピュータで実現した場合の手順を示すフローチャートである。
【0074】
図12において、まず速度算出部75にて(1000×2.7(電極間隔)/エンコーダのパルス幅)なる演算をしてドア実速度Vを求める(ステップS1201)。なお、上記ドア実速度Vの算出式は一例であり、エンコーダの電極間隔等によって適宜変更可能である。次いで、上述したようにドア位置算出部74によって算出されたドア位置に対応したドア目標速度VLを目標速度生成部77にて生成してデューティー比算出部78に出力する(ステップS1202)。
【0075】
次に、フィードバッグゲイン設定部79にてドア実速度Vとドア目標速度VLを比較して(ステップS1203)、V≧VLならば、例えば積分ゲインK1=1、比例ゲインK2=1、帰還ゲインK3=0に設定し(ステップS1204)、V<VLならば、例えば積分ゲインK1=0.16、比例ゲインK2=−0.2、帰還ゲインK3=0.75に設定する(ステップS1205)。続いて、デューティー比算出部78にて帰還ゲインK3とドア目標速度VLとを乗算し(ステップS1206)、比例ゲインK2と(VL−V)を乗算し(ステップS1207)、積分ゲインK1と(VL−V)を乗算する(ステップS1208)。そして、デューティー比算出部78は第2加算器85により、ステップS1206で得られた乗算結果(F)、ステップS1207で得られた乗算結果(P)、ステップS1209で得られた乗算結果(I)の積分値(Isum)を加算してデューティー比(Duty)を求める(ステップS1209)。
【0076】
次に、デューティー比算出部78は、ステップS1209で求めたデューティー比が0%以上か否かを判定する(ステップS1210)。デューティー比が0%以上であると判定したときには処理をステップS1212に進め、デューティー比が0%以上でないと判定したときにはデューティー比を0%とする。
【0077】
次に、デューティー比算出部78は、ステップS1209で求めたデューティー比が100%以上か否かを判定する。すなわち、ドア実速度Vがドア目標速度VLを超えているか否かを判定する。デューティー比が100%以上であると判定したときには処理をステップS1214に進め、デューティー比が100%以上でないと判定したときには積分値(Isum)に、ステップS1208で求めた乗算値(I)を加算して新たな積分値を求める(ステップS1213)。最後に、デューティー比算出部78はステップS1213で求めた積分値のデューティー比を、駆動回路61のモータ駆動用レジスタ(図示せず)に設定する(ステップS1214)。
【0078】
上記図12に示す処理手順では、フィードバックゲイン設定部79はドア実速度Vがドア目標速度VLを上回った場合、すなわち(VL−V)が負の場合は比例ゲインK2を正の値とし、これに対応して積分ゲインK1ならびに帰還ゲインK3を設定している。これにより、通常のフィードバック制御としてデューティー比を迅速に減少させ、ドア実速度Vの低下を達成することができる。この結果、例えば車両が下り坂に停車している場合に、ドア実速度がドア目標速度を上回った場合や、ドアの揺動抵抗によってドア実速度がドア目標速度を微少量下回った場合には、ドア実速度をドア目標速度に速やかに追従させることができる。
【0079】
図13はこの発明の第6の実施形態に係る、デューティーサイクル信号を生成するときの処理を例えばマイクロコンピュータで実現した場合の手順を示すフローチャートである。この処理手順の特徴とするところは、図12に示す処理手順に比べて、図12に示すステップS1203、ステップS1204ならびにステップS1205の処理に代えて、図14に示すテーブル1を用いてドア位置とドア実速度及びドア目標速度とに基づいて積分ゲインK1、比例ゲインK2、正帰還ゲインK3を設定するステップS1301を行うようにしたことにある。
【0080】
図14に示すテーブル1は、前閉位置を基準としたドア位置(10mm、300mm、600mm)と、ドア実速度Vとドア目標速度VLとの大小関係(VL−V≦−2、−2<VL−V&VL−V<10、10<VL−V)とに応じて、積分ゲインK1、比例ゲインK2、帰還ゲインK3が設定されている。
【0081】
図13に示す処理では、(VL−V)の値ならびにドア位置に応じて、図14のテーブル1に示すように、積分ゲインK1、比例ゲインK2、帰還ゲインK3のすべてのゲインを変更するようにしている。これにより、挟み込みが発生して、(VL−V)の値が著しく大きくなった場合のみ、比例ゲインK2を負としてドア実速度Vの積極的な低下を図る。さらに、(VL−V)の値が負または正であっても小さな場合は、比例ゲインK2を正としてドア目標速度VLにドア実速度Vを迅速に一致させることができる。また、比例ゲインK2だけでなく、積分ゲインK3も比例ゲインK2の値に対して最適値に設定されているため、ドア目標速度VLへの収束特性を、所望の特性、例えば臨界制動特性にすることが可能となる。また、ドア位置によってゲインを変えることにより、例えば挟み込みが発生する可能性があるドア位置と、挟み込みが発生しないドア位置とで、ゲインを変えることが可能となり、適切な制御を行うことができる。
【0082】
なお、上記第6の実施形態では、積分ゲインK1、比例ゲインK2ならびに正帰還ゲインK3のすべてをドアの開閉位置に基づいて決定しているが、上記ゲインの中から少なくもと1つのゲインを決定するようにしてもよい。
【0083】
また、図12、図13のフローチャートに示した実施形態においては、ゲインK1、K2、K3をドア位置、ドア速度及びドア目標速度に基づいて設定したが、図8のような制御系を構成する場合は、ゲインK1、K2、K3にかえて、ゲインK1、K4、K5を設定すればよい。
【0084】
図15は本発明の第7の実施形態に係るドア開閉制御部36の構成を示す機能ブロック図である。
【0085】
例えば傾斜地において、デューティー比が100%となりドア開閉駆動モータ48が最大のトルクを発生していても、ドア実速度V<目標速度VLとなる場合がある。このような状態において、負の制御ゲインを設定すると、デューティーサイクルが低下してドア開閉駆動モータ48のトルクが下がり、スライドドア1の開閉速度が著しく低下し、挟み込み誤反転が発生するおそれがあった。
【0086】
そこで、この第7の実施形態では、デューティー比が100%の場合には、制御ゲインに負の値を設定せず、ポジティブフィードバックをかけないようにして、上記挟み込み誤反転を解消するようにしている。
【0087】
また、この第7の実施形態では、スライドドア1の駆動方向が反転して所定の時間が経過するまでの間(反転直後)は、それまでの制御ゲインとは異なる値の専用の制御ゲインを使用するようにしている。
【0088】
図15において、この第7の実施形態のドア開閉制御部36は、図4に示すドア開閉制御部36に比べて、駆動方向決定部73、デューティー比算出部78ならびにフィードバックゲイン設定部79が、図4に示す第1の実施形態で説明した機能に加えて、以下に説明する機能を備えている。
【0089】
この第7の実施形態の駆動方向決定部73は、ドア開閉駆動モータ48の駆動方向の判定結果に基づいて、スライドドア1の駆動方向を検出し、検出したスライドドア1の駆動方向をフィードバックゲイン設定部79に与える。
【0090】
この第7の実施形態のデューティー比算出部78は、算出したデューティー比を示すデューティーサイクル信号を駆動回路61ならびにフィードバックゲイン設定部79に出力する。
【0091】
この第7の実施形態のフィードバックゲイン設定部79は、図4に示す第1の実施形態におけるフィードバックゲイン設定部79の入力に加えて、駆動方向決定部73からスライドドア1の駆動方向が入力され、デューティー比算出部78からデューティー比が入力される。また、フィードバックゲイン設定部79は、時間を計測するタイマ(RevTimer)を備えており、このタイマによりスライドドア1の駆動方向が変化した後、予め設定された時間(T:例えばT=ω/2π、ωは前述した式(2)で与えられる)を計測する。
【0092】
フィードバックゲイン設定部79は、スライドドア1の駆動方向が変化してタイマにより予め設定された時間が経過した後、ドア実速度V<ドア目標速度VL、かつデューティー比が100%(ドア開閉駆動モータ48が最大のトルクを発生)でない場合は、積分ゲインK1ならびに帰還ゲインK3を正の値とし、比例ゲインK2を負の値とし、例えば積分ゲインK1=0.16、比例ゲインK2=−0.2、帰還ゲインK3=0.75に設定して、前述した実施形態と同様にポジティブフィードバックをかける。また、フィードバックゲイン設定部79は、ドア実速度V≧ドア目標速度VL、かつデューティー比が100%である場合には、積分ゲインK1、比例ゲインK2ならびに帰還ゲインK3のすべてを正の値とし、例えば積分ゲインK1=1、比例ゲインK2=1、帰還ゲインK3=0に設定する。さらに、フィードバックゲイン設定部79は、スライドドア1の駆動方向が変化して所定時間が経過するまでの間(反転直後)は、積分ゲインK1、比例ゲインK2ならびに帰還ゲインK3をそれまでとは異なる専用の制御ゲインを設定し、例えば積分ゲインK1=4、比例ゲインK2=3、帰還ゲインK3=0に設定する。
【0093】
図16は第7の実施形態に係る、デューティーサイクル信号を生成するときの処理を例えばマイクロコンピュータで実現した場合の手順を示すフローチャートである。図16に示す処理は、図12に示す処理と同様に、所定周期毎(例えば50msec毎)に実行される。
【0094】
図16において、まず速度算出部75にて(1000×2.7(電極間隔)/エンコーダのパルス幅)なる演算をしてドア実速度Vを求める(ステップS1601)。なお、上記ドア実速度Vの算出式は一例であり、エンコーダの電極間隔等によって適宜変更可能である。次いで、ドア位置算出部74でスライドドア1の位置が算出される(ステップS1602)。続いて、上述したようにドア位置算出部74によって算出されたドア位置に対応したドア目標速度VLを目標速度生成部77にて生成してデューティー比算出部78に出力する(ステップS1603)。
【0095】
次に、フィードバックゲイン設定部79でドア駆動方向が変化したか否かを判別する(ステップS1604)。判別結果において、ドアの駆動方向が変化した場合には、フィードバックゲイン設定部79に含まれるタイマ(RevTimer)に変数として例えば“10”を設定し、50msecの周期毎に1ずつ減じることにより、予め設定した所定の時間(ここでは、10×50=500msec)を計測する(ステップS1605)。一方、判別結果において、ドアの駆動方向が変化していない場合には、(RevTimer−1)として所定時間を計測する。
【0096】
タイマにより所定時間が経過したことが計測されると(ステップS1607)、フィードバッグゲイン設定部79にてドア実速度Vとドア目標速度VLを比較する(ステップS1608)。比較結果において、V<VLならば、続いてデューティー比が100%であるか否かを判別する(ステップS1609)。判別結果において、デューティー比が100%でない場合には、制御ゲインとして、例えば積分ゲインK1=1、比例ゲインK2=1、帰還ゲインK3=0に設定する(ステップS1610)。一方、ステップS1609のデューティー比の判別結果において、デューティー比が100%である場合には、制御ゲインとして、例えば積分ゲインK1=1、比例ゲインK2=1、帰還ゲインK3=0に設定する(ステップS1611)。
【0097】
ステップS1608の比較結果において、V≧VLならば、デューティー比が100%の場合と同様に、制御ゲインとして、例えば積分ゲインK1=1、比例ゲインK2=1、帰還ゲインK3=0に設定する(ステップS1611)。
【0098】
ステップS1607の判別結果において、ドアの駆動方向が変化した後所定時間が経過するまでの間は、制御ゲインとして、例えば積分ゲインK1=4、比例ゲインK2=3、帰還ゲインK3=0に設定する(ステップS1612)。
【0099】
次に、デューティー比算出部78にて帰還ゲインK3とドア目標速度VLとを乗算し(ステップS1613)、比例ゲインK2と(VL−V)を乗算し(ステップS1614)、積分ゲインK1と(VL−V)を乗算する(ステップS1615)。そして、デューティー比算出部78は第2加算器85により、ステップS1613で得られた乗算結果(F)、ステップS1614で得られた乗算結果(P)、ステップS1615で得られた乗算結果(I)の積分値(Isum)を加算してデューティー比(Duty)を求める(ステップS1616)。
【0100】
次に、デューティー比算出部78は、ステップS1616で求めたデューティー比が0%以上か否かを判定する(ステップS1617)。デューティー比が0%以上であると判定したときには処理をステップS1619に進め、デューティー比が0%以上でないと判定したときにはデューティー比を0%とする(ステップS1618)。
【0101】
次に、デューティー比算出部78は、ステップS1616で求めたデューティー比が100%以上か否かを判定する。すなわち、ドア実速度Vがドア目標速度VLを超えているか否かを判定する。デューティー比が100%以上であると判定したときには処理をステップS1621に進め、デューティー比が100%以上でないと判定したときには積分値(Isum)に、ステップS1615で求めた乗算値(I)を加算して新たな積分値を求める(ステップS1620)。最後に、デューティー比算出部78はステップS1620で求めた積分値のデューティー比を、駆動回路61のモータ駆動用レジスタ(図示せず)に設定する(ステップS1621)。
【0102】
上記図16に示す処理手順では、フィードバックゲイン設定部79はドア実速度Vがドア目標速度VLを上回り、すなわち(VL−V)が負の場合で、かつデューティー比が100%である場合には、比例ゲインK2を正の値とし、これに対応して積分ゲインK1ならびに帰還ゲインK3を設定している。これにより、通常のフィードバック制御としてデューティー比を迅速に減少させ、ドア実速度Vの低下を達成することができる。この結果、例えば車両が下り坂に停車している場合に、ドア実速度がドア目標速度を上回った場合や、ドアの揺動抵抗によってドア実速度がドア目標速度を微少量下回った場合には、ドア実速度をドア目標速度に速やかに追従させることができる。また、挟み込み誤反転を防止することができる。
【0103】
なお、上記第7の実施形態においては、前述した第6の実施形態と同様に、図16に示す処理フローにおけるステップS1608、ステップS1610、ステップS1611、ならびにステップS1611の処理に代えて、図17に示すテーブル2を用いてドア位置とドア実速度及びドア目標速度とに基づいて積分ゲインK1、比例ゲインK2、正帰還ゲインK3を設定する処理を行うようにしてもよい。
【0104】
図17に示すテーブル2は、テーブル1の設定内容に加えて、ドア駆動方向が変化して例えば0.5(上記所定時間=10×50=500msec)秒以内では、積分ゲインK1=4、比例ゲインK2=3、帰還ゲインK3=0に設定するようにしている。
【0105】
このように、図17に示すテーブル2を用いることにより、前述した第6の実施形態で得られる効果に加えて、上記第7の実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用開閉体の制御装置の構成を示す図である。
【図2】パルスエンコーダの表面斜視図である。
【図3】パルスエンコーダの裏面斜視図である。
【図4】 ドア開閉制御部36の機能的な構成を示すブロックである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るデューティー比算出部78を含むネガティブフィードバック制御による制御系の構成を示す図である。
【図6】ドア実速度に対する目標応答性ならびに外乱(挟み込み)の応答性を示す図である。
【図7】ドア速度/印加電圧の応答特性を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るデューティー比算出部78を含むネガティブフィードバック制御による制御系の構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るデューティー比算出部78を含むネガティブフィードバック制御による制御系の構成を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るデューティー比算出部78を含むネガティブフィードバック制御による制御系の構成を示す図である。
【図11】ドア位置情報を算出する処理手順を示すフローチャートである。
【図12】デューティー比を算出する処理手順を示すフローチャートである。
【図13】デューティー比を算出する他の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】各ゲインの値とドア開閉位置との関係を表すテーブル1を示す図である。
【図15】本発明の第7の実施形態に係るドア開閉制御部36の機能的な構成を示すブロックである。
【図16】本発明の第7の実施形態に係るデューティー比を算出する処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第7の実施形態に係る各ゲインの値とドア開閉位置との関係を表すテーブル2を示す図である。
【符号の説明】
1 スライドドア
2 ドアハンドル
11 スライドドア開閉システム
12 ドアクロージャシステム
21 給電コネクタ
22 クローズモータ
23 リリースモータ
24 ラッチ機構
25 ハーフラッチスイッチ
26 クロージャコントローラ
31 ドア駆動部
32 ブザー
33 メイン操作部
34 ドア開閉操作部
35 キーレスコントローラ
36 ドア開閉制御部
41 ドア接続機構
42,43 プーリー
44 ドラム機構
45 バネ機構
46 ワイヤ
47 パルスエンコーダ
48 ドア開閉駆動モータ
49 クラッチ機構
51 筐体
52 回転検出端子
53 アース端子
61 駆動回路
62 バッテリ電圧検出部
71 操作判断部
72 駆動判断部
73 駆動方向決定部
74 ドア位置算出部
75 速度算出部
76 挟み込み判断部
77 目標速度生成部
78 デューティー比算出部
79 フィードバックゲイン設定部
81 第1の加算器
82,87,90 比例ゲイン演算器
83 積分演算器
84 積分ゲイン演算器
85 第2の加算器
86 ドア制御モデル演算器
88 帰還ゲイン演算器
89 正帰還ゲイン演算器
91,92 補償器
Claims (11)
- 車両に設けられた車両用開閉体の実開閉速度である開閉体実速度を検出する実速度検出手段と、
前記車両用開閉体の目標開閉速度である開閉体目標速度を生成する目標速度生成手段と、
前記目標速度生成手段で生成された開閉体目標速度と、前記実速度検出手段で検出された開閉体実速度の速度差を求め、求めた速度差を用いて、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティー制御するときのデューティー比を算出するデューティー比算出手段と、
前記デューティー比算出手段でデューティー比を算出するのに使用するゲインを設定するゲイン設定手段と
を備えた車両用開閉体の制御装置において、
前記デューティー比算出手段は、前記速度差に負の値の比例ゲインを乗算した第1の乗算値と、前記速度差の積分値に積分ゲインを乗算した第2の乗算値とを加算した加算結果に基づいて、前記デューティー比を算出する
ことを特徴とする車両用開閉体の制御装置。 - 前記ゲイン算出手段は、前記比例ゲインを前記速度差が所定の値以上である場合にのみ負の値に設定する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用開閉体の制御装置。 - 車両に設けられた車両用開閉体の実開閉速度である開閉体実速度を検出する実速度検出手段と、
前記車両用開閉体の目標開閉速度である開閉体目標速度を生成する目標速度生成手段と、
前記目標速度生成手段で生成された開閉体目標速度と、前記実速度度検出手段で検出された開閉体実速度の速度差を求め、求めた速度差を用いて、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティ制御するときのデューティー比を算出するデューティー比算出手段と、
前記デューティー比算出手段でデューティー比を算出するのに使用するゲインを設定するゲイン設定手段と
を備えた車両用開閉体の制御装置において、
前記デューティー比算出手段は、前記速度差に比例ゲインを乗算した第1の乗算値と、前記速度差の積分値に積分ゲインを乗算した第2の乗算値と、前記開閉体実速度に帰還ゲインを乗算した第3の乗算値とを加算した加算結果に基づいて、前記デューティー比を算出する
ことを特徴とする車両用開閉体の制御装置。 - 車両に設けられた車両用開閉体の実開閉速度である開閉体実速度を検出する実速度検出手段と、
前記車両用開閉体の目標開閉速度である開閉体目標速度を生成する目標速度生成手段と、
前記目標速度生成手段で生成された開閉体目標速度と、前記実速度度検出手段で検出された開閉体実速度の速度差を求め、求めた速度差を用いて、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティー制御するときのデューティー比を算出するデューティー比算出手段と、
前記デューティー比算出手段でデューティー比を算出するのに使用するゲインを設定するゲイン設定手段と
を備えた車両用開閉体の制御装置において、
前記デューティー比算出手段は、
前記速度差に比例ゲインを乗算した第1の乗算値と、前記速度差の積分値に積分ゲインを乗算した第2の乗算値と、前記開閉体目標速度に正帰還ゲインを乗算した第3の乗算値とを加算した加算結果に基づいて、前記デューティー比を算出する
ことを特徴とする車両用開閉体の制御装置。 - 開閉体目標速度を入力して、該開閉体目標速度を所定の応答特性で出力する目標速度変換部と、開閉体目標速度を入力して、所定の応答特性となるように開閉体目標速度に基づいて算出された値を出力する補償部とを備えた前置補償器を更に有し、 前記デューティー比算出手段は、
前記目標速度変換部から出力された目標速度と前記開閉体実速度との速度差とに基づいて、前記第1の乗算値と前記第2の乗算値を算出し、該算出結果に前記補償部の出力を加算して前記デューティー比を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用開閉体の制御装置。 - 前記開閉体の開閉位置を検出する位置検出手段を備え、
前記ゲイン設定手段は、前記積分ゲイン及び前記比例ゲインの少なくとも1つのゲインを、前記位置検出手段によって検出された前記開閉体の開閉位置に基づいて設定する
ことを特徴とする請求項1,2,3及び5のいずれか1項に記載の車両用開閉体の制御装置。 - 前記開閉体の開閉位置を検出する位置検出手段を備え、
前記ゲイン設定手段は、前記積分ゲイン、前記比例ゲイン及び前記正帰還ゲインの少なくとも1つのゲインを、前記位置検出手段によって検出された前記開閉体の開閉位置に基づいて設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用開閉体の制御装置。 - 前記開閉体の開閉位置を検出する位置検出手段を備え、
前記目標速度生成手段は、前記位置検出手段によって検出された開閉位置に基づいて目標速度を生成する
事を特徴とする請求項1,2,3,4,5,6及び7のいずれか1項に記載の車両用開閉体の制御装置。 - 車両に設けられた車両用開閉体の実開閉速度である開閉体実速度を検出する実速度検出手段と、
前記車両用開閉体の目標開閉速度である開閉体目標速度を生成する目標速度生成手段と、
前記目標速度生成手段で生成された開閉体目標速度と、前記実速度検出手段で検出された開閉体実速度の速度差を求め、求めた速度差を用いて、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティー制御するときのデューティー比を算出するデューティー比算出手段と、
前記デューティー比算出手段でデューティー比を算出するのに使用するゲインを設定するゲイン設定手段と
を備えた車両用開閉体の制御装置において、
前記デューティー比算出手段は、前記速度差に比例ゲインを乗算した第1の乗算値と、前記速度差の積分値に積分ゲインを乗算した第2の乗算値と、前記開閉体実速度に帰還ゲインを乗算した第3の乗算値とを加算した加算結果に基づいて、前記デューティー比を算出し、
前記ゲイン設定手段は、開閉体実速度が開閉体目標速度よりも小さく、かつ前記車両用開閉体を開閉動作させる前記モータにより前記車両用開閉体が最大駆動力で駆動されていない場合は、比例ゲインを負の値に設定し、開閉体実速度が開閉体目標速度よりも大きく、かつ前記車両用開閉体を開閉動作させる前記モータにより前記車両用開閉体が最大駆動力で駆動されている場合には、比例ゲインを正の値に設定する
ことを特徴とする車両用開閉体の制御装置。 - 車両に設けられた車両用開閉体の実開閉速度である開閉体実速度を検出する実速度検出手段と、
前記車両用開閉体の目標開閉速度である開閉体目標速度を生成する目標速度生成手段と、
前記目標速度生成手段で生成された開閉体目標速度と、前記実速度検出手段で検出された開閉体実速度の速度差を求め、求めた速度差を用いて、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティー制御するときのデューティー比を算出するデューティー比算出手段と、
前記デューティー比算出手段でデューティー比を算出するのに使用するゲインを設定するゲイン設定手段と
を備えた車両用開閉体の制御装置において、
前記車両用開閉体の駆動方向を検出する駆動方向検出手段を有し、
前記デューティー比算出手段は、前記速度差に比例ゲインを乗算した第1の乗算値と、前記速度差の積分値に積分ゲインを乗算した第2の乗算値と、前記開閉体実速度に帰還ゲインを乗算した第3の乗算値とを加算した加算結果に基づいて、前記デューティー比を算出し、
前記ゲイン設定手段は、前記駆動方向検出手段により前記車両用開閉体の駆動方向が反転したことが検出された場合は、前記車両用開閉体の駆動方向が反転された後所定時間の間、前記車両用開閉体の駆動方向が反転する前に設定されていた値とは異なるゲインに比例ゲイン、積分ゲインならびに帰還ゲインを設定する
ことを特徴とする車両用開閉体の制御装置。 - 車両に設けられた車両用開閉体の実開閉速度である開閉体実速度を検出する実速度検出手段と、
前記車両用開閉体の目標開閉速度である開閉体目標速度を生成する目標速度生成手段と、
前記目標速度生成手段で生成された開閉体目標速度と、前記実速度検出手段で検出された開閉体実速度の速度差を求め、求めた速度差を用いて、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティー制御するときのデューティー比を算出するデューティー比算出手段と、
前記デューティー比算出手段でデューティー比を算出するのに使用するゲインを設定するゲイン設定手段と
を備えた車両用開閉体の制御装置において、
前記デューティー比算出手段は、前記速度差に比例ゲインを乗算した第1の乗算値と、前記速度差の積分値に積分ゲインを乗算した第2の乗算値と、前記開閉体実速度に帰還ゲインを乗算した第3の乗算値とを加算した加算結果に基づいて、前記デューティー比を算出し、
前記ゲイン設定手段は、開閉体実速度が開閉体目標速度よりも小さく、かつ前記車両用開閉体を開閉動作させる前記モータにより前記車両用開閉体が最大駆動力で駆動されていない場合は、比例ゲインを負の値に設定し、開閉体実速度が開閉体目標速度よりも小さく、かつ前記車両用開閉体を開閉動作させる前記モータにより前記車両用開閉体が最大駆動力で駆動されている場合には、比例ゲインを正の値に設定する
ことを特徴とする車両用開閉体の制御装置。
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