JP4239826B2 - 車両用開閉体の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に設けられ、例えば車両の乗員が乗り降りをするときなどに開閉動作をする車両用開閉体の速度を制御する車両用開閉体の制御装置に関する。
従来より、車両に設けられたスライド式のドア機構をモータの駆動力により開閉動作させるスライドドアシステムが知られている。このスライドドアシステムは、例えば下記の特許文献1に記載されているように、目標ドア速度と実ドア速度との差を積分した値に所定のゲインを乗じた値と、目標ドア速度に所定のゲインを乗じたフィードフォワード出力との和を用いてスライドドアのドア速度を制御する技術が知られている。
このような特許文献1に記載された制御は、例えば下り坂に車両が停車していてスライドドアの閉位置が下方に存在する場合に、スライドドアを閉作動させるとき、目標ドア速度に対して実ドア速度が大きくなるため、目標ドア速度と実ドア速度との差を積分した値が負値となる可能性があり、更には当該目標ドア速度と実ドア速度との差を積分した値にフィードフォワード出力を加算した値も負の値となる可能性がある。
しかしながら、スライドドアに駆動トルクを発生させるモータの制御範囲は、例えばモータへの駆動電圧をデューティ制御した場合において、0〜100%までのデューティ比しか取ることができず、負の値及び100%を越えるデューティ比を設定することができない。これに対し、モータに逆転電流を供給する回路を備えることにより、負の値に相当する駆動トルクを発生させることができるが、回路構成が複雑となってしまい、コストアップを招いてしまう。
したがって、従来の技術では、下り坂に車両が停車していてスライドドアの閉位置が下方に存在する場合に、目標ドア速度と実ドア速度との差の積分値が著しく小さくなって、デューティ比が0%に達した場合に、積分計算を継続すると積分値が更に小さくなってしまう。このような場合、例えばスライドドアが閉鎖直前まで駆動された状態でシール部材と接触して実ドア速度が目標ドア速度を下回った時には、積分値が負の大きな値となっているため、デューティ比を0%以上とするために必要な時間が長くなり、更にはモータの駆動力を発生させるまでに長い時間が必要となってしまう。
また、通常のスライドドアシステムにおいて、急勾配の下り坂に車両を停止させている場合、デューティ比が0%であっても、モータの引き擦り力よりも、スライドドアに加わる重力が大きいため、実ドア速度が目標ドア速度を下回らない状態が継続することがある。一方、モータの駆動トルクによってスライドドアを自動的に作動させるスライドドアシステムは、スライドドアの異物の挟み込みに対処するために、スライドドアの速度変化或いはスライドドア速度の急低下を検出して、挟み込みを判定した場合にスライドドアを反転作動する必要がある。
したがって、特許文献1に記載された技術では、積分値が大きな負の値となることによってデューティ比が0%となる状態が継続すると、スライドドアがシール部材と接触して抵抗を受けて駆動力が無くなったときに急な速度低下が発生し、挟み込みが発生したと判定してしまう可能性がある。これに対し、従来では、デューティ比が上限値又は下限値に達した場合に積分計算を停止することが、例えば下記の特許文献2などにて知られている。
特開2003−182368号公報 特開平11−141666号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術のように、目標ドア速度と実ドア速度との差を積分した出力と独立して、目標ドア速度に所定のゲインを乗したフィードフォワード出力値を利用した制御系を用いた場合には、特許文献2のように積分を停止した時点でのフィードフォワード出力値と、積分計算を開始する時点でのフィードフォワード出力値とが異なることがあり、スライドドアの駆動力を上限値又は下限値から所望の値とするのに要する時間が長くなってしまう。
具体的には、下り坂に車両が停車していてスライドドアの閉位置が下方に存在する場合には、目標ドア速度よりも実ドア速度が高くなるが、通常、挟み込みを防止するためにスライドドアの閉位置の直前にスライドドアの速度を低下させる制御を行うため、目標ドア速度に比例させるフィードフォワード出力値がスライドドア位置に応じて次第に小さくなる。このような状態でデューティ比が下限値に達して積分計算を停止させても、当該時点でのフィードフォワード出力値よりも、スライドドアがシール部材と接触した時点でのフィードフォワード出力値の方が小さくなる。そして、双方の時点でのフィードフォワード出力値の差がΔFである場合には、当該ΔFに相当する積分値が増加しない限り、スライドドアがシール部材と接触した状態であってもデューティ比が下限値以上とはならないことになる。したがって、従来では、スライドドアがシール部材に接触している場合であっても、デューティ比が下限値以下である期間はデューティ比が0%、すなわちスライドドアの駆動力が無い状態となり、スライドドアの停止のみならず挟み込みを誤検出して反転するという誤動作を引き起こす可能性があった。
したがって、従来では、スライドドアの駆動力の上限値又は下限値に達した時に積分計算を停止するが、積分値とは独立したフィードフォワード出力値を併用するため、積分計算を停止している期間におけるフィードフォワード出力値の変化によって、スライドドアに与える駆動力を変化させるために長い時間を要し、更には、挟み込みを誤判定してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、スライドドアの駆動力を短時間で変更すると共に、スライドドアの誤動作を確実に防止することができる車両用開閉体の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両に設置された車両用開閉体の開閉位置を検出する位置検出手段と、前記車両用開閉体の実移動速度を検出する実移動速度検出手段と、前記位置検出手段で検出される前記車両用開閉体の開閉位置に応じた前記車両用開閉体の目標速度を生成する目標速度生成手段と、前記目標速度生成手段で生成された目標速度と前記実移動速度検出手段で検出された実移動速度の速度差を求め、求めた速度差を積分する積分手段と、前記目標速度生成手段により生成された目標速度に、フィードフォワードゲインを乗算して、フィードフォワード出力値を生成するフィードフォワード出力手段と、前記積分手段により得られた積分値と、前記フィードフォワード出力手段で生成されたフィードフォワード出力値とを加算して、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティ制御するときのデューティ比を算出するデューティ比算出手段とを備えた車両用開閉体の制御装置に適用される。
この車両用開閉体の制御装置は、デューティ比算出手段により算出されたデューティ比が下限値となった場合に、積分手段による積分計算を停止し、実移動速度が目標速度に達した場合に積分手段による積分計算を再開し、積分計算を停止した時点でのフィードフォワード出力値と、積分計算を再開した時点でのフィードフォワード出力値との差を積分手段により演算される積分値に加算することにより、上述の課題を解決する。
本発明に係る車両用開閉体の制御装置によれば、車両用開閉体を速度制御するに際して、フィードフォワード出力値、及び目標速度と実移動速度との速度差を積分した積分値とを使用する場合に、デューティ比が下限値である場合には、積分計算を停止すると共に、フィードフォワード出力値の変化量を積分値に加算してデューティ比を設定するので、実移動速度が目標ドア速度を上回っている状態で積分計算を継続することによって、積分値が大きな負の値となることを防止することができ、車両用開閉体の駆動力を短時間で変更すると共に、車両用開閉体の誤動作を確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図1に示すように構成されたスライドドア制御システムに適用される。
[スライドドア制御システムの構成]
このスライドドア制御システムは、スライドドア1の開閉をするスライドドア開閉システム11と、スライドドア1内に設けられてスライドドア1の施錠及び解錠をするドアクロージャシステム12とから構成されている。
このスライドドア制御システムにおいて、スライドドア開閉システム11により制御するスライドドア1の制御領域は、半ドア状態が検出される位置(ハーフラッチ位置)から全開位置までであり、ドアクロージャシステム12により制御するスライドドア1の制御領域から全閉位置までである。以下の説明では、ハーフラッチ位置をスライドドア開閉システム11における「全閉位置」と呼ぶ。
ドアクロージャシステム12は、図示しないバッテリと接続された給電コネクタ21、クローズモータ22、リリースモータ23、ラッチ機構24、ハーフラッチスイッチ25、ドアハンドル2と接続されたクロージャコントローラ26を備えて構成されている。
ラッチ機構24は、スライドドア1がハーフラッチ位置に達したことを検出するための検出機構を備える。このラッチ機構24は、スライドドア1がハーフラッチ位置に達したことがハーフラッチスイッチ25により検出される。ハーフラッチスイッチ25は、スライドドア1がハーフラッチ位置に達したことを検出すると、ハーフラッチ検出信号をクロージャコントローラ26に出力する。
また、このラッチ機構24は、クローズモータ22によりスライドドア1を全閉状態とするクローズ/リリース機構を備える。このラッチ機構24は、クローズモータ22により発生したトルクによりクローズ/リリース機構を動作させてスライドドア1を全閉状態にし、リリースモータ23により発生したトルクによりクローズ/リリース機構を動作させてスライドドア1を開状態にする。
クロージャコントローラ26は、ドアハンドル2の動作、ハーフラッチ検出信号、及び後述のドア開閉制御部36からの操作入力信号を入力してラッチ機構24の動作を制御する。このクロージャコントローラ26は、ユーザによるドアハンドル2の操作によりスライドドア1が開状態に操作されたことを検出する。
また、このクロージャコントローラ26は、スライドドア1が開状態であることを認識している場合であって、ハーフラッチスイッチ25によりスライドドア1がハーフラッチ位置に達したことを認識し、全閉状態にする信号を入力したことに応じて給電コネクタ21からの電力をクローズモータ22に供給してトルクを発生させる。これにより、クロージャコントローラ26は、ラッチ機構24のクローズ/リリース機構を動作させてスライドドア1を全閉状態にする。
更に、クロージャコントローラ26は、スライドドア1が全閉状態であることを認識している場合であって、後述のドア開閉操作部34又はキーレスコントローラ35からの信号がドア開閉制御部36から入力されたことに応じて給電コネクタ21からの電力をリリースモータ23に供給してトルクを発生させる。これにより、クロージャコントローラ26は、ラッチ機構24のクローズ/リリース機構を動作させてスライドドア1を開状態にして、ウェザーストリップ反力によりスライドドア1をハーフラッチ位置よりも開方向に位置させる。この状態において、スライドドア1は、スライドドア開閉システム11による制御領域に位置し、クロージャコントローラ26は、給電コネクタ21を介してハーフラッチ検出信号をドア開閉制御部36に出力する。
スライドドア開閉システム11は、スライドドア1と接続されたドア駆動部31、ブザー32、メイン操作部33、ドア開閉操作部34、キーレスコントローラ35、これらを制御するドア開閉制御部36から構成されている。
メイン操作部33及びドア開閉操作部34は、例えばユーザが乗車した状態にて操作可能な位置に配設されてなる。これらのメイン操作部33及びドア開閉操作部34は、ユーザにより操作されることに応じて操作入力信号をドア開閉制御部36に出力する。
ドア開閉操作部34は、スライドドア1の開動作を開始する操作入力信号を生成するためのスイッチ、スライドドア1の閉動作を開始する操作入力信号を生成するためのスイッチからなる。このドア開閉操作部34は、各スイッチが操作されることに応じて操作入力信号をドア開閉制御部36に出力する。
メイン操作部33は、スライドドア制御機構の制御の許可、禁止を行う信号を生成するスイッチからなり、操作されることに応じて許可信号又は禁止信号をドア開閉制御部36に出力する。
キーレスコントローラ35は、携帯型のリモコンに設けられたスイッチが操作されることにより送信される無線信号を入力して操作入力信号を生成して、ドア開閉制御部36に出力する。
ブザー32は、ドア開閉制御部36からの駆動信号に応じて鳴吹することで、スライドドア1の動作をユーザに報知する。
ドア駆動部31は、ドア接続機構41、プーリー42,43、ドラム機構44、バネ機構45がワイヤ46を介して接続されている。また、このドア駆動部31は、ドラム機構44の動作を検出してスライドドア1のドア駆動パルスを生成するパルスエンコーダ47、スライドドア1を開閉駆動するトルクを発生させるドア開閉駆動モータ48、ドア開閉駆動モータ48とドラム機構44との接続関係を切り換えるクラッチ機構49を備える。
このドア駆動部31は、ドラム機構44がドア開閉駆動モータ48が回転することよって回転をして、ワイヤ46を巻き付けたり、開放したりする。これにより、ドア駆動部31は、ワイヤ46を巻き付ける動作又はワイヤ46を開放する動作をすることでスライドドア1を開方向又は閉方向に動作させる。
また、パルスエンコーダ47は、ドラム機構44がドア開閉駆動モータ48のトルクにより回転することでドア駆動パルスを生成する。これにより、パルスエンコーダ47は、スライドドア1の開閉動作に従ったドア駆動パルスをドア開閉制御部36に供給する。このパルスエンコーダ47により生成されるドア駆動パルスは、ドア開閉駆動モータ48とパルスエンコーダ47とが連接されて構成されることにより、スライドドア1の移動速度に応じた周波数となる。なお、本実施例において、パルスエンコーダ47は、機械式エンコーダであっても良く、光学式等のエンコーダであっても良い。
ドア開閉駆動モータ48は、ドア開閉制御部36からデューティ比が制御された電力が供給され、デューティ比に応じたトルクを発生させる。これにより、ドア開閉駆動モータ48は、クラッチ機構49を介してドラム機構44を回転駆動してスライドドア1を駆動する。
更に、ドア開閉制御部36には、図2に示すように、駆動回路51と、バッテリ電圧検出部52とが接続されている。
駆動回路51は、図示しないバッテリからデューティ制御されたバッテリ電圧が印加されると共に、ドア開閉駆動モータ48の駆動方向を示す制御信号が入力される。この駆動回路51は、制御信号に従って、バッテリ電圧に応じた駆動電流をドア開閉駆動モータ48に供給することにより、ドア開閉駆動モータ48をスライドドア1の開方向又は閉方向に回転駆動させる。
バッテリ電圧検出部52は、図示しない車両内のバッテリと接続し、バッテリから駆動回路51に供給するバッテリ電圧を検出する。このバッテリ電圧検出部52は、検出したバッテリ電圧をドア開閉制御部36に出力する。
「ドア開閉制御部36の構成」
ドア開閉制御部36は、機能ブロック図として図2に示すように、ドア開閉操作部34、メイン操作部33からの操作入力信号を入力する操作判断部61、ハーフラッチスイッチ25からのハーフラッチ検出信号を入力する駆動判断部62、駆動方向決定部63、パルスエンコーダ47からのドア駆動パルスを入力するドア位置算出部64、速度算出部65、挟み込み判断部66、目標ドア速度生成部67、フィードバック制御部68、フィードバックゲイン算出部69を備えて構成されている。
ドア位置算出部64は、ドア駆動パルスを入力して、ドア位置を算出する。このドア位置算出部64は、例えばスライドドア1が全開位置にあるときのドア位置情報として数値の「100」を保持する。そして、ドア位置算出部64は、スライドドア1が全開状態から閉方向に移動したことによりドア駆動パルスが入力されると、数値を「100」から増加させてドア位置情報を算出する。このドア位置算出部64は、算出したドア位置情報を挟み込み判断部66、駆動判断部62及び目標ドア速度生成部67に出力する。
速度算出部65は、パルスエンコーダ47からのドア駆動パルスを入力し、ドア駆動パルスの周期を算出することでスライドドア1の実際の移動速度(実ドア速度)を算出して、実ドア速度情報を生成して挟み込み判断部66及びフィードバック制御部68に出力する。
挟み込み判断部66は、ドア位置情報及び実ドア速度情報に基づいてスライドドア1の異物挟み込みを検出する。この挟み込み判断部66は、異物挟み込みを検出すると、挟み込み検出信号を駆動判断部62に出力する。
操作判断部71は、ドア操作部2及びメイン操作部33からの操作入力信号を入力すると、ドア操作部2及びメイン操作部33の操作内容を判断して、操作内容判断信号を駆動判断部62に出力する。
駆動判断部62は、操作判断部71からの操作内容判断信号から、ユーザの操作内容を認識する。また、駆動判断部62は、ハーフラッチスイッチ4からハーフラッチ検出信号を入力すると、スライドドア1の半ドア状態にあることを認識する。この半ドア状態において、駆動判断部62は、スライドドア1の位置がスライドドア開閉システム11の制御範囲外にあり、ドアクロージャシステム12の制御範囲であることを認識する。これにより、駆動判断部62は、スライドドア1の動作の制御を行わない状態になる。更に、この駆動判断部62は、ドア位置算出部64及び挟み込み判断部66と接続され、ドア位置情報及び挟み込み検出信号を入力する。
駆動判断部62は、入力した信号に基づいて、スライドドア1及びブザー32の駆動内容を判断し、駆動信号をブザー32に出力すると共に、スライドドア1の駆動内容を示す駆動内容信号を駆動方向決定部63に出力する。
駆動判断部62は、操作判断部61からスライドドア1の移動方向を反転させる操作内容判断信号を入力すると、先ず、モータブレーキを掛ける駆動内容信号を駆動方向決定部63に出力する。次いで、駆動判断部62は、モータブレーキを掛けてから所定期間後にスライドドア1を反転移動させる駆動内容信号を駆動方向決定部63に出力する。
駆動方向決定部63は、駆動判断部62からの駆動内容信号に従ってドア開閉駆動モータ48の駆動方向を判定して、駆動回路51のリレー状態を制御する制御信号を出力する。
目標ドア速度生成部67は、ドア位置算出部64からドア位置情報を入力し、ドア位置に応じてスライドドア1の目標とする目標移動速度を取得して、目標ドア速度情報をフィードバック制御部68に出力する。この目標ドア速度生成部67は、図3に示すようにドア位置に応じた全速区間、減速区間及び締め込み区間が設定されている。具体的には、目標ドア速度生成部67は、図4に示すように、ドア位置情報に従ったスライドドア1の位置に対するドア速度を示す目標ドア速度テーブルを内部に記憶している。この目標ドア速度生成部67は、入力したドア位置情報に従って目標ドア速度テーブルを参照し、目標ドア速度情報を取得してフィードバック制御部68に出力する。
フィードバックゲイン算出部69は、バッテリ電圧検出信号及びドア位置情報から、ドア開閉駆動モータ48に必要なトルクを発生させるための積分ゲイン、比例ゲイン、フィードフォワードゲイン等を算出して、フィードバック制御部68に出力する。
「フィードバック制御部68の構成」
つぎに、上述したスライドドア制御システムにおけるフィードバック制御部68の構成について説明する。
このフィードバック制御部68は、概略構成を図5に示すように、目標ドア速度と実ドア速度とを入力する第1加算器71、目標ドア速度を入力するフィードフォワードゲイン演算器72、積分ゲイン演算器73、第2加算器74、積分器75、第3加算器76、駆動回路51と接続されたリミッター回路77、当該リミッター回路77と接続されたスイッチ回路78を備える。このフィードバック制御部68は、フィードフォワードゲイン演算器72のフィードフォワードゲイン(Fゲイン)、積分ゲイン演算器73の積分ゲイン(Iゲイン)がフィードバックゲイン算出部69により設定される。
このフィードバック制御部68は、目標ドア速度と実ドア速度とが入力されると、フィードフォワードゲイン演算器72により目標ドア速度にフィードフォワードゲインを乗算すると共に、第1加算器71により目標ドア速度と実ドア速度との速度差を演算して積分ゲイン演算器73に出力する。次に、フィードバック制御部68は、積分ゲイン演算器73により速度差に積分ゲインを乗算して第2加算器74に出力し、第2加算器74により、積分ゲイン演算器73の出力値と積分器75の出力値とを加算して積分器75に出力する。次にフィードバック制御部68は、積分器75により、第2加算器74の出力値から積分値を算出して第3加算器76に出力し、第3加算器76により、積分器75の出力値とフィードフォワードゲイン演算器72の出力値とを加算して、リミッター回路77を介して駆動回路51に出力する。また、積分器75は、積分値をスイッチ回路78にも出力する。第3加算器76の出力値は、「1」である場合にはデューティ比を100%となるデューティサイクル信号となる。
リミッター回路77は、フィードフォワード出力値と積分器75の積分値とが加算された値を入力し、当該入力値を駆動回路51に出力すると共に、スイッチ回路78の開閉動作を制御する。このとき、リミッター回路77は、予め設定されたデューティ比の上限値及び下限値に相当する上限値及び下限値と、第3加算器76の出力値とを比較する。そして、リミッター回路77は、第3加算器76の出力値が、予め設定された上限値と下限値との範囲外であると判定した場合には、スイッチ回路78を開状態とするように制御する。すなわち、リミッター回路77は、積分器75の出力値をフィードバックさせない状態にして、フィードバック制御部68の積分計算を停止させる。
更に具体的には、フィードバック制御部68は、図6に示すように、加算器91、乗算器92、加算器93、フィルタ回路94及び遅延回路95を備えたフィルタに目標ドア速度を通過させることにより、目標速度生成部67からの目標ドア速度が急峻に変化した場合にその変化を抑制した目標ドア速度に変換して、第1加算器71及びフィードフォワードゲイン演算器72に出力する。
フィードフォワードゲイン演算器72は、目標ドア速度を入力すると、フィードバックゲイン算出部69により予め設定されたフィードフォワードゲイン、例えばF_gain=1/(320*(12/電源電圧)×256)なる値を乗算することにより、フィードフォワード出力値を取得して、第3加算器76に出力する。また、このフィードフォワードゲイン演算器72には、第2加算器74との間に、遅延回路101、加算器102、フィルタ回路103、乗算器104が設けられている。
フィードバック制御部68は、フィードフォワードゲイン演算器72から出力されたフィードフォワード出力値が遅延回路101に保持され、前回のフィードフォワード出力値と今回のフィードフォワード出力値とが加算器102で減算されるように構成されている。具体的には、遅延回路101には、積分計算を停止させた時点でのフィードフォワード出力値が記憶され、積分計算を停止してから積分計算を再開する時点でのフィードフォワード出力値との差が加算器102で演算される。
この加算器102で減算された値は、デューティサイクルの制御タイミングにおけるフィードフォワード出力値の差分値ΔFとなる。このフィードフォワード出力値の差分値ΔFは、フィルタ回路103により、正の値である場合にのみ、乗算器104にて所定の定数で乗算されて、第2加算器74の入力側に出力される。すなわち、フィードフォワード出力値が増加している場合には、フィルタ回路103でフィードフォワード出力値の変化量ΔFが破棄され、フィードフォワード出力値が減少している場合には、フィルタ回路103を通過してフィードフォワード出力値の変化量ΔFに比例した値を出力する。すなわち、フィードバック制御部68は、スライドドア1が閉方向に移動して、目標ドア速度が減少した場合に、フィードフォワード出力値の変化量ΔFを第2加算器74の入力側に出力する。
また、このフィードバック制御部68は、フィードバックゲイン算出部69により比例ゲイン(P)が設定され、第1加算器71の出力値に比例ゲインを乗算して第3加算器76に出力する比例ゲイン演算器110を備えている。この比例ゲイン演算器110の出力値は、フィードフォワード出力値及び積分器75の出力値と加算されてリミッター回路77に送られる。
更に、このフィードバック制御部68において、積分ゲイン演算器73と第2加算器74との間には、正値フィルタ111、負値フィルタ112、スイッチ回路78に相当する第1リレー113及び第2リレー114が設けられている。第1リレー113及び第2リレー114は、リミッター回路77と接続され、リミッター回路77からの制御信号によって開閉動作する。
このようなフィードバック制御部68は、積分ゲイン演算器73の出力値が正値フィルタ111及び負値フィルタ112の双方に入力される。積分ゲイン演算器73の出力値が正値である場合には、正値フィルタ111と第2加算器74とを導通状態するように第1リレー113が制御されて第2加算器74に積分ゲイン演算器73の出力値が出力され、乗算器104と第2加算器74とを導通状態とするように第2リレー114が制御されてフィードフォワード出力値の変化量ΔFが第2加算器74に出力される。
これに対し、積分ゲイン演算器73の出力値が負値である場合には、負値フィルタ112と第2加算器74とを導通状態するように第2リレー114が制御されて第2加算器74に積分ゲイン演算器73の出力値が出力され、乗算器104と第2加算器74とを導通状態とするように第1リレー113が制御されてフィードフォワード出力値の変化量ΔFが第2加算器74に出力される。
なお、乗算器104から第2加算器74へのフィードフォワード出力値の変化量ΔFの出力タイミングは、遅延回路101のフィードフォワード出力値の出力タイミングを調整しても良く、更には第1リレー113及び第2リレー114の開閉タイミングを制御しても良い。
ここで、第1リレー113及び第2リレー114は、リミッター回路77により上限値及び下限値を超えない範囲の値を入力している場合には、上述したように第1リレー113及び第2リレー114の導通状態が制御され、リミッター回路77により上限値及び下限値を超える値を入力している場合には、乗算器104と第2加算器74とを導通状態とするように第1リレー113及び第2リレー114の何れかを制御する。これにより、フィードバック制御部68は、第2加算器74に積分ゲイン演算器73の出力値を出力しない状態となり、フィードフォワード出力値の変化量ΔFのみをリミッタ回路115を介して積分器75に供給する状態となる。
そして、フィードバック制御部68は、積分器75の出力値、比例ゲイン演算器110の出力値及びフィードフォワードゲイン演算器72の出力値を第3加算器76で加算し、更にデューティ比演算器116,117を介して、デューティサイクル信号を駆動回路51に出力する。
[ドア開閉制御部36の動作]
つぎに、上述した図6を参照して説明したドア開閉制御部36により、デューティサイクル信号を生成するときの処理手順について図7及び図8を参照して説明する。
先ず、ドア開閉制御部36は、ドア位置算出部64にて図7に示すフローチャートの処理を行うことにより、スライドドア1の移動方向及びドア位置を算出し、次いで、図8に示すフローチャートの処理を行うことにより、デューティサイクル信号を生成する。
実際にスライドドア1が移動して、パルスエンコーダ47からドア駆動パルスが入力されると、ドア位置算出部64により、内部のフリーランカウンタのカウント値(FreeRun)を現在カウント値(CountNow)とする(ステップS1)。このフリーランカウンタは、例えばパルスエンコーダ47からのドア駆動パルスの立ち上がりを検出してパルス数を計数するものである。
次に、ドア位置算出部64により、前回のカウント値とステップS1にて設定した現在カウント値との差を演算し、演算した値をドア位置を求めるためのパルス値(Pulse)に設定すると共に、ステップS1で求めた現在カウント値を前回カウント値に変更する(ステップS2)。そして、ステップS2で演算したパルス値が「0」よりも小さい負の値であるか否かを判定し(ステップS3)、小さくないと判定したときにはそのままのカウント値を以降の処理にて使用し、小さいと判定したときにはフリーランカウンタの最大カウント値(MAXFREERUN)とステップS2で求めたカウント値とを加算して、以降の処理で使用するカウント値とする(ステップS4)。
次に、ドア位置算出部64により、ドア開閉駆動モータ48のB相の電圧レベルを判定してドア開閉駆動モータ48の回転方向を判定する(ステップS5)。このとき、ドア位置算出部64は、ドア開閉駆動モータ48のB相の電圧レベルがハイレベルであるか否かを判定して、ハイレベルでないと判定したときにはドアカウンタ値を「1」だけ加算し(ステップS6)、ハイレベルであると判定したときにはステップS7にてスライドドア1の移動方向を示すドアカウンタ値(DoorCount)を「1」だけ減算する(ステップS7)。
次に、ドア位置算出部64により、ステップS2又はステップS4にて演算したパルス値及びステップS5にて判定したドア開閉駆動モータ48の回転方向に基づいてスライドドア1の存在する位置(エリア)を算出してドア位置情報を目標速度生成部67及びフィードバックゲイン算出部69に出力する(ステップS8)。
このように算出されたドア位置情報が目標速度生成部67に入力され、更に、処理を実行する所定周期(例えば50msec)となると、図8のステップS11以降の処理を開始する。
先ず、目標速度生成部67は、ステップS2又はステップS4にて演算されたパルス値を用いて、1000×2.7(パルスエンコーダ47の電極間隔)/Pulseなる演算をして実移動速度DoorVを求め(ステップS11)、更にドア位置情報に対応する目標ドア速度Tvを算出する(ステップS11)。
一方、フィードバックゲイン算出部69では、ドア位置情報に対応した各ゲインの値を記したゲイン設定テーブルを参照して、フィードフォワードゲイン(Fgain)、比例ゲイン(Pgain)及び積分ゲインI(Igain)を算出する(ステップS11)。そして、フィードバックゲイン算出部69は、算出した各ゲインをフィードバック制御部68のフィードフォワードゲイン演算器72、積分ゲイン演算器73及び比例ゲイン演算器110に設定する(ステップS12)。
そして、フィードバック制御部68は、フィードフォワードゲイン演算器72によりステップS11で算出した目標ドア速度Tvと設定されたフィードフォワードゲインFgainとを乗算し(ステップS13)、第1加算器81により目標ドア速度Tvと実移動速度DoorVとの速度差を演算し、更に速度差と比例ゲインPgainとを乗算し(ステップS14)、速度差の積分値と積分ゲインIgainとを乗算する(ステップS15)。そして、第3加算器76により、ステップS13、ステップS14で演算したフィードフォワードゲインFgainにより得たフィードフォワード出力値(F)、比例ゲインPgainにより比例出力値(P)、積分変数値(Isum)を加算してデューティ比Dutyを求める(ステップS16)。
次にフィードバック制御部68は、目標ドア速度Tvが実移動速度DoorVよりも低いか否かを判定し(ステップS17)、低くないと判定した場合には、デューティ比Dutyが100%(上限値)以上か否かを判定する(ステップS18)。そして、フィードバック制御部68は、ステップS17の判定により実移動速度DoorVが目標ドア速度Tvよりも下回っているが、ステップS18の判定によりデューティ比Dutyが100%以上となっているのでこれ以上ドア開閉駆動モータ48の駆動トルクを上昇させることが不可能であるので、ステップS19に処理を進め、デューティ比Dutyが100%以上でない場合には、ドア開閉駆動モータ48の駆動トルクを上昇させることができるので、ステップS20に処理を進める。
ステップS20において、フィードバック制御部68は、積分変数値Isumに、ステップS15で求めた積分値Iを加算して、次回に使用する積分変数値であるIsumを求める。そして、フィードバック制御部68は、ステップS21において、最近のフィードフォワード出力値Flastとして、ステップS13で求めたフィードフォワード出力値Fを保存し、次回にフィードバックゲイン算出部69でフィードフォワードゲイン演算器72に設定するフィードフォワードゲインFとし、ステップS22において、図示しない駆動回路51のモータ駆動用レジスタにデューティ比Dutyを設定して、処理を終了する。
一方、フィードバック制御部68は、ステップS17で目標ドア速度Tvが実移動速度DoorVよりも低いと判定した場合には、更にデューティ比Dutyが10%(下限値)より低いか否かを判定し(ステップS23)、フィードバック制御部68は、ステップS23においてデューティ比Dutyが10%より低くないと判定した場合には、ドア開閉駆動モータ48の駆動トルクを減少させることができるので、ステップS20に処理を進めて積分計算を行って、ステップS21及びステップS22の処理を行う。
フィードバック制御部68は、デューティ比Dutyが10%よりも低いと判定した場合には、積分計算を行わずにステップS24に処理を進め、フィードフォワード出力値の変化量ΔFを求め、当該フィードフォワード出力値の変化量Δが「0」か否かを判定することにより、フィードフォワード出力値が減少しているか否かを判定する。そして、フィードバック制御部68は、フィードフォワード出力値が減少していると判定した場合には、ステップS21に処理を進めて積分計算を行い、フィードフォワード出力値が減少していないと判定した場合には、ステップS25に処理を進めて積分変数値Isumを補正する。
このとき、フィードバック制御部68は、ステップS25において、積分ゲインのサンプル値に、最近のフィードフォワード出力値Flastを加算すると共にステップS13で求めたフィードフォワード出力値Fを減算して、ステップS21に処理を進めて、ステップS21及びステップS22の処理を行って処理を終了する。
なお、本実施例においては、スライド式のドア機構の制御に本発明を適用して説明したが、これが、トランククリッドやその他の開閉体の制御であっても適用可能である。
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第1実施形態に係るスライドドア制御システムによれば、スライドドア1を速度制御するに際して、フィードフォワード出力値、及び目標ドア速度と実ドア速度との速度差を積分した積分値とを使用する場合に、スライドドア1の実ドア速度が目標ドア速度を上回っているときであって、デューティ比が下限値である場合には、積分計算を停止すると共に、フィードフォワード出力値の変化量を積分値に加算してデューティ比を設定するので、実ドア速度が目標ドア速度を上回っている状態で積分計算を継続することによって、積分値が大きな負の値となることを防止することができる。
したがって、このスライドドア制御システムによれば、デューティ比を下限値付近に保持して、実ドア速度が目標ドア速度を下回った瞬間に、ドア位置に応じたドア開閉駆動モータ48の駆動力を復帰させることができ、スライドドア1の駆動力を短時間で変更することができる。
また、このスライドドア制御システムによれば、例えばスライドドア1が停止位置でシール部材と接触した後に短時間でスライドドア1の駆動力を発生させることができるので、スライドドア1の駆動力が発生しない時間が経過することによって、挟み込み判断部66により挟み込みが発生したという誤判定を確実に防止することができる。
更に、このスライドドア制御システムによれば、実ドア速度が目標ドア速度を下回って、デューティ比が上限値である場合に、積分計算を停止すると共に、フィードフォワード出力値の変化量を積分値から減算するので、デューティ比が上限値を超えて大きな値となることを防止することができる。したがって、このスライドドア制御システムによれば、デューティ比を上限値付近に保持して、実ドア速度が目標ドア速度を上回った瞬間に、ドア位置に応じたドア開閉駆動モータ48の駆動力を復帰させることができ、スライドドア1の駆動力を短時間で変更することができ、迅速にスライドドア1を減速する動作を実現することができる。
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係るスライドドア制御システムについて、図9、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
この第2実施形態に係るスライドドア制御システムは、例えば挟み込み判断部66に内蔵されたタイマーを備え、当該タイマーにより計時した時間と、スライドドア1の挟み込み判断を行うための閾値とを比較し、タイマーにより計時した時間が閾値を超えた場合に、スライドドア1の異物挟み込みが発生したと判断するものである。
まず、パルスエンコーダ47より出力されるパルス信号の立ち上がりのエッジにて、割り込み処理が行われ、挟み込み判断部66が有するカウンタの現在のカウンタ値CountNowを、初期値FreeRunに設定する(図9のステップS31)。次いで、パルスエンコーダ47より出力されるパルス幅Pulseを、現在のカウンタ値CountNowと前回得られたカウンタ値CountOldとの減算により求める。その後、現在のカウンタ値CountNowを、CountOldに書き換える処理を行う(ステップS32)。
その後、パルス幅Pulseが負値であるかどうかが判断され(ステップS33)、負値である場合には(ステップS33でYES)、オーバーフロー対策として、パルス幅Pulseに、所定値MAXFREERUNを加算する(ステップS34)。
次いで、今回の演算で求められたパルス幅Pulseと、1回前(前回)の演算で求められたパルス幅Pulse1と、2回前の演算で求められたパルス幅Pulse2と、3回前の演算で求められたパルス幅Pulse3の、合計4つのパルス幅を加算した結果をAvPulseとする。即ち、以下に示す(1)式を実行する。
AvPulse=Pulse+Pulse1+Pulse2+Pulse3 ・・・(1)
その後、PulseをPulse1とし、Pulse1をPulse2とし、Pulse2をPulse3とする書き換え処理を行う(ステップS35)。
そして、ドア位置算出部64より得られる現在のドア本体の位置に基づいて、当該ドア位置におけるパルス幅の閾値Ts、及び継続時間の設定値Tt(所定時間)を算出する(ステップS36)。
次いで、求められた閾値Tsと、上記(1)式にて求められたパルス幅AvPulseとを比較し(ステップS37)、AvPulseの方が大きい場合には(ステップS37でYES)、以下に示す(2)式により、タイマーカウント時間Tmを設定し、且つ挟み込み判断部66のタイマーをリセットする(ステップS38)。
Tm=Tt+(Ts−AvPulse) ・・・(2)
つまり、Tt+Tcを、新たなタイマーカウント時間Tmとして設定する。
他方、パルス幅AvPulseの方が小さい場合には(ステップS37でNO)、ステップS39でデューティ比Dutyが10%(下限値)より小さいか否かを判定し、デューティ比Dutyが10%より小さい場合には、挟み込み判断部66のタイマーをリセットする操作を行わずに挟み込み判断部66によるスライドドア1の挟み込み判断を停止する設定をして処理を終了し、デューティ比Dutyが10%よりも小さくないと判定した場合にはステップS40に処理を進める。
ステップS40においては、最新パルスのパルス幅Pulseと、AvPulseの1/2の大きさとが比較され、Pulseの方が小さい場合には(ステップS40でNO)、タイマーカウント時間TmをTtに設定し、挟み込み判断部66のタイマーをリセットする(ステップS41)。
また、AvPulseの1/2の方が大きい場合には(ステップS40でYES)、そのまま終了する。即ち、挟み込み判断部66のタイマーをリセットする操作は行われない。
そして、挟み込み判断部66のタイマーがカウントアップした場合には(図10のステップS51、S52でNO)、挟み込み判断部66は挟み込み検知信号を駆動判断部62に出力する(ステップS53)。
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第2実施形態に係るスライドドア制御システムによれば、デューティ比が下限値よりも小さい場合には、挟み込み判断を行わないようにしたので、積分値が負の値となっていてデューティ比が下限値以上となるのに要する時間が長い場合であっても、挟み込みが発生したと判定してスライドドア1を反転動作させることがない。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用したスライドドア制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明を適用したスライドドア制御システムのドア開閉制御部の機能的な構成を示すブロック図である。 閉方向にスライドドアを移動させるときのドア位置に応じた目標速度について説明するための図であって、スライドドアが存在する領域に対するドア位置情報の値を示した図である。 閉方向にスライドドアを移動させるときのドア位置に応じた目標速度について説明するための図であって、ドア位置に対する目標速度の変化を示した図である。 フィードバック制御部の構成を示すブロック図である。 フィードバック制御部の具体的な構成を示すブロック図である。 本発明を適用したスライドドア開閉システムによりドア位置情報を算出するときの処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用したスライドドア開閉システムによりデューティ比を算出するときの処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用した第2実施形態における動作を示すフローチャートである。 発明を適用した第2実施形態における動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 スライドドア
2 ドアハンドル
11 スライドドア開閉システム
12 ドアクロージャシステム
21 給電コネクタ
22 クローズモータ
23 リリースモータ
24 ラッチ機構
25 ハーフラッチスイッチ
26 クロージャコントローラ
31 ドア駆動部
32 ブザー
33 メイン操作部
34 ドア開閉操作部
35 キーレスコントローラ
36 ドア開閉制御部
41 ドア接続機構
42 プーリー
51 駆動回路
52 バッテリ電圧検出部
61 操作判断部
62 駆動判断部
63 駆動方向決定部
64 ドア位置算出部
65 速度算出部
66 挟み込み判断部
67 目標速度生成部
68 フィードバック制御部
69 フィードバックゲイン算出部
71 第1加算器
72 フィードフォワードゲイン演算器
73 積分ゲイン演算器
74 第2加算器
75 積分器
76 第3加算器
77 リミッター回路
78 スイッチ回路
91,93,102 加算器
92,104 乗算器
94,103 フィルタ回路
95,101 遅延回路
110 比例ゲイン演算器
111 正値フィルタ
112 負値フィルタ
113 第1リレー
114 第2リレー
115 リミッタ回路
116,117 デューティ比演算器

Claims (4)

  1. 車両に設置された車両用開閉体の開閉位置を検出する位置検出手段と、
    前記車両用開閉体の実移動速度を検出する実移動速度検出手段と、
    前記位置検出手段で検出される前記車両用開閉体の開閉位置に応じた前記車両用開閉体の目標速度を生成する目標速度生成手段と、
    前記目標速度生成手段で生成された目標速度と前記実移動速度検出手段で検出された実移動速度の速度差を求め、求めた速度差を積分する積分手段と、
    前記目標速度生成手段により生成された目標速度に、フィードフォワードゲインを乗算して、フィードフォワード出力値を生成するフィードフォワード出力手段と、
    前記積分手段により得られた積分値と、前記フィードフォワード出力手段で生成されたフィードフォワード出力値とを加算して、前記車両用開閉体を開閉動作させるモータに供給する電力をデューティ制御するときのデューティ比を算出するデューティ比算出手段とを備え、
    前記デューティ比算出手段により算出されたデューティ比が下限値となった場合に前記積分手段による積分計算を停止し、前記実移動速度が前記目標速度に達した場合に前記積分手段による積分計算を再開し、積分計算を停止した時点でのフィードフォワード出力値と、積分計算を再開した時点でのフィードフォワード出力値との差を前記積分手段により演算される積分値に加算することを特徴とする車両用開閉体の制御装置。
  2. 積分計算を停止した時点でのフィードフォワード出力値と、積分計算を再開した時点でのフィードフォワード出力値との差が負の値である場合には、当該積分計算を停止した時点でのフィードフォワード出力値と、積分計算を再開した時点でのフィードフォワード出力値との差を前記積分値に加算させないことを特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体の制御装置。
  3. 前記デューティ比算出手段により算出されたデューティ比が下限値となった場合に、前記実移動速度に応じて前記車両用開閉体の異物挟み込みが発生したか否かの判断を停止することを特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体の制御装置。
  4. 前記デューティ比算出手段により算出されたデューティ比が上限値となった場合に前記積分手段による積分計算を停止し、前記実移動速度が前記目標速度に達した場合に前記積分手段による積分計算を再開し、積分計算を停止した時点でのフィードフォワード出力値と、積分計算を再開した時点でのフィードフォワード出力値との差を前記積分手段により演算される積分値から減算することを特徴とする請求項1に記載の車両用開閉体の制御装置。
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