JP4135071B2 - 通信システムおよび通信方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばホームネットワークシステムなどの通信システム、およびこの通信システムに用いる通信装置および通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば電話装置など、伝言を残すことができるような電子機器が知られている。この種の電子機器は、一般的には特定の部屋に設置されていて、利用者は、当該部屋に入って当該電子機器を操作することにより、伝言を聞くようにする(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来は、電話の着信があった場合には、誰かが当該着信に応答して、相手が誰と通話したいかを尋ね、通話したい受信者が分かったら、その人を呼ぶ、あるいは着信をその人の内線番号に転送するなどの方策を行なっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−78049号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録されている伝言を聞くために、当該伝言が記録されている電子機器が設置されている部屋にわざわざ出向くのは面倒であり、ややもすると、記録された伝言を聞き逃す場合がある。しかも、従来の場合には、特定の相手に対してのみ伝言を伝えたい場合に、それができなかった。
【0006】
また、電話の着信があった場合に、相手が通話したい受信者の内線番号に当該着信を転送しても、必ずしも、その内線番号の場所に、前記相手が通話したい受信者がいるとは限らないという不都合がある。
【0007】
この発明は、以上の問題点にかんがみ、指定された相手に確実に伝言を伝えたり、着信を転送したりすることが可能な通信システム、通信装置および通信方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明による通信装置は、
1または複数の場所のそれぞれに配置された電子機器と、
前記1または複数の場所のそれぞれに配置された電子機器と接続され、前記電子機器と通信可能な通信装置と、
前記1または複数の場所のそれぞれに設けられ、それぞれの場所にいる人の個人識別情報を、前記通信装置に送信する個人識別情報送信手段と、
を備え、
前記通信装置は、
前記電子機器と通信する通信部と、
外部からの入力データを受信する受信手段と、
前記入力データを受信させる宛先受信者の個人識別情報を検出する第1の検出手段と、
前記1または複数の場所のそれぞれに設けられた前記個人識別情報送信手段からの前記個人識別情報を受信して検出すると共に、受信した前記個人識別情報が、どの場所からのものかを検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段において検出された前記宛先受信者の個人識別情報と、前記第2の検出手段において検出された前記個人識別情報とが一致したとき、前記第2の検出手段において検出された場所に配置されている電子機器に対して、前記受信手段で受信した前記入力データを前記通信部により送信するように制御する制御手段と、
を備える通信システムにおいて、
前記個人識別情報送信手段は、前記個人識別情報が記憶されたICカードと通信を行なって前記個人識別情報を前記ICカードから取得する受信手段と、前記受信手段により取得した前記個人識別情報を前記通信装置に送信する送信手段を備えるものであって、
前記個人識別情報送信手段の前記受信手段は、前記電子機器のリモコン送信機に設けられ、
前記個人識別情報送信手段の前記送信手段は、リモコン送信機が、リモコン信号に前記個人識別情報を含めて送信する手段と、前記電子機器が、前記リモコン送信機から受信した前記個人識別情報を前記通信装置に転送する手段とを含む
ことを特徴とする。
【0009】
上述の構成のこの発明によれば、第1の検出手段で、入力データを受信させる宛先受信者の個人識別情報を検出する。また、第2の検出手段によって、個人識別情報により識別される人が存在する場所、例えばいずれの部屋かを検出する。そして、制御手段では、第1の検出手段において検出された宛先受信者の個人識別情報と、第2の検出手段において検出された個人識別情報とを比較して、一致したときに、第2の検出手段において検出された場所に配置されている電子機器に対して、受信手段で受信した入力データを送信するように制御する。
【0010】
したがって、入力データが、例えば伝言情報であるとき、伝言情報の宛先の人が現れた部屋に、その伝言情報が転送されて、伝言再生することができるようになる。つまり、伝言情報が記録された装置が設置されている場所に来なくても、伝言情報が確実に相手に伝わる。しかも、この発明においては、伝言を伝えたい相手にのみ、伝言情報が伝わるという効果もある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明による通信システムの実施の形態を、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態の通信システムは、ホームネットワークシステムの構成とした場合である。
【0012】
この実施形態では、家の複数の部屋に、テレビジョンセット(以下、TVセットという)やパーソナルコンピュータなどの電子機器が設けられる。また、一つの部屋に設けられた監視制御装置により、それらの電子機器が制御されると共に、監視制御装置とそれらの電子機器との間で通信が可能となるように構成されている。監視制御装置は、この発明の通信装置の一例を構成するものである。
【0013】
この実施形態の監視制御装置は、例えばインターネットを通じて画像データと音声データとを相手装置との間で送受信することにより、ビジュアルコミュニケーション(いわゆるテレビ電話等)の機能を備える。このとき、監視制御装置は、例えばTVセットと協働することにより、相手からの画像データと音声データの再生を行なう。
【0014】
また、この実施形態では、家族のそれぞれが他の家族の誰かを指定して監視制御装置3に伝言を記録しておくことできるように構成されている。
【0015】
監視制御装置3は、後述するように、家族の帰宅、外出を監視しており、帰宅してきた家族に対して、伝言が残されているときには、その帰宅した家族が、家のどこかの部屋に入ったときに、その部屋にある、例えばTVセットに伝言情報を転送して、当該帰宅した家族に伝言を確実に伝えるようにしている。
【0016】
また、この実施の形態では、監視制御装置3は、在宅中の家族が、どの部屋に在室しているかを監視し、その監視結果を在室管理情報としてメモリに記憶している。そして、例えばテレビ電話の着信があったときには、その着信を受けるべき家族が在室している部屋を判別し、その着信を確実に当該着信を受けるべき家族に伝えるように制御するものである。
【0017】
この場合に、各部屋には、当該部屋への少なくとも入室者の個人識別情報を、監視制御装置に送る個人識別情報送信手段が設けられる。
【0018】
監視制御装置は、各部屋からの個人識別情報送信手段からの個人識別情報の受信を監視して、各部屋に誰が入ったかを管理する。つまり、監視制御装置は、各部屋の在室者がどのような状況になっているかを在室管理情報として保持し、その在室管理情報に基づいて、前述したような伝言情報の伝達やテレビ電話の着信の管理制御などを行なう。
【0019】
[通信システムの第1の実施形態の概要]
図1および図2は、第1の実施形態の場合におけるホームネットワークシステムの構成例を説明するための図である。図1は、ネットワーク構成を示す図、図2は、家の間取りの例と共に、ネットワーク構成機器の配置を示す図である。
【0020】
この例では、4つの部屋A,B,C,Dのそれぞれには、電子機器の例として、TVセット1A,1B,1C,1Dが設置される。また、部屋B、部屋Cには、パーソナルコンピュータ2B,2C(パーソナルコンピュータは図面上ではPCと記述)が設置される。そして、この例では、例えばリビングルームである部屋Aには、監視制御装置3が設置される。そして、監視制御装置3と、部屋AのTVセット2Aとは直接的に接続されている。
【0021】
また、監視制御装置3と、部屋B,C,Dの電子機器であるTVセット2B,2C,2Dおよびパーソナルコンピュータ3B,3Cとは、この例では、ルータ4を介して通信ができるように接続されている。部屋AのTVセット2Aもルータ4を通じて監視制御装置3に接続するようにしても勿論よい。また、ルータ4は、監視制御装置3内に内蔵されていてもよい。
【0022】
また、ルータ4は、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム5を通じて電話回線に接続されている。
【0023】
そして、この実施形態では、各部屋A,B,C,Dには、個人識別情報送信手段の一例として、監視制御装置3に接続されているID送受信部6A,6B,6C,6Dが設けられる。このID送受信部6A,6B,6C,6Dのそれぞれは、家族の各々が所持するICカード(個人カード)10との通信を行って、個人識別情報を取得し、取得した個人識別情報を、監視制御装置3に送信する。
【0024】
個人カード10は、制御用IC(Integrated Circuit)が埋め込まれたカードであって、制御用IC内には、少なくとも自分の個人識別情報(以下、個人IDという)が記憶されるメモリが設けられている。このメモリには、後述する個人情報が記憶されていてもよい。
【0025】
そして、この例では、個人カード10の制御用ICとID送受信部6A,6B,6C,6Dのそれぞれと電磁誘導や電波などを用いた非接触による通信が可能とされている。この例では、後述するように、ID送受信部6A,6B,6C,6Dのそれぞれと個人カード10との通信は、電磁誘導によって行なわれるようにされている。
【0026】
また、この実施形態では、玄関ドア7には、ドアロック装置8が設けられている。この例では、ドアロック装置8は、ID送受信部6A〜6Dと同様にして個人カード10と通信を行ない、その通信に基づいてドア7の施錠、開錠を制御するようにする。
【0027】
また、この例では、ドアロック装置8は、監視制御装置3に通信可能に接続されており、ID送受信部6A,6B,6C,6Dと同様に、個人カード10との通信により個人カード10から取得した個人IDを、監視制御装置3に送信する機能も備える。
【0028】
玄関ドア7の施錠、開錠を制御するための鍵情報は、当該家に住む住人の全員に共通の一つとして、各人が、その共通鍵情報を個人カード10のメモリ内に格納して所持するようにすることもできる。その場合には、ドアロック装置8には、当該共通鍵情報を登録しておく。そして、ドアロック装置8は、通信により、個人カード10から、その共通鍵情報を受信して認証を行ない、あるいは、受信した共通鍵情報を認証を行なうため監視制御装置3に転送し、当該認証を行なう装置からの認証結果を受けて、ドアの施錠、あるいは開錠を制御するようにすることができる。
【0029】
しかし、この例では、ドアロック装置8に対する鍵情報としては、このような共通鍵情報を用いるのではなく、さらに進んで、当該家に住む家族の各々の玄関ドア7からの入退出を管理することができるようにするため、当該家に住む家族の各々に対応する個人IDを用いるようにする。
【0030】
このため、鍵情報の認証を行なう装置には、予め、それら当該家族全員の個人IDを登録しておく。鍵情報の認証を行なう装置は、ドアロック装置8自身でもよいし、あるいは監視制御装置3でもよい。さらには、ドアロック装置8とは別体の認証装置を特に設けてもよい。
【0031】
そして、ドアロック装置8には、通信により、個人カード10から、各個人IDを受信する受信手段を設ける。ドアロック装置8は、自装置で認証を行ない、あるいは、受信した鍵情報としての個人IDを認証を行なう装置に転送し、当該認証を行なう装置からの認証結果を受けて、玄関ドア7の施錠、あるいは開錠を制御するようにする。
【0032】
このように個人カード10からID送受信部6A,6B,6C,6Dあるいはドアロック装置8を通じて取得した個人IDにより、監視制御装置3は、当該家に住む家族のそれぞれについて、玄関ドア7からの入退出(在宅または不在)と、在宅の場合にどの部屋にいるかの管理を行なうことができる。
【0033】
[監視制御装置3の外観の説明]
図3は、室内に設けられるセキュリティシステム用の監視制御装置3の構成を説明するための外観図であり、この監視制御装置3は、例えば赤外線や電波を用いたリモートコマンダ(リモコン送信機)50によりリモコン制御可能の構成とされている。
【0034】
監視制御装置3の筐体31には、ビデオカメラ32が組み込まれている。このビデオカメラ32は、この例では、実線位置の横置き状態と、点線位置の縦置き状態とのいずれの状態をも取れる機構により、筐体31に対して取り付けられている。このビデオカメラ32は、伝言記録のときや、テレビ電話機能がオンとされたときに、監視制御装置3からの指示により撮影を開始するようにされている。
【0035】
また、ビデオカメラ32による撮影方向は、ビデオカメラが首振り方向に調整可能な構造とされているので、その調整により変えられるようにされている。したがって、使用者は、撮影の開始に先立ち、ビデオカメラ32による撮影方向の調整を行なっておくことができる。
【0036】
そして、筐体31には、ビデオカメラ32による撮影対象部を明るく照明するための撮影用ランプ33が設けられている。筐体31には、また、マイクロホン34とスピーカ35とが設けられている。マイクロホン34は、伝言の音声メッセージや、テレビ電話での会話音声を収音するためのものである。スピーカ35は、伝言音声メッセージや、会話音声を放音するためなどに用いられる。
【0037】
筐体31には、また、リード/ライト部36が設けられる。このリード/ライト部36は、前述した電子鍵情報としての個人IDの登録の際に用いられるほか、この例では、伝言の記録、再生の際にも用いられる。すなわち、この例においては、監視制御装置3は、伝言装置の役割もできるように構成されており、リード/ライト部36により、電子鍵カードを読み取らせた後、後述するようにリモートコマンダ50の伝言記録ボタンを押すと、設定した相手(家族の誰か)に伝言が残すことができ、また、リモートコマンダ50の伝言再生ボタンを押すと、自分宛ての伝言を再生することができるようになっている。
【0038】
この伝言が記録されているかどうかなどを知らせるため等の用途として、筐体31には、複数個のLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)37が設けられている。また、筐体31には、さらに、リモートコマンダ50からのリモコン信号の受信部38が設けられる。
【0039】
また、図3では図示を省略したが、監視制御装置3の背面パネルには、TVセット1のビデオ入力端子や音声入力端子に接続される映像出力端子や音声出力端子が設けられている。そして、監視制御装置3には、TVセット1Aの電源のオン・オフなどを制御するための、例えば赤外線などを用いるリモコン送信部39が設けられている。
【0040】
さらに、監視制御装置3は、各部屋A,B,C,DのID送受信部6A,6B,6C,6Dと通信を行なうためのLANインターフェースを備えている。また、図1および図2で説明したように、監視制御装置3は、電話回線およびインターネットを通じて外部の人とテレビ電話ができるように構成されている。
【0041】
[監視制御装置の構成例]
監視制御装置3の内部構成および監視制御装置3と周辺機器との接続状態の構成例を図4に示す。
【0042】
監視制御装置3は、マイクロコンピュータの構成を備えており、CPU(Central Processing Unit)101に対して、システムバス102を介して、プログラムやデータが記録されているROM(Read Only Memory)103と、ワークエリア用RAM(Random Access Memory)104と、個人カード10を所有する家族全員の個人IDおよび個人情報が記憶されている家族情報メモリ105と、ドアロック装置8と通信を行なうためのドアロック装置通信インターフェース106と、ID送受信部6A,6B,6C,6Dからの個人IDの情報を受け取るためのLANインターフェース107と、ビデオカメラ32の撮影画像およびマイクロホン34で収音した音声などを記憶するための画像・音声メモリ108と、ルータ4が接続される通信インターフェース109とが接続されている。LANインターフェース107はスイッチングハブの機能を備える。
【0043】
また、システムバス102には、カメラインターフェース110を介してビデオカメラ32が、インターフェース111を介して撮影用ランプ33の照明機構330が、インターフェース112を介して時計回路113が、インターフェース114を介してリード/ライト部36が、インターフェース115を介してリモコン受信部38が、インターフェース116を介してリモコン送信部39が、音声入力インターフェース118を介してマイクロホン34が、インターフェース119を介してLED37が、音声出力インターフェース119を介してスピーカ35が、それぞれ接続されている。さらに、システムバス102は、ビデオ信号出力端子からなるテレビインターフェース117を介して部屋AのTVセット1Aに接続されている。
【0044】
また、システムバス102には、制御対象電子機器情報メモリ121が接続されている。この制御対象電子機器情報メモリ121には、制御対象の電子機器として、各部屋A,B,C,Dのそれぞれにどのような電子機器が配置されているかの情報が記憶されている。電子機器情報としては、各電子機器の識別情報(機器ID)と、その電子機器が何であるかの情報と、その電子機器が備える機能などの情報からなる。
【0045】
ドアロック装置通信インターフェース106は、後述するように、ドアロック装置8から送られてくる個人IDの情報を受けるためのものである。
【0046】
時計回路107は、現在時刻を刻んで時刻情報を、インターフェース117を通じてシステムバス102に送出すると共に、年月日を示すカレンダー情報もインターフェース117を通じてシステムバス102に送出する。監視制御装置3は、時計回路107からの情報により、個人IDを取得した現在時刻等を検知する。
【0047】
画像・音声メモリ108には、伝言として記録されている画像情報および音声情報が記憶される。また、監視制御装置3において、テレビ電話の着信時に留守番記録モードとされたときに記録された画像情報および音声情報も、この画像・音声メモリ108に記憶される。
【0048】
また、この実施形態では、画像・音声メモリ108には、家族構成員の各々についてのテレビ電話用の通話先リストの情報が記憶されている。この通話先リストの情報には、通話先のテレビ電話用のアドレスと共に、いわゆるサムネール形式で表示するための通話先リストの画像情報が含まれる。この例の場合には、テレビ電話用のアドレスには、個人IDが含まれ、特定の個人間でテレビ電話による通話ができるようにされている。
【0049】
なお、テレビ電話用のアドレスには、個人IDを含めずに、予め監視制御装置3に、個人IDと、家族構成員の各々のテレビ電話用のアドレスとを対応させたテーブル情報を記憶しておき、このテーブル情報を参照することにより、個人IDとテレビ電話用のアドレスとの対応を判別して、特定の個人間でテレビ電話による通話ができるようにすることもできる。
【0050】
通信インターフェース109は、この例では、ルータ4に接続されている。ルータ4には、前述したように、各部屋A,B,C,Dに配置されている電子機器が接続されていると共に、ADSLモデム5を通じて電話回線が接続されている。
【0051】
家族情報メモリ105は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)で構成される。
【0052】
家族情報メモリ105には、前述したように、家族構成員のそれぞれの個人IDや個人情報から個人プロファイル情報が記憶される。監視制御装置3が玄関ドア1を通じての家族の入退出を管理するための入退出履歴や、現在の在宅者の情報も家族情報メモリ105に格納される。
【0053】
図5に、一人分の個人プロファイル情報の例を示す。図5に示すように、個人プロファイル情報は、個人ID(個人識別情報)と個人情報とが対応付けられて記憶された情報である。
【0054】
個人IDは、例えば12桁の数字からなり、この例では家族に共通の家族識別用の複数桁の数字部分と、個人ごとに固有の個人識別用の複数桁の数字部分を含む。個人IDは、このようなものに限られるものではなく、同じ家族を構成する構成メンバー同士であっても、全く異なる複数桁の、数字、アルファベット、記号などの各種の文字を組み合わせたものを用いることも可能である。
【0055】
図5の例においては、個人情報としては、パスワード情報、氏名、住所、生年月日、年齢、続柄、登録日、銀行口座番号、所有している車、趣味/嗜好情報、家の玄関8からの入退出履歴情報などが家族情報メモリ105に記憶される。
【0056】
この例の入退出履歴情報には、外出時刻、帰宅時刻が記憶されるほか、外出中であるか、在宅であるかの在/不在フラグが含まれる。この入退出履歴情報は、監視制御装置3が玄関ドア7を通じての家族の入退出を管理するために用いられる。
【0057】
さらに、この例においては、家族情報メモリ105には、その時点における在宅者がどの部屋に存在するかの在室管理情報も格納される。この在室管理情報は、監視制御装置3において、電子機器の制御の際に参照される。
【0058】
例えば、後述するように、監視制御装置3では、外部からのテレビ電話の着信があったときに、前記在室管理情報を参照して、着信させるべき受信者の在宅状況を判別すると共に、在宅中であって、監視制御装置3が設置されている部屋A以外の部屋にいるときには、テレビ電話の着信を、当該部屋に存在する電子機器に転送することができるように構成されている。
【0059】
図6は、家族情報メモリ105に記憶される在室管理情報テーブルの例である。図6の例は、在宅者の情報として、個人IDのうちの個人識別用の複数桁数字部分が用いられている場合である。図6の例では、簡単のため、個人識別用の複数桁数字部分は、2桁としている。図6の例で、個人識別用の数字が記入されている部屋には、当該数字で識別される人が在室していることを示しており、個人識別用の数字が記入されていない部屋には、在室者が無いことを示している。図6の例では、部屋Aに父親と子供が在室し、部屋Dに母親が在室し、部屋BとCには、誰も在室していない状況を表わしている。
【0060】
なお、在室管理情報テーブル情報は、家族情報メモリ105ではなく、別のメモリに格納するようにしても勿論よい。
【0061】
[リモートコマンダ50の説明]
監視制御装置3用のリモートコマンダ50は、この例においては、図3に示すように、ビジュアルコミュニケーションボタン(以下、VCボタンと略称する)51と、オフボタン52と、伝言記録ボタン53と、伝言再生ボタン54と、メニューボタン55と、上下左右の選択を行なう4個のキーとその中央の決定キーとからなるカーソルボタン56とを備えて構成されている。
【0062】
メニューボタン55の操作により選択可能となるメニュー項目としては、この例では、ドアロック装置8の電子鍵情報としての個人IDの登録、ドアロック装置8のドアロック制御モードの設定、その他が、用意されており、それぞれのメニュー項目に対応する処理を実行するアプリケーションプログラムは、監視制御装置3のROM103に格納されている。
【0063】
[個人カード10の構成例]
次に、個人カード10について説明する。図7は、この実施の形態で用いられる個人カード10の構成例を説明するための図である。図7(A)は、個人カード10の表面を示し、この表面には、所有者の氏名と、所定のID番号が表示されている。
【0064】
また、図7(B)は、個人カード1の内部構成例を示しており、この個人カード10内には、ID送受信部6A〜6Dやドアロック装置8、また、監視制御装置3に設けられるリード/ライト部と通信を行なうための電磁誘導用のアンテナ11と、制御用IC12とが内蔵されている。
【0065】
制御用IC12内には、CPUやメモリを含み、メモリには、所有者の氏名、個人IDの他、所有者のその他の必要な個人情報、つまり前述した個人プロファイル情報と同様の情報が記憶されている。
【0066】
また、制御用IC12内のメモリに、各所有者が行ったID送受信部6A〜6Dやドアロック装置8との通信の時刻や履歴、各所有者の外出、帰宅の履歴などが書き込まれるようにされている。なお、これらの履歴情報は、監視制御装置3の家族情報メモリ105にも記憶されるものである。
【0067】
[ID送受信部6A〜6Dの構成例]
次に、個人カード10からの情報を読み取ることにより、家族の各部屋への入室と退室とを検知できるようにするためのID送受信部6A〜6Dの構成例について説明する。
【0068】
図8は、ID送受信部6A〜6Dの外観を説明するための図であり、図9は、ID送受信部6A〜6Dの構成を説明するためのブロック図である。ID送受信部6A〜6Dは、全て同一の構成を備えるものであるので、図8および図9には、一つのID送受信部の構成例を示してある。
【0069】
この例のID送受信部6A〜6Dのそれぞれは、各部屋A,B,C,Dの照明器具のスイッチパネルを兼用しており、部屋の壁に取り付けられている。そして、個人カード10をID送受信部6A〜6Dにかざすと、ID送受信部6A〜6Dのそれぞれは、個人カード10と通信を行ない、個人カード10から個人IDを取得して、監視制御装置3に送ると共に、照明器具の点灯/消灯することができるように構成されている。
【0070】
図8に示すように、ID送受信部6A〜6Dのそれぞれは、この例では、壁面に取り付けられるパネル面71に、個人カード10と通信を行なうためのリード/ライト部72と、個人カード10からのデータの読み取り状態などを使用者に通知するための複数個のLED73が設けられて構成されている。
【0071】
ID送受信部6A〜6Dのパネル面71は、この例では、個人カード10と同様に長方形状とされるが、その大きさは個人カード10よりも若干大きいものとされ、個人カード10との通信を信頼性高く行なうことができるようにしている。
【0072】
ID送受信部6A〜6Dのそれぞれは、図9に示すように、マイクロコンピュータで構成される制御部70を備える。すなわち、この制御部70は、CPU701に対して、システムバス702を介して、ROM703と、RAM704と、時計回路705と、照明制御部706と、LED駆動部707と、監視制御装置3と通信を行なうためのLANインターフェース708と、リード/ライト部72が接続されるインターフェース709とが接続されている。
【0073】
リード/ライト部72は、この例では、電磁誘導の作用により、これにかざされた個人カード10に記憶されているデータを読み出して、制御部70に供給したり、また、制御部70からのデータを個人カード10に書き込んだりすることができるものである。
【0074】
また、制御部70は、インターフェース709を通じて、監視制御装置3との間でデータの送受を行なうことができるとともに、LED駆動部707を制御することにより、LED73のそれぞれの点灯、消灯、点滅などを制御することができる。
【0075】
[ドアロック装置8の構成例]
次に、ドアロック装置8の具体的構成例およびその動作について、詳細に説明する。なお、以下に説明する例では、個人IDが用いられる鍵情報の認証は、ドアロック装置8自身が行なうものとするが、監視制御装置3がドアロック装置8から鍵情報を受け取って認証を行ない、その認証結果をドアロック装置8に送るようにしてもよい。
【0076】
[ドアロック装置の構成]
図10(A)および図10(B)は、ドアロック装置8の構成例を説明するための図である。図10(A)は、家の外側から玄関ドア7のドアロック装置8の取り付け部分近傍を見た図である。また、図10(B)は、玄関ドア7のドアロック装置8の取り付け部分近傍を、玄関ドア7の端面側から見た図である。
【0077】
この例のドアロック装置8においては、玄関ドア7の外側(戸外側)には、個人カード10と通信を行なうための外側リード/ライト部21exと、個人カード10からの鍵情報の認証結果や玄関ドア7の施錠または開錠を視覚的に知らせるための表示素子の例としての外側LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)22exと、個人カード10からの鍵情報の認証結果や玄関ドア7の施錠または開錠を音声により知らせるための外側スピーカ23exと、外側ドアノブ24exとが設けられている。
【0078】
また、玄関ドア7の内側(屋内側)にも、個人カード10と通信を行なうための内側リード/ライト部21inと、個人カード10の認証結果や玄関ドア7の施錠または開錠を視覚的に知らせるための表示素子の例としての内側LED22inと、個人カードの認証結果や玄関ドア7の施錠または開錠を音声により知らせるための内側スピーカ23inと、内側ドアノブ24inとが設けられている。
【0079】
玄関ドア7には、さらに、玄関ドア係止片25と、ロック片26と、ドア開閉センサ27が設けられている。さらに、玄関ドア7の内側には、ドアロック装置8の動作を制御するためのドアロック制御装置200が設けられており、リード/ライト部21exおよび21in、LED22exおよび22in、スピーカ23exおよび23in、ドア開閉センサ27および図示を省略したドアロック機構駆動部が、このドアロック制御装置200に接続されている。
【0080】
玄関ドア係止片25は、ドアノブ24exあるいはドアノブ24inの操作に応じて、玄関ドア7の端面7aに垂直な方向に弾性的に摺動移動する部材である。この係止片25は、玄関ドア7が開放された状態では、内部に設けられているバネ部材により、図10のように突出する状態となる。玄関ドア7を閉めるにつれて、バネ部材の偏倚力に抗して、この係止片25はドア7内に引っ込むようになるが、玄関ドア7が完全に閉めた状態では、バネ部材の偏倚力によって、玄関ドア7の端面7aに対向する壁部の面に設けられた凹部に収まるようになり、玄関ドア7を閉めた状態で係止するようにする。
【0081】
この係止片25は、後述するオートロックモードでない場合において、玄関ドア7が施錠されていないときにも、玄関ドア7の端面7aと対向する壁の端面側に設けられる凹部に勘合して、玄関ドア7を、係止するためのものである。
【0082】
ロック片26は、ドアロック機構の一部を構成する部材であり、図10では図示を省略したドアロック機構駆動部によりドアロック機構が駆動されることにより、玄関ドアの端面7aに垂直な方向に摺動移動して、玄関ドア7を施錠するときには、図10(A)のように、玄関ドア7の端面7aから突出する状態に固定され、玄関ドア7を開錠するときには、玄関ドア7の端面7aから突出しない状態に固定される。
【0083】
なお、図示は省略したが、玄関ドア7の端面7aと対向する壁の端面には、このロック片26が突出した状態のときに嵌合される凹部が形成されており、ロック片26が当該凹部に嵌合される状態が玄関ドアの施錠状態となる。そして、ロック片26が玄関ドア7側に引っ込んで、当該凹部に嵌合していないときには、施錠状態が解除されて、開錠状態になる。
【0084】
玄関ドア開閉センサ27は、例えば光学式センサが用いられ、玄関ドア7が開けられたときは外部光を検知することにより、それを検知し、玄関ドア7が閉じられたときには、玄関ドア7の端面7aが、壁の端面と衝合することにより外部光が遮断されることを検知することにより、それを検知して、玄関ドア7の開閉を検知する。
【0085】
[ドアロック制御装置200の説明]
次に、ドアロック制御装置200を中心にしたドアロック装置8の電気的な構成例を図11に示す。
【0086】
すなわち、ドアロック制御装置200は、マイクロコンピュータの構成を備えており、CPU201に対してシステムバス202を介してプログラムやデータが記録されているROM203と、ワークエリア用RAM204と、鍵情報となる個人IDが記憶されている家族情報メモリ220と、監視制御装置3と通信を行なうための通信インターフェース221とが接続されている。
【0087】
家族情報メモリ220には、予め玄関ドア7の開閉を行なう家族のそれぞれが所持する個人カード10に記憶されている個人IDが、電子鍵情報として登録されて格納されている。また、各家族構成員(または住人)の年齢、性別、続き柄、その他の個人情報も、併せて家族情報メモリ220には、格納されている。
【0088】
また、システムバス202には、インターフェース205および206を介して内側リード/ライト部21inおよび外側リード/ライト部21exが接続され、また、内側LED駆動部207を介して内側LED22inが接続され、外側LED駆動部208を介して外側LED22exが接続され、さらに、音声出力インターフェース209を介して内側スピーカ23inが接続され、音声インターフェース210を介して外側スピーカ23exが接続される。
【0089】
さらに、システムバス202には、インターフェース211を介してドア開閉センサ27が接続されると共に、ドアロック機構駆動部212を介して、ロック片26を摺動駆動させるドアロック機構28が接続される。
【0090】
リード/ライト部21exまたは21inは、電磁誘導により、個人カード10と通信を行なう通信部を構成する。
【0091】
この例のドアロック制御装置200は、ドアロック制御モードとして、オートロックモードと、逐次ロックモードとの2通りの制御モードを備えている。
【0092】
オートロックモードは、ドアロック制御装置200が、リード/ライト部21ex,21inを介して個人カードと通信することに基づき玄関ドア7を開錠した後、所定時間後に自動的に玄関ドアを施錠状態にするモードである。オートロックモードにおいては、常に、内側と外側のリード/ライト部21ex,21inの両方を用いるものとなる。
【0093】
また、逐次ロックモードは、少なくとも玄関ドア7の外側のリード/ライト部21exを通じて個人カードと通信することに基づき玄関ドアの施錠、開錠の状態を、そのときの状態とは逆の状態にするモードである。この逐次ロックモードにおいても、内側と外側のリード/ライト部21ex,21inの両方を用いることができるが、内側は、別途のマニュアルの施錠手段により施錠するようにした場合には、外側のリード/ライト部21exを通じた個人カードとの通信のみにより、玄関ドア7の施錠、開錠動作を行なわせるようにすることができる。この逐次ロックモードは、従来からの一般的な鍵による施錠、開錠の方法に合わせたモードである。
【0094】
ドアロック装置8のドアロック制御モードをオートロックモードとするか、逐次ロックモードとするかの選択設定は、この例では、例えば、ドアロック装置8を取り付ける際に、作業者により監視制御装置3を通じて行なわれる。
【0095】
ドアロック装置8がいずれのドアロック制御モードに設定されているかの情報は、ドアロック制御装置200内の図示を省略した不揮発性メモリに格納されており、ドアロック制御装置200は、当該不揮発性メモリの記憶情報を参照することにより、自装置のドアロック制御モードが、オートロックモードか、逐次ロックモードかを認識するものである。監視制御装置3を通じたドアロック制御モードの設定動作に関しては、後述する。
【0096】
なお、ドアロック装置8のドアロック制御モードをオートロックモードとするか、逐次ロックモードとするかの選択設定は、監視制御装置3を通じて行なうのではなく、ドアロック装置8に直接的に行なうようにすることもできる。例えば、予め、ドアロック装置8の出荷時に、いずれのドアロック制御モードにするかの設定をドアロック装置8に行なっておくようにしても良い。また、ドアロック装置8に、ドアロック装置8の設置作業者が操作可能な入力操作手段、例えばディップスイッチ等を設けておき、当該入力操作手段を通じて、ドアロック制御モードの設定を行なうようにしてもよい。
【0097】
次に、オートロックモードと、逐次ロックモードのそれぞれの場合のドアロック装置2の動作について説明する。以下に説明するフローチャートにおける各ステップSの動作は、ドアロック制御装置200のCPU201が主として実行する処理動作である。
【0098】
[オートロックモード;図12〜図15]
オートロックモードのときの動作を、図12〜図15のフローチャートを参照しながら説明する。このオートロックモードのときには、玄関ドア7は、定常状態では、施錠状態とされる。そして、個人カード10が、内側リード/ライト部21inまたは外側リード/ライト部21exにかざされて通信が両者の間で行なわれ、個人IDについての認証がとれたときには、所定時間のみ玄関ドアが開錠され、所定時間後に、自動的に玄関ドア7は施錠状態に戻されるように、ドアロック制御装置200により制御されるものである。
【0099】
CPU201は、インターフェース205,206を介して、内側リード/ライト部21inおよび外側リード/ライト部21exを監視し、個人カード10がかざされて、個人カード10と内側リード/ライト部21inまたは外側リード/ライト部21exとの間で通信が行われるのを待つ(ステップS1)。
【0100】
そして、ステップS1において、個人カード10がかざされて、個人カード10と通信が行なわれたと判別したときには、CPU201は、個人IDを含む個人情報を個人カード10から受信し、例えばRAM204などに一時的に格納する(ステップS2)。このとき、ドアロック制御装置200が備える時計回路(図示を省略)の時刻情報が、個人カード10に与えられ、制御用IC内12のメモリに書き込まれる。また、内側リード/ライト部21inまたは外側リード/ライト部21exのどちらと通信をしたかの情報として、通信相手のID等が制御用IC12のメモリに書き込まれる。
【0101】
次に、CPU201は、内側リード/ライト部21inまたは外側リード/ライト部21exのどちらで個人カード10と通信が行われたかを判別する(ステップS3)。その判別結果と、前記の通信の時刻情報とは、家族情報メモリ220の、前記個人IDに対応する家人の記録エリアにも書き込まれ、また、監視制御装置3にも、その家族情報メモリ205に記憶させるために転送される。
【0102】
[内側リード/ライト部21inでの通信の場合;図12〜図13]
ステップS3で、個人カード10と通信が行われたのが内側リード/ライト部21inであると判別したときには、CPU201は、在宅者が外出する場合であるとして、以下のような処理を行なう。
【0103】
CPU201は、先ず、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDと、個人カード10から受信した個人IDとを比較して、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがあるかどうかにより、当該個人カード10がドアロック装置8に登録された個人カード10であるか否かを判別して、当該個人カード10についての認証を行なう(ステップS4)。
【0104】
そして、その認証結果を判別し(ステップS5)、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがなくて認証が取れなかったとき(認証NG)であると判別したときには、CPU201は、内側LED駆動部207を駆動して、内側LED22inを赤色で点滅させると共に、内側スピーカ23inから警告音を放音して、認証NGであることを個人カード10の使用者に報知する(ステップS6)。そして、ドアロック機構28は施錠状態のままとして、ステップS1に戻る。
【0105】
また、ステップS5で、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがあって、認証がOKであると判別したときには、CPU201は、内側LED駆動部207を駆動して、内側LED22inを緑色で例えば1秒間点灯させ、認証OKであることを個人カード10の使用者に報知する(ステップS7)。このとき、CPU201により、併せて内側スピーカ23inから「認証がとれました」というメッセージを放音させるようにしても良い。
【0106】
そして、このとき、認証がOKであることから、CPU201は、ドアロック機構駆動部212を駆動制御して、ドアロック機構28により玄関ドア7を開錠状態にし(ステップS8)、内側スピーカ23inから、「ドアロックを解除しました」というメッセージを放音させる(ステップS9)。このとき、内側LED22inを、例えば緑色で点滅させ、ドアロックの解除状態を個人カード10の使用者に報知するようにしてもよい。
【0107】
このとき、CPU201は、個人カード10により内側から玄関ドア7が開錠されたことを認識していることに基づき、当該個人カード10の使用者(在宅者)が外出しようとしていると認識する。
【0108】
次に、CPU201は、ドア開閉センサ27のセンサ出力をインターフェース211を通じて取り込み、玄関ドア7が開けられた否か監視する(ステップS11)。そして、CPU201は、玄関ドア7が開けられずに所定時間、例えば10秒経過したかどうかを判別し(ステップS12)、10秒経過したと判別したときには、玄関ドア7を自動的に施錠状態に戻すようにする(ステップS13)。そして、CPU201は、内側LED22inを緑色で点滅させて、玄関ドア7が施錠状態に戻ったことを報知する(ステップS14)。
【0109】
また、ステップS11で、ステップS8での開錠後、10秒以内に玄関ドア7が開かれたと判別したときには、CPU201は、ステップS2で取り込んだ個人IDで示される在宅者が外出をしたと認識して、当該個人IDを含む個人情報を、外出者情報として監視制御装置3に転送する(ステップS15)。
【0110】
その後、CPU201は、ドア開閉センサ27のセンサ出力を参照して、玄関ドア7が閉じられたことを確認し(ステップS16)、玄関ドア7が閉じられた後、所定時間、例えば3秒経過したことを確認したら(ステップS17)、ドアロック機構駆動部212を駆動制御して、ドアロック機構28により玄関ドア7を施錠状態に復帰させるようにする(ステップS18)。そして、CPU201は、外側LED22exを緑色で点滅させて、玄関ドア7が施錠状態に戻ったことを報知する(ステップS19)。この外側LED22exの緑色点滅は、所定時間、例えば10秒間続けられる。そして、その後、ステップS1に戻る。
【0111】
[外側リード/ライト部21exでの通信の場合;図14、図15]
ステップS1で、個人カード10と通信が行われたのが外側リード/ライト部21exであると判別したときには、CPU201は、家人が帰宅した場合あるいはその他の外にいる者の入室要求であるとして、以下のような処理を行なう。
【0112】
CPU201は、まず、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDと、個人カード10から受信した個人IDとを比較して、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがあるかどうかにより、当該個人カード10がドアロック装置8に登録された電子鍵カードであるか否かを判別して、当該個人カード10についての認証を行なう(ステップS21)。
【0113】
そして、その認証結果を判別し(ステップS22)、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがなくて認証が取れなかったとき(認証NG)であると判別したときには、CPU201は、外側LED駆動部208を駆動して、外側LED22exを赤色で点滅させると共に、外側スピーカ23exから警告音を放音して、認証NGであることを個人カード10の使用者に報知する(ステップS23)。そして、ドアロック機構28は施錠状態のままとして、ステップS1に戻る。
【0114】
また、ステップS22で、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがあって、認証がOKであると判別したときには、CPU201は、外側LED駆動部208を駆動して、外側LED22exを緑色で1秒間点灯させ、認証OKであることを個人カード10の使用者に報知する(ステップS24)。このとき、CPU201により、併せて外側スピーカ23exから「認証がとれました」というメッセージを放音させるようにしても良い。
【0115】
そして、このとき、認証がOKであることから、CPU201は、ドアロック機構駆動部212を駆動制御して、ドアロック機構28により玄関ドア7を開錠状態にし(ステップS25)、外側スピーカ23exから、「ドアロックを解除しました」というメッセージを放音させる(ステップS26)。このとき、外側LED22exを、例えば緑色で点滅させ、ドアロックの解除状態を個人カード10の使用者に報知するようにしてもよい。
【0116】
次に、CPU201は、ドア開閉センサ27のセンサ出力をインターフェース211を通じて取り込み、玄関ドア7が開けられた否か監視する(ステップS27)。そして、CPU201は、玄関ドア7が開けられずに所定時間、例えば10秒経過したかどうかを判別し(ステップS28)、10秒経過したと判別したときには、玄関ドア7を自動的に施錠状態に戻すようにする(ステップS29)。そして、CPU201は、外側LED22exを緑色で点滅させて、玄関ドア7が施錠状態に戻ったことを報知する(ステップS30)。
【0117】
次に、ステップS27で、ステップS25での開錠後、10秒以内に玄関ドア7が開かれたと判別したときには、CPU201は、ステップS2で取り込んだ個人IDで示される外出者が帰宅したと認識して、当該個人IDを、帰宅者情報として監視制御装置3に転送する(図15のステップS31)。
【0118】
その後、CPU201は、ドア開閉センサ27のセンサ出力を参照して、玄関ドア7が閉じられたことを確認し(ステップS32)、玄関ドア7が閉じられた後、所定時間、例えば3秒経過したことを確認したら(ステップS33)、ドアロック機構駆動部212を駆動制御して、ドアロック機構28により玄関ドア7を施錠状態に復帰させるようにする(ステップS34)。そして、CPU201は、内側LED22inを緑色で点滅させて、玄関ドア7が施錠状態に戻ったことを報知する(ステップS35)。そして、ステップS1に戻る。
【0119】
[逐次ロックモードの説明;図16〜図17]
次に、逐次ロックモードのときの動作を、図16および図17のフローチャートを参照しながら説明する。この逐次ロックモードのときには、個人カード10が、内側リード/ライト部21inまたは外側リード/ライト部21exにかざされることにより通信が両者の間で行なわれ、個人IDについての認証がとれたときには、そのときの玄関ドア7の開錠あるいは施錠の状態とは逆の状態になるように、ドアロック機構28は、ドアロック制御装置200により制御されるものである。
【0120】
CPU201は、インターフェース205,206を介して、内側リード/ライト部21inおよび外側リード/ライト部21exを監視し、個人カード10がかざされて、個人カード10と内側リード/ライト部21inまたは外側リード/ライト部21exとの間で通信が行われるのを待つ(ステップS41)。
【0121】
そして、ステップS41において、個人カード10がかざされて、個人カード10と通信が行なわれたと判別したときには、CPU201は、個人IDを含む個人情報を個人カード10から受信し、例えばRAM204などに一時的に格納する(ステップS42)。このとき、前述と同様に、個人カード10には時刻情報等が書き込まれると共に、家族情報メモリ220および監視制御装置3の家族情報メモリ205への時刻情報等の書き込みが行なわれる。
【0122】
内側リード/ライト部21inまたは外側リード/ライト部21exのどちらで個人カード10と通信が行われたかを判別する(ステップS43)。
【0123】
[内側リード/ライト部21inでの通信の場合;図16]
ステップS43で、個人カード10と通信が行われたのが内側リード/ライト部21inであると判別したときには、CPU201は、在宅者が外出する場合あるいは玄関ドア7をセキュリティのために施錠する場合であるとして、以下のような処理を行なう。
【0124】
CPU201は、先ず、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDと、個人カード10から受信した個人IDとを比較して、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがあるかどうかにより、当該個人カード10がドアロック装置8に登録された個人カードであるか否かを判別して、当該個人カード10についての認証を行なう(ステップS44)。
【0125】
そして、その認証結果を判別し(ステップS45)、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがなくて、認証が取れなかったとき(認証NG)であると判別したときには、CPU201は、内側LED駆動部207を駆動して、内側LED22inを赤色で点滅させると共に、内側スピーカ23inから警告音を放音して、認証NGであることを個人カード10の使用者に報知する(ステップS46)。そして、ドアロック機構28は、その前の状態のままとして、ステップS41に戻る。
【0126】
また、ステップS45で、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがあって、認証がOKであると判別したときには、CPU201は、内側LED駆動部207を駆動して、内側LED22inを緑色で1秒間点灯させ、認証OKであることを個人カード10の使用者に報知する(ステップS47)。このとき、CPU201により、併せて内側スピーカ23inから「認証がとれました」というメッセージを放音させるようにしても良い。
【0127】
そして、CPU201は、現在のドアロック機構28による玄関ドア7のロック状態は、施錠状態になっているか否か判別する(ステップS48)。このステップS48で、ドアロック機構28による玄関ドア7のロック状態が、開錠状態であると判別したときには、その逆の状態である施錠状態にするように、ドアロック機構駆動部212を駆動制御する(ステップS49)。
【0128】
そして、CPU201は、内側LED22inを、例えば緑色で点滅させると共に、内側スピーカ23inから、「玄関ドアを施錠しました」というメッセージを放音させ、施錠状態にしたことを個人カード10の使用者に報知するようにする(ステップS50)。
【0129】
そして、CPU201は、ステップS42で取り込んだ個人IDで示される者が、セキュリティのために施錠をしたと認識して、当該個人IDを含む個人情報を、在宅者情報として監視制御装置3に転送する(ステップS51)。
【0130】
また、ステップS48で、現在のドアロック機構28のロック状態は、施錠状態であると判別したときには、CPU201は、ドアロック機構駆動部212を駆動制御して、ドアロック機構28を開錠状態にし(ステップS52)、内側LED22inを、例えば緑色で点滅させると共に、内側スピーカ23inから、「ドアロックを解除しました」というメッセージを放音させる(ステップS53)。
【0131】
そして、このときには、CPU201は、ステップS42で取り込んだ個人IDで示される者が、開錠をして外出をしたと認識して、当該個人IDを含む個人情報を、外出者情報として監視制御装置3に転送する(ステップS54)。
【0132】
[外側リード/ライト部21exでの通信の場合;図17]
ステップS43で、個人カード10と通信が行われたのが外側リード/ライト部21exであると判別したときには、CPU201は、家人が帰宅して開錠する場合あるいは家人が外出のため施錠する場合であるとして、以下のような処理を行なう。
【0133】
CPU201は、まず、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDと、個人カード10から受信した個人IDとを比較して、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがあるかどうかにより、当該個人カード10がドアロック装置8に登録された個人カードであるか否かを判別して、当該個人カード10についての認証を行なう(ステップS61)。
【0134】
そして、その認証結果を判別し(ステップS62)、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがなくて、認証が取れなかったとき(認証NG)であると判別したときには、CPU201は、外側LED駆動部208を駆動して、外側LED22exを赤色で点滅させると共に、外側スピーカ23exから警告音を放音して、認証NGであることを個人カード10の使用者に報知する(ステップS63)。そして、ドアロック機構28は施錠状態のままとして、ステップS41に戻る。
【0135】
また、ステップS22で、家族情報メモリ220に記憶されている個人IDの中に、個人カード10から受信した個人IDと一致するものがあって、認証がOKであると判別したときには、CPU201は、外側LED駆動部208を駆動して、外側LED22exを緑色で1秒間点灯させ、認証OKであることを個人カード10の使用者に報知する(ステップS64)。このとき、CPU201により、併せて外側スピーカ23exから「認証がとれました」というメッセージを放音させるようにしても良い。
【0136】
そして、CPU201は、現在のドアロック機構28のロック状態は、施錠状態になっているか否か判別する(ステップS65)。このステップS65で、現在のドアロック機構28による玄関ドア7のロック状態は、施錠状態であると判別したときには、CPU201は、ドアロック機構駆動部212を駆動制御して、ドアロック機構28により玄関ドア7を開錠状態にし(ステップS66)、内側LED22inを、例えば緑色で点滅させると共に、内側スピーカ23inから、「ドアロックを解除しました」というメッセージを放音させる(ステップS67)。
【0137】
そして、CPU201は、ステップS42で取り込んだ個人IDで示される者が、帰宅のため開錠をしたと認識して、当該個人IDを含む個人情報を、帰宅者情報として監視制御装置3に転送する(ステップS68)。
【0138】
また、ステップS65で、現在の玄関ドア7のロック状態が開錠状態であると判別したときには、その逆の状態である施錠状態にするように、ドアロック機構駆動部212を駆動制御して、ドアロック機構28により玄関ドア7を施錠状態にする(ステップS69)。
【0139】
そして、CPU201は、内側LED22inを、例えば緑色で点滅させると共に、内側スピーカ23inから、「玄関ドアを施錠しました」というメッセージを放音させ、施錠状態にしたことを個人カード10の使用者に報知するようにする(ステップS70)。
【0140】
そして、CPU201は、ステップS42で取り込んだ個人IDで示される者が、外出のために施錠をしたと認識して、当該個人IDを含む個人情報を、外出者情報として監視制御装置3に転送する(ステップS71)。そして、ステップS41に戻る。
【0141】
[ID送受信部の動作]
各部屋A,B,C,Dに設けられているID送受信部6A,6B,6C,6Dの動作を、図18のフローチャートを参照して説明する。なお、ID送受信部6A,6B,6C,6Dのそれぞれは、全く同様の動作をするので、これらID送受信部6A,6B,6C,6Dを区別する必要がないときには、ID送受信部6と記述することとする。
【0142】
CPU701は、インターフェース709を介して、リード/ライト部72を監視し、個人カード10がかざされて、個人カード10とリード/ライト部72との間で通信が行われるのを待つ(ステップS81)。
【0143】
そして、ステップS81において、個人カード10がかざされて、個人カード10と通信が行なわれたと判別したときには、CPU701は、照明制御部706を制御して、照明器具が消灯状態にあるときには点灯させ、点灯状態にあるときには消灯させる(ステップS82)。
【0144】
また、CPU701は、個人IDを含む個人情報を個人カード10から受信し、例えばRAM704などに、時計回路705からの時刻情報と共に一時的に格納する(ステップS83)。また、時計回路705からの時刻情報が、個人カード10に与えられ、制御用IC内12のメモリにも書き込まれる。
【0145】
次に、ステップS83で取得した個人IDを、ID送受信部6の識別情報と共に監視制御装置3に転送する(ステップS84)。この場合、ID送受信部6の識別情報は、どの部屋のID送受信部6であるかを示す情報であって、部屋IDに相当する。監視制御装置3は、この部屋ID付きの個人IDを受信することにより、どの部屋に誰がいるか、あるいは誰がその部屋から出て行ったかを認識することが可能となる。
【0146】
なお、この例の場合には、監視制御装置3とID送受信部6とがLANにより接続されているので、上述のような部屋IDと共に、個人IDをID送受信部6A,6B,6C,6Dから監視制御装置3に送る必要があるが、ID送受信部6A,6B,6C,6Dのそれぞれと監視制御装置3とが、別々の通信インターフェースを介して接続されている場合には、どのインターフェースがどの部屋のID送受信部6と接続されているかを予め設定しておくことにより、部屋IDを付加することを省略することができる。
【0147】
[監視制御装置3の動作の説明]
[監視制御装置3における伝言記録および伝言再生;図19]
前述したように、この例の監視制御装置3は、個人カード10と、リモートコマンダ50を用いて、特定の家人を指定して、伝言を記録しておくことができる。伝言が監視制御装置3に記録されているときには、LED37が点灯あるいは点滅して、その旨を知らせるようにしている。
【0148】
そして、監視制御装置3に、伝言が記録されている場合において、帰宅した家人が、自分の個人カード10を、このリード/ライト部36により読み取らせ、リモートコマンダ50により伝言再生を指示すると、記録されている伝言が、その人宛ての伝言である場合には、監視制御装置3は、記録されている伝言を、TVセット1Aを用いて再生するようにするように構成されている。音声情報は、監視制御装置3のスピーカ35を通じて再生するようにしてもよい。
【0149】
なお、後述するように、この実施形態においては、監視制御装置3では、帰宅した家人に対して伝言が記録されている場合には、帰宅後、最初に入った部屋において、当該帰宅した家人に対して伝言情報を視聴させるようにしている。
【0150】
このため、監視制御装置3は、リモートコマンダ50を通じた伝言再生操作によって、敢えて伝言再生を行なわせるようにする機能を備えるようにする必要はないが、伝言内容を確認するため等の目的で、自分に対する伝言情報をもう一度視聴したい場合があることを考慮して、監視制御装置3には、以下に説明するように、リモートコマンダ50を用いたユーザに指示に基づく伝言再生機能を設けている。
【0151】
図19は、このリモートコマンダ50を通じた操作指示による伝言記録および伝言再生のための監視制御装置3の処理を説明するためのフローチャートである。この図19の各ステップSの処理は、CPU101がROM103に記憶されているプログラムにしたがって実行されるものである。
【0152】
すなわち、まず、使用者は、伝言記録または伝言再生をするには、自分の個人カード10をリード/ライト部36にかざして、通信を行なうようにする。CPU101は、リード/ライト部36で個人カード10と通信が行なわれたか否か判別し(ステップS91)、通信が行われたと判別すると、個人IDを認識する(ステップS92)。このステップS92では、家族情報メモリ105に記憶されている個人IDと、個人カード10から取得した個人IDとを比較することにより、個人カード10が登録された家族のものであるか否かの認証をも行なう。なお、図19では、省略したが、認証の結果、個人IDが一致せず、認証がNGであったときには、ステップS93以下の動作は行なわれずに、図19の処理ルーチンは終了となる。
【0153】
次に、CPU101は、リモートコマンダ50からのリモコン信号の到来を待ち(ステップS93)、リモコン信号を受信したことを確認したら、そのリモコン信号は、伝言記録ボタン53の操作によるものか否か判別し(ステップS94)、伝言記録ボタン53の操作によるものであると判別したときには、伝言記録動作を行なうようにする(ステップS103)。
【0154】
この伝言記録動作においては、ビデオカメラ32で撮影された伝言者の画像情報をカメラインターフェース110を介して取り込み、画像・音声メモリ108の伝言記録領域に格納すると共に、マイクロホン34で収音した伝言音声情報(伝言メッセージ)をインターフェース118を通じて取り込み、画像・音声メモリ108の伝言記録領域に格納する。このとき、それら画像情報および音声情報は、個人カード10から読み込んだ個人IDに対応付けられて、当該個人IDと共に画像・音声メモリ108に格納される。
【0155】
次に、CPU101は、家族情報メモリ105に記憶されている家族の個人IDを参照して、伝言記録をしようとしている操作者以外の伝言相手のリストをTVセット1Aの画面に表示する(ステップS104)。このとき、TVセット1Aに電源が投入されていないときには、監視制御装置3は、TVセット1Aに電源を投入すると共に、監視制御装置3からの信号を受信して表示させるように、TVセット1Aを入力切り換え制御する。これらのTVセット1Aに対する制御は、リモコン送信部39を通じたリモコン信号により行なわれる。
【0156】
なお、伝言相手のリストの画面は、上述のような入力切り換えによりTVセット1Aの画面に表示するのではなく、例えばスーパーインポーズによりテレビ番組の画像に重ねて表示するようにしてもよい。
【0157】
操作者は、この伝言相手のリストから、リモートコマンダ50のカーソルキー56を用いて、伝言相手の選択入力を行ない、カーソルキー56中の中央の決定キーを押す。監視制御装置3のCPU201は、この伝言相手の選択入力を受信して(ステップS105)、当該伝言相手の情報を、画像・音声メモリ108の伝言記録領域の、前記画像情報および伝言音声メッセージに対応させて格納して登録する(ステップS106)。そして、伝言が記録されたことを報知するために、1個のLED37を点灯させる(ステップS107)。LED37は、図3に示したように複数個設けられており、この例では、記録されている伝言の数だけ、点灯するようにされている。
【0158】
また、ステップS94において、リモコン信号が伝言記録ボタン53の操作によるものではないと判別したときには、CPU101は、伝言再生ボタン54の操作によるものであるか否か判別する(ステップS95)。
【0159】
ステップS95において、伝言再生ボタン54の操作によるものでないと判別したときには、CPU101は、当該操作されたボタンに応じた、その他の処理を行なう(ステップS96)。このステップS96におけるその他の処理には、ビジュアルコミュニケーションの発信処理が含まれる。このビジュアルコミュニケーションの発信処理については、後述するように、図22のフローチャートを用いて説明する。
【0160】
一方、ステップS95において、伝言再生ボタン54の操作によるものであると判別したときには、CPU101は、ステップS2で認識した個人IDを検索子として、画像・音声メモリ108の伝言記録領域の記憶内容を検索して、個人カード10をリード/ライト部36にかざした操作者宛ての伝言があるか否か判別する(ステップS97)。
【0161】
そして、ステップS97において、操作者宛ての伝言が無いと判別したときには、CPU201は、例えば予めROM103に用意されている「伝言はありません」の文字情報をTVセット1Aの画面に表示すると共に、TVセット1Aのスピーカあるいは監視制御装置3のスピーカ35を通じて音声として放音して、操作者に報知する(ステップS98)。
【0162】
また、ステップS97において、操作者宛ての伝言が有ると判別したときには、当該操作者宛ての伝言画像および伝言音声を画像・音声メモリ108から読み出して、TVセット1Aの画面に表示すると共に、TVセット1Aのスピーカあるいは監視制御装置3のスピーカ35から放音して伝言再生する(ステップS99)。例えば、伝言情報に画像情報が含まれない場合には、監視制御装置3のスピーカ35から伝言音声を放音してもよい。
【0163】
伝言の再生が終了すると、CPU101は、TVセット1Aの画面に伝言を消去するかどうかの問い合わせを表示するので、操作者は、その表示画面に含まれる「YES」、「NO」のいずれかをリモートコマンダ50のカーソルキー56を用いて選択する。CPU101は、当該操作者の選択入力から、伝言を消去するか否か判別し(ステップS100)、消去すると判別したときには、画像・音声メモリ108の対応する伝言の画像・音声情報を消去し(ステップS101)、点灯しているLED37の一つを消灯する(ステップS102)。そして、この伝言記録再生処理ルーチンを終了する。
【0164】
また、ステップS100で、伝言を消去しないと判別したときには、そのまま、この伝言記録再生処理ルーチンを終了する。
【0165】
[監視制御装置3での個人ID受信時の動作]
次に、個人カード10と通信を行なったドアロック装置8やID送受信部6A,6B,6C,6Dから送られてくる個人IDを取得したときの監視制御装置3の動作を図20および図21のフローチャートを参照して説明する。
【0166】
CPU101は、先ず、個人IDを受信したか否か判別する(ステップS111)。個人IDを受信しなかったときには、その他の処理を行ない(ステップS112)、その処理後、ステップS111に戻る。
【0167】
ステップS111で個人IDを受信したと判別したときには、CPU101は、当該個人IDは、ドアロック装置8から送られてきたものか否か判別する(ステップS113)。
【0168】
ステップS113で、個人IDがドアロック9から送られてきたものであると判別したときには、当該個人IDは、帰宅情報として送られてきたものであるか否か判別する(ステップS114)。
【0169】
ステップS114で、個人IDが帰宅情報としてではなく外出情報として送られてきたと判別したときには、CPU101は、家族情報メモリ105中の、当該個人IDと等しい個人IDが含まれる個人プロファイル情報中の入退出履歴情報に、当該個人IDを受け取った時刻と共に、外出を示す情報を書き込んで、入退出履歴情報を更新する(ステップS115)。その後、ステップS111に戻る。
【0170】
また、ステップS114で、個人IDが帰宅情報として送られてきたと判別したときには、CPU101は、家族情報メモリ105中の、当該個人IDと等しい個人IDが含まれる個人プロファイル情報中の入退出履歴情報に、当該個人IDを受け取った時刻と共に、帰宅を示す情報を書き込んで、入退出履歴情報を更新する(ステップS116)。
【0171】
次に、CPU101は、家族情報メモリ105中の在室管理情報テーブルを参照し、在宅者が有るか否か判別し(ステップS117)、在宅者が無いと判別したときには、監視制御装置3の全体を動作状態にする(ステップS118)。これは、家族の全てが外出して在宅者が無いときには、監視制御装置3は、消費電力削減のため、CPU101、ROM103,RAM104およびドアロック装置8からの情報を受信するインターフェース106のみを動作状態にして、他の部分への電源供給は停止するスタンバイ状態にしているので、そのスタンバイ状態から動作状態に移行させるものである。
【0172】
次に、監視制御装置3は、各部屋のID送受信部6A,6B,6C,6Dを動作状態にする(ステップS119)。つまり、在宅者なしの状態では、この実施形態では、ID送受信部6A,6B,6C,6Dは動作不要であるとして、スタンバイ状態にして、電力消費の削減を図っているので、最初の帰宅者を検知した時点で、これら各部屋のID送受信部6A,6B,6C,6Dを動作状態にするものである。そして、それらID送受信部6A,6B,6C,6Dのいずれかからの個人IDの到来を待つ(ステップS120)。このとき、ID送受信部6A,6B,6C,6Dからは、個人IDと共に、それぞれのID送受信部の識別情報、つまり部屋IDも送られてくるのは前述した通りである。
【0173】
そして、ステップS120で、ID送受信部6A,6B,6C,6Dのいずれかからの個人IDの到来を検知すると、CPU101は、帰宅者がいずれかの部屋に入ったと認識して、帰宅者を確認し(ステップS121)、個人IDと共に送られてくる部屋IDから、部屋A,B,C,Dのいずれに入室したかを判別し、家族情報メモリ105の在室管理情報テーブルに、誰がどの部屋に入ったかを書き込んで、在室管理情報テーブルを更新する(図21のステップS131)。
【0174】
このとき、CPU101は、ID送受信部から送られてくる情報に時刻情報が含まれる場合には、その時刻情報により、入室時刻を判別し、在室管理情報テーブルに記憶し、また、履歴情報として記憶する。なお、ID送受信部からの情報に時刻情報が含まれていなくても、CPU101は、ID送受信部から個人ID等を受け取った時刻を時計回路107の時刻情報により知ることができるので、その時刻情報を入室時刻として用いるようにすることもできる。
【0175】
次に、CPU101は、画像・音声メモリ108に記憶されている全ての伝言情報に含まれる伝言の宛先の個人IDを検出し(ステップS132)、検出した伝言の宛先の個人IDの中に、ステップS120で受信した帰宅者の個人IDと一致するものがあるかどうかを判別して、帰宅者宛ての伝言があるか否か判別する(ステップS133)。
【0176】
そして、ステップS133で帰宅者宛ての伝言が無いと判別したときには、CPU101は、ステップS111に戻って、個人IDの受信を監視する。
【0177】
また、ステップS133で、ステップS132で検出した伝言の宛先の個人IDの中に、ステップS120で受信した帰宅者の個人IDと一致するものがあることを検知して帰宅者宛ての伝言があると判別したときには、CPU101は、帰宅者は、部屋Aに在室するか、他の部屋に在室するかを判別する(ステップS134)。
【0178】
ステップS134において、帰宅者が部屋Aに在室すると判別したときには、CPU101は、前述したリモートコマンダ50で伝言再生ボタンが押されたときと同様にして、伝言再生動作を行なう(ステップS135)。すなわち、当該帰宅者宛ての伝言画像および伝言音声を画像・音声メモリ108から読み出して、TVセット1Aの画面に表示すると共に、TVセット1Aのスピーカあるいは監視制御装置3のスピーカ35から放音して伝言再生する。
【0179】
そして、伝言の再生が終了すると、CPU101は、TVセット1Aの画面に伝言を消去するかどうかの問い合わせを表示するので、操作者は、その表示画面に含まれる「YES」、「NO」のいずれかをリモートコマンダ50のカーソルキー56を用いて選択する。
【0180】
CPU101は、当該操作者の選択入力から、伝言を消去するか否か判別し(ステップS136)、消去すると判別したときには、画像・音声メモリ108の対応する伝言の画像・音声情報を消去し(ステップS137)、点灯しているLED37の内の対応するものを消灯する(ステップS138)。そして、ステップS111に戻り、個人IDの受信を監視する。
【0181】
また、ステップS134で帰宅者が部屋A以外に在室すると判別したときには、画像・音声メモリ108から、対応する伝言の画像・音声情報を読み出し、読み出した伝言の画像・音声情報を、帰宅者が在室する部屋のTVセットに転送して、伝言を再生させる(ステップS139)。
【0182】
この場合に、当該帰宅者が在室する部屋のTVセットの電源がオフであったときには、CPU101は、当該TVセットの電源をオンにすると共に、監視制御装置3からの画像・音声情報を当該TVセットが受信して再生するようにする制御信号を送って、TVセットに対して伝言再生の準備をさせ、その後、伝言の画像・音声情報を当該TVセットに対して送る。
【0183】
次に、転送すべき伝言の画像・音声情報の全ての転送が終了して、伝言再生が終了したかどうか判別し(ステップS140)、伝言再生が終了したと判別したときには、CPU101は、伝言情報を消去するかどうかの問い合わせのメッセージを前記TVセットに対して送る。
【0184】
すると、当該部屋のTVセットの画面には、伝言を消去するかどうかの問い合わせのメッセージ表示がなされるので、帰宅者は、その表示画面に含まれる「YES」、「NO」のいずれかを、当該部屋のリモートコマンダにより選択して回答する。TVセットは、その回答を監視制御装置3に送る。
【0185】
CPU101は、当該回答から、伝言を消去するか否か判別し(ステップS142)、消去すると判別したときには、画像・音声メモリ108の対応する伝言の画像・音声情報を消去し(ステップS143)、点灯しているLED37のうちの対応する一つを消灯する(ステップS144)。そして、ステップS111に戻る。
【0186】
また、ステップS113で、受信した個人IDは、ドアロック装置8から送られてきたものではないと判別したときには、CPU101は、ID送受信部6A,6B,6C,6Dのいずれかからのものであると認識し、個人IDと共に送られてくるそれぞれのID送受信部の識別情報、つまり部屋IDから、いずれの部屋から送られてきたかを検知して、在宅者の移動を判別し、在室管理情報テーブルを更新する(ステップS122)。そして、ステップS111に戻る。
【0187】
以上のようにして、この実施形態においては、監視制御装置3は、家に帰宅した人がいずれかの部屋に入室すると、その部屋の電子機器、この例ではTVセットを用いて、当該帰宅者宛ての伝言情報を再生させるようにするので、帰宅者は、伝言を視聴しそこなうことが無い。また、この実施形態では、帰宅者は、例えば視聴した伝言が分かりにくく、もう一度、視聴したいと思ったときには、部屋Aの監視制御装置3において、再視聴することができるので、非常に便利である。
【0188】
また、監視制御装置3が設置されている部屋Aではない他の部屋に帰宅者が入室したときにも、伝言が確実に再生されるので、帰宅者は、伝言を視聴するために、わざわざ部屋Aに入る必要もないという効果がある。
【0189】
そして、上述のようにして、監視制御装置3は、帰宅者の在室状況を監視して、どの部屋にいるかを在室管理情報テーブルとして保持するようにする。
【0190】
[ビジュアルコミュニケーション(テレビ電話の例)について]
[ビジュアルコミュニケーションの発信時の動作]
図22は、監視制御装置3におけるビジュアルコミュニケーション(以下,VCと略記する)における発信時の動作を示すフローチャートである。前述の図19の伝言記録および伝言再生の処理フローの説明の際に説明したように、このVCの発信は、個人カード10が監視制御装置3にかざされて、個人カード10の認証が行なわれると共に、個人IDが認識された後に実行されるものである。
【0191】
この例では、VCの発信は、リモートコマンダ50でVCボタン51が押されることにより起動される。そのため、監視制御装置3のCPU101は、リモコン受信部38の受信信号を監視して、リモートコマンダ50でVCボタン51が押されたか否か判別する(ステップS151)。
【0192】
リモートコマンダ50でVCボタン51が押されたと判別したときには、TVセット1Aの電源がオンになっているか否か判別し(ステップS152)、電源がオンでなかったときには、CPU101は、TVセット1Aにリモコン送信部39から電源オンの制御信号を送って、TVセット1Aの電源をオンにする(ステップS153)。
【0193】
TVセット1Aの電源がオンであるとき、また、TVセット1Aの電源をオンにした後、CPU101は、TVセット1Aにリモコン送信部39からリモコン制御信号を送るように制御して、TVセット1Aが監視制御装置3からの信号を入力信号として選択するように入力切り替えを行なう(ステップS154)。
【0194】
そして、CPU101は、TVセット1Aに、VCの発信用画面を表示する信号を送る(ステップS155)。すなわち、CPU101は、家族情報メモリ105から、VC発信の起動に先立って認証し、認識した個人IDに対応するユーザ用の通話先リストを読み出し、当該ユーザ用のVC発信用画面を生成して、TVセット1Aに送る。
【0195】
図23に、このVCの発信用画面の一例を示す。すなわち、この例においては、このVCの発信用画面には、予めテレビ電話をかける相手として家族構成員の各々について登録してある通話先のサムネールの画像61が表示される。また、このVCの発信用画面には、通話先を指定するテレビ電話用のアドレスの入力欄62や、アイコンからなる発呼ボタン63なども含むものである。
【0196】
発信ユーザは、この通話先のリストとして表示されているサムネールの画像61のうちの通話したい相手のサムネール画像をクリックすることにより通話相手先を選択指定することができる。また、発信ユーザは、テレビ電話用のアドレスの入力欄62に、直接、通話相手先のアドレスを入力することによっても、通話相手先を指定することができる。そして、発信ユーザは、通話相手先の指定が終了すると、この例では、画面中の発呼ボタン63を押して、発呼操作をする。なお、リモートコマンダ50に予め発呼ボタンを設けておくことで、画面の発呼ボタン63を省略することができる。
【0197】
以上のような操作を発信ユーザが行なうので、監視制御装置3のCPU101は、発信ユーザによる通話相手先の選択入力を受け付け(ステップS156)、また、発呼ボタン63のオン操作を待って(ステップS157)、発呼動作を実行する(ステップS158)。この発呼動作においては、CPU101は、家族情報メモリ105に記憶されている選択された通話相手先のアドレスの情報を用いる。そして、発呼時の情報には、発呼者のアドレス情報も含められて相手方に伝えられる。
【0198】
以上のような発呼動作に対して相手が応答すると、図23の画面が消去され、テレビ電話の通話用の画面に切り換わる。
【0199】
そして、CPU101は、相手の応答を待って(ステップS159)、VC動作をスタートする(ステップS160)。通話時は、CPU101は、ビデオカメラ32で発信ユーザを撮影した画像情報と、マイクロホン34により収音した発信ユーザの音声の情報とを相手方に送ると共に、相手方から送られてくる相手ユーザの画像情報と音声情報とを受信して、TVセット1Aの画面に表示すると共に、音声をスピーカにより再生する。
【0200】
このとき、ビデオカメラ32で撮影した発信ユーザの画像情報は、相手先にそのまま送られるのではなく、発信ユーザの周囲環境の画像はマスキングされると共に、当該マスキングされた部分には、予め選択された背景画像が合成されて送られるように、CPU101によって制御される。どのような背景画像とするかは、ユーザにより予め選択設定されている。
【0201】
そして、通話が終了して、所定の終了操作がなされたことを判別すると(ステップS161)、CPU101は、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS162)、この処理ルーチンを終了する。
【0202】
ステップS159で、通話相手先が応答しないと判別したときには、CPU101は、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS162)、この処理ルーチンを終了する。このとき、CPU101は、TVセット1Aの状態を、VC発信の起動がなされる前の状態に戻すように制御する。
【0203】
[ビジュアルコミュニケーションの受信時の動作]
次に、相手先からのVCの着信があった場合について、図24〜図26のフローチャートを参照して説明する。
【0204】
監視制御装置3のCPU101は、通信インターフェース109への着信を監視して、VCの着信が到来したか否か判別する(ステップS171)。VC着信が到来したと判別したときには、CPU101は、その着信時の情報に含まれる個人IDから誰宛の着信であるかを判別し、家族情報メモリ105の在室管理情報テーブルを参照する(ステップS172)。
【0205】
そして、CPU101は、VC着信の宛先として指定される人(以下、宛先受信者という)が在宅しているか否か判別する(ステップS173)。宛先受信者が在宅していると判別したときには、CPU101は、当該宛先受信者は部屋Aに在室しているかどうか判別し(ステップS174)、部屋Aに在室していると判別したときには、LED37を点滅させてVC着信を部屋Aに在室している宛先受信者に報知する(ステップS175)。
【0206】
このとき、LED37は、伝言用とVC着信用とを予め区別しておく。また、例えば、複数個のLED37の全てをVC着信のときに点滅させることにより、伝言ありの場合と区別するようにしてもよい。
【0207】
そして、CPU101は、TVセット1Aの電源がオンになっているかどうか判別し(ステップS176)、電源がオンになっていなければ、リモコン送信部39からTVセット1Aの電源をオンにするリモコン制御信号を送り、TVセット1Aの電源をオンにする(ステップS177)。
【0208】
次に、CPU101は、リモートコマンダ50のVCボタン51が押されるのを待ち(ステップS178)、VCボタン51が押されたと判別したときには、TVセット1Aに監視制御装置3からの信号を選択するようにリモコン制御信号を送り,TVセット1Aの入力切り替えを行なう(ステップS179)。
【0209】
次に、CPU101は、テレビ電話をかけてきた相手先の名前を、前述した図23のVC発信時の画面と同様にして、サムネールと共に表示する(ステップS180)。なお、相手先が登録された相手でないときには、テレビ電話をかけてきた相手のアドレスなどを表示する。この例では、この画面には、応答ボタンが表示されており、応答をするときには、宛先受信者はこの応答ボタンをリモートコマンダ50を用いて押下操作する。
【0210】
CPU101は、応答ボタンが押されたか否か判別し(ステップS181)、応答ボタンが押されたと判別したときには、テレビ電話通信(ビジュアルコミュニケーション)がスタートとなる(ステップS182)。通話(通信)時は、CPU101は、ビデオカメラ32で発信ユーザを撮影した画像情報と、マイクロホン34により収音した発信ユーザの音声の情報とを相手方に送ると共に、相手方から送られてくる相手ユーザの画像情報と音声情報とを受信して、TVセット1Aの画面に画像を表示し、また、音声をスピーカにより再生する。
【0211】
このとき、ビデオカメラ32で撮影した発信ユーザの画像情報は、そのまま送られるのではなく、発信ユーザの周囲環境の画像はマスキングされると共に、当該マスキングされた部分には、予め選択された背景画像が合成されて送られるように、CPU101によって制御される。どのような背景画像とするかは、ユーザにより予め選択設定されている。
【0212】
そして、通信が終了して、所定の終了操作がなされたことを判別すると(ステップS183)、CPU101は、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS184)、この処理ルーチンを終了する。
【0213】
ステップS181で、例えば予め定めた時間以上応答ボタンが押されないことを検出するなどして通話相手先が応答しないと判別したときには、CPU101は、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS184)、この処理ルーチンを終了する。
【0214】
ステップS173において、宛先受信者が在宅してはいないと判別したときには、CPU101は、監視制御装置3においてテレビ電話の着信時について宛先受信者以外の家族で、在宅している人が代理受信することができるように設定されているかどうか判別する(ステップS191)。代理受信が不可であると判別したときには、CPU101は、留守番記録モードに設定されているかどうか判別する(ステップS192)。
【0215】
留守番記録モードに設定されていると判別したときには、CPU101は、留守番記録モードを実行する(ステップS193)。すなわち、相手に応答し、宛先受信者が不在であることを相手先に伝えるとともに、留守番記録が可能であることを相手に伝える。これは、周知のように予めメモリに蓄えられたメッセージ情報により行なわれる。そして、相手が留守番記録をするとした場合には、相手から送られてくる画像情報および音声情報を、画像・音声メモリ108に留守番記録情報として、宛先受信者の情報と対応して書き込む。
【0216】
この留守番記録情報は、例えば前述した伝言情報の再生と同様にして、宛先受信者が監視制御装置3に個人カード10をかざして、リモートコマンダ50を用いてメニューから留守番記録情報の再生を指示することにより再生することができるように構成されている。
【0217】
留守番記録動作が終了すると、CPU101は、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS194)、この処理ルーチンを終了する。
【0218】
ステップS192において、留守番記録モードに設定されていないと判別したときには、CPU101は、応答せずに、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS194)、この処理ルーチンを終了する。
【0219】
ステップS191において代理受信がOKであると判別したときには、CPU101は、宛先受信者以外の在宅者があるか否かを在室管理情報テーブルを参照して判別し(ステップS195)、在宅者がないと判別したときにはステップS192に進み、上述したステップS192〜ステップS194の処理を行なう。
【0220】
ステップS195で宛先受信者以外の在宅者があると判別したときには、CPU101は、在室管理情報テーブルを参照して在宅者がいる部屋を判別する(ステップS196)。そして、その部屋にテレビ電話の着信が転送可能か否か判別する(ステップS197)。
【0221】
転送可能であるかどうかは、この例においては、当該在宅者がいる部屋に、監視制御装置3と接続されているパーソナルコンピュータがあり、そのパーソナルコンピュータに電源が入っているか否かにより判別する。なお、その場合に、パーソナルコンピュータにおいては、テレビ電話の通信が可能であり、電源がオンであるときには、当該テレビ電話の通信アプリケーションが立ち上がっているものとする。
【0222】
ステップS197において、転送可能ではないと判別したときには、ステップS192に進み、CPU101は、上述したステップS192〜ステップS194の処理を行なう。
【0223】
また、ステップS197において、転送可能であると判別したときには、CPU101は、在宅者のいる部屋の、転送可能であるパーソナルコンピュータに対してVC着信を転送する(ステップS198)。
【0224】
次に、CPU101は、前述した図23のVC発信時の画面と同様にして、テレビ電話をかけてきた相手先の名前をサムネールと共に表示するための画像情報を転送先のパーソナルコンピュータに送り、相手名を表示させる(ステップS199)。なお、相手先が登録された相手でないときには、テレビ電話をかけてきた相手のアドレスなどを表示する。この例では、この画面には、応答ボタンが表示されている。
【0225】
この例では、これ以降の処理は、VC着信の転送を受けたパーソナルコンピュータが、そのVCアプリケーションにより、監視制御装置3を経由せずに処理を行なう。したがって、VC着信に応答をするときには、受信者は、画面の応答ボタンをパーソナルコンピュータに付属のカーソルキーなどを用いて押下操作することになる。
【0226】
VC着信の転送を受けたパーソナルコンピュータは、応答ボタンが押されたか否か判別し(ステップS200)、応答ボタンが押されたと判別したときには、テレビ電話通信(ビジュアルコミュニケーション)がスタートとなる(ステップS201)。通信時は、パーソナルコンピュータは、それに搭載されているビデオカメラで発信ユーザを撮影した画像情報と、それに搭載されているマイクロホンにより収音した発信ユーザの音声の情報とを相手方に送ると共に、相手方から送られてくる相手ユーザの画像情報と音声情報とを受信して、その画面に画像を表示し、また、音声をスピーカにより再生する。
【0227】
このとき、ビデオカメラで撮影した発信ユーザの画像情報は、そのまま送られるのではなく、発信ユーザの周囲環境の画像はマスキングされると共に、当該マスキングされた部分には、予め選択された背景画像が合成されて送られるように、パーソナルコンピュータによって制御される。どのような背景画像とするかは、ユーザにより予め選択設定されている。
【0228】
そして、通信が終了して、所定の終了操作がなされたことを判別すると(ステップS202)、パーソナルコンピュータは、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS203)、この処理ルーチンを終了する。
【0229】
ステップS200で、例えば予め定めた時間以上応答ボタンが押されないことを検出するなどして通話相手先が応答しないと判別したときには、パーソナルコンピュータは、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS203)、この処理ルーチンを終了する。
【0230】
また、ステップS174において、宛先受信者は在宅しているが、部屋Aにはいないと判別したときには、CPU101は、在室管理情報テーブルを参照して宛先受信者がいる部屋を判別する(図26のステップS211)。そして、CPU101は、この例においては、判別した部屋に、監視制御装置3と接続されているパーソナルコンピュータがあり、そのパーソナルコンピュータに電源が入っているか否かにより、当該部屋に、テレビ電話の着信が転送可能か否か判別する(ステップS212)。
【0231】
ステップS212において、転送可能ではないと判別したときには、ステップS192に進み、CPU101は、上述したステップS192〜ステップS194の処理を行なう。
【0232】
また、ステップS212において、転送可能であると判別したときには、CPU101は、宛先受信者がいる部屋の、転送可能であるパーソナルコンピュータに対して個人IDの認証を促すメッセージを送り、当該パーソナルコンピュータの画面にそのメッセージを表示する(ステップS213)。
【0233】
宛先受信者は、このメッセージを受けて、パーソナルコンピュータに接続されている個人カードのリード/ライト部に対して個人カードをかざす動作あるいは、個人カードをパーソナルコンピュータに差し込んで、前記リード/ライト部で読み取らせるようにする動作をする。そして、パーソナルコンピュータは、リード/ライト部で個人IDを読み取ったときには、その読み取った個人IDを監視制御装置3に送るようにする。
【0234】
そこで、監視制御装置3のCPU101は、個人IDのパーソナルコンピュータからの到来を待つ(ステップS214)。そして、個人IDを受信せずに予め定められた所定時間経過したか否かを判別し(ステップS215)、前記所定時間を経過したと判別したときには、テレビ電話の着信を受ける意思なしと判断して通信路を切断する(ステップS222)。
【0235】
ステップS214で、個人IDを受信したと判別したときには、CPU101は、この例においては、受信した個人IDがVC着信時の情報に含まれる個人IDに等しいかどうかを判定することにより、その受信した個人IDが宛先受信者の個人IDであるかを認証する(ステップS216)。
【0236】
ステップS216で、個人IDの認証がNGであったときには、CPU101は、通信路を切断する(ステップS222)。また、ステップS216で、個人IDの認証が取れたとき(OKであったとき)には、宛先受信者のいる部屋の、転送可能であるパーソナルコンピュータに対してVC着信を転送する(ステップS217)。
【0237】
次に、CPU101は、前述した図23のVC発信時の画面と同様にして、テレビ電話をかけてきた相手先の名前をサムネールと共に表示するための画像情報を転送先のパーソナルコンピュータに送り、相手名を表示させる(ステップS218)。相手先が登録された相手でないときには、テレビ電話をかけてきた相手のアドレスなどを表示する。この例では、この画面には、応答ボタンが表示されている。
【0238】
この例では、これ以降の処理は、VC着信の転送を受けたパーソナルコンピュータが、そのVCアプリケーションにより、監視制御装置3を経由せずに処理を行なう。したがって、VC着信に応答をするときには、受信者は、画面の応答ボタンをパーソナルコンピュータに付属のカーソルキーなどを用いて押下操作することになる。
【0239】
VC着信の転送を受けたパーソナルコンピュータは、応答ボタンが押されたか否か判別し(ステップS219)、応答ボタンが押されたと判別したときには、テレビ電話通信がスタートとなる(ステップS220)。通信時は、パーソナルコンピュータは、それに搭載されているビデオカメラで発信ユーザを撮影した画像情報と、それに搭載されているマイクロホンにより収音した発信ユーザの音声の情報とを相手方に送ると共に、相手方から送られてくる相手ユーザの画像情報と音声情報とを受信して、その画面に画像を表示し、また、音声をスピーカにより再生する。
【0240】
このとき、ビデオカメラで撮影した発信ユーザの画像情報は、そのまま送られるのではなく、発信ユーザの周囲環境の画像はマスキングされると共に、当該マスキングされた部分には、予め選択された背景画像が合成されて送られるように、パーソナルコンピュータによって制御される。どのような背景画像とするかは、ユーザにより予め選択設定されている。
【0241】
そして、通信が終了して、所定の終了操作がなされたことを判別すると(ステップS221)、パーソナルコンピュータは、テレビ電話の通信路を切断して(ステップS222)、この処理ルーチンを終了する。
【0242】
なお、上述のVC着信の場合において、代理受信が可能である場合には、代理受信する者の個人IDの認証は行なわなかったが、CPU101は、在室管理情報テーブルにより、代理受信可能である人も認識することができるので、個人IDの認証を行なうようにすることも勿論できる。
【0243】
また、上述のVC着信の説明においては、VC着信が転送されたときには、転送先のパーソナルコンピュータが、それに搭載されているVCアプリケーションを利用して、監視制御装置3を経由せずにVC通話を行なうようにしたが、パーソナルコンピュータには、送信画像および送信音声の取り込み機能と、受信画像および受信音声の取り込み機能と、それらを監視制御装置3を通じて相手方と授受する機能を設けることにより、監視制御装置3を経由してVC通話を行なうようにすることもできる。
【0244】
なお、上述の実施形態では、通話先リストとしては、家族構成員の各々について別々の通話先リストを保存するようにしたが、家族の全員に共通のものとして記憶するようにしてもよい。その場合には、VC発信の際には、個人カード10を監視制御装置3と通信させる必要はなく、リモートコマンダ50のVCボタン51を操作して、上述の発信動作を行なわせるようにすればよい。
【0245】
以上のようにして、この実施形態によれば、VC着信があったときに、宛先受信者が在宅しているときには、当該宛先受信者がいる部屋が監視制御装置3により判別され、当該宛先受信者がいる部屋において、当該VC着信を受けることができる。したがって、宛先受信者は、監視制御装置3が設置してある部屋Aにいなくても、自分のいる部屋でVC着信を受けることができ、非常に便利である。
【0246】
しかも、この実施形態では、宛先受信者が不在のときには、留守番記録モードに自動的に移行させるようにすることができるので、非常に便利である。
【0247】
[第2の実施形態]
上述した第1の実施の形態においては、各部屋に設置され、監視制御装置3に接続されるID送受信部6A〜6Dを通じて、これにかざされる個人カード10から個人IDなどの必要な情報を読み出し、これを監視制御装置3に供給することにより、家族の各人の各部屋への入室、退室の検出および登録を行なうようにした。しかし、各部屋にID送受信部を設けないで、ホームネットワークシステムを構築することも可能である。
【0248】
以下に説明するこの第2の実施の形態においては、例えば各部屋に設けられた、TVセットなどの電子機器の遠隔操作装置であるリモートコマンダを、ID送受信部の代わりに個人識別情報送信手段として用いることができるようにするものである。
【0249】
図27は、この第2の実施形態のホームネットワークシステムの構成例を説明するための図である。この図27に示す第2の実施形態のホームネットワークシステムにおいて、上述した第1の実施の形態のホームネットワークシステムと同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0250】
図27に示すように、この第2の実施の形態のホームネットワークシステムも、部屋Aには、監視制御装置3、TVセット1Aなどの電子機器、ルータ4、ADSLモデム5が設けられ、その他の各部屋B、C、Dには、TVセット1B、1C、1Dなどの電子機器が設けられている。
【0251】
そして、第1の実施形態と同様にして、部屋Aに設けられた監視制御装置3と各部屋B,C,Dに設けられた電子機器とは、ルータ4を通じて接続され、監視制御装置3からの制御データが各部屋の電子機器に供給されて、それらの電子機器が制御可能とされている。
【0252】
図27に示したように、この第2の実施の形態のホームネットワークシステムにおいては、各部屋A,B,C,Dには、ID送受信部は設けられていない。その代わりに、各部屋A,B,C,Dには、電子機器の遠隔制御用のリモートコマンダ80A、80B、80C、80Dが設けられる。この第2の実施形態においては、これらのリモートコマンダ80A、80B、80C、80Dは、複数の電子機器の制御が可能な複合型の構成とされている。すなわち、この例のリモートコマンダ80A、80B、80C、80Dは、各部屋の照明器具を遠隔制御するためのキーボタン、TVセットを遠隔制御するためのキーボタンなどを備えている。
【0253】
この第2の実施形態では、これらのリモートコマンダ80A、80B、80C、80Dは、個人カード10の装填部を備え、個人カード10が装填されたときにのみ、動作可能となるようにされている。
【0254】
[リモートコマンダの構成例]
図28および図29は、この第2の実施形態において、各部屋に設置されるリモートコマンダ80A、80B、80C、80Dの構成例を説明するための図である。この例のリモートコマンダ80A、80B、80C、80Dのそれぞれは、全く同様に構成されるので、以下の図28および図29の説明においては、リモートコマンダ80A、80B、80C、80Dのそれぞれをリモートコマンダ80として説明する。
【0255】
図28は、リモートコマンダ80の外観を説明するための図である。リモートコマンダ80は、例えば赤外線を用いるリモコン信号を発生するリモコン信号送信部81と、種々の情報を表示するためのLCD82と、使用者からの指示入力を受け付ける数字キーやファンクションキーなどの複数の操作キーからなる操作キー群83と、個人カード10が挿入されて装填されるカード装填部84とを備える。
【0256】
このカード装填部84の内部には、これに装填された個人カード10と通信して、個人カード10の制御用ICに対するデータの書き込み/読み出しを行なうリード/ライト部が設けられている。
【0257】
図29は、リモートコマンダ80の電気的構成を説明するためのブロック図である。この図29に示すように、リモートコマンダ80は、マイクロコンピュータを備える構成とされており、CPU801に対して、システムバス802を介して、ROM803、RAM804、LCDコントローラ805、インターフェース806,807および808、個人IDメモリ813が接続されている。
【0258】
そして、LCDコントローラ805には、LCD82が接続されており、CPU801によりLCDコントローラ805が制御されて、LCD82に操作状態や各種のガイダンスなどの情報を表示することができるようにされている。
【0259】
また、インターフェース806には、キー操作部810が、インターフェース807には、リード/ライト部811が、インターフェース808には、リモコン信号送信部812が、それぞれ接続されている。
【0260】
そして、キー操作部710を通じて入力された使用者からの操作指示入力は、インターフェース806を通じてCPU801に供給される。CPU801は、キー操作部810を通じた使用者からの指示入力に応じて、インターフェース808を通じてリモコン信号送信部812を制御し、使用者の操作入力に応じた赤外線のリモコン信号を、このリモコン信号送信部812から送信する。
【0261】
個人IDメモリ813には、当該リモートコマンダ80を利用する者の個人IDが登録されている。個人IDメモリ813に記憶されている個人IDは、リモートコマンダ80に装填された個人カードが、登録された個人IDの所有者であるかどうかを認証するために用いられる。
【0262】
図30は、この実施形態におけるリモートコマンダ80の動作を説明するためのフローチャートである。
【0263】
まず、CPU801は、個人カード10が装填されたか否か監視し(ステップS231)、個人カード10が装填されたと判別したときには、リード/ライト部811を通じて、装填された個人カード10から個人IDを読み出して、RAM804に保存すると共に、読み出した個人IDと、個人IDメモリ713に記憶されている個人IDとを比較して、リモートコマンダ80に装填された個人カードが登録された個人IDの所有者であるかどうかを認証する(ステップS232)。
【0264】
そして、認証がOKであるか否か判別し(ステップS233)、認証がOKでなければ、個人カード10を強制排出して(ステップS234)、図30の処理ルーチンを終了する。また、認証がOKであれば、リモートコマンダ80は、作動開始状態となり、ユーザによる操作キーの押下操作を受け付けることが可能な状態となる(ステップS235)。
【0265】
そして、CPU801は、操作キーの押下を監視し(ステップS236)、操作キーの押下を検出したときには、押下操作された操作キーに対応したリモコン信号を生成する(ステップS237)。そして、生成したリモコン信号に、RAM804に保存した個人IDを付加して、リモコン信号送信部812から電子機器に対して送出する(ステップS238)。
【0266】
次に、CPU801は、ユーザにより個人カード10の排出操作がなされて個人カード10がリモートコマンダ80の個人カード装填部84から排出されたか否か判別し(ステップS239)、排出されていなければ、ステップS236に戻って、次の操作キーの押下を監視する。また、個人カード10がリモートコマンダ80から排出されたと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
【0267】
なお、以上の説明では個人IDの認証は、リモートコマンダ80自身で行なうようにしたが、リモートコマンダ80が、個人カードが装填された直後に任意のキー操作がなされたとき、それを認証要求操作として個人IDと共に認証要求信号を電子機器に送り、電子機器が、さらに、その個人ID付きの認証要求信号に、機器IDを加えて監視制御装置3に転送することにより、監視制御装置3で認証を行なうようにすることもできる。
【0268】
その場合においては、監視制御装置3は、認証がNGであれば、認証要求信号に付加されている機器IDで識別される部屋の全ての電子機器に、受信したリモコン信号を無効とする制御信号を送り、リモートコマンダ80からのリモコン操作を実質的に不可とするようにする。
【0269】
また、個人IDの認証は、電子機器が行ない、認証がNGであれば、電子機器で、当該個人IDを送ってきたリモートコマンダからのリモコン信号を無効とするようにしてもよい。
【0270】
以上のようにしてリモートコマンダ80から送出されてくるリモコン信号を受信した電子機器のそれぞれは、リモートコマンダ80から受信した個人ID付きのリモコン信号に、さらに、各電子機器の識別情報(機器ID)を付加して、監視制御装置3に転送する。このとき、誰がどの部屋にいるかを認識するためだけであれば、電子機器は、監視制御装置3に対して、個人IDおよび機器IDのみを転送するようにしてもよい。
【0271】
監視制御装置3の制御対象電子機器情報メモリ121には、どの部屋にどの電子機器が配置されているかが、機器IDが用いられて記憶されている。前述したように、この第2の実施の形態においては、電子機器としては、TVセットやオーディオセットの他に、照明器具の点灯消灯制御器を含んでおり、それら電子機器と監視制御装置3とがLANにより接続されているのは、第1の実施形態と同様である。
【0272】
監視制御装置3は、各電子機器から転送されてきたリモコン信号に付加されている個人IDおよび機器IDを検知し、制御対象電子機器情報メモリ121を参照して、当該機器IDで識別される電子機器が存在する部屋に、当該個人IDで識別される人が存在していることを認識する。
【0273】
つまり、監視制御装置3は、各人の各部屋A,B,C,Dへの入退出を、電子機器から送られてくる個人IDおよび機器IDにより検出し、その検出結果に基づいて在室管理情報テーブルを作成する。
【0274】
この場合に、監視制御装置3は、個人IDおよび機器IDを受信したときに、それまでの在室管理情報テーブル中に、当該個人IDで識別される人の在室情報が無いと判別したときには、帰宅後、当該機器IDで識別される電子機器が存在する部屋に始めて入ったとして、当該個人IDで識別される人の在室情報を在室管理情報テーブルに記録するようにする。
【0275】
また、監視制御装置3は、受信した個人IDおよび機器IDにより、当該個人IDで識別される人が在室する部屋が、そのときの在室管理情報テーブルでの記録と異なっていたときには、当該個人IDで識別される人が部屋を移動したとして、現在の在室状況に合致するように在室管理情報テーブルを更新するようにする。
【0276】
以上のようにして、この第2の実施形態では、監視制御装置3は、ID送受信部6A,6B,6C,6Dからの個人IDを受信する代わりに、各部屋A,B,C,Dの各電子機器からの個人IDおよび機器IDを伴うリモコン信号を受信することにより、各部屋A,B,C,Dへの家族の各構成員の入退出および移動を認識し、在室管理情報テーブルを更新する。
【0277】
例えば、それまで誰もいなかった部屋に、家族の一人が入って、リモートコマンダ80に自分の個人カード10を装填し、例えば照明器具を点灯させる操作をすると、個人カード10から読み出された個人ID付きの照明器具点灯のリモコン信号が照明器具の点灯消灯制御器に与えられ、照明器具が点灯状態となる。このとき、照明器具の点灯消灯制御器は、前記個人IDおよび自機の機器IDを伴うリモコン信号を監視制御装置3に送る。
【0278】
監視制御装置3は、時計回路107から前記リモコン信号の取得時刻を認識すると共に、取得した機器IDから、いずれの部屋の照明器具の点灯消灯制御器からのリモコン信号であるかを認識する。さらに、取得した個人IDを用いて、在室管理情報テーブルを更新する。
【0279】
[第3の実施形態]
この第3の実施形態では、各部屋に配置される電子機器が、個人カード10の装填部を備え、その個人カード10が装填されたときに、各電子機器が動作可能となる場合である。そして、この第3の実施形態の場合には、個人カード10が電子機器に装填されたときに、当該電子機器は、装填された個人カードから読み出した個人IDを、当該電子機器の機器IDと共に、監視制御装置3に送るようにする。
【0280】
この第3の実施形態における監視制御装置3は、第2の実施形態の場合と同様に、制御対象電子機器情報メモリ121を備え、各部屋に、どの機器IDの電子機器が配置されているかの情報が記憶されている。したがって、この第3の実施の形態においても、監視制御装置3は、電子機器から送られてくる個人IDおよび機器IDにより、個人IDで識別される人がどの部屋に在室しているかを認識することができ、上述の第1の実施形態および第2の実施形態と同様の電子機器制御を行なうことができる。
【0281】
そして、この第3の実施形態では、リモートコマンダとして、個人カードを装填することにより、動作するものを用いる必要はないが、第2の実施形態と同様にして、電子機器から監視制御装置3にリモコン信号を個人IDおよび機器IDと共に送ることにより、前述した第2の実施形態と同様にして、リモコン操作についての制限制御を、監視制御装置3が上述の例と同様にして行なうことができる。
【0282】
[その他の実施形態]
以下の説明においては、部屋A、B、C、Dのそれぞれに配置される電子機器としては、TVセットやパーソナルコンピュータなどの場合について説明したが、制御対象となる電子機器としては、AV機器やパーソナルコンピュータなどの電子機器に限られるものではないことは言うまでもない。
【0283】
また、上述の第2の実施形態の例では、リモートコマンダ80は各部屋ごとに設けられたが、家族の各々が自分用のリモートコマンダを所有するようにし、使用時に、個人カードを自分用のリモートコマンダに差し込んで使用するように構成してもよい。
【0284】
また、以上の実施形態の説明においては、ホームネットワークシステムの場合を例にとったが、この発明は、ホームネットワークシステムに適用される場合に限られるものではない。例えば、職場の各部屋やスペースにおいて、当該部屋に入室あるいは当該スペースに現れた人が、例えばID送受信部に個人カードをかざすことにより個人IDを監視制御装置に送るようにすることにより、各人がどのスペースにいるかを管理するようにする場合にも適用可能である。
【0285】
なお、上述の実施形態では、外部からの入力データの例として、記録された伝言情報およびビジュアルコミュニケーション着信の場合について説明したが、外部からの入力データとしては、これに限らずに、個人識別情報により宛先が指定される情報であればどのようなものでも、この発明の対象となるものである。
【0286】
また、外部からの入力データは、画像情報のみであってもよいし、また、音声情報のみであってもよい。また、画像情報や音声情報にかぎらず、テキスト情報やその他のデータやプログラムであってもよい。
【0287】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、受信した情報の宛先受信者が存在する場所を検出し、その場所に配置されている電子機器に、受信した情報を送るようにすることにより、指定された相手に伝言を伝えたり、着信を転送したりすることが確実に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による通信システムの第1の実施形態を説明するための図である。
【図2】この発明による通信システムの第1の実施形態を説明するための図である。
【図3】実施形態の通信システムの監視制御装置の外観構成例を示す図である。
【図4】実施形態の通信システムの監視制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】図3の監視制御装置が備えるメモリに蓄えられる個人プロファイル情報の例を示す図である。
【図6】図3の監視制御装置が備えるメモリに蓄えられる在室管理情報テーブルの例を示す図である。
【図7】第1の実施形態の通信システムに用いられる個人カードを説明するための図である。
【図8】第1の実施形態の通信システムに用いられるID送受信部の構成例を示す図である。
【図9】第1の実施形態の通信システムに用いられるID送受信部の構成例を示す図である。
【図10】第1の実施形態の通信システムに用いられるドアロック装置の構成例を示す図である。
【図11】第1の実施形態の通信システムに用いられるドアロック装置の構成例を示す図である。
【図12】第1の実施形態の通信システムに用いられるドアロック装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図13】第1の実施形態の通信システムに用いられるドアロック装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図14】第1の実施形態の通信システムに用いられるドアロック装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図15】第1の実施形態の通信システムに用いられるドアロック装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図16】第1の実施形態の通信システムに用いられるドアロック装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図17】第1の実施形態の通信システムに用いられるドアロック装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図18】第1の実施形態の通信システムに用いられるID送受信部の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図19】第1の実施形態の通信システムに用いられる監視制御装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図20】第1の実施形態の通信システムに用いられる監視制御装置の動作を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図21】第1の実施形態の通信システムに用いられる監視制御装置の動作を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図22】第1の実施形態の通信システムに用いられる監視制御装置の動作を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図23】第1の実施形態の通信システムに用いられる監視制御装置の動作を説明するための図である。
【図24】第1の実施形態の通信システムに用いられる監視制御装置の動作を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図25】第2の実施形態の通信システムに用いられるリモートコマンダの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図26】第2の実施形態の通信システムに用いられるリモートコマンダの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図27】この発明による通信システムの第2の実施形態を説明するための図である。
【図28】第2の実施形態の通信システムに用いられるリモートコマンダの構成を説明するための図である。
【図29】第2の実施形態の通信システムに用いられるリモートコマンダの構成を説明するための図である。
【図30】第2の実施形態の通信システムに用いられるリモートコマンダの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D…TVセット、2B,2C…パーソナルコンピュータ、3…監視制御装置、4…ルータ、6A,6B,6C,6D…ID送受信部、10…個人カード

Claims (6)

  1. 1または複数の場所のそれぞれに配置された電子機器と、
    前記1または複数の場所のそれぞれに配置された電子機器と接続され、前記電子機器と通信可能な通信装置と、
    前記1または複数の場所のそれぞれに設けられ、それぞれの場所にいる人の個人識別情報を、前記通信装置に送信する個人識別情報送信手段と、
    を備え、
    前記通信装置は、
    前記電子機器と通信する通信部と、
    外部からの入力データを受信する受信手段と、
    前記入力データを受信させる宛先受信者の個人識別情報を検出する第1の検出手段と、
    前記1または複数の場所のそれぞれに設けられた前記個人識別情報送信手段からの前記個人識別情報を受信して検出すると共に、受信した前記個人識別情報が、どの場所からのものかを検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段において検出された前記宛先受信者の個人識別情報と、前記第2の検出手段において検出された前記個人識別情報とが一致したとき、前記第2の検出手段において検出された場所に配置されている電子機器に対して、前記受信手段で受信した前記入力データを前記通信部により送信するように制御する制御手段と、
    を備える通信システムにおいて、
    前記個人識別情報送信手段は、前記個人識別情報が記憶されたICカードと通信を行なって前記個人識別情報を前記ICカードから取得する受信手段と、前記受信手段により取得した前記個人識別情報を前記通信装置に送信する送信手段を備えるものであって、
    前記個人識別情報送信手段の前記受信手段は、前記電子機器のリモコン送信機に設けられ、
    前記個人識別情報送信手段の前記送信手段は、リモコン送信機が、リモコン信号に前記個人識別情報を含めて送信する手段と、前記電子機器が、前記リモコン送信機から受信した前記個人識別情報を前記通信装置に転送する手段とを含む
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 請求項に記載の通信システムにおいて、
    前記通信装置の前記制御手段は、前記第1の検出手段において検出された前記個人識別情報と一致する個人識別情報が前記第2の検出手段において検出されないときに、前記受信手段で受信した前記入力データを記憶手段に一時記憶する
    ことを特徴とする通信システム。
  3. 請求項に記載の通信システムにおいて、
    前記通信装置の前記制御手段は、前記第1の検出手段において検出された前記宛先受信者の個人識別情報と、前記第2の検出手段において検出された前記個人識別情報とが一致しないとき、他の個人識別情報に対応する前記宛先受信者以外の者の居場所に配置されている電子機器に対して、前記受信手段で受信した前記入力データを前記通信部により送信するように制御する
    ことを特徴とする通信システム。
  4. 請求項に記載の通信システムにおいて、
    前記入力データは、画像データである
    ことを特徴とする通信システム。
  5. 請求項に記載の通信システムにおいて、
    前記入力データは、オーディオデータである
    ことを特徴とする通信システム。
  6. 1または複数の場所のそれぞれに配置された電子機器と、
    前記1または複数の場所のそれぞれに配置された電子機器と接続され、前記電子機器と通信可能な通信装置と、
    前記電子機器を遠隔操作する機能を備えると共に、前記個人識別情報が記憶されたICカードと通信を行なって前記個人識別情報を前記ICカードから取得する機能を備えるリモコン送信機と、
    を備える通信システムにおける通信方法であって、
    前記リモコン送信機は、
    前記ICカードから取得した前記個人識別情報をリモコン信号に含めて前記電子機器に送信する送信工程を有し、
    前記電子機器は、前記リモコン送信機から受信した前記個人識別情報を前記通信装置に転送する工程を有し、
    前記通信装置は、
    通信部により前記電子機器と通信し、前記個人識別情報を取得する通信工程と、
    外部からの入力データを受信する受信工程と、
    前記入力データを受信させる宛先受信者の個人識別情報を検出する第1の検出工程と、
    前記通信工程で取得した前記個人識別情報が、どの電子機器からのものかを検出する第2の検出工程と、
    前記第1の検出工程において検出された前記宛先受信者の個人識別情報と、前記第2の検出工程において検出された前記個人識別情報とが一致したとき、前記第2の検出工程において検出された電子機器に対して、前記受信工程で受信した前記入力データを前記通信部により送信するように制御する制御工程と、
    を有する
    ことを特徴とする通信方法。
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