JP4134802B2 - 真空冷却方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、食品や野菜等を冷却するとき、処理槽内を真空にすることにより冷却を行う真空冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品等の安全性および衛生面への配慮から、調理した食品等の温度を素早く低下させることが要求されるようになった。これらの食品等を冷却する方法の一つに、真空冷却する方法がある。この真空冷却方法は、冷却処理される食品等のそのもの自体に含まれている水分や調理品に含まれている水分の気化熱を奪うことにより、前記食品等自体を冷却するものである。すなわち、この真空冷却方法での運転は、冷却処理される前記食品等を処理槽へ収容し、前記処理槽内を真空ポンプ等を用いて減圧することにより行われる。この減圧により、前記水分を気化させ、その気化熱で前記食品等を冷却する。この冷却処理が終了すると、前記処理槽内を大気圧まで戻し、冷却処理された食品等を取り出す。
【0003】
このような真空冷却方法では、水分を前記食品等そのものから気化させるため、急激に減圧すると、前記食品等の内部で突沸が発生すること等により、前記処理槽内に前記食品等の一部が飛散して付着したり、処理量が著しく減少することがある。とくに、水分の多い汁物等の冷却の場合、突沸による汁の飛散が顕著に発生する。また、前記食品等の急激な減圧により、前記食品等の内部に気泡が発生し、商品価値が失われることがある。従来の真空冷却方法では、タイマー制御による除冷工程を設けているが、この制御では前記食品等の量などにより、冷却速度にバラツキが生じ、冷却された前記食品等の品質も安定せず、冷却できる食品や食材は限定されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、多品種の被冷却物の冷却特性および冷却負荷量にそれぞれ応じた最適な冷却を行い、品質の安定した冷却作業を行うことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、処理槽内を減圧して被冷却物冷却する真空冷却方法において、前記被冷却物2の温度変化量および/または前記処理槽内の圧力変化量を測定し、この測定結果に基づいて、あらかじめ設定した前記処理槽内を減圧する複数の圧力制御パターンから圧力制御パターンを選択し、前記処理槽内の圧力が選択された制御パターンの圧力となるように、前記処理槽内の圧力を制御することを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記被冷却物2の温度変化量および/または前記処理槽3内の圧力変化量の測定結果に基づく圧力制御パターンの選択を時間間隔を置いて複数回行うことをことを特徴としている。
【0007】
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明は、食品や野菜等(以下、「被冷却物」と云う)を冷却するとき、処理槽内を真空にすることにより、冷却を行う真空冷却方法において実施することができる。この発明における真空冷却方法は、含まれる水分が多い前記被冷却物などに好適に実施することができる。
【0009】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。前記実施の形態1は、処理槽内を減圧して被冷却物を冷却する真空冷却方法において、前記被冷却物の温度変化および/または前記処理槽内の圧力変化に基づいて、前記処理槽内の圧力を制御することを特徴とする。
【0010】
この実施の形態1においては、前記被冷却物を前記処理槽内に収納して冷却工程を開始する。この冷却工程の初めの段階,すなわち標準的な速度として設定された減圧速度で冷却する段階において、前記被冷却物の温度変化を測定する。この場合、測定開始から所定の経過時間での温度低下の度合い,すなわち温度変化量を測定する。前記温度変化は、温度勾配ということもできる。
【0011】
そして、この測定した温度変化量が大きいときは、突沸が起こりやすいので、前記処理槽内の減圧速度を前記標準的減圧速度より遅くして突沸を防止する。また、前記温度変化量が小さいときは、前記処理槽内の減圧速度を突沸しない程度に前記標準的減圧速度より早くして冷却時間を短縮する。すなわち、前記被冷却物の温度変化に基づいて、前記処理槽内の減圧速度を調節する。
【0012】
ここにおいて、前記冷却工程の初めの段階において前記温度変化量を測定することについて詳細に説明する。この場合における初めの段階の測定とは、冷却工程の開始直後から測定するか、あるいは冷却工程開始直後から所定時間経過した冷却工程中において前記温度変化量を測定することである。そして、この測定結果を前記測定終了後の冷却工程に反映させるようにしている。
【0013】
ここでは、前記被冷却物の温度変化に基づいて前記冷却工程を行うときについて説明したが、さらに前記被冷却物の温度変化に代えて、前記処理槽内の圧力変化に基づいても同様に行うことができる。すなわち、前記処理槽内に載置した前記被冷却物の温度変化量と、前記処理槽内の圧力変化量とは相関関係にあるので、相互に変換することができるからである。したがって、後述する実施の形態についても同様であるので、以下の説明においては、前記被冷却物の温度変化に基づいて説明し、前記処理槽内の圧力変化に基づいての具体的な説明は省略する。前記圧力変化は、圧力勾配ということもできる。
【0014】
また、前記被冷却物の温度変化および圧力変化に基づいて前記冷却工程を行うのは、変化をより確実に検出するために、一方の変化の検出に異常が認められる場合に、他方の検出に切り替える真空冷却方法に適用される。
【0015】
この発明は、前記実施の形態1に限定されるものではなく、つぎの実施の形態2〜実施の形態8を含む。
【0016】
(実施の形態2)
処理槽内を減圧して被冷却物を冷却する真空冷却方法において、前記被冷却物の温度変化および/または前記処理槽3内の圧力変化に基づいて前記被冷却物の冷却負荷量を判定し、この判定結果により前記処理槽内の圧力を制御することを特徴とする真空冷却方法。
【0017】
この実施の形態2においては、まず、前記第一の実施の形態と同様、前記被冷却物の温度変化(または圧力変化)量を測定する。つぎに、この測定結果に基づいて、前記被冷却物の冷却負荷量を判定する。具体的に説明すると、前記冷却負荷量は、好ましくは、前記被冷却物の水分相当重量,比熱,水分が蒸発する面積(いわゆる表面積)に応じて変動するものとするが、実施に応じては、前記被冷却物の量だけとすることができる。そして、前記冷却負荷量は、前記被冷却物の温度変化量に相関するので、前記冷却負荷量をこの温度変化量に応じて複数段階に区分する。前記冷却負荷量の判定は、前記温度変化量が、前記複数段階のどの区分に該当するかを判定することである。
【0018】
そして、この冷却負荷量が小さい区分であると判定したときは、突沸が起こりやすいので、前記処理槽内の減圧速度を前記標準的減圧速度より遅くして突沸を防止する。また、前記冷却負荷量が大きい区分であると判定したときは、前記処理槽内の減圧速度を突沸しない程度に早くして冷却時間を短縮する。すなわち、前記被冷却物の冷却負荷量を判定し、この判定結果に基づいて、前記処理槽内の減圧速度を調節して前記処理槽内の圧力を制御する。
【0019】
(実施の形態3)
処理槽内を減圧して被冷却物を冷却する真空冷却方法において、前記被冷却物の温度変化および/または前記処理槽内の圧力変化に基づいて前記被冷却物の特性および冷却負荷量を判定し、この判定結果により前記処理槽内の圧力を制御することを特徴とする真空冷却方法。
【0020】
この実施の形態3においては、前記被冷却物の温度変化および/または前記処理槽3内の圧力変化に基づいて、前記被冷却物の冷却負荷量だけでなく、前記被冷却物の特性をも推定する。前記被冷却物の特性とは、前記被冷却物の粘度,突沸の起こり易さなどを含む。前記被冷却物の温度変化および/または前記処理槽3内の圧力変化と前記被冷却物の特性および冷却負荷量との関係は、予め実験にて求めておく。
【0021】
(実施の形態4)
処理槽内を減圧して被冷却物を冷却する真空冷却方法において、前記被冷却物の温度変
化および/または前記処理槽内の圧力変化に基づいてあらかじめ設定した前記処理槽内を減圧する複数の圧力制御パターンから圧力制御パターンを選択し、前記処理槽内の圧力が選択された制御パターンの圧力となるように、前記処理槽内の圧力を制御することを特徴とする真空冷却方法。
【0022】
この実施の形態4においては、前記実施の形態1に加えて、前記処理槽内を減圧する複数の圧力制御パターンをあらかじめ設定しておく。この複数の圧力制御パターンは、たとえば5つの減圧パターンとして記憶させておく。前記各減圧パターンは、それぞれ単位時間当たりの減圧度合いを変化させたものである。
【0023】
具体的に説明すると、前記温度変化を所定時間測定するステップと、測定した温度変化量に基づいて前記冷却負荷量を数段階に区分するステップと、この各区分に対応する最適制御パターンを前記各減圧パターンの中から選択するステップと、前記選択した減圧パターンにより前記処理槽内を減圧するステップとを含む真空冷却方法である。すなわち、前記被冷却物の温度変化に基づいて、前記被冷却物の冷却負荷量を判定し、この判定結果と、あらかじめ設定した前記複数の圧力制御パターンとに基づいて、前記処理槽内の減圧速度を調節する。
【0024】
ここにおいて、前記被冷却物の種類ごとにより細かく対応するために、前記被冷却物の種類ごとにそれぞれ特有のパターン,たとえば3つの減圧パターンをさらに記憶させておき、前記5つの温度変化による減圧パターンと、前記3つの被冷却物の種類により設定した減圧パターンとを組み合せて合計15種類の圧力制御パターンをあらかじめ設定しておくことも好適である。この場合、前記3つの被冷却物の種類による減圧パターンの選択は、前記被冷却物の種類に合わせて手動で選択することができる。
【0025】
この実施の形態4においても、前記実施の形態3と同様に、前記被冷却物の温度変化および/または前記処理槽3内の圧力変化に基づいて、前記被冷却物の負荷量だけでなく、前記被冷却物の特性をも推定するように構成することができる。
【0026】
具体的には、前記温度変化を所定時間測定するステップと、測定した温度変化量に基づいて前記冷却負荷量および前記特性を数段階に区分するステップと、この各区分に対応する最適制御パターンを前記各減圧パターンの中から選択するステップと、前記選択した減圧パターンにより前記処理槽内を減圧するステップとを含む。すなわち、前記被冷却物の温度変化に基づいて、前記被冷却物の特性および冷却負荷量を判定し、この判定結果と、あらかじめ設定した前記複数の圧力制御パターンとに基づいて、前記処理槽内の減圧速度を調節する。
【0027】
(実施の形態5)
前記実施の形態4において、前記減圧速度の制御を前記処前記被冷却物の温度変化および/または前記処理槽内の圧力変化に基づく圧力制御パターンの選択を時間間隔を置いて複数回行うことを特徴とする真空冷却方法。
【0028】
この実施の形態5によれば、前記4つのステップを適宜複数回行う,換言すれば、前記被冷却物の温度変化および/または前記冷却槽内の圧力変化の判定と圧力制御パターンの選択を複数回行うので、1回の圧力制御パターンの選択しか行わないものと比較して、より前記被冷却物の冷却負荷量に応じた、また前記被冷却物の特性および冷却負荷量に応じた減圧速度の制御を行うことができ、安定した品質の冷却作業を行うことができる。
【0029】
(実施の形態6)
前記実施の形態1〜前記実施の形態5において、前記減圧速度の制御を前記処理槽内へ
の大気導入量を制御することにより行う真空冷却方法。
【0030】
実施の形態6においては、前記処理槽内の減圧に際して、前記減圧手段の作動と連携して大気を前記処理槽内へ導入して減圧速度を最適に制御する。
【0031】
(実施の形態7)
前記実施の形態1〜前記実施の形態5において、前記減圧速度の制御を減圧手段の入口側への大気導入量を制御することにより行う真空冷却方法。
【0032】
この実施の形態7においては、大気の導入を前記処理槽へ導入するのではなく、減圧手段の入口側へ導入することにより減圧速度を調節するものである。前記処理槽内の減圧に際して、前記減圧手段の作動と連携して大気を前記入口側へ導入して減圧速度を最適に制御する。
【0033】
(実施の形態8)
前記実施の形態1〜前記実施の形態7おいて、前記処理槽内を復圧する圧力制御パターンを前記被冷却物の特性に応じて、あらかじめ設定することを特徴とする真空冷却方法。
【0034】
この実施の形態8においては、徐々に前記処理槽内の圧力を真空状態から大気圧状態へ戻す工程においても、あらかじめ設定した復圧するときの圧力制御パターンに基づいて復圧することにより、前記被冷却物の食感や形状の変化を抑制することができる。
【0035】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明を適用する第一実施例の真空冷却装置を説明する概略的な説明図である。
【0036】
図1において、真空冷却装置1は、冷却される食品等2(以下、「被冷却物2」と云う。)を収容する処理槽3と、この処理槽3を気密に閉鎖する扉(図示省略)と、前記処理槽3内を減圧するための減圧手段である真空ポンプ4と、前記処理槽3内の圧力を検出する圧力センサ5と、前記被冷却物2の温度を検出する温度センサ6と、大気を前記処理槽3内へ導入する大気導入手段である電磁弁7と、運転を制御する制御器8とを備えている。
【0037】
前記被冷却物2は、水分を多く含んだ食品,たとえばカレーであり、多数の容器(符号省略)に入れられ、前記処理槽3内において、複数段の棚9,9,…に載置されている。
【0038】
前記真空ポンプ4は、前記処理槽3と真空吸引ライン10を介して接続されており、前記真空吸引ライン10には、エジェクタ11,コンデンサ12および逆止弁13がそれぞれ設けられている。前記エジェクタ11は、前記真空ポンプ4の上流側で前記処理槽3内を減圧する機能を備えている。すなわち、前記真空吸引ライン10には、2段の減圧手段が設けられている。前記コンデンサ12は、前記エジェクタ11の下流側で前記真空ポンプ4が吸引する気体を冷却する機能を備えている。
【0039】
前記圧力センサ5は、前記処理槽3内の圧力を検出し、その圧力信号を前記制御器8へ出力する。また、前記温度センサ6は、前記被冷却物2の温度を検出し、その温度信号を前記制御器8へ出力する。そして、前記温度センサ6の先端部(符号省略)は、前記被冷却物2のうちの1つの中へ差し込むようにしている。
【0040】
前記電磁弁7は、前記処理槽3と接続されている空気配管14に設けられている。前記電磁弁7は、前記制御器8の出力信号により、大気の導入量を調節する機能を備えている
。そして、この空気配管14の先端には、前記処理槽3内へ導入する空気を清浄にするためのエアフィルター15が設けられている。
【0041】
前記制御器8は、前記真空ポンプ4,前記圧力センサ5,前記温度センサ6および前記電磁弁7と回線16,16,…を介してそれぞれ接続されている。前記制御器8は、前記真空冷却装置1の運転を制御するとともに、前記温度センサ6の出力信号を演算処理して温度変化量を判定する判定部(図示省略)と、複数の圧力制御パターンを記憶するメモリ部(図示省略)とを内蔵している。そして、前記制御器8は、前記真空ポンプ4の作動および前記電磁弁7の開閉作動を制御するように構成されている。また、前記制御器8は、前記エジェクタ11および前記コンデンサ12への作動流体(図示省略)の供給の制御もそれぞれ行う構成としている。
【0042】
ここにおいて、前記制御器8には、前記被冷却物2の前記冷却負荷量に応じて、前記被冷却物2が突沸しないようにして冷却するため、複数の圧力制御パターンを前記メモリ部内に組み込んでいる。この第一実施例では、後述する5パターンを組み込んでいる。
【0043】
前記構成の真空冷却装置1を用いたときの第一実施例としての真空冷却方法について、図1および図2に基づいて説明する。図2は、前記処理槽3内の前記被冷却物2の温度と時間経過を説明するグラフである。
【0044】
図2のグラフに基づいて、前記複数の圧力制御パターンについて説明する。図2の縦軸は、前記被冷却物2の温度を示し、また横軸は、冷却工程の時間経過を示している。前記メモリ部には、A,B,C,D,Eの符号をつけて示す5つの基本的な制御パターンが組み込まれている。前記Aパターンは、標準的な速度として設定された減圧速度で冷却するパターン(図2の符号Aの実線で示す。)である。前記Bパターンは、前記Aパターンより緩やかな減圧速度で冷却するパターン(図2の符号Bの一点鎖線で示す。)である。前記Cパターンは、前記Bパターンよりさらに緩やかな減圧速度で冷却するパターン(図2の符号Cの一点鎖線で示す。)である。前記Dパターンは、前記Cパターンよりさらに緩やかな減圧速度で冷却するパターン(図2の符号Dの一点鎖線で示す。)である。そして、前記Eパターンは、前記Aパターンより早い減圧速度で冷却するパターン(図2の符号Eの一点鎖線で示す。)である。
【0045】
つぎに、前記制御器8内において、前記冷却負荷量を5段階に区分して、それぞれの区分ごとに前記5つのパターンと対応させる。具体的に説明すると、前記温度変化量を5つに区分し、たとえばこの区分を以下のように対応させておく。まず、前記標準的な減圧速度(Aパターン)に対応させる所定時間に対する温度変化の範囲を1℃から2℃未満の温度変化の場合に対応させておく。つぎに、前記Bパターンに対応させる温度変化の範囲を2℃から5℃未満の温度変化の場合に対応させておく。つぎに、前記Cパターンに対応させる温度変化の範囲を5℃から8℃未満の温度変化の場合に対応させておく。つぎに、前記Dパターンに対応させる温度変化の範囲を8℃以上の温度変化の場合に対応させておく。さらに、前記Eパターンに対応させる温度変化の範囲を1℃未満の温度変化の場合に対応させておく。
【0046】
つぎに、前記被冷却物2の温度変化量の測定について説明する。前記被冷却物2を前記処理槽3内に収納して冷却工程を開始する。すなわち、前記制御器8にあらかじめプログラムしている手順で冷却作業を開始する。この第一実施例では、冷却工程開始から冷却工程が安定するまでの時間(図2の符号Fで示す時間)を経過してから測定を開始する。この測定開始時の前記被冷却物2の温度(図2に示す温度G)と、所定の測定時間Hが経過したときの前記被冷却物2の温度(図2に示す温度J)とにより、すなわち前記測定開始時温度Gから前記測定時間経過時温度Jを差し引いた温度変化量Kを測定する。
【0047】
そして、前記温度変化量Kが前記温度変化の区分のいずれに対応するかを前記制御器8により判定する。つぎに、この判定結果により、たとえば前記温度変化が8℃以上であったときは、前記処理槽3内の減圧速度が前記Dパターンになるように、前記真空ポンプ4および前記電磁弁7を作動させる。
【0048】
以上のように、この測定した温度変化量Kが大きいときは、突沸が起こりやすいので、前記処理槽3内の減圧速度を前記標準的減圧速度(前記Aパターン)より遅くした速度(前記Bパターンから前記Dパターンの中から選択)にして突沸を防止する。また、前記温度変化量Kが小さいときは、前記処理槽3内の減圧速度を突沸しない程度に前記標準的減圧速度より早くした速度(前記Eパターン)として冷却時間を短縮する。
【0049】
ここにおいて、前記温度変化量の測定に代えて、前記圧力センサ5からの圧力信号に基づいて圧力変化量を測定して制御することも、実施に応じて好適である。具体的に説明すると、前記被冷却物2の温度が測定できないとき、前記制御器8において、前記処理槽3内の圧力変化量を前記温度変化量へ換算し、前記各パターンへ対応させる制御である。
【0050】
つぎに、前記冷却工程の初めの段階において、前記温度変化量を測定する変形例について説明する。図2に示す例は、冷却工程開始から所定時間F経過後に測定を開始したが、図3に示す変形例は、以下に説明する特定の制御状態の開始時点のときから測定を開始するものである。図3は、この変形例における温度と時間経過を説明するグラフである。図2における制御パターンと同じ制御パターンは、同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
【0051】
前記特定の制御状態の開始時点について詳細に説明する。前記冷却工程を開始した後、前記エジェクタ11を作動させることがある。このエジェクタ11は、前記真空ポンプ4の上流側において、前記処理槽3内をより真空にする機能を備えている。すなわち、より低い温度まで早く前記被冷却物2を冷却させようとするものである。そこで、前記エジェクタ11の作動後の減圧速度の制御は、突沸が生じ易くなるので、より木目細かい制御とする。
【0052】
図3において、冷却工程の開始からある時間(図3の符号Lで示す時間)を経過したときに前記エジェクタ11が作動すると、前記制御器8は、このときの前記被冷却物2の温度(図3に示す温度M)と、前記測定時間H後の温度(図3に示す温度N)との差,すなわち温度変化量Pを測定する。そして、図2での区分と同様に、それ以降の最適な減圧パターンを前記Aパターンから前記Eパターンの中から選択して前記処理槽3内の減圧を行う。すなわち、前記温度変化量Pの測定結果から判定し、判定結果をこの測定終了後の冷却工程に反映させる。
【0053】
ここにおいて、前記木目細かい制御とは、前記エジェクタ11を作動させるとき、前記電磁弁7の初期開度を大きくし、多量の空気を前記処理槽3内へ導入することであり、急激に前記処理槽内3が減圧されないように制御することである。具体的に説明すると、前記電磁弁7の開閉タイミング(開時間と閉時間との割合)を変化させて制御する。また、前記木目細かい制御の変形例として、前記エジェクタ11の作動開始時は、前記電磁弁7の初期開度の調節に代えて、前記エジェクタ11へ導入する作動流体の導入量を少なくするように制御すると、同様に木目細かく制御することができる。
【0054】
つぎに、第二実施例について図4に基づいて説明する。図4は、この発明を適用する第二実施例の真空冷却装置を説明する概略的な説明図である。この第二実施例は、前記第一実施例の変形例であり、前記第一実施例と同じ構成のものは同じ符号とし、その詳細な説
明は省略する。
【0055】
この第二実施例は、大気の導入を前記処理槽3へ導入するのではなく、前記真空ポンプ4の入口側17へ導入することにより、減圧速度を調節するものである。すなわち、前記逆止弁13の下流側において、前記空気配管14が前記入口側17と接続されている。
【0056】
そこで、この第二実施例の作用について説明する。まず、前記被冷却物2を前記処理槽3内に収納して冷却工程を開始する。つぎに、前記第一実施例と同様に、前記温度変化量Kあるいは前記温度変化量Pを測定して前記区分のいずれに対応するかを判定する。
【0057】
つぎに、前記温度変化量Kあるいは前記温度変化量Pに対応する前記各制御パターンA,B,C,D,Eの中から選択したパターンとなるように、前記入口側17への大気導入量を制御して,すなわち前記電磁弁7の開閉を制御して、前記被冷却物2の突沸を防止する。
【0058】
したがって、前記被冷却物2の温度変化に応じて、あらかじめ設定した前記各圧力制御パターンA,B,C,D,Eのいずれかに基づいて冷却するので、前記被冷却物2が突沸したり、前記被冷却物2の内部に気泡が発生することがなくなり、商品価値が失われることもない。また、前記第一実施例と同様、前記被冷却物2の温度変化に代えて、前記処理槽3内の圧力変化に基づいて制御することもできる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、多品種の被冷却物の冷却負荷量,または被冷却物の特性および冷却負荷量にそれぞれ応じた最適な冷却を行い、品質の安定した冷却作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を適用する第一実施例の真空冷却装置を説明する概略的な説明図である。
【図2】 第一実施例における被冷却物の温度と時間経過を説明するグラフである。
【図3】 第一実施例の変形例における被冷却物の温度と時間経過を説明するグラフである。
【図4】 この発明を適用する第二実施例における真空冷却装置の概略的な説明図である。
【符号の説明】
2 被冷却物(食品等)
3 処理槽
4 真空ポンプ(減圧手段)
17 入口側

Claims (2)

  1. 処理槽3内を減圧して被冷却物2を冷却する真空冷却方法において、前記被冷却物2の温度変化量および/または前記処理槽3内の圧力変化量を測定し、この測定結果に基づいて、あらかじめ設定した前記処理槽3内を減圧する複数の圧力制御パターンから圧力制御パターンを選択し、前記処理槽3内の圧力が選択された制御パターンの圧力となるように、前記処理槽3内の圧力を制御することを特徴とする真空冷却方法。
  2. 前記被冷却物2の温度変化量および/または前記処理槽3内の圧力変化量の測定結果に基づく圧力制御パターンの選択を時間間隔を置いて複数回行うことを特徴とする請求項1に記載の真空冷却方法。
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