JP2004218957A - 真空冷却方法 - Google Patents

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Tetsushi Nakai
哲志 中井
Hideki Higashiura
秀樹 東浦
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Abstract

【課題】突沸やそれに伴なう飛散防止、あるいは型くずれを防止し、被冷却物に合った適切な冷却が行えるようにする。
【解決手段】処理槽3内の圧力が所定保持圧力となるように処理槽3内の減圧を行う第一圧力保持工程と、処理槽3の圧力が前記所定保持圧力から所定値だけ低減した所定保持圧力となるように処理槽3内の減圧を行う第二圧力保持工程と、 第二圧力保持工程前に設けられ、被冷却物2の温度が前記所定保持圧力に対応する飽和温度に近づいたとの判定基準を満たしたとき第二圧力保持工程における低減時期と判定する低減時期判定工程とを含み、 低減時期判定工程および第二圧力保持工程を繰り返して行うことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、食品や野菜などを冷却するとき、処理槽内を真空にすることにより冷却を行う真空冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品などの安全性および衛生面への配慮から、調理した食品などの温度を素速く低下させることが要求されるようになった。これらの食品など(以下、「被冷却物」と云う)を冷却する方法の一つに、真空冷却する方法がある。
【0003】
このような真空冷却方法では、水分を前記被冷却物そのものから気化させるため、急激に減圧すると、前記被冷却物の内部で沸騰が発生すること等により、前記処理槽内に前記被冷却物の一部が飛散したり、型くずれを起こすことがある。一方、ゆっくりと真空冷却すれば、沸騰などは生じないが、冷却時間が長くなり、真空冷却機の運転効率が悪くなる。すなわち、真空冷却方法においては、沸騰防止と冷却時間の短縮という相反する課題がある。
【0004】
こうした課題を解決するために、出願人は、前記被冷却物毎に事前に検討した減圧特性曲線をプログラミングにより制御器に格納し、処理槽内の圧力を検出して、前記減圧特性曲線にそった減圧制御を行うことを提案している(特願2002−42412)。
【0005】
この方法は、前記被冷却物の沸騰を防止する技術として有効である。しかしながら、前記制御器に格納した前記減圧特性曲線に対応する前記被冷却物以外の被冷却物に対しては効果的でなく、数多くの前記被冷却物について沸騰を防止することはできないという課題がある。
【0006】
また、前記被冷却物の沸騰を防止する技術として、処理槽内の圧力を検出するとともに、前記被冷却物の温度(以下、「品温」と云う)を検出して、前記処理層内を前記被冷却物の飽和圧力に制御する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−27307号公報(第3頁,図1)
【0008】
前記特許文献1に記載の従来技術によれば、予め設定された被冷却物の温度値における飽和圧力に制御するものであるために、適切な冷却速度とすることができず、冷却時間が長くなるという課題がある。その結果、前記従来技術は、相反する真空冷却方法の課題である沸騰防止と冷却時間の短縮の解決において十分なものとはいえないものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、突沸やそれに伴なう飛散防止、あるいは型くずれを防止し、被冷却物に合った適切な冷却が行えるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、処理槽内を減圧して被冷却物を冷却する真空冷却方法であって、前記処理槽内の圧力が所定保持圧力となるように前記処理槽内の減圧を行う第一圧力保持工程と、前記処理槽の圧力が前記所定保持圧力から所定値だけ低減した所定保持圧力となるように前記処理槽内の減圧を行う第二圧力保持工程と、前記第二圧力保持工程前に設けられ、前記被冷却物の温度が前記所定保持圧力に対応する飽和温度に近づいたとの判定基準を満たしたとき前記第二圧力保持工程における低減時期であると判定する低減時期判定工程とを含み、前記低減時期判定工程および前記第二圧力保持工程を繰り返して行うことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記判定基準が、前記被冷却物の温度の時間変化が基準値以下となったときであることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記判定基準が、前記被冷却物の温度の時間変化が基準値以下となったとき、前記処理槽内の圧力を検出し、前記被冷却物の温度が検出圧力に等しい飽和温度と等しいかまたは小さくなったときであることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3において、前記所定値を調整可能としたことを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3において、前記判定基準が満たされたとき、前記処理槽内の圧力を検出し、前記被冷却物の温度と検出圧力に等しい飽和温度との差に応じて前記所定値を調整することを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項3において、前記判定基準が満たされたとき、前記処理槽内の圧力を検出し、その検出圧力に応じて前記所定値を調整することを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項3において、前記所定値を予め定めた固定値としたことを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記基準値を調整可能としたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明は、食品等(以下、「被冷却物」と云う)を冷却するとき、処理槽内を真空にすることにより、冷却を行う真空冷却機を用いた真空冷却方法において実施することができる。
【0019】
(実施の形態1)
この発明の実施の形態は、処理槽内を減圧して被冷却物を冷却する真空冷却方法であって、前記処理槽内の圧力が所定保持圧力となるように前記処理槽内の減圧を行い、前記被冷却物の温度(以下、「品温」と云う)が前記所定保持圧力に等しい飽和温度にほぼ近づいたかどうかを判定し、前記処理槽の圧力が前記所定保持圧力から所定値低減した所定保持圧力となるように前記処理槽内の減圧を行い、前記判定と前記所定保持圧力の低減による減圧とを繰り返して行うことを特徴とする真空冷却方法である。
【0020】
この実施形態においては、前記処理槽内の減圧を開始すると、前記処理槽内の圧力は、外気を導入(リーク)させながら、始めは大きい勾配にて下がり、時間の経過とともに前記勾配が小さくなり、最終的には前記所定保持圧力に到達する。こうして、前記処理槽内の圧力を前記所定保持圧力に保持する(第一圧力保持工程)。この前記所定保持圧力保持により、品温は、前記所定保持圧力に等しい前記処理槽内の飽和温度まで低下する。そして、品温が前記飽和温度にほぼ近づいたかどうかの判定基準を満たしたと判定する(低減時期判定工程)と、前記所定保持圧力を少量の所定値だけ低減し(保持圧力低減工程)、前記処理槽内の圧力を低減された所定保持圧力となるように減圧を行う(第二圧力保持工程)。前記第二圧力保持工程は、前記保持圧力低減工程を含む。
【0021】
こうして、この実施の形態においては、前記第一圧力保持工程の後、前記低減時期(タイミング)判定工程および前記第二圧力保持工程(前記保持圧力低減工程を含む)を繰り返すことにより、前記被冷却物の温度と前記処理槽内の飽和温度との差が一定温度範囲以下となるように冷却するものである。前記処理槽の飽和温度とは、前記処理槽の圧力に対応する被冷却物の飽和温度である。
【0022】
前記において、品温が前記所定保持圧力に等しい「前記飽和温度に近づく」とは、品温が前記飽和温度よりやや高い値となる場合、品温が前記飽和温度と等しい値となる場合、品温が前記飽和温度よりやや低い値となる場合を含む。
【0023】
前記低減時期判定工程は、好ましくは、品温の時間変化が基準値以下となったことにより前記判定基準を満たしたと判定するように構成する。この判定工程においては、品温の時間的変化が少なくなると品温が前記度飽和温度にほぼ近づいたと判定し、この状態において、品温の時間的変化が前記基準値以下かどうかを判定する。この低減時期判定工程は、品温時間変化判定工程と称することができる。
【0024】
前記品温時間変化判定工程をさらに具体的に説明すると、冷却運転により品温が低下するのを品温の温度変化/時間(ΔT/Δt)の変化として捉えて、前記温度変化/時間(以下、「品温の時間変化」と云う)が前記基準値(ΔT1/Δt1)に達したことにより、前記判定基準を満たしたと判定する。前記基準値に到達したとの判定は、前記処理槽内の飽和温度と品温との差が減少して、品温が前記飽和温度に近づいたことの判定を意味する。
【0025】
前記基準値(ΔT1/Δt1)は、好ましくは、その値を調整可能とし、さらに好ましくは、前記時間(Δt1)を一定時間として、前記温度差(ΔT1)のみを可変とする。実施に応じて、前記ΔT1および前記Δt1の両方を調整可能とすることもできる。
【0026】
また、前記低減時期判定工程は、前記品温時間変化判定工程に限定されるものではなく、品温の時間的変化が前記基準値以下となったとき、前記処理槽内の圧力を検出し、品温が検出圧力に等しい飽和温度に近づいたことにより、前記保持圧力低減工程における低減時期であると判定するように構成することができる。
【0027】
また、この第二の形態において、「飽和温度に近づいた」とは、品温が前記飽和温度よりやや高い値となる場合、品温が前記飽和温度と等しい値となる場合、品温が前記飽和温度よりやや低い値となる場合を含む。
【0028】
そして、品温が前記飽和温度よりやや低い値となったときに、前記判定基準を満たした,すなわち低減時期と判定するように構成することにより、品温が過冷却状態となり、前記保持圧力低減工程により、大きく圧力が低下しても沸騰を防止できる。
【0029】
さらに、前記低減時期判定工程は、減圧開始から所定時間が経過したことにより前記判定基準を満たしたと判定するように構成することができる。
【0030】
前記第一圧力保持工程および前記第二圧力保持工程による前記処理槽内の圧力一定保持は、好ましくは、つぎのようにして行われる。前記処理槽にリーク量を多段階に調整する電動弁を接続するとともに、前記処理槽に減圧手段を接続し、前記電動弁の開度を所定値として前記減圧手段の排気量を一定に制御することにより、前記処理槽内の圧力は、前記所定保持圧力に一定に保持される。
【0031】
前記減圧手段としては、真空ポンプの他,前記真空ポンプと蒸気エゼクタと熱交換器とを組み合わせたもの,前記真空ポンプと前記熱交換器とを組み合わせたものを用いることができる。前記蒸気エゼクタは、水エゼクタに代えることもできる。
【0032】
前記保持圧力低減工程は、前記所定保持圧力を少量の所定値だけ下げる工程であり、前記電動弁の開度調節により行われる。この保持圧力低減工程は、前記圧力保持工程により品温の変化が無くなってきたとき、つぎの効果的な品温低下のために必要な工程である。
【0033】
この実施の形態によれば、前記第一圧力保持工程を行った後、前記低減時期判定工程および前記第二圧力保持工程を繰り返して行うので、品温と飽和温度との差を大きくすることなく、過熱領域の形成を抑制した真空冷却を行うことができる。また、前記品温の時間変化の基準値を被冷却物の種類などに応じて変更して設定することができるので、過熱領域の形成による沸騰を発生させない範囲で前記基準値を大きくすることにより、真空冷却に要する時間,すなわち真空冷却時間を短縮することができる。
【0034】
この発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、つぎの実施の形態2〜実施の形態9を含む。
【0035】
(実施の形態2)
前記実施の形態1において、前記第二圧力保持工程における前記所定値を調整可能としたことを特徴とする真空冷却方法。
【0036】
(実施の形態3)
前記実施の形態1において、前記判定基準が満たされたとき、前記処理槽内の圧力を検出し、前記被冷却物の温度と検出圧力に等しい飽和温度との差に応じて前記所定値を調整することを特徴とする真空冷却方法。
【0037】
この実施の形態3によれば、前記所定保持圧力が低い領域(低圧領域)において、僅かの前記所定値の低減により大きく圧力が低下し、沸騰が発生することを防止することができる。これにより、低圧領域での徐冷をスムースに行うことができる。なお、この実施の形態およびその他において、前記処理槽内の圧力を検出するのは、少なくとも前記判定基準が満たされたとき行えばよく、それ以外のとき検出するように構成することができることは言うまでもない。
【0038】
(実施の形態4)
前記実施の形態1において、前記判定基準が満たされたときの品温に応じて前記所定値を調整することを特徴とする真空冷却方法。
【0039】
この実施の形態4をさらに具体的に説明すると、前記所定値の調整は、前記電動弁の開度の調整であり、前記電動弁の動作時間を長くすると前記電動弁を閉める量が多くなる。したがって、品温がT11℃では前記動作時間をt11とし、品温がT11未満,T12(<T11)以上で前記動作時間をt12(<t11)とし、品温がT12未満,T13(<T12)以上で前記動作時間をt13(<t12)…とする制御を行う。
【0040】
(実施の形態5)
前記実施の形態1において、前記判定基準が満たされたとき、前記処理槽内の圧力を検出し、その検出圧力に応じて前記所定値を調整することを特徴とする真空冷却方法。
【0041】
この実施の形態5ににおいても、前記実施の形態4と同様に、検出圧力に応じて、前記電動弁の動作時間が設定される。
【0042】
(実施の形態6)
前記実施の形態1において、前記所定値を固定値とすることを特徴とする真空冷却方法。
【0043】
(実施の形態7)
前記実施の形態1〜前記実施の形態6において、前記低減時期判定工程における前記基準値を調整可能としたことを特徴とする真空冷却方法。
【0044】
この実施の形態7において、前記品温時間変化の基準値の値を小さくすることにより、ゆっくりと減圧でき、逆に、液量が少なく、固体が多い被冷却物については値を大きくすることにより、速く減圧することができる。また、前記基準値は、被冷却物の種類,量に応じて設定することができる他、同じ被冷却物および量であっても過去の真空冷却運転の結果に基づいて一層適当と判断される値に設定することができる。
【0045】
(実施の形態8)
前記実施の形態1〜前記実施の形態6において、前記低減時期判定工程における前記基準値を固定値としたことを特徴とする真空冷却方法。
【0046】
(実施の形態9)
前記実施の形態1〜前記実施の形態8において、前記第一圧力保持工程の前に前記処理槽内の圧力を比較的急速に下げる急速圧力減圧工程を設けたことを特徴とする真空冷却方法。
【0047】
この実施の形態9における前記急速圧力減圧工程は、前記リークをさせないで前記冷却槽内を急速に減圧する工程である。
【0048】
【実施例】
(第一実施例)
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の真空冷却方法を適用する実施例の真空冷却装置を説明する概略的な説明図であり、図2および図3は、同実施例の制御器による制御手順を示すフローチャート図であり、図4は、品温および処理槽内の飽和温度の概略的時間変化を示す特性図である。
【0049】
(第一実施例の構成)
図1において、真空冷却装置1は、冷却される食品等(以下、「被冷却物」と云う。)2を収容する処理槽3と、この処理槽3を気密に閉鎖する扉(図示省略)と、前記処理槽3内を減圧するための減圧手段4と、前記被冷却物2の温度(以下、「品温」と云う)を検出する品温検出手段としての温度センサ5と、前記処理槽3内の圧力を検出する圧力検出手段としての圧力センサ6と、大気を前記処理槽3内へ導入することにより前記保持圧力を複数段階に調整する保持圧力調整手段としての電動弁7と、真空冷却運転を制御する制御器8とを備えている。
【0050】
前記被冷却物2は、水分を多く含んだ食品,たとえばスープであり、多数のパン(容器)9,9,…に入れられ、前記処理槽3内において、複数段の棚10,10,…に載置されている。
【0051】
前記減圧手段4は、前記処理槽3に接続される真空吸引ライン11に設けた真空ポンプ12,蒸気エジェクタ13,コンデンサ(熱交換器)14および逆止弁15を含む。前記蒸気エジェクタ13は、前記真空ポンプ12の上流側で前記処理槽3内を減圧する。これにより、前記減圧手段4は、2段の減圧を行う。前記コンデンサ14は、前記エジェクタ13の下流側で前記真空ポンプ12が吸引する気体を冷却する機能を備えている。
【0052】
前記温度センサ5は、品温を検出し、その温度信号を前記制御器8へ出力する。そして、前記温度センサ5の先端部(符号省略)は、前記被冷却物2のうちの1つの中へ差し込んで品温を検出する。
【0053】
前記電動弁7は、前記処理槽3と接続されている空気配管16に設けられている。前記電動弁7は、前記制御器8の出力信号により、その開度を全開から全閉までの間において複数段階に調節することで、大気の導入量を複数段階に調節する機能を備えている。前記電動弁7の開度調整機能により、前記保持圧力の低減が複数段階に調整される。そして、この空気配管16の先端には、前記処理槽3内へ導入する空気を清浄にするためのエアフィルター17が設けられている。
【0054】
前記制御器8は、前記減圧手段4,前記温度センサ5,前記圧力センサ6および前記電動弁7と回線18,18,…を介してそれぞれ接続されている。前記制御器8は、図2および図3に示す処理手順に従い、前記減圧手段4の作動および前記電動弁7の作動を制御することにより、この発明の真空冷却方法を実現する。前記制御器8による前記減圧手段4の制御は、前記真空ポンプ12の起動,停止制御と、前記蒸気エジェクタ13の作動流体である蒸気の供給を制御する電磁弁(図示省略)の開閉制御と、前記コンデンサ14への作動流体(図示省略)の供給の制御とを含む。
【0055】
(第一実施例の動作)
前記実施例の動作を図2および図3に示す処理手順に従い説明する。まず、前記処理槽3内へ被冷却物2の温水を前記各パン9に入れた状態で収納し、前記扉を閉め、真空冷却運転の準備をしておく。ついで、処理ステップS1(以下、処理ステップSNは、単にSNと称する)において、調整可能な前記品温の時間変化(ΔT/Δt)の基準値(ΔT1/Δt1)の温度変化ΔT1℃および前記電動弁7を全閉とする設定温度T2℃を設定し、入力する。
【0056】
前記温度変化ΔT1℃は、前記品温の時間変化(ΔT/Δt)の基準値(ΔT1/Δt1)の分母であり、時間Δt1minは固定値としている。なお、前記各設定値の入力は、必要に応じて行われるものである。
【0057】
ついで、S2へ移行して、真空冷却運転の開始スイッチ(図示省略)を入れると、前記電動弁7を全開から所定時間閉じ(弁開度は約1/2となる)、前記真空ポンプ12を作動させ、前記処理槽3内の圧力が前記電動弁7の開度に応じた所定保持圧力となるように減圧して(第一圧力保持工程)、真空冷却運転を開始する。
【0058】
この第一圧力保持工程の前半においては、前記真空ポンプ12のみ作動させ、冷却運転開始から品温が所定温度になるか、または冷却運転開始から設定時間後に前記エゼクタ13の作動を開始させる。こうして、前記第一圧力保持工程は、段階的に減圧速度を速める制御を行い、品温と前記処理槽3の飽和温度との差を前記過熱領域を形成しない程度の温度差(約4℃)を超えないようにしている。
【0059】
前記第一圧力保持工程においては、前記減圧手段4の真空吸引作用により、前記処理槽3内が減圧され、前記真空吸引ライン11を通して排気される。この吸引排気作用により、被冷却物から水分が蒸発することで品温が徐々に低下する。その際、前記電動弁7から外気が吸引されながら真空吸引され、前記電動弁7の開度に応じた所定保持圧力を保持するように真空冷却運転が行われることになる。この品温の低下の様子は、図4に示される。この図において曲線Aは、前記処理槽3内の飽和圧力に相当する被冷却物2の飽和温度の時間変化を示し、曲線Bは、被冷却物の底部,すなわち前記パン9内底部の品温の時間変化を示している。前記曲線AのX点は、前記エゼクタ13が作動した時点の飽和温度を示している。
【0060】
この第一圧力保持工程により、前記処理槽3内の圧力(飽和温度)は、図4の曲線Aに示すように減圧開始当初は急激に低下し、その後その低下勾配が緩くなり、前記電動弁7の開度に対応する所定保持圧力に保持される。そして、品温は、図4の曲線Bに示すように前記処理槽3の飽和温度に漸次近づいてゆく。これは、品温と被冷却物の飽和温度との差が少なくなってゆく過程を表すものである。
【0061】
こうした第一圧力保持工程中において、処理は、図3のS11の低減時期判定工程へ移行する。S11においては、品温の時間変化(ΔT/Δt)が前記基準値(ΔT1/Δt1)以下となったことにより、品温が前記所定保持圧力に対応する飽和温度に近づいたとの判定基準を満たしたものと判定する。S11において、NOが判定されると、処理は、S11にとどまり、前記第一圧力保持工程が続行され、YESが判定されると,すなわち前記判定基準が満たされると、処理は、S12以降の第二圧力保持工程ヘ移行する。
【0062】
S12において、前記処理槽3内の圧力が検出され、ついでS14において検出圧力に対応する飽和温度が計算(演算)される。そして、S14において、品温と研鑚された飽和温度との差が計算され、S15において、計算された差に対応する所定値(低減値)を計算し、設定する。そして、S16において、計算された低減値に基づき、前記電動弁7を所定時間だけ閉じることで、その開度を少し小さくする。これにより、前記所定保持圧力を少し低くして(保持圧力低減工程)、前記処理槽3内を低減された保持圧力となるように減圧することにより、真空冷却運転(第二圧力保持工程)を行う。前記電動弁7による保持圧力の調整時点は、図3のP点およびQ点に示される。この保持圧力の調整により、再び品温と飽和圧力との差が大きくなり、被冷却物からの水分の蒸発が活発となって、品温低下が促進される。
【0063】
S12からS16までの第二圧力保持工程後、処理は、図2のS4へ移行し、品温が前記設定温度のT2℃に到達したかどうかの判定(全閉時期判定工程)を行う。
【0064】
S4において、NOが判定されると、処理は、S3へ戻り、前記設定温度T2℃への到達が判定されるまで、前記低減時期判定工程および前記第二圧力保持工程が行われる。この第二圧力保持工程において、前記処理槽3内の圧力低下の勾配は、保持圧力調整直後では急であるが、その後徐々に緩やかとなり、所定の圧力に保持される。そして品温と飽和温度との差が少なくなると、品温の時間変化(ΔT/Δt)の値も小さくなり、その値が再び前記基準値以下となると、S11にてYESが判定される。
【0065】
すると、S12からS16の前記第二圧力保持工程が行われ、結局、前記低減時期判定工程および前記第二圧力保持工程が、S4の前記全閉時期判定工程による前記設定温度T2℃への到達判定まで繰り返し行われることになる。この工程の繰り返しは、前記品温の時間変化が小さくなると、保持圧力を少し低減し、再び前記品温の時間変化が小さくなると、保持圧力を少し低くするという動作を繰り返すものである。
【0066】
S4において、前記設定温度T2℃への到達が判定されると、処理はS5へ移行する。S5では、前記電動弁7を全閉,すなわち保持圧力低減の調整を最大の状態として前記処理槽3内を減圧し、真空冷却運転を行う(急冷却運転)。図4の例では、R点が急冷却運転の開始時点を示している。
【0067】
(第一実施例の効果)
前記実施例によれば、品温の時間変化が小さくなると、保持圧力を低減し、再び品温の時間変化が小さくなると、保持圧力を低減するという動作を繰り返し行うように構成しているので、品温と飽和温度との差を大きくすることなく、沸騰の主原因である被冷却物の過熱領域の発生を抑制できる。その結果、前記各パン10からの被冷却物の飛散を防止できる。また、前記品温の時間変化が小さくなると、保持圧力を低くするので、真空冷却運転時間を短縮できる。
【0068】
また、前記実施例によれば、前記温度変化ΔT1℃,前記設定温度T2℃を調整することができるので、被冷却物の種類が異なる場合,被冷却物の量が異なる場合,前記各パン9への被冷却物の収容状態(蓋の有る無しや前記各パン9の深さなど)が異なる場合にであっても、前記設定値の一つまたは複数の値の調整により、沸騰を抑制した真空冷却運転を行うことができる。
【0069】
(第二実施例の構成)
つぎに、本発明の第二実施例を図5に従い説明する。前記第二実施例において、前記第一実施例と異なるのはS3の低減時期判定工程および第二圧力保持工程であるので、異なる部分のみ説明し、その他の説明は、省略する。
【0070】
この第二実施例は、前記低減時期判定工程を、S11と同様の品温時間変化判定工程に、S21からS23の処理を加えたものとしている。S21においては、前記処理槽3内の圧力を検出し、S22にて、検出圧力に相当する飽和温度を計算する。そして、S23にて、品温が検出された飽和温度より所定値低くなったかどうかを判定する。このS23において、YESが判定されることで、前記判定基準が満たされたと判断し、S24において、前記電動弁7を予め定めた所定値だけ閉じて、前記第二圧力保持工程を行う。
【0071】
(第三実施例の構成)
本発明の第三実施例を図6に従い説明する。前記第三実施例において、前記第二実施例と異なるのは、低減する前記所定値を調整するS41およびS42の処理のみであるので、異なる部分のみ説明し、その他の説明は、省略する。
【0072】
S41において、検出圧力に応じた所定の低減値を前記制御器8のメモリ(図示省略)に予め記憶した検出圧力対低減値のテーブルから求めて、S42において、その所定値だけ前記電動弁7を閉じて前記第二圧力保持工程を行う。
【0073】
(第四実施例の構成)
つぎに、本発明の第四実施例を図7に従い説明する。前記第四実施例において、前記第一実施例と異なるのはS3の低減時期判定工程および第二圧力保持工程であるので、異なる部分のみ説明し、その他の説明は、省略する。
【0074】
この第四実施例は、前記低減時期判定工程をS51からS53の処理にて行う。S51においては、前記処理槽3内の圧力を検出し、S52において検出圧力から飽和温度を求める。そして、S53において、品温が求めた飽和温度と等しいかどうかを判定する。S53にて、YESが判定されると、前記保持圧力低減工程を実行する前記判定基準が満たされたことになる。
【0075】
S54においては、予め前記所定低減値をその値が順次小さくなるものを複数用意しておき、最初の低減値は、値の一番大きいものを設定し、次回の低減値はその次に値の大きいものを設定する。そして、S55において、S54にて設定された所定値に基づき前記電動弁7を閉じて、前記第二圧力保持工程を行う。
【0076】
さらに、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、前記被冷却物2の温度が前記所定保持圧力に対応する飽和温度に近づいたとの判定基準を満たしたとき、前記処理槽3内の圧力を検出し、その検出圧力が設定圧力よりも低くなっていた場合に、前記フィルター17が目詰まりを起こしていると判定して、その異常を報知するように構成することができる。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、突沸やそれに伴なう飛散防止、あるいは型くずれを防止し、被冷却物に合った適切な冷却が行えるなど多大なる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の真空冷却方法を適用する実施例の真空冷却装置を説明する概略的な説明図である。
【図2】同実施例の制御器による制御手順を示すフローチャート図である。
【図3】図2の要部の制御手順を示すフローチャート図である。
【図4】同実施例による品温および処理槽内の飽和温度の時間変化を示す特性図である。
【図5】この発明の第二実施例の制御手順を示すフローチャート図である。
【図6】この発明の第三実施例の制御手順を示すフローチャート図である。
【図7】この発明の第四実施例の制御手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
2 被冷却物
3 処理槽
4 減圧手段
5 温度センサ
6 圧力センサ
7 電動弁

Claims (8)

  1. 処理槽3内を減圧して被冷却物2を冷却する真空冷却方法であって、前記処理槽3内の圧力が所定保持圧力となるように前記処理槽3内の減圧を行う第一圧力保持工程と、前記処理槽3の圧力が前記所定保持圧力から所定値だけ低減した所定保持圧力となるように前記処理槽3内の減圧を行う第二圧力保持工程と、前記第二圧力保持工程前に設けられ、前記被冷却物2の温度が前記所定保持圧力に対応する飽和温度に近づいたとの判定基準を満たしたとき前記第二圧力保持工程における低減時期であると判定する低減時期判定工程とを含み、前記低減時期判定工程および前記第二圧力保持工程を繰り返して行うことを特徴とする真空冷却方法。
  2. 前記判定基準が、前記被冷却物2の温度の時間変化が基準値以下となったときであることを特徴とする請求項1に記載の真空冷却方法。
  3. 前記判定基準が、前記被冷却物2の温度の時間変化が基準値以下となったとき、前記処理槽3内の圧力を検出し、前記被冷却物2の温度が検出圧力に等しい飽和温度と等しいかまたは小さくなったときであることを特徴とする請求項1に記載の真空冷却方方法。
  4. 前記所定値を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の真空冷却方法。
  5. 前記判定基準が満たされたとき、前記処理槽3内の圧力を検出し、前記被冷却物2の温度と検出圧力に等しい飽和温度との差に応じて前記所定値を調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の真空冷却方法。
  6. 前記判定基準が満たされたとき、前記処理槽3内の圧力を検出し、その検出圧力に応じて前記所定値を調整することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の真空冷却方法。
  7. 前記所定値を予め定めた固定値としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の真空冷却方法。
  8. 前記基準値を調整可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空冷却方法。
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