JP4134591B2 - 駐車支援装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は駐車操作支援装置に係り、例えば、駐車可能なエリア(駐車可能領域)を自動的に認識して当該エリアに駐車する際の運転操作を支援する駐車操作支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両を駐車場に並列駐車する場合や、道路際に縦列駐車をする場合、運転者が駐車可能な領域を認識し、その駐車可能領域に向けてハンドル操作をしながら車両を前進及び後退させ、目的の場所に駐車させている。
このような駐車操作は、運転経験の少ない運転者にとっては、極めて難しい操作であるため、駐車操作を補助することが可能な装置が各種提案されている。
例えば、駐車操作を補助するための装置として提案された特開昭61−48098号に記載の装置では、車両の側面に設けられた距離センサと、車速センサと操舵角センサを用いて、車両周囲の障害物と、車両との距離を測定し、車両の周辺状況を計算して、ディスプレイに周辺状況を表示するとともに、同じディスプレイ上に車両の現在位置と、操舵角に基づく車両の予想移動軌跡を表示するものである。そして、車両の車庫入れ等の駐車操作を補助するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように駐車操作を補助するための装置では、車両周囲の障害物と車両との距離を車両移動しながら測定することで、駐車エリア(駐車可能領域)が存在しているか否かを正確に検出する必要がある。
しかし、従来超音波センサが距離センサとして使用されており、この超音波センサは指向性が悪く、楕円形(卵形)の範囲内に存在する物を検出してしまう。
このため、超音波センサで車両や柱の距離を車両移動しながら検出した場合、超音波センサが障害物の位置に到達する手前から障害物を検出してしまい、また超音波センサが障害物を通過した後も楕円形(卵形)の検出範囲であれば障害物を検出してしまい、その結果、実際の障害物の幅よりも大きく検出してしまうことになる。
このように超音波センサによる障害物までの距離と車両の移動距離とから駐車エリアを検出する場合には、駐車幅(検出時の車両移動方向の距離)に誤差を生じていた。
従って、駐車エリアを検出する場合には、実際の幅よりも狭い幅を検出してしまうため、実際には駐車可能エリアであっても、駐車できないエリアと認識していた。
【0004】
そこで本発明は、上記課題を解決するために成されたもので、駐車可能な領域をより正確に検出することが可能な駐車支援装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の駐車支援装置では、車体に取り付けられた距離センサと、前記距離センサの検出値から、障害物までの距離を取得する距離取得手段と、前記距離センサの検出値の変化に基づく、変化の前後の距離の差から、駐車可能な奥行きか否かを判断する奥行き判断手段と、前記奥行き判断手段で、駐車可能でない奥行きから、駐車可能な奥行きであると判断した場合に、前記変化前の距離に対応した、車両の進行方向の第1補正幅を取得する第1補正幅取得手段と、前記取得した第1補正幅と、前記距離センサによる検出値の変化から、駐車可能な奥行きを有する領域の車両進行方向における開始点を検出する開始点検出手段と、前記開始点からの車両の移動幅を検出する移動幅検出手段と、前記開始点からの車両の移動幅が、駐車可能と予測される所定距離を超えた場合に、前記開始点を基準とする駐車可能領域の存在を仮定して、仮想駐車可能領域を算出する仮想駐車可能領域算出手段と、前記奥行き判断手段で、駐車可能な奥行きから、駐車可能でない奥行きであると判断した場合に、前記変化後の距離に対応した、前記車両の進行方向の第2補正幅を取得する第2補正幅取得手段と、前記検出した前記開始点からの移動幅と、前記取得した第2補正幅とから駐車可能な領域を判定する領域判定手段と、前記領域判定手段で駐車可能な領域であると判定した場合、及び、前記検出した前記開始点からの車両の移動幅が駐車可能な幅以上となった場合、前記算出した仮想駐車可能領域を、実際の駐車可能領域として表示する表示手段と、を具備することを特徴とする駐車支援装置を提供する。
請求項2に記載の発明では、前記仮想駐車可能領域に車両を駐車すると仮定した場合の仮想誘導領域を算出する仮想誘導領域算出手段を備え、前記表示手段は、前記領域判定手段で駐車可能な領域であると判定した場合、及び、前記検出した前記開始点からの車両の移動幅が駐車可能な幅以上となった場合、更に、前記算出した仮想誘導領域を、実際の誘導領域として表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記表示手段は、前記実際の駐車可能領域と誘導領域を表示するまでの間、前記算出した仮想駐車可能領域と仮想誘導領域を表示する、ことを特徴とする請求項2に記載の駐車支援装置を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の駐車操作支援装置における好適な実施の形態について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
駐車支援装置では、超音波センサによる障害物までの検出距離と、その検出距離における進行方向の誤差との関係を予め計測しておき、補正幅テーブルに格納しておく。
そして、図1に示されるように、検出した距離l1〜l3に応じた補正幅c1〜c3を、駐車エリア検出における駐車幅の測定において補正値として使用する。すなわち、超音波センサの検出値から求めた駐車幅に補正幅cを加える(駐車可能な奥行きであることを検出しながら車両進行方向の移動距離(進行方向移動幅)から補正幅cを減算する)。
このように、超音波センサの検出範囲に対応して、障害物までの検出距離に応じた補正幅を使用しているので、より正確な駐車エリアを検出することができる。
【0007】
(2)実施形態の詳細
図2は、本実施形態における駐車操作支援装置の構成を表したものである。
駐車操作支援装置は、自車の本体内に搭載され、自車から周囲の物体までの距離を検出する超音波センサ21と、ハンドル切れ角(ステアリング角)とハンドルの操作方向を検出するステアリングセンサ22と、自車の速度を検出する車速センサ23と、補正幅テーブル24を備えている。
また、駐車操作支援装置は、超音波センサ21、ステアリングセンサ22及び車速センサ23から供給された検出値に基づいて駐車操作支援処理を行うECU(電子制御部)25と、検出された駐車エリアと自車位置の相対的な位置関係を表示すると共に駐車のためのステアリング操作や運転操作を支援する駐車操作支援画面を表示するディスプレイ(表示手段)26と、表示内容を補足する信号音や運転操作案内の音声を発信するスピーカ(発音手段)27と、入力部(入力手段)28とを備えている。
【0008】
超音波センサ21は、距離検出手段として機能する。超音波センサ21は、超音波パルスを発信する発信器と、物体で反射してきた超音波パルスを受信する受信器を備えている。これらの送受信器によって、超音波の伝播時間を測定し、該伝播時間により距離を測定するようになっている。
超音波センサ21は、自車両の先端部左右両側に1つずつ、計2個が配置されている。超音波センサ21は、車両の進行方向と直角方向に向けて超音波パルスを発信するように取り付けられる。
なお、車両の後端部の左右両側にも1つずつ、計2個をさらに配置し、合計4個で距離を計測するようにしてもよい。超音波センサ21を4つ配置する場合、前進しながら駐車エリアを検出する場合に車両前方両側面の超音波センサ21が使用され、後進しながら駐車エリアを検出する場合に車両後方両側面の超音波センサ21が使用される。
この場合、他端部のセンサ(前進の場合車両後方のセンサ、後進の場合車両前方のセンサ)で検出した距離を確認用に使用することで検出精度を上げるようにしてもよい。
【0009】
ステアリングセンサ22は、ステアリング操作量、つまりステアリングの移動量と、その方向を検出する。このステアリング操作量から左右へ操舵角を何度操作したかを判断する。供給される操作量としては、直進状態のステアリングの位置を0として、右に操作した場合を+、左に操作した場合を−とし、移動量を数値で示す。例えば、+150の検出値が供給された場合には、右に150度ステアリング操作したことを示す。
ステアリングセンサ22は、操舵角検出手段として機能すると共に、車速センサ23と共に車両位置検出手段として機能するようになっている。
【0010】
車速センサ23は、車速を検出するために、車速パルスを出力し、この車速パルスを計測することで、車両の移動距離が計算される。駐車エリアの幅を検出する際に、車両の移動距離が使用される。
【0011】
補正幅テーブル24は、超音波センサ21による検出距離(対障害物距離)Lmと、その距離Lmに対する車両進行方向の補正幅Cが格納されたテーブルである。距離Lと補正幅Cとの関係は、補正テーブルとしてROM、RAM等の各種記憶媒体に格納されいるが、距離Lと補正幅Cとの関係を示す計算式を格納しておき、距離Lから補正幅Cを算出するようにしてもよい。
【0012】
図3は、補正幅テーブルの作成方法(a)と、補正幅テーブルの内容(b)を概念的に表したものである。
図3(a)に示されるように、超音波センサ21の発信器を原点として一定出力で超音波を発信する。そして、超音波の発信方向を距離軸とし、距離と直交する方向を幅軸(車両進行方向軸)とする。
そして、距離と幅をパラメータにして受信器を移動させ、受信レベルを検出する。例えば、距離p、幅qm(例えば、q=1m)の地点から幅方向(幅0mの方向)に受信器を移動させて、一定受信レベルを検出した地点Sの幅cを測定する。そして、地点Sでの幅cを、地点Sでの検出距離(発信器から地点Sまでの距離)lmに対する補正幅として補正幅テーブルに格納する。
【0013】
なお、実際の超音波センサ21は、超音波が障害物で反射された往復の時間から距離を算出するのに対して、図3に例示した測定方法の場合には、受信器を障害物と仮定して距離受信しているため、往復の時間ではなく発信器から受信器までの片道の時間が検出される。このため、受信器の検出レベル、検出距離、又は補正幅を変換して使用する必要がある。
【0014】
他の測定方法としては、車両に実際に搭載される超音波センサ21を図3(a)の原点位置に配置し、受信器に変えて所定径の障害物柱を移動する。これにより、実際に車両に搭載した場合と同一の一定受信レベルを検出した地点Sの幅cと、超音波センサ21から障害物(地点S)までの検出距離lを補正幅テーブルに格納することができる。
【0015】
図3(b)は、以上のようにして測定した距離lと補正幅cを格納した補正幅テーブルの内容を概念的に例示したものである。なお、図3(b)は例示であり、より詳細な距離と幅との関係を測定して格納するようにしてもよい。
例えば、車両と障害物までの距離が2mで、障害物の検出幅(補正前の値)が200cmとする。この場合、距離2mの場合の補正すべき幅が補正幅テーブルによると50cmであることがわかる。そして、補正箇所が障害物の幅の両端で必要になるので、全体の補正量は50cm×2=100cmとなり、補正後の障害物の幅が100cmとなる。
以上の例では障害物の幅について補正したが、駐車車両等の障害物と障害物との間に存在する駐車エリアを検出する場合には、検出した駐車エリアの幅(駐車エリアの奥行きが駐車に必要な距離A以上の値を検出しながら車両が移動した距離)をC3、駐車エリア手前側(車両の進行方向手前側)の障害物までの距離L1、距離L1の補正幅がC1、駐車エリアの向こう側の障害物までの距離L2、距離L2の補正幅がC2とすると、補正後の駐車エリアの幅Cは次の式(1)になる。
C=C3+C1+C2 …(1)
【0016】
なお、検出した駐車エリアの幅C3は、駐車エリアの奥行きが駐車に必要な距離A以上の値を検出しながら車両が移動した距離に相当する。従って、この検出した移動距離C3から、駐車可能なエリア幅か否かを判定する場合には次の式(2)よる。
C3≧C−C1−C2 …(2)
本実施形態における駐車エリア検出処理では、式(2)により判断している。
【0017】
図7において、ECU25は、図示しないCPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、その他の機器等を備えたコンピュータシステムにより構成されている。ECU25のCPUは、ROMを含む記憶手段に記憶された各種プログラムに従って、システム全体を制御すると共に、本実施形態による駐車エリア検出処理、その他駐車操作を支援するための各種処理を行うようになっている。
ROMにはこれらの各種処理をCPUで実行するためのプログラムやデータ、本駐車操作支援装置が搭載されている車両に関する車両情報などが記憶されている。この車両情報は、車両の旋回性能を確定するための情報で、車両の長さ、車両の幅、ホイールベース、トレッド長、最大蛇角などが含まれる。ROMには、また、駐車操作支援処理において、スピーカ27から出力する支援案内音声の音声データが格納されている。なお、この音声データはROM以外の記憶手段に格納するようにしてもよい。
RAMにはCPUが各種プログラムの実行に際して各種データが読み書きされるいわゆるワーキングエリアとして使用され、例えば、各センサによる検出値や、計算した駐車エリア等が記憶される。
なお、ECU25は、各種データやプログラムを格納するための記憶部を備えるようにしてもよい。この記憶部は同一種類の記憶媒体である必要はなく、各部が異なる記憶媒体を使用するようにしてもよい。例えば、自宅の駐車エリアのように、駐車エリアが一定していて変化せず、かつ予め周囲の障害物の状況を測定済みであるような場合には、測定済みの周囲状況のデータをICカードに記憶させるようにしてもよい。
【0018】
ディスプレイ26は、例えば、CRTディスプレイ又は液晶画面、プラズマディスプレイ等の各種表示装置により構成され、表示手段として機能する。
ディスプレイ26には検出した駐車エリアと自車両との相対的な位置関係を表示したり、駐車パターン(左側縦列駐車、左側並列駐車、右側縦列駐車、右側並列駐車)を選択するための駐車パターン選択画面等が表示される。
運転者は、このディスプレイ26に表示された駐車エリアを確認しながら駐車操作を行うことになる。また、駐車操作をアシストする機能を駐車支援装置が備えている場合には、次に移動すべき車両の位置やステアリングの操作量等がディスプレイ26に表示され、運転者はこれらの駐車操作支援画面を通して、車両が移動すべき位置や、ステアリング操作等の駐車操作の支援を受けることになる。
【0019】
スピーカ27は、ディスプレイ26に表示される視覚情報に代わる位置情報を表す聴覚情報や、該視覚情報を補足する聴覚情報が発せられる。具体的には、シフトレバー位置の案内音声、前進、後進の開始の案内音声、ハンドル操作の案内音声、ハンドル操作や前進,後進の完了を予告し、また完了を告げる警告音等の聴覚情報が出力される。
入力部28は、ディスプレイ26の画面上に貼り付けられたタッチパネルや、無線又は有線によるリモートコントロール装置を有している。この入力部28には、駐車操作支援を開始するための駐車操作支援開始ボタンが、専用ボタン又はタッチパネル上に配置されている。入力部28には音声認識装置を配置し、音声による入力が可能となるように構成してもよい。
【0020】
次にこのように構成された駐車支援装置による駐車エリア検出処理の動作について説明する。
図4は、車両エリア検出処理で使用される距離について定義したものである。
図4(a)に示すL2は超音波センサ21で検出した障害物までの距離(対障害物距離)を表す。
Aは自車両の長さ+αで、Cは自車両の幅+2βである。α、βの値については、任意であり、後方のエリアやドア開閉用のエリア等を考慮して決定され、本実施形態ではα=β=50cmに設定されている。この値は運転者が、自己の運転操作レベルに応じて変更できるようにしてもよい。
また、A、Cの値は、条例等で規定されている駐車エリアの値を使用し、A=縦、C=横の値とすることも可能である。
Bは駐車エリアであると予測可能な長さとして規定され、本実施形態では、並列駐車の場合B=0.5C、縦列駐車の場合B=0.5Aと規定されている。
【0021】
また、図4(b)に示すL1、L3は、共に各車両位置における超音波センサ21による検出値L2の値が使用される。L1は、駐車可能な奥行き(図4(a)のAm)であることを検出した直前の車両位置A1でのL2の値である。また、L1は駐車エリア検出処理を開始した初期状態では初期値(実施形態では100cm)が使用される。
L3は駐車可能な奥行きであることを検出している状態から駐車可能な奥行きでないことを検出した車両位置A3でのL2の値である。
なお、図4(b)では、車両位置A1,A3における障害物までの距離L1、L3を車両の側面と障害物側面との距離で表示しているが、実際の測定距離L2は、図3(a)のlで示したように、超音波センサ21から障害物の端部(車両進行方向における端部)までの距離である。
C1は、距離L1に対する幅方向(車両の進行方向)の補正幅の値である。
C2は、距離L3に対する幅方向(車両の進行方向)の補正幅の値である。
C3は、駐車可能な奥行き(図4(a)のAm)であることを連続して検出しながら移動した車両移動距離である。
【0022】
図5は、駐車エリア検出処理の内容を表したフローチャートである。
駐車場等の車両を駐車する領域近辺において運転者が駐車操作支援開始ボタンを選択すると、ECU25は駐車エリア検出処理を開始し、ディスプレイ26に駐車パターン選択画面を表示し、運転者により選択された駐車パターンを取得する(ステップ9)。なお、ECU25は、駐車パターン選択画面を表示する際に、例えば、「駐車パターンを選択してください」等の音声案内をスピーカ27から出力するようにしてもよい。
駐車パターン選択画面には、左側への並列駐車、右側への並列駐車、左側への縦列駐車、及び右側への縦列駐車の4パターンを選択する選択ボタン(「並列駐車/左側」等の表示部分)と各選択ボタンに対応する選択番号1〜4が表示されている。駐車パターンの選択は、表示された選択ボタンを押下するか、対応する選択番号1〜4をテンキー等から指定する。また、入力部28が音声認識装置を備えている場合には、音声により選択番号を入力するようにしてもよい。
以下、本実施形態では、左側の並列駐車が運転者により選択された場合を例に説明することとする。
【0023】
次に、ECU25は、初期設定により、駐車エリア奥行き検出フラグ、仮想駐車エリアフラグ、及び駐車エリア検出フラグの各フラグを0にし、さらに、対障害物距離L1を100mに設定してRAMに格納する(ステップ10)。
【0024】
そして、ECU25は、車速センサ23、ステアリングセンサ22、及び超音波センサ21から検出データを受信する(ステップ11)。受信した検出データは、駐車操作支援画面に駐車側障害物や対抗側(駐車側の反対側)障害物を表示するために継続的にRAMに保存される。
次に、選択された側(本実施形態の説明では左側が選択されたものとしている)の超音波センサ21lで検出した対障害物距離をL2とする(ステップ12)。
更にECU25は、(L2−L1)がAm以上か否かを判断する(ステップ13)。駐車エリア検出処理を開始した当初はL1=100mに初期設定されており、Am未満であるため(ステップ13;N)、仮想駐車エリアフラグが1か否かを判断する(ステップ131)。
駐車エリア検出処理の開始当初とステップ14の後最初にステップ131の判断を行う場合には仮想駐車エリアフラグが0なので(ステップ131;N)、ECU25は、駐車エリア奥行き検出フラグと仮想駐車エリアフラグを0にし、対障害物距離L1をL2として(ステップ14)、ステップ11に戻り、駐車可能な奥行きが検出されるまで計測を継続する。
そして、(L2−L1)≧Amとなり、駐車可能な奥行きが検出されると(ステップ13;Y)、ECU25は、駐車エリア奥行き検出フラグが1か否かを判断する(ステップ15)。
【0025】
初期設定(ステップ10)後と、ステップ14の後に最初にステップ15の判断を行う場合には、駐車エリア奥行き検出フラグ=0なので(ステップ15;N)、ECU25は、駐車エリア奥行き検出フラグを1にする(ステップ16)。そして、車両移動距離=0とすることで、(L2−L1)≧Amとなった位置を、駐車エリアの進行方向の幅(B、及び、並列駐車の場合にはC、又は縦列駐車の場合にはA)を計測するための基準位置とする(ステップ17)。
そしてECU25は、ステップ14で設定した対障害物距離L1(=駐車可能な奥行きが検出された直前に検出された距離L2)に対応する補正幅C1を補正幅テーブル24を参照して取得する(ステップ171)。
【0026】
そしてECU25は、ステップ11に戻り検出データを取得した後、対障害物距離をL2とし(ステップ12)、ステップ14で設定したL1と比較して(L2−L1)がAm以上か判断する(ステップ13)。
このステップ13での判断は、既に検出済みのAm以上の奥行きが維持されているか否かの判断で、(L2−L1)≧Amである場合(ステップ13;Y)、ステップ16で駐車エリア奥行き検出フラグ=1に設定されているので(ステップ15;Y)、次にECU25は、車速センサ23からのデータに基づいて車両移動距離C3が(B−C1)m以上か否かを判断する(ステップ18)。ここでC1は、ステップ171で取得した補正幅の値である。
【0027】
車両移動距離C3が(B−C1)m以上でない場合(ステップ18;N)、ステップ11に戻り、Am以上の奥行きが進行方向にBm連続するまで、すなわち車両移動距離が(B−C1)m連続するまでステップ11からステップ18までの処理を繰り返す。
そして、Am以上の奥行きを検出した地点(ステップ17で車両移動距離=0とした地点)からの車両移動距離が(B−C1)mとなる前にステップ13で(L2−L1)<Amとなった場合(ステップ13;N)、それまで検出していたAm以上の奥行きは並列駐車されている車両間のエリア等であり駐車できないエリアであると判断できる。この場合、仮想駐車エリアフラグはまだ1に設定されていないので(ステップ131;N)、そこでECU25は、駐車エリア奥行き検出フラグ=0、仮想駐車エリアフラグ=0、及び、L1=L2として(ステップ14)、ステップ11に戻る。
【0028】
車両移動距離が(B−C1)m以上である場合(ステップ18;Y)、ECU25は、仮想駐車エリアフラグが1か否かを判断する(ステップ19)。ステップ10による初期設定後、又はステップ14による設定後における最初のステップ19の判断では、仮想駐車エリアフラグ=0なので(ステップ19;N)、ECU25は、仮想駐車エリアフラグ=1とする(ステップ20)。
【0029】
そしてECU25は、仮想駐車エリアを計算する(ステップ21)。すなわち、ECU25は、ステップ17で車両移動距離=0とした地点よりもC1m手前の地点((0−C1)m地点)から車両の進行方向にCm、奥行きAmの駐車エリアがあるものと仮定して、仮想駐車エリアを計算する。
そしてECU25は、計算した仮想駐車エリアをディスプレイ26の駐車操作支援画面に表示する(ステップ22)。
【0030】
更に、ECU25は、仮想駐車エリアに車両を駐車すると仮定した場合に、現在位置から最も適切な位置を仮想誘導エリアとして計算し(ステップ23)、駐車操作支援画面に表示する(ステップ24)。
仮想誘導エリアの計算は、各種方法が存在するが、例えば、単純に車両移動距離=(0−C1)mの位置から、直進した方向(C+n)mの地点が仮想誘導エリアの後端部(車両後端部)となるように計算してもよい。nmは、本実施形態ではn=1mが設定されているが、車両情報(車両長、車両幅、ホイールベース、トレッド長、最大ステアリング角等)によって変更するようにしてもよい。
【0031】
その後ECU25は、ステップ11に戻り、次に仮想駐車エリアフラグを判断する場合(ステップ19)には、ステップ20で1に設定されているので(;Y)、車両移動距離が(C−C1)m以上か否かを判断する(ステップ25)。ここでの判断は、検出したAm以上の奥行きが駐車エリアの幅Cmだけ維持されているか否かの判断で、車両移動距離が(C−C1)m以上でない場合(ステップ25;N)、ステップ11に戻り、Am以上の奥行きが進行方向にCm連続するまでステップ11からステップ25までの処理を繰り返す。
【0032】
Am以上の奥行状態を検出しながらの車両移動距離が(B−C1)以上で、ステップ11からステップ25を繰り返し、(C−C1)以上になる前(ステップ25の判断を満足する前)に、(L2−L1)がAm未満になった場合(ステップ13;N)、ステップ20で仮想駐車エリアフラグが1に設定されているので(ステップ131;Y)、ECU25は、補正幅テーブル24を参照してステップ12で検出した対障害物距離L2(図4(b)のL3)に対する補正幅C2を取得する(ステップ132)。この補正幅C2は、図4(b)で示すL3に対する補正幅で、駐車エリアの進行方向手前側の障害物端に対する補正幅がC1であるのに対して、駐車エリアの進行方向向こう側(手前の反対側)の障害物端に対する補正幅がC2である。
そして、ECU25は、進行方向手前と向こう側の両障害物端に対する補正幅C1とC2を使用して、駐車エリア判定幅としての車両移動距離C4=C−C1−C2を算出する(ステップ133)。
【0033】
そしてECU25は、車両移動距離C3が算出したC4以上であるか否かを判断する(ステップ134)。
車両移動距離がC3<C4である場合(ステップ134;N)、検出したエリアは、車両進行方向の手前と向こう側の2箇所について補正をしても駐車に必要な幅Cm未満であるため、ステップ14に移行して駐車エリア奥行き検出フラグと仮想駐車エリアフラグを0にすると共に、L1の値を直前のステップ12で検出した距離L2とし、ステップ11に戻って再度駐車可能エリアの検出を行う。
【0034】
ステップ134で車両移動距離C3がC4以上である場合(ステップ134;Y)、及び、ステップ25で車両移動距離が(C−C1)m以上になった場合(ステップ25;Y)、ECU25は、仮想駐車エリアを実際の駐車エリアとして確定させてディスプレイ26に表示し、また仮想誘導エリアも実際の誘導エリアとして確定及び表示し、さらに車両が誘導エリアに向かって前進し車両が停止するまで超音波センサ21による障害物の検出が行われる(ステップ26)。
最後にECU25は、車両誘導処理を行うために、駐車エリア検出フラグを1に設定して(ステップ27)処理を終了する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、車両を移動しながら障害物を検出する場合に、超音波センサ21から発信する超音波の広がりによる進行方向の誤差(障害物端部の検出位置の進行方向誤差)を、補正するようにしたので、駐車エリア(駐車可能領域)の幅(進行方向の幅)をより正確に検出することができる。
また、超音波センサ21で検出した障害物端部までの距離L1,L3に応じた補正幅を使用しているため、更に正確な駐車エリアの幅を検出することができる。
更に、検出した障害物端部までの距離と補正幅の関係を、実装される超音波センサを使用して実測しているため、より正確な補正幅とすることができる。
【0036】
以上本願発明の実施形態について説明したが、本発明は請求項に記載した範囲で各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、左側の並列駐車についての駐車操作支援処理について説明したが、右側の並列駐車、左側の縦列駐車、右側の縦列駐車についても同様に行うことができる。
【0037】
説明した実施形態では、駐車エリア検出処理において、Am以上の奥行きが進行方向にBm連続した場合に仮想駐車エリアと仮想誘導エリアの計算及び表示を行ったが、本発明では、仮想駐車エリアと仮想誘導エリアを表示しないようにしてもよい。
この場合、駐車エリア検出処理において、ステップ10、14における仮想駐車エリアフラグの設定及び、ステップ18からステップ24までの処理が不要になり、ステップ15で駐車エリア奥行き検出フラグが1の場合(;Y)、ステップ25の判断に移行する。
また、ステップ131では、仮想駐車エリアフラグが1か否かを判断し、1の場合(;Y)ステップ132に移行し、0の場合(;N)、ステップ14に移行する。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、距離センサによる車両進行方向の検出誤差を補正するので、より正確に駐車可能領域を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態における車両エリア検出の動作概要についての説明図である。
【図2】本発明の1実施形態における駐車支援装置の構成図である。
【図3】同上、実施形態における、補正幅テーブルの作成方法(a)と、補正幅テーブルの内容(b)を概念的に表した説明図である。
【図4】同上、実施形態における、車両エリア検出処理で使用される距離について定義した説明図である。
【図5】同上、実施形態における、駐車エリア検出処理の内容を表したフローチャートである。
【符号の説明】
21 超音波センサ
22 ステアリングセンサ
23 車速センサ
24 補正幅テーブル
25 ECU(電子制御部)
26 ディスプレイ
27 スピーカ
28 入力部

Claims (3)

  1. 車体に取り付けられた距離センサと、
    前記距離センサの検出値から、障害物までの距離を取得する距離取得手段と、
    前記距離センサの検出値の変化に基づく、変化の前後の距離の差から、駐車可能な奥行きか否かを判断する奥行き判断手段と、
    前記奥行き判断手段で、駐車可能でない奥行きから、駐車可能な奥行きであると判断した場合に、前記変化前の距離に対応した、車両の進行方向の第1補正幅を取得する第1補正幅取得手段と、
    前記取得した第1補正幅と、前記距離センサによる検出値の変化から、駐車可能な奥行きを有する領域の車両進行方向における開始点を検出する開始点検出手段と、
    前記開始点からの車両の移動幅を検出する移動幅検出手段と、
    前記開始点からの車両の移動幅が、駐車可能と予測される所定距離を超えた場合に、前記開始点を基準とする駐車可能領域の存在を仮定して、仮想駐車可能領域を算出する仮想駐車可能領域算出手段と、
    前記奥行き判断手段で、駐車可能な奥行きから、駐車可能でない奥行きであると判断した場合に、前記変化後の距離に対応した、前記車両の進行方向の第2補正幅を取得する第2補正幅取得手段と、
    前記検出した前記開始点からの移動幅と、前記取得した第2補正幅とから駐車可能な領域を判定する領域判定手段と、
    前記領域判定手段で駐車可能な領域であると判定した場合、及び、前記検出した前記開始点からの車両の移動幅が駐車可能な幅以上となった場合、前記算出した仮想駐車可能領域を、実際の駐車可能領域として表示する表示手段と、
    を具備することを特徴とする駐車支援装置。
  2. 前記仮想駐車可能領域に車両を駐車すると仮定した場合の仮想誘導領域を算出する仮想誘導領域算出手段を備え、
    前記表示手段は、前記領域判定手段で駐車可能な領域であると判定した場合、及び、前記検出した前記開始点からの車両の移動幅が駐車可能な幅以上となった場合、更に、前記算出した仮想誘導領域を、実際の誘導領域として表示する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
  3. 前記表示手段は、前記実際の駐車可能領域と誘導領域を表示するまでの間、前記算出した仮想駐車可能領域と仮想誘導領域を表示する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の駐車支援装置。
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