JP4133959B2 - (メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法に関する。より詳しくは、医薬、塗料、製造プロセス、土木・建築等の種々の分野で多岐にわたって使用されている(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体により形成された含水ゲルを処理する方法に関する。
(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体は、凝集性や増粘性等の特性を発揮することが知られており、例えば、医薬分野においては、湿布薬、パップ剤の粘着性や保水性の向上を目的とした添加剤や親水性軟膏基材として使用され、塗料分野においては、カーペット用コンパウンドの増粘剤、塗料の増粘剤や粘着剤、粘着性向上剤として使用されている。また、製造プロセスの分野においては、アルミナ製造時の赤泥沈降剤、ソーダ工業における塩水精製用凝集剤として多用されている。更に、土木・建築分野においては、掘削土処理剤や浚渫土処理剤、加泥剤として使用され、その他一般工業分野において、吸湿剤、乾燥剤、表面改質剤、各種増粘剤としても使用されている。このように(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体は種々の分野で多岐にわたって使用されている。
このような(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体の製造においては、通常では水溶液重合により調製された含水ゲルを乾燥させることにより、含水率を調整する工程を含むことになるが、含水ゲルを解砕しておくと、含水ゲルが多孔質化され、乾燥性が向上して製造効率や製品の品質が改善されることとなる。(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの解砕方法としては、押出機で処理することが一般に行われており、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体は、例えば、重合工程、解砕工程、乾燥工程等を経て製造されている。
従来の水溶性重合体の製造技術に関し、界面活性剤を使用し、混練機中で微粒状の水溶性ポリマーゲルを形成しながら重合する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、押出機能部の前段に特殊な混練機能部を備えた横型押出機を用いて高分子量ポリエーテルポリエステルを製造する方法(例えば、特許文献2参照。)や、特定の構造を有する解砕機を用いて(メタ)アクリル酸系水溶性重合体含水ゲルを解砕する方法(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。しかしながら、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体は、種々の分野で多岐にわたって使用され、優れた性能を発揮することが要求されることから、これらの方法においては、重量平均分子量が充分に大きく、かつ不溶解分が充分に低減され、多くの分野においてより好適に用いることができる(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体を得ることを可能とするための工夫の余地があった。
特開平5−97907号公報(第2頁) 特開平11−193324号公報(第2頁) 特開2004−2562号公報(第2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、水溶性に優れ、不溶解分が充分に低減された高分子量の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体を効率的に得ることができる(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法について種々検討したところ、該含水ゲルの解砕方法としては通常押出機で処理しているが、得られる(メタ)アクリル酸(塩)の品質の良否が動力に起因することに着目し、動力を特定の範囲に設定して押し出しすることにより、上記課題をみごとに解決できることに想到した。具体的には、ミートチョッパー等による低動力では不溶解分が少なくならず、逆に高動力では分子切断して低分子化してしまうが、0.04〜0.12kWh/kgの比動力をかけながら押し出しした場合には、不溶解分が低減され、高分子量の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体を得ることが可能となることを見いだした。そして、このような押出工程をスクリュー押出機を用いて行ったり、スクリューの回転数を40〜110rpmとしたりすると、より効率的に押し出しすることができること、また、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの含水率が40〜80質量%であると、押出機中における含水ゲルの滞留をより充分に防止して解砕効率が向上することを見いだし、更に、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルを構成する(メタ)アクリル酸(塩)単量体の含有量を特定すると、得られる水溶性重合体の物性をより向上できることを見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルを押出工程を行うことにより処理する方法であって、上記押出工程は、0.04〜0.12kWh/kgの比動力をかけながら押し出しする(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の処理方法は、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルを押し出しする押出工程を含むが、処理工程としては、図1に示すように、重合、押出、乾燥、粉砕、分級の順に、これらの工程を含むことが好ましい。すなわち、重合工程と乾燥工程との間で押し出しすることが好適である。ここで、重合工程とは、(メタ)アクリル酸(塩)を主成分とする単量体成分を重合する工程であり、押出工程は、重合工程で得られた重合体のゲル状物を特定の比動力をかけながら押し出しすることにより、乾燥しやすいように解砕する工程である。乾燥工程は、解砕された含水ゲルを乾燥させる工程であり、粉砕工程は、その乾燥物を一定の大きさ(粒度)に砕く工程であり、このようにして得られた粉粒体を次の分級工程で分級することにより、種々の分野に好適に使用できる(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体が得られることとなる。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体とは、(メタ)アクリル酸系水溶性重合体又は(メタ)アクリル酸塩系水溶性重合体を意味する。
本発明の処理方法では、上記押出工程において特定の比動力をかけながら押し出しすることとなるが、比動力とは、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲル(以下、単に「含水ゲル」ともいう。)にかかる動力を単位処理量で除したもの、すなわち、単位時間当りの量1kgにかかる動力であり、下記のようにして求めることができる。
押出機を用いて押し出しする場合の動力のフローを図2に概略的に示す。
図2において、P0(kW)は、三相交流電力(モーター入力)であり、下記式(1);
P0(kW)=√3×電圧〔V〕×電流〔A〕×力率cosθ(0.85)/1000 (1)
で求められる。
P1(kW)は、三相交流出力(モーター出力)であって、P0からモーターでの損失を除いた電力であり、下記式(2);
P1(kW)=P0×モーター効率ηm(0.78)
=√3×電圧〔V〕×電流〔A〕×力率cosθ(0.85)×モーター効率ηm(0.78)/1000 (2)
で求められる。
P2(kW)は、減速機出口動力であって、P1から減速機での損失を除いた動力であり、下記式(3);
P2(kW)=P1×減速機効率ηc(0.8)
=√3×電圧〔V〕×電流〔A〕×力率cosθ(0.85)×モーター効率ηm(0.78)×減速機効率ηc(0.8)/1000
=√3×電圧〔V〕×電流〔A〕×全効率η(0.53)/1000 (3)
で求められる。
なお、上記式(3)において、全効率は、力率、モーター効率及び減速機効率を考慮した値であり、また、減速機出口動力=軸動力である。
以上より、比動力ESP〔kWh/kg〕は、下記式(4);
比動力ESP〔kWh/kg〕=減速機出口動力P2(kW)/処理量〔kg/h〕 (4)
により求めることができる。
上記押出工程においては、このようにして求められる比動力(kWh/kg)が0.04〜0.12であることが適当である。0.04未満であると、不溶解分を充分に低減できないおそれがあるが、これは、重合体の架橋部分が充分に切断されないことに起因するものと考えられる。また、0.12を超えると、その後の乾燥、粉砕、分級工程等を経て得られる(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体が低分子量化するおそれがある。これは、押出工程においてポリマー(重合体)主鎖が切断することに起因するものと推定される。
上記比動力(kWh/kg)としては、下限が0.06、上限が0.11であることがより好ましい。更に好ましい下限は0.07、上限は0.10である。
なお、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理量(kg/h)としては、比動力や、後述するスクリュー回転数等を考慮し、適宜最適な量を決定すればよい。
上記押出工程としては、スクリュー押出機を用いることが好適である。これにより、効率的に含水ゲルを押し出しすることができ、処理効率を向上することが可能となる。
本発明で使用されるスクリュー押出機は、例えば、単軸押出機、2(多)軸同方向回転スクリュー押出機、2(多)軸異方向回転スクリュー押出機、二段押出機(単軸/単軸、単軸/2軸、2軸/2軸)等特に制限されないが、単軸押出機又は二段押出機(単軸/単軸)が好ましい。その理由として、内部構造がシンプルで液流れが均一であるため、製品品質のばらつきがないもの(高品質製品)が得られる。逆に複雑な構造になる程、局部的な滞留部分の発生や複雑な流路の発生等が起こり、僅かな圧力や温度変化で品質のばらつきが発生してしまう可能性がある。
なお、スクリュー押出機の構造としては、例えば、図3で示される構造が例示でき、このような押出機では、固定円筒(シリンダー)と回転スクリューからなり押出部にダイスが設けられ、しぼりを加えることにより捏和効果を上げる方法が採られている。
また本発明に使用されるスクリュー構造としては、例えば、図4に示すように、スクリュー先端までフライトのあるフルフライト型(図4(A))、スクリュー先端に平滑部を有するトーピード型(図4(B))、固相と液相を分離する機能を持つバリヤーフライト型(図4(C))、せん断を加えるダム型(図4(D))、ピン型(図4(E))、フィン型(図4(F))、ウェーブ溝型(図4(G))等があるが特に制限されない。また、スクリュー先端の形状は、円柱状でも円錐状でもよい。また、スクリューL/D(L:スクリュー長さ、D:スクリュー径)は、通常7〜40、好ましくは10〜35、更に好ましくは12〜25である。
このようなスクリュー押出機において、スクリュー及びシリンダー部の温度としては特に限定されないが、押出機内の温度が40〜150℃となることが好ましい。この範囲内に設定することにより、含水ゲルをより充分に多孔質化することができ、乾燥しやすくすることが可能となる。より好ましくは、45〜120℃、更に好ましくは、50〜90℃である。
またスクリューの回転数としては、処理量に応じて適宜設定すればよいが、例えば、40〜110rpmであることが好ましく、このような形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。この形態では、更に充分に不溶解分が低減され、より高分子量の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体を効率的に得ることが可能となる。より好ましくは、50〜100rpmである。
本発明の処理対象である(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルとしては、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸塩により構成される(メタ)アクリル酸(塩)単量体を必須とする単量体成分を重合して得られる重合体により形成される、水を含んでなるゲル状物である。このような含水ゲルの好適な形態としては、(メタ)アクリル酸(塩)単量体を含む単量体成分を重合して得られる重合体により形成されるものであり、該(メタ)アクリル酸(塩)単量体は、全単量体成分100モル%に対して、50モル%以上である形態である。(メタ)アクリル酸(塩)単量体の比率が高い程、本願発明の比動力を特定化する効果が高くなるものである。より好ましくは、70モル%以上である。
なお、上記重合体としては、酸基を持つ酸型重合体でも酸基を持たない塩型重合体でもよく、塩型重合体を製造する場合、最初から酸部分を中和した原料を使用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの本発明における好ましい形態としては、該含水ゲルの含水率が40〜80質量%である形態である。含水率が40質量%未満であっても、80質量%を超えても、押出機中で含水ゲルが内部に滞留して過剰に練られてしまうおそれがある。その結果、分子量低下等品質が低下するものである。より好ましい下限は45質量%、上限は75質量%であり、更に好ましい下限は50質量%、上限は70質量%である。
ここで、含水率とは、得られた含水ゲルを恒量になるまで乾燥させることによって算出した水分含有量である。なお、必要に応じて、乾燥させる前に当該含水ゲルをカッター等で細かくしてから測定してもよい。
本発明の処理方法を経て得られる(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体としては、溶液粘度が100mPa・s以上であることが好適である。溶液粘度とは、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体を0.2質量%含む水溶液の30℃におけるB型粘度を意味し、該粘度がこのような値を示すことにより、特に、水に溶解したときに高粘度となるようなものが賞用される増粘剤や加泥剤、排土の流動性低下剤等として好適に使用されることとなる。好ましくは、200mPa・s以上であり、より好ましくは、300mPa・s以上である。
上記溶液粘度は、以下のようにして求めることができる。
(溶液粘度の測定方法)
容量500mlのビーカーにイオン交換水499gをとり、マグネチックスターラーで攪拌下、粉末状(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体1gをママコができないように添加する。次いで、ジャーテスターを使用し100rpmで50分間攪拌する。30℃に温度調節した後、B型粘度計(東京計器社製)で測定する(30rpm、ローターNo.2)。
また上記(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体の不溶解分は2質量%以下であることが好ましい。これにより、少ない使用量で(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体の作用効果を充分に発揮することが可能となり、例えば、パップ剤として使用した場合には、より均質な膏体が得られることとなる。一方、不溶解分が2質量%を超えると、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体の有効成分が少なくなるおそれがある。また、上記水溶性重合体を溶解するタンクに付属しているストレーナーに多量の不溶解分(ゲル)が溜り頻繁に掃除の必要性が生じ、更に、液移送配管の閉塞の原因となるおそれがある。好ましくは、1質量%以下であり、より好ましくは、0.5質量%以下である。なお、不溶解分は、以下のようにして求めることができる。
(不溶解分の算出方法)
容量500mlのビーカーに、イオン交換水500gを入れ、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、このイオン交換水に、粉末状(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体1gをママコができないように添加する。次にこの混合物を、ジャーテスターを用いて25℃で2時間撹拌(100rpm)した後、32メッシュのフィルタを用いて濾過することにより、含水状態の不溶物を取り出す。そして、この不溶物を乾燥しないように直ちに(1分以内に)秤量し、下記計算式(5)に基づいて不溶解分を算出する。なお、上記濾過及び秤量は、25℃、相対湿度60%の状態で行う。
不溶解分(質量%)={不溶物の質量(g)/500(g)}×100 (5)
更に上記(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体の重量平均分子量としては、50万〜1000万であることが好ましい。この分子量範囲が本願発明の比動力を特定化する効果が高くなるものである。また、充分な凝集力や増粘性を発揮できるとともに、安定的にこれらの物性を保有することが可能となる。より好ましくは、100万〜700万であり、更に好ましくは、200万〜600万であり、特に好ましくは、300万〜500万である。
上記重量平均分子量の測定方法は、ダイナミック光散乱光度計を用いて以下の条件により測定したものである。
装置:ダイナミック光散乱光度計(大塚電子社製、商品名:DSL−700)
溶媒:0.16M/LのNaClの水溶液
試料濃度:0.05〜2mg/ml
試料pH:10(at25℃)
測定温度:25℃
なお、本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルにおける押出前後の重量平均分子量の変化率、すなわち押出工程前の重量平均分子量をMwA、押出工程後の重量平均分子量をMwBとしたときに、下記式(6);
分子量変化率(%)=|MwA−MwB|×100/MwA (6)
で表される分子量変化率としては、5%以下であることが好ましい。より好ましくは、3%以下である。
また上記(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルにおける押出前後の溶液粘度の変化率、すなわち押出工程前の溶液粘度をη、押出工程後の溶液粘度をηとしたときに、下記式(7);
溶液粘度変化率(%)=|η−η|×100/η (7)
で表される溶液粘度変化率としては、20%以下であることが好ましい。ここで、押出工程における比動力が本発明の範囲を超える場合、すなわち0.12kWhを超える場合には、高シェアの押し出しで架橋構造が破壊するため粘度が大きく数値変化すると考えられる。より好ましくは、10%以下であり、更に好ましくは、5%以下である。
なお、上記押出前後の重量平均分子量及び溶液粘度としては、押出前又は押出後の含水ゲルを、それぞれ190℃で恒量になるまで乾燥した後に上述した測定方法に従って測定したものである。
本発明の処理方法における重合工程、押出工程、乾燥工程、粉砕工程及び分級工程について、以下に更に説明する。
(重合工程)
重合工程では、上述したように(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸塩により構成される(メタ)アクリル酸(塩)単量体を必須とする単量体成分を重合することとなる。上記(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルは、このようにして得られる重合体により形成される、水を含んでなるゲル状物であるが、(メタ)アクリル酸塩としては、(メタ)アクリル酸を1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等で中和してなる中和物、すなわち(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも(メタ)アクリル酸ナトリウムが好ましい。より好ましくは、アクリル酸ナトリウムである。
上記単量体成分としては、(メタ)アクリル酸(塩)単量体以外の酸系単量体やその他の単量体を含んでいてもよく、(メタ)アクリル酸(塩)単量体以外の酸系単量体としては、α−ヒドロキシアクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド等の不飽和スルホン酸系単量体;(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の不飽和ホスホン酸系単量体及びこれら酸系単量体を1価金属、2価金属、アンモニア、有機アミン等で中和してなる中和物等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記その他の単量体としては、(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体;3−メチル−2−ブテン−1−オール(プレノール)、3−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノール)、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソプレンアルコール)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ビニルアルコール等の水酸基を有する不飽和単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のカチオン性単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明における(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの重合において、特にアクリルアミド系単量体は、重合性が充分ではなく残存しやすいため、また、残存した場合には安全性が充分とはならないことから、上記のその他単量体としてのアクリルアミド系単量体の使用量は、全使用単量体100モル%に対して、30モル%以下とすることが好ましい。より好ましくは20〜0モル%、更に好ましくは10〜0モル%、特に好ましくは5〜0モル%の範囲内とすることである。
上記(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの製造方法(重合方法)としては、溶液重合法が好ましい。より好ましくは、水溶液中にて静置重合法で重合する方法であり、このような方法は、不溶解分を少なく、かつ高分子量の水溶性重合体を容易に製造できるため好ましい。また、重合の形態としては、注型重合法やベルト重合法が採用できる。重合時の単量体濃度としては、20〜60質量%とすることが好ましい。より好ましくは、25〜55質量%であり、更に好ましくは、30〜50質量%である。
上記重合方式としては、熱重合や光重合のいずれでも製造することができる。
上記熱重合の場合の重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス−〔2−(2−イミダゾリン)−2−イル〕プロパン〕二塩酸塩等のアゾ系化合物等の水溶性ラジカル重合開始剤が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。これら熱重合開始剤の中でも、アゾ系化合物が特に好ましい。上記熱重合開始剤の使用量は、単量体成分1モルに対して、0.0001〜0.05gの範囲内が好適である。熱重合する時の重合開始温度としては、15〜50℃が好ましい。重合時の反応液の最高温度は150℃以下、好ましくは、120℃以下、より好ましくは、110℃以下となるように重合を制御することが好ましい。
上記光重合の場合の重合開始剤としては、以下のような化合物を用いることができる。
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、1,1′−アゾビス(1−アミジノ−1−シクロプロピルエタン)、2,2′−アゾビス(2−アミジノ−4−メチルペンタン)、2,2′−アゾビス(2−N−フェニルアミノアミジノプロパン)、2,2′−アゾビス(1−イミノ−1−エチルアミノ−2−メチルプロパン)、2,2′−アゾビス(1−アリルアミノ−1−イミノ−2−メチルブタン)、2,2′−アゾビス(2−N−シクロへキシルアミジノプロパン)、2,2′−アゾビス(2−N−ベンジルアミジノプロパン)及びその塩酸、硫酸、酢酸塩等、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)及びそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イソブチルアミド)、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(1,1′−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−1,1′−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ系光重合開始剤。
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)とベンゾフェノンとの共融混合物、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(イルガキュア369)と2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)との3:7の混合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI403)と2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173)との1:3の混合物、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI403)と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)との1:3の混合物、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI403)と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184)との1:1の混合物、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173)との1:1の液状混合物、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンとの共融混合物、4−メチルベンゾフェノンとベンゾフェノンとの液状混合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドとオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]とメチルベンゾフェノン誘導体との液状混合物。
1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルファニル)プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、α−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート、アクリル化アミンシナジスト、ベンゾイン(iso−及びn−)ブチルエステル、アクリルスルホニウム(モノ、ジ)ヘキサフルオロリン酸塩、2−イソプロピルチオキサントン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルスルフィド、2−ブトキシエチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、エチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインヒドロキシアルキルエーテル、ジアセチル及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、ジフェニルジスルフィド及びその誘導体、ベンゾフェノン及びその誘導体、ベンジル及びその誘導体。
上記光重合開始剤の使用量としては、重合に使用される単量体成分1モルに対して、0.0001g以上が好ましく、また、1g以下が好ましい。これにより、(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の重量平均分子量や重合率を充分に高いものとすることができる。より好ましくは、0.001g以上であり、また、0.5g以下である。光重合する時の重合開始温度としては、0〜30℃が好ましい。重合時の反応液の最高温度は150℃以下、好ましくは120℃、より好ましくは110℃以下となるように重合を制御することが好ましい。
上記光重合を行う場合には、反応液等に近紫外線を照射することが好ましい。近紫外線を照射する装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光ケミカルランプ、蛍光青色ランプ等が好適である。また、近紫外線の波長領域としては、300nm以上であることが好ましく、また、500nm以下であることが好ましい。この範囲の波長を有する紫外線を反応液等に照射することにより、光重合が開始し、適切な速度で重合反応が進行することになる。また、光重合を行う場合には、近紫外線を0.1〜100W/mの強度で照射して重合させることが好ましく、これにより、不溶解分をより少なくすることができる。
上記重合方法においてはまた、上記重合開始剤とともに連鎖移動剤を併用することが好ましい。適当量の連鎖移動剤を使用することにより、(メタ)アクリル酸系水溶性重合体の重量平均分子量がより大きく、かつ不溶解分がより少ない重合体を製造することができ、その結果、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、チオグリコール酸、チオ酢酸、メルカプトエタノール等の含硫黄化合物;亜燐酸、亜燐酸ナトリウム等の亜燐酸系化合物;次亜燐酸、次亜燐酸ナトリウム等の次亜燐酸系化合物;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類が好適である。これらの中でも、次亜燐酸系化合物が好ましい。より好ましくは、次亜燐酸ナトリウムである。上記連鎖移動剤の使用量としては、重合濃度や光重合開始剤との組み合わせ等により適宜設定すればよいが、重合に使用される単量体成分1モルに対して、0.0001g以上が好ましく、また、0.2g以下が好ましい。また、更に好ましくは、0.001g以上であり、また、0.15g以下であり、特に好ましくは、0.005g以上であり、また、0.10g以下である。
(押出工程)
押出工程では、上述したように、重合工程で得られた重合体のゲル状物を特定の比動力をかけながら押し出しすることとなる。
上記押出工程において解砕された含水ゲルの形態としては特に限定されないが、例えば、顆粒状、ペレット状、紐状等が好適であり、その大きさもまた特に限定されない。これらの解砕された含水ゲルは、押出機の中で空気を含んで多孔質化するので、乾燥性が向上することになる。解砕された含水ゲルは、乾燥すると軽量化されるので、輸送や保存等に有利となる。
(乾燥工程)
乾燥工程では、解砕された含水ゲルを乾燥させることとなるが、乾燥方法としては特に限定されず、例えば、熱により乾燥させることが好適である。具体的には、3mmφのひも状に含水ゲルを解砕した場合には、150〜200℃程度で1〜2時間程乾燥させることが好ましい。
(粉砕工程)
粉砕工程では、上記乾燥工程により乾燥された含水ゲルを一定の大きさ(粒度)に砕くこととなるが、粉砕工程としては特に限定されず、通常行われる方法が採用される。
(分級工程)
分級工程では、上記粉砕工程により砕かれた粉粒体の粒度を調製することとなり、分級方法としてもまた、特に限定されず、通常行われる方法が採用される。
本発明の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法は、上述の構成よりなるので、水溶性に優れ、不溶解分が充分に低減された高分子量の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体を効率的に得ることができ、湿布薬やパップ剤用の添加剤や親水性軟膏基材、カーペット用コンパウンドの増粘剤、塗料の増粘剤や粘着剤や粘着性向上剤、アルミナ製造時の赤泥沈降剤、ソーダ工業における塩水精製用凝集剤、掘削土処理剤や浚渫土処理剤や調泥剤、吸湿剤、乾燥剤、表面改質剤、各種増粘剤等に好適に使用することが可能となる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を意味するものとする。
なお、実施例及び比較例において、溶液粘度及び不溶解分としては、上述した方法に従って測定した。
(合成例)
アクリル酸ナトリウム37質量%水溶液2837部、グリセリン21部、過硫酸アンモニウム0.058部、所定量の水酸化ナトリウム及びイオン交換水を添加してpH12.8のアクリル酸ナトリウム水溶液36質量%水溶液2916部を得た。
グリセリンの添加量はアクリル酸ナトリウムに対して2質量%であった。また、過硫酸アンモニウムの添加量はアクリル酸ナトリウム1モルに対して0.0052gであった。
該アクリル酸ナトリウム水溶液中を真空脱気することにより溶存酸素を除去した。
次いで、窒素気流下、該液を縦1m、横1m、厚み5cmの注型重合容器(側面に冷却水あるいは加熱用温水が通液できる構造。縦置き。上部に温度計挿入。)に導いた。
側面に温度38℃の温水を通液しながら静置した。直ちに重合が開始して186分後にピーク温度83℃に達した。ピーク温度に到達してから30分保持した。
次いで、側面に温度80℃の温水を通液しながら2時間静置することにより重合を完結した。冷却後、解枠して水溶性アクリル系含水ゲルを取り出した。
実施例1
上記合成例で得られた水溶性アクリル系含水ゲルを単軸押出し機(2段式スクリュー、スクリュー直径180/120φ(1段目180φ、2段目120φ)、スクリュー長さ2400mm、所要動力75kW、処理量200〜300kg/hr、大阪精機社製)に表1に示す比動力をかけながら押し出しした。押し出された紐状の含水ゲルを5cmの厚みになるように通気バンド乾燥機のベルト面にフィードした。温度190℃×2時間乾燥することにより岩おこし状の乾物を得た。該乾物を粉砕して20〜60メッシュの粒径範囲の粉末を得た。
該粉末の溶液粘度及び不溶解分を前記した測定方法に基づき測定しその結果を表1に示した。
実施例2〜3
比動力を表1に示した値として押し出すことによりゲルを処理した。該ゲルを実施例1と同様にして処理して粉末品の溶液粘度及び不溶解分を測定した。その結果を表1に示した。
なお、実施例1〜3で用いた単軸押出し機の構造について、図3に示す。
比較例1
実施例1で用いたのと同じ水溶性含水ゲルをミートチョッパー(スクリュー直径192φ、所要動力15kW、平賀工作所製)に供給し表1に示した比動力でゲルを処理した。該ゲルを実施例1と同様に処理して粉末品の溶液粘度及び不溶解分を測定した。その結果を表1に示した。
比較例2
実施例1で用いたのと同じ水溶性含水ゲルを、実施例1で用いたのと同じ押出機に供給し、表1に示した比動力でゲルを処理した。該ゲルを実施例1と同様に処理して粉末品の溶液粘度及び不溶解分を測定した。その結果を表1に示した。
参考例
合成例で得られた水溶性アクリル系含水ゲルの一部をハサミで細かく裁断し、金網上に敷き詰めた後、熱風循環式乾燥機で190℃で2時間乾燥した。次に卓上型粉砕機で粉砕した後、分級して20〜60メッシュの粒径範囲の粉末を得た。
該粉末の溶液粘度を実施例1と同様にして測定した結果、680mPa・sであった。
また、該粉末の不溶解分を実施例1と同様にして測定した結果、1.23質量%であった。
Figure 0004133959
上記実施例及び参考例より、押出工程前の溶液粘度(参考例)は680mPa・sであり、本発明の条件下における押出工程後の溶液粘度は、それぞれ、670mPa・s(実施例1)、640mPa・s(実施例2)、670mPa・s(実施例3)であることから、溶液粘度変化率を上述した式(7)に従って求めると、それぞれ、1.47%(実施例1)、5.88%(実施例2)、1.47%(実施例3)となる。一方、上記比較例2では、押出工程後の溶液粘度は470mPa・sであることから、溶液粘度変化率は30.8%(比較例2)となる。
したがって、(1)本発明の押し出しシェアー条件では溶液粘度変化が小さいこと、及び、(2)本発明の押し出しシェアー範囲を超えると、溶液粘度が低下し、(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体が保有する重要な物性である増粘性等の物性に影響を与えること、が分かる。
なお、実施例1〜3及び比較例2で用いた単軸押出し機(大阪精機社製)及び比較例1で用いたミートチョッパー(平賀工作所製)について、上述の式(3);
P2(kW)=√3×電圧〔V〕×電流〔A〕×全効率η(0.53)/1000 (3)
及び式(4);
比動力ESP〔kWh/kg〕=減速機出口動力P2(kW)/処理量〔kg/h〕 (4)
に基づいて、比動力の実績値を算出したものを下記表2(単軸押出し機)及び表3(ミートチョッパー)に示す。ただし、単軸押出し機の電圧は220V、ミートチョッパーの電圧は440Vであり、その他は上記式の記載どおりである。
またこれらの算出結果について、スクリュー回転数と比動力との関係を図6に示す。
Figure 0004133959
表2より、単軸押出し機では、スポット稼働を除くと比動力は0.07〜0.11kWh/kgの範囲となる(但し、スクリュー回転数は44〜106rpm条件下である。)。
Figure 0004133959
表3より、ミートチョッパーでは、スポット稼働を除くと比動力は0.013〜0.015kWh/kgの範囲となる(但し、スクリュー回転数は126rpm条件下である。)。
本発明の処理方法の好適な形態を示す工程図である。 本発明の処理方法において、押出機を用いて押し出しする場合の動力のフロー図である。 実施例1〜3及び比較例2で用いた単軸押出し機の構造を示す概略図である。 本発明の処理方法において、好適に使用されるスクリュー構造を示す概略図である。 実施例1〜3及び比較例2で用いた単軸押出し機及び比較例1で用いたミートチョッパーにおいて、スクリュー回転数と比動力との関係を示すグラフである。
符号の説明
1:ダイ
2:ブレーカープレート
3:スクリュー
4:ポッパー
5:減速機
6:スクリーン
7:ライナー
8:モーター
9:シリンダー
10:冷却ジャケット

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルを押出工程を行うことにより処理する方法であって、
    該押出工程は、0.04〜0.12kWh/kgの比動力をかけながら押し出しする工程であり、
    該(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルは、含水率が40〜80質量%であり、かつ(メタ)アクリル酸(塩)単量体を含む単量体成分を重合して得られる重合体により形成されるものであって、
    該(メタ)アクリル酸(塩)単量体は、全単量体成分100モル%に対して、50モル%以上であり、
    該処理方法を経て得られる(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体は、溶液粘度が100mPa・s以上である
    ことを特徴とする(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法。
  2. 前記押出工程は、スクリュー押出機を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法。
  3. 前記押出工程は、スクリューの回転数が40〜110rpmである
    ことを特徴とする請求項2に記載の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法。
  4. 前記(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルは、その押出工程前の溶液粘度をη 、押出工程後の溶液粘度をη としたときに、下記式(7);
    溶液粘度変化率(%)=|η −η |×100/η (7)
    で表される溶液粘度変化率が、20%以下である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法。
  5. 前記(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルは、前記単量体成分を水溶液中にて静置重合法で重合することにより得られるものである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法。
  6. 前記処理方法を経て得られる(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体は、重量平均分子量が50万〜1000万である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法。
  7. 前記処理方法は、重合工程、押出工程、乾燥工程、粉砕工程及び分級工程をこの順に含むものである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸(塩)系水溶性重合体含水ゲルの処理方法。
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