JP4133430B2 - 車両の自動停止再始動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの自動停止と再始動とが可能な車両の自動停止再始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃費の低減や、排気ガスの低減を目的として、信号待ちや、電車通過待ち、人待ち等をしている際の車両停止時等、エンジンの作動が不要の時には自動的に車両を停止して、エンジン作動が必要になった時には再びエンジンを始動する車両の自動停止再始動制御装置が開発され、実用化されている。
【0003】
このような車両でエンジンの自動停止を行う場合、その判定条件として、例えば特開2000−274273号公報では、エンジン暖機が完了したことを確認した上で、ブレーキペダルが踏み込まれ、車速がゼロとなり、アクセルペダルがオフとなって、さらにエンジン回転数がアイドル回転数であるか判定し、設定したディレイ時間後にエンジンを自動停止することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−274273号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなエンジンの自動停止を行うと、再発進が遅れてしまうため、渋滞等の道路状況や、車庫入れ等の運転状況、運転者の好みによっては停車してもエンジンの停止は実行したくない場合がある。また、これとは逆に、積極的にエンジンの自動停止を行って、燃費の低減や、排気ガスの低減、騒音の低減等を図りたい場合がある。この道路状況や運転状況、運転者の好みを、上述の特許文献1のようにブレーキペダル、アクセルペダルの状態、車速等の条件だけで判定することは極めて困難であった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、渋滞等の道路状況や、車庫入れ等の運転状況、ドライバの好みをエンジンの自動停止再始動の制御に的確に反映させることができ、自然で使いやすく汎用性の広い車両の自動停止再始動制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の本発明による車両の自動停止再始動制御装置は、エンジンを自動停止する予め設定したエンジン自動停止条件が成立しているか否か判定するエンジン自動停止条件判定手段と、前回エンジンを自動停止してから今回エンジン自動停止しようとするまでの時間と距離のどちらかを比較値として算出する比較値算出手段と、前回エンジンを自動停止してからの最大加速度を算出する最大加速度算出手段と、今回エンジンの自動停止を実行するエンジン自動停止実行条件としての上記比較値に対する閾値を上記最大加速度に応じて可変に設定するエンジン自動停止実行条件設定手段と、上記閾値をハンドル角に応じて補正する補正手段と、上記比較値と上記閾値とを比較して今回エンジン自動停止実行条件が成立しているか否か判定するエンジン自動停止実行条件判定手段と、上記エンジン自動停止条件が成立し、且つ、上記エンジン自動停止実行条件が成立した際に上記エンジンを自動停止させるエンジン自動停止手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の本発明による車両の自動停止再始動制御装置は、請求項1記載の車両の自動停止再始動制御装置において、上記閾値は、調整手段により乗員が可変設定できることを特徴としている。
【0011】
すなわち、請求項1記載の車両の自動停止再始動制御装置は、エンジン自動停止条件判定手段でエンジンを自動停止する予め設定したエンジン自動停止条件が成立しているか否か判定する。また、比較値算出手段で前回エンジンを自動停止してから今回エンジン自動停止しようとするまでの時間と距離のどちらかを比較値として算出する。更に、最大加速度算出手段で前回エンジンを自動停止してからの最大加速度を算出し、エンジン自動停止実行条件設定手段で今回エンジンの自動停止を実行するエンジン自動停止実行条件としての比較値に対する閾値を最大加速度に応じて可変に設定する。こうして設定される閾値は、補正手段でハンドル角に応じて補正される。そして、エンジン自動停止実行条件判定手段は、比較値と閾値とを比較して今回エンジン自動停止実行条件が成立しているか否か判定する。こうして、エンジン自動停止条件が成立し、且つ、エンジン自動停止実行条件が成立した際には、エンジン自動停止手段は、エンジンを自動停止させる。
【0012】
この際、エンジン自動停止実行条件設定手段で設定する閾値は、具体的には、請求項2記載のように、調整手段により乗員が可変設定できるものであっても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図4は本発明の実施の第1形態を示し、図1は車両の自動停止再始動制御装置を搭載した車両全体の概略説明図、図2は自動停止再始動制御のフローチャート、図3は調整ボリュームにより設定するエンジン自動停止実行時間の特性図、図4はハンドル角により設定するエンジン自動停止実行時間に対する補正値の特性図である。
【0016】
図1において、符号1は車両前部に配置されたエンジンを示し、このエンジン1による駆動力は、エンジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含んで図示)2からトランスファ3に伝達される。
【0017】
更に、このトランスファ3に伝達された駆動力は、リヤドライブ軸4、プロペラシャフト5、ドライブピニオン軸部6を介して後輪終減速装置7に入力される一方、リダクションドライブギヤ、リダクションドリブンギヤ、フロントドライブ軸を介して前輪終減速装置(以上、フロント駆動系は図示せず)に入力される。
【0018】
後輪終減速装置7に入力された駆動力は、後輪左ドライブ軸8rlを経て左後輪9rlに、後輪右ドライブ軸8rrを経て右後輪9rrに伝達される。前輪終減速装置に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸8flを経て左前輪9flに、前輪右ドライブ軸8frを経て右前輪9frに伝達される。
【0019】
次に、この車両に車載される各エレクトロニクス系について説明する。
本車両は、42Vの高電圧系と14Vの低電圧系の2つの電圧系統を有して構成されている。
【0020】
符号11は、インバータ装置を示し、このインバータ装置11には、エンジン1のクランクスプロケット12によりベルト13を介して回転軸端部のプーリ14が回転され発電を行うと共に、最初の始動時以外の再始動等におけるエンジン1の始動を行うモータ/ジェネレータ15が電気的に接続されている。
【0021】
インバータ装置11には、充放電可能な36Vバッテリ16と接続された42V系の配線が接続され、この42V系の配線には、最初のエンジン始動時のみ使用するスタータモータ17や、電動モータによるパワーステアリング装置18等が接続されている。
【0022】
また、インバータ装置11側面には、42V系の配線が接続されて、42V電圧を14V電圧に変換するDC−DCコンバータ19が略一体的に併設されている。このDC−DCコンバータ19に接続される配線には、充放電可能な12Vバッテリ20が接続され、その他各種ランプ、オーディオ、及び、後述する各制御装置等の14V負荷21が接続されている。
【0023】
車両には、後述の図2に示すフローチャートに従って、車両の自動停止再始動制御を実行するアイドルストップ制御装置30が搭載されており、このアイドルストップ制御装置30には、エンジン1における周知の各種制御を実行するエンジン制御装置31、主に36Vバッテリ16の充電状態、放電状態を管理するバッテリ管理装置32等が、例えば、車両の通信ネットワークとしてISOの標準プロトコルの一つであるCAN(Controller Area Network)等により接続されている。
【0024】
アイドルストップ制御装置30には、ブレーキペダル41の踏み込みストロークを検出するブレーキペダル踏み込み量センサ42(ブレーキ油圧をセンシングするものでも良い)、アクセルペダル43の踏み込みストロークを検出するアクセルペダル踏み込み量センサ44が接続されている。また、アイドルストップ制御装置30には、ハンドル角θHを検出するハンドル角センサ45、車速Vを検出する車速センサ46、選択されたシフトポジション(P、R、N、D、3速、2速、1速の各レンジ位置)を検出するシフトポジションスイッチ47、ドライバがエンジンの自動停止を実行するエンジン自動停止実行条件を選択的に設定自在なエンジン自動停止実行条件設定手段を構成する可変の調整ボリューム48等が接続されている。
【0025】
そして、アイドルストップ制御装置30は、後述の図2に示すフローチャートに従って、各情報を基に、エンジン1を自動停止する予め設定したエンジン自動停止条件が成立しているか否か判定する。この判定の結果、エンジン自動停止条件が成立している場合には、前回エンジン1を自動停止してからの最大加速度Gmaxを算出し、前回エンジン自動停止してから今回エンジン自動停止しようとするまでの比較値を算出し、更に、この比較値と対応する閾値を、最大加速度Gmaxを反映させて、ドライバの選択した調整ボリューム48の位置に応じて設定する。そして、比較値と閾値とを比較し、今回エンジン自動停止実行条件が成立しているか判定し、エンジン自動停止実行条件が成立した際にエンジン1を自動停止させる信号をエンジン制御装置31に出力するようになっている。こうして、アイドルストップ制御装置30は、エンジン自動停止条件判定手段、最大加速度算出手段、エンジン自動停止実行条件設定手段、比較値算出手段、エンジン自動停止実行条件判定手段、エンジン自動停止手段の機能を有して構成されている。
【0026】
また、バッテリ管理装置32は、36Vバッテリ16の充電状態、放電状態を管理すべく、36Vバッテリ16におけるバッテリ温度TBaを検出するバッテリ温度センサ51、バッテリ電圧VBaを検出するバッテリ電圧計52、バッテリ電流IBaを検出するバッテリ電流計53が接続されている。そして、これらの情報から36Vバッテリ16の状態を推定し、場合によっては(バッテリ残存容量が少ないと推定される場合には)アイドルストップ制御装置30に対してアイドルストップの禁止指令等を出力する。また、バッテリ管理装置32は、36Vバッテリ16の状態や、アイドルストップ制御装置30から入力される回生指令等をも考慮して、インバータ装置11に対しては、36Vバッテリ16に対して充電する際の様々な状況に応じた目標とする電圧値(充電せずも含む)を出力するようになっている。
【0027】
次に、アイドルストップ制御装置30における自動停止再始動制御を図2のフローチャートで説明する。まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で制御に必要なパラメータを読み込み、S102に進み、エンジン自動停止条件が成立しているか否か判定する。
【0028】
ここで、エンジン自動停止条件とは、例えば、ブレーキペダル41が踏み込まれ、アクセルペダル43が踏まれておらず、シフトポジションがP、N、D、3速、2速、1速の何れかで、車速Vが略ゼロであり、且つ、バッテリ管理装置32からアイドルストップの禁止指令がない場合である。
【0029】
S102の判定の結果、エンジン自動停止条件が不成立と判定された場合には、S103に進み、現在、エンジン1が自動停止中か否か判定し、自動停止中でなければ、そのままプログラムを抜ける。逆に、エンジン1が自動停止中の場合には、S104に進み、エンジン1を再始動するようにエンジン制御装置31とインバータ装置11に対して信号を出力し、プログラムを抜ける。
【0030】
一方、S102の判定の結果、エンジン自動停止条件成立と判定された場合には、S105に進み、前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxを算出し、S106に進んで、比較値としての前回エンジン自動停止からの時間Tを算出する。
【0031】
次いで、S107に進み、調整ボリューム48の位置と、S105で算出した前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxからエンジン自動停止を実行するエンジン自動停止実行条件である閾値としての時間Taを算出する。このエンジン自動停止実行時間Taは、例えば、図3に示すように、前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxに応じた複数の特性の値(最大加速度Gmaxが大きくなるほど短い時間の特性をとる)が、調整ボリューム48の位置により可変に設定されており、調整ボリューム48の位置が右側になる程、エンジン自動停止実行条件時間Taは長い時間に設定される。
【0032】
次に、S108に進むと、S107で算出したエンジン自動停止実行時間Taをハンドル角θHで補正する。このエンジン自動停止実行時間Taのハンドル角θHによる補正は、例えば、図4に示すように、ハンドル角θHの絶対値|θH|が大きいほど、すなわち、ステアリングホイールを大きく切っている程、長い時間の補正値となり、この補正値とS107で求めたエンジン自動停止実行時間Taとを加算することにより、最終的なエンジン自動停止実行時間Taが補正算出される。
【0033】
そして、S109に進み、S106で算出した前回エンジン自動停止からの時間Tと最終的なエンジン自動停止実行時間Taとが比較され、前回エンジン自動停止からの時間Tが、最終的なエンジン自動停止実行時間Taより小さい場合(T<Taの場合)には、そのままプログラムを抜ける。逆に、前回エンジン自動停止からの時間Tが、最終的なエンジン自動停止実行時間Ta以上の場合(T≧Taの場合)には、S110に進み、エンジン自動停止の信号をエンジン制御装置31に出力してプログラムを抜ける。
【0034】
このように、本実施の第1形態によれば、ドライバが調整ボリューム48を操作して、エンジン自動停止実行時間Taを選択的に可変設定できるようになっているので、渋滞等の道路状況や、車庫入れ等の運転状況、ドライバの好みをエンジンの自動停止再始動の制御に的確に反映させることができ、自然で使いやすく汎用性の広い装置となっている。すなわち、ドライバがエンジン1の自動停止をできるだけ回避したい場合(渋滞等の道路状況や、車庫入れ等の運転状況、車両の早期発進を望む場合等)には、調整ボリューム48を操作して、エンジン自動停止実行時間Taを長めに設定する。これとは逆に、ドライバがエンジン1の自動停止を積極的に行いたい場合(燃費の低減や、排気ガスの低減、騒音の低減等を図りたい場合等)には、調整ボリューム48を操作して、エンジン自動停止実行時間Taを短めに設定するのである。
【0035】
また、エンジン自動停止実行時間Taの特性は、前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxを反映してきめ細かく設定されるので、道路状況や、運転状況、ドライバの好みをエンジンの自動停止再始動の制御により的確に反映させることができ、より自然で使いやすく汎用性の広い装置となっている。例えば、比較的、最大加速度Gmaxが小さく短時間ですむ車庫入れの時は、エンジン自動停止実行時間Taは、調整ボリューム48の位置を変化させなくとも通常より長く設定されるので、エンジン自動停止が生じずらくなる。
【0036】
また、本実施の第1形態によれば、エンジン自動停止実行時間Taをハンドル角θHで補正するようになっているので、ステアリングホイールを大きく切っている、すなわち、大きく旋回しようとしているときほど、エンジン自動停止実行時間Taが長い時間に補正され、エンジン1の自動停止が実行されずらくなり、実際の運転状況をより積極的に反映した正確な制御が行えるようになっている。
【0037】
尚、本実施の第1形態で説明する、図2のフローチャートにおいて、S105とS106の手順は、その順番が逆であっても良く、また、S106とS107の手順も、その順番が逆であっても良い。
【0038】
次に、図5〜図7は本発明の実施の第2形態を示し、図5は自動停止再始動制御のフローチャート、図6は調整ボリュームにより設定するエンジン自動停止実行距離の特性図、図7はハンドル角により設定するエンジン自動停止実行距離に対する補正値の特性図である。尚、本実施の第2形態は、前記実施の第1形態が、エンジン自動停止を実行するエンジン自動停止実行条件を、前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxを反映した時間Taで定めるのに対し、前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxを反映した距離Laで設定するようにしたもので、他の構成、作用は前記第1形態と同様であるため説明は省略する。
【0039】
すなわち、図5に示す自動停止再始動制御のフローチャートにおいて、S102の判定の結果、エンジン自動停止条件成立と判定された場合には、S201に進み、前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxを算出し、S202に進んで、比較値としての前回エンジン自動停止からの距離Lを算出する。
【0040】
次いで、S203に進み、調整ボリューム48の位置と、S201で算出した前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxからエンジン自動停止を実行するエンジン自動停止実行条件である閾値としての距離Laを算出する。
【0041】
このエンジン自動停止実行距離Laは、例えば、図6に示すように、前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxに応じた複数の特性の値(最大加速度Gmaxが大きくなるほど短い距離の特性をとる)が、調整ボリューム48の位置により可変に設定されており、調整ボリューム48の位置が右側になる程、エンジン自動停止実行条件距離Laは長い距離に設定される。
【0042】
次に、S204に進むと、S203で算出したエンジン自動停止実行距離Laをハンドル角θHで補正する。このエンジン自動停止実行距離Laのハンドル角θHによる補正は、例えば、図7に示すように、ハンドル角θHの絶対値|θH|が大きいほど、すなわち、ステアリングホイールを大きく切っている程、長い距離の補正値となり、この補正値とS203で求めたエンジン自動停止実行距離Laとを加算することにより、最終的なエンジン自動停止実行距離Laが補正算出される。
【0043】
そして、S205に進み、S202で算出した前回エンジン自動停止からの距離Lと最終的なエンジン自動停止実行距離Laとが比較され、前回エンジン自動停止からの距離Lが、最終的なエンジン自動停止実行距離Laより小さい場合(L<Laの場合)には、そのままプログラムを抜ける。逆に、前回エンジン自動停止からの距離Lが、最終的なエンジン自動停止実行距離La以上の場合(L≧Laの場合)には、S206に進み、エンジン自動停止の信号をエンジン制御装置31に出力してプログラムを抜ける。
【0044】
このように、本実施の第2形態によれば、ドライバが調整ボリューム48を操作して、エンジン自動停止実行距離Laを選択的に可変設定できるようになっているので、渋滞等の道路状況や、車庫入れ等の運転状況、ドライバの好みをエンジンの自動停止再始動の制御に的確に反映させることができ、自然で使いやすく汎用性の広い装置となっている。すなわち、ドライバがエンジン1の自動停止をできるだけ回避したい場合(渋滞等の道路状況や、車庫入れ等の運転状況、車両の早期発進を望む場合等)には、調整ボリューム48を操作して、エンジン自動停止実行距離Laを長めに設定する。これとは逆に、ドライバがエンジン1の自動停止を積極的に行いたい場合(燃費の低減や、排気ガスの低減、騒音の低減等を図りたい場合等)には、調整ボリューム48を操作して、エンジン自動停止実行距離Laを短めに設定するのである。
【0045】
また、エンジン自動停止実行距離Laの特性は、前回エンジン自動停止からの最大加速度Gmaxを反映してきめ細かく設定されるので、道路状況や、運転状況、ドライバの好みをエンジンの自動停止再始動の制御により的確に反映させることができ、より自然で使いやすく汎用性の広い装置となっている。例えば、比較的、最大加速度Gmaxが小さく短い距離ですむ車庫入れの時は、エンジン自動停止実行距離Laは、調整ボリューム48の位置を変化させなくとも通常より長く設定されるので、エンジン自動停止が生じずらくなる。
【0046】
また、本実施の第2形態によれば、エンジン自動停止実行距離Laをハンドル角θHで補正するようになっているので、ステアリングホイールを大きく切っている、すなわち、大きく旋回しようとしているときほど、エンジン自動停止実行距離Laが長い距離に補正され、エンジン1の自動停止が実行されずらくなり、実際の運転状況をより積極的に反映した正確な制御が行えるようになっている。
【0047】
尚、本実施の第2形態で説明する、図5のフローチャートにおいて、S201とS202の手順は、その順番が逆であっても良く、また、S202とS203の手順も、その順番が逆であっても良い。
【0048】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、渋滞等の道路状況や、車庫入れ等の運転状況、ドライバの好みをエンジンの自動停止再始動の制御に的確に反映させることができ、自然で使いやすく汎用性の広い装置とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による、車両の自動停止再始動制御装置を搭載した車両全体の概略説明図
【図2】同上、自動停止再始動制御のフローチャート
【図3】同上、調整ボリュームにより設定するエンジン自動停止実行時間の特性図
【図4】同上、ハンドル角により設定するエンジン自動停止実行時間に対する補正値の特性図
【図5】本発明の実施の第2形態による、自動停止再始動制御のフローチャート
【図6】同上、調整ボリュームにより設定するエンジン自動停止実行距離の特性図
【図7】同上、ハンドル角により設定するエンジン自動停止実行距離に対する補正値の特性図
【符号の説明】
1 エンジン
11 インバータ装置
15 モータ/ジェネレータ
30 アイドルストップ制御装置(エンジン自動停止条件判定手段、最大加速度算出手段、エンジン自動停止実行条件設定手段、比較値算出手段、エンジン自動停止実行条件判定手段、エンジン自動停止手段)
31 エンジン制御装置
32 バッテリ管理装置
45 ハンドル角センサ
46 車速センサ
48 調整ボリューム(エンジン自動停止実行条件設定手段)
Claims (2)
- エンジンを自動停止する予め設定したエンジン自動停止条件が成立しているか否か判定するエンジン自動停止条件判定手段と、
前回エンジンを自動停止してから今回エンジン自動停止しようとするまでの時間と距離のどちらかを比較値として算出する比較値算出手段と、
前回エンジンを自動停止してからの最大加速度を算出する最大加速度算出手段と、
今回エンジンの自動停止を実行するエンジン自動停止実行条件としての上記比較値に対する閾値を上記最大加速度に応じて可変に設定するエンジン自動停止実行条件設定手段と、
上記閾値をハンドル角に応じて補正する補正手段と、
上記比較値と上記閾値とを比較して今回エンジン自動停止実行条件が成立しているか否か判定するエンジン自動停止実行条件判定手段と、
上記エンジン自動停止条件が成立し、且つ、上記エンジン自動停止実行条件が成立した際に上記エンジンを自動停止させるエンジン自動停止手段と、
を備えたことを特徴とする車両の自動停止再始動制御装置。 - 上記閾値は、調整手段により乗員が可変設定できることを特徴とする請求項1記載の車両の自動停止再始動制御装置。
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